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平成27年度 第3回市政モニター会議 議事録
●日 時 平成27年9月18日(金曜日)9時30分~12時00分
●場 所 新居浜市総合文化施設「あかがねミュージアム」
JR新居浜駅周辺設備(現地視察)
●出席者 (市政モニター)15名
(新居浜市)総合文化施設管理課長
新居浜市美術館長
都市計画課副課長、駅周辺整備係長、主事
(事務局)秘書広報課長、広聴係長
●欠席者 (市政モニター)3名
●会議内容
~移動バス内~
*秘書広報課長あいさつ
~「あかがねミューージアム」 1F屋内ステージ~
*総合文化施設管理課説明 「新居浜市総合文化施設について」
【総合文化施設管理課長】
こちらで施設の概要を少しご説明した後、美術館長の方から美術館の今後の活動等についてお話しさせていただき、その後施設見学に移りたいと思います。
「あかがねミュージアム」は、この7月18日にオープンいたしました。本施設の大きな特徴として、3つの銅板葺きの半円筒の建物がつながった外観となっており、これは、別子銅山の山並みをイメージしたものです。吹き抜けから見ていただけるとおり、2階に美術館、1階に屋内外ステージと創作活動スペース、地下に多目的ホール、と3つの大きな機能を持った施設です。また、建設にあたっては「創る・学ぶ・育む」という3つの大きなテーマを掲げまして、この3つのテーマが外観からイメージされる、そのような建物となっております。
本施設は四方ともすべて道路に接していますが、どちらからでも入って来て気軽に交流していただける施設を目指して、出入口も四方に設けています。美術館と言いますと、襟を正して静かに観賞するようなイメージがありますが、新居浜で初めての本格的な美術館であり、駅前のにぎわいづくりのための建設ということもありまして、普段に駅を利用する方が通り抜けをしながら美術館にも寄る、というような「生活の中にある文化施設」を目指して建設してまいりました。四方どちらから入っても、真ん中にこの大きな吹き抜けがあり、複合施設である本館のそれぞれでどんなことをしているのかが一望できるようになっています。ここを「まちの広場」として、皆さんが買物途中に立ち寄ってお話をしたり、駅を利用している高校生たちが待ち合わせをしたり、そんな場所になってほしい、様々なジャンルの方に、例えば音楽を演奏したり講演などをしていただいて、それを立ち寄った皆さんに「こういうこともしているんだ」と見ていただける、という本当に大きな意味での複合施設として、交流と文化の創造・発信の場となればと考えております。そして、新居浜は「ものづくりのまち」であります。特に子どもたちはそうですが、理科には興味があるけど絵には興味がない、またはその逆、ということがありますが、例えば絵を描こうとしたら、絵の具や筆、キャンバスが要る、という訳で、実は工業製品が芸術を支えているという側面がある訳です。そこで、理科や科学に興味がある子どもが、自分の興味がある分野は、絵や芸術などの分野を支えているのだ、ということを理解できるように、色んな分野、色んな思いをお持ちの方にここで交流していただく、というのが私たちの目標です。まだ、スタートしたばかりではありますが、そういったことを念頭に置いて運営をやっていきたいと考えています。
最後に、設備的なことを申しますと、新居浜は地下水が豊富ですので、地下水を熱源として館内の空調に利用しております。また、外には、土木用語で蛇篭(じゃかご)と言う石を詰めた網を掲げていますが、それを外に設置することで建物に直射日光が当たるのを防いで、館内の温度変化をなるべく少なくしようとするものです。このように、エネルギーをなるべく節約し、環境負担を増大させないことを目標として建設させていただいています。施設の概要は以上のとおりです。
~「あかがねミュージアム」 1F創作スペース~
【総合文化施設管理課長】
この「あかがねミュージアム」は、条例上の話で申し上げますと、新居浜市総合文化施設と新居浜市美術館という2つの施設の総称です。もともと建設時には、全体を総合文化施設と呼んでおりましたが、非常にわかりにくいということで、愛称を募集し、全体を「あかがねミュージアム」として皆さんにご案内している状況です。
美術館部分は新居浜市が直接に企画運営をしておりますが、美術館以外については、指定管理者制度を導入して、市に代わって三者の企業運営体である運営グループに運営していただいています。
それでは、これから美術館長の方から、美術館の活動について少し説明させていただきます。
【美術館長】
本日はお忙しい中、ご来館をありがとうございます。概略は既に課長の方から説明いたしましたが、これから美術館について少し説明させていただきます。
