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制度が開始になった10月から、「あなたの個人番号を教えて欲しい」、「個人情報を調査する」などといった不審な電話に関する相談が全国の消費生活センターに寄せられています。
マイナンバー(個人番号)は年金、税の申告などで記入が必要になり、手続きの際にマイナンバーのカードを持参していないと不便な場合があります。しかし、関係のない機関や職場などがむやみに提出を求めることや不用な記録を残すこと、また自分が不用に情報を提供することも法律違反として、罰則規定があります。個人番号カード・通知カードは、自分の運転免許証や通帳、印鑑と同じように大切に保管することが犯罪に巻き込まれないポイントでしょう。
不審な電話、来訪があったときは、消費生活センターへご相談ください。
〈国民生活センターに寄せられた不審電話の内容〉
●早くカードを作る手続きをしないと刑事事件になる。
●あなたのマイナンバーを管理します。
●マイナンバー制度導入に伴い、個人情報を調査中です。家族状況やあなたの資産などをお聞かせください。
「光回線の契約を切り替えませんか?」という電話勧誘に心当たりはないでしょうか。消費者にしてみれば「電話代や光サービスの通信費が安くなります」と聞いたはずが、通信事業者が変わることで違約金が発生したり、切り替えた後のプランの説明が曖昧で、「請求書が届いて初めて内容を知った」、「元の方が安かった」、「分からないプランに入っている」などの苦情が寄せられています。
勧誘する側は、あなたの契約内容や利用状況を熟知した上で勧めているわけではありません。今の通信費が高いと感じている人も、そうでない人も、光サービスの変更で何がどう変わるのかを納得してから、勧誘に耳を傾けても遅くないと思います。また、これらの電話勧誘は、通信契約はクーリングオフができないようになっていますし、電話での承諾で契約したとみなされます。
インターネットを利用している家庭では、プロバイダの変更も必要な場合があります。利用していたプロバイダの契約解除をしなければ、二重契約となってしまいますが、この手続きを通信事業者は代行してくれません。どこにどうやって連絡すればよいのか分からないということもあるでしょう。
解約する場合、違約金が発生することもあります。料金が安くなるからと誘われるままに契約すると、回線速度が以前より遅くなることも考えられます。光サービスには、さまざまな事業者が介入し、それぞれが多種多様なプランを展開しています。じっくり比較検討しましょう。
コンビニなどで、音楽やゲームなどのコンテンツを購入するためのカードが売られているのを見た覚えはありませんか。これは、サーバ型プリペイドカードという電子マネーです。あなたがコンビニで5千円の電子マネーを買えば、このカードに書かれたID番号を使って買い物をすることが可能になります。このような現金払いの代わりに利用できる電子マネーを悪用したトラブルが生じています。
相談事例
身に覚えのない請求のメールが来て、覚えがないと電話したが、支払うように言い含められ、2万5千円分のプリペイドカードをコンビニで購入するよう指示された。購入後はID番号をFaxで相手に送った。後になって、詐欺と気付き、カードの管理会社に連絡したが、すでに全額使われていた。
電子マネーの場合、ID番号が分かれば誰でも使うことができます。
詐欺業者は、あなたからID番号を聞き出すと、すぐに電子マネーの残額を使ってしまいます。そのため、あなたが気付いたときには残額が残っていないことがほとんどで、被害回復が困難です。
相手から指示されても、プリペイドカードを購入したり、そのID番号を伝えることは絶対にしないようにしましょう。
【今回限り無料】、【お試し】、【初回のみ限定価格】という言葉と大きな文字で、安価な表示価格が掲載されている広告が目につきます。
健康食品や化粧品のように、長期の継続的な使用が前提にある効果をうたうものに多く見られます。「高い値段の商品をいきなり購入するのは気が引けるが、この値段なら試してみたい」という気持ちになるのは人間心理でしょう。
しかし、初回○○円!と大きく表示された金額の下には小さな文字で、“ 次回からは通常価格の●●円となります。” と本来の価格と注意書きが表記されていることも多く、サービス価格で購入するのはあくまでも継続が前提という場合も少なくありません。購入中止の連絡をしない限り、翌月から正規価格で自動契約の状態になることもあります。この説明表記に気付かず「注文をしていないのに送られてきた」というトラブルになりかねません。
企業側としては顧客情報として、購入者の地域性、年齢層など情報が欲しいわけですから『無料で商品を提供する』というのは消費者の住所、氏名、生年月日、職業などの情報入手のための交換条件とも言えるでしょう。個人情報は、自ら提供することによって流出のきっかけとなることも多いと、認識してください。また、購入してからではなく、購入する前に問い合わせるなどして、契約トラブルにならないよう行動しましょう。
今年4月から導入された「機能性表示食品制度」は、事業者が消費者庁に表示内容などを届けてから60日後には販売できるものです。商品を売り込む側からすれば、消費者の気持ちをつかむための表示が許可されることにもなりますので、多くの商品が出回ることになるでしょう。
保健機能食品:機能性の表示ができる。
1)特定保健用食品(トクホ) 国の審査と許可が必要で、トクホの許可を得るための事業者の負担は大きく、申請後1年あまり掛かります。1991年に導入され、「歯を丈夫で健康にします」、「おなかの調子を整えます」などの表示ができます。
2)栄養機能食品 ビタミンやミネラルなどを含む補給・補完を目的として利用できる食品に「カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素」などの栄養成分の機能表示のみできます。
3)機能性表示食品☜New
生鮮食品を含むすべての食品が対象で、事業者の責任で表示が可能です。事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠を消費者庁長官に届け出れば、60日後には販売できます。
表示には、一日に摂取する目安や摂取方法の注意事項のほか、疾病のある人や未成年、妊婦などの特定した人を対象に開発された食品ではないという記載がされます。より詳しいことを知りたい場合は、消費者庁のホームページ(http://www.caa.go.jp/<外部リンク>) で安全性や機能性の根拠など事業者が届け出た情報が公開されています。
親元を離れて暮らす学生、新社会人の皆さんへ
【新聞の勧誘】
日本で一世帯あたりの新聞講読部数は2000年1・13部(スポーツ紙含む) から2014年0・83部と、年々減少傾向にあります(日本新聞協会調べ)。そのため、各新聞社の販路拡大のための勧誘競争が激化し、中には強引な契約などのトラブルも発生しやすい状況です。契約期間に定めのある契約は消費者の都合で一方的に解約できるものではありません。また、断っているのにしつこい勧誘や高額な景品を提供する勧誘を受けたときは、新聞公正取引協議会(☎089‐945‐1260)に相談しましょう。
【テレビの受信料】
テレビという家電ばかりが受信料の対象ではありません。テレビを見られるスマホや携帯電話、パソコンを所有しているなど、テレビ本体が無くても受信できる環境に住んでいれば、受信料の支払い義務が生じます。(放送法第64条)
【賃貸住宅】
契約書に退去に係るクリーニングや畳替えなどが明記されていると、契約の効力が有効となりますので、十分に契約書の内容を確認することが必要です。
✿出前講座のお知らせ
消費生活センターでは、悪質商法、多重債務、還付金詐欺などに関する出前講座を年間30件余り行なっています。地域住民や職場などの団体での勉強会にご利用ください。