本文
目次
議事日程
本日の会議に付した事件
出席議員
欠席議員
説明のため出席した者
議会事務局職員出席者
開議(午前10時00分)
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 一般質問 議案第17号~議案第33号
近藤司議員の質問(1)
1 災害に強いまちづくりについて
(1) 被災地支援
(2) 家屋倒壊対策
(3) 復興事前準備の取組
石川市長の答弁
1 災害に強いまちづくりについて
(1) 被災地支援
三谷建設部長の答弁
1 災害に強いまちづくりについて
(2) 家屋倒壊対策
(3) 復興事前準備の取組
神野上下水道局長の答弁
1 災害に強いまちづくりについて
(3) 復興事前準備の取組
小澤市民環境部危機管理監の答弁
1 災害に強いまちづくりについて
(1) 被災地支援
(3) 復興事前準備の取組
近藤司議員の質問(2)
1 災害に強いまちづくりについて
小澤市民環境部危機管理監の答弁
1 災害に強いまちづくりについて
近藤司議員の質問(3)
1 災害に強いまちづくりについて
2 人口減少対策について
(1) 少子化対策の推進
(2) 若者の移住、定住に向けた取組
(3) 建設系教育学科の創設
加藤副市長の答弁
2 人口減少対策について
(1) 少子化対策の推進
亀井企画部長の答弁
2 人口減少対策について
(2) 若者の移住、定住に向けた取組
(3) 建設系教育学科の創設
近藤司議員の質問(4)
2 人口減少対策について
3 新居浜港カーボンニュートラルポートの取組について
(1) 港湾計画の改訂
(2) 脱炭素化促進事業への取組
(3) 関連産業立地の促進
休憩(午前10時58分)
再開(午前11時09分)
原副市長の答弁
3 新居浜港カーボンニュートラルポートの取組について
(1) 港湾計画の改訂
(2) 脱炭素化促進事業への取組
(3) 関連産業立地の促進
近藤司議員の質問(5)
3 新居浜港カーボンニュートラルポートの取組について
4 ごみ処理施設の広域化、集約化について
松木市民環境部環境エネルギー局長の答弁
4 ごみ処理施設の広域化、集約化について
近藤司議員の質問(6)
4 ごみ処理施設の広域化、集約化について
篠原茂議員の質問(1)
1 経済状況について
石川市長の答弁
1 経済状況について
篠原茂議員の質問(2)
1 経済状況について
2 当初予算について
石川市長の答弁
2 当初予算について
篠原茂議員の質問(3)
2 当初予算について
石川市長の答弁
2 当初予算について
亀井企画部長の答弁
2 当初予算について
篠原茂議員の質問(4)
2 当初予算について
3 別子銅山の語り部育成について
石川市長の答弁
3 別子銅山の語り部育成について
篠原茂議員の質問(5)
3 別子銅山の語り部育成について
4 自分たちでできることについて
(1) これからのまちづくりの方向性
長井市民環境部長の答弁
4 自分たちでできることについて
(1) これからのまちづくりの方向性
休憩(午前11時58分)
再開(午後 0時59分)
篠原茂議員の質問(6)
4 自分たちでできることについて
(1) これからのまちづくりの方向性
高橋教育長の答弁
4 自分たちでできることについて
(1) これからのまちづくりの方向性
篠原茂議員の質問(7)
4 自分たちでできることについて
(1) これからのまちづくりの方向性
高橋教育長の答弁
4 自分たちでできることについて
(1) これからのまちづくりの方向性
篠原茂議員の質問(8)
4 自分たちでできることについて
(1) これからのまちづくりの方向性
高橋教育長の答弁
4 自分たちでできることについて
(1) これからのまちづくりの方向性
篠原茂議員の質問(9)
4 自分たちでできることについて
(1) これからのまちづくりの方向性
(2) コミュニティ・スクール
高橋教育長の答弁
4 自分たちでできることについて
(2) コミュニティ・スクール
篠原茂議員の質問(10)
4 自分たちでできることについて
(2) コミュニティ・スクール
(3) 環境問題
高橋教育長の答弁
4 自分たちでできることについて
(3) 環境問題
木俵教育委員会事務局長の答弁
4 自分たちでできることについて
(3) 環境問題
松木市民環境部環境エネルギー局長の答弁
4 自分たちでできることについて
(3) 環境問題
篠原茂議員の質問(11)
4 自分たちでできることについて
(3) 環境問題
5 介護予防の取組について
(1) 健康長寿地域拠点づくり
(2) 保健補導員制度
(3) デジタル田園健康特区
古川福祉部長の答弁
5 介護予防の取組について
(1) 健康長寿地域拠点づくり
(2) 保健補導員制度
(3) デジタル田園健康特区
篠原茂議員の質問(12)
5 介護予防の取組について
6 新居浜太鼓祭りについて
加藤副市長の答弁
6 新居浜太鼓祭りについて
宮崎経済部長の答弁
6 新居浜太鼓祭りについて
篠原茂議員の質問(13)
6 新居浜太鼓祭りについて
宮崎経済部長の答弁
6 新居浜太鼓祭りについて
篠原茂議員の質問(14)
6 新居浜太鼓祭りについて
休憩(午後 1時51分)
再開(午後 2時00分)
藤原雅彦議員の質問(1)
1 市政運営について
石川市長の答弁
1 市政運営について
亀井企画部長の答弁
1 市政運営について
藤原雅彦議員の質問(2)
1 市政運営について
2 防災・減災対策について
(1) 総合防災マップ
(2) 防災訓練
(3) 地震10秒診断
石川市長の答弁
2 防災・減災対策について
(3) 地震10秒診断
小澤市民環境部危機管理監の答弁
2 防災・減災対策について
(1) 総合防災マップ
(2) 防災訓練
藤原雅彦議員の質問(3)
2 防災・減災対策について
小澤市民環境部危機管理監の答弁
2 防災・減災対策について
藤原雅彦議員の質問(4)
2 防災・減災対策について
3 消防団について
高橋消防長の答弁
3 消防団について
藤原雅彦議員の質問(5)
3 消防団について
4 子ども応援・相談センターについて
高橋教育長の答弁
4 子ども応援・相談センターについて
藤原雅彦議員の質問(6)
4 子ども応援・相談センターについて
5 学校施設の老朽化対策と防災機能強化の推進について
木俵教育委員会事務局長の答弁
5 学校施設の老朽化対策と防災機能強化の推進について
小澤市民環境部危機管理監の答弁
5 学校施設の老朽化対策と防災機能強化の推進について
藤原雅彦議員の質問(7)
5 学校施設の老朽化対策と防災機能強化の推進について
6 高齢者福祉計画2024・介護保険事業計画について
古川福祉部長の答弁
6 高齢者福祉計画2024・介護保険事業計画について
藤原雅彦議員の質問(8)
6 高齢者福祉計画2024・介護保険事業計画について
散会(午後 3時08分)
本文
令和6年3月5日(火曜日)
議事日程 第2号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
議案第17号 令和6年度新居浜市一般会計予算
議案第18号 令和6年度新居浜市渡海船事業特別会計予算
議案第19号 令和6年度新居浜市平尾墓園事業特別会計予算
議案第20号 令和6年度新居浜市国民健康保険事業特別会計予算
議案第21号 令和6年度新居浜市介護保険事業特別会計予算
議案第22号 令和6年度新居浜市後期高齢者医療事業特別会計予算
議案第23号 令和6年度新居浜市水道事業会計予算
議案第24号 令和6年度新居浜市工業用水道事業会計予算
議案第25号 令和6年度新居浜市公共下水道事業会計予算
議案第26号 令和5年度新居浜市一般会計補正予算(第8号)
議案第27号 令和5年度新居浜市渡海船事業特別会計補正予算(第2号)
議案第28号 令和5年度新居浜市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)
議案第29号 令和5年度新居浜市介護保険事業特別会計補正予算(第3号)
議案第30号 令和5年度新居浜市後期高齢者医療事業特別会計補正予算(第1号)
議案第31号 令和5年度新居浜市水道事業会計補正予算(第1号)
議案第32号 令和5年度新居浜市工業用水道事業会計補正予算(第1号)
議案第33号 令和5年度新居浜市公共下水道事業会計補正予算(第1号)
――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
――――――――――――――――――――――
出席議員(26名)
1番 小野 志保
2番 伊藤 義男
3番 渡辺 高博
4番 野田 明里
5番 加藤 昌延
6番 片平 恵美
7番 井谷 幸恵
8番 河内 優子
9番 黒田 真徳
10番 合田 晋一郎
11番 神野 恭多
12番 白川 誉
13番 伊藤 嘉秀
14番 越智 克範
15番 藤田 誠一
16番 田窪 秀道
17番 小野 辰夫
18番 山本 健十郎
19番 高塚 広義
20番 藤原 雅彦
21番 篠原 茂
22番 伊藤 謙司
23番 大條 雅久
24番 伊藤 優子
25番 仙波 憲一
26番 近藤 司
――――――――――――――――――――――
欠席議員
な し
――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
市長 石川 勝行
副市長 加藤 龍彦
副市長 原 一之
企画部長 亀井 利行
総務部長 髙橋 聡
福祉部長 古川 哲久
市民環境部長 長井 秀旗
経済部長 宮崎 司
建設部長 三谷 公昭
消防長 高橋 裕二
上下水道局長 神野 宏
教育長 高橋 良光
教育委員会事務局長 木俵 浩毅
監査委員 鴻上 浩宣
福祉部こども局長 沢田 友子
市民環境部環境エネルギー局長 松木 伸
市民環境部危機管理監 小澤 昇
――――――――――――――――――――――
議会事務局職員出席者
事務局長 山本 知輝
議事課長 德永 易丈
議事課副課長 鴨田 優子
議事課副課長 岡田 洋志
議事課調査係長 伊藤 博徳
議事課議事係長 村上 佳史
議事課主事 林 玲奈
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前10時00分開議
○議長(大條雅久) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、議事日程第2号のとおりであります。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(大條雅久) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において神野恭多議員及び白川誉議員を指名いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第2 一般質問 議案第17号~議案第33号
○議長(大條雅久) 次に、日程第2、議案第17号から議案第33号までを議題とし、議案に対する質疑と併せ、一般質問を行います。
この際、申し上げます。一般質問並びに質疑における各議員の発言は、それぞれ通告の時間以内となっておりますので、御了承願います。
これより会派代表質問を行います。
順次発言を許します。まず、近藤司議員。
○26番(近藤司)(登壇) 皆さんおはようございます。
自民クラブの近藤司でございます。
まず最初に、このたびの能登半島地震により、亡くなられました皆様に対しまして、心から哀悼の意をささげますとともに、被災地区の一刻も早い復旧、復興をお祈り申し上げます。
それでは、自民クラブを代表いたしまして、通告に従い順次質問を行います。
まず最初に、災害に強いまちづくりについて質問いたします。
まず、被災地支援であります。
新居浜市は、平成16年に5つの台風がひっきりなしに上陸し、本市にとって100年に1度という未曽有の被害をもたらしました。あれから20年が経過し、防災・減災対策も推進してまいりましたが、今回の能登半島地震を教訓として、さらなる防災・減災対策を推進していかなければならないと思っています。
そこでまず、市長にお伺いいたします。
今回の能登半島地震についてどのような思いを持たれたのでしょうか。
また、近い将来発生すると言われている南海トラフ巨大地震への備えについてどう考えているのか、重ねてお伺いいたします。
今回の地震では、マグニチュード7.6、最大震度7を記録し、度重なる激しい揺れで土砂崩れや道路損壊が続出し、交通網が寸断、被災地が陸の孤島と化しました。震災当日に指示を受け、被災地に向かった緊急消防援助隊約1,900人のうち、生存率が大幅に下回ると言われている発生72時間以内の1月4日までに珠洲市や輪島市の被害集中地域に入り、活動できた隊員が約半数にとどまったことが報道されました。
新居浜市でも、今回の能登半島地震規模の地震があれば、同様の土砂崩れが想定されます。特に、別子山地区においては、孤立する可能性が想定されますが、現在のヘリポートが使えなくなった場合の代替場所は検討されたのでしょうか。代替場所を決められているのであれば、そこでの離発着の訓練はされたのでしょうか。
次に、被災地への派遣体制についてでありますが、自治体からは全国の応急対策職員派遣制度に基づいての派遣や愛媛県被災地支援連携チームの一員として派遣されていますが、新居浜市は1月20日、珠洲市にトイレ車1台と職員4人を派遣されていますが、どこからの要請で派遣されたのでしょうか。派遣された職員の現地での役割と帰ってきてからの現地報告は、どのようなものだったのでしょうか。
また、その後の派遣状況、これからの予定と隊員の任務についてもお示しください。
次に、高齢者や障害者といった災害弱者が暮らす施設や福祉避難所への支援が遅れていたと指摘されていますが、現在、新居浜市と災害時に要配慮者を受け入れる福祉避難施設との協定の状況はどのようになっているのでしょうか。
また、要配慮者の関連死を防ぐことや福祉施設の介護職員の体調を維持することは大切ですが、介護職員の人手不足のため、十分な対応を取ることができなくなっております。
そのようなことから、今回被災地から災害派遣医療チームDMATへの支援要請が増えています。
新居浜市では、現在いろいろな団体と災害協定を結んでいっていますが、災害派遣医療チームのような医療機関と前もって協定を結び、要配慮者を受け入れる福祉避難施設との協定に生かしてはいかがでしょうか。
次に、家屋倒壊対策についてお尋ねいたします。
今回の能登半島地震では、9割近くの111人が家屋倒壊で死亡したことが判明しました。多くは圧死や窒息死と見られています。被害の大きい地域は、高齢化率が高くて、古い木造家屋が多く、資金難などで耐震工事が進まなかった背景が浮かんでいます。倒壊したのは、旧耐震基準で建てられた住宅が多いようです。
そこで、お伺いいたします。
現在の新居浜市の昭和56年5月31日以前に着工している民間木造住宅の耐震化率は、何%なのでしょうか。
令和6年度当初予算に、民間木造住宅の耐震化を進めるための予算が計上されていますが、市民への周知の方法や事業費が足りなくなった場合の対応はいかがされるのでしょうか。
また、家屋倒壊対策を進める将来の施策について取り組んでいることがあればお伺いいたします。
次に、復興事前準備の取組についてお尋ねいたします。
マグニチュード7.6、最大震度7を記録した今回の能登半島地震を踏まえ、国は南海トラフ巨大地震の被害想定の見直しに入りました。愛媛県も令和6年度新規事業として、地震被害想定調査費9,348万円を計上いたしました。新居浜市としても、今後30年以内に発生する確率が70%から80%と言われている南海トラフ巨大地震への対策にしっかり取り組む必要があります。
そこで、以下数点お尋ねいたします。
新居浜市は、令和3年度地域防災計画修正版を作成していますが、今回の能登半島地震を踏まえ、新たに修正を加える必要があると考えます。
そこで、今後の地域防災計画の取組についてお伺いいたします。
私は、令和3年2月定例市議会の一般質問で、年々巨大化する台風の襲来や南海トラフ巨大地震等に備えて、ソフト面も含めた復興事前準備を見据えて、防災復興の実施計画を策定するよう提案していますが、その答弁として、防災・減災対策と並行して、事前に被災後の復興まちづくりを考えながら復興事前準備の取組を進めておくことが重要です。今後におきましては、都市計画マスタープランとも整合を図りながら、復興事前準備の取組を進めてまいりますと答弁しています。
その後、今日までどのような復興事前準備に取り組んできたのでしょうか、お伺いいたします。
次に、今回の能登半島地震では、道路や老朽化した上下水道などのインフラの復興に時間を要し、多くの住民が孤立化し、支援や救助が困難になっています。
本市でも、過疎・高齢化した沿岸部や山間部地域が多く、同じことが起きるのではないかと心配です。早期復興を行うための市の事前の取組について見解をお伺いいたします。
次に、ソフト面についての事前準備についてお伺いいたします。
救助や捜索、避難所運営に奔走する行政職員や福祉施設の職員なども被災し、疲弊が危惧されていますが、近隣の災害対応にノウハウのある自治体から、いかに早く長期的に支援の人手を受けられるかが今後必要となってまいります。地形や地域の状況に合わせた災害対応のシミュレーションも大切です。災害時に機能するシステムを前もってつくっておかなければならないと考えます。
また、国、県、市の連携を通しての素早い判断や指示のできる体制の構築も必要と考えますが、本市の今後の取組についてもお示しください。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 自民クラブ代表の近藤議員さんの御質問にお答えをいたします。
災害に強いまちづくりについてでございます。
被災地支援についてお答えをいたします。
まず、能登半島地震についての私の思いについてでございます。
このたびの能登半島地震では、激しい揺れや土砂災害、津波などで多数の建物が全壊したほか、多くの方が犠牲となられました。今回の地震では、道路の寸断による孤立や支援の難しさといった問題が生じており、改めて災害に強いインフラ整備の重要性を感じております。
また、市民の皆様に対し、住宅の耐震化の必要性や発災から支援が届くまでの約1週間を乗り切るための備蓄の啓発を進めていく必要があると感じたところでございます。
次に、南海トラフ巨大地震への備えについてでございます。
能登半島地震の死因の9割が、家屋の倒壊が原因であったとの報告がありましたことから、本市におきましても、引き続き耐震診断や耐震改修及び家具転倒防止等に対する支援を行うとともに、災害対応機能の強化として、総合防災マップの更新、民間企業とのさらなる協定締結による協力関係の構築を図ってまいります。
さらに、南海トラフ巨大地震対策では、市民、地域、行政、それぞれが補完し合うことが備えとなりますことから、避難所となる小学校の防災備蓄倉庫の整備を行うほか、要介護者に対する個別避難計画の策定など新たな取組を進めることといたしております。
また、今回の能登半島地震のような巨大地震が発生した場合にも対応可能となるよう、現在の地域防災計画を検証した上で、実態に応じた見直しを行ってまいります。
また、計画に基づく防災士の養成や訓練指導、防災センターを活用した体験学習、自主防災組織による自助、共助の取組の充実など、市民の防災意識の向上を主軸に置き、一人でも多くの命が守られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(大條雅久) 三谷建設部長。
○建設部長(三谷公昭)(登壇) 家屋倒壊対策についてお答えいたします。
昭和56年5月31日以前のいわゆる旧耐震基準により着工した民間木造住宅の耐震化率につきましては、国が実施する住宅・土地統計調査の直近のデータによりますと、平成30年の新居浜市内における旧耐震基準の木造住宅は約1万2,000戸あり、そのうち耐震化が完了している木造住宅は約1,900戸、耐震化率は約15.8%であります。
