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平成20年4月1日から建築基準法12条第1項および第3項に定める定期報告制度における調査・検査の項目、方法および判定基準並びに報告書等の様式が変更となりました。
(1)定期調査(検査)の項目、方法、基準の明確化
定期調査・検査の業務基準、日本工業規格の検査標準の建築基準法上の位置付けを明確にするため、建築基準法施行規則の一部を改正し、国土交通大臣が定める項目ごとに国土交通大臣が定める方法により調査(検査)を行い、国土交通大臣の定める基準により改めるの必要性等を判断することになりました。 具体的な調査(検査)の項目ならびに項目ごとの調査(検査)の方法、改めるの必要性等の判断基準は、特殊建築物等、昇降機、遊戯施設、建築設備ごとに告示で定めることになりました。 判断基準については、安全に係るもので、かつ劣化、損傷が安全性に影響を及ぼす項目については、原則として「指摘なし」、「要重点点検」、「要改める」の3段階、それ以外の項目は、「指摘なし」、「要改める」の2段階となりました。
要重点点検
次回の調査・検査までに「要改める」に至る恐れが高い状態であり、所有者等に対して日常の保守点検において重点的に点検するとともに要改めるの状態に至った場合は早くに対応することを促すもの。
要改める
修理や部品の交換等により改めるすることが必要な状態であり、所有者等に対して改めるを促すもの
(2)報告内容の充実
定期報告の内容を充実し、報告を受けた特定行政庁が適切な措置を講じやすくするため、建築基準法施行規則に定められた定期調査(検査)の報告書の様式の一部を改正し、所有者、検査者、調査(検査)対象の概要、検査結果の総評等について記載する報告書に、特定行政庁が必要と認めて規則で定めた書類を添えて報告するようになっている現行制度を以下のように見直されました。
1.昇降機と遊戯施設で同じ様式の報告書を用いていましたが、これをそれぞれ定めました。
2.定期調査(検査)において項目ごとに調査・検査をした資格者を明記するとともに、代表する立場の資格者が明確になるようにしました。
3.調査(検査)の結果指摘のあった項目に対する改善に関する事項および前回の検査以降に発生した不具合に関する事項等を追加しました。
4.定期調査(検査)の成績表・検査表を様式に追加し、全国一律に義務付けられました。
5.必要な調査(検査)項目について、写真や試験結果の概要等の資料の添付が義務付けられました。
また、調査(検査)の対象となる特殊建築物等、昇降機、建築設備の利用者がそれらの維持保全の状況をより詳細に知り得るようにするため、建築基準法施行規則に定められている報告概要書(閲覧対象)の様式の一部を改正し、調査(検査)の結果指摘のあった項目に関する事項、不具合に関する事項等を追加されました。