本文
目次
議事日程
本日の会議に付した事件
出席議員
欠席議員
説明のため出席した者
議会事務局職員出席者
開議(午前10時00分)
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 一般質問 議案第15号~議案第27号
米谷和之議員の質問(1)
1 市の公共施設のバリアフリー対策について
亀井企画部長の答弁
1 市の公共施設のバリアフリー対策について
古川福祉部長の答弁
1 市の公共施設のバリアフリー対策について
米谷和之議員の質問(2)
1 市の公共施設のバリアフリー対策について
2 こども・子育て支援について
(1) 医療的ケア児への対応
(2) 幼児虐待対策
(3) 地域ぐるみの子育て施策
石川市長の答弁
2 こども・子育て支援について
(3) 地域ぐるみの子育て施策
古川福祉部長の答弁
2 こども・子育て支援について
(1) 医療的ケア児への対応
酒井福祉部こども局長の答弁
2 こども・子育て支援について
(2) 幼児虐待対策
(3) 地域ぐるみの子育て施策
米谷和之議員の質問(3)
2 こども・子育て支援について
酒井福祉部こども局長の答弁
2 こども・子育て支援について
米谷和之議員の質問(4)
2 こども・子育て支援について
3 防災対策の進捗状況について
(1) 個別避難計画
(2) 地域版避難所運営マニュアル
長井市民環境部長の答弁
3 防災対策の進捗状況について
(1) 個別避難計画
(2) 地域版避難所運営マニュアル
米谷和之議員の質問(5)
3 防災対策の進捗状況について
長井市民環境部長の答弁
3 防災対策の進捗状況について
米谷和之議員の質問(6)
3 防災対策の進捗状況について
4 地域公共交通計画の策定について
宮崎経済部長の答弁
4 地域公共交通計画の策定について
米谷和之議員の質問(7)
4 地域公共交通計画の策定について
宮崎経済部長の答弁
4 地域公共交通計画の策定について
米谷和之議員の質問(8)
4 地域公共交通計画の策定について
宮崎経済部長の答弁
4 地域公共交通計画の策定について
米谷和之議員の質問(9)
4 地域公共交通計画の策定について
宮崎経済部長の答弁
4 地域公共交通計画の策定について
米谷和之議員の質問(10)
4 地域公共交通計画の策定について
休憩(午前11時12分)
再開(午前11時22分)
伊藤優子議員の質問(1)
1 マイナンバーカードについて
亀井企画部長の答弁
1 マイナンバーカードについて
長井市民環境部長の答弁
1 マイナンバーカードについて
伊藤優子議員の質問(2)
1 マイナンバーカードについて
2 介護保険事業計画について
(1) 第9期計画
(2) 施設整備
石川市長の答弁
2 介護保険事業計画について
(1) 第9期計画
古川福祉部長の答弁
2 介護保険事業計画について
(1) 第9期計画
(2) 施設整備
伊藤優子議員の質問(3)
2 介護保険事業計画について
古川福祉部長の答弁
2 介護保険事業計画について
伊藤優子議員の質問(4)
2 介護保険事業計画について
古川福祉部長の答弁
2 介護保険事業計画について
伊藤優子議員の質問(5)
2 介護保険事業計画について
3 男女共同参画について
(1) ともに生き生きプラン21のPR
(2) 女性の登用率
(3) DVの現状
長井市民環境部長の答弁
3 男女共同参画について
(1) ともに生き生きプラン21のPR
(2) 女性の登用率
(3) DVの現状
休憩(午前11時58分)
再開(午後 1時00分)
伊藤優子議員の質問(6)
3 男女共同参画について
4 フェムテックについて
古川福祉部長の答弁
4 フェムテックについて
伊藤優子議員の質問(7)
4 フェムテックについて
5 空き家対策について
三谷建設部長の答弁
5 空き家対策について
伊藤優子議員の質問(8)
5 空き家対策について
6 幼稚園、保育園の再編について
酒井福祉部こども局長の答弁
6 幼稚園、保育園の再編について
大條雅久議員の質問(1)
1 公共インフラの老朽化対策について
(1) 本市の現状
(2) 日々の点検
三谷建設部長の答弁
1 公共インフラの老朽化対策について
(1) 本市の現状
(2) 日々の点検
大條雅久議員の質問(2)
1 公共インフラの老朽化対策について
2 学校の管理について
(1) 先生の働き方改革
(2) 施設としての学校管理
(3) いじめ通報制度
高橋教育長の答弁
2 学校の管理について
(1) 先生の働き方改革
(2) 施設としての学校管理
(3) いじめ通報制度
大條雅久議員の質問(3)
2 学校の管理について
3 大学入学共通テストの受験会場について
(1) 本市への共通テスト受験会場開設誘致
亀井企画部長の答弁
3 大学入学共通テストの受験会場について
(1) 本市への共通テスト受験会場開設誘致
休憩(午後 1時56分)
再開(午後 2時07分)
大條雅久議員の質問(4)
3 大学入学共通テストの受験会場について
4 平成16年災害の教訓とその後について
(1) 自治会自主防災組織
(2) 砂防ダムの整備
(3) 避難経路の確保
長井市民環境部長の答弁
4 平成16年災害の教訓とその後について
(1) 自治会自主防災組織
宮崎経済部長の答弁
4 平成16年災害の教訓とその後について
(2) 砂防ダムの整備
三谷建設部長の答弁
4 平成16年災害の教訓とその後について
(2) 砂防ダムの整備
(3) 避難経路の確保
大條雅久議員の質問(5)
4 平成16年災害の教訓とその後について
5 別子銅山産業遺産について
(1) 新居浜のアイデンティティー
(2) 新居浜の歴史を学ぶ観光
石川市長の答弁
5 別子銅山産業遺産について
(1) 新居浜のアイデンティティー
(2) 新居浜の歴史を学ぶ観光
大條雅久議員の質問(6)
5 別子銅山産業遺産について
予算特別委員会の設置及び委員会付託
表決
予算特別委員の選任
委員会付託
日程第3 議案第28号
石川市長の説明
三谷建設部長の説明
委員会付託
散会(午後 2時41分)
本文
令和5年3月2日(木曜日)
議事日程 第4号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
議案第15号 令和5年度新居浜市一般会計予算
議案第16号 令和5年度新居浜市渡海船事業特別会計予算
議案第17号 令和5年度新居浜市平尾墓園事業特別会計予算
議案第18号 令和5年度新居浜市国民健康保険事業特別会計予算
議案第19号 令和5年度新居浜市介護保険事業特別会計予算
議案第20号 令和5年度新居浜市後期高齢者医療事業特別会計予算
議案第21号 令和5年度新居浜市水道事業会計予算
議案第22号 令和5年度新居浜市工業用水道事業会計予算
議案第23号 令和5年度新居浜市公共下水道事業会計予算
議案第24号 令和4年度新居浜市一般会計補正予算(第8号)
(各常任委員会付託)
議案第25号 令和4年度新居浜市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)
(市民福祉委員会付託)
議案第26号 令和4年度新居浜市水道事業会計補正予算(第2号)
(経済建設委員会付託)
議案第27号 令和4年度新居浜市工業用水道事業会計補正予算(第2号)
(同上)
第3 議案第28号 新居浜市建築関係手数料条例の一部を改正する条例の制定について
(同上)
――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
――――――――――――――――――――――
出席議員(25名)
2番 片 平 恵 美
3番 合 田 晋一郎
4番 白 川 誉
5番 伊 藤 嘉 秀
6番 越 智 克 範
7番 井 谷 幸 恵
8番 神 野 恭 多
9番 米 谷 和 之
10番 篠 原 茂
11番 河 内 優 子
12番 黒 田 真 徳
13番 高 塚 広 義
14番 藤 田 誠 一
15番 田 窪 秀 道
16番 小 野 辰 夫
17番 永 易 英 寿
18番 伊 藤 謙 司
19番 藤 原 雅 彦
20番 大 條 雅 久
21番 藤 田 豊 治
22番 藤 田 幸 正
23番 伊 藤 優 子
24番 仙 波 憲 一
25番 近 藤 司
26番 山 本 健十郎
――――――――――――――――――――――
欠席議員(1名)
1番 小 野 志 保
――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
市長 石 川 勝 行
副市長 加 藤 龍 彦
副市長 原 一 之
企画部長 亀 井 利 行
総務部長 高 橋 正 弥
福祉部長 古 川 哲 久
市民環境部長 長 井 秀 旗
経済部長 宮 崎 司
建設部長 三 谷 公 昭
消防長 高 橋 裕 二
上下水道局長 神 野 賢 二
教育長 高 橋 良 光
教育委員会事務局長 木 俵 浩 毅
監査委員 鴻 上 浩 宣
福祉部こども局長 酒 井 千 幸
――――――――――――――――――――――
議会事務局職員出席者
事務局長 髙 橋 利 光
事務局次長 高 本 光
議事課副課長 鴨 田 優 子
議事課副課長 長谷川 幸 司
議事課議事係長 和 田 雄 介
議事課調査係長 伊 藤 博 徳
議事課主査 村 上 佳 史
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前10時00分開議
○議長(藤田豊治) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第4号のとおりであります。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(藤田豊治) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において片平恵美議員及び合田晋一郎議員を指名いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第2 一般質問 議案第15号~議案第27号
○議長(藤田豊治) 次に、日程第2、議案第15号から議案第27号までを議題といたします。
昨日に引き続き、一般質問並びに質疑を行います。
順次発言を許します。まず、米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) おはようございます。
新居浜の未来を考える会の米谷和之です。
通告に従いまして質問させていただきます。
まず、市の公共施設のバリアフリー対策についてです。
1月中旬、マイントピア別子の対岸にある旧端出場水力発電所の耐震補修工事が終わり、3月末の一般公開に先立って行う内覧会の案内状をいただいたのですが、その最後に、当該施設はバリアフリー対応となっていないので、御了承くださいとの一文があり、公開を心待ちにしていたこともあり、大変当惑しました。2月10日、その内覧会に参加しましたが、やはり大変残念な思いが残りました。発電所の入り口に階段があるのですが、手すりがついていません。左半身が麻痺している私は、職員の方に手助けしていただいて、何とか出入りすることはできましたが、一人では無理でした。ほんの五、六段ですが、奥行きが狭い階段ですので、障害がなくても多くのお年寄りには難しいように思いました。内部も同様で、案内に従って一回りするにしても、かなり高い段差がそのまま残っていました。もとより、登録有形文化財としての制限があること、また発電所周辺の地形からも、バリアフリーはかなり制限されてもやむを得ないのではとの思いはありましたが、現場に行ってみると、バリアフリー云々というより、私には優しさが感じられず、率直に言わせていただければ、できるだけ多くの人に見てほしいと本気で考えているのだろうかという印象さえ残りました。調査、記録等に多額の経費を費やし、平成30年以降の一般公開に係る耐震補強や周辺整備だけでも約10億円をかけた本市の産業遺産の新たなシンボルとも言える施設です。公開を楽しみにしてきた市民も多いでしょう。また、マイントピア別子の新たな観光スポットとしても期待されています。エレベーターのような大がかりな設備は難しいにしても、手すりさえあれば、かなりの方が内部を見学することができるはずです。
そこで、質問ですが、文化財であるにしろ、せめて要所要所に必要最小限の手すりだけでもつけることはできなかったのでしょうか。
本市も参加している全国近代化遺産活用連絡協議会に保存と活用を両立させた参考事例はなかったのでしょうか。
また、現在の形での公開に至る協議は、どのようなメンバーで行われたのでしょうか。現状では、県道から階段を降りたお年寄りが、発電所の入り口でやむなく引き返さざるを得ないケースも少なくないように思います。何らかの対策が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
私は、思いもかけず病気の後遺症による障害を負うことになり、もうすぐ3年になります。この間、障害を持つ当事者になって、初めて気づかされたことがたくさんあります。今回の端出場の発電所についても、もし病気になってなければ、この場で伺うこともなかったかもしれません。とはいえ、当事者とはいっても、それは手足等がうまく動かせないという私の障害を基準にした視点ですので、目や耳が不自由な方の立場になるのは、やはり難しいことです。当事者にはなり得ません。新たな市民文化センター、総合運動公園など大型施設の建設が本格的に始まろうとしています。これらの施設には、水力発電所とは比較にならない多数の皆さんにおいでいただかねばなりません。
そこで、もう一つお尋ねしますが、市の公共施設の建設等に際し、障害者本人から当事者としての意見を伺う場は設定されているのでしょうか。もしないのであれば、ぜひお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) 米谷議員さんの御質問にお答えいたします。
市の公共施設のバリアフリー対策についてでございます。
まず、旧端出場水力発電所の手すり設置についてでございます。
旧端出場水力発電所は、県道から10メートル余りの高低差がある崖地であり、建物敷地への主要ルートとなる南側アクセス階段は、段数が多く、全ての人が建物敷地に降りることは安全性の面から困難であることから、現在建物内部の1階から2階への階段のみ手すりを設置している状況でございます。当初は、手すりとして使用可能な安全対策つきの北側アクセス階段がオープンまでに完成する予定でしたが、県道側の張り出し歩道の調整に日数を要したため、工事が遅れております。しかしながら、令和5年度に完成すれば、階段とスロープを併用した通路から2階に直接入ることが可能であり、2階からは手すりつきの階段で1階へ降りることが可能となるなど、アクセスが改善される予定でございます。
次に、保存と活用を両立した参考事例はなかったのかについてでございます。
平野部に駐車場が確保された産業遺産につきましては、参考となる事例がございますが、崖地付近にある建造物では、段差が多いため、バリアフリー化が難しい状況となっております。
次に、公開に至る協議は、どのようなメンバーで行われたのかについてでございます。
施設の公開につきましては、住友史料館の末岡委員長をはじめ、建築構造学、電力技術史、日本建築史の専門分野の有識者で構成された保存活用計画策定委員会からの専門的な指導、助言を得るとともに、文化庁、愛媛県教育委員会の指導を得て策定した計画によるものでございます。
次に、何らかの対策が必要ではないかにつきましては、スロープなどの動線の周知を図るとともに、仮設の踏み板を設置するなどの検討を行い、多くの人が使いやすい施設を目指してまいります。
○議長(藤田豊治) 古川福祉部長。
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 公共施設の建設等に際しての障害者本人の意見を伺う場の設定についてお答えいたします。
