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平成17年4月26日に駅前地区の地権者代表の方や交通事業者、公募市民の皆さんらでつくる「駅前広場等検討委員会」(加藤勝見委員長 外16名)から、駅前広場とシンボルロードの整備基本計画書が佐々木龍市長に提出されました。
報告書は、「あかがねの恵み・新居浜の創造」をテーマとし、別子銅山の歴史をほうふつさせる物語性のあるまちづくりを市民の皆さんと共に進めることなど、盛りだくさんの提案となっています。
今後は、市といたしましても報告内容を尊重し、事業を推進していく方針です。
バス・タクシー・一般車の乗降場が適正に配置された「交通広場」と、訪れる人々にもてなしの心や新居浜らしい第一印象を与える「人の広場」からなる、駅前広場のイメージ図です。
駅前広場から高木交差点までは、幅員27mのシンボルロードとして整備します。
広い歩道幅員(7.75m)を活かし、鉱山鉄道をイメージした舗装デザインや、高木・低木の植栽、モニュメントなどを設置し、歩いて楽しい空間を演出します。
新居浜駅前土地区画整理事業駅前広場等検討委員会は、新居浜市の依頼により、平成16年9月の第1回検討委員会開催以降、これまで4回にわたり、駅前広場とシンボルロード(新居浜駅港町線)の具体的整備に向けた検討を重ねて参りました。この度、その検討結果を「駅前広場・シンボルロード整備基本計画報告書」として取りまとめましたので、ご報告いたします。また、報告に際しまして、検討委員会に携わった多くの人々の熱意と協力に心からの敬意と謝意を表すとともに、引き続き市民の皆さんの参加と協力を得て、すてきなまちづくりが実現されることを切に願うものであります。
平成17年4月
新居浜駅前土地区画整理事業 駅前広場等検討委員会 委員長 加藤 勝見
瀬戸内運輸(株) | 越智 功 | 西条地方局建設部 | 松森 幹夫 |
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四国旅客鉄道(株) | 四之宮 和幸 | まちづくり協議会専門部会 | 神野 和史 |
新居地区旅客自動車協同組合 | 三好 當浩 | 地権者代表(石川旅館) | 石川 テル子 |
新居浜警察署 | 赤瀬 克己 | 地権者代表(マルニ観光) | 徳永 須美子 |
住友化学工業(株) | 松木 敏幸 | 新居浜商工会議所 | 西坂 嘉人 |
愛媛県建築士会 | 佐々木 世希 | 公募委員 | 徳永 和史 |
公募委員 | 前原 和子 | 公募委員 | 藤田 ミエ |
市職員 | 渡邊 哲郎 | 市職員 | 森賀 盾雄 |
協力:(社)愛媛県建築士事務所協会東予支部
JR新居浜駅周辺については、上位計画である第四次新居浜市長期総合計画(平成13年6月)、新居浜市都市計画マスタープラン(平成13年6月)、新居浜市中心市街地活性化基本計画(平成11年3月)において、新都市拠点として位置づけており、魅力ある交流連携のまちづくりをめざし、その第1段階として、新居浜駅前土地区画整理事業が平成10年4月に事業着手されました。
駅前広場・シンボルロード整備基本計画(以下、「本計画」という)は、新しい拠点づくりをめざすJR新居浜駅周辺地区において、新居浜駅前土地区画整理事業によって整備される駅前広場とシンボルロード(新居浜駅港町線)を対象として、より具体的なまちづくりについて検討を行い、その整備方針を取りまとめたものです。なお、本検討委員会で確定できなかった事項については、基本的な方向づけを示しており、具体的な方針は今後の取り組みに委ねています。
駅前広場やシンボルロードは、「交通空間」としての役割を持つ一方、買い物客や待ち合わせなどの人々の交流や都市景観を創造するなどの「環境空間」としての役割を担っており、これらに対応した施設を適切な内容と規模で計画する必要があります。
このため、本計画の策定に当たっては、新都市拠点としての要請、新居浜市の玄関口としての役割の認識、都市景観への配慮、安全・快適な交通空間の確保、福祉への配慮を重視して検討を行いました。