また、同データにおける新居浜市内の全ての住宅の耐震化率は76.8%となっております。
次に、木造住宅耐震改修工事費等補助事業の市民への周知につきましては、市政だよりやホームページへの掲載のほか、特に大きな被害が想定される密集市街地への戸別訪問や出前講座などを実施し、直接的な周知、広報活動を行ってまいります。
また、令和6年度当初予算における民間木造住宅の耐震化に関する事業費が不足した場合の対応につきましては、必要に応じて補正予算で対応したいと考えております。
次に、家屋倒壊対策を進める将来のための取組についてです。
住宅の耐震化は、大規模地震発生の際の防災・減災に大きく寄与することが今回の能登半島地震の現状を見て痛感したところであり、さらなる木造住宅の耐震化の促進を目指し、令和6年度より耐震改修設計費用に対する補助金の上限額を、1件当たり15万円から25万円に引き上げることで、住宅所有者の負担軽減を図っていくよう愛媛県と協議をしております。
今後におきましても、民間住宅の耐震化に向けた施策を積極的に推進してまいります。
次に、復興事前準備の取組についてでございます。
道路のインフラ復興における事前の取組についてお答えいたします。
災害時、緊急車両等の通行のために最低限の処理を行い、早急に救援ルートを確保する道路として指定しております緊急輸送道路に架かる橋梁について優先して耐震化を図っております。現在の具体的な取組といたしましては、松山自動車道をまたぐ跨道橋である治良丸橋及び坂谷橋、新居浜港東港地区の耐震補強岸壁への動線上にある黒島橋について耐震補強に取り組んでおります。
また、災害時の電柱倒壊による道路閉塞を防止するため、緊急輸送道路に指定された路線において、新たな電柱の占用を制限する区域を指定しております。
能登半島地震では、道路など重要なライフラインの確保が再認識されており、災害後の早期復興を図るためにも、耐震化など事前の取組が重要かつ効果的と考えております。
今後におきましても、計画的な道路施設の耐震化に取り組んでまいります。
○議長(大條雅久) 神野上下水道局長。
○上下水道局長(神野宏)(登壇) 上下水道のインフラ復興における事前の取組についてお答えいたします。
能登半島地震において、復旧が遅れている要因といたしましては、地形的な要因もさることながら、耐震化率が低く、配水池や基幹管路が破損したこと、マンホールが浮上し、輸送道路が寸断されたことなどが大きな要因となっております。
このようなことから、上下水道局では、大規模地震時においても施設が破損することなく機能を維持するよう、上水道施設につきましては配水池や基幹管路の耐震化を優先して進め、下水道施設につきましては、緊急輸送路に埋設されている下水道管を優先して耐震化に取り組んでまいります。
○議長(大條雅久) 小澤市民環境部危機管理監。
○市民環境部危機管理監(小澤昇)(登壇) 別子山地区のヘリポートについてお答えいたします。
現在、別子山地区において使用可能な臨時ヘリポートとして森林公園ゆらぎの森の大滝広場を指定いたしております。
また、大滝広場が使用できない場合の代替場所としましては、成運動公園広場を指定しており、両ヘリポートともこれまでに離着陸した実績がございます。
次に、被災地への派遣体制についてでございます。
現在、石川県珠洲市立飯田小学校へ設置している本市のトイレカーは、災害マネジメント総括支援員として珠洲市へ派遣されていた愛媛県職員より、県防災危機管理課を通じて本市へ要請があり、派遣を決定したものでございます。
現地では、トイレカーの設営作業及び学校教職員への使用方法の説明のほか、避難所運営の支援を実施しました。
帰庁後は、市長に対し、実際の被災現場で見る被害状況のすさまじさや避難所の運営状況などのほか、応援職員の受入れ体制を整えておくことが重要であると感じたことなどの報告をいたしました。
その後の派遣状況は、広域避難及び罹災証明書の交付を支援をするため、延べ6名、20日間の派遣を行っております。
また、今後の派遣につきましては、避難所等での健康管理支援のための保健師及び管理栄養士各1名と緊急解体の事務支援のための3名の派遣を予定しております。
今後も愛媛県を通じて要請があった被災地への支援を行ってまいります。
次に、福祉避難施設との協定についてでございます。
災害時に要配慮者を受け入れる福祉避難所につきましては、福祉施設を運営する法人と災害発生時における福祉避難所の設置運営に関する覚書を締結しており、現在、市内80か所の施設を指定しております。
本市では、福祉避難所の運営に関し、各種医療チームとの協定は締結しておりませんが、愛媛県、各市町及び関係団体が連携し、災害時における福祉避難所等の円滑な運営を図ることを目的として、災害時福祉避難所等人的支援体制を構築しており、発災時には避難所運営から生活支援まで、幅広く人的な支援が受けられることとなっております。
次に、今後の地域防災計画の取組についてでございます。
現在、国や県による地震被害想定の見直しが行われる方向で調整されていますことから、国の防災基本計画、県の地域防災計画の見直しに基づき、本市の地域防災計画の見直しを速やかに行ってまいります。
次に、復興事前準備の取組についてでございます。
令和3年3月に策定いたしました新居浜市都市計画マスタープランでは、復興まちづくり計画の策定を検討するように位置づけておりますが、被害想定や復興課題が多岐にわたりますことから、準備段階の体制づくりや基礎データの収集等が進んでいない状況でございます。
復興事前準備の取組につきましては、関連計画との整合も視野に入れ、さらには国や県、他市町の動向も注視し、調査、研究を進めてまいりたいと考えております。
次に、長期的に支援を受けられるシステムや素早い判断、指示ができる体制の構築についてでございます。
総務省が平成30年から運用している応急対策職員派遣制度による対口支援として、大規模災害発生時には、広域的な人的支援が迅速に受けられることとなっております。
また、平成24年に青森県青森市、令和元年に愛知県大府市とそれぞれ災害時相互応援協定を締結しており、被害を受けた市のみでは応急対策及び復旧対策を実施することができない場合、相互の応援を行うことといたしております。
今回の能登半島地震におきましても、総務省や全国知事会などが調整し、全国各地から被災地へ職員派遣が行われており、避難所運営や罹災証明書の交付の支援など、多くの災害対応業務に従事しているところでございます。
本市におきましても、本制度における成果と課題を検証し、今後の対策につなげてまいりたいと考えております。
○議長(大條雅久) 近藤司議員。
○26番(近藤司)(登壇) 今回の能登半島地震は、真冬に発生したことから、避難所の寒さ対策が課題となりました。専門家からは、巨大地震に備えて、季節ごとの避難所運営マニュアルの作成や訓練の必要性が指摘されています。本市としては、今後どのように対応されるのでしょうか。
また、停電や水道管の破損により、大規模で長期の断水が発生しています。新居浜市には地下水が豊富にありますので、土地改良区が管理するポンプ場の水の利活用を検討されてはいかがでしょうか。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。小澤市民環境部危機管理監。
○市民環境部危機管理監(小澤昇)(登壇) 近藤議員の御質問にお答えいたします。
季節ごとの避難所運営マニュアルの作成や訓練についてでございます。
近藤議員さん御案内のとおり、地震は季節を問わず発生いたしますことから、季節や災害の種別に考慮したマニュアルになるよう作成していきます。
また、防災訓練につきましても、様々な季節を想定した取組となるよう工夫してまいりたいと考えております。
また、土地改良区が管理するポンプ場の水の利活用につきましては、停電によりポンプが稼働しないケースも懸念されますが、豊富な地下水の利活用に向けた御提案として参考にさせていただきたいと思います。
○議長(大條雅久) 近藤司議員。
○26番(近藤司)(登壇) 土地改良区の水の利活用なんですけど、停電した場合は発電機と水中ポンプでくみ上げるというふうなことも可能ですので、ぜひ前向きに進めていただきたいと思います。
要望いたします。
昨日の愛媛新聞報道によりますと、避難所で高齢者や障害者らをケアする災害派遣福祉チームDMATをめぐり、都道府県の約半数は他県から入る応援組の受入れ手順など連携方法を具体的に検討していないことが分かりました。応援組との連携方法や情報共有策を検討済みと答えた県は、青森、京都、高知の3府県のみとなっております。検討中は、愛媛県など17都県と報道されています。新居浜市も早く愛媛県と連携して、災害派遣福祉チームの応援受入れ体制を整えていただくことを要望しておきます。
次に、人口減少対策について質問いたします。
まず最初に、少子化対策の推進についてお伺いいたします。
我が国の令和4年の出生数は、過去最少だった令和3年の81万1,000人を大きく下回り、80万人を割り込みました。本市においても、令和5年の出生数は712人となり、令和4年の747人、令和3年の773人を下回り、少子化に歯止めがかからない状況が続いています。
人口減少対策については、特に大きな要因である若者の市外流出による社会減と出生数の減少による自然減の双方に歯止めをかける必要があります。
まず、社会減対策についてでありますが、令和6年度県の当初予算案では、人口減少対策として、若者の県内就職のこれまで以上の支援、特に県外への転出超過が多い女性に主眼を置いた編成になっています。特に、就職のタイミングで県外に就職するケースが多いことから、新規事業として、えひめの女性県内就職促進事業と県内で結婚を支えるための愛顔の縁結びプロジェクト推進事業を新規事業として予算化しています。
本市においても、県と連携して、このような事業に積極的に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
自然減対策につきましては、県が新たに創設したえひめ人口減少対策総合交付金などを活用して、本市ではUIJターン保育士支援事業、出産・子育て通院交通費助成事業などの新規事業の予算を計上していますが、今後どのような事業を計画していくのでしょうか。
また、本市では、地域特性を生かして、3人以上の子供を持つ家庭の増加を図るこのまちでもう一人プロジェクト等立ち上げを検討していきたいとのことでしたが、現状はどのようになっていますか。
自然増につながる特殊出生率を2.07人以上にするためには、3人目の子供を産み、育てやすい環境づくりや財政的支援が必要ですが、今後どのような施策を考えておられますか。
次に、若者の移住、定住に向けた取組についてお伺いいたします。
昨年の7月、自民クラブで石川県かほく市の定住促進の取組について視察研修を行いました。かほく市は、東洋経済新報社の全国住みよさランキング2023子育て編で全国812市区のうち第1位となっています。かほく市の出生人数が、平成16年当時290人であったものが、平成20年に241人になりました。年々減少する出生数に危機感を感じた市長からの直接指示により、平成22年度に部局横断の市職員による定住促進プロジェクトチームを立ち上げ、かほく市定住促進計画を策定いたしました。定住人口増加プロジェクトの主な取組として、若者の移住、定住に向けた政策を主な事業としています。その結果、平成22年度から令和4年度までの13年間で、転入者の累計が3,192人となり、さらには全ての学年で出生した年よりも児童生徒数が1学年平均で約52人増えています。このことからも、子供連れの若い家族がかほく市へ移住してきていることがうかがえます。不妊治療費助成、子ども医療費助成、若者マイホーム取得奨励金、新婚さん住まい応援事業補助金、移住体験事業など、新居浜市が実施している事業にも早くから取り組んでいます。かほく市で特に注目される事業として、かほく市奨学金返還支援補助金制度があります。この制度は、大学等を卒業して、市内企業に正規雇用として就業しながら奨学金を返還する者に対し、補助金を交付する事業であります。今後の課題としては、住宅取得奨励金制度など定住促進事業については、県内外の各自治体で鋭意取り組んでおり、さらに特色を出していく必要があるとのことでした。
そこで、お伺いいたします。
新居浜市が移住・定住促進事業を開始してから今日まで、県外から何名の人が移住してきたのでしょうか。
また、そのうち50歳未満の方は何名いるのでしょうか。
次に、新居浜市では、若者の流出を抑制し、転入の増加を図っていくために、どのような事業に取り組んでいこうとしているのか、お伺いします。
さらに、若者のライフステージに応じたトータルな支援事業を展開していくために、かほく市のような部局横断的な市職員による定住促進プロジェクトチームを設置すべきと考えます。定住促進プロジェクトチームの設置について、市長の御所見をお伺いいたします。
次に、建設系教育学科の創設についてお伺いいたします。
1月9日、新居浜建設業協同組合において、経済建設委員会と建設業協同組合が、持続可能なまちづくりをテーマとして意見交換会を実施しました。その中で、新居浜市内には、建設系の教育学科、機関が存在せず、建設業界に就職する足がかりが途絶えてしまっている現状を踏まえ、ぜひ担い手確保のためにも、建設系教育機関の創設をお願いしたいとの要望を受けました。三、四年ほど前に、東予圏域の全ての建設業者、水道業者、設計業者それぞれにアンケートを実施したところ、やはり建設系の学科が欲しいということで、県へ何回も出向き、いろいろ取り組んできた。結論としては、新居浜工業高等専門学校に建設系学科をぜひつくっていただきたい。新居浜工業高等専門学校であれば、四国中から学生が集まり、就職希望を出してもらえるのではないか、四国4県の中で、建設学科がない高等専門学校は、愛媛県のみである。いろいろな関係の方が建設人材を求めている中で、まして我々の業界は、有効求人倍率は11倍という地域特性の中で、ぜひ誘致の声を上げていただきたいとのことでした。
新居浜市議会では、平成3年度から、文化・学園都市問題調査特別委員会を立ち上げ、大学誘致に関する調査や美術館に関する調査を行いました。結果として、美術館は建設できましたが、大学誘致は断念し、平成15年度に特別委員会を閉じています。現在、新居浜市にある新居浜工業高等専門学校に、建設系の学科を誘致できれば、四国中から学生が集まり、市や業界の求人対策にもなります。さらには、新居浜市の人口減少対策にもつながります。市と議会が中心となり、産学官連携して文部科学省へ働きかけを行っていきたいと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。加藤副市長。
○副市長(加藤龍彦)(登壇) 人口減少対策についてお答えいたします。
少子化対策の推進についてでございます。
愛媛県では、今年度から将来の人口構造の若返りを目指し、えひめ人口減少対策重点戦略に基づき、自然減と社会減の双方に歯止めをかける人口減少対策を実施されております。
まず、今回、愛媛県の当初予算案で示された社会減対策につきましては、御案内の出会いの場の提供や若年者の県内就職支援など、幾つかの新規事業が提案されておりますが、詳細はまだ決定していないと伺っておりますので、今後連携可能な場合には、積極的に取り組んでまいりたい。
次に、自然減対策についてでございます。
本市では、今年度から県のえひめ人口減少対策総合交付金を活用して、これまでの不妊治療等の助成に加え、新たに妊娠前検査費助成事業や特定不妊治療と併用して行う先進医療費助成事業による助成を開始しております。
今後におきましても、愛媛県が交付金事業として追加メニューを予定している家事代行サービス利用事業や若年者移住促進支援事業などの新規事業の具体的内容について確認し、実施を検討してまいります。
次に、このまちでもう一人プロジェクト等の取組についてでございます。
このプロジェクトにおきましては、地域特性の分析を行い、収集した意見や提案を基に保護者同士が交流し、子育て相談や一時預かりにも対応できる子育て支援拠点施設を大型ショッピングモール内に設置いたしました。
その結果、要望の多かった土、日、祝日も利用でき、子育て家庭が気軽に行きやすい場所として、現在、多くの方に利用いただいております。
次に、3人目の子供を産み、育てやすい環境づくりや財政的支援についてでございます。
全ての妊婦、子育て家庭が、安心して出産、子育てできる環境を整備するため、妊婦と出産した子供1人につき各5万円を支給する出産・子育て応援給付金支給事業のほか、第2子以降の出生時に、紙おむつを5万円分購入できる愛顔っ子応援券事業を継続して実施することで、多児、多胎児を持つ家庭への経済的な負担の軽減を図っております。
今後におきましても、国や県の動向を注視し、出会いの場の創出に努めるとともに、不妊治療支援と多子世帯支援を両輪として、子育て世代の多様なニーズに応じた施策を展開するとともに、これらの取組を積極的にPRすることにより、子供を産み育てやすい町を目指すなど、喫緊の課題である人口減少対策にオール愛媛でこれまで以上に取り組まなければならないと考えております。
○議長(大條雅久) 亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) 若者の移住、定住に向けた取組についてお答えいたします。
まず、移住・定住促進事業を開始してから今日までの市外からの移住者数についてでございます。
移住者数につきましては、愛媛県への報告が転勤や進学などのやむを得ない理由からではなく、県外から転入した者との定義があり、その数でお答えさせていただきますと、第1期新居浜市総合戦略を策定した平成27年度から令和6年1月末までの約9年間の実績といたしまして、累計で1,262人でございます。そのうち、50歳未満の移住者数は936人でございまして、全体の約74%となっております。
次に、若者の流出を抑制し、転入の増加を図っていく取組についてでございます。
若者の流出を抑制するための取組といたしましては、本市の地域課題解決に向けたアイデアを出してもらう新居浜みらい会議を開催し、若者の視点からのまちづくり施策を実施しております。
また、転入の増加を図るための取組といたしましては、大学生等を対象に創設した学生版全国にいはま倶楽部会員への定期的な本市の情報発信や、松山、大阪、東京で開催しているにいはま倶楽部への案内など、高校卒業後、市外へ出た若者とのネットワーク構築に努めております。
さらに、市内企業を対象に本市で開催している合同会社説明会や松山市で実施している東予3市連携による就活地方祭等を通じて、若者のUターンにつなげる取組も行っております。
次に、部局横断的な定住促進プロジェクトチームの設置についてでございます。
本市では、定住促進を含む人口減少対策として、新居浜市総合戦略を策定しておりますが、その進捗管理を図るため、令和2年度にプロジェクトチームとして、副市長をトップとした関係部局の総括次長等で構成する庁内関係部局会議を設置しております。
会議では、総合戦略を実効性のあるものとするため、実務レベルでの実態把握と課題解決に取り組んでおり、今後におきましても、若者の移住、定住につながるよう、庁内の情報共有や一層の連携促進に努めてまいります。
次に、建設系教育学科の創設についてでございます。
新居浜工業高等専門学校は、昭和37年に国立高等専門学校の第1期校として創設されて以降、学科の増設や改組を経て、現在は機械、環境材料、電気情報、電子制御の各工学科及び生物応用化学科の5学科で構成されております。
この間、実践的で高度な専門知識を持つ技術者を輩出し、地域経済の発展と高度化を持続的に支える存在となっております。
こうした地域の高等教育機関における建設系学科の創設と新たな若年技術者の育成は、深刻な人手不足問題を抱える本市建設業界の持続的発展だけでなく、地域の若者の定着促進の可能性も秘めていると認識いたしております。
