本文
皆さま、新年あけましておめでとうございます。「令和7年」という、新しい年を迎え、一言ごあいさつをさせていただきます。
職員の皆さんにおかれましては、ご家族・ご友人と有意義な「ひと時」を過ごされ、輝かしい、希望に満ちた新たな気持ちで、本日を迎えられたことと存じます。
なお一方、年末年始においても、市民生活に欠かすことのできない、消防や水道、渡海船、さらには、清掃センター、美術館など、業務の関係で勤務された職員の皆さんには、大変ご苦労様でした。
ご存じのとおり、今年の干支は「乙巳(きのとみ)」でございます。干支は、甲乙で始まる十干と十二支の組み合わせで、全部で60通りですが、「乙」は十干の2番目にあたり、困難があっても紆余曲折しながら進むことや、しなやかに伸びる草木を表しています。また、「巳」は蛇のイメージから「再生と変化」を意味すると言われております。
私は、昨年の市長選挙において、多くの市民の皆様からのご信託をいただき、市政運営への挑戦をスタートさせていただいた年でありました。皆様から寄せられた期待と信頼にお応えするため、「乙巳」の本年にふさわしく、困難を乗り越え、まちを新たな視点に基づく「新しいにいはま」にアップデートし、「市民の皆様の幸せの追求を目指したまちづくり」を形にしなければならないと、意を強くしているところでございます。
さて、昨年を振り返りますと、国内では、元日に発生した能登半島地震により、多くの尊い命が奪われるとともに、その後も再度豪雨災害による大きな被害を受け、復旧復興への道のりは非常に険しいものとなっています。
また、気候変動や生態系の崩壊、頻発化・激甚化する自然災害など、様々な課題に直面しております。世界では、ウクライナ戦争の行方は見通せず、中東地域でも戦禍が広がる中、各国で重要な選挙が行われ、アメリカの大統領選挙では、トランプ氏が勝利するなど、世界や日本に大きな変化をもたらす不確定要素を抱えた年となりました。
一方で、明るい話題もございました。百年ぶりにパリが舞台となったパリオリンピック2024では、金メダル数、メダル総数ともに海外で開催された五輪では過去最多となったほか、アメリカ大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手が、メジャー史上初の「50本塁打、50盗塁」を達成し、2年連続の本塁打王、日本人初となる打点王のナショナル・リーグ2冠に輝くなど、スポーツの持つ力に元気づけられた一年でもありました。
また、本市では、昨年末、新居浜南中学校の男女駅伝部が全国大会に揃って出場し、女子は7位に入賞するなど、素晴らしい成績を収めらました。若い世代が輝き、活躍することは、まち全体の盛り上がりや地域の活気に繋がるものだと考えております。
このような中、現在、本市が置かれている状況といたしましては、少子高齢化に伴う人口の減少、地域経済の縮小や地域コミュニティの希薄化など、様々な課題が表面化しています。私たちは、こうした状況から目をそらすことなく、新居浜市が本来持つ潜在能力を引き出すことで、一つずつ課題を乗り越えながら、未来への確かな道筋をつけていかなければなりません。
そのために、今後、私が進めていきたいと考えている主な政策テーマ、そして、市政運営に対する基本的な考えである「子育て支援の充実」、「地域経済の活性化」そして「防災力の強化」の3点を改めて述べさせていただきます。
まず、「子育て支援の充実」では、出産から子育ての悩みをワンストップで解決する拠点の整備について検討を進めるほか、教育環境の整備やスポーツ・文化活動の充実を図り、「四国で一番の子育て支援」の実現を目指します。
次に、「地域経済の活性化」につきましては、私、自らが先頭に立つトップセールスと併せ、市内企業とともに積極的な国内外への営業活動を行い、ヒト・モノ・カネ・情報の呼び込みを図ります。また、デジタル技術の活用や産業人材の確保等に取り組み、新たな連携創出や新規起業による地域産業の活性化を進めていきます。
そして、「防災能力の強化」につきましては、防災・減災に向けた事前の対策、発災後の対応、そして、復旧・復興支援という各フェーズに対応した計画や体制の整備を図り、近年、多発化・激甚化する自然災害や発生が危惧される南海トラフ巨大地震に対する備えを進め、民間の皆様の力も借りながら、更なる防災能力の高いまちづくりを目指してまいります。また、その他にも、検討を進めなければならない項目は多岐に渡りますが、私が掲げる公約の推進につきましては、「対話」を基本とした市政運営に取り組んでまいりたいと考えております。
私の夢は、本市の限りない発展であります。
今日、国・内外においては極めて不透明感の強い情勢が続いており、加えて、本市の財政事情も大変厳しい実情があります。私が、幹部の皆さんに、強く期待しておりますのは、この困難な状況を打破するために、自身の置かれた役職や果たすべき役割をしっかりと認識すること。そして、このまちが持つポテンシャルを最大限に引き出し、新時代にふさわしい形にアップデートしていくために、これまでの慣例や定型の業務にとらわれることなく、部下の意欲を伸ばし、それを見守り、結果に繋がるような環境づくりをお願いしたい、ということです。
私自身も学ぶべきことが多い中ではありますが、私をはじめ、幹部職員一人一人の熱意や、ひたむきに職務に精励する姿は、必ずや未来へと繋がる道となります。
本日より登庁された赤尾禎司新副市長と共に、ぜひ、一緒に未来を切り開いていきましょう。
今年一年が、新居浜市にとりまして、より一層飛躍・発展の年となりますこと、そして、全職員の皆様にとりまして、健康で幸多い年となりますことを、心からご祈念申し上げまして、新年にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。
今年一年、どうかよろしくお願いいたします。
令和7年1月6日
新居浜市長 古川拓哉