さて、私が初めに新居浜というまちで美術館をつくるということを聞いた時、本当に驚きました。と言いますのは、今は文化施設、特に美術館は非常に厳しい状況に置かれています。1970年代、80年代には全国でたくさんの公立美術館が建設されるブームがありましたが、ちょうどそれから20年30年が経ちまして、建物はもちろん老朽化し、ほとんどの美術館がコレクションの購入費はゼロ、学芸員も市役所や県庁に戻されている、という状況です。また、多くの美術館が指定管理者制度を導入されております。これらは言葉が悪いですが、行政にとって美術館は非常に重荷になってきているということだと思います。ところが、一方で、80年代半ばに建設された富山県立近代美術館が新幹線の駅の近くに新築移転する、という話もあるように、私はこれから第二次の美術館ブームがくるのではないかと思っており、またこの美術館がその先頭を切っていきたいと考えております。
新居浜でもかつて賑やかだった商店街が非常に寂しい状況になっているように、今、地方は厳しい状況に置かれています。国でも「地方創生」が謳われて、市役所にも新しく地方創生推進室ができましたが、やはり地方を元気にしていかないと、日本全体が将来を保てません。そのために大事なことの一つは、子どもたちです。以前に、保育士さんたちの前でお話しをさせていただく機会がありましたが、例えば、保育園や幼稚園で保育士さんたちが何を教えているかと言いますと、音楽、図工、体育なんですね。つまり、音楽は音楽として、図工はお絵描きや泥団子を作ったり、そして体育は体の表現ですから演劇や今新しい分野であるパフォーマンス、そういったものに関わってきます。そして、実はこの施設はそういったものをすべて総合したものなんです。もちろん、美術館を核としてはいますが、これも日本で初めての施設です。新居浜市がこの施設を立ち上げたからには、そういう文化の、むしろ地方の発信の核になるような施設にしていきたいと思っております。特にその中でも大切なのは、子どもたち、そして若い高校生です。新居浜駅は、近隣の市から新居浜の高校に通われている学生さんの利用も多いので、そういう人たちに、例えば夕刻の電車待ちの際にちょっと寄っていただいて、おしゃべりをしてもらったり、そして展覧会も観てもらえればなあ、と考えています。そして、これも全国で初めてですけれども、当館では、大学生まで、いわゆる学生さんの観覧料はすべて無料にしました。これは、美術館は図書館や公民館と同様に社会教育施設であるということを鑑みまして、非常に進歩的ではありますが、「若い人を育てる」という考え方を以て、勤労されている方に少し負担いただく、ただこれもできるだけ高くないように、ということでこのようにしております。それからこの部屋は工房となっておりますが、ルネッサンスの時代からレオナルド・ダ・ヴィンチがモナリザを描きながら、人力飛行機を製作したり、ダムを構想したり、というように、本来、美術あるいは芸術というものは、科学と結びついていました。それが、現在では細分化、高度化されているのですが、この施設では例えばここにも顕微鏡などの実験器具がありますが、そういう実験器具を使って科学的な試みも行っていきたい、それが実は芸術にもつながっていきます。
次に、収蔵品・展示品の話を少しさせていただきます。ご存じのように新居浜は「工都新居浜」と呼ばれておりまして、住友の聖地とも言われていますが、第15代住友吉左衛門、この方は別子銅山の企業運営に関わりながら、文化にも非常に造詣が深い方でして、日本で最初の洋画家として位置付けられている黒田清輝あるいは関西の浅井忠などに対して、全面的に支援を行っていました。そうして購入された作品は、現在京都と東京にあります泉屋博古館のコレクションの核となっています。この中には、日本に最初に入ってきた印象派の作品であるモネの「公園」という風景画もあります。そして、この泉屋博古館の協力を得まして、11月3日から12月20日までの間、当館のグランドオープンを記念した大規模な企画展を実施する予定です。残念ながら、黒田清輝の作品については、来年生誕150年記念として大々的な黒田清輝展が東京の国立博物館が予定されているということで、11月の当館の記念展にお借りすることは難しかったのですが、幸運なことに、新居浜市に非常に援助をいただいている方からのご寄付等いただきまして、これまで全く未公開であった黒田清輝の非常に貴重な作品を購入することができました。コレクションは美術館の生命線ですが、当館のスタートとして本当にいいコレクションの最初が築けたと思っております。