また、全国には土木や建築関係の学科を設置している高等専門学校もあり、増設の可能性はあるものと考えておりますが、新学科の設置は、学校運営の根幹に関わる取組でもありますことから、文部科学省への働きかけにつきましては、建設業界のみならず、産業界全体のニーズ把握も踏まえ、まずは新居浜高専と意見交換をしてまいりたいと考えております。
○議長(大條雅久) 近藤司議員。
○26番(近藤司)(登壇) 人口減少対策について要望を2件しておきます。
人口減少対策として、若者、特に女性の市内への就職支援や若い家族の市内への移住など、本市独自の先進的な事業に取り組んでいただきたいと思います。
また、新居浜工業高等専門学校への建設系学科の誘致については、一朝一夕ではいかないかも分かりませんが、市が先頭に立ち、産学官連携して粘り強く取り組んでいただきたいと思います。
次に、新居浜港カーボンニュートラルポートの取組について質問いたします。
まず最初に、港湾計画の改訂についてであります。
新居浜港務局は、昨年9月に新居浜港・東予港(東港地区)港湾脱炭素化推進計画を策定いたしました。本計画は、港湾地域におけるカーボンニュートラル化を実現するだけでなく、カーボンニュートラル社会の持続的発展、地域産業の競争力強化並びに新産業の創出を目指すものであり、新居浜市の目指すゼロカーボンシティーに大いに貢献できるものと注目しているところでございます。
新居浜港務局では、令和5年4月に、新居浜港CNP形成計画を公表しましたが、この形成計画から半年後の9月に新居浜港・東予港(東港地区)脱炭素化推進計画策定に至った過程について、まずお伺いいたします。
次に、愛媛県が港湾管理者である東予港東港が脱炭素化推進計画に含まれていますが、東予地区が一体となった脱炭素化への取組の必要性をお伺いいたします。
また、愛媛県や西条市、四国中央市との脱炭素への取組の今後の連携についてもお伺いします。
次に、本計画では、2050年に向けた新居浜港のイメージ図の中に、菊本地区がアンモニア供給基地として位置づけられており、その実現のためには、平成11年に策定された現在の港湾計画を見直す必要があると考えますが、今後の計画についてお伺いします。
また、港湾計画の見直しを行う場合、具体的にどのような見直しを行うのでしょうか。例えば、岸壁や泊地の水深、埋立地の規模などの計画、大規模地震等に対しての耐震対策などについて、今後のスケジュールと併せてお伺いします。
また、その際に、工事着手はいつ頃を想定しているのかもお伺いします。
次に、菊本地区をアンモニア供給基地とする場合、アンモニアタンクの施設については公共で整備するのでしょうか。民間で設備するのであれば、多額の費用が必要となるものと思われますが、支援するための補助メニューは用意されているのでしょうか、お伺いします。
次に、脱炭素化促進事業への取組についてお尋ねいたします。
本計画では、カーボンニュートラルポートの形成を図るとともに、カーボンリサイクル、ケミカルリサイクル関連の産業立地の促進に取り組むとあります。
そこで、お伺いします。
昨年12月13日の新聞報道によりますと、住友化学は愛媛工場に二酸化炭素からメタノールを高効率で製造する実証設備を新設し、運転を開始した。2028年までに実証を完了し、2030年代の事業化と他社へのライセンス供与を目指している。プラスチックや接着剤等の原料となるメタノールの製造は、CO2を回収して新たな製品の製造に利用する技術の中でも代表的な存在とされる。愛媛工場では、CO2の確保が容易で、メタノールの需要も高いことから、この設備を新設したと発表しています。この事業は、本事業計画の代表的な取組だと思いますが、国土交通省のカーボンニュートラルポート構想の支援制度の対象になるのでしょうか。
経済産業省では、カーボンニュートラルコンビナート構想を進めていますが、この構想との関係はどうなるのでしょうか。
また、新居浜市内においても、新居浜市清掃センターのCO2利活用や下水処理場での汚泥利活用についても積極的に推進していくと書かれていますが、この点につきましては、後のごみ処理施設の広域化、集約化についての中で質問したいと思います。
次に、カーボンニュートラル関連産業立地の促進についてお尋ねいたします。
カーボンニュートラルの実現に向けて、電気自動車の増加が見込まれる中、リチウムイオン二次電池は、今後も需要拡大が見込まれています。地元企業においても、原料を生産しており、電気自動車の普及拡大に伴い、CO2削減に貢献しております。
こうした事業に対し、本計画の中ではどのような形での支援を検討されているのでしょうか。
その他、脱炭素化に貢献する企業の取組との連携を図るとのことですが、検討している事例があれば具体的にお示しください。
○議長(大條雅久) この際、暫時休憩いたします。
午前10時58分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前11時09分再開
○議長(大條雅久) 休憩前に引き続き会議を開きます。
答弁を求めます。原副市長。
○副市長(原一之)(登壇) 新居浜港カーボンニュートラルポートの取組についてお答えいたします。
まず、港湾計画の改訂についてでございます。
新居浜港・東予港(東港地区)港湾脱炭素化推進計画策定に至った過程についてお答えいたします。
港湾地域における2050年のカーボンニュートラル実現に向け、任意計画として令和5年4月に新居浜港CNP形成計画を公表いたしましたが、令和4年11月に港湾法が改正され、CNPの形成が港湾法に位置づけられたことから、新居浜港でのCNP形成の推進を図るため、関係企業やカーボンニュートラルポート推進協議会、国との協議を重ねまして、令和5年9月、法定計画である新居浜港・東予港(東港地区)港湾脱炭素化推進計画を策定いたしました。
次に、東予地区が一体となった脱炭素化への取組の必要性についてでございます。
港湾脱炭素化推進計画では、新居浜市域における温室効果ガス排出量削減を目標としていることから、新居浜港と愛媛県が港湾管理者である東予港東港地区を対象範囲としておりますが、東予地域には温室効果ガスを多く排出する産業が多数立地しており、次世代エネルギーへの転換等を見据えた東予地域の連携は極めて重要であると認識しております。
このようなことから、近隣自治体や港湾管理者である愛媛県と積極的に意見交換を行い、さらには県の環境部局が設置した今治市、西条市、四国中央市及び新居浜市で構成する次世代エネルギー転換に係る東予地区連絡会議において、各自治体が有する情報や課題を共有し、次世代エネルギー転換に向けた意見交換をする取組も進めているところでございます。
次に、港湾計画の見直しにつきましては、港湾脱炭素化推進計画では、菊本地区を次世代エネルギーの供給基地として位置づけており、船舶の大型化への対応、背後地域の土地利用の変更等により見直しが必要であると考えております。
具体的な見直し内容につきましては、改定作業において、新居浜港や背後地域の現状把握、将来取扱貨物量の分析により、必要な岸壁水深、埋立面積、規模等を検討することとしております。
また、スケジュールといたしましては、令和7年度からの着手を目指したいと考えており、計画の改定作業に約3年、埋立免許取得に約2年を要しますことから、その後に予定する工事着手の時期につきましては、本市の財政状況及び港湾区域に立地する企業の意向等を見極めながら検討してまいります。
次に、アンモニアタンク等の施設整備につきましては、新居浜港務局が埋立て等の土地造成を行い、民間企業により整備を行っていただくことを想定しておりますが、整備主体については現在のところ未定でございます。
また、施設整備に当たっての資金支援等の補助メニューにつきましては、将来計画となりますことから、今後の国の動向に注視してまいります。
次に、脱炭素化促進事業への取組についてでございます。
住友化学におけるCO2からメタノールを製造する実証につきましては、港湾脱炭素化推進計画においても、港湾脱炭素化促進事業として位置づけており、新居浜港における脱炭素化に貢献していただけるものと考えております。本設備の整備に当たっては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOのグリーンイノベーション基金事業を活用したと伺っております。
また、経済産業省が進めるカーボンニュートラルコンビナート構想との関係につきましては、2050年のカーボンニュートラルを目指すという方向は同じでございますので、関連する企業、経済産業省と連携して、カーボンリサイクル、ケミカルリサイクル関連の産業立地の促進を図ってまいります。
次に、関連産業立地の促進についてでございます。
港湾脱炭素化推進計画は、基本的な方針、計画期間と目標、脱炭素化の促進に資する事業等を定めるもので、事業への支援につきましては、別途検討を行うことになります。
電気自動車のリチウムイオン二次電池の原料を生産している地元企業への支援につきましては、国や市の支援制度の活用を検討されていると伺っております。
また、脱炭素化に貢献する企業の取組との連携につきましては、現在のところ、具体的に検討している事例はございませんが、カーボンニュートラル関連産業立地の促進に向けて、引き続き脱炭素化に貢献する企業の情報収集に努めてまいります。
○議長(大條雅久) 近藤司議員。
○26番(近藤司)(登壇) 先ほどの答弁では、港湾計画の改定を令和7年度から取り組むということで、その後工事着手ということなんですけど、できるだけ早く工事に着手できるようにお願いしたいと思います。
それと、もう一点、要望しておきたいと思います。
今回の新居浜港カーボンニュートラルの事業は、別子銅山の開坑、別子銅山閉山後の新居浜築港と埋立てによる工場誘致以来の大きな転換期になる事業だと思います。2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、長期的な事業になりますが、産学官連携の下に、地元港湾業者の就労環境への配慮も考えながら計画を進めていっていただきたいと思います。
最後に、ごみ処理施設の広域化、集約化について質問いたします。
令和4年度に新居浜・西条地区広域行政圏協議会と四国中央市との合同で東予東部ごみ処理施設広域化、集約化実現可能性調査を実施、可燃ごみの広域化を3市とするか2市とするかは、今後の四国中央市の判断を受けて決定するとしていましたが、四国中央市は、昨年11月に、次世代の可燃ごみ処理方法として、可燃ごみを発酵、乾燥させて固形燃料化するトンネルコンポスト方式の採用を決めました。
その方針の決定を受けて、現在、新居浜市と西条市との間で協議が続けられていると思いますが、どのようなことが協議されているのでしょうか。
両市においても、四国中央市のようなトンネルコンポスト方式について検討はされたのでしょうか。もし、両市ともこの方式を取らないとしたら、その理由についてもお示しください。
あわせて、新居浜、西条両市のごみ処理施設の広域化、集約化の今後のスケジュールについてもお示しください。
先ほど質問した新居浜港脱炭素化推進計画のカーボンリサイクルやケミカルリサイクル関連の産業立地の促進の中で、新居浜市内においても、新居浜市清掃センターのCO2の利活用や下水処理場での汚泥利活用についても積極的に推進していくとしていますが、新居浜港CNP推進協議会と協議の場を持たれたのでしょうか。
また、新居浜市上下水道局の新居浜市公共下水道事業経営戦略の中で、持続可能な事業運営に向けた様々な取組として、広域化、共同化の推進や下水道資源の有効利用を経営方針として挙げておられますが、上下水道局との連携も検討されているのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。松木市民環境部環境エネルギー局長。
○市民環境部環境エネルギー局長(松木伸)(登壇) ごみ処理施設の広域化、集約化についてお答えいたします。
まず、本市と西条市との協議の状況についてでございます。
本市のごみ焼却施設は、現在、令和14年度までの供用を目標としておりますことから、次期施設更新の方向性を定める時期に来ており、これまで同時期に更新時期を迎える西条市、四国中央市との広域化、集約化を中心に民間連携や既存施設活用も含め、様々な可能性の検討を進めているところでございます。
このような中、昨年11月に四国中央市のトンネルコンポスト方式による単独整備方針の決定を受け、現在、本市と西条市の2市において、広域化、集約化の検討の進め方、候補地の可能性、スケジュール等について協議を行っているところでございます。
また、両市でのトンネルコンポスト方式の検討についてでございますが、これまでの広域化、集約化協議では、処理方式を比較し、実績が多く、安定性に優れ、高効率熱回収が可能であり、災害廃棄物への対応も可能な焼却方式を想定した検討をしております。トンネルコンポスト方式は、可燃ごみを発酵、乾燥、選別、固形燃料化し、紙産業の工場等で代替燃料として利用し、温室効果ガスの削減効果が期待できるものと言われておりますが、一方で広大な建設用地が必要であり、固形燃料の持続した受入先の確保、災害廃棄物の対応が困難などの懸念もあり、広域化する場合の集約施設としては採用困難と考えております。
今後のスケジュールにつきましては、まずは広域化についての方針を令和6年度中には結論を出したいと考えております。
次に、新居浜港CNP推進協議会や上下水道局との連携についてでございます。
新居浜港・東予港(東港地区)港湾脱炭素化推進計画につきましては、現在、改定作業中の新居浜市地球温暖化対策地域計画との連携や将来の検討課題であるごみ処理のカーボンリサイクル、ケミカルリサイクルとの関連性もあり、環境エネルギー局も協議会委員として計画策定、計画推進に参加させていただいております。
また、上下水道局との連携につきましても、新居浜市公共下水道事業経営戦略記載の下水道資源の有効利用や2050年カーボンニュートラルの実現等に関し、下水道汚泥の燃料化、堆肥化の検討などについて日頃から情報共有、協議、連携を図っているところでございます。
今後も広域化、集約化にかかわらず、関係部署との連携を図り、よりよいごみ処理の実現に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
○議長(大條雅久) 再質問はありませんか。近藤司議員。
○26番(近藤司)(登壇) 要望をしておきたいと思います。
今、話を聞いておりますと、終末処理場とかカーボンリサイクル、あれは菊本地区のほうにありますので、今後いろいろ連携していくというようなことになりますと、ちょうど終末処理場の西側に空き地があると思いますので、その辺りの場所も検討していかれたらいいんじゃないかと思います。
今回の質問は、新居浜市が当面する重要課題について大きく4点質問させていただきました。厳しい財政状況ではありますが、選択と集中によって前向きに事業を進めていっていただきたいと思います。
これで代表質問を終わります。
○議長(大條雅久) 篠原茂議員。
○21番(篠原茂)(登壇) みらい新居浜の代表の篠原茂です。よろしくお願いいたします。
最初に、国道11号バイパス、西喜光地から本郷一丁目の間が1.1キロ、4月27日に開通が決定いたしました。これにより、物流の交率化によって、地域産業の活性化が見込まれますので、大変よいことだと思っております。残り東田三丁目から船木の間、2.3キロなんですけど、早く開通することを願っております。
それでは、通告に従いまして質問いたします。
最初に、経済状況についてです。
今後の経済状況の見通しと対策についてお伺いいたします。
新居浜市における大手化学会社である住友化学株式会社におきましては、昨年11月1日に令和5年度の1年間のグループ全体の業績見通しを大幅に下方修正し、岩田社長の会見では、創業以来の危機的状況にあり、抜本的な構造改革に取り組む考えが発表されました。さらに、本年2月2日に公表された2024年3月期通期業績予想においては、最終損益がマイナス2,450億円に下方修正されるなど非常に厳しい状況が続いており、新居浜の今後の市民生活や企業活動に暗い影を落とすことが予想されます。
新居浜市関連では、合成繊維ナイロンの原料となるシクロヘキサノンの製造設備をこの3月末をめどに停止し、同事業から撤退するとともに、窒素やリン酸を成分とする化学肥料についても、本年9月末をめどに生産を停止することが発表されるなど、今後の先行きが不透明で、今後の市民生活への影響が懸念されます。
そこで、質問ですが、住友化学の経営の実情と今後の見通しについて、住友化学からどのような説明を受けておられるか、お伺いいたします。
次に、プラントの停止は、メンテナンスを請け負う多くの地元の中小企業に大きな影響を及ぼす心配があります。私の知り合いの会社では、早くも2,000万円ぐらいの仕事がなくなったと聞きました。今回の一連のプラント停止が、中小企業にどのような影響を及ぼすことになるのでしょうか、現状を把握しておられますか。
また、今後、さらに影響が出た場合に、その対策は市はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) みらい新居浜代表の篠原議員さんの御質問にお答えをいたします。
経済状況についてでございます。
まず、住友化学株式会社の経営の実情と今後の見通しについてどのように説明を受けているのかについてでございます。
住友化学株式会社におかれましては、新聞等で報道がなされておりますとおり、医薬品部門や石油化学部門での業績悪化により厳しい状況であり、愛媛工場におきましても、飼料添加剤のメチオニン生産ラインの一部停止や合成繊維ナイロンの原料となるシクロヘキサノン生産事業からの撤退など、不採算事業の合理化を実施されておりますが、従業員につきましては、継続して雇用すると伺っております。
また、一方では、高純度硫酸設備の増強やCO2からメタノールを高効率で製造するCCUパイロット設備や車載用正極材の実証設備を新設するなど、今後の成長エンジンとして期待される分野への投資に取り組まれております。
次に、市内中小企業への影響についてでございます。
プラントの停止を受け、特にプラントメンテナンス業務を請け負っている企業にとりましては、少なからず影響があり、特に影響が大きい企業につきましては、減少分を他の業務へ振り替えるなどにより対応している状況であると認識をいたしております。
次に、今後さらに影響が出てきた場合の対策についてでございます。
住友化学株式会社におかれましては、2024年度の業績回復のため、抜本的構造改革に取り組まれているところでございますので、V字回復を期待しつつ、市内経済の動向を注視してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、引き続き住友化学本社経営陣とのトップミーティングなどの機会を捉え、本市の状況をお伝えするとともに、情報収集に努め、構造改革に伴う新たな設備投資がある場合には、本市への誘致に向け取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(大條雅久) 篠原茂議員。
○21番(篠原茂)(登壇) ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
それでは次に、令和6年度の当初予算についてお伺いいたします。
コロナ禍による支出の増加等の理由により、財政調整基金が少なくなるなど、新居浜市の財政状況は非常に厳しいことから、市としては支出の削減に努め、健全な財政状況を取り戻す意向との説明をここ数年受けてまいりました。
