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イノシシは、新居浜市の山林ほぼ全域に生息している、身近な野生動物です。
かつては山奥のみに生息していましたが、耕作放棄地の増加、里山の荒廃により生息域を拡大しています。
ちなみに、イノシシを家畜化したものがブタになります(生物的にイノシシとブタは同種です)。
イノシシに対して、「猪突猛進」なイメージをもつ方が多いですが、本来の性格は憶病です。
イノシシをはじめ野生鳥獣にとっての最大の敵は、人間です。人間に追い詰められたイノシシは、生存のために猪突猛進な行動をとることがありますが、野生下ではそのような行動をとることはありません。
また、発達した脳をもつため、嗅覚・視覚・聴覚で知覚した情報を記憶して、行動を決定します。今まで安全であった場所を記憶して繰り返し通ることにより獣道ができます。さらに、イノシシは本来、人間と同じ昼行性(昼に活発に活動する)であることが分かっていますが、人間の生活エリア付近では、イノシシの最大の敵である人間の少ない時間帯を記憶して、行動パターンを変化させます。
記憶して行動パターンを決定するため、匂いや音による追い払いは、危険ではないと判断されると、効果がなくなります。
イノシシの性格・習性についてはこちらの動画をご覧ください。
イノシシとの距離が遠いときは、音を鳴らすなどしてアピールしましょう。ほとんどの場合、人間の存在に気付いたイノシシは、自ら距離をとってくれます。石を投げたり、急に走ったりして、イノシシを興奮させないようにしましょう。
イノシシとの距離が近いときは、またはイノシシが逃げない場合は、刺激しないようゆっくりと距離をとってください。イノシシが逃げ切れると感じる距離になれば、イノシシの方から距離をとってくれます。このとき、後ろを向いて逃げると、イノシシがついてきてしまうことがあります。また、直接目を見ると攻撃の合図になってしまいます。直接、目を見ないようにしつつ視界にとらえたまま後ずさってください。
まずは、イノシシの隠れ家や通り道となる田畑や空き地の雑草を刈りましょう。次に、イノシシに餌を与えたり、餌になるものを放置しないようにしましょう。農地の近くに捨てられた規格外の野菜や、ひこばえ(二番穂)は、イノシシにとって命を繋ぐためのエサとなります。
農作物の食害は、人間にとっては被害ですが、イノシシにとっては餌付けです。餌付けられたイノシシは、生存力、繁殖力があがります。
農作物被害を防ぐための防護柵を設置する際、資材購入費の一部を補助する制度があります。詳しくは、こちらのページをご覧ください。