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「猫が庭に入って糞尿をして困っている」、「猫が家の敷地内で子猫を産んだ」といった連絡が市役所に多く寄せられています。しかし、猫には犬のような登録制度や放し飼いを制限する法律がないため、市役所では猫の駆除・捕獲はできません。
猫は自分にとって快適で安全な場所を好みます。猫にとって快適で安全な場所とは、「人の出入りが少なく、番犬もいない静かな場所」、「気持ちよく排便ができるための、やわらかい土や砂、芝生等がある場所」、「エサをさがし歩かなくても簡単にもらえる場所」です。
猫がお宅に入ってこないようにするためには、上記のような条件に当てはまらない、猫にとって居心地の悪い環境を作る必要があります。しかし、実際に環境を変えるのはなかなか難しいことだと思います。
そこで、以下にご家庭でできる猫除け対策の一部をご紹介いたします。猫除け対策は、猫との根比べです。様々な方法を試してみてください。
※猫除け対策は、ご自身の敷地内で行ってください。
※猫による個体差があり、効果があらわれないこともあります。ご了承ください。
※周辺環境には十分に配慮し、近隣トラブルが起こらないように注意してください。
猫が嫌う臭いや成分によって、猫が近づきにくくする方法です。猫の糞尿のある場所、通り道に使用すると効果があります。しかし、猫は縄張り意識が強く、中々気に入った場所から離れないので、効果があらわれるまで根気強く繰り返し対策を行ってください。
対策 |
使用方法・参考事項等 |
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市販の忌避剤 |
ペットショップ、ホームセンター等で販売。効き目は猫による個体差が大きい場合がある。 |
ハーブ等の植物を植える |
猫の嫌がる臭いのするハーブ等を植えた鉢植えを置く。(※ゼラニウム、ユーカリ、ローズマリー、レモングラス等) |
食用酢 |
容器に入れるか、スポンジや布に浸み込ませて置く。2倍から10倍に水で薄めたものを毎日噴霧する。 |
お米のとぎ汁 |
とぎ始めの濃いとぎ汁を毎日撒く。 |
木酢液 |
園芸用肥料としてホームセンター等で販売。使用法は食用酢と同様。 |
生ニンニク・唐辛子 |
細かくきざんだものを撒くか、ネットに入れて吊るす。 |
コーヒー粕、茶殻 |
コーヒーやお茶を淹れた後の粕を散布する。(※乾燥したら新しいものに交換) |
みかん等の皮 |
柑橘類の皮を撒く。柑橘系の香りのする薬品でも代用可能。(※乾燥したら新しいものに交換) |
コショウ、カレー粉等の香辛料 |
そのまま猫の通り道や糞尿があった場所に散布する。 |
※臭いの忌避剤は効果の短いものが多いので、こまめに繰り返し使用してください。
※猫は縄張り意識が強く、わざと臭いの上に糞尿をすることがあります。繰り返し忌避剤を使用することによって、居心地の悪い場所だと思わせましょう。
※数週間忌避剤を使用しても効果がない場合、猫が慣れている可能性があります。他の忌避剤も試してください。
※化学薬品などは化学物質過敏症など健康被害の誘因となる可能性があるので、使用に際してはご注意ください。
猫の侵入口となる門や塀・壁の上に猫が歩きづらくなる形状の物を置き、物理的に猫が入ってきづらくする方法です。人が転んだり、怪我をしないように気を付けて設置してください。また、水を入れたペットボトルを置く方法は火災の原因となるので控えてください。
対策・障害物 |
使用方法・参考事項等 |
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水 |
水をホースで大量に撒く。(※猫は濡れるのを嫌がります) |
砂利 |
大きめで角のある砂利を敷き詰める。猫の大きさによっては砂利が小さいほうがいい場合もあるので、効果がなければ小さめの砂利も試す。 |
灰 |
ホームセンターや園芸店で販売。猫の通り道などに散布する。 |
粘着テープ |
ガムテープや両面テープを粘着面を上にして固定する。粘着力が落ちたら交換する。 |
枯れ枝 |
猫が花壇などを掘り返す場合に使用。敷き詰めることで掘り返しを防止する。 |
とげとげシート |
ホームセンターや園芸店で販売。猫が飛び越えられないように設置位置を調整する。 |
目の細かい網 |
猫が歩く際に爪が引っかかって歩きづらくなる。 |
上記2つの方法とは異なり、猫が敷地内に来たときに追い払う方法です。
対策 | 使用方法・参考事項等 |
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超音波機器 |
ねこが高音域の聴覚に優れている特長を利用し、超音波の発生する機器を設置する。人にはほとんど聞こえないが、猫には大音量で聞こえる。 |
ブザー |
遠隔操作式のものやセンサー付きのものが防犯コーナーに販売されている。猫が通過するときに鳴らすと警戒して近寄らなくなる。 |
※猫によって効き目には個体差があります。また、年老いた猫や耳の悪い猫には効果が薄い場合があります。
※縄張りを守りたい猫はあえて機器の前に居座り、糞尿をすることがあります。その場合は機器の位置を変えて根気強く使用してください。
家の中は猫にとって最も安全ななわばりです。猫に快適な環境を用意し、猫を室内で飼うように努めましょう。
猫の室内飼いには以下のようなメリットがあります。
詳しくは下記ファイルをご覧ください。
猫は室内で飼いましょう(環境省) [PDFファイル/485KB]
猫は室内で飼おう(環境省) [PDFファイル/2.22MB]
猫に快適な室内環境を用意しよう [PDFファイル/782KB]
猫は多くの人々に愛される動物であり、法律でも愛護動物としてむやみに傷つけることを禁じられています。虐待に値する行為をすれば法律で罰せられることにもなりますので、猫を傷つけるような猫除けは絶対にしないでください。