公共施設建設の際の障害者等への配慮は、いわゆるバリアフリー法、同施行令において設備基準や地方公共団体の責務について定められており、本市では、新居浜市みんなでつくる福祉のまちづくり条例及び同施行規則に基づいて各施策を推進いたしております。同法令においては、障害者本人から御意見を伺う場を設けることは規定されておりませんが、本市のまちづくり条例に、公共的施設の新設、増設、または改築を行うときは、障害者、高齢者等が安全かつ容易に利用できるようにするための措置を講ずるよう努めるものとする旨定めており、各事業担当課は、この規定に基づき、公共施設の整備に関して障害者、高齢者等の御意見を伺うよう努めているところでございます。
公共施設のバリアフリー化は、バリアフリー環境を必要とする人に対し、安全と安心を提供するとともに、本市のSDGsの取組に沿ったものでもあり、障害のある方等、当事者に御意見をいただくことで、多くの人にとってより快適な公共施設となるものと考えております。
今後も公共施設の建設に際しましては、バリアフリー環境を必要とする当事者の御意見が反映されるよう、運用の徹底を図ってまいります。
○議長(藤田豊治) 米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 障害のある人や高齢者などは、社会生活をしていく上で障壁となるものを除去するバリアフリー、さらには障害の有無や年齢はもちろん、性別、人種などにかかわらず、全ての人が利用しやすいユニバーサルデザインの生活環境づくりにおいても、常に大がかりな設備を必要とするわけではありません。エレベーターの中の鏡は、犯罪防止や身だしなみのチェックのためではなく、車椅子が中で回転できず、やむなく後ろ向きに出ざるを得ないときに、後方を確認するためにつけられているということを御存じの方も多いでしょう。階段の手すりがどちらか片側にしかなく、大変不便に思うことはよくありますが、中央にさえ1本あれば、両側につける必要はありません。すぽっと引き抜けるようにしておけば、車椅子の上げ下ろしの介助にも支障にはならないでしょう。まず、ぜひ当事者から直接意見や要望を伺い、それを生かして、少しずつ、しかし着実に全ての人に優しいまちづくりを推進してくださいますようお願いいたします。
次の質問に移ります。
次に、こども・子育て支援についてです。
1月に市内で開院したファミリークリニックを視察させていただきました。そこで、子供の健やかな成長に尽力されている医師、看護師の皆さんの姿を目の当たりにし、大変感銘を受けました。ついては、本市の医療的ケア児への対応ほか、子ども・子育て支援についてお伺いします。
まず、医療的ケア児への対応についてです。
医療の進歩とともに自宅で暮らせる医療的ケア児は、全国的に年々増加していると伺いましたが、本市における推移はいかがでしょうか。
また、それを支える小児在宅医療においては、介護保険制度でのケアマネジャーに当たるコーディネーターがいないために、医療、福祉、教育などの連携が不十分になりがちで、日々の保護者の負担が大きいことが課題となっているようです。
本市では、医療的ケア児に関する保護者からの要望は、どういったものがあるのでしょうか。
そのコーディネーター役として、障害福祉サービス等の利用計画の作成やサービス決定後の事業者との連絡調整等に当たる相談支援専門員が、医療的ケア児についても活躍しているケースが全国的に少なくないようですが、本市におけるコーディネーター役としての相談支援専門員の活動状況はどうなのか、お尋ねします。
次に、視察の際、災害発生時に備えた避難訓練も見せていただきました。様々なデバイスをつけた電動車椅子をスタッフが3人、4人がかりで持ち上げ、エレベーターを使わずに階段で降ろすのは簡単なことではなく、クリニックにおいて、ましてや自宅においても、突然の地震等に備えて、平時からの十分な心構え、準備が必要なことを改めて痛感しました。それぞれに異なる医療ケアが必須の子供たちには、事前の個別の避難体制の整備いかんが生死を分けることになります。
そこで、伺いたいのですが、医療的ケア児の災害時の避難等安全確保について、どのような避難支援の下に、どこの福祉避難所に向かうか、医療的な受入れ体制は整うかなど、保護者から不安を訴える声はないのでしょうか。
また、自力で避難することができない医療的ケア児を災害から守るために、福祉サイドからどのように関係機関と連携を図ってきたのか、また今後どのように取組を進めていくのか、お伺いいたします。
次に、幼児虐待対策についてです。
視察時には、保護者が精神面のしんどさを抱える家庭も増えており、そのような場合には、赤ちゃんは揺さぶりなど常時虐待状態に置かれる心配があるとのことでした。
そこで、幼児虐待対策について、まず本市における児童虐待案件はどのくらいあり、そのうち乳幼児に対するものはどのくらいなのか、お尋ねします。
また、様々な経緯で入ってくる情報に対して、緊急度を判断し、的確に対応していくことが重要と思いますが、その受付体制はどのようになっているのか。例えば、夜中の緊急対応はどうなのかをお伺いします。
また、一人で外出できる児童と異なり、家庭内にいることが大半で、自ら訴えることもできない乳幼児の虐待をどのように把握しているのか。何より重要な未然防止のためにどんな取組を行っているのでしょうか。
次に、地域ぐるみの子育て施策についてです。
もう子育ては親や家族の自己責任として抱え込むものではありません。全ての子供の健全な育ちを社会全体で支援することが、少子化が静かなる有事と呼ばれるに至った我が国の子ども・子育て政策の根幹です。
そこで、本市における地域ぐるみの子育て施策についてですが、さきに伺った幼児虐待の防止等のためにも、小さな子供を抱える保護者の社会的孤立を防ぐことが重要であり、そのための施策の一つが、地域子育て支援拠点事業と受け止めています。来年度新たに企業連携型の子育て支援拠点を開設予定とのことですが、企業連携型とはどういう意味なのでしょうか、お尋ねします。
また、先般、市ホームページのこども局ミニ通信で、年間を通じて子育てに関する意見を募ったところ、164件の意見や提案が集まり、そこから取組ポイントを6つにまとめたという記事を拝見しました。このまちでもう一人プロジェクトや子育てしやすいより子育てしたくなるまちといったネーミングが非常に興味深かったのですが、その子育てしやすいより子育てしたくなるまちの説明に、様々な分野に子育ての視点を取り入れるとともに、官民連携の取組を推進するとありましたが、具体的にはどういうことなのか、お聞かせください。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) こども・子育て支援についてお答えいたします。
地域ぐるみの子育て施策についてでございます。
本市では、核家族化の進行や転勤者が多い特性を踏まえ、出産後の母親が孤立してしまわないよう、これまで子育て支援拠点の充実を図ってまいりました。
このような中、小さな子供を連れて気兼ねなく訪れることができ、スタッフに悩みを相談できる子育て支援拠点を新たに大型ショッピングモール内に開設できることとなったため、現在5月の開設に向けて準備を進めております。
企業連携型については、本拠点は事業の趣旨に賛同いただいた商業者と保育事業者から、開設や運営に係る経費負担のほか、多面にわたる御協力をいただけるという意味で事業名に付したものでございます。
また、市民要望の多い土、日開館や一時預かりサービスにも対応していただけることとなっております。
私は、本市がこれまで企業と共に歩んできた共存共栄の歴史は、この町の未来を担う子供を育むまちづくりにおいても生かすべき地域特性であり、かつ強みであると考えており、本拠点の開設を機により一層の官民連携を推進してまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 古川福祉部長。
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 医療的ケア児への対応についてお答えいたします。
まず、医療的ケア児の推移についてでございますが、本市では、令和元年度より人数の把握を行っており、毎年30人から35人ほどとなっております。
次に、保護者からの要望につきましては、利用できるサービス等事業所が限られる、送迎の負担が大きい、病状の急変や災害時の対応に不安がある、ショートステイが近隣に欲しいとのお声があったと関係機関から情報提供いただいております。
次に、相談支援専門員の活動状況についてでございますが、相談支援専門員は、障害のある方が障害福祉サービス等をうまく利用できるようサポートする職種で、障害福祉サービス等利用計画の作成やサービス決定後の事業者との連絡調整をはじめ、住まいや地域生活といった暮らしに関することなど、様々な悩みに応じる相談支援を通して、障害のある方の生活を支えております。特に、医療的ケア児に関する活動としては、医療的ケア児等が在宅生活へ移る際に医療機関においてケースカンファレンスを実施いたしますが、必要に応じて相談支援専門員も参加し、保健センター、子育て支援課、地域福祉課など関係機関と情報共有し、切れ目ない支援体制を整えるよう努めております。
また、県が実施する医療的ケア児等コーディネーター養成研修を受講した相談支援専門員が活動している計画相談支援事業所もございます。
次に、医療的ケア児の災害時の避難等安全確保についてでございます。
避難に関する保護者からの不安の声につきましては、直接調査は実施いたしておりませんが、先日、新居浜特別支援学校川西分校PTAを対象とした出前講座において、福祉避難所の開設時期やどんな支援が受けられるのか、医療支援はあるのかなど具体的な御質問をいただきました。現在、これらの内容につきまして調査、整理を行っているところでございます。
医療的ケア児を災害から守るための関係機関との連携につきましては、医療的ケア児に関する協議の場として、新居浜市医療的ケア児等支援協議会を平成31年2月に立ち上げ、保健、医療、障害福祉、保育、教育の各機関が参加することで、相互の連携を図ってまいりました。令和2年度からは、新居浜市障がい者自立支援協議会の専門部会と位置づけ、引き続き連携強化を図っております。当協議会では、まず市内の医療的ケア児の状況等の把握に取り組み、これら関係機関を通じて調査票を配布し、保護者の同意が得られた方の情報が市へ提出されております。
なお、医療的ケアは、病気の進行や成長等により変更となる場合がありますことから、定期的に調査を継続する必要があると考えております。
災害時の避難につきましても、協議会で把握でき、同意をいただけている医療的ケア児から順次対応してまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 酒井福祉部こども局長。
○福祉部こども局長(酒井千幸)(登壇) 幼児虐待対策についてお答えいたします。
まず、本市における児童虐待案件とそのうち乳幼児に対する件数についてでございます。
令和3年度に児童相談所である愛媛県東予子ども・女性支援センター及び市に寄せられた児童虐待に関する相談は251件で、そのうちゼロ歳から就学前の年齢の者に対するものは101件、約4割を占めております。
次に、児童虐待に関する受付体制についてでございます。
全ての国民には、児童虐待を発見した場合、児童相談所もしくは福祉事務所に通告する義務が課せられており、家族や近隣住民だけでなく、医療機関や警察等からの通告も多くあります。身体的虐待やネグレクト、性的虐待が疑われる等、緊急を要するものは児童虐待に関する専門的な知識やスキル並びに立入りや一時保護の権限を有する児童相談所に直接行うようになっております。
一方、保健センターや保育所等、市の機関が察知した場合や通告の判断に迷ったり緊急性がないと思われる場合は、市を経由するケースもあります。
夜間の緊急対応については、児童相談所の児童福祉司や児童心理司が虐待対応ダイヤルや相談専用ダイヤルにおいて24時間365日の対応を行っております。
次に、乳幼児の虐待の把握についてでございます。
保育所等、子供と密接に関わる施設では、発見から通告までの具体的な対応方法の研修を実施し、ふだんから傷やあざなど虐待のサインや心身の発達状態などを注意深く観察しており、また保健センターの乳幼児の定期健診においても配慮しております。
次に、未然防止のための取組についてでございます。
未然防止のためには、予期せぬ妊娠、出産等によって悩む母親を孤立させず、できるだけ早く支援につなぐことが必要であるため、保健センターでは、母子健康手帳交付時に、全妊婦に対する面談を行い、丁寧な見守りが必要と判断した場合は、特定妊婦として要保護児童対策地域協議会に登録するとともに、特定妊婦から生まれた赤ちゃんも、出産と同時に要支援児童として登録するなど、関係機関が情報を共有し、切れ目のない見守り支援を行っております。
次に、子育てしやすいより子育てしたくなるまちの具体的な内容についてでございます。
こども局ミニ通信での情報発信に対し寄せられた御意見の中に、子育て支援策が充実すると、子育てしやすいかもしれないが、ベビーカーを押しやすい道路か、運転マナーに子供目線が意識されているかなど町全体としてこの町で子育てしたいと思えるかどうかではないかとの御意見がありました。子ども・子育て支援を推進するためには、福祉分野だけでなく、都市整備や雇用、教育、シティプロモーション等、組織の垣根を越える視点が求められ、また決して行政だけでできるものではないと考えております。そのため、庁内他部局との連携の強化及び官民連携を推進し、より多くの人にこの町でなら子育てしたいと思ってもらえるようにすることを、今後の取組ポイントの一つとしたものでございます。
○議長(藤田豊治) 米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 1つだけ確認させてください。
先ほど新たな支援拠点で、土、日の開館や一時預かりができるようになるというふうにお伺いしましたが、ということは、今までほかの拠点施設では、こういうことはできてなかったということなんでしょうか。
もう一つ、例えば保育園で一時預かりなどをすることはできないのでしょうか。
以上、お尋ねします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。酒井福祉部こども局長。
○福祉部こども局長(酒井千幸)(登壇) 米谷議員さんの再質問にお答えいたします。
まず、今まで土、日開館とか一時預かりができてなかったのかという御質問ですが、既存の拠点は8つあります。どれも今は平日の4日から5日間の開館です。うち1つだけが月2回、土、日開館をしているという状況です。
また、一時預かりサービスに対応できているのは2つです。そのうち1つからは、来年度スタッフ不足で預かりをやめる予定です。今回の企業連携型の拠点の新設によって2つになりますので、現在不足している部分に対応したものになると考えております。
もう一つ、保育園での預かりができないのかという御質問でございます。
保育士不足が本市においても大変深刻な問題ですので、現在一時保育をしている若宮保育園以外の公立園での一時保育の実施は、現時点では困難と考えております。
○議長(藤田豊治) 米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 子供、高齢者、障害者、生活困窮者など各分野の課題は複雑に絡み合っているように思いますが、本市のみならず、我が国の将来を担う子供たちの命と成長を守る地域ネットワークの構築に力を尽くしてくださいますよう、強く願っております。
次の質問に参ります。
次に、防災対策の進捗状況についてお伺いします。
まず、個別避難計画についてです。
災害時に大きな被害を受ける障害者や高齢者など、避難行動要支援者一人一人の状況に合わせた個別避難計画の作成が自治体の努力義務と位置づけられています。このことにつきまして、まず現在の進捗状況をお尋ねします。
その計画策定の大きなポイントとして、避難行動要支援者やその家族、避難行動を支援する人、民生委員、自主防災組織などが参加し、避難支援等に必要な情報を共有し、各関係者間の調整を行う地域調整会議を開催することが示されています。この地域調整会議につきましては、以前現段階では、地域における避難支援等関係者となる社会福祉協議会、民生委員協議会、自治会等との協議、調整まで至っていないとのことでしたが、現在の進捗状況はどうでしょうか。
