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平成28年1月 新年互礼会市長あいさつ

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ページID:0023223 更新日:2016年1月4日更新 印刷用ページを表示する
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新年明けましておめでとうございます。平成28年、新年互礼会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

皆様には、輝かしい希望に満ちた新年を健やかにお迎えになられたことと、心からお喜びを申し上げます。

わたくし自身、早いもので、新居浜市長という大役を仰せつかって、4回目の新年を迎えることになります。市長任期も残すところ1年となり、平成28年の年の初めを迎え、今一度、初心に立ち返り、公約の実現とふるさと新居浜の更なる発展のため、与えられた職責を全うするという決意を新たにいたしております。

さて、昨日は、別子銅山を舞台に明治産業維新に挑んだ広瀬宰平と伊庭貞剛の半生を描いたドキュメンタリードラマ「百年の計、我にあり」がTBS系全国ネットで放送されました。新居浜市民はもとより全国の多くの方々にご覧いただいたことと存じます。番組制作にご尽力を賜りました本市出身の株式会社ビデオプロモーション名誉会長 藤田潔様はじめ、住友グループ広報委員会など、関係各位に厚く御礼申し上げます。国家百年の計を見据えた広瀬宰平、伊庭貞剛お二人のお姿に触れ、改めて先人の偉業に学ぶとともに、長い歴史の中で培ってきた「ふるさと新居浜の誇り(プライド)」というものを、百年先の未来に継承していかなければならないという気持ちを強くしたところでございます。

新居浜市の歴史を振り返りますと、元禄4年(1691年)の別子銅山開坑に始まり、第二次大戦後の高度経済成長を通じて、これまで「ものづくりのまち」として経済的、物質的な豊かさに重点を置いた取組が進められてまいりました。また、多くの市民の方も「物の豊かさ」を望まれていたと思います。しかしながら、経済成長を経て、人間の生き方そのものが見直される中、「豊かさ」に対する考え方が、「物質・物の豊かさ」から「精神・心の豊かさ」を重視する考えに変わりつつあります。

折しも、昨年7月には、JR新居浜駅前に、美術館や小劇場など本市芸術文化の拠点となる待望の総合文化施設「あかがねミュージアム」がオープンいたしました。美術館では開館を記念し、新居浜と日本の美術界との深いつながりを探る「新居浜-日本 回想の新居浜美術」展を開催し、市内外の多くの来場者に、本物がもつ真の価値、迫力を実感していただきました。今後におきましても、この「あかがねミュージアム」の開館を契機に、「心の豊かさ」と「ふるさと新居浜の誇り」を醸成し、市民の皆さんが幸せを実感できる取組を進めてまいりたいと考えております。

さて、平成27年を振り返りますと、スポーツや科学技術の分野で多くの感動を与えていただいた1年であったと思います。

7月には、女子サッカーワールドカップカナダ大会において、「なでしこジャパン」が前回優勝に続き、今大会でも見事に準優勝を成し遂げました。

さらに、日本中、いや世界中を驚かせたのは、ラグビーワールドカップでの、日本代表の躍進ではなかったでしょうか。

過去の大会でわずか1勝の決して強いとは言えない日本代表が、ワールドカップ初戦で、過去2回の優勝経験を誇る「南アフリカ代表」と互角に戦い、ラストプレイの逆転トライで歴史的勝利をおさめました。そこには、絶対に勝利するという強い信念と勝利への明確な戦術がありました。惜しくも決勝トーナメントには進めませんでしたが、3勝1敗という好成績は日本にとって大きな誇りとなるものでありました。

本市においても、昨年12月、全国中学校駅伝大会に新居浜西中学校が愛媛県代表として男女アベック出場いたしました。2年連続出場の男子は4位入賞、また、女子は1区で区間最高タイム、総合でも9位という輝かしい成績は、新居浜の誇りとなりました。

さらに、愛媛県や学校関係者のご理解をいただき、県立新居浜東高等学校に、スポーツに取り組む生徒の受け皿となり競技力強化に取り組む「健康スポーツコース」を新設することが、決定いたしました。有能な中学生が市内高等学校に進学し、新居浜から全国大会出場を目指していただきたいと思います。

