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◆合併が求めらるわけ
市町村合併が求められる背景には以下のようなことが挙げられます。
◆少子・高齢化社会への対応
今後、各地域で少子・高齢化が一層進展し、高齢者への福祉サービスがますます大きな課題となってきます。とりわけ高齢化の著しい市町村では、財政的な負担や高齢者を支える人の確保が心配されます。
◆多様化する住民ニーズへの対応
住民の価値観の多様化や技術革新の進展などに伴い、住民が求めるサービスも多様化し、高度化しています。これに対応するため、専門的かつ高度な能力を有する職員の育成・確保が求められています。
◆生活圏の広域化への対応
交通・情報通信手段の発達や経済活動の進展に伴い、住民の日常生活圏は市町村の区域を越えてますます拡大しています。同時に行政サービスの提供を広域化することも可能になっています。これにあわせて市町村の行政体制を見直し、可能な限り拡大することが求められています。また、都市近郊では市町村の区域を越えて市街地が連続していて、より広い観点から一体的なまちづくりを進めることが求められています。
◆効率性の向上
地方の借入金残高は1999年度末で約176兆円、国・地方を合わせた債務残高は、約600兆円(対GDP比121%)にのぼっています。
一般的に小規模市町村ほど税財政基盤は弱く、合併によって基盤を強化し、少子・高齢社会の中においても、基幹的な行政サービスの提供に支障がないようにすることが望まれます。
また、隣接地域での類似の公共施設の重複を避け、効率的な公共事業への投資が求められています。
◆地方分権の推進
地方分権は、住民に身近な行政の権限をできる限り地方自治体に移し、地域の創意工夫による行政運営を推進できるようにするための取り組みです。これを円滑に進めるために、地方自治体にも行財政基盤を強化するための努力が求められています。
地方分権が実行の段階となり、自己決定・自己責任の原則のもと、住民に身近なサービスの提供は、各地域で責任をもって選択され、行われることが求められます。そのためには、個々の市町村の自立・体制整備が必要になってきます。これからは、個々の市町村において政策を立案し、住民にわかりやすく説明することや、選択・実施される施策を裏付けるだけの税財源を充実させることが求められます。