要配慮者の中でも、危険な区域に住む人など優先的に個別避難計画に取り組むべき人については、おおむね5年程度で取り組むこととされていますが、その現況をお伺いします。
個別避難計画の作成については、福祉事業者や福祉専門職との関わりが大きなポイントです。自治会や民生委員などの自主的、ボランティア的な活動に頼っていた避難行動要支援者名簿の作成から一歩踏み出し、日常的に高齢者や障害者と交わり、その状況を熟知しているケアマネジャーなどの福祉専門職と連携し、自治体が主体となって責任を持って果たすべき業務として位置づけられたわけです。その裏づけとして、作成に係る福祉専門職への報酬として7,000円の交付税措置があります。この交付税措置は、令和7年度までの期間が定められているようですが、例えばモデル地区等を設定し、民間の事業所、福祉専門職との連携を図るために、この交付税を活用すべきと思いますが、いかがでしょうか。
次に、地域版避難所運営マニュアルについてです。
避難所は、地域の防災の要です。被災時にはここで住民、地域の自助、共助の取組と避難所班員の派遣、備蓄物資、非常食の提供などの行政の公助が交わるわけです。災害が現実に起こったときに、日常とは全く違う避難所の中でパニックを起こすことなく、行政の支援をより効率的に受け入れ、より必要とされている人たちに素早く、的確に届けるためには、各校区の実情を踏まえた上で、避難所運営委員会の委員や役割、避難所でのルール、体育館や運動場のレイアウトなどについて、地域住民があらかじめ十分な協議を重ね、その共通認識を地域版避難所運営マニュアルとして定めておくことが極めて重要です。
本市におけるこの避難所運営マニュアルは、令和元年度に角野校区で作成されましたが、現在においても他校区では作成されていないとのことです。改めて、地域版避難所運営マニュアルについてどうお考えなのか、これまで他校区に対し、どのような働きかけを行ってきたのか、また今後どのような取組を行うのか、さらにその進捗目標はあるのかをお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。長井市民環境部長。
○市民環境部長(長井秀旗)(登壇) 防災対策の進捗状況についてお答えいたします。
まず、個別避難計画についてでございます。
個別避難計画作成の進捗状況につきましては、令和5年1月末時点で、対象者総数1万6,248人に対し、避難行動要支援者名簿の登録数は3,206人で、そのうち個別避難計画作成数は1,390人でございます。
次に、地域調整会議の立ち上げの進捗状況につきましては、福祉部門との庁内関係課所による検討委員会において、地域調整会議の構成員の選定、役割分担、実施体制等について協議を進めており、今後は庁内合意、地域との協議、調整の上、モデル地区設定による事業の実施、検証を行い、危険な区域にお住まいの方や高齢者のみの世帯の方などの優先度の高い方について、おおむね5年程度で計画作成に取り組むとされている国の取組指針に基づき、令和7年度には、全市的に計画作成が展開できるよう進めてまいります。
次に、優先的に個別避難計画を策定すべき方の対応につきましては、先進事例を参考に、災害リスク、本人の状態及び生活環境等を点数化する優先順位チェックシートを作成し、その結果を基に地域調整会議の中で協議、選定する手法を検討してまいります。
次に、ケアマネジャー等との連携につきましては、計画作成には、日常的に要支援者と関わり、状況を把握している福祉専門職の参画が必要となりますので、今後福祉専門職との連携を図り、計画作成を進めてまいります。
次に、地域版避難所運営マニュアルについてでございます。
地域版のマニュアルにつきましては、地域によって特性や施設形態の異なる避難所を円滑かつ迅速に開設、運営するため、レイアウトを含め、ルールや役割分担等を事前に取り決めておくために必要なものであり、関係者で共有し、訓練等を通じてその実効性を検証し、継続して見直すことが重要であると考えております。
校区、地区への働きかけにつきましては、連合自治会理事会や防災部の会合、各校区、地区の防災訓練などの機会を通じて、その重要性などを周知し、マニュアル作成を働きかけており、防災訓練の中でレイアウト設定に取り組んでいただいた校区もございます。
今後は、継続した周知や防災訓練等での取組を働きかけるほか、防災士ネットワークによるHUG訓練などを通じて、知識と作成の必要性への意識を高めていただき、研修会やワークショップの実施などにより、他の校区、地区でもできる限り早期に作成できるよう支援等を行ってまいります。
○議長(藤田豊治) 米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 1つ確認させてください。
個別避難計画の完成しているのが1,390人というふうにお伺いしましたが、その前提となる地域調整会議はまだ立ち上げられてないわけですよね。そうすると、個別避難計画ができたとはいえ、個別避難計画は、今までの要支援者名簿とは違って、1人のサポートが要る方を地域みんなでケアしようという仕組みですから、本来の個別避難計画とはちょっと程遠い、有効性が低い、実効性が低いものになっているんではないかと思います。先ほどモデル設定というようなお話もありましたけれど、早くこのモデル設定等をして、地域調整会議も立ち上げ、より精度の高い個別避難計画にしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。長井市民環境部長。
○市民環境部長(長井秀旗)(登壇) 米谷議員さんの再質問にお答えをいたします。
地域調整会議の進捗でございますけれども、福祉部門や関係事業者等との調整に時間を要している現状でございます。
今後は、速やかに庁内合意等を図り、モデル事業実施に向けての取組を進めてまいりたいと考えております。
個別避難計画の作成につきましては、地域での近所付き合いの希薄化などで支援者が見つからないということが要因の一つとなってございます。今後は、自治会や民生児童委員、見守り推進員など地域の皆様との連携を図りながら、計画作成の重要性などについて再度周知を図りまして、また今後設置予定の地域調整会議の中で十分調整を図りながら取組を進めてまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 南海トラフ大地震のことはよく聞くんだけど、やっぱりまさかが先に立って、その備えはついついおろそかになってしまうというのはよく聞く話なんですが、たとえ市民はそうであっても、いや、市民がもしそうであるのなら、なおさら市は着実に対策を進めていかなければならないと思います。極めて当然のことですが、ある日災害が現実のものとなったときに、周知が足りなかったあるいはついつい後回しになっていたとは決して言えないということを改めて申し上げまして、次の質問に参ります。
最後に、地域公共交通計画の策定についてです。
本市の地域公共交通に関する施策については、平成30年3月に策定された地域公共交通網形成計画に基づいて、路線バスとデマンドタクシーを柱とした施策を進められています。その計画も今年度が5か年の計画期間の最終年度で、次年度に向けて新たに地域公共交通計画を策定中と伺っています。この地域公共交通計画は、策定が全ての地方自治体の努力義務とされているもので、地域にとって望ましい地域旅客運送サービスの姿を明らかにするマスタープランとも呼ばれているものです。本市の公共交通については、何度もお尋ねしてまいりましたが、これまでいただいてきたお答えも踏まえながら、この新たな公共交通計画の策定についてお伺いします。
もう今年度も残り僅かですが、新たな計画のここまでの進捗状況と策定に向けていろいろな段階があると思うのですが、どのような作業を行ってこられたのかお尋ねします。
計画策定に当たっては、まず課題の整理、その要因の分析がなくてはなりません。本市の公共交通において、何といっても最大の課題は、路線バスの乗客の減少でしょう。平成29年度に約36万8,000人だった市内の路線バスの乗客数は、令和3年度には約36%減の約23万5,000人と大幅に減少し、その結果、バス事業者への赤字補填として、多額の補助金を負担しています。このような現状をどう把握し、その要因は何だとお考えでしょうか。
次に、デマンドタクシーについてですが、利用者は平成29年の2万361人をピークに、令和3年には1万6,504人と約19%も減少しています。ところが、この間の運行台数は、8,642台から9,387台に約8%増加、また利用登録者も同じく3,089人から3,874人に増加しています。登録者も運行台数も増えているのに、肝腎な利用者数が減っている、このような現状をどう分析しているのか、お尋ねします。
計画の策定に当たっては、まず市民の意見の集約が不可欠と考えますが、どのような取組を行っているのでしょうか。
今お尋ねしました現状分析等を基に、目標の設定及びその目標達成に向けての対策が定められるわけです。まず、路線バスとデマンドタクシーについて、本市の公共交通体系の中でどのような役割を果たすものと位置づけられるのか、お伺いします。
そして、その役割を果たすために、それぞれどのような取組を進めていくのでしょうか。特に、ようやく川西地区でもデマンドタクシーの運行が始まりますが、併せて取り組まれているデマンドタクシーのスマホ予約やAIによる配車が可能となるオンデマンドシステム、市内のバス、タクシーなどの交通情報を一元的に発信するとともに、様々なサービスと連携し、交通サービスの付加価値を高めるとされているプラットフォームなどの運用が大きく計画に位置づけられると思っておりますが、具体的にはどのようなことが期待できるのでしょうか、お伺いします。
さらに、それぞれの取組の達成度を示す指標はどのようなものか、計画最終年度におけるその目標値はどのようなものなのか、お聞かせください。
最後に、毎月定額料金でエリア内であれば自宅から目的地まで乗り放題の相乗り交通システムmobiの導入が今治市ほか国内10か所で相次いでいます。このような新たな交通手段の導入も検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。宮崎経済部長。
○経済部長(宮崎司)(登壇) 地域公共交通計画の策定についてお答えいたします。
まず、本計画の策定に係る進捗状況と作業内容についてでございます。
本年度、公共交通機関等デジタル化推進事業の中で、市民の公共交通に関するニーズ調査を実施しており、今後それらの結果を踏まえ、本市が抱える課題や新たな移動手段の導入等について整理を行い、地域公共交通計画策定を協議する際の基礎資料として活用することといたしております。
次に、バス乗客数減少の現状とその要因についてでございます。
バスの乗客数につきましては、地方におけるモータリゼーション社会の進展により、年々減少傾向が続いており、特に近年は、新型コロナウイルス感染症に伴う外出自粛要請などにより、大幅に減少し、少しずつ回復傾向にあるものの、コロナ前の水準には程遠い状況でございます。
次に、デマンドタクシーの利用者数の現状につきましては、バスの乗客数と同様、新型コロナウイルス感染症により外出機会が減り、乗合率が低迷したことが利用者数の減少の大きな要因であると考えております。
次に、市民の意見集約につきましては、先ほどもお答えいたしました市民のニーズ調査に加え、実際にバスやデマンドタクシーを利用している方々にもアンケートに御協力をいただいております。
次に、路線バスとデマンドタクシーが果たす役割についてでございます。
現在の地域公共交通網形成計画の位置づけと同様に、地域公共交通計画の中でも路線バスを基幹交通と捉え、デマンドタクシーはそれを補完する役割を基本として検討を進めたいと考えております。
また、その役割を果たすために、引き続きバス路線の見直しの取組を進めるとともに、区域をまたぐデマンドタクシーの運行などの協議も進めてまいりたいと考えております。
さらに、スマートフォン予約などのデジタル化につきましては、市民の利用促進、利便性の向上のみならず、MaaSプラットフォームにより、新居浜市公式LINEに分かりやすい交通情報を提供し、市民や観光客などあらゆる人に公共交通の利用を促し、人の移動による町の活性化に期待いたしております。
次に、それぞれの取組達成度を示す指標と計画最終年度における目標値につきましては、定性的には公共交通利用者の満足度の向上であると考えておりますが、個々の取組に対する指標等は、今後本格化する地域公共交通計画の策定作業の中で設定すべきものであると考えております。
次に、新たな交通ツールの導入についてでございます。
全国でいろいろな交通サービスが提供されており、本市におきましても、新たな交通サービスや技術革新についての情報収集に努め、市民の利便性を高める方策について調査、研究を行っていくことを計画に盛り込んでまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 再質問はありませんか。米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) お尋ねします。
今後本格化する計画策定の中でというふうに先ほどお伺いいたしましたが、最初に申し上げましたように、現在の地域公共交通網形成計画ですか、これは令和4年度終了です。来年からは新しい公共交通計画がスタートしなければなりません。今から本格化すると言いましても、もう3月です。今から本格化して、いつ完成の予定なのか、お聞かせください。
それと、バスとデマンドタクシーの分析について、どちらもコロナというような言葉が出てまいりましたが、コロナは御存じのように、今ちょうど3年目ですか、丸3年になったときですよね。ところが、先ほど申しましたが、バスの乗客の減少なんていうのは、コロナのずっと前から始まっているわけですよ。コロナで減少に拍車がかかったというのが正確な表現であって、バスの乗客の減少そのものは、決してコロナじゃないと思いますよ、いかがでしょうか。
以上です。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。宮崎経済部長。
○経済部長(宮崎司)(登壇) 米谷議員さんの再質問にお答えいたします。
地域公共交通計画の完成の予定はどうなっているのかということと、バス、デマンドタクシーの減少の原因分析についてだと思います。
まず、地域公共交通計画の策定予定につきましては、現段階で令和5年度には基礎調査を実施し、令和6年度に関しまして具体的な計画策定に取り組んでまいりたいというふうに考えております。国におきまして、令和6年度まで経過措置として地域公共交通網形成計画の期間延長が認められておるところでございますので、現在、デマンドタクシーの川西の実証実験なんかも計画しておりますので、そのあたりの実証実験の結果なんかも踏まえながら、計画策定に取り組んでまいりたいというふうに考えておりますので、何とか令和5年度中に策定をしたいというふうに考えております。
もう一点、バス、デマンドタクシーの原因がコロナだというふうに申し上げたんですが、バスの分析については、少し見解が違うのではないかというようなことだと思うんですが、バスの減少については、確かにコロナがその減少に大きく拍車をかけたというようなところはございますが、バスについては、基本的に利便性の問題が一つ指摘をされております。現段階での交通網形成計画の中でも、バスの利便性を何とか引き上げたいというようなことで各種取組を進めておりましたが、具体的な進捗が図られてないような状況でございます。ですので、バスの利便性を高めるような方策についても引き続き次期の公共交通計画の中で検討はしてまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(藤田豊治) 再質問はありませんか。米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 地域公共交通計画の策定につきましては、昨年のこの議会で1年ではなくて2年かけてじっくり策定してはどうかというふうに私申し上げたんですが、そのときのお答えは、何とか1年でやりたいというふうなお答えを伺っておりました。先ほど国の受入れがどうのこうの云々という話もありましたが、そうすると、令和5年度、今から丸1年、計画策定期間が延びるということですので、これは私がお願いしましたように、じっくりと計画策定にかかっていただけると、全市を挙げてかかっていただけるものと理解してよろしいでしょうか。
