銅婚の里ツアー

銅婚の里ツアー体験記

端出場と東平、趣の異なる別子銅山の魅力を満喫できました。

北川さんご一家(千葉県)

トロッコにのって、銅山の魅力を体験する観光坑道へ

銅婚式の記念品を探していた時に偶然、このツアーの募集を見つけた北川さん。「思い出づくりに」と家族4人で参加されました。まずは、銅板の外壁が目を引くあかがねミュージアムでセレモニーに参加。花束を受け取り、いざ「銅のまち新居浜」を巡る旅がスタートです。

かつて世界最大級の銅の産出量を誇り、日本近代化の一翼を担った別子銅山。端出場ゾーンでは、当時使用していた鉱山鉄道をトロッコ電車に乗って体験できます。途中で渡る鉄橋は、ピントラス橋といって、ピンを用いて組み立てられたもの。明治26年に架けられましたが、この種の橋は国内にはほとんど現存していないとか。トンネルも鉄道開通時に建設されたままで使用されています。

旧火薬庫を利用してつくられた観光坑道では、当時の採鉱の様子を人形やジオラマ、映像で見ることができ、湧水くみ上げ体験、削岩機体験など体験ゾーンも充実。北川さんも、「家族で楽しく銅山について学ぶことができた」と満足された様子です。

四国山地の風情と一体となった東洋のマチュピチュ

一方で、かつての遺構が残る別子銅山東平ゾーン。標高750mの山中に点在する産業遺産は、閉山から48年の年月を経て山の緑と同化し、なんとも言えない趣を醸しています。

大正5年から昭和5年までの間、採鉱本部が置かれ、社宅・小中学校・娯楽場や接待館が建てられるなど、昭和43年まで多くの人々が暮らしていた天空のまち。赤レンガ造りの旧保安本部や変電所、索道停車場。坑道の入り口や鉄門はアーチ型の装飾を施すなどかつて西洋化をおしすすめた近代日本の面影が垣間見えます。

東平は赤石山系をはじめとした四国山地に囲まれ、春は桜や山ツツジ、夏は深緑と青空、秋は紅葉、冬は雪化粧に彩られます。

今回、別子銅山の魅力を堪能された北川さんご一家。「次回は太鼓祭りの時期に行き、間近で太鼓台を見たい」と、新居浜市への再訪を誓っていました。