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ニホンザルは、新居浜市の山林ほぼ全域(大島、垣生山など一部地域を除く)に生息している、身近な野生動物です。
かつては山奥のみに生息していましたが、耕作放棄地の増加、里山の荒廃により生息域を拡大しています。
ニホンザルは、記憶力が高く、場所や事柄を覚えて行動を決定します。そのため、後に述べる「追い払い」により、危ない、怖いと学習させることでニホンザルが寄り付かなくなります。
ニホンザルの食性は雑食性ですが、主に植物を食べます。夏場の自然界は木の実や新芽などのニホンザルの食糧となる植物が少ない時期で、農作物など人間の食べ物は貴重な食糧となります。また、ニホンザルは執着心が強いという特徴があり、一度人間の食べ物の味を覚えると、再度同じ場所に出没するようになります。
さらに、ニホンザルは運動能力が高く、握力とジャンプ力を生かして木や屋根の上に登りすばやく移動します。ニホンザルから農作物を守るためには、イノシシ用のワイヤーメッシュ柵の上部に電気柵を取り付けた「複合柵」を用います。
野生動物の多くに言えることですが、性格は臆病です。野生化では人の気配に気づくと恐れて逃げていき、理由もなく危害を加えてくることはありません。ただし、出会い頭の場合、もしくは人間は怖くないと学習し人慣れしたニホンザルは攻撃的な行動をとることがあります。
ニホンザルは10~数十頭の群れをつくり、一定範囲を移動しながら暮らします。
完全な昼行性であり、日の出から日没まで行動し、夜間はねぐらで固まって過ごします。そのため、目撃・被害は日中に限られます。
また、ある程度成長したオスは群れを離れ、ほかの群れに合流します。群れから離れた個体を「ハナレザル」といい、群れでいるときに比べ移動範囲は広くなり、移動速度は上がります。生息域でない地域や市街地に現れるのはこのハナレザルであることが多いです。
ニホンザルとの距離が遠いときは、音を鳴らすなどしてアピールしましょう。ほとんどの場合、人間の存在に気付いたニホンザルは、自ら距離をとってくれます。急に走ったりして、ニホンザルを興奮させないようにしましょう。
ニホンザルとの距離が近いとき、またはニホンザルが逃げない場合は、刺激しないようゆっくりと距離をとってください。ニホンザルが逃げ切れると感じる距離になれば、ニホンザルの方から距離をとってくれます。このとき、後ろを向いて逃げると、ニホンザルがついてきてしまうことがあります。また、直接目を見ると攻撃の合図になってしまいます。直接、目を見ないようにしつつ視界にとらえたまま後ずさってください。
まずは、ニホンザルの隠れ家や通り道となる田畑や空き地の雑草・雑木を刈りましょう。次に、ニホンザルに餌を与えたり、餌になるものを放置しないようにしましょう。農地の近くに捨てられた規格外の野菜やひこばえ(二番穂)は、人間にとって価値はなくても、ニホンザルにとってはおいしい餌となります。くわえて、放任果樹も木登りの得意なニホンザルにとっては格好の的です。収穫しない場合は、思い切って伐採することもひとつの手です。
農作物の食害は、人間にとっては被害ですが、ニホンザルにとっては餌付けです。餌付けられたニホンザルは、生存力、繁殖力があがります。
さらに、前述した執着心の強さと記憶力の高さにより、一度餌の味と場所を覚えてしまうと被害を防ぐのは困難になります。最も効果的な対策は「予防(食べさせないこと)」です。
農作物被害を防ぐための防護柵を設置する際、資材購入費の一部を補助する制度があります。詳しくは、こちらのページをご覧ください。
ニホンザルは、積極的に追い払いましょう。人間の生活エリアを「怖い場所」と記憶させることで、人間の生活エリア内に侵入しにくくなります。個々人ではなく「地域ぐるみで」「継続的に」行うとより効果が高まります。音を鳴らす、石を投げる、駆逐用煙火やロケット花火を使用する、などの方法で追い払いましょう。その際は、安全を第一に十分距離を保つことに気を付けてください。
農林水産課窓口にて、ニホンザル駆逐用煙火、及びロケット花火の配布をしています。駆逐用煙火については事前に安全講習を受けていただく必要があります。詳しくは、こちらのページをご覧ください。
ニホンザルが、ケガなどで動けなくなっている場合は、新居浜市農林水産課または新居浜警察署までご連絡ください。