それと、もう一点。
バスやデマンドタクシーをどのように課題の整理、要因の分析をされているのかというふうにお伺いいたしましたが、この課題の整理や要因の分析のために、まず市民への調査、アンケート等の調査をするんじゃないんでしょうか。今回、こういうニーズ調査をした、市民にこういうアンケートを取った、このアンケートのこういう結果から、バスの乗客が減っている要因はこうなんだ、こういう課題が見えてきたんだということを言っていただけないと、アンケートの意味がないと思うんですが、いかがでしょう。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。宮崎経済部長。
○経済部長(宮崎司)(登壇) 米谷議員さんの再質問にお答えいたします。
公共交通計画は、2か年でじっくりやるのかという問題とバス等の現状認識をするためには、基本的に今のニーズ調査等をしっかりやって、それの分析によってするのが適切じゃないかというような御質問だと思います。
まず、先ほども申し上げましたように、地域公共交通計画につきましては、令和4年度中に地域公共交通計画を策定するということで当初考えておったんですが、その中でデジタル田園都市の交付金なんかも活用しながら、いろんな実証実験も踏まえた上で、次期の地域公共交通計画については、実施の担保を一定できるような様々な取組や実証実験なんかも踏まえて、その結果も分析しながら計画に盛り込んでいくということのほうが計画としての進捗があるのではないのかというような思いもございまして、令和4年度に基礎調査をして、令和5年度に具体的に計画策定に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
もう一点、先ほどの答弁の中での御指摘ですが、現状の認識のために要因分析をしっかりするために調査をするんではないのかという御質問だったかと思うんですが、確かにおっしゃられるように、ニーズ調査を実施いたしておりまして、具体的には市民のニーズ調査として、無作為抽出の3,000件の市民アンケート、あとデマンドタクシーの利用者、バスの利用者に対してアンケート調査にも御協力をいただき、また事業者ヒアリングであるとか、バスの乗降客数の調査であるとか、そういう調査を今年度実施をいたしておりまして、現在、その調査結果を整理して、課題等を抽出しているところでございます。ですので、議員さんがおっしゃられるように、そういう課題分析をしっかりして、次期の公共交通計画策定の基礎資料として活用をしていきたいというふうに考えております。
○議長(藤田豊治) 再質問はありませんか。米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) もう時間もありませんので、別件に移りますが、今市民からのニーズ調査についてお伺いしたんですけれど、例えば庁内で公共交通について十分な話合いは行われているんでしょうか。例えば、今デマンドタクシーは、利用者の半分が運転免許自主返納者が使っているという現実があります。これは、デマンドタクシー本来のバス交通空白地を補完するという目的からは外れていると思うんですが、その辺は是正する必要があるんではないんでしょうかね。危機管理課はもちろん今のままで運転免許の返納が促進されればそれでいいんでしょうが、その辺のところはしっかりと調整して、いわゆる全体を俯瞰した計画策定が必要だと思います。
同様に、例えば今市は移住に取り組んでおりますが、新居浜市は公共交通が貧弱であるというのは、昔から言われてきたことです。この辺について庁内で十分検討を重ねて、ではバスをこういうふうに活用しようというような話合いが行われてしかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。宮崎経済部長。
○経済部長(宮崎司)(登壇) 米谷議員さんの再質問にお答えいたします。
観光であるとか移住であるとか福祉であるとか、そういうふうな庁内関係部局での話合いの場というのがどうなっているのかということでございます。
昨年8月に様々な分野の職員で構成する地域公共交通確立プロジェクトチームを新たに立ち上げまして、主に地域公共交通の策定に関することを任務として組織いたしております。現在、先ほど申し上げましたニーズ調査の結果が間もなく整理されてくると思いますので、そういった調査結果を踏まえてプロジェクトチームの中でもしっかり議論をしていきたいというふうに考えております。
○議長(藤田豊治) 再質問はありませんか。米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 人の移動なくしては町の活力はないとも言われています。自動車への過度な依存から脱却し、自ら交通手段を持たない人はもちろん、誰もが気軽に利用できる移動手段を公共交通の活用によって保証することが全国の自治体に求められています。まさに今、各自治体のそれぞれの政策形成能力が試されているわけです。そして、本市においても、その成否は5年あるいは10年後の本市の姿を大きく左右するに違いないということを最後に申し上げまして、質問を終了いたします。
○議長(藤田豊治) この際、暫時休憩いたします。
午前11時12分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前11時22分再開
○議長(藤田豊治) 休憩前に引き続き会議を開きます。
伊藤優子議員。
○23番(伊藤優子)(登壇) おはようございます。
先日、松山赤十字病院の予算審議に行きましたが、西﨑隆病院長さんの松尾芭蕉の不易流行という言葉を用いての御挨拶がありました。その御挨拶に感銘を受けましたので、披露させてもらいます。
変わることとして、人口減少、少子高齢化、生産年齢人口、若者、若手医師の意識、働き方改革、変わらねばならないこととして、病院の運営方針、病院の規模、機能、医療提供体制、地域医療構想、働き方改革への対応、変わってはいけないこと、残すものとして、医師としての矜持、使命感、人を思いやる心、誠意、努力を挙げていました。医師ではないですが、議員としての矜持、使命感、人を思いやる心、誠意、努力をいつまでも忘れないようにしたいものです。
それでは、通告に従いまして今期最後の質問をいたしますので、御答弁よろしくお願いします。
初めに、マイナンバーカードについてお伺いします。
2022年度中にマイナンバーカードのほぼ100%の普及を目指す政府の方針は、自治体にとって大きなプレッシャーになっているそうです。もともとカードの交付には、自治体が窓口で厳格な本人確認をし、カードの内蔵チップに搭載した電子証明書の暗証番号を設定する作業が必要で、その体制づくりに悩んでいるところが多いそうです。政府の大号令を受け、多くの自治体が2020年度にマイナンバー関連予算を大幅に増やし、担当部署、人員の増強、休日、夜間窓口の設置、出張申請に取り組んでいます。新居浜市でも、特別に窓口を設置し、行列ができていました。最近では、公民館や自治会館やスーパーにまで出張し、普及啓発をしているようですが、現在交付率は何%ですか。このマイナンバーカードの交付に関して、費用はどのぐらいかかっていますか。また、今後どのように目標達成に向けて取り組むおつもりですか、お伺いします。
また、2019年9月のデジタル・ガバメント閣僚会議において、2023年3月末までにマイナンバーカード保険証をほぼ全ての医療機関や薬局などに導入することが決定され、2021年10月から健康保険証が本格運用されました。また、マイナポータルでの薬剤情報の閲覧が開始されています。
そこで、マイナンバーカードを活用した本市の医療機関での保険証利用や薬剤情報閲覧に係る環境整備はどのようになっておりますか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) 伊藤優子議員さんの御質問にお答えいたします。
マイナンバーカードについてでございます。
本市におけるマイナンバーカードを活用した医療機関での健康保険証利用や薬剤情報閲覧に係る環境整備についてでございます。
まず、マイナンバーカードの健康保険証利用について環境が整備された市内医療機関は、令和5年2月12日現在、病院、診療所が78機関のうち37機関、歯科が53機関のうち32機関となっております。
次に、薬剤情報の閲覧環境が整備された医療機関につきましては、医師等が患者の薬剤情報を共有するためには、マイナンバーカードで受診し、患者本人の同意が必要であることから、さきに申し上げましたマイナンバーカード対応の医療機関となります。
○議長(藤田豊治) 長井市民環境部長。
○市民環境部長(長井秀旗)(登壇) マイナンバーカードの交付率、交付に関する費用、目標達成に向けた取組についてお答えいたします。
まず、マイナンバーカード交付率につきましては、令和5年1月末時点で65.64%となっております。
次に、マイナンバーカード交付に関する費用につきましては、令和4年度の予算ベースで1億721万9,000円となっており、会計年度任用職員の人件費や端末機器のリース料、郵便料金などが主な使途でございます。
今後の目標達成のための取組につきましては、各種イベント会場、個人宅、事業所、高等学校、商業施設、福祉施設等への出張申請受付に注力し、あらゆる機会を生かし、ほぼ全ての市民にマイナンバーカードが行き渡るよう努めてまいります。
○議長(藤田豊治) 伊藤優子議員。
○23番(伊藤優子)(登壇) 政府が奨励した100%にはまだまだ及ばないと思いますので、御努力いただいて、100%になるまで頑張っていただきたいと思います。
次に行きます。
介護保険事業計画についてお伺いします。
我が国では、少子高齢化が新型コロナの影響もあって一段と進み、政府においては、こども家庭庁関連、異次元の少子化対策の具体的な検討が進んでいます。総人口は、国力、経済力の根源であり、人口減少や少子高齢化は、長期的に国力の衰退を招いてしまうことになります。少子高齢化の解決は、少子化対策をおいてほかにありませんが、一方で、高齢化についても目の前で起きている状況に対し、着実に対策を講じていく必要があると思います。
そこで、高齢化対策に関して質問をいたします。
私は、これまで認知症対策、介護保険計画、介護予防・総合事業、介護人材確保、成年後見制度の促進等について質問してまいりましたが、来る令和6年度が第9期の介護保険事業計画の初年度、令和5年度がその策定作業年度でありますので、次期計画を見据えた市のお考えをお伺いします。
新居浜市では、これまで介護保険施設の拡充、各種サービスの充足を進め、その後、介護保険料が全国10位となった後には、介護保険制度の運用の適正化を進めながらもバランスの取れた提供サービスの充実を図り、現在は様々な介護サービス需要に対応しつつ、介護予防についても積極的に進められているものと理解しております。現在、第8期計画の2年目が終わろうとしているところですが、第7期、第8期の計画期間において、新居浜市の介護保険制度の運用や高齢者の状況はどのように変化し、評価できるとお考えでしょうか。高齢者数、高齢化率、後期高齢化率、要介護者の平均年齢、介護認定率の変化と主な介護保険施策の成果についてどのように評価されているのか、お伺いします。
次に、第9期計画における施設整備についてお伺いします。
第8期介護保険事業計画では、看護小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護をそれぞれ1施設ずつ整備する計画となっております。このような施設が必要となっている現状についてお伺いします。
また、これまでの施設整備の全体としての評価はいかがでしょうか。今後も整備が必要であるのかもお伺いします。もしあるのでしたら、整備の方向性として、第9期ではどのような考え方で臨むことになるのでしょうか。サービスの充足と介護保険料についてはどのようになっていくのか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 介護保険事業計画についてお答えいたします。
まず、第9期計画についてでございます。
次期計画につきましては、今後国から第9期介護保険事業計画に関する基本的な考え方が示されることとなっておりますが、現在本市では、要介護認定を受けている高齢者に対し、介護サービスの在り方を検討するための在宅介護実態調査を実施しているところでございます。
また、今後は、主に要介護認定を受けていない高齢者に対し、心身の状況や環境などを把握するための介護予防・日常生活圏域ニーズ調査を行う予定としておりますが、これらの調査結果から、現在の地域課題を把握し、勘案した上で、計画作成に取り組んでまいります。
次に、第7期、第8期計画期間の制度運用と高齢者の状況についてでございます。
制度運用につきましては、サービスの充実、介護予防や認知症施策、地域支援事業の取組を精力的に行ったほか、特にリハビリ職との連携や栄養管理の指導に力を入れてまいりました。
高齢者の状況について、この期間で特徴的であったのは、コロナ禍で外出を自粛しなければならず、またクラスター発生により介護事業所が一時的に閉鎖するなど、高齢者を取り巻く状況に大きな影響があったことですが、難局を乗り越え、通常の運用に戻ってきたと考えております。
○議長(藤田豊治) 古川福祉部長。
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 高齢者数等の変化についてお答えいたします。
第7期の初年度である平成30年度末の高齢者数は3万8,126人、高齢化率は32.0%、後期高齢化率は16.5%、要介護者の平均年齢は84.4歳、要介護認定率は20.7%であり、第8期の初年度である令和3年度末の高齢者数は3万7,754人、高齢化率は32.5%、後期高齢化率は17.4%、要介護者の平均年齢は84.8歳、要介護認定率は20.7%となっております。
高齢者数は、平成30年度をピークに減少傾向にありますが、総人口の減少により、高齢化率は上昇しております。
また、後期高齢化率が上昇する中、要介護者の平均年齢も上昇が見られ、介護が必要となる要介護認定率は横ばいで推移しております。
これらの数値によるこの間の施策の評価といたしましては、高齢化の進展に伴う状況の悪化については、現時点では抑制することができており、また介護施策全体を通しての評価といたしましては、高齢者が地域で安心して暮らし続けられるよう、サービスの充実、介護予防や認知症施策、地域支援事業の取組の一定の成果が見られているのではないかと考えております。
次に、施設整備についてでございます。
第8期で整備を計画した各種施設の必要性につきましては、在宅で医療ニーズの高い要介護者及びグループホーム入居希望者の増加に対応しようとしたものでございます。
施設の整備状況といたしましては、看護小規模多機能型居宅介護については、現在建設中で、令和5年度に開設を予定しており、認知症対応型共同生活介護については、令和5年度に工事着工予定であるため、計画どおりに進捗をしていると評価いたしております。しかしながら、定期巡回・随時対応型訪問介護看護につきましては、令和3年度と令和4年度に公募を行いましたが、事業者からの応募はございませんでした。
次に、第9期介護保険事業計画における施設整備の方向性につきましては、被保険者数、要介護認定者数の推移や介護サービスの見込み量、ニーズなどを的確に推計し、必要なサービスについて計画してまいりたいと考えております。
サービスの充足と介護保険料につきましては、一般論として、サービス利用が増えることで、介護給付費が増加すれば、保険料必要額も増加するということになりますが、必要なサービスを確保しつつ、適正な保険料の算定を行うのが基本であります。現在、国においても、給付と負担の見直しに向けて議論が進められており、その動向を注視しつつ、適切に推計した上で慎重に検討してまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 伊藤優子議員。