このようなことから、令和6年度の当初予算の支出についても大幅に削減した予算編成になっている状況が見られます。令和5年10月2日に開催された令和5年度第6回庁議において、令和6年度予算編成のポイントについて加藤副市長から災害時の対応のため、財政調整基金は30億円から50億円の積立てが必要であり、このためには歳入に準拠した予算編成にすることが重要であり、この実現には支出に係る事業についてゼロベースの見直しが必要と説明されております。
そこで、質問ですが、予算編成に当たっては、財政状況が厳しい中でも市長の公約実現に向けた事業の推進が必要と思いますが、令和6年度の予算編成において、例年と異なり事業支出をゼロベースで見直した中で、公約実現のための当初予算の重点施策及び支出を特に厚くした主要事業について市長の基本的な考えをお伺いいたします。
2点目の質問ですが、令和6年度予算の支出の削減は致し方ないかもしれませんが、支出削減により住民サービスが低下しないよう、市としてはどういう対策を考えておられるのか、お伺いいたします。
財政再建を最終目的とすることなく、また支出削減分を補うため職員が市民の立場に寄り添った支援を今まで以上に積極的に行っていただくとともに、自ら体を動かし、汗をかき、市民に信頼される新居浜市となることをお願いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 当初予算についてお答えをいたします。
まず、令和6年度の予算編成において、公約実現のための重点施策と支出を厚くした主要事業についてでございます。
令和6年度当初予算編成に際しましては、公約に掲げております7つの基本政策の実現を目指すとともに、第六次長期総合計画を着実に推進するための事業、また元日に発生した能登半島の地震災害などから、防災・減災を念頭に次の4つを重点項目に掲げて予算編成を行っております。
まず、防災・減災対策、2つ目が、子ども・子育て支援の充実、3つ目が、文化・スポーツの振興、最後に持続可能なまちづくり、これら4つのポイントを主眼に置き、重点項目に関連した具体的施策について集中して取り組むことといたしております。
その中でも支出を特に厚くした事業といたしましては、避難所となっている市内小学校の調理室を防災備蓄倉庫等へ改修する事業や避難支援が必要な方々の迅速かつ効率的な支援を行うための個別避難計画策定事業などの防災・減災対策事業でございます。
また、子ども・子育て支援や体育施設環境整備などの文化・スポーツに関する事業も予算的に大きくいたしております。
次に、予算編成における歳出削減に伴う住民サービスの低下への対策についてでございます。
令和6年度当初予算編成に際しましては、必要となる財政調整基金残高が大幅に減少するなど、大変厳しい財政状況の中、多様化する社会の新たなニーズへの事業への転換を含めた事業の見直しと再編を図るとともに、適正な人員配置や業務分担量の再度の見直しを実施し、歳出の削減に取り組んでまいりました。
一方で、住民サービスが低下しないよう、子ども医療助成などの子育て支援や地域医療対策などの喫緊の課題に対応した予算編成を行っております。
○議長(大條雅久) 篠原茂議員。
○21番(篠原茂)(登壇) 1点、質問いたします。
会計年度任用職員をカットしたと聞いとんですけど、どれぐらいの経費削減になるんでしょうか。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 篠原議員さんの御質問にお答えをいたします。
会計年度任用職員の期末手当の改定を行いました。これに伴って5,700万円ほど、それから勤勉手当、これは新しく新設いたしました。これで4,800万円ほどでございます。両方合わせて1億円近くでございます。
○議長(大條雅久) 亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) 篠原議員さんの御質問にお答えいたします。
会計年度任用職員につきましては、人数では54名削減して、金額でいうと1億4,700万円ほど削減はいたしましたが、先ほど市長のほうから答弁いたしましたように、新たな勤勉手当とか期末手当の必要性、また人勧分の昇給などもありましたので、結果としては削減分と増加分を合わせて6,000万円ほどの増加となっております。
○議長(大條雅久) 篠原茂議員。
○21番(篠原茂)(登壇) 大変厳しい中ですけど、今後ともよろしくお願いいたします。
続きまして、別子銅山の語り部育成についてお伺いいたします。
住友企業の幹部社員や中堅社員、新入社員も別子銅山の見学や研修に来ています。また、住友グループの発展の礎となった旧別子をはじめとして、別子銅山記念館、広瀬公園、日暮別邸記念館にはかなり多くの方が訪れていると推測されます。住友グループ各社により日程は異なると思いますが、あるグループ会社の方に聞くと、大阪からオレンジフェリーで西条に来て、バスで日浦に行って、夜にオレンジフェリーで帰ると聞いており、新居浜での宿泊はないとのことでした。住友グループ発展の礎の地である新居浜市としては、この状況はあまりにも寂しいと思いませんか。少し知恵を出して、新居浜市内のホテルに泊まっていただき、食事をしていただくことによって、経済効果が上がることはもちろん、住友グループの社員の皆様が、住友グループの歴史と起業家精神等の学習とともに、おもてなしの心を持った市民との交流を深めることによって、新居浜市に対してより愛着を持っていただき、将来幹部となっても新居浜を覚えていてくれるなどの絆の醸成が大切でないかと思います。
ここで提案ですが、研修の講師が高齢となり、各グループ企業において研修講師の確保が難しいと聞いております。
そこで、新居浜市において、産業遺産をメインとした説明をする観光ガイドではなく、住友の歴史、先人の偉業、起業家精神、地元新居浜市との深いつながりなどを含めた別子銅山や住友グループについて総合的に語れる語り部を養成し、研修の講師として活動していただくとともに、語り部の方を中心に、住友の従業員の方々との連携のシステムを構築し、新居浜との継続的なつながりを維持するとともに、別子銅山に興味を持ってこられた方々、一般の方に対しても、同様の対応をしていただき、新居浜のファンを増やす取組が必要と考えますが、市のお考えをお伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 別子銅山の語り部育成についてお答えをいたします。
本市は元禄4年の別子銅山開坑以来、住友グループと深い関わり合いを持ちながら発展してまいりました。
住友グループ各社におかれましても、グループ発展の礎である別子銅山操業の地、新居浜を特別な場所として捉え、たくさんの社員の皆様が、研修のために市内各所を訪れ、学び、体験していただいており、大変ありがたく感じているところでございます。
そのような中、住友の歴史、先人の偉業、企業精神、市とのつながり等を含め、総合的に語れる語り部を養成し、新居浜市のファンを増やすといった御提案をいただきましたことは、研修講師の高齢化という課題も踏まえますと私も共感をいたすところでございます。
そのような語り部に御活躍をいただくことにより、将来にわたって充実した研修が実施でき、一般の方についても一層の厚みを持った観光をお楽しみいただけるものと思います。
300年余りにわたる住友の歴史や数々の先人たちの偉業、さらには住友と新居浜市との関わりを複合的に理解し、人に伝える人材を養成することは、一朝一夕になし得るものではないと推察いたします。
また、平成29年度に制定いたしました新居浜市先人を未来につなぐ条例に定める5人の先人の功績を未来へつないでいくことも大切であり、特に鷲尾勘解治氏の鉱山なき後の新居浜を考えた地方後栄策は、まちづくりの原点であり、その精神は将来にわたり新居浜市民の心に受け継がれるべきものであると考えております。
今後におきましても、住友グループ各社と協力しながら、共存共栄の精神を持って、語り部の育成を進め、連携の維持強化や別子銅山観光の魅力向上に努めてまいります。
○議長(大條雅久) 篠原茂議員。
○21番(篠原茂)(登壇) 私ももう少しして時間が取れましたら、語り部になれるよう、一生懸命頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは次に、自分たちでできることについてに入りたいと思います。
1番目、これからのまちづくりの方向性についてお伺いいたします。
現在、地域運営組織モデルとなっている2校区の試行の現状について最初にお伺いいたします。
さきの報道では、1年で、片方の協議会は解散とも伝えられていました。現在、進められているコミュニティー再構築の取組が、どのような形を目指しているのか、具体的なゴールが見えてきません。現状の自治会加入率の減少を食い止めて、昭和の頃のような地域のつながりを考えているのでしょうか。それとも、これまでとは違う新しい住民自治の姿をつくろうとしているのでしょうか。このどちらを目指すかによって、やり方は全く違います。まずはこの点についてどちらを目指すのか、お伺いいたします。
私は、これまで将来的には公民館や自治会をはじめとする様々な団体を融合して、自分たちの力で地域のまちづくりを進めていこうとする地域運営組織に指定管理として運営をお願いするとの考え方を想定していました。しかし、今回の状況を見ていると、不安定で継続性が確保できるか心配になります。新しいまちづくりの組織と公民館の関係性についても、具体的な手法や納得できる理念はどのようなものか、市民誰もが理解できるように説明してください。
私は、公民館を地域運営組織に任せて、地域づくり活動センターにすることを提案してきましたが、今ではその考え方が少々違う気がしています。地域運営組織とは、その言葉どおりで、小規模な小学校区で、様々な機能を持った多様な団体が住民自治の考えの下に住民主体の参画、協働による地域課題解決型の活動に取り組む、自分たちの町は自分たちの力でを基本理念として、これまでのように使い道が決められた不自由な補助金でなく、自由に活用できる交付金へと転換し、市民が当事者意識を持って、地域課題の解決に向けて頑張っていく仕組みだと考えていました。例えば、予算の面で言えば、地域づくり交付金になれば、1番目に自分たちが話し合って決めた主体性のある取組が地域活性化の原動力になります。
2番目に、今も活動の多くは、公民館を拠点として機能していますが、より柔軟に地域住民のニーズに基づいたものになると考えていました。
また、今どうして地域運営組織が求められるかといいますと、1番目、今後の人口推計から見ると、さらに急激な人口の減少が見込まれ、財政的にも厳しい市政運営が見込まれること、2番目、地域住民の意識は、個人の要望が強くなって、人と人とのつながりがますます希薄化し、自治会活動の衰弱が見られます。近いうちには自治会加入率が50%を切ることは避けられず、住民総意を反映できなくなる気がします。また、周辺部では、人口減少がさらに進み、集落活動や暮らしの利便性に不安が強まり、高齢者ばかりになって、担い手不足により自治会活動が維持できなくなるのではないでしょうか。
3番目に、行政運営は、税収減による財源不足で、きめ細かな行政サービスの維持が困難になり、最低限のサービスしか受けられなくなると思われます。地域が力や知恵を出して地域活動に取り組む必要が出てきているのではないかと思っています。
そこで、公民館を地域づくり活動センターへという路線が必要になるのではないかと考えていました。コミュニティセンターではなく、地域づくりをみんなでやっていく拠点です。
でも、考えてみれば、もともと公民館は、地域活動の拠点だったはずです。少なくとも、昭和の頃の公民館は、そんな施設だったと記憶しています。公民館は、社会教育法に基づいて設置された社会教育施設です。それがいつの間にか個人のやりたいことが優先される生涯学習施設になってしまいました。先日、地域子ども教室に保育園の頃から参加していた若者が成人して認定こども園の職員になり、今回公民館で子供たちの発表会を開きたいと相談に来ました。自分が小さかった頃に楽しかった経験を今の子供たちに体験させてあげたいと名のり出てくれたのです。そのイベントには、子供たちの活動発表をメインに、駐車場ではキッチンカーを呼んでにぎわいづくりをしようというものでした。しかし、教育委員会に申請すると、社会教育法に抵触するから、公民館は使用できないと言われたそうです。その話を聞き、公民館は使いにくい、やはり市長部局に変更して、地域づくり活動センターに変更したほうがよいのかなと思っていました。
しかし、先日のある研修会で、文部科学省から社会教育法第23条の営利活動禁止の解釈が示されたことを教えてもらいました。これまでの感覚とは違う方針が示されていました。それを見ると、公民館が主体で行うことで、公民館講座において受講料を徴収することも認められていますし、公民館以外の地域の団体が主催で行うイベントの際に、キッチンカー等の飲食物の販売を認めると具体例として書かれていました。そのほかにも、多くの利用が可能であると書かれています。私は、使い勝手が悪いから市長部局に変更すべきだと思っていましたが、この通知を見ると、教育委員会の公民館で問題はないと感じます。令和5年8月28日の庁議記録を拝見すると、公民館のコミュニティセンター化の推進に関して、市民環境部長からは、地域コミュニティ課が目指しているコミュニティセンターは、社会教育施設ではなく、社会教育法上の縛りを受けない公共施設としての地域のまちづくり拠点になるものへと移行していきたいとの説明をされていましたが、現状認識にずれがあると思いますが、この点についてお考えをお伺いいたします。
また、今回の地域運営組織に変更したところには、自由度の高い交付金を出すと言っていましたが、従前の公民館とはあまり予算は変わらないとも言われています。西予市が現在取り組んでいる小規模多機能自治活動拠点整備事業では、公民館を教育委員会から市長部局に移管する、それによってこれまでの公民館の社会教育、生涯学習の機能に地域づくり、まちづくりの拠点として役割が加わり、交流、にぎわいづくりによる収益事業なども実施可能になるなど、活動の幅や利用する自由度を拡大し、充実した地域独自の特色ある活動が可能になると言っていました。しかし、同時に、そのような活動が増えることによって、これまで培ってきたボランティア意識に支えられてきた古きよき地域の風土が変化してしまったと嘆く声もあるそうです。特に、お金が動くと人の意識が変化するのではないでしょうか。住民自治を拡大していくことには大賛成ですが、今回の提案は、今までの仕組みと大きく変化しますので、何よりも住民が納得できることが重要ではないでしょうか。市として何年先にこの新しい方向を全市で展開しようとしているのか、その見通しについてをお聞かせください。
また、現在、宮西校区で真剣に取り組んでいる活動を今後もどのように支えていくのか、お伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。長井市民環境部長。
○市民環境部長(長井秀旗)(登壇) 自分たちでできることについてお答えいたします。
これからのまちづくりの方向性についてでございます。
まず、現在進めているコミュニティー再構築の取組がどのような形を目指しているのかについてお答えいたします。
身近な地域で安心、安全な生活を送るために、これまでは地縁組織である自治会を中心に、高齢者福祉、ごみ問題、防犯、防災などの地域課題の解決に取り組んでまいりましたが、価値観や住民ニーズの多様化、さらには役員や後継者不足などにより、地域が抱える多種の課題は、自治会だけでは対応が困難になってきているという現状がございます。
また、自治会の加入率は50%近くまで減少しており、これから10年後、20年後も住み慣れた地域に住み続けるためには、自治会に加入している、加入していないにかかわらず、地域の中でお互いに助け合い、誰もが孤立しないような地域づくりを進めることが重要になると考えております。
こうしたことから、自治会をはじめ、地域の様々な団体がネットワークを組み、連携、協力しながら魅力ある地域づくりと地域の課題解決に取り組む仕組みづくりが急務であると考えております。
地域運営組織の取組は、これから目指すべき地域の助け合いの仕組みづくりであり、自治と分権、すなわち地域のことは地域で決める、地域で取り組むを理念に掲げ、それぞれの立場や組織は異なりますが、同じ目標を掲げながら活動を展開していくという、これまでとは違う新しい取組と認識いたしております。
今後、この取組が地域に定着するには、数年の歳月がかかるものと思われますが、地域に住む人と人とのつながりづくりを重要なキーワードとして捉え、持続可能な地域づくりに向けて取り組んでまいります。
次に、地域運営組織と公民館の関係性についてでございます。
多様な地域課題の解決と地域の人づくりを進めるため、公民館を地域の主体的なまちづくり活動や防災拠点、地域住民の交流の場、地域の主体的な学びの場、地域の情報収集及び発信の場として、地域運営組織の活動の拠点にしたいと考えております。
次に、公民館の市長部局への移管についてでございます。
今後、公民館のコミュニティセンターへの移管について検討していく中で、教育委員会から市長部局に所管が変更された場合には、社会教育法の規定は適用されず、当該施設の設置及び管理条例により、その使用の制限等について規定することになりますが、営利活動、特にコミュニティーカフェやリサイクルショップなどのコミュニティービジネスの実施を認めることで、地域運営組織における自主財源確保や企業と連携した取組などを通じて地域活性化につながる面も期待できますことから、これまで以上の有効な使用が可能となるのではないかと考えております。
次に、コミュニティセンターへの移管時期についてでございます。
移管時期につきましては、今後のセンターの役割、機能、事業展開、管理運営手法等について地域住民の皆様と十分な協議を重ねながら、移管時期を含め、検討を進めていきたいと考えておりますが、モデル校区での活動検証等を行いながら、まずは地域運営組織の形成について取り組んでいきたいと考えております。
次に、今後における宮西校区での活動支援についてでございます。
今後の活動支援につきましては、モデル校区の令和5年度活動における課題や成果等を整理しながら、地域の持続可能なまちづくりのための必要な支援を行ってまいります。
○議長(大條雅久) この際、暫時休憩いたします。
午前11時58分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 0時59分再開
○議長(大條雅久) 休憩前に引き続き会議を開きます。
篠原茂議員。
○21番(篠原茂)(登壇) 長井部長の答弁を聞いておりますと、社会教育法第23条の解釈が少し私とは違います。このことについて教育長のほうから社会教育法第23条の新しく出た文部科学省の解釈についてお伺いしたいと思います。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 篠原議員さんの御質問にお答えをいたします。
令和5年12月14日に、文部科学省の地域学習推進課のほうから、この社会教育法第23条第1項の解釈の周知についてという事務連絡が出ております。これの中では、かいつまんで概要を申し上げますと、この規定の趣旨というのは、公民館がいわゆるその目的を没却して、すっかり忘れてしまって、専ら営利のみを追求したり、特定の事業に対して使用回数や使用時間、使用料等に関して優遇するなど特に便宜を図る、そして当該事業に利益を与えることを禁止するものであって、公民館が営利事業に関わることを全面的に禁止するものではないという趣旨が述べられております。
それで、アンケート等を実施して、具体的な事例ということの中で、公民館以外が主体となって行うものに、イベントを行う際、キッチンカー等に飲食物の販売を認めるという事例が示されています。それも先ほど申し上げた趣旨を履き違えないような形での運用というのが重要になるのではないかと思います。