それから、先に触れました、科学と美術のつながりということで申しますと、現在の愛媛大学工学部の前身である新居浜工業専門学校の第1期生に、北代省三さんと山崎英夫さんという方がおりました。北代省三さんは東京の出身で、もちろんエンジニアになるために工専に入られたのですが、卒業後に芸術、特に造形美術に目覚められまして、例えば模型飛行機など、非常にデザイン的に優れたものをたくさん造られました。そして、このお二人がリーダーとなって、「実験工房」という戦後の美術界でも非常に著名な美術団体を作られました。その実験工房の活動も、その企画展では紹介いたします。実験工房には音楽家の武満徹さんなど当時の前衛音楽家の方々も参加していましたが、その当時の楽譜など、まさに美術と音楽、そして科学が総合されたもの、そのような展示を予定しておりますので、当美術館にとってのスタートにふさわしいと思っております。是非、お楽しみいただきたいと思います。
それでは、これより美術館をはじめ、館内の見学にご案内いたします。
*新居浜市総合文化施設「あかがねミュージアム」 見学
・2F 新居浜市美術館 展示室
・地下 多目的ホール、交流ロビー
・1F 太鼓台ミュージアム、シアター
~「あかがねミュージアム」 1F創作スペース~
【秘書広報課長】
引き続きまして、駅南も含めた駅周辺整備について、都市計画課より概要を説明いたしまして、後に現地を案内させていただきます。
【都市計画課副課長】
それでは、お手元に配布した資料にて簡単に概略を説明させていただきます。
はじめに資料1ページですが、この駅周辺整備事業には、駅周辺を新都市拠点として新居浜市の新しい顔として整備するという目標があり、その第一段階として駅前の土地区画整理事業がありましたので、その概要について簡単に触れております。表にありますとおり、事業地区内の面積が約27.8ha、平成10年に事業認可になりまして、清算期間も含めて平成29年度までの事業となっておりますが、工事自体は平成23年5月に終わっています。このような土地区画整理事業での面的整備があった上で、こちらの、あかがねミュージアムのような土地も生み出された、ということになります。次の資料2、3ページでは、土地区画整理事業の施行前と施行後を平面図と航空写真で比較しています。施行後の写真は平成23年5月のもので、その段階では、あかがねミュージアムや人の広場、自由通路などはまだできていない写真ではありますが、道路が整備された、ということはこのような比較を見るとよくわかっていただけると思います。続いて、資料4ページには、幹線道路の整備ということで、上側は駅前郷線と駅前滝の宮線、駅の北側の東西に走る幹線道路です。以前は非常に狭くて、歩車分離ができていない状態の道路が、広くなって、歩車分離もできて快適に通行できるようになりました。また、駅前の一部は電線類を地中化し、電柱をなくしたということで、環境や美化に配慮しています。資料の下側は新居浜駅港町線(シンボルロード)です。これは、元々駅から高木の交差点まで斜めに走る県道がありましたが、さらに歩道の幅員も拡げまして、また高木交差点にポケットパークも作り、休憩所も作りまして、また植栽も季節を感じさせる混植にするなど、歩いて楽しい道路づくりを実現しました。さらに資料の下側は、新居浜駅菊本線として、駅から北へ向かって、新居浜工業高等専門学校や市営球場、菊本町の工場へつながる道路を新設でつくっております。次の資料5ページは、駅前広場の整理についてです。以前の駅前広場は、通過交通がすべてロータリーを通る構造で、またバスとタクシーがどこに停留するかという区分もあいまいで、特急列車が到着した時などは、待機車両も含めて、すごく混雑するような状態でしたが、その状態を全面的に改善できるように面的な整備を行った結果、駅に用事がある車両だけが中へ入ってくる構造にしまして、また駐車場についても東側交差点の方から別に入ってくるようになっているので、交通広場の中で無駄な混雑がないように改修できた、バスやタクシーについても乗り場と待機所を綺麗に区分できた、という状態になっています。次の資料6ページですが、上はまず区画道路、つまり生活道路の整備です。以前の駅前地区については、建物の建て替えができないとか、緊急車両が入らないという問題もありましたが、面的整備の結果、6m以上の道路に接するようになりましたので、非常に快適な状態となりました。そして、歩行者や自転車専用の特殊道路も整備しましたので、安全性にも配慮できました。資料の下側は、事業地区内にあります、新しくできた公園です。4ヶ所都市計画公園がありまして、それぞれの整備にあたっては、地元住民の方々にもワークショップ等に参加していただきました。そして地元の自治会員さんたちに、トイレ清掃やごみ拾い、危険箇所の点検などを担っていただいております。また、耐震性の貯水槽を3ヶ所設置しまして、防災にも強いまちづくりを実現しております。