○23番(伊藤優子)(登壇) 市長の御答弁で、介護認定を受けていない方への配慮も考えていただくということで、ぜひそういう方たちにも力を入れていただきたいと思います。
先ほど部長が言われましたが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、応募者がいないということなんですけど、これからはどのようになるのですか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。古川福祉部長。
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 伊藤優子議員さんの再質問にお答えいたします。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護につきましては、先ほど答弁いたしましたように、令和3年度、令和4年度に応募がございませんでしたが、この種の事業、名前で分かりますように、巡回して御自宅のほうに介護、それから看護をそれぞれ必要なサービスとして提供するという大変貴重なサービスでございます。これを何とか実施していきたいということで考えておりますが、事業者さん自体の職員体制でありますとか、24時間対応というようなところも含めて、事業者さんにお願いすることになっていますので、事業者さんがそれだけの体制を組めるかどうかというのは、丁寧に事業者さんの状況を確認して、お願いできるところがあればぜひその方向で引き続き取り組んでいきたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 伊藤優子議員。
○23番(伊藤優子)(登壇) よろしくお願いします。
今後の高齢者の増加が予想される中で、介護予防の重要性がますます高まっていると思われます。第9期計画期間中の2025年には、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、約3人に1人が高齢者、約5人に1人が後期高齢者になると予想されており、さらに団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年を見据えると、健康寿命を延ばしていくための介護予防の推進が一層重要になると考えます。市長の施政方針の中で、令和5年度の組織機構改革で、健康づくり推進本部を設置するということで、この活動分野としてフレイルや地域包括ケアシステムが含まれていました。これらの分野について、グループ体制を取る必要性はどこにあったのか、またどういったことが期待できるのか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。古川福祉部長。
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 伊藤優子議員さんの再質問にお答えいたします。
今回のグループ体制の中の5分野の中にフレイル、地域包括ケアシステムを対象としているが、その必要性はどんなものがあったのか、それから何が期待できるのかという2点かと思います。
まず、グループ体制とした必要性についてでございますけども、まずフレイルにつきましては、現在、関係課所に地域包括支援センター、国保課、保健センター等がございますけども、やはり効果的な事業推進のためには、壮年期、それから高齢期を一体的に考えまして、健康状態の経年変化を俯瞰して対策を立てる必要がある、内容といたしましても、成人病の対策から介護予防まで、これを関連したものとして考えていく必要があるというふうに考えております。
また、地域包括ケアシステムの分野につきましては、介護部門だけではなく、地域づくりでありますとか保健衛生、それからこの先にはデジタル技術部門などの様々な部門が知恵を出し合っていくというような対応が必要になってくるのではないかというふうに考えております。こうした状況に対応するためには、やはり各課が事務分掌を超えて協働した動きをつくっていく、これまでも連携はしておりましたが、さらにそれを進めていくという必要があろうかと考えまして、グループ制の対象としたということでございます。
次、何が期待できるのかということですけども、グループ制を取りますことで、これまでの各課単位、事業単位の取組では成果が出にくかった課題というのが、これがグループの中で一つの共通の目標というのが設定されることになります。この目標の達成に向けて各専門領域に分散している職員が、恒常的に協力し合ってそれぞれが持つ情報、資源等をグループ内で有効に活用することで、より効率的で一貫性のある事業展開というのが図られるのではないかというふうに期待しております。
○議長(藤田豊治) 伊藤優子議員。
○23番(伊藤優子)(登壇) 各課が知恵を出し合って連携をしてほしいことを要望いたします。
次に、男女共同参画についてお伺いします。
本市では、平成12年8月に県内で初めて男女共同参画都市宣言を行い、平成15年10月に新居浜市男女共同参画推進条例を制定しました。平成23年3月に計画期間が平成23年度から令和2年度である第2次新居浜市男女共同参画計画~ともにいきいき新居浜プラン21~を策定し、あらゆる暴力の根絶や固定的性別役割分担意識の解消、ワーク・ライフ・バランスの推進、女性リーダーの育成を図るなど積極的に男女共同参画社会の実現に取り組みました。
この間、男女共同参画の意識や理解は深まりつつも、少子高齢化の進行、未婚、単身世帯の増加、情報化の技術進歩、頻発する大規模災害など家族形態や社会情勢の変化による新たな状況への対応が求められています。
このような状況の下、第2次新居浜市男女共同参画計画の内容や取組を評価した上で、平成27年に施行された女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく推進計画を盛り込み、さらなる男女共同参画社会の実現に向け、実効ある取組を推進するため、6つの主要課題、ひとりひとりの人権を尊重する社会づくり、男女共同参画の意識づくり、ひとりひとりの能力が発揮できるまちづくり、ともに働きやすい環境づくり、男女共同参画の家庭・地域づくり、いきいき暮らせる社会づくりを設定し、第3次新居浜市男女共同参画計画を策定しました。その課題については、令和元年度に本市が実施した男女共同参画に関する市民意識調査では、男性は仕事、女性は家庭という固定的性別役割分担意識は改善されていますが、男性が優遇されていると回答している割合が、政治の場、社会通念・慣習、職場等、依然として分野によっては不公平感を感じている結果となり、引き続き女性が活躍できる機会や環境を推進する必要があるとあります。市議会議員の場合、私が初めて当選したのは24年前ですが、そのさらに4年前には女性議員は2人だったのが、1999年には3人になり、現在は5人になりました。女性の意識が変わらないと男性の意識も変わらないような気がします。既に昨年の松山市議会においては、当選者の4分の1が女性議員になったそうです。党派を超えて、女性に関する問題については理解できるのではないかと思っております。もちろん新居浜市では、女性連合協議会という団体があり、意識の高い女性もたくさんいると思いますが、市内の会社で働く女性にもう少し意識づけをするために、各企業に理解を得るために、ともにいきいきプラン21などを配布してはいかがですか。経費がかかるようなら概要版などを作って配布してはいかがでしょうか、お伺いします。
また、市としてPRが足りないような気がします。もう少し会社などにPRしてもらえないでしょうか。その点についてどのようにお考えですか、お伺いします。
次に、審議会等の女性の登用率は、令和2年度、50%を目指して取り組みましたが、令和2年4月1日現在で28.8%であり、依然として目標数値と隔たりがあるのが現状であり、今も解消されておりません。今後も積極的に取り組む必要があるとありますが、これからどのようにして目標達成するのですか。もう一度目標をある程度達成できる目標にしてはいかがですか、お伺いします。
次に、DVをはじめとする複雑化、多様化するあらゆる暴力を根絶するため、さらなる予防啓発と被害者に寄り添った適正な支援を実施する必要があるとありますが、DVで困っている人たちの相談件数は何件ぐらいありますか。相談体制はどのようになっておりますか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。長井市民環境部長。
○市民環境部長(長井秀旗)(登壇) 男女共同参画についてお答えいたします。
まず、ともにいきいきプラン21のPRについてでございます。
第3次新居浜市男女共同参画計画~ともにいきいき新居浜プラン21~は、令和3年3月に策定し、冊子は280部、概要版は1,500部を作成し、これまでに市役所各部局、愛媛県及び県内各市町、各公民館、ウイメンズプラザ等の各施設、関係団体等に対し必要部数を配布いたしました。
企業への配布につきましては、女性活躍等推進事業所認証企業や認証希望企業との協議の際に概要版を配布しておりますが、新居浜市内の企業全体から見ると、配布数は僅かとなっております。
働く女性への意識づけのために、ともにいきいき新居浜プラン21を企業に広く周知することは、第3次新居浜市男女共同参画計画の主要課題の一つであるともに働きやすい環境づくりを推進するために重要であると認識しております。
しかしながら、これまでのような紙媒体による概要版の配布には、印刷等の一定の経費が必要となりますことから、今後の企業へのPRにつきましては、メールマガジンやSNS等を活用し、本市ホームページに掲載している概要版の閲覧を案内するなどの広報を行ってまいります。
次に、女性の登用率についてでございます。
審議会委員を任命する際には、女性委員のいない審議会をなくすこと、今よりも女性委員を1人以上を増やすこと、新規に設置する審議会は、女性委員割合を30%以上とすることといった脱ゼロ、プラスワンや法律などで規定がないものについては、充て職で選任しないなどの点について個別に担当課と男女参画・市民相談課との間で事前協議をして参画率の向上に努めております。
また、昨年度からは、女性の人材情報の収集、提供を行うための女性人材バンクを設置し、審議会等の委員選任に活用いただいております。
令和5年1月31日現在の審議会等への女性の登用率は32.2%となっており、令和12年度に目標数値50%の達成にはさらなる取組が必要であると考えております。
今後につきましては、これまでの取組に加え、政策、方針の決定過程で女性が積極的に参画することの必要性をより一層周知啓発するとともに、女性人材バンクの効果的な活用や女性ネットワーク、リーダーズスクール等の事業を通して、女性の参画率向上を図り、目標数値は変更せず、目標達成に向けて取り組んでまいります。
次に、DVの現状についてでございます。
DVに関する相談件数につきましては、令和3年度は196件、今年度は、令和5年1月末現在で170件の相談がありました。
次に、相談体制についてでございますが、本市では、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律に基づき、平成25年8月1日に新居浜市配偶者暴力相談支援センターを設置し、DVに関する身近な相談窓口として、相談から自立まで総合的な支援を行っております。
配偶者暴力相談支援センターは、男女参画・市民相談課長がセンター長を兼務し、相談業務は、相談員4名、相談者と相談員とのコーディネート業務は、常勤の会計年度任用職員1名、関係機関との連携業務は、正規職員1名が担当しております。開所時間は、祝日、年末年始を除く月曜日から金曜日の8時30分から17時15分で、面談と電話により相談者の対応をいたしております。
○議長(藤田豊治) この際、暫時休憩いたします。
午前11時58分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 1時00分再開
○議長(藤田豊治) 休憩前に引き続き会議を開きます。
伊藤優子議員。
○23番(伊藤優子)(登壇) 女性の登用率の目標数値は変えないということですので、目標達成に向けて頑張ってください。
次に、新居浜市におけるフェムテックについてお伺いします。
フェムテックとは、フィーメール、女性とテクノロジーを掛け合わせた造語であり、生理、月経、不妊、婦人科系疾患など女性の健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービスのことを指します。欧州で生まれたフェムテックという市場は、世界的に急拡大しており、2027年度までには650億ドル、日本円にすると8兆円以上に伸びると予想されています。
日本においても、2021年の市場規模は600億円を超えました。日本におけるフェムテックの話題としては、2020年10月に自民党のフェムテック振興議員連盟が発足し、野田聖子議員が会長に就任したと報道がありました。2021年の新語・流行語大賞にノミネートされるなど、自民党幹事長代行の野田聖子氏は、フェムテックという需要を喚起することで、日本経済を変えるきっかけになるとおっしゃっております。
しかし、生理や不妊、ましてやデリケートゾーンのケアなど、このフェムテック関連の話題は、女性同士でさえオープンに話しづらい特徴があり、症状も個人差があり、理解しづらい背景もあります。また、女性でも話しづらいのに、男性はますます触れにくいところがあります。庁内においては、健康寿命という視点で考えると福祉部、女性活躍という視点で考えると市民環境部、働き方改革、企業支援という考え方では経済部、SDGs、シティプロモーションという視点では企画部、性教育という視点で見ると教育委員会と、ありとあらゆる分野にまたがった問題です。この問題は、多岐にわたり、非常に大っぴらに話しにくいのが特徴ですが、それをオープンにして、女性、男性問わずに話し合うことが課題の解決につながっていくのではないかと考えます。
そこで、お尋ねします。
女性特有の健康問題の観点から、行政としてこのフェムテックについてどのように認識されていますか、お伺いします。
また、提案ですが、女性の健康問題における理解を深める場の提供やそういった課題の解決を支援する女性向けサービスの認知を広げることを目的として、新居浜市の公式LINEなどを活用し、女性のライフステージに合わせた情報発信を定期的に発信していただけないでしょうか、お伺いします。
女性のデリケートな健康問題については、女性も男性も理解に乏しく、困ったり、悩んだりしている人が相当数いらっしゃると思います。今ではフェムテックとネットで調べると本当に赤裸々に女性の問題について語られております。私も早くから知っていたら、もう少し対処の仕方や悩みを共有できたのではないかと思っております。
また、新居浜市には、東予初のフェムテックエキスパート資格を取得されている方もいらっしゃるとお聞きしています。その方に御協力をいただいて、市長をはじめ、市の幹部職員や市議会議員も含めて、フェムテックについての理解を深める勉強会などを開催できないでしょうか、そのことについてお伺いします。
私の個人的な意見ではありますが、フェムテックの認知を広め、女性の働きやすさ、過ごしやすさにつながることは、人口減少対策、健康寿命の延長など女性にとってよりポジティブな社会につながることから、行政が率先してフェムテックを理解し、女性が働きやすい新居浜市になれば、人口は一気に増えるのではないかと思います。また、フェムテックの推進についても、女性の価値観や考え方の押しつけではなく、まずは男性がその流れをつくる空気が必要なのではないかと思います。
そこで、女性の就業支援の観点から、今後のフェムテックの活用について市としてはどのように考えていますか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。古川福祉部長。