この事務連絡については、公民館の積極的な活用に向けて、各地域における検討の一助となればということで示されたもので、もちろん社会教育を基盤とした人づくりが公民館の非常に大きな役割でございます。
長井部長の答弁の中で、コミュニティーカフェとかリサイクルの事業というようなこともございました。その場合においては、公民館として運用する場合においては、今申し上げましたような趣旨に反していないかどうかのチェックというのは、その時々で必要ではないかというふうに考えております。
○議長(大條雅久) 篠原茂議員。
○21番(篠原茂)(登壇) 質問の中でもお話ししたんですけど、認定こども園の職員が、公民館を使用したいと言ったときに断られましたけど、これはなぜ断ったんでしょうかね。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 篠原議員さんの御質問にお答えをいたします。
認定こども園の職員が、事業を行うという中で断った理由ということですが、直接具体的なお答えはここで私のほうから申し上げることはできないんですけども、先ほども申しましたように積極的に公民館を活用するということで、今回、こうした事務連絡が出ておりますので、今後につきましては、積極的に公民館を活用していただくということで、先ほども事務局のほうから公民館長にも連絡をしたという旨の報告も受けておりますので、今後はそういう対応をしていきたいというふうに思います。
○議長(大條雅久) 篠原茂議員。
○21番(篠原茂)(登壇) 今回の件でいろいろな公民館を回ってみますと、社会教育法第23条第1項のこの資料を持ってないという館長が何名かおったんですよね。この館長には渡しとるけど、この館長には渡してない、なぜこんなことが起こるんでしょうか。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 篠原議員さんの御質問にお答えいたします。
十分に周知がなされていなかったのではないかという御指摘ですので、今後こういうことがないように、きちんと把握をして、大切な事務連絡につきましては確実に周知がなされるように取り組んでまいります。
○議長(大條雅久) 篠原茂議員。
○21番(篠原茂)(登壇) その会議は、この間の日曜日にあったんですけど、泉川公民館に700名ぐらいの方が集まったと言ってました。私も700名も集まった方を見たことがないんですけど、そのような盛況なみんながする会ですから、ぜひ今後は大胆に、そして第23条を大いに使って、そして公民館としてやっていただくようによろしくお願いいたします。
それでは、次に移ります。
自分たちでできることについての2、コミュニティ・スクール。
新居浜市では、平成30年度末までに全ての小学校、中学校に学校運営協議会が設置され、コミュニティ・スクールが始まりました。先日、2月9日に開催された新居浜市コミュニティ・スクール推進協議会の資料を見ますと、どの学校も地域との交流が活発に行われていることが確認できました。実際に、児童生徒の学習の中で裁縫先生、木工先生、のこぎり先生などで地域のボランティアが授業に参画して、授業支援をしていただくことで、きめ細かな指導が可能になり、経験の浅い若手教員の先生からは、大変有効な活動と喜んでいただいています。今年から裁縫先生を始めた校長先生にお話をお伺いすると、エプロン製作が3時間で全員終了したと聞きました。先日、ホタテ給食を行った際には、児童が自分たちで作ったエプロンをかけて給食当番をしたそうです。ほのぼのとした雰囲気を感じます。
教育委員会では、このようなゲストティーチャーが学校に入り、児童生徒と活動することについてどのように感じていますか。今後さらに拡大していこうという思いがありますか、お伺いいたします。
しかし、実際には運用で問題もあります。以前、地域学校協働活動の予算がなかった頃は、学校に行っての読み聞かせやゲストティーチャーの活動はボランティアとして参加することが当たり前でした。それが、謝金が発生することによって、お金をもらうことが当たり前の見返りを期待するような文化に変わってしまったことを感じます。何に対して、誰に対して謝金を払うというのは、公平に行うことが難しく、不公平感を助長しているとの意見もあります。今後どのような基準で進めていくのか、地域や公民館に一任するのではなく、教育委員会としての基準を明確にすべきだと思いますが、お考えをお伺いいたします。
最初は、子供たちと関わるのが楽しい感覚だったのが、お金をもらって当たり前の心境に変わってきています。お金が動くと大変難しいです。
兵庫県朝来市では、様々な活動で獲得したポイントで、学校図書館の本を購入しているそうです。ボランティア活動謝金は、子供たちのために使うことで還元するほうが、循環型社会の実現につながる気がします。新居浜市の今後の謝金扱いについての方向性をお伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) コミュニティ・スクールについてお答えいたします。
まず、ゲストティーチャーによる授業支援についてでございます。
地域と学校が連携、協働して、子供たちが地域全体に見守られ、安心して健やかに育まれる環境づくりを推進するためには、必要な活動であるとともに、学校における働き方改革を踏まえた活動であると認識しております。
また、昨年度と比較いたしましても、ゲストティーチャーによる授業支援は、各学校に広がっており、教育委員会といたしましては、今後も活動を拡充してまいりたいと考えております。
次に、ゲストティーチャー等への地域学校協働活動に関する謝金についてでございます。
愛媛県の地域ぐるみで育むえひめっ子未来創造事業費補助金を活用しておりますことから、県が定めております単価を上限に謝金をお支払いしております。
また、事業や活動内容を明記した事務マニュアルを教育委員会で作成し、各地域学校協働本部に周知しております。
次に、今後の地域学校協働活動に関する謝金の扱いについてでございます。
地域住民の方等が、一定の責任を持って学校運営に参画し、継続的に子供たちを取り巻く課題を解決できる地域社会を目指すためには、一定の支援は必要であると考えており、謝金につきましても、県の実施要領に沿った対応をしてまいります。
○議長(大條雅久) 篠原茂議員。
○21番(篠原茂)(登壇) 謝金の問題は大変難しいです。謝金のこれを間違いますと、次からボランティアの人が来てくれません。ぜひ教育委員会からこのようにしなさいというアドバイスをいただければありがたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
それでは次に、自分たちでできることについての3、環境問題についてお伺いいたします。
最初に、家庭でできることについてです。
ごみ削減、再利用、リサイクルなどの生活スタイルの見直しによって、環境問題解決の取組が前進していると感じています。
しかし、いまだ使い捨てのプラスチック、紙製品などの廃棄は増えています。また、食品ロスも問題になっています。買物の心がけや生ごみ削減は、できる範囲で誰にでもできるはずです。今環境について市民に対しどのような呼びかけをしていますか。具体的な啓発内容とその取組を促す方策などをお伺いいたします。
2点目は、地域で取り組むことです。
一人一人が取り組むことから仲間と取り組む、地域で取り組む、さらには地域と小学校、中学校で一緒に取り組むという拡大路線でみんなが一緒になって環境を守る活動、地域コミュニティー活動に展開していくことで、環境問題を解決することができるはずではないでしょうか。今、学校では、ESD、SDGsの実践に熱心に取り組んでいます。学校や子供たちと一緒にできることを増やすべきではありませんか。活動を継続し、教職員の負担軽減を図るため、地域ボランティアの協力が必要だと考えています。市は、子供たちへの環境教育について、具体的にどのような取組を進めていますか、お伺いいたします。
また、環境行政として連携の考えの有無をお伺いいたします。
次に、今建設が進んでいる西部学校給食センターのスタートに併せて、行政と事業者、学校や子供たちが一体となって学校給食センターの食品残渣の焼却をやめて堆肥にすることも取り組みませんか。
さらに、農家の協力を得て、地域全体としてその取組をSDGsやリサイクルとして取り組み、地域内での循環型農業の振興につなげていくきっかけにすることができると思います。
学校給食の残渣も含めて、事業系食品残渣ゼロの実現につなげていく格好の取組ではありませんか。既に全国の幾つかの自治体や企業では、食品残渣を堆肥やバイオガス発電に利用する取組が始まっています。それを実現するために、調査や事業化に対する国の支援制度もありました。環境省の食品廃棄ゼロエリア創出モデル事業です。新居浜市内の学校給食や事業系食品残渣をゼロにすることは可能と考えられます。今こそ新しい取組が必要と感じますが、お考えをお伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 環境問題についてお答えいたします。
子供たちへの環境教育についてでございます。
環境教育については、教科横断的な学習や総合的な学習の時間におきまして、各学校ごとに特色ある教育を進めているところでございます。
小学校では、低中学年におきまして、まち探検などを通して、地域の自然について興味や関心を持つことで、環境保全の意識を高めております。
高学年では、エネルギー問題や資源、ごみ問題などについてSDGsを意識した学習を行っているほか、別子銅山の歴史を学ぶ中で、植林事業における先人の環境保全意識が、現在のSDGsにつながっていることも学習しております。
中学校では、花いっぱい運動やエコキャップ回収などの実践的な活動を通して、環境について学んでおります。
以上申し上げましたが、他の点につきましては教育委員会事務局長がお答えいたします。
○議長(大條雅久) 木俵教育委員会事務局長。
○教育委員会事務局長(木俵浩毅)(登壇) 新学校給食センターの食品残渣についてお答えをいたします。
食品残渣の堆肥化につきましては、SDGsの観点からも有効な取組であると考えておりますが、学校給食センターにおける食品残渣につきましては、財源など処理に係る様々な課題を整理する必要があり、まずは食品残渣を堆肥化することが可能な民間事業者等との連携も含め、処理方法、処理費用や運搬方法などについて、調査研究をしてまいります。
また、調理過程で食材の切りくずを削減するため、メニューを工夫するとともに、より一層食育を推進するなど、給食における食品残渣を少なくするような取組を今後も行ってまいります。
○議長(大條雅久) 松木市民環境部環境エネルギー局長。
○市民環境部環境エネルギー局長(松木伸)(登壇) 環境についての具体的な啓発内容とその取組を促す方策についてお答えします。
環境に関する啓発といたしましては、これまでにレジ袋無料配布中止とマイバッグ運動など、環境に配慮した行動変容を促す啓発をしてまいりましたが、昨年度から新たにリユース、リサイクルの受入先の見える化を図る本市独自の3Rプラットフォーム、にいはま3Rネットワークを構築し、生活のあらゆる局面においてリユースやリサイクルを意識いただけるよう、積極的にSNSにおいて発信しているところでございます。
また、昨年3月に策定したにいはまプラスチック資源循環戦略及びにいはま食品ロス削減計画に基づき、マイボトル運動などワンウエープラスチックの削減やおいしい食べきり運動推進店など、食品ロスの削減の啓発の取組も進めており、今後も可能な限り積極的な環境啓発事業を展開したいと考えております。
次に、環境行政としての連携についてでございます。
現在策定中の第3次にいはま環境プランでは、環境学習・環境人材の育成に取り組むまちを4つの主要プロジェクトの一つとして掲げ、体験学習機会の提供や市民活動などを連携させることにより、市民、行政、事業者が主体的に環境活動を推進する体制を構築することで、将来における持続可能な社会を目指すこととしております。
具体的には、PTAや保護者とも連携したマイクロプラスチックごみの海岸清掃や自然観察会などの体験型環境学習、家庭でできる身近な環境出前講座の開催など、市民の皆様を巻き込んだ取組を推進してまいりたいと考えております。
次に、市内の学校給食や事業系食品残渣をゼロにする取組についてでございます。
食品残渣につきましては、まずは食品ロスの削減推進の観点から、すぐに取り組める本市の食品ロス削減計画に基づく取組を進めているところですけども、食品の製造、加工、調理過程において、やむを得ず発生する食品残渣の再生利用の促進も重要であると認識しております。
しかしながら、本市の実態としては、分別と収集運搬にかかる手間とコスト、食品残渣再生事業者が少ないなどの課題があり、食品残渣の再生利用は進んでいないものと分析しております。
今後、民間事業者の情報収集、先進事例調査など、市内での食品残渣の再生利用、循環促進についての調査研究を進めてまいりたいと考えております。
○議長(大條雅久) 篠原茂議員。
○21番(篠原茂)(登壇) 市民を巻き込んだ活動を市民の一人一人がすることによって大きな力になると思いますので、ぜひそのような活動を進めていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、介護予防の取組についてお伺いいたします。
先日、静岡県掛川市を訪問しました。令和3年度の介護保険決算報告を見ると、新居浜市と掛川市は、人口規模がほぼ同じ11万6,000人なのに、令和3年度の決算を比較すると、約40億円もの差があることに気がつき、なぜだろうと疑問を抱きました。私なりに分析してみると、まず思いつくのは、高齢者が多いこと、新居浜市の高齢化率が高いことが挙げられます。令和3年度末における高齢者人口、第1号被保険者数は、新居浜市3万7,693人、掛川市3万2,645人と5,048人も新居浜市が多くなっています。高齢化率で比較すると、4.2ポイントも新居浜市が高くなっています。これは、産業構造にも関わると思うので、直接は触れません。
2つ目に挙げられるのは、要介護認定者が多いことです。高齢者が多く、認定率が高いのですから、その結果、費用がかさむのは当然の結果です。令和3年度末における要介護認定を受けている高齢者が、新居浜市7,820人、掛川市4,908人、掛川市の約1.6倍、2,912人も新居浜市が多くなっているのはどうしてなのでしょうか。介護保険サービスは、要介護認定を受けている方が対象となるので、介護給付が多いのは認定者数が多いからだと思います。両市の第8期介護保険事業計画、令和3年度から令和5年度を基に比較すると、令和3年度の歳出のほとんどを占める標準保険給付費が新居浜市と比べても少ないのです。仮に、新居浜市の認定率が掛川市と同じ15%まで下がると仮定すると、認定者数が7,820人から5,650人に減り、その比率マイナス28%で、介護給付も減ると仮定すると、標準給付費見込額が約36億円減ることになります。つまり、新居浜市の高齢者の人口を減らすことはできませんが、要介護者数を減らすことで、結果的に保険給付費を減らすことができるのではないでしょうか。一度認定すると、それは終生認定しなければならないのでしょうか。
1つ目の質問ですけど、一度介護認定をした方で元気になって介護認定が解除された方がこれまでどのぐらいおられましたか、お伺いいたします。
元気な高齢者になることは、高齢者にとっても幸せなことです。そのために介護予防事業や様々な健康づくり事業を充実させていく必要があると思います。新居浜市地域福祉推進計画が令和3年度から始まり、我が事、丸ごとの地域共生社会の実現に向け、縦割りでなく、丸ごと、他人事ではなく、我が事として一人一人の暮らしを支える地域づくりが必要と言っています。現在までに住民が主体的に地域福祉の課題を把握して解決を試みるために、体制づくりや具体的な支援がどのように進み、どのような成果が見えてきたか、お伺いいたします。
新居浜市の対策、1点目ですが、新居浜市では、自治会館などを拠点にした健康長寿地域拠点づくり事業や、元気もりもり教室などの介護予防事業を実施していると思うが、これまでの介護予防の取組による成果をどのように判断しているのか、お伺いします。
健康長寿地域拠点づくり事業、第1号被保険者3万7,693名の1割の方が参加してくれると効果が現れると聞いたことがあるが、今何名の方が活動に参加しているのか、お伺いいたします。
以前、株式会社タニタと連携し、活動量計で消費カロリーや歩数を計測、市民間で歩数を競争していた事業が令和4年度に終了。令和5年度からKENPOSアプリを普及していると伺っています。令和5年12月議会で、白川議員さんからも質問されていますが、私からも再度、本市は壮年期の運動不足と肥満が問題となっており、一人でもできるKENPOSアプリの活用によりウオーキングを推進し、地域の健康度の底上げをすることが必要です。
また、データを分析して、市民にフィードバックしていくことも効果があると思いますが、どのような取組を考えていますか、お伺いいたします。
2点目ですが、以前も質問させていただきましたが、保健補導員制度について再度お伺いいたします。
長野県須坂市では、要介護認定率が長野県内の市で最も低く、元気な市民が多い町です。市民の命や暮らしを守るために、自分たちができることは自分たちで取り組もうと主婦の方から保健師へ何か手伝わせてくれることはありませんかとの提案があり、須坂市の保健補導員会は始まったそうです。2年間で顔ぶれが変わり、今では全市域で保健補導員制度が設置され、町の人たちの健康な生活のために活動しています。
新居浜市でもこのシステムの導入を考えたらいかがでしょうか、お伺いいたします。
3点目は、デジタル田園健康特区の登録申請です。
全国的に少子高齢化や人口減少が進む中、政府はデジタル技術の活用による地域活性化を目的としたデジタル田園都市国家構想を進めています。その先導役として、2022年4月から、加賀市、茅野市、吉備中央町を指定しています。健康、医療分野の課題解決に取り組み、健康医療情報の活用として、医療版情報銀行を構築し、個人の様々な健康、医療データを連携することで、一人一人に合った健康増進サービスを実現しています。さらに、移動・物流サービスとして、タクシー等の地域交通との連携により、薬局に行かなくても自宅でタイムリーに医薬品を受け取るサービスを実現しているそうです。
以上のようなことは、新居浜市も取り組むことが可能だと思います。
また、デジタル田園都市国家構想への特区の指定を受ける条件はどうなっていますか。
しかし、特区の指定を受けなくても、市独自の取組もできると思いますが、健康医療情報の活用、移動・物流サービス等についてお考えをお伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。古川福祉部長。
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 介護予防の取組についてお答えいたします。
まず、健康長寿地域拠点づくりについてでございます。
一度要介護認定を受けた後、元気になって介護認定が解除になった人数につきましては、介護認定の更新申請における審査で自立の判定となった方が、令和6年1月までの36か月間で40名いらっしゃいましたが、このほかにも元気になったことで、自ら更新申請をされなかった方や、更新ではなく、介護予防・日常生活支援総合事業の中で介護予防に取り組むこととされた方もおられますので、全体像としての人数を把握することは困難でございます。
御質問で言及されました掛川市との給付費等の比較につきましては、後期高齢者の割合が、本市のほうが28%多い状況でありますので、単純には比較できないものと考えております。
次に、地域課題の解決のための住民主体の体制づくりや支援の進捗、成果についてでございます。
