平成３１年１月　新年市長訓示について

  職員の皆様、新年明けましておめでとうございます。

　皆様方には、お家族お揃いで、つつがないご越年のもと、輝かしい、希望に満ちた新年を迎えられたことと存じ、心からお慶び申し上げます。

　一方、消防、渡海船、清掃センターなど、業務の関係から、年末年始も勤務された職員の皆さんには、大変ご苦労様でございました。

　昨日も、熊本地方で震度６弱の地震がございましたが、昨年を振り返りますと、過去に経験したことの無い大規模な地震、集中豪雨など、自然災害が猛威をふるい、また、日本を代表する企業の検査データの改ざん・信用失墜問題等が次々と露呈し、日本中に悲壮感が蔓延した、混沌とした１年ではなかったかと感じております。

　しかしながら、本市におきましては、職員の皆さんのたゆまない努力によりまして、「子育て支援の充実」、「移住・定住プロモーション事業」、「ものづくり産業の振興」等々、新しい新居浜のストーリーを紡ぎ、新居浜プライドの醸成を図る『Hello! NEWプロジェクト』の着実な始動、スタートをきることができました。年頭に当たり、改めて、心から感謝を申し上げます。

　さて今年は、皆さんご存知のとおり、「新しい元号」へと変わる節目の年でございます。元号とは、国民が求める理想の世の中を「漢字2文字」に託したものでございまして、新たな元号への移行とともに、まさに理想の世の中へと歩みをスタートさせる、期待が大きく膨らむ「歴史的節目の年」に当たります。

　また、今年の干支は、己亥（つちのと　い）でございます。己（つちのと）とは、物事の道筋がしっかりと整っている状態を表し、亥（い）と組み合わさると、来るべき時に向けて、万全に準備を整えている状態、ということになるのだそうでございます。

　そのような中、本市の最上位計画であります『第五次新居浜市長期総合計画』は最終年度まで残すところあと2年、そして、「住みたい住み続けたいあかがねのまち」の実現を目指す『新居浜市総合戦略』は最終年度となり、まさに総仕上げの時期を迎えます。

　職員一人一人が、それぞれの職場で本市の未来をしっかりと見据え、新たな時代の理想像を描いていく、そういった期待が膨らむ年にしてまいりたい、と意を強くしているところでございます。

　中国の漢書（かんじょ）の故事に、「百聞は一見に如かず」という、あまりにも有名な言葉がございます。皆さんは、この言葉には続きがある、といわれてるのを御存じでしょうか。

　「百聞は一見に如かず」、「百見(ひゃっけん)は一考(いっこう)に如かず」、「百考(ひゃっこう)は一行(いっこう)に如かず」と続きます。

　「百聞は一見に如かず」とは、何度聞くよりも、現地で実際に見ることが重要。

　そして「百見は一考に如かず」とは、見るだけではなく、現状の問題を実際に考えることが、より重要。

　そして「百考は一行に如かず」とは、ただ考えるだけではなく、判断し実際に行動に移すことが、さらに重要である、ということで、わかりやすくいうと、「人から聞いただけで解ったような気になるな。見ただけで出来そうな気になるな。考えるだけでやったような気になるな。重要なことは実際に、『自分の目で確認し、しっかりと考え、そして行動に移すこと』である。」といったような一連の教訓・ことわざでございます。　

　また、近年、著しい高度情報化の進展やインターネットの普及により、データや情報の収集が容易になったため、実際に「現場」に出向き、「現物」を観察し、「現実」を認識する、いわゆる『三現主義』といった、民間においてはもちろん、行政においても極めて重要なことが、おざなりになってしまっているのではないか、と大変危惧いたしております。

　年頭に当たり、改めて初心に帰り、「各種施策の立案」、「目標設定」等におきまして、「机上の空論」と揶揄されることのないよう、現実を「自分の目で見てじっくりと確かめ、そしてしっかりと考え、市民の立場に立って着実に行動を起こしていただくよう、強くお願いをいたしたいと思います。

　また、市民と直接接する最前線であります各種窓口等におきましては、これまで以上に、対応するすべての職員が「笑顔、親切、丁寧」を心がけていただくようお願いをいたします。

　そして、いつも申し上げていることではございますが、管理職の皆さんは、これまで以上に「人材育成」が極めて重要であることをしっかりと認識いただき、部下を育成しなけれなならない立場であることを強く自覚され、自ら自己研鑽に努めるとともに、部下職員が高度な知識や問題解決能力、コミュニケーション能力等を伸ばすことができる環境づくりや意識改革を積極的に行なっていただきたい。

　また、職員各位におかれましては、目標の達成、施策推進のためには、皆様の英知と創意・工夫が必須でございまして、一人ひとりが、常に経営感覚、コスト意識を持ちながら総合力を発揮し、たゆまぬ自己研鑚、一層の自覚と責任を持って職務に精励し、市民の熱い期待に応えていただきますよう強く期待いたしております。

　市役所が変われば、新居浜市が変わる。市役所が元気になれば、新居浜市が元気になる。今年１年、将来にわたって持続可能な、新居浜市の実現を目指し、一緒に頑張ってまいりましょう。

　結びに、今年一年が、皆様にとりまして、健康で幸多い、そして新居浜市にとりまして、より一層の飛躍の年となりますことを心から祈念申し上げまして、新年にあたりましての挨拶とさせていただきます。

　今年一年、どうかよろしくお願いいたします。