○福祉部長(古川哲久)(登壇) フェムテックについてお答えいたします。
まず、女性特有の健康課題の視点におけるフェムテックへの認識についてでございます。
女性は、女性ホルモン分泌の変化によって、健康への影響を受けやすく、ライフステージごとにかかりやすい病気や症状が異なります。女性のライフステージといたしましては、小児期、思春期、性成熟期、更年期、老年期に分類されますが、思春期から性成熟期にかけては、月経痛、月経前症候群、子宮内膜症、子宮筋腫といった月経や女性ホルモンの分泌が多いことによる病気や症状が多く、更年期では、ホットフラッシュ、動悸、睡眠障害など女性ホルモンの減少による様々な不調を感じる人が多くなります。また、20歳代後半から50歳代前半までのがんの罹患率では、女性が男性を上回っており、さらに更年期以降は、生活習慣病や骨粗鬆症、認知症等、男性より女性が多くかかりやすい病気があるなど、市が取り組むべき重要な健康課題の一つであると認識いたしております。
次に、情報発信についてでございます。
フェムテックは、女性の健康課題の解決や不快感、不安感の解消等に資する製品やサービスとして期待されており、本市では、現在オンラインを活用した相談事業に取り組んでおります。
一方で、安全性や信頼性の確保のほかプライバシーなど倫理的な問題にも課題があるとして、現在、国がフェムテック活用の実証事業を実施しており、提供すべき情報といたしましては精査が必要であると考えております。
女性のライフステージに合わせた健康課題に対する情報発信につきましては、今後必要に応じて教育委員会や産婦人科医等との連携を図り、定期的な発信に向けて取組を図ってまいります。
次に、勉強会の開催についてでございます。
フェムテックへの理解は重要であると考えられますが、先ほど申し上げました国の実証事業過程でもありますので、その結果、推奨されました際に取組について検討してまいります。
次に、女性の就業支援の観点からのフェムテックの活用についてでございます。
国の実証事業の結果を参考に、庁内関係部署が連携し、フェムテックの理解の促進を図ることにより、就労支援や就労環境の改善に結びつくものと考えられます。今後は、状況に応じフェムテックの適切な活用と理解に関しての周知に努めてまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 伊藤優子議員。
○23番(伊藤優子)(登壇) このようなフェムテックという問題が少しでもオープンに語られる場所を提供していただくことを要望いたします。
次に、空き家対策についてお伺いします。
新居浜市空家等対策計画によりますと、国におきまして、平成26年11月に空家等対策の推進に関する特別措置法が公布され、平成27年5月に全面施行されました。この法の制定により、市町村の責務として、空き家等に関する施策の実施や必要な措置を適切に講ずるよう努めることが位置づけられました。
平成25年の住宅・土地統計調査によれば、本市の空き家率は16.1%であり、全国の空き家率13.5%と比べて高い割合となっているようです。また、平成23年に全地域を対象として行った老朽危険家屋調査のデータを基に追跡調査や平成27年に実態調査を行った結果、市内の空き家の数は約3,000戸で、このうち老朽化による倒壊のおそれがある等の危険な空き家が約600戸あり、本当に深刻な問題となっております。
総務省が公表した平成30年住宅・土地統計調査確報値によりますと、2018年10月1日現在における全国の総住宅数は6,240万7,000戸で、2013年と比べて177万9,000戸、2.9%増になっている。また、総住宅数に占める空き家の割合は13.6%と2013年から0.1ポイント上昇し、空き家数及び空き家率が共に過去最高となったそうです。
本市においては、総住宅数6万160戸で、2013年と比べて1,810戸、3.1%増となっており、全国及び愛媛県と同様に、空き家及び空き家率が共に過去最高となっており、一戸建ての空き家が61.9%と大半を占め、総空き家数に対する腐朽、破損ありは30%になっています。また、一戸建てのうち、一般住宅、その他の住宅の空き家が最も割合が高く93.6%を占めています。また、本市では、平成23年度に老朽危険家屋空き家等調査を行い、その調査箇所をベースに、3,373戸の空き家を確認した結果、老朽危険空き家が670戸存在することが分かり、平成27年度に外観目視による実態調査を行った結果、危険度及び老朽化の進んでいるものが559戸あり、そのうち118戸が特に老朽化が進み、危険度の高いことが分かりました。今も空き家が目立っていますが、これからもっと老朽化が進んでいくと思われます。現在、老朽危険空家除却補助制度がありますが、今年度の補助は何件で、幾ら使われていますか。
また、本市への移住、定住を促進し、地域に存在する空き家の有効活用を図ることを目的として、賃貸や売却を希望する所有者等から空き家情報を提供していただき、市のホームページで公開する等を通じて、利用希望者に情報提供するとともに、愛媛県宅地建物取引業協会新居浜支部の協力を得て、活用のマッチングを行いますとありますが、今この空き家バンクに登録している件数とマッチングできた件数は何件ぐらいありますか。
また、政府が今国会に提出する空家対策特別措置法改正案では、促進区域を市町村が設定することで、カフェや宿泊施設に転用しやすくなり、法施行後5年間で100区域を目指すそうです。倒壊寸前などの緊急性が高い場合、手続の一部を除いて自治体が撤去、管理が不十分な空き家は、税の軽減対象から除外し、事実上の増税をすることで所有者に早期の対応を求めるそうです。
なお、促進区域は、観光振興に取り組むエリアや中心市街地などに設けることが想定され、市町村が区域や活用指針を定め、用途が住宅や公共施設に限定されているエリアでも、指針に明記すれば店舗や旅館への転用を特例で認めるそうですが、新居浜市でもこのような促進区域は設定されますか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。三谷建設部長。
○建設部長(三谷公昭)(登壇) 空き家対策についてお答えいたします。
まず、老朽危険空家除却事業につきましては、老朽化し、危険と判断された空き家の解体補助制度として、平成28年度の事業開始以来、令和3年度までに44件実施しており、令和4年度においての補助件数は、募集件数と同数である10件分を実施し、補助金額につきましては、733万1,000円となっております。
次に、空き家バンクの登録件数と成約件数についてでございます。
空き家バンク制度を導入いたしました平成28年4月1日から令和5年2月20日までの登録件数は、累積で98件、成約件数は71件、成約率は約72%となっており、令和5年2月20日現在、申込み可能な件数は20件となっております。
次に、空家等対策の推進に関する特別措置法の改正に伴う促進区域の設定についてでございます。
令和5年3月に提出される予定の改正案につきましては、空き家の活用を促すため、自治体が促進区域の設定を行うことで、建て替え規制等を緩和する措置や空き家の管理強化のため、特定空家等に至らずとも、固定資産税等の特例を適用除外とするなどの法案であると認識しております。
促進区域の設定につきましては、現在、詳細な内容が公表されておりませんが、今後積極的な情報収集を行い、空き家の利活用について効果的な運用が図れるよう、調査研究してまいります。
○議長(藤田豊治) 伊藤優子議員。
○23番(伊藤優子)(登壇) 促進区域については、まだ明らかにされてないということですが、これから増えると思われる空き家等に対して目を光らせていただきたいと思います。
最後に、幼稚園、保育園の再編についてお伺いします。
児童福祉施設、幼稚園については、施設の耐用年数までは継続利用を基本とするが、更新時には利用実態や利用見通し、老朽化の状況により統廃合、規模縮小、他施設の複合化、廃止を検討とあります。1、量の見込みに応じた保育・教育が提供できる体制の確保、2、民間活力の有効的な活用と民営化の検討、3、地域の園としての機能を確保とちょっと分かりにくいなあと感じました。
奈良市では、子供本位の仮称市立こども園の構築を目指し再編を行ったようです。近年、全国的に少子化が進行していますが、本市もその例外ではなく、核家族化や就労形態の多様化など、子供を取り巻く環境は大きく変化しており、就学前の教育、保育に対するニーズも増加、多様化しています。新居浜市でもそうだと思いますが、奈良市立幼稚園では、園児数が減少し続ける一方で、保育所の待機児童数は解消されていない状況にあったそうです。そして、子供たちが集団生活の中で学び合い、育ち合うことが難しい状況になったそうです。
そこで、次代を担う子供たちにとって何が一番大切なのかを考え、市立幼保施設を再編し、一体化することと併せて、仮称市立こども園の設置を進め、子供たちが保護者の就労等に関係なく入園でき、また育ち合い、学び合い、仲間づくりの面などそれぞれの年齢に応じた適切な集団規模での教育、保育が実施できる環境を整備するということでした。
また、私立幼稚園及び民間保育所の民間活力を最大限に生かし、希望する子供が国・私立幼稚園、民間保育所及び仮称市立こども園のいずれかで受け入れることができる体制を構築するとありました。今から少子化で子供が減少していく中で、子供本位の仮称市立こども園という考え方があると思いますが、この点も考慮に入れて、公立保育園・幼稚園再編を考えてはいかがですか、お伺いします。
また、仮称市立こども園において、就学前の教育、保育を総合的に提供していくことで、ゼロ歳児から5歳児の子供たちは、お互いに生活を身近に感じたり触れ合ったりしながら体験の幅をさらに広げ、集団生活を通じて社会生活に必要な習慣や態度を身につけていくようです。そのため、市立幼稚園、保育所、認定こども園共通で活用している教育・保育カリキュラムを発達段階を押さえた保育内容や指導方法、小学校との円滑な接続などの観点から見直し、カリキュラム内容の一層の充実を図るそうです。
また、幼保を一体化した施設では、原則幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を持つ職員が、子供の教育、保育を担当することになりますので、職員についても職種の一本化を進めるとともに、幼稚園教諭と保育士間の人事交流や幼保合同研修を実施していくそうですが、何十年に一度あるかないかの再編計画なので、広く考え、子供たちが本当に育ち合い、学び合い、仲間づくりができる環境づくりを中心に考えていただきたいと思いますが、この考えについてはいかがでしょうか。
また、発達障害を含む障害のある子供が周りの子供たちと日常の生活を通して共に成長できる教育、保育を進めることも大切です。一人一人の子供の発達過程や障害状態を把握した個別の指導計画を立てるとともに、保護者、関係機関、市の健康増進課、子ども発達センター、教育センター、通級教室、ことばの教室、きこえの教室、ステップ教室……。(ブザー鳴る)
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。酒井福祉部こども局長。
○福祉部こども局長(酒井千幸)(登壇) 幼稚園、保育園の再編についてお答えいたします。
まず、子供本位の仮称市立こども園という考え方による公立保育園、幼稚園の再編についてでございます。
本市では、昨年度策定した基本方針を基に、今年度は市内4圏域別の教育・保育事業の量の見込みについての検討等を行い、新居浜市公立保育園・幼稚園の再編等に関する計画を年度内に策定予定でございます。
本市には現在私立の認定こども園が5園、また私立幼稚園が4園あり、これらを利用する3歳から就学前のいわゆる1号認定児童は今後も減少が見込まれるため、まずは民間事業を優先し、私立幼稚園の認定こども園化及びその運営を支援する考え方で再編計画案を策定しております。
次に、子供たちが育ち合い、学び合い、仲間づくりができる環境づくりを中心に考えた再編計画の策定についてでございます。
本市には、市立の認定こども園はございませんが、保育所も同等の幼児教育を行う施設として自立心や協同性、社会生活との関わりといった幼児期の終わりまでに育ってほしい姿というものを小学校と共有しており、それはこども園と異なるものではありません。
また、本市の保育士及び幼稚園教諭の募集に際しては、両方の資格を取得、または取得予定であることを応募条件とし、各種研修には、私立を含め、保育士と幼稚園教諭が共に参加して情報共有を図るなど、幼保連携を積極的に推進しております。
なお、今回策定する再編計画は、期間中においても社会情勢の変化など必要に応じて常に子供の最善の利益を考慮した計画となるよう見直しに努めてまいります。
○議長(藤田豊治) 大條雅久議員。
○20番(大條雅久)(登壇) 自民クラブの大條雅久です。
質問も3日目になり、さきにされた議員と重なる質問もありますが、本議会最終の質問、また今期4年間務めさせていただいた任期最後の質問になりますので、御答弁よろしくお願いいたします。
公共インフラの老朽化対策について。
本市の現状。
朝7時から放送のNHKおはよう日本で、昨年の12月7日、老朽化するインフラ、身近な橋やトンネルがと題する報道がありました。7時18分頃です。市町村が管理する5年以上補修が行われていない橋が多い町のランキング表がテレビ画面に表示されました。補修が行われていない橋の数が多いワースト20の一覧表です。目を疑ったのが、そのワースト20の12番目に新居浜市が橋の数53橋でランクインしていたことです。こんなランキングになぜ新居浜がと思うと同時に、このランキングが事実なら、早速に調べなければならないと思いました。年末年始にかけて国土交通省や愛媛県のホームページなど、公表された資料を調べたのですが、NHKが紹介したランキングの資料にはたどり着きません。本市の建設部にも問合せをしました。NHK本社にも再度の問合せメールを送りましたが、判然といたしません。ただし、ランキング表に表示された5年以上補修が行われていない新居浜市管理の橋が53橋あることは事実のようでした。
そこでまず、お聞きいたします。私が視聴したNHKおはよう日本の報道内容と本市の現状についての市の見解をお示しください。
あわせて、既に問題とされているいわゆる老朽化する公共インフラへの対策について、現在の本市の取組を御説明ください。
日々の点検。
公共インフラの管理は、老朽化だけでなく、日常の事故や災害への備えも重要かと思います。公共インフラの機能維持のために実施している日々の維持管理について、本市の基本方針、点検指針や本市独自の工夫や手法などがございましたら、御説明ください。
重ねてお伺いいたします。現在、新居浜市の公式LINEを使って、道路、公園などの損傷を通報できるようにされています。通報の対象は、公共インフラ全般と受け止めてもよいのでしょうか。
また、新居浜市公式LINEの活用を広げる取組は、まだまだ進める必要があると思いますが、今後の活用推進や活用範囲の拡大などお考えをお聞かせください。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。三谷建設部長。
○建設部長(三谷公昭)(登壇) 大條議員さんの御質問にお答えいたします。
公共インフラの老朽化対策についてでございます。まず、本市の現状についてお答えします。
昨年12月7日、NHKのニュースで報道された内容につきましては、国土交通省が公開しております全国道路施設点検データと情報公開請求で得られたデータを基にNHKが分析した結果、2022年3月時点で補修が必要な橋梁のうち、5年以上補修が実施されていない橋梁が、新居浜市には53橋あるというものであり、これは本市が把握しているデータと相違はございません。
本市の管理する橋梁534橋については、橋梁長寿命化修繕計画に基づき点検、補修を行っており、過去5年間で47橋の補修を実施しております。
しかしながら、橋梁の維持補修が他の自治体に比べ後れを取っていることは認識しており、今年度より補修件数の増加に取り組んでいるところであり、令和4年度末には5年以上補修が実施されていない道路橋を11橋まで低減する予定でございます。