本市では、4人の健康長寿コーディネーターを中心に、介護予防や生活支援につながる社会資源の収集、整理、創出を行うとともに、地域課題の抽出や助け合いの体制づくりについて旧18校区にある地域の協議の場で話合いを進めており、今後さらに組織的な発展を図りたいと考えております。
具体的な支援といたしましては、地域での話合いは、市内で年260回あまりとなっており、この会合に参加することで、地域からの要望を聞き取り課題として整理し、資料の作成や勉強会の開催、社会資源とのマッチングなどを通じて解決に向けた取組を支援いたしております。
成果についてでございますが、各校区における活動は、それぞれの地域課題に関する研修が中心ではありますが、移動販売の拡充や他市の活動事例を参考に、認知症の周知啓発に取り組んでいる校区等もあり、また2つの校区で計4か所の健康長寿地域拠点の新規開設にもつながっております。
介護予防の取組の評価につきましては、本市では、介護予防ケアマネジメントをはじめ、介護予防教室、健康長寿地域拠点づくり事業、地域リハビリテーション活動支援事業等の各種事業を推進しているところでございます。これらの取組において、運動機能、栄養状態、健康的な生活変容など、状態が改善された方が多く見られ、事業の成果は着実に得られているものと考えております。
一方で、介護予防事業に参加されない方、知らない方がおられること、また生活習慣病が悪化していく方、フレイル等の状態になる方もいらっしゃいます。
本市では、令和5年度よりの健康づくり推進本部において、地域包括支援センターを中心としたフレイルグループを展開しておりますが、青壮年期からの介護予防としての生活習慣病グループの取組とも併せ、より多くの高齢者、市民に介護予防事業に参加いただけるよう周知啓発に努めるとともに、活動の強化を図ってまいりたいと考えております。
健康長寿地域拠点づくり事業への活動参加人数につきましては、令和6年2月末時点で108拠点、計1,753人でございます。
次に、KENPOSアプリの活用についてでございます。
地域全体の健康増進やデータを分析してフィードバックするには、できるだけたくさんの方に御登録、御活用いただく必要があり、そのための主な取組としましては、初回登録時や毎日の歩数、継続的に頑張っている人にポイント付与によるインセンティブを設けております。また、KENPOSアプリを広く知っていただくために、3月17日には、イオンモール新居浜において、KENPOSエピソード表彰とクイズラリーを開催いたします。さらには、3月からマイナポータルとの連携が可能となり、服薬情報や健診データ等を手軽に活用することができるようになりました。
今後は、KENPOSが市民の健康づくりの必須ツールとなるよう、様々な活用方法を開拓して実用性を高め、利用者拡大を図るとともに、蓄積したデータを他の健康指標データと合わせて分析し、より効果的な健康施策の推進に役立てていく中で、地域全体の健康増進や市民へのフィードバックを図ってまいりたいと考えております。
次に、保健補導員制度についてでございます。
須坂市における保健補導員制度は、本市では、健康都市づくり推進員がこれに相当するものと思われます。健康都市づくり推進員は、にいはまげんき体操の普及啓発やウオーキングマップの作成、ウオーキング大会の開催、各種健診の受診啓発など、地域で様々な健康づくりの活動実績がございました。
しかし、最近では、介護保険法に基づく健康長寿コーディネーターや市民体操指導士の配置など、健康都市づくり推進員と類似の目的の活動を行っており、地域の担い手を集約し、活動の効率化を図る必要が生じましたため、健康都市づくり推進員制度を令和5年6月で終了し、今年度設置いたしました健康づくり推進本部において、改めて健康づくりに必要な市民との協働の体制について検討することといたしております。
現在、様々な住民組織が主体的に健康づくりに取り組んでおりますので、まずはその活動を支援し、地域全体で健康増進を図ってまいりたいと考えております。
次に、デジタル田園健康特区についてでございます。
健康特区の指定を受ける条件といたしましては、健康、医療に関する課題解決に重点的に取り組む自治体とされており、令和2年に公募を開始し、令和4年4月に指定が終了しております。
本市独自の取組としましては、健康特区のような規制緩和はありませんが、デジタル田園都市国家構想推進交付金を活用して、介護予防にもつながるまちづくりを進めているところでございます。
この取組における健康医療情報の活用といたしましては、健康づくりの保健指導や栄養指導、医療機関等での診療、避難所での支援において、マイナポータルとの連携による健康情報等を活用できる仕組みの構築を進めており、KENPOSとの連携もその一つでございます。
移動・物流サービスでは、アプリ予約を導入したデマンドタクシーの利便性向上による移動問題の解消や保健福祉MaaS車両を活用して、地域に保健サービスを届ける取組を進めております。
現在、オンライン診療にもMaaS車両が活用できないか、関係者と検討を進めておりますが、今後、高齢者の増加や医師の偏在等により、在宅医療や介護の需要も高まると想定されますことから、課題解決策の一つとして、介護予防分野においてもデジタル化を強く推進してまいりたいと考えております。
○議長(大條雅久) 篠原茂議員。
○21番(篠原茂)(登壇) 健康寿命、本当に難しいですよね。石川市長の施政方針にも書かれていましたが、健康寿命延伸、今日するとあしたから効果が現れることにはなりません。各種団体、そして学校、地域とが協働して、市民一人一人が健康意識を向上させ、そして自分で仲間と継続的に取り組み、要介護認定者を出さない新居浜市をつくることは大変重要だと思っております。そのためには、高齢者が毎日できることを考えて、家から出るシステム、今さっき言よりました学校のコミュニティ・スクールのゲストティーチャーになること、そのようなことをつくることも大変重要な健康寿命延伸になると思いますので、ぜひ今後も皆さんと協力しながら進めていきたいと思いますので、ぜひ御協力くださいますようお願いいたします。
それでは、最後に、新居浜太鼓祭りについてお伺いいたします。
1番目、2025年大阪・関西万博への太鼓台の派遣の件ですが、日本国際博覧会協会では、募集に当たって、いのち輝く未来社会のデザインをテーマとして、国、地域、文化、人種、性別、世代、障害の有無にかかわらず、万博を通じ、挑戦者の思いを社会が後押しすることで共感の輪が広がり、社会課題解決のきっかけとなることを目指しています。参加型のイベントでは、「まつり」など地域のコミュニティが一体となって参加できる場を提供しますとされています。1次募集期間は、2023年9月15日から同年12月31日となっていますが、新居浜市も太鼓台派遣の応募をしたそうですが、選ばれることを祈ります。
想定の質問で大変恐縮なんですけど、応募に当たり何点か質問いたします。
1番目、太鼓台の派遣は何台でしょうか。また、新居浜市には54台の太鼓台がありますが、選定はどのようにされるのでしょうか。
2番目、かき夫は何名ぐらい予定され、宿泊は何日を予定されていますか。
3番目、太鼓台派遣の予算は、幾らぐらい予定されていますか。
4番目、参加太鼓台の持ち出しは、幾らぐらいになりましょうか。
2番目、次に、新居浜太鼓祭りの今後なんですけど、新居浜市でも著しい人口減少が進んでいますが、新居浜太鼓祭りの300年の歴史を300年後の未来に引き継ぐ必要があると考えています。2017年現在ですが、太鼓台1人当たりの新居浜市の人口は、川東西部地区8台、約2,150人、川東地区9台、約1,250人、川西地区13台、約2,710人、上部地区20台、約2,530人、大生院地区4台、約1,000人となっています。太鼓台1台当たりの人口は、約30年間で45%減少している状況です。今後、全市の太鼓台54台を運営していくことが大変困難になってきており、今後も減少していくものと思います。
そこで、提案ですが、祭り開催を週末開催にする、2番目、各地区の地方祭の日程をずらすなどの対策が考えられますが、市としてはどのような対策を考えておられますか、お伺いいたします。
新居浜市民が誇りを感じている太鼓祭りが、今後も継続して発展していくことを要望します。
3番目、地域文化財総合活用推進事業ですが、この事業の地域伝統行事・民俗芸能等継承振興事業は、文化庁が令和3年度補正予算から実施されていますが、御存じと思われますが、太鼓祭りの関係ですと、伝統行事等を次代に継承するためには、担い手や資金の不足を克服するための取組を自ら行う団体等に対して用具の修理、後継者育成など、伝統行事の基盤整備を支援するとともに、取組内容の促進等を行うことで、持続可能な基盤形成を図り、地域の活性化を目的としています。注意事項として、補助対象経費の上限は、要望する全ての事業を合わせて1,000万円で、補助対象経費の85%までの補助となっています。応募書類の提出締切りは、令和6年2月1日でした。
そこで、何点かお伺いします。
1、新居浜市の太鼓祭りの関係でどのような事業が申請されていましたか、教えてください。
2、文化庁からは、各地方公共団体に、地域の文化遺産を活用した取組が計画的に効果的に実施されるよう、地域活性化に資する特色がある総合的な取組に関する計画を策定と言っておりますが、地域の団体の皆さんとどのような相談をしていますか、お伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。加藤副市長。
○副市長(加藤龍彦)(登壇) 新居浜太鼓祭りについてお答えいたします。
まず、2025年大阪・関西万博への太鼓台派遣についてでございます。
2025年大阪・関西万博への参画につきましては、新居浜を世界にPRするため、昨年12月、新居浜太鼓祭りで一般参加催事への申込みをいたしております。
申込みに当たりましては、万博テーマへの親和性に配慮し、太鼓台の演技等を通じて、世界中の方々とわくわくを共有できるイベントとして提案を行っております。
今後、日本国際博覧会協会事務局によるヒアリング、外部委員で構成される審査会での審査を経て、4月中には選考結果が通知される予定となっております。
なお、派遣台数、選定方法など、派遣の詳細につきましては、採択結果を見ての判断となりますことから、予算を含め現時点では決まっておりませんが、今後選考結果が出ましたら、新居浜市太鼓祭り推進委員会とも協議しながら決定していきたいと考えております。
次に、新居浜太鼓祭りの今後についてでございます。
現在、市内には54台の太鼓台がありますが、少子高齢化に伴う人口減少や若者を中心とした祭り離れなどにより、新居浜太鼓祭りの担い手不足が進行していると認識いたしております。
市といたしましては、開催日程の変更は、祭礼の主催者である神社や太鼓台の所有者である自治会等、また運営主体である各地区太鼓台運営委員会・協議会それぞれでの検討が基本であると考えておりますことから、その動向に注視してまいります。
いずれにいたしましても、新居浜太鼓祭りは、郷土愛や地域の絆を深め、地域コミュニティーの活性化にもつながりますことから、次世代への継承に向け取り組んでまいります。
○議長(大條雅久) 宮崎経済部長。
○経済部長(宮崎司)(登壇) 地域文化財総合活用推進事業についてでございます。
まず、令和6年度の太鼓祭り関係の申請事業につきましては、全て用具等整備事業での申請を行い、太鼓台の修繕やはっぴの新調を予定いたしております。
次に、取組に関する計画の策定に係る地域団体との連携についてでございますが、関係団体に対しては、令和6年度補助事業の周知に努めるとともに、応募を希望する主体に対しては、取組内容等を整理する事業計画書作成のための助言や相談に応じるなど連携を図っており、令和6年1月15日付で全体としての事業計画の概要や目標と期待される効果などを整理した実施計画書などを添えて応募いたしております。
○議長(大條雅久) 再質問はありませんか。篠原茂議員。
○21番(篠原茂)(登壇) 少しお伺いしたいんですけど、お祭りですけど、お祭りは神事は宗教やと思いますね、神事は宗教。祭りごとは余興やと思います、余興。新居浜市は、各太鼓台に補助金を出してますね。これは、催事、余興のほうですよね。
では、お祭りの日程やかでしたら、新居浜市で決めれるんじゃないんでしょうか、どんなんでしょうか。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。宮崎経済部長。
○経済部長(宮崎司)(登壇) 篠原議員さんの再質問にお答えいたします。
太鼓台関係のほうに補助金を出してるので、祭りの日程等は新居浜市で決定できるのではないかというような御趣旨の御質問だったかと思います。
先ほど加藤副市長の答弁にもございましたように、祭りというのは基本的には主催者である神社が日程を決定しているというふうに理解をしております。そのため、イベント等を新たに設定する場合は、新居浜市が主催者となってイベントを実施する場合は決定することは可能だというふうには思っておりますが、基本的には、新居浜太鼓祭りは、祭礼と同時に行っているというふうに理解しておりますので、日程については先ほど申し上げたとおりだというふうに御理解いただきたいと思います。
○議長(大條雅久) 再質問はありませんか。篠原茂議員。
○21番(篠原茂)(登壇) 今回の質問は、自分たちでできることは自分たちでやろうが基本でした。今後も市民の皆さんと協力しながら、新居浜市が少しでもよくなるように頑張りたいと思います。ありがとうございました。
○議長(大條雅久) この際、暫時休憩いたします。
午後 1時51分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 2時00分再開
○議長(大條雅久) 休憩前に引き続き会議を開きます。
藤原雅彦議員。
○20番(藤原雅彦)(登壇) 公明党議員団の藤原雅彦でございます。
通告に従いまして、代表質問をさせていただきます。本日最後の質問となっておりますので、理事者の皆様方には歯切れのいい答弁を期待しておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
まず1番目、市政運営についてお伺いいたします。
今議会に令和6年度当初予算案が上程されております。当初予算と言えば、今後1年間、市民が日常生活を送る際に、行政の関わり方や取組を示すいわゆる石川市長をトップとした行政の市政運営方針が反映されたものであると思います。
昨年、私の9月議会での質問の際に、令和5年度末に財政調整基金残高が危機的な状況になるとの答弁がありました。そのような財政が逼迫した状況の下、令和6年度当初予算案が審議されることとなっております。
そこで、お尋ねいたします。
財政調整基金の大幅な取崩しができない大変厳しい財政状況の中での編成に当たり、昨年10月の庁議において、次年度の当初予算は総額で500億円以下を目標にしたいと考えている。歳出増の圧力が非常に強い中で、まずは総額をどうしていくかということを考えていただきたいとの方向性の下、1、防災・減災対策、2、子ども・子育て支援の充実、3、文化・スポーツの振興、そして4、持続可能なまちづくりを重点項目として掲げられ、予算編成をされました。
この4つの重点項目を含めて、令和6年度当初予算編成に際しての石川市長の思いをお伺いいたします。
次に、令和6年度当初予算案では、新市民文化センター建設準備事業費や学校給食センター建設事業等の新たな施設の建設に関する予算が計上されております。
一方で、例年に比べ、市庁舎大規模改修事業、消防分団詰所整備事業、体育施設環境整備事業など、施設のアセットマネジメント指針に基づく多額の事業費も計上されております。
新たな施設の建設には、新たなランニングコストの負担、そして既存施設につきましては、経年経過に伴う大規模修繕などが生じることも考えられます。現状の厳しい財政環境を含め、今後さらなる人口減少や少子化の進行も見込まれる中、持続可能なまちづくりの実現に向けた公共施設の在り方や方向性についてどのように考えられておりますでしょうか、御所見をお伺いいたします。
また、令和6年度当初予算案も過去最大であった令和5年度当初予算と比較すると、減額になったとはいえ、前年度比6,000万円弱、0.1%減の約514億円もの予算規模になっております。昨年12月に閣議決定された国の令和6年度予算編成のポイントの中に、歳出構造の平時化や新規国債発行を減額するなど肥大化し続ける予算に対し危機感を持たれ、国においても歳出の改革の取組を行うこととしております。
そこで、お尋ねいたします。
新居浜市でも、今後の予算規模は、来年度以降どうなっていくのか、またそれに対してどういった取組をされていくのか、御所見をお伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 公明党議員団の代表の藤原議員さんの御質問にお答えをいたします。
市政運営についてでございます。
まず、4つの重点項目を含めて、令和6年度当初予算編成に際しての私の思いについてお答えをいたします。
令和6年度当初予算におきましては、4つの柱を掲げており、施政方針において私の様々な思いを申し上げましたが、特に年初に発生した能登半島地震を念頭に、防災・減災対策として、各校区への防災倉庫の整備や避難行動要支援者個別避難計画の策定等を通じ、ハード、ソフトの両面において、災害に強いまちづくりを早急に進める必要があると感じております。
今回の予算編成では、大変厳しい財政状況の中、財政調整基金の繰入れに頼らない予算編成を掲げ、ゼロベースでの事業ヒアリングを通じて、事務事業の全面的な見直しを行いましたが、結果としては人件費や光熱水費、資材価格等の高騰等により、過去最大であった令和5年度当初予算に次ぐ予算規模となりました。
次に、来年度以降の予算規模と取組についてでございます。
令和6年度予算は、前年度当初予算からは減額できたものの、まだまだ大きい予算規模であり、さらなる歳出削減が必要であると考えております。
また、今後におきましても、多様化する行政ニーズへの対応や新市民文化センターの建て替え等の大型プロジェクトが予定されており、財政支出は増加する見込みであることから、これまで以上に厳しい視点での既存事業の見直しを行う必要があります。
さらに、人口減少が加速する中、財政負担の縮減を図るため、公共施設の再編計画に基づく施設廃止・統合を進め、健全財政の維持及び財政調整基金の確保に努めてまいります。
○議長(大條雅久) 亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) 持続可能なまちづくりの実現に向けた公共施設の在り方や方向性についてお答えいたします。
本市が保有する公共施設の多くは、高度成長により需要が拡大した昭和40年代から昭和50年代にかけて集中的に整備されており、近年、それらの施設の大規模な改修、建て替え等に伴い多額の費用が生じております。
さらに、今後の本格的な人口減少社会の到来や、厳しい財政状況を踏まえると、施設の長寿命化だけではなく、統廃合による施設の再編や施設総量の縮減に向けた取組の推進が避けて通れない状況にあると認識しております。
本市といたしましては、公共施設総量を削減しながらも、複合化や多様化を踏まえた整備を図り、現役世代の需要に応え、未来の世代にしっかりと引き継いでいけるよりよい形の公共施設をつくっていくことが重要であると考えております。
こうした方向性の下、まずは平成30年9月に策定した新居浜市公共施設再編計画に基づき、昨年基本計画等を策定した小中学校及び保育園等の再編や上部・川東支所の廃止についてもスピード感を持った取組を進め、社会環境の変化に対応した持続可能なまちづくりを目指してまいります。
○議長(大條雅久) 藤原雅彦議員。
○20番(藤原雅彦)(登壇) 要望でございます。
昨年10月2日の庁議で、財政調整基金は新居浜市の規模として適正である30億円を達成するため、3年間で10億円ずつ積んでいきたい。そのために、事業の削減、廃止を思い切って行うと同時に、新しい事業などの提案も重要になると石川市長の所感が述べられておりました。