科学技術では、一昨年の中村修二カリフォルニア大学教授に続き、ノーベル医学・生理学賞を大村智北里大学特別栄誉教授が、ノーベル物理学賞を梶田隆章東京大学宇宙線研究所教授が受賞されました。

本市においても、ものづくりのまち新居浜が誇るプロジェクトが進展しています。住友重機械工業愛媛製造所をはじめ地元企業のものづくり技術が携わる小惑星探査機「はやぶさ2」であります。「はやぶさ2」は、一昨年の12月に打ち上げられ、昨年12月3日には地球スイングバイに成功し、2018年の小惑星リュウグウ到着に向けまして、順調に飛行を続けています。総飛行距離約50億キロに及ぶ宇宙の旅を経て、2020年、東京オリンピックの年には地球に帰還いたします。太陽系の誕生と生命誕生の秘密に迫るミッションに世界中が大きな期待をいたしております。

さて、我が国経済は、アベノミクス効果により景気は緩やかな回復基調が続いているものの、個人消費の弱さや新興国を中心とする海外経済の不透明感など、先行き不安材料もみられます。アベノミクスは、金融緩和、財政政策、成長戦略の三本の矢によるデフレ脱却と経済の好循環を実現する「第一ステージ」から、新たな三本の矢である、希望を生み出す強い経済、夢を紡ぐ子育て支援、安心につながる社会保障により、一億総活躍社会を目指す「第二ステージ」に入りました。

「第二ステージ」では、設備や技術、人材等に対する「未来投資による生産性革命の実現」と、活力ある日本経済を取り戻す「ローカル・アベノミクスの推進」の二つを車の両輪として推し進めることによって、日本を成長軌道に乗せ、世界をリードしていく国にすること、また、日本社会の構造的課題である少子高齢化の問題に真正面から挑戦し、「日本一億総活躍社会」の実現と「50年後も人口1億人を維持する国家としての意思を明確にする」とされています。

このため、政府においては、「地方創生加速化交付金」や「一億総活躍社会」実現に向けた緊急対策を柱とする3兆3千億円の補正予算に加え、過去最大となる96兆7千億円の2016年一般会計当初予算案を閣議決定しております。

本市におきましても、国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を受けまして、人口減少とそれに伴う地域経済の縮小という最重要課題を克服するため、昨年12月に、本市人口の将来展望を示す「新居浜市人口ビジョン」とその実現に向けた今後5年間の目標や具体的施策を示す「新居浜市総合戦略」を策定しました。策定に当たりましては、市民各界、各層の皆様にご参画いただいている「政策懇談会」のほか、産業界、金融機関、労働団体、学識経験者の皆様からなる「地方創生有識者会議」や、市議会特別委員会においてもご審議をいただきました。さらに、広く市民の皆様から地方創生に関する提案を募集するとともに、私自身も各種団体との意見交換をさせていただき、可能な限り、皆様のご意見、ご提言を反映した市民総参加の「新居浜市総合戦略」が策定できましたことに対しまして、厚く感謝を申し上げます。

今年の干支は、十二支の9番目にあたる「申」であります。その意味は部首に「にんべん」を加えた「伸ばす」つまり、「草木が十分に伸びきり、実が成熟して香りと味がそなわっていく時期」をいうそうであります。私の任期も残すところ1年となり、まさにこの成熟、仕上げの時期を迎えております。

私は、市長就任以来、平成25年を「再生へのスタートの年」、26年は「再生への実行の年」、そして、27年はさらなる「再生への加速の年」として、地域再生への取組を進めてまいりました。

そして、来たるこの平成28年は、「再生から創生への躍進の年」と位置づけ、地方創生の取組を強化してまいります。市民、企業、各種団体の皆様方と、より一層連携・協働を図り、「チーム新居浜」で一丸となって、新居浜市総合戦略が掲げます「住みたい、住み続けたい あかがねのまち」の実現を目指してまいりますので、どうか、皆さん、チーム新居浜の一員として、今年も宜しくお願いいたします。

平成28年が新居浜市にとって希望に満ちた年となり、さらに、本日ご出席の皆様をはじめ市民の皆様がますます幸せを実感し、発展していくことを祈念いたしまして、私の年賀の挨拶とさせていただきます。