また、老朽化する公共インフラへの対策として、計画的かつ効果的な維持修繕を実施するために、橋梁、横断歩道橋、トンネル、舗装の各道路施設において個別施設計画を策定し、予防保全による長寿命化対策に取り組んでおります。
次に、日々の点検についてでございます。
現在、橋梁、横断歩道橋、トンネルの維持管理について、5年に一度の法定点検の実施や日常のパトロールなどにより、老朽化や損傷の状況を把握し、適切な管理を行っていくこととしております。
維持管理における本市独自の工夫、手法といたしましては、今年度実験的な取組として道路面の損傷箇所を公用車に設置したスマートフォンから得られる画像からAI技術により自動検知させ、道路維持管理に活用するDXの実装実験に参加しております。
また、水道管路においても、漏水箇所を衛星画像やセンサーのデータからDXにより特定する実装事業に参加しており、今後は公共インフラの老朽化対策にデジタル技術を活用したDX化への取組について研究、調査し、公共インフラの維持管理について効率化、省力化を進めてまいりたいと考えております。
また、公式LINEによる通報対象につきましては、現在のところ、市内の道路、公園施設の損傷情報が通報対象となっており、公共インフラ全般とはなっておりません。公式LINEは、市民の皆様が手軽に市の情報にアクセスできる有効なツールでありますことから、公共インフラ全般へ広げて活用することにつきましても各施設の特性や通報の必要性などを考慮し、今後の検討課題としてまいります。
○議長(藤田豊治) 大條雅久議員。
○20番(大條雅久)(登壇) 公共インフラの老朽化、それに対する維持管理、これはもう新居浜に限らず、全国どの市町村も頭の痛いところだと思いますが、先ほど説明があったデジタル化、AIの活用による省エネによる早期の発見、どんどん進めていただきたいと思いますし、公式LINEを使うことで、市民が参加をする、市民が見つけた物を知らせることで修繕が早くなる、これは市民参加を促すいいツールだと思いますので、これも併せて広めていただきたいと思います。
次の質問に移ります。学校の管理について。先生の働き方改革。
昨年9月の議会質問で、小中学校の教員配置に人員不足の有無をお聞きしました。4月1日時点では不足なしだったが、9月1日時点では1人の不足とのお答えをいただいたと思います。これは、ほぼ必要な教員数が配置されているとの答弁と受け取りましたが、改めてお伺いいたします。
長期の病欠者や産前産後の休暇及び育児休暇等の欠員対策は十分なのでしょうか。管理職である校長や教頭が、本来の仕事のほかに欠員の穴埋めをする対応があるように見受けられるのですが、そのような事例は現在あるのでしょうか。校長、教頭、学年主任が、管理の役割に専念できる体制なのでしょうか。
また、中学校の部活動の地域化についてさきの議会質問では、多くの課題があるとの答弁があり、受皿の団体や指導者の確保等々、詳しく説明をいただきました。そして、まずは休日の部活動について、可能な競技から段階的に地域移行できるよう取り組むとのことでしたが、令和5年度は具体的な動きなどあるのでしょうか。また、計画されている予定はあるのでしょうか。
施設としての学校管理。
小中学校の先生方の働き方改革が大きく取り上げられることに関連してよく言われることですが、本来の教師の仕事、授業を行う、学習指導をする、生徒指導をする、それ以外の雑務が多くはないでしょうか。これは、学校の外の方からお聞きした少し別な方向の事例ですが、校舎や設備の工事に対する対応が各学校によって違うとお聞きしました。トイレを洋式便器に替える工事で、平日を避けて土、日で工事をしてほしいという学校があり、また平日にしてもいいが、午後4時から6時の間にしてほしいという学校があったりということです。いずれにしても、工事業者の事情はなかなか聞いていただけなかったということでしたが、それらの反応の理由について、学校に私自身直接確かめたわけではありません。しかし、私が感じたのは、学校内のあらゆることに配慮する責任が先生方にあるという従来の在り方に無理が来ている事象ではないかと思うのです。校舎の設備工事をするときの学校の監督範囲とその担当者は、どなたになるのでしょうか。学校敷地内やその周辺を工事するときの学校側の管理責任者はどなたになるのでしょうか。
いじめ通報制度。
昨年の12月3日に大阪の寝屋川市で本気でいじめを抑え込むいじめ対策サミットと題した集まりがありました。主催した寝屋川市の広報によると、北海道の旭川市、岐阜県の可児市、同じ大阪府の八尾市、主催の寝屋川市、4市の市長が参加しての全国規模の事業だったようです。この事業を主催した寝屋川市が行っているいじめゼロ対策にいじめ通報制度があります。昨年12月19日の新聞報道から紹介しますと、いじめ解消、教育委員会、学校には限界?の見出し、副見出しで、7歳から手紙、首長部局が解決とあります。内容は、寝屋川市がいじめ対策として毎月児童生徒へ配っているチラシです。そのチラシの下半分は、切り取れば切手なしで市役所に届く手紙になっています。宛先は寝屋川市役所内の危機管理部監察課。寝屋川市は、2019年12月にいじめ対策の独自条例を制定。市長部局の監察課が、学校の調査やクラス替えなどの勧告ができる権限を定めたそうです。同市における2019年度から2021年度のいじめの認知件数は524件、このうち9割近い453件は、学校内での把握、残る71件が監察課に寄せられた通報、相談だったそうです。寝屋川市の取組について、教育長はどのように評価されますか。
また、本年2月7日付で文部科学省初等中等教育局長名のいじめ問題への的確な対応に向けた警察との連携等の徹底についてという通知がありました。通知が出された最近の世情が気になりお聞きしています。
現在、本市では、学校で起きるいじめについてどのような対応をされていますか。今後改良なり変更したりする予定はありますか。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 学校の管理についてお答えいたします。
まず、先生の働き方改革についてでございます。
病気や出産、育児等で欠員が出る場合には、県教育委員会と連携を図り、教員として勤務経験のある方や教員免許を持つ方に呼びかけを行い、できるだけスムーズに代員を配置できるよう取り組んでいるところでございます。
なお、年度途中に欠員が生じた場合には、代員が配置されるまでの間、校長や教頭を含めた担任以外の教職員が一時的に対応するケースがございます。
教師が本来の仕事に専念できる体制の整備につきましては、教職員の多忙化解消のため、本市ではスクールソーシャルワーカーやスクール・サポート・スタッフなどの人員を配置するとともに、学校行事の精選、校務のICT化推進などにより負担軽減を行っており、今後におきましても、さらなる業務改善を図ってまいりたいと考えております。
学校内の工事の立会いや監督等につきましては、子供たちの学校生活に支障が出ることがないよう、基本的に管理職が行っておりまして、この部分につきましては、管理職が行うべき業務であると考えております。
次に、部活動の地域移行についてでございます。
国におきましては、まずは休日の部活動の移行から段階的に取り組み、令和5年度から令和7年度までの3年間を改革推進期間と位置づけ、支援をしていくこととなっております。
また、愛媛県では、本年2月に、運動部活動と文化部活動について、合同で協議を進めるための市町連絡協議会を設置し、取組を進めていくこととなっております。
本市の今後の取組につきましては、国や県の動向を注視しながら、来年度、各関係者で構成する協議会を設置するとともに、アンケート調査などにより、児童生徒、保護者、教職員等の実情、意見を把握しながら、まずは休日の部活動の地域移行を可能な部活動から段階的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、施設としての学校管理についてでございます。
学校で工事を行う場合には、教育委員会や学校の管理職が、事前に工事業者と協議を行い、内容に応じて、授業や学校行事、登下校等の時間に配慮しながら児童生徒の安全や学校運営に支障が出ない日程、時間帯で施工していただくよう依頼しております。
今後におきましても、工事業者側の働き方改革にも留意して協議を行い、学校側、工事業者双方の負担軽減を図りながら、日程調整等を行うよう努めてまいります。
次に、いじめ通報制度についてでございます。
まず、寝屋川市の取組についてどのように評価しているかについてでございます。
本市におきましても、いじめ対策は非常に重要であると認識しており、寝屋川市等で取り組まれている事例につきましては、その効果や問題点、必要性などについて今後調査研究してまいります。
次に、いじめ問題への対応についてでございます。
児童生徒がいじめを相談する窓口といたしまして、愛媛県や県教育委員会では、SNS相談ほっとえひめ、いじめ相談ダイヤル24、こころといのちの相談窓口等の相談窓口を設置しております。
本市では、あすなろ教室にこどもいじめ110番を設置いたしまして、電話やSNSを通じて、いじめ相談の受付を行うとともに、小中学校で毎月実施している絆アンケートによる調査や教育相談活動などの取組により、広く子供たちからのいじめ等に関する相談を受け付け、学校をはじめ、県教育委員会や警察、児童相談所等関係機関と連携し、早期発見、早期対応に努めております。
次に、今後のいじめ対策についてでございます。
現在、本市の小中学校において生じているいじめ問題につきましては、おおむね解決に至っております。学校だけでは解決困難な事例につきましては、弁護士や学識経験者等から助言を受けるなどして対応しており、今後も状況に応じて改善を図ってまいります。
○議長(藤田豊治) 大條雅久議員。
○20番(大條雅久)(登壇) 答弁の中にありました工事業者の方々の働き方改革にも留意して、工事の時間、日程調整を進めていただいたらとお願いいたします。
いじめ対策について、寝屋川市のこと、私もよく分かりません。えっと思いました。寝屋川市のホームページには、監察課は必ず解決しますとあり、頼りになるところがあると思ってほっとする子供や親もいるかもしんないけど、よく分かりません。ただ、2月7日に文部科学省が警察との連携をちゃんとしろと通知を出す、こういう時代って寂しいなあと思ったのが正直な感想です。ただ、何がいいかは自分の感覚ではなく、先生方大変だと思いますが、頑張っていただきたいと思います。
3、大学入学共通テストの受験会場について。
本市への共通テスト受験会場開設誘致。
先日、愛媛新聞オンラインで、前泊して共通テスト、愛媛で40年続く習慣の謎と題した記事が目に留まりました。謎の習慣、愛媛の当たり前が当たり前ではないのかと思った次第です。これまで愛媛県の大学入学共通テストの試験会場は、松山市にしかないため、試験前日から宿泊して受験する前泊が東予、南予の受験生の慣例になっていました。しかし、全国では、泊まりがけでの受験が生徒の精神的負担や家計の経済的負担につながるとして、試験会場を新設したケースがあります。全国の都道府県で試験会場が1自治体、県庁所在地の町だけに集中しているのは、愛媛県と佐賀県と熊本県の3県のみだそうです。共通一次試験が始まったのが1979年、日帰り受験ができる松山周辺の受験生に比べると、時間的、経済的にかなり負担だとの記事が過去の愛媛新聞にありました。全国に目をやると、大学以外の場所、高校の校舎を使う学外試験場が令和5年、今年の共通テストで62会場あったそうです。静岡県では、県内21の試験会場のうち、9か所が県立高校など大学以外の試験会場だったそうです。京都府の場合も、従来、北部の丹後地域には大学がないので、丹後地域の受験生は、長年にわたり京都市に前泊して共通テストを受けていたそうです。令和3年、一昨年の秋に、丹後地域の高校PTAが、京都府知事に試験会場の改善を求める要望書を出しました。それを受けて、令和4年、昨年の8月に、丹後地域の2市2町の首長4人が、京都府立大学の塚本学長を訪問し、試験会場の運営を要望したそうです。そのかいがあってでしょう、今年、丹後地域の208人の受験生は、地元丹後地域の高校を会場として共通テストの受験ができたそうです。地元の市長、町長の要望から僅か半年ほどで達成できたということは、羨ましい限りです。石川市長、ぜひ東予東部3市の市長で声を合わせて、共通テストを利用する大学でつくる連絡協議会へ要望を出していただけませんでしょうか、お考えをお聞かせください。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) 大学入学共通テストの受験会場についてお答えいたします。
本市への共通テスト受験会場開設誘致についてでございます。
東予東部3市による要望についてでございます。
愛媛大学にお伺いしたところ、共通テスト受験会場開設につきましては、新たな受験会場開設は困難であるとのことでございますが、生徒の身体的、精神的負担に加え、前泊に必要な交通費、宿泊費などの保護者の経済的負担の軽減にもつながることから、連絡協議会への要望提出については、高校及び高校PTAなどの関係者、西条市、四国中央市の御意見も伺ってまいります。
○議長(藤田豊治) この際、暫時休憩いたします。
午後 1時56分休憩
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午後 2時07分再開
○議長(藤田豊治) 休憩前に引き続き会議を開きます。
大條雅久議員。
○20番(大條雅久)(登壇) 小さい印刷ですけども(資料を示す)、昨年9月4日付の京都新聞のデジタル記事です。京丹後市をはじめ、2市2町の首長が、京都府立大学の学長室でそろって写真を撮られている記事が出ておりました。私も昨日教えられたもんですから、今朝市長にもお渡ししたばかりです。3市が足並みをそろえるのは、大変かと思いますが、玉井市長も篠原市長もきっと快く考えていただけるように思います。また、私や昨日の仙波議員の質問がきっかけで、高校のPTAの方々もえっと思われたかもしれません。ぜひ受験生に寄り添った対応、受験生を持つ親に寄り添った対応を考えていただきますよう、お願いをいたします。
平成16年災害の教訓とその後。
自治会自主防災組織。
自然災害の発生を阻止することはできません。しかし、災害を理解して、被害を予測し、対策を取って被害を軽減することは可能です。
そこで、対策を取る在り方としてよく言われるのが自助、共助、公助です。自分自身や家族で備える自助、地域で助け合う共助、行政が行う公助、災害対策の基本は、一人一人が防災意識を高め、自助の力を高めることだと思います。また、自分一人では対応できなくなったときに頼りになるのが共助です。そして、公助の手を円滑に被災者へ届けるためにも、共助との連携が欠かせないのではないでしょうか。災害が発生したときだけでなく、平時の地域住民と行政の連携、意思疎通が大事であると思います。
そこで、新居浜市も市内各地区での自主防災組織の結成や運営支援を進められてきたと存じます。現在の本市における自主防災組織の結成状況や活動状況はどのようなものなのでしょうか、お聞かせください。
砂防ダムの整備。
私が住む角野校区では、平成16年の豪雨災害を契機に、校区内の有志が話し合い、今後予想される大災害に備えるため、連合自治会や防災士の方々が中心となり、角野校区防災会を立ち上げ、同時に各単位自治会や地区単位の自主防災会が結成されています。校区全体の足並みが全てそろっているとまでは言えませんが、全国のモデルケースになる活動ではないかと自負しています。角野校区で現在進めている自主防災活動に、単位自治会ごとの防災マップの作成があります。単位自治会ごとの防災マップづくりを進めることで、より身近に災害時の備えについての気づきが浮き彫りになり、防災活動への理解が深まります。
そこで、角野校区内の山田自治会自主防災会が、令和2年2月に作成した自主防災マップから質問をさせていただきます。(資料を示す)本体は、A3のこの大きさなんですが、配付資料1、A4のサイズで配付していただいております。
平成16年の災害時、山田町や篠場町、西連寺町、山根町の住宅へ土砂を流出させた山の沢、谷川の防災対策、砂防対策は、全て完了したのでしょうか。できていること、できていないことをお示しください。