しかし、財政調整基金残高減少の大きな原因が、実質単年度収支が5年にわたって赤字であるということであります。つまり、家計に例えるならば、貯金があるとかないとかの問題以前に、支出が収入を超えていることです。このためには、早急に支出を抑えなければなりません。現実的なこととして、歳入の確保はもちろんですが、まずは歳出について事業の見直しを徹底的に行い、延期できるものは延期する、そのような検討を行うことで、歳入準拠の姿勢で今後市政運営をよろしくお願いいたします。
次に、2、防災・減災対策について。ここは、3つの質問をさせていただきます。
まず、1番目、総合防災マップについて。
総合防災マップ、通称ハザードマップと言われ、自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したものです。
これらのマップは、被災想定区域や避難場所、避難経路などの防災関係施設の位置などを表示し、自然災害による被害の軽減や防災対策に使用され、自分の住む地域の災害リスクを具体的に理解するとともに、ハザードマップを活用することで、災害リスクの理解、避難計画の策定、防災意識の向上、防災教育の推進といった様々な効果が期待できます。
平成31年3月に作成された総合防災マップはこれです(資料を示す)。総合防災マップは、各種災害が発生した場合の被害想定及び危険箇所等を掲載したリスクマップと啓発情報を1冊にまとめ、各自治会を通じ、自治会加入世帯に配布されました。
昨年12月に、総合防災マップが5年ぶりに更新され、新居浜市ホームページ上に掲載されております。
今回の主な変更点は、津波災害警戒区域の追加、渦井川、東川、尻無川、王子川の洪水浸水想定の追加、高潮の浸水想定の追加、指定避難所や指定緊急避難場所の一覧表の追加、そして新しい取組としてマイ・タイムラインの追加となっております。
今回、更新された総合防災マップは、どのようにして市民の方に周知をされるのでしょうか、お伺いいたします。
2、防災訓練について。
防災訓練は、地域の住民や関係者が災害に備えて必要な知識や技術を身につけるための訓練活動です。主な目的は、災害時に的確な行動を取ることや被害を最小限に抑えるための対策を学ぶことです。防災訓練は、地震、洪水、台風、火災など、様々な災害に対応するために行われます。具体的な訓練内容は、避難訓練、救急・応急処置の訓練、消火訓練、避難所の運営訓練などがあります。これらの訓練を通じて、地域の住民や関係者は、災害時に必要な行動や対応策を学び、自己防災力を高めることができます。
また、防災訓練は、単に知識や技術を身につけるだけではなく、地域の結束や連携を強化するための機会でもあります。地域の住民や関係者が一緒に訓練に参加し、協力体制を築くことで、災害時の対応力が向上します。
新居浜市における防災訓練についてお聞きいたします。
新居浜市における防災訓練は、どのように実施されているのでしょうか。
また、地域の特性、河川付近、危険急傾斜地付近、海岸線付近などに合わせた訓練が行われているのでしょうか。
訓練に参加する市民の参加人数や新居浜市全体に対する割合はどれくらいでしょうか。
新居浜市として、市民の訓練への参加を促進するための取組はどのようにされているのでしょうか。
訓練後の評価や成果や課題について検討されているのでしょうか、お伺いいたします。
3番目、地震10秒診断についてお伺いいたします。
阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本震災、そして今年の能登半島震災等、平成、令和と多くの地震が発生しました。様々な自然災害の中でも、特に大きな被害を及ぼすのが大地震です。自分が住んでいる場所に、どの程度の発生リスクがあるかを把握している人は少ないのではないでしょうか。
そこで、国立研究開発法人防災科学技術研究所が、インターネット上で公開している地震10秒診断というシステムがあります。この研究所は、昭和38年に設立された自然災害と防災に関する研究を行う文部科学省所管の研究所です。災害から人命を守り、災害に強い社会を実現するための科学技術を発展させることを目指し、約1,800か所に設置された地震計による地震観測のほか、地震やその被害予測、火山噴火予知の研究、その他の自然災害の予測研究などを行っております。
その地震10秒診断というシステムで、アクセスする利用者の現在位置、つまり自宅の郵便番号や住所を入力するだけで、今後30年以内に震度5弱から震度7までの5段階の揺れに見舞われる確率が表示され、その規模の地震が起きた場合に想定される、1、停電日数、2、ガス停止日数、3、断水日数、4、家屋の全壊確率、これは木造及び鉄筋コンクリート造です。5、出火確率の5種類のシミュレーション結果が表示されます。利用者が、現在地で診断ボタンをワンタップするだけで、簡単に結果を見ることができ、ライフラインの復旧予測は、早い、平均、遅いの3段階、家屋の全壊確率は、木造と鉄筋コンクリート造を切り替えて表示できるようになっております。
ちなみに、私の住所を入力すると、30年以内に起きる地震予測震度は7で、発生確率は3%、これはちょっと低いような気がするんですけど、3%、停電日数が7日間、ガス停止日数が6日間となっておりましたが、ここでのガスというのは都市ガスを想定しておりますので、ちょっとそぐわないところがあります。断水日数が55日、木造住宅全壊確率が66.6%、つまり私の家はぺっちゃんこになります。出火確率1.5%と表示されました。
この地震10秒診断を、新居浜市のホームページ上で、私たちの地域において、地震発生時におけるリスクを表す具体的な数値を知ることができれば、家の耐震化や避難方法、食料の備蓄などの対策を考えやすくなるのではないでしょうか、御所見をお伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 防災・減災対策についてお答えをいたします。
地震10秒診断についてでございます。
地震10秒診断につきましては、今後30年以内に起こる地震予測や地震発生時のシミュレーション結果が数値化されるデジタルコンテンツで、国立研究開発法人防災科学技術研究所が公開しておりますが、あまり知られていないのが現状でないかと思います。
私も早速自宅住所で入力をしてみたところ、30年以内の予測が震度6強、19%の確率で、停電日数が5日、ガス停止日数27日、断水日数41日など具体的な数字が表示され、非常に分かりやすいと驚いたところでございます。
今回の能登半島地震の発生により、市民の皆様の南海トラフ巨大地震等に対する対策への関心が高まっており、地震10秒診断は、災害に備える防災意識を啓発する上で効果的なツールであると認識をいたしました。
現在、市では、危機管理課のホームページにおいて、総合防災マップやマイ・タイムラインを掲載しており、地震10秒診断につきましても、昨日リンクを貼りましたので、今後は御自身の行動や避難の判断をサポートするツールとして利用していただけるよう広く市民の皆様に周知を図ってまいります。
○議長(大條雅久) 小澤市民環境部危機管理監。
○市民環境部危機管理監(小澤昇)(登壇) 総合防災マップについてお答えいたします。
昨年12月に更新いたしました新居浜市総合防災マップは、現在、新居浜市ホームページへの掲載に加え、各指定避難所及び各自治会には、A1サイズの地域版防災マップを配布させていただき、市民の皆様への周知を図っているところであります。
今後は、市公式LINE、Xなど、SNSの活用や出前講座、防災センターでの研修、地域での防災訓練など、あらゆる機会を捉えて市民の皆様に広く周知してまいります。
次に、防災訓練についてでございます。
まず、本市の防災訓練の実施につきましては、18校区、地区の自主防災組織が中心となり、小中学校のグラウンド等を会場として、初期消火や応急手当て、避難所設営準備のための資機材の取扱訓練などを実施いたしております。
また、沿岸部では、津波による浸水を想定し、校舎上層階への避難訓練に取り組んでいる事例がございますが、今後はさらに河川の氾濫や崖崩れ等、地域の特性に合わせた訓練を取り入れるなど、より実効性のある訓練になるよう支援してまいります。
次に、訓練参加人数と本市全体に対する割合につきましては、令和5年度における防災訓練参加人数の合計は約3,700人であり、おおむね市民の30人に1人が参加したことになります。
次に、本市の訓練への参加を促進するための取組につきましては、各校区、地区の自主防災組織が中心となり、できるだけ多くの市民が興味を持って参加できるよう、工夫を凝らしながら防災訓練を実施しております。
また、地域のまち歩きや防災センターでの体験学習、出前講座等を通じて防災意識を高めてもらい、防災訓練に参加するきっかけづくりを行っております。
次に、訓練後の評価、成果及び課題につきましては、防災訓練実施後に訓練の評価や課題を抽出し、連合自治会防災部会において全市的な共有を図っております。
今後も訓練の内容の充実を図り、実効性が高い訓練になるよう努めてまいります。
○議長(大條雅久) 藤原雅彦議員。
○20番(藤原雅彦)(登壇) 先ほど案内の私の質問の中に、平成31年に作成された総合防災マップは、当時自治会を通じ、自治会員世帯に配布されました。平成31年1月の自治会加入率は62.1%、現在の自治会加入率は54.5%であります。これが新しい防災マップです(資料を示す)。今現在自治会加入率が54.5%です。ということは、自治会に入っていない方が約46%ということになります。じゃあ今回変えたと言われる防災マップに関しては、ホームページ上に記載されておりますという答弁でございましたが、これは私がホームページから引っ張って印刷をしました。全部で45ページあります、45ページあります。私が言いたいのは、前回は全自治会に配布したと。今回はホームページ上だけの掲載となっとると。これはなぜそういうことになったのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。小澤市民環境部危機管理監。
○市民環境部危機管理監(小澤昇)(登壇) 藤原議員さんの御質問についてお答えをいたします。
総合防災マップの周知方法についてでございます。
現在は、ホームページへの掲載のみとなっておりますことから、先ほども申しましたけども、今後は、市政だより、市公式LINE、Xなど、SNSの活用や出前講座、防災センターでの研修、地域の防災訓練など、あらゆる機会を捉えて市民の皆様に広く周知を図ってまいりたいと思います。
次に、非自治会員の皆様への周知の方法についてでございます。
先ほどの答弁のほか、ケーブルテレビでの放映、FMラジオでの広報、タウン情報誌への掲載なども検討していきたいと考えております。
次に、総合防災マップの全戸配布についてでございます。
全戸配布につきましては、多額の費用がかかりますことから、現在配布の予定はございませんが、今後財源の確保も含む作成手法、配布手段や方法、市民への周知方法、新たなハザードのデータ提供も予定されておりますことから、作成の是非等について検討してまいります。
○議長(大條雅久) 藤原雅彦議員。
○20番(藤原雅彦)(登壇) 今回のこの防災マップに関して、私が一番言いたかったことは、つまり平成31年にこれができたときには、自治会加入率が62%で自治会の加入世帯に配布した。それを受けて、私はそのとき、非自治会員の方もおられるから、できたら全戸配布をしたらどうかということを令和元年の9月議会でしたと思います。そのときの答弁は、先ほどと同じように、多額の費用がかかります。そして、配布すれば破棄される可能性があります、そういう答弁でございました。
今回これを作って、今自治会加入率が54%です。あともう少しすれば50%を切ります。大半の方が、これが手元に行かない。できれば、新居浜市の責任というところで、やはりこの防災マップはSNSだったら、新居浜市民の方が20代、30代ならできますけども、今から少子高齢化を迎えます。この間、私の支援の会合がありまして、十数人いましてこの話をしました。皆さん、これを持ってますかという問いかけをすると、僕は恐らく皆さん、捨てとるだろうなと思っとったら、半分の方が持ってますよということでした。今回の能登半島ので、どっかにあったの引っ張り出してきましたという人もいました。だから、これを作ったとき、聞くところによると1,600万円かかったそうであります。もしこれを全戸配布して印刷するならば、それ以上かかると思います。私の立場上、削減せよ、削減せよという立場でありながら、ぜひともこれをもし完全なものが出来上がった、その暁には全戸配布をお願いしたいと思います。新居浜市民の命を守るためには、やはりそれなりの予算を出していただきたい。もしこれが手元になくて、災害で亡くなったときにどう言われるか、防災ハザードマップはあったけれども、私は見ることができませんでしたと。もしこれを全戸配布すれば、これを破棄するかどうかは、これを頂いた市民の側の自己責任になります。でも、市としたら、責任を持ってきちっと全戸に配布しましたということが僕は言えるのではないかと思います。そういった形で、できれば総合防災マップは全戸配布をしていただきたい、これを要望といたします。
次に、3、消防団についてお伺いいたします。
3月3日に挙行された観閲式に参加させていただき、大変にありがとうございました。新居浜市を守っていただいている消防団の皆様に感謝申し上げます。
さて、消防団員の皆様は、他の本業を持ちながら、自らの地域を自ら守るという精神に基づき、消防活動に御尽力いただいております。そして、昼夜を問わず、市民の命と安全を守っていただいている消防団は、市民の頼りになる存在です。そのためにも、新居浜市として、消防団に対してより一層の充実、強化を図るべきと考えます。全国的に消防団の人員確保と若返りが課題となっております。高齢化や都市部への人口流出などにより、消防団員の数が減少しております。
まず、新居浜市における消防団員定員の充足率はどのようになっているのでしょうか。
また、団員の平均年齢は何歳になっているのでしょうか。
そして、ここ5年間の消防団員の推移はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。
若い世代の参加を促すためには、働き方改革や生活スタイルに合わせた柔軟な活動形態や魅力的な活動内容の提供が求められております。
総務省の消防団員の処遇等に関係する検討会において、令和3年8月に消防団の現場アンケートなどを基にまとめた最終報告書を発表しました。消防庁は、消防団員の処遇改善の一歩として、報酬の見直しなどを図るように全国自治体に通知いたしました。
このことを受け、新居浜市も報酬等の改善などが図られましたが、それに対する評価、団員確保への好影響はあったのでしょうか、お伺いいたします。
報告書では、負担軽減について、操法大会を前提とした訓練が大きな負担で、幅広い住民の消防団への参加の阻害要因となっていると指摘し、負担軽減の取組をも図るように言われております。
報告書に指摘があった操法大会など拘束時間を減らす取組や実践的な訓練について新居浜市として検討されているのでしょうか、お伺いいたします。
当然ながら、消防団の役割は、消火活動だけではありません。近年は、災害が多様化し、大規模化しております。ますます大規模災害時における消防団の活動の重要性は高まっています。そのためにも、より実践的な訓練を充実させていくことが消防団の技術向上や育成につながっていくのではないでしょうか。大規模災害時における常備消防との連携訓練の充実等も必要ではないかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
直下型地震の災害が日中に起きることも想定すると、こうした時間帯に地域にいる割合の高い女性やアクティブシニア世代にも消防団活動を担ってもらうことも考えられるのではないでしょうか。市民の中には、消防団の基本団員としての活動は難しいが、大規模災害時のときには力になりたいと考える方もおられるのではないでしょうか。こうした方々の参加を促すために、大規模災害団員という制度を導入する自治体があります。大規模災害団員とは、大規模災害のときに活動を限定した団員です。制度を導入している自治体では、若者から女性、アクティブシニアなど、仕事や家庭の事情、体力的理由から消防団に入団できない方々も参加しているそうです。これまで消防団に入れなかった方々の入り口になり、いざというときの災害対応力の底上げにつながる可能性があるのではないでしょうか。大規模災害団員制度についての御所見をお伺いいたします。
よく地域の消防団員の方々とお話をする機会があります。その中で、報酬のこと、訓練の内容、それ以外にも出動態勢の在り方など、改善すべき点があるのではないかというお声を頂戴いたします。新居浜市には、ぜひ現場の意見を収集し、時代に合った消防団の在り方について検討していただきたいと思います。団員の方々は、消防団の活動に課題を感じながらも、組織の中ではなかなか声を出しにくい場合もあるようです。新しい時代に合った消防団の活動、運営の在り方について検討していくために、一般団員から意見を聞くことが必要ではないかと私は思います。そのために、一般団員の方々へのアンケートを実施できないでしょうか、御所見をお伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。高橋消防長。
○消防長(高橋裕二)(登壇) 消防団についてお答えいたします。
まず、消防団員の充足率、団員の平均年齢、ここ5年間の団員の推移についてでございます。
令和6年3月1日現在の充足率につきましては、定数792名に対して約86%の686名、平均年齢は約48歳であり、5年間の団員の推移につきましては、年度ごとに増減はありますが、緩やかな減少傾向となっております。
次に、報酬等の改善に対する評価、団員確保への好影響についてでございます。
令和4年度に消防団員の処遇改善を目的に報酬などの見直しを行いましたが、実施から期間が短く、現時点で団員増につながっておりませんが、報酬の個人支給への移行により、特に若い団員さんから好意的な声をいただいております。
次に、操法大会など拘束時間を減らす取組や実践的な訓練についてでございます。
操法大会につきましては、新居浜、西条合同で実施しておりました地区大会を、令和3年から廃止いたしました。
また、消防観閲式におきましても、今年度から式典内容を見直し、負担軽減を行いました。
実践的な訓練につきましては、地区ごとに火災防御訓練を実施しております。
次に、大規模災害時における常備消防との連携訓練についてでございます。
大規模災害時、消防団と連携を図るためには、円滑な指揮統制が重要でありますことから、今年度は、立川地区火災防御訓練などの合同訓練を各地区で実施しております。
次に、大規模災害団員制度についてでございます。
既に大島地区では、機能別消防団員を採用し、離島の消防力を維持しておりますが、全市的な大規模災害に対しましては、人員確保の観点から有効な制度でありますことから、導入に向け調査してまいります。
次に、一般団員へのアンケートの実施についてでございます。
アンケートは、一般団員個々の意見を幅広く聞き取る有効な手段でありますことから、来年度中に全消防団員を対象に実施するとともに、その結果を踏まえ、今後の消防団運営に反映いたします。
○議長(大條雅久) 藤原雅彦議員。
○20番(藤原雅彦)(登壇) 要望でございます。
消防団員の形のない声を集約し、そして形あるものにすることが、新しい時代に合う消防団組織構築につながっていくものと私は思います。ことわざに、災害は忘れた頃にやってくる、この言葉は、既に死語になっております。今は、災害は忘れる前にやってくるに置き換えられる今日でございます。そのためにも、行政において、災害対策の根幹である人命の保護、財産の保護のため、災害時の被害を最小限にとどめる取組を今後ともどうかよろしくお願いいたします。