次の資料7ページ目からは、土地区画整理事業とその次の段階としての駅周辺の公共施設の整備についての説明になっています。8ページ目の上側は、土地区画整理事業と関連して整備してきた建造物として理解いただいたらと思います。高木交差点のポケットパークや、シンボルロードの休憩所、各公園、そして駅前の雨除けのシェルター、案内看板などがこれに当たります。下側が、土地区画整理事業が終わってからの公共施設整備です。シンボルロードや駅前広場のモニュメント、あかがねミュージアム、駅前の駐車場や駐輪場、南口には南口広場と駅南駐車場があります。それから、人の広場の整備と南北自由通路、これは出逢いロードと名付けていますが、これには展望デッキと公衆トイレを備えております。資料9ページに出逢いロードについてまとめていますが、平成26年2月に供用開始しまして、有効幅員6m、両側にエレベーターを備えて、自転車も通行していただける、というものになっています。その北口階段下に公衆トイレを設置しまして、こちらは多目的トイレとしてオストメイト対応やおむつ替えシートなども整備しています。資料9ページの下側は、駅前の駐輪場についてです。この後、現地も見ていただきたいと思いますが、この駐輪場を建屋として整備しました。次ページに駐輪場の料金体系等を紹介させていただいております。整備前の駐輪場は、非常に混雑していて、安全性も良くなかったのですが、有人管理の駐輪場ができることで、安全性が確保された、ということになります。資料10ページ下側は、今年7月に供用を開始したばかりの人の広場についてです。こちらについては、親水施設とかイベントのできる広場を備えまして、憩いとかにぎわいがここで満たされるように、と考えております。モニュメントも新しく設置しまして、時計塔につきましてはライオンズクラブよりご寄贈いただいております。資料11ページは、南口広場について、こちらは南北自由通路を渡って南側になります。以前にも広場はあったのですが、駐車場的な利用となっており、一度駐車された車が一日中動かないというように、広場としては十分に利用できていなかったのですが、一般の乗降エリアやタクシーの乗降エリア、また障がい者の方の乗降エリアもつくり、タクシーについては待機所もつくりました。そして、駐車場と駐輪場も備えることで、南からのアクセスの利便性を考慮しました。資料11ページの下側は、駅周辺に整備しました3つの駐車場について、料金体系等をわかりやすくまとめてみました。駅前駐車場と駅南口駐車場は、短時間利用をする場合の駐車場として理解していただいたらと思います。30分まで無料で、30分を超えると30分ごとにつき100円で、長時間利用の割引はありませんので、まる1日とか停めますと、料金が何千円もかかってしまいます。しかし、このような形にしませんと、送迎などで利用する方がいつ行っても、長時間停車の車両で埋まってしまっている、ということになってはいけないということで、このような方式としています。そして、南駐車場については、こちらは長時間利用ができる料金体系として、24時間までごとの上限を600円としています。ですから、まる1日、2日停めたい、という方は、こちらの南駐車場を利用していただくと便利かと存じます。こちらには隣接して、JR四国車deトレインという、JR四国さんのサービスで乗車券を購入すると非常に安く停められる駐車場のスペースがありますので、掲示もしまして、駅南駐車場と混同しないようにご案内しています。
資料12ページの上側はモニュメントについての説明です。交通広場、人の広場、シンボルロードに計8つのモニュメントを作製しました。これらはすべて、全国公募で募集をかけて、全国から応募のあった中から美術の専門家や地元住民の代表の方たちに選んでいただいて設置しています。最後になりますが、資料12ページ下側は、駅前32街区への民間施設の誘致ということで、人の広場の北側、駅前交番のある街区なのですが、こちらに民間施設を誘致して、更なるにぎわいの創出に繋げようということで、プロポーザル方式で募集をかけた結果、東横インというホテルに来ていただけることとなりました。14階建て、客室246室のホテルで、愛媛国体が予定されております平成29年の春までにオープンの予定となっています。
以上が概要の説明となります。それではこれから実際に現地を見ていただきたいと思います。
*JR新居浜駅周辺整備状況 見学
・駅前駐車場、駅前駐輪場
・駅前交通広場
・人の広場、駅前32街区(民間施設誘致対象地)
・南北自由通路(出逢いロード)
・南口広場、南口広場駐輪場
・駅南駐車場
~移動バス内~
*秘書広報課長あいさつ