また、山田自治会防災会からは、林道加茂角野線の道路側溝の維持管理状況への不安をお聞きしています。この山田自治会防災マップの南側、山の中にある林道加茂角野線の道路側溝が、土砂で埋まったままでは、水の流れが予測不能になるとの不安です。林道の建設工事は、再開したと聞いておりますが、既存の部分の維持管理について状況をお聞かせください。
次に、資料2を見ていただくんですが、新居浜市総合防災マップ、2019年3月に作成したこの中から(資料を示す)、土砂災害リスクマップを抜き出したものです。これを御覧になれば、山田町、篠場町、山根町が土砂災害警戒区域の網にかかっていることが一目瞭然です。災害の中でも大雨や台風は、事前にある程度予測ができます。事前の避難準備とともに、場合によっては早期避難をすることもできると思うのですが、山田、篠場は、古くからの住宅地で、道が狭いです。特に南北に抜ける自動車道がなくて、難儀することが予想されます。以前から生活道路の拡幅や新道の建設が計画段階のままになっています。災害時の対応を切り口に計画段階で止まっている道の拡幅や新設を進めたいと思いますが、市も参画していただけませんか。建設部だけでなく、防災や福祉の分野の知見を結集して、地権者の方々の理解がいただけるような話合いの場を持ちたいと考えています。御答弁よろしくお願いいたします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。長井市民環境部長。
○市民環境部長(長井秀旗)(登壇) 平成16年災害の教訓とその後についてお答えいたします。
自治会自主防災組織についてでございます。
まず、結成状況につきましては、旧小学校区を含む18の小学校区全てで自主防災組織が結成されております。
また、単位自治会につきましては、現時点で把握している組織数は136で、その中には複数の単位自治会で一つの組織を結成しているケースもございますので、市内300の単位自治会のうち、174の単位自治会で自主防災組織が結成されている状況でございます。
次に、活動状況につきましては、避難、初期消火、煙、地震の体験、土のう作製、要配慮者の搬送、炊き出しなどの地域特性に応じた各種防災訓練、防災用品の使用方法の講習、資機材の整備と点検、マイタイムラインへの取組、出前講座や防災センターを活用した研修、地区防災計画の作成など様々な活動を展開し、防災・減災意識の高揚と地域防災力の向上を図られておられます。
○議長(藤田豊治) 宮崎経済部長。
○経済部長(宮崎司)(登壇) 砂防ダムの整備についてお答えいたします。
森林基幹道加茂角野線の維持管理についてでございます。
御案内のとおり、工事完了した区間は、市が維持管理しており、当該箇所約4.3キロメートルにつきましては、7月から12月までの期間内で2回の除草、側溝清掃、枝木剪定を実施しておりますが、台風等の大雨の都度、土砂が側溝に流れ込み、その対応に苦慮している現状でございます。
今後におきましても、土砂撤去も含め、適切な維持管理に努めてまいります。
○議長(藤田豊治) 三谷建設部長。
○建設部長(三谷公昭)(登壇) 角野校区の南側斜面の土石流危険渓流11渓流における防災体制の整備状況についてお答えいたします。
角野校区では、これまで愛媛県が施工する治山事業で整備されており、平成16年までに6渓流で整備が行われ、平成16年の豪雨災害以降に、新たに1渓流が整備され、また既に整備済みの3渓流では、施設の増強がされており、現在までに計7渓流で整備が完了しております。
なお、施設が整備された渓流では、土砂災害を軽減する効果が見込まれます。
未対策の渓流につきましては、愛媛県に確認したところ、山間部では土地の境界が確定しないなど用地の取得には時間を要する箇所が多くあるため、事業化に向けて調査を進めており、工事着手のめどが立った箇所から順次事業を進めていくと伺っております。今後も愛媛県と連携しながら、防災施設の整備促進に取り組んでまいります。
次に、避難経路の確保についてでございます。
山田町周辺の南北道路をはじめとして、多くの土砂災害警戒区域内の生活道路には十分な道幅がない箇所が多数あることは認識しております。迅速な避難を可能とするためには、避難路の整備は重要な要素の一つでありますが、狭隘な市道の拡幅には、時間と費用が多くかかり、また沿線の皆様の日常生活にも様々な影響を及ぼすことになります。
このようなことから、市道拡幅事業の実施に当たっては、土地所有者の御協力が得られるよう、自治会など地域の皆様で要望を取りまとめていただいております。
市内各所から市道の拡幅要望が多数寄せられている中、整備の優先度を判断する上で、生活の利便性向上や交通安全の確保に加え、避難路としての役割も考慮することとしております。
いずれにいたしましても、道路の拡幅には、土地所有者の承諾が不可欠でありますことから、今後も地域の皆様と連携を図り、効果的な整備に努めてまいります。
○議長(藤田豊治) 大條雅久議員。
○20番(大條雅久)(登壇) 今回の調査の際に、今日の質問に取り上げなかった面も出てきましたが、中には経済部が平成16年以来、土砂の撤去ができないままであったところを対応していただいたり、感謝しておりますが、渓流で言いますと残る4つ、山田東谷川、山田西谷川、東尻無川、尻無川、この4つの渓流についてまさに山田自治会が防災マップで示したこの地図の山側の沢そのものでありますので、ぜひ県と協力し合って、早い対応ができることを期待しております。
別子銅山産業遺産について。
新居浜のアイデンティティー。
石川市長が、令和5年度施政方針の中で述べられたとおり、私たちが住む新居浜市は、100年以上前の明治の時代に農作物を枯らす亜硫酸ガスの煙害に立ち向かい、元禄時代から続く銅山開発で緑の木々をなくした別子の山々に何百万、何千万本という木を植えてきた町、公害の最先端にあって、その公害を克服してきた町です。広瀬宰平が指揮した別子銅山の近代化、伊庭貞剛がなした混乱の解消と大植林活動、鈴木馬左也の統率力と積極性による経営の近代化、そして鷲尾勘解治翁が昭和2年に唱えた地方後栄策によって、銅山閉山後の50年たった今も瀬戸内工業地帯の一翼を担う工業都市として存在しています。しかし、優れたリーダーに恵まれただけで、今の工業都市新居浜が出来上がったわけではありません。優れたリーダーと共に、その理想を目標として着実に実現させていった数多くの市井の人々が、新居浜に集い、住み、仕事、役割を果たしてきました。そして、人々がそれぞれの生活を築いてきた町新居浜だからこそだと私は思います。私自身、自分のルーツを調べる作業を通して、今の自分が新居浜に住む理由が別子銅山にあることに気づかされた経験があります。私は、新居浜に住む、もしくは働く多くの人々のアイデンティティーが、銅山の歴史に重なると感じています。今回の所信表明にある石川市長の言葉も、別子銅山開発の歴史に誇りを持ち、その誇りを共有していこうとおっしゃっていると理解してよろしいのでしょうか。
新居浜の歴史を学ぶ観光。
この町には古来より多くの人が移り住み、生計を営んできました。その源が、古代日本と大陸との往還道である瀬戸内の海運であり、多喜浜の塩田開発、別子銅山の開坑であったと私は思います。末岡先生の文章を少しお借りしますが、21世紀に入り、今世紀は地球規模で環境を考える時代だと言われます。我が国で環境問題が公害として認識されたのは、今から100年以上前、明治30年前後のことです。栃木県の足尾鉱毒問題と愛媛県の別子煙害問題がその原点だと言われています。明治34年3月23日、足尾鉱毒事件を追及する田中正造は、第15回の帝国議会において、別子銅山では経営者の判断により、製錬所そのものが新居浜から瀬戸内の無人島四阪島に移されたと高く評価しました。以上、文章をお借りしましたが、この四阪島への製錬所移転を断行し、荒れ果てた別子の山々に植林をした一人の実業家が時の住友家総理事伊庭貞剛です。私は、大学時代に読んだ荒畑寒村著の谷中村滅亡史で、田中正造氏のことを知りました。あの田中正造が認め、たたえた煙害対策とその後の大植林活動は、日本の産業近代化の中ではある意味異色な存在だと思います。しかし、それは21世紀の私たちにとって、世界に誇れる新居浜の宝になっています。新居浜市の観光施策の柱には、田中正造氏が認めた煙害対策とその後の大植林活動を据え、物見遊山の観光の場ではなく、日本の近代化を支えた町、公害の最前線にあって、その公害を克服した新居浜の町の歴史を学び、知的好奇心を喚起する場所を意識した施設整備であってほしいと思います。
また、施設整備に併せて、新居浜の歴史を学習できるソフトや体感できる仕組みの充実を希望するのですが、市長のお考えをお聞かせください。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 別子銅山産業遺産についてお答えをいたします。
新居浜のアイデンティティーについてでございます。
本市のこれまでの発展は、誇りと自信を持ち、優れたリーダーと共に目標を着実に実現させていった数多くの市井の人々のかけがえのない努力により築かれた町であり、まさに市民一人一人の努力のたまものであると私も考えております。
特に鉱山町から工業都市へと変遷する時代に、鷲尾勘解治氏の提唱した地方後栄策と鷲尾氏と共に工都新居浜の礎を築いた初代新居浜市長の白石誉二郎氏をはじめ、鷲尾氏の意思を受け継ぎ、新居浜築港事業の完成、機械工業を立て直した三村起一氏、新居浜に化学工業の礎を築いた大屋敦氏などと共に多くの市民が新居浜のために汗を流し、工業地帯が形成されてきました。昭和12年の新居浜市市制施行、昭和15年の別子銅山開坑250年などの大きな節目の中で、煙害問題の完全解決、新居浜港が完成し、鉱山の町から工業都市新居浜へと飛躍を遂げていく勢いのある時代でした。まちづくりは人づくりです。長い時間をかけて町の歴史や景観がつくられ、伝承されることが重要です。我が国の産業革命の縮図である別子銅山の歴史を正しく伝え、その遺産の歴史的意義と先人の偉業をたたえる風土が、厚みのある地域づくりやシビックプライドの醸成につながるものであり、市民の皆さんが心の豊かさを実感できる、またその豊かさ、幸せを次の世代、新たな時代へ引き継いでいけるように、今後も鋭意努めてまいります。
次に、新居浜の歴史を学ぶ観光についてでございます。
市内の別子銅山産業遺産群の中でも多くが集積している端出場地区、マイントピア別子には、修学旅行や遠足、小学生の社会科見学先として複数の学校や団体が訪れておりますほか、今年度には住友各社の御協力により、SDGsセミナーを開催し、多くの高校生が参加したと伺っており、観光の側面に加え、歴史を学ぶ目的の場としての周知、利用が進んでおりますことは、大変有意義な活用がなされていると考えております。
市におきましても、この動きを積極的に後押しするため、別子銅山産業遺産体感ツアー造成事業により、旧端出場水力発電所を中心とした産業遺産の稼働当時の様子をAR技術により再現する体感コンテンツの制作を行いましたほか、市内に点在する産業遺産を学びながら周遊するツアーを官民連携事業として催行するなど、学びや体感ができるコンテンツの造成や発信に取り組んでおります。
今後におきましても、マイントピア別子にはもちろんのこと、住友各社をはじめとする市内の関係機関と連携し、訪れる方々の知的好奇心を満たすためのハード、ソフト両面の充実を図ってまいります。
○議長(藤田豊治) 再質問はありませんか。大條雅久議員。
○20番(大條雅久)(登壇) 私は、事務所に次世代に新居浜の誇りと自信を伝えたいと看板を出し、同時に先人から受け継いだ新居浜の宝をこれからも光輝かせて子供たちに残していきたいと掲げて20年来ました。まだまだやり残したこと数多くありますし、石川市長にはお願いしたい、頑張っていただきたいことがまだまだありますので、今後とも質問を続けていきたいと思いますが、本日の質問は以上で終わります。真摯な御答弁ありがとうございました。
○議長(藤田豊治) これにて一般質問並びに議案第15号から議案第27号までに対する質疑を終結いたします。
お諮りいたします。議案第15号から議案第23号までの9件については、24人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤田豊治) 御異議なしと認めます。
よって、議案第15号から議案第23号までの9件については、いずれも24人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決しました。
ただいま設置されました予算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第8条第1項の規定により、議長において正副議長を除く24人の議員を指名いたします。
議案第24号から議案第27号までの4件は、いずれも議事日程に記載のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第3 議案第28号
○議長(藤田豊治) 次に、日程第3、議案第28号を議題といたします。
提案理由の説明を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) ただいま上程されました議案第28号につきまして提案理由の説明を申し上げます。
議案第28号、新居浜市建築関係手数料条例の一部を改正する条例の制定につきましては、建築基準法等の一部改正に伴い、建築物の容積率の特例の認定等に係る手数料を徴収するため及び建築物エネルギー消費性能向上計画等の認定に係る手数料を改定するため並びに所要の条文整備を行うため、本案を提出いたしました。
なお、詳細につきましては担当部長から補足説明いたします。御審議よろしくお願い申し上げます。
○議長(藤田豊治) 補足説明を求めます。三谷建設部長。
○建設部長(三谷公昭)(登壇) 議案第28号、新居浜市建築関係手数料条例の一部を改正する条例の制定につきまして補足を申し上げます。
議案書の3ページから7ページを御覧ください。
なお、新旧対照表につきましては、参考資料の2ページから22ページまでに掲載しております。
本議案は、建築基準法等の一部改正に伴い、建築物の容積率の特例の認定等に係る手数料の徴収及び建築物エネルギー消費性能向上計画等の認定に係る手数料の改定を行おうとするものでございます。
主な内容についてでございますが、まず建築物の容積率の特例認定につきましては、建築基準法の改正により、住宅、または老人ホーム等に設ける機械室で、特定行政庁が認めるものについて容積率が緩和されることとなったことから、その認定に係る手数料を徴収するものでございます。
次に、建築物エネルギー消費性能向上計画等の認定に係る手数料の改定につきましては、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律及び都市の低炭素化の促進に関する法律の改正により、建築物エネルギー消費性能向上計画及び低炭素建築物新築等計画の認定の審査基準が追加されたことから、新たな審査基準による認定に係る手数料を徴収するものでございます。
なお、この条例は、令和5年4月1日から施行したいと考えております。
以上で補足を終わります。
○議長(藤田豊治) これより質疑に入ります。
議案第28号に対して質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤田豊治) 質疑なしと認めます。
議案第28号は、議事日程に記載のとおり、経済建設委員会に付託いたします。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
お諮りいたします。議事の都合により、3月3日から3月15日までの13日間、休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(藤田豊治) 御異議なしと認めます。よって、3月3日から3月15日までの13日間、休会することに決しました。
3月16日は午前10時から会議を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後 2時41分散会