4番目、子ども応援・相談センターについてお伺いいたします。
最近、理不尽な要求を行う保護者を象徴する出来事に、家の壁に穴と言われることがありました。ある学校で実際にあった出来事です。宿題をしていなかった生徒に対し、先生が放課後、宿題をさせたと言います。当然です。その生徒は、帰宅後、自宅の壁を蹴って穴を空けてしまいました。これに対し、親は、学校によるストレスが原因だと先生を自宅に呼びつけたそうです。ほんの一例ですが、教員を取り巻く環境は、子供たちに対する学習指導、生活指導はもちろんのこと、保護者や地域住民ともよりよい関係を築くなど、大変な状況になっているのではないでしょうか。しかも、全員が学校に協力的な人たちばかりとは限りません。ますます学校に理不尽な要求を突きつける困った保護者が増えて、多くの学校が対応に追われているのが現状ではないでしょうか。
このような保護者による理不尽なクレームへの対応、そして学校内の人間関係のプレッシャーなどから心的疲労のあまり鬱状態になって休職する職員の例も決して少なくなく、無視できない事態になりつつあるようです。
平成19年9月議会、今から17年前です。当時はモンスターペアレントと言ってまして、今は使ってはいけないそうです。前の議事録です。そのまま読まさせていただきます。モンスターペアレントの対応について私は質問させていただきました。答弁では、学校での対応で解決する事例が多く、教育委員会に深刻な相談はほとんど上がってきておりませんが、学校での対応が難しいときには、教育委員会が助言等支援しております。教育委員会でも対応できない事例が出てくる場合には、法的な助言をする弁護士や専門の関係機関と連携してまいりたいと思いますとのことでした。17年前の答弁です。
今までに理不尽な要求を行う保護者などに対し、弁護士や専門の関係機関と連携して対応された事例はあったのでしょうか、お伺いいたします。
現在、このことは全国的な問題となっており、そのために様々な自治体が対応に乗り出しております。昨年11月30日、奈良県天理市は、学校への保護者の要望や相談を一元的に受け付ける子ども応援・相談センター、現在は仮称となっております、を来年度に設置すると発表しました。教員らの負担を減らし、授業や子供の指導に集中できる環境をつくりたいとの思いから、天理市教育総合センター内に設置し、国家資格を持つ心理士6人や学校現場での経験豊富な元校長ら計十数人を配置する予定としています。公立の小中学校や幼稚園について保護者から要望、相談を受け、学校側の対応が必要であれば、市教育委員会と連携して改善策を検討するとともに、それ以外に専門スタッフによる保護者の心理的なケアや相談対応も担うそうです。設置される大きな要因として、天理市によると、保護者対応が直接、間接的な原因となり休職した公立小中学校教職員は、昨年7月から9月までで12名になりました。また、昨年10月に天理市が教職員に実施したアンケートでも、日常業務で保護者対応を負担に感じていると答えたのは約8割、保護者対応で授業に支障が出たことがあるは約6割となっていたそうです。
新居浜市において、保護者対応が直接、間接的な原因となり休職した公立小中学校教職員の現状はどうでしょうか。
また、保護者対応等で教職員にアンケート調査などを実施したことがあるのでしょうか。
もし実施していたならば、どのような結果だったのでしょうか、お伺いいたします。
並河健天理市長は、会見で、多くの保護者は協力して学校をつくっていこうとしてくれているとした上で、一部に理不尽な要望でどなったり深夜まで叱責を続けるケースがあると指摘。センターの設置で、現場の先生が子供に向き合いやすくしていきたいと抱負を語りました。
この取組は、保護者からの理不尽なクレームや要求によって教育現場が崩壊することを防ぐため、専門職の人が保護者対応に当たることが大変期待されております。
天理市のように、新居浜市においても、専用の窓口を設けることで、保護者の声をしっかりと受け止め、問題解決に向けた取組を行うことができないでしょうか、御所見をお伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 子ども応援・相談センターについてお答えいたします。
まず、今までに理不尽な要求を行う保護者に対して、弁護士や専門の関係機関等と連携し対応した事例等があったかについてでございます。
学校側が対応に苦慮をして、弁護士や児童相談所等に相談をして対応した事例は、これまでにもございました。
次に、本市において、保護者対応が直接・間接的な原因となり休職した小中学校教職員の現状についてでございます。
今、保護者対応が直接的なきっかけとなり休職している教職員は1名で、現在は回復に向かっており、4月には復職予定となっております。
次に、教職員に対する保護者対応等に関するアンケート調査の実施についてでございます。
令和2年度から毎年、愛媛県教育委員会と愛媛大学が連携して、県内の小中学校教職員を対象に、学校における働き方改革に関する意識等調査を行っております。
その調査では、保護者と信頼関係を構築できているかどうかという項目があり、令和5年度調査において、本市では他市町の教職員と比較して、保護者との信頼構築に苦慮している状況がうかがえる結果となっております。
次に、本市における保護者対応専用窓口の設置についてでございます。
今後、教職員の働き方改革が進む中で、教職員の心理的・業務的負担を軽減していくことは、非常に重要であると認識しております。
天理市の事例のような専用窓口を設置することは、児童生徒や保護者からの相談や要望を早期に円滑に解決するためには有効な手段の一つであると考えますことから、今後他市の先進的な事例などを調査研究してまいります。
○議長(大條雅久) 藤原雅彦議員。
○20番(藤原雅彦)(登壇) 要望です。
学校内でのいじめ問題、これは学校と教育委員会がやっぱりやるべき問題でありまして、今現在、そういう対策は取られていると思います。
先ほど私が言いました理不尽な要求をする保護者の対応に関しては、先ほど教育長のほうから答弁をいただきましたが、私としては、できたら石川市長を含む新居浜市のほうから答弁をいただきたかったです。なぜかというと、天理市はそういった理不尽な要求をする保護者対応に対して、学校、教育委員会ではなくて、市が一手に引き受けますよ、これが天理市の市長の基本的な姿勢だと思います。というのは、保護者に対して、学校とか教育委員会は、なかなか物申す立場ではなく、できれば両方の間に入って双方の意見を聞いてきちっと判断し、対応、指導していくのが、私は新居浜市、行政じゃないかと思います。先ほど教育長が述べられたように、天理市のこの相談窓口をしっかり研究していただいて、これは教育委員会だけではなくて、新居浜市も全面的に協力をする形で、将来的に設置する方向でぜひとも検討をよろしくお願いいたします。
5、学校施設の老朽化対策と防災機能強化の推進について。
昨年4月21日に福岡県北九州市、10月17日に埼玉県久喜市において、学校施設の老朽化に起因する外壁の落下事故が発生しました。いずれの校舎も、築40年以上経過して老朽化が進んでいたためです。また、愛媛県内の公立中学校で、同様に外壁が落下する事故が発生したことは記憶に新しいと思います。全国的に学校施設の老朽化に起因する外壁の落下事故はますます増加し、今後重大な事故につながるおそれも否めない状況となっております。
さらに、能登半島地震においても、多くの学校施設が地域住民の命を守るための避難所となっております。そのためには、外壁落下防止や体育館のエアコン設置など、学校施設の老朽化対策、防災機能強化は、早期に対応しなければならない重要な課題となっております。
文部科学省の対応は、久喜市の事故を受け、昨年12月には、法令等に基づく専門家による点検の適切な実施を要請し、日常的な点検等で異常を発見した場合には、専門家に相談する等、学校施設の維持管理の徹底を図る旨、全国の教育委員会へ通知しました。
新居浜市において、学校施設の維持管理点検などはどのようにされているのでしょうか、お伺いいたします。
新居浜市を含む全国の各自治体における学校施設の老朽化対策や防災機能強化、体育館空調、バックアップ電源の整備やトイレの洋式化などの課題を多くの自治体が抱えているのが現状です。このため、文部科学省としては、国土強靱化5か年加速化対策、令和3年度から令和7年度までの取組として、国の支援メニュー、長寿命化改良事業、防災機能強化事業、学校施設環境改善交付金を活用し、これまで校舎の耐震化やブロック塀の安全対策等、公明党が推進してきた施策により効果を上げることができました。特に、石川県能登地方の地震などにおいては、令和5年5月に発生し、震度6級の地震に続き、本年1月に発生した震度7級の令和6年能登半島地震においては、校舎は1校も倒壊せず、大きな被害を防ぐことができました。さらに、政府としては、令和5年6月に、国土強靱化基本法を改正し、今後の方針となる国土強靱化実施中期計画を法定化したことを受けて、令和7年度以降においても、引き続き学校施設の老朽化対策を推進することができるようになりました。
新居浜市において、学校施設の築年数や建築基準法第12条に基づく調査、点検結果を踏まえ、外壁落下防止対策を含めた老朽化対策を進めるべき事案などはあったのでしょうか、お伺いいたします。
学校施設の体育館ですが、平時は児童生徒のためあるいは地域コミュニティーの拠点としての施設ということが前提となりますが、昨今の気候変動では、夏は猛暑となるため、空調設備の必要性が年々高まっているのではないでしょうか。
さらに、災害が発生すれば避難所となり、空調設備が被災者の方々の命を守るためにも非常に重要で、早期に整備を進めていくことを検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
また、電気が遮断されることが想定されることから、空調設備と併せて、自家発電などバックアップ電源の整備をしていくことが必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。木俵教育委員会事務局長。
○教育委員会事務局長(木俵浩毅)(登壇) 学校施設の老朽化対策と防災機能強化の推進についてお答えをいたします。
まず、学校施設の維持管理点検等についてでございます。
全ての学校施設につきましては、建築基準法第12条に基づき、外壁を含め、点検を3年に1回、学校保健安全法に基づき、安全点検を各学期ごとに1回以上、また設備等についての日常的な点検を実施しております。
次に、外壁落下防止対策を含めた老朽化対策についてでございます。
建築基準法に基づく点検結果から、外壁落下防止対策等を含めた老朽化対策を進めるべき事案はこれまでございませんが、教職員による日常点検等により、外壁の浮き等について年間約5件程度、修繕を実施しております。
学校施設の大半は、築後40年を経過して老朽化が進んでおりますことから、事故を未然に防止するため、安全点検を引き続き実施するとともに、点検等により把握した不具合につきましては、早期に解消することにより、学校施設の適正な維持管理の徹底を図ってまいります。
○議長(大條雅久) 小澤市民環境部危機管理監。
○市民環境部危機管理監(小澤昇)(登壇) 学校施設の防災機能強化の推進についてお答えいたします。
まず、避難所の空調設備についてでございます。
市内小中学校の体育館の空調設備は、停電が発生した際の動力エネルギーの供給問題や建物が空調の設置を前提としていない建物であるため、気密性が低いこと、設置に当たっては多額の費用を要すること等から設置には至っておりませんが、現状といたしましては、暑さ対策などの環境改善方策として、各小中学校へスポットクーラーを配備して対応しているところです。
体育館は、災害発生時の避難所に指定されており、避難所生活を健康で快適に過ごすためには、空調設備は必要と考えておりますので、今後先進の導入事例等を調査研究してまいりたいと考えております。
次に、自家発電等バックアップ電源についてでございます。
非常用発電機の設置につきましても、多額の費用が想定されますことから、設置には至っておりませんが、市内の小中学校、県立高等学校及び国立高等専門学校には、ポータブル発電機を配備し、最低限の電源を供給できる体制を整えております。
今後につきましては、空調設備と同様に、先進の導入事例を調査研究してまいります。
○議長(大條雅久) 藤原雅彦議員。
○20番(藤原雅彦)(登壇) 先ほど質問させていただきました体育館の空調に関してですが、この間の愛媛新聞に、隣の四国中央市が来年度に約14億円の予算で市内の全小学校、中学校の体育館にエアコンをつけるという発表がありました。これが、遠いところの自治体がそういうことをしてもあまりぴんとこないし、無視はできるんですが、四国中央市と言えば近隣でございます。また、経済圏も同じで、どういうふうになるか、皆さん想像はつくと思います。四国中央市はすごいねと、体育館までエアコンがあると、そういう声が恐らく来年度から沸々と沸き上がってくるのではないかと思います。私も体育館にエアコンというのは、非常に巨額なお金がかかるということで二の足を踏むところもあったんですが、2月の衆議院の予算委員会で、岸田総理大臣にうちの高木政調会長のほうからその体育館の空調設備について質問したところ、しっかりと災害対策を含めて、国を挙げて後押しをやっていきたいという答弁を引き出しましたので、今がチャンスだと思います。研究するには、隣でございますので、車で行けば20分で行けますので、ぜひとも研究していただいて、体育館にエアコン設置、何とぞよろしくお願いいたします。
では次に、6番目、高齢者福祉計画2024・介護保険事業計画について。
各自治体では、地域の特性と実情に応じた地域包括ケアシステムの構築に向けた取組が進められております。具体的には、地域共生社会の実現に向けて、それぞれの地域での創意工夫に基づく包括的な支援体制の計画的な整備や拡充等による地域福祉の推進を図るため、市町村における地域福祉計画の策定、改定が促進されております。
新居浜市高齢者福祉計画2024は、令和6年度から令和8年度までの高齢者福祉施策の重点目標を定めた計画です。これは以前の高齢者福祉計画2021が令和5年度で終了したことから、新たに策定されることとなり、計画案として、令和6年2月5日から本日までパブリックコメントがかけられておられます。各自治体においても、平成29年12月12日に示された新たな地域福祉計画の策定ガイドラインなどに基づき、早期に計画の策定、改定に着手し、包括的な支援体制の整備が目指されております。また、厚生労働省では、各自治体の取組事例を全国で共有し、取組を推進することを目的としております。これらの取組は、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、特に重要となっております。
ここで、3点お聞きいたします。
1点目、高齢者福祉計画2024策定に当たって、市民や関係団体とはどのような連携を図ったのでしょうか。
2点目、高齢者福祉計画2024の推進に当たって、市民や関係団体とはどのように協力して取り組むのでしょうか。
3点目、国からの基本指針、またこれに基づいて策定した新居浜市の高齢者福祉計画2024には、どのような特徴があるのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(大條雅久) 答弁を求めます。古川福祉部長。
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 高齢者福祉計画2024・介護保険事業計画についてお答えいたします。
まず、計画の策定に当たっての市民、関係団体との連携についてでございます。
本計画は、新居浜市高齢者保健福祉計画推進協議会において策定しており、協議会委員には、各種の福祉関係団体、市民団体、医療関係団体機関から参加していただき、市民公募の参加も含め、15名の構成で策定を進めてまいりました。
また、策定に当たりましては、市民への介護予防・日常生活圏域ニーズ調査と在宅介護実態調査の2種類の調査、介護サービス事業所へは、介護サービス事業所整備意向調査を行い、状況把握を進めるとともに、協議会における様々な視点からの御意見を計画に反映するなど、策定作業の初期から決定までの各段階において連携を図っております。
次に、計画の推進に当たっての市民、関係団体との協力についてでございます。
高齢者保健福祉計画推進協議会は、計画策定以後は、進捗の確認や計画推進について協議いただくことになっており、参加していただいている各団体には、計画推進に関しましても連携を図っていくことといたしております。
地域における事業推進につきましては、生活支援体制整備事業の第2層協議体をはじめとする各地域の協議の場において、あるいは健康長寿地域拠点の世話人の方や参加者、市民体操指導士と話合いを行っております。
サービス推進につきましては、老人施設協議会や各専門職団体との意見交換、また介護予防教室や在宅医療介護連携推進事業等に参画されている事業所等、様々な関係者と取組ごとに積極的に連携し、本計画で定めた基本理念の実現に向けて取り組んでまいります。
次に、国からの基本指針や本市の計画の特徴についてでございます。
国の基本指針の基本的な考え方において、計画期間中の令和7年には、団塊の世代が全員75歳以上となることや、高齢者人口がピークを迎える令和22年を見通すと、85歳以上人口が急増すること、介護、医療双方のニーズが高まること等、介護ニーズのピークを迎える直前の段階のものであることが特徴であると受け止めております。
その上で、各自治体には、施策や目標の優先順位を検討して計画に定めることが重要であるとしており、サービス基盤の計画的な整備、地域包括ケアシステムの推進、介護人材確保と介護現場の生産性向上の3つがポイントとされております。
本市の計画は、国の基本指針を踏まえ、6つの基本目標を掲げ、取り組む事業について現状及び今後の方向性を示しておりますが、その特徴といたしましては、国より速いペースで進んでいる高齢化を意識した内容となっていることでございます。本市の65歳以上の高齢者のピークは、国より21年早く、2019年と既に過ぎております。後期高齢者人口のピークが2028年、85歳以上では2030年が予想され、国が平均として示すものより速いペースで取り組む必要があり、その点で既存事業の強化と取組の広報、事業の横連携と介護予防、地域力と人材確保などの考え方と方針が特徴となっていると考えております。
失礼いたしました。先ほど「2037年」と言うべきところを「2030年」と申し上げました。訂正しておわび申し上げます。
○議長(大條雅久) 再質問はありませんか。藤原雅彦議員。
○20番(藤原雅彦)(登壇) 私も今年から高齢者に入ります。いよいよ大事なのは2025年以降、団塊の世代が後期高齢に入ったときの何が大事か、それは医療、介護、福祉、全てにおいて人材確保だと思いますので、今後ともしっかり人材確保のほうをよろしくお願いいたします。
最後です。
石川市政第3ステージは残り10か月を切りました。第4ステージに向かうのか、それとも新しいステージになるのかは分かりません。これは石川市長しか分からないと思います。5年後、10年後の新居浜市のためにも、残された任期において、持続可能な市政運営を行うためにも、しっかりと財政改革の方向性を示される市政運営を今後ともどうかよろしくお願いいたします。最後に要望として終わります。ありがとうございました。
○議長(大條雅久) 以上で本日の一般質問並びに質疑は終わりました。
これをもって本日の日程は全部終了いたしました。
明6日は午前10時から会議を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後 3時08分散会