また、公共施設の計画・設計に当たっては、次の要件を考慮しました。
長年の使用に飽きられない「永続性」
市民共有の財産としての「公共性」
歴史・文化、自然の生態系、周辺施設に調和する「環境性」
新居浜市のシンボル空間にふさわしい沿道の街並みとの一体的な整備
新都市拠点にふさわしい交通形態の整備
すべての人々が快適に気持ちよく通行し、かつ憩える空間としての駅前広場や歩道の整備
住む人が親しみ、訪れる人が魅力を感じる交流の場の形成
別子銅山の歴史と文化が息づく空間づくり
新居浜市の玄関としての顔づくり
やすらぎやうるおいが感じられる環境づくり
別子銅山の歴史と文化が息づく空間づくりとして、変化に富んだ魅力的な街歩き(回遊)の場とするため、別子銅山に関連する施設のループ化を図る。別子銅山開坑以来の歴史をほうふつさせる物語性を表現する。
駅前広場とシンボルロードの連続性を確保するため、植栽、舗装デザイン(材料、模様、色彩等)等による一体感の演出を行う。
新居浜市の玄関としての顔づくりとして、安全・快適な乗り換え動線の確保、JR新居浜駅への見送りなど短時間駐車を必要とする一般車へ対応するため、所要の一般車駐車場を確保する必要がある。このため、駅前広場に接する公有地の活用を図る必要がある。
駐輪場は、駅との近接性に配慮する必要があり、行政とJRとの協力のもと、整備する必要がある。なお、長期的には、駐車場・駐輪場共に、鉄道高架下空間の利用による整備に努める必要がある。駅前広場のうち、憩い・集い・語らいの場である人の広場は、広くゆとりを感じさせ、新居浜らしい第一印象を与える空間とする。トイレなどの公共的施設を設置する場合は、歩行者動線の支障とならない位置に設置する。
また、既存の交番については、駅前広場に接する公有地への設置も含めた検討が必要である。JR新居浜駅周辺は、現在の中心商店街等の集客重心とは離れているため、わざわざ出向いてくる人々の期待に応える魅力づけが必要であり、にぎわいの演出ができる整備や特色ある商業施設等の導入が必要である。
やすらぎとうるおいが感じられる環境づくりとして、緑陰でいやし空間を創出、高齢者と若者、歩行者と車の共存するため、誰にとっても移動しやすいまちづくりを進めるため、有効幅員の確保、歩きやすい仕上げ、段差・階段がない通路整備、視覚障害者誘導用ブロックの設置に努める。
基本計画を実現するためには、市民との協働により、次の取り組みを行う必要があります。
計画の公表と「まちづくり」から「まちづかい」への取り組みが期待されます。
バブル崩壊後の経済状況や新居浜市の潜在能力から見て、目標とするまちづくりを実現するためには、長期的・段階的な取り組みを行いながら、目標に近づけていく必要があります。
このため、土地の一時的利用を行いながら、機が熟するのを待って、本格的な土地利用に移行していく等の柔軟な取り組みを行う必要があります。
本計画実現のため、ルールによる規制、誘導等に積極的に取り組む必要があります。
駅前広場は、交通結節点として乗り継ぎを円滑かつ効率的に行えるよう、交通事業者等による公共交通サービスの改善に向けた取り組みが期待されます。
新居浜駅港町線は、新居浜駅から惣開(工場前)への最短経路として先人が計画したものであり、金子橋(商工会議所南側)付近や、別子銅山記念図書館(泉寿亭跡)付近に、その名残が見えます。
また、本年は、四阪島製錬所が明治38年(1905年)に操業を開始してから100周年の節目に当たり、このような報告ができることをうれしく思います。
こうした中、今後も、市民の皆さんとの協働により、新居浜市発展の足跡をしのぶことができる駅前広場・シンボルロードが整備され、「あかがねの歴史」が語り継がれることを望みます。
検討委員会の方々や広く市民の皆様のおかげでこの様に立派な報告書が出来上がりました。この整備基本計画に沿って今後事業を推進してまいりたいと思います。またこの報告書を、出前講座等を活用し、広く皆さんにお知らせして参りますので、皆さんお気軽に、区画整理課までご連絡下さい。
尚、シンボルロードにつきましては平成17年度から工事着手し、駅前広場は平成22年度の予定です。