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明けましておめでとうございます。平成27年、新年互礼会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
皆さまには、輝かしい希望に満ちた新年を健やかにお迎えになられたことと、心からお喜びを申し上げます。
わたくし自身、早いもので、新居浜市長という大役を仰せつかって、3回目の新年を迎えることになります。この間、市政の舵取り役という重責を日々痛感しながら、多くの皆さまのご支援をいただき、お約束をした7つの夢の実現に向けまして、全身全霊を注ぎ取り組みを進めてまいりました。
平成27年の年の初めを迎え、今一度、初心に立ち返り、ふるさと新居浜の更なる発展のため、与えられた職責を全うするという決意を新たにいたしております。
さて、平成26年を振り返りますと、熱いスポーツの祭典と科学技術が開花した年ではなかったかと思っております。
2月に開催されましたソチ冬季オリンピックでは、スキージャンプ葛西選手、そしてフィギアスケート羽生、浅田両選手の活躍に日本中が感動しました。6月の男子サッカーワールドカップブラジル大会、そして9月には、テニス錦織圭選手が全米オープンにおいて決勝進出を果たしました。パワーテニス全盛の時代にあって、小柄な錦織選手が世界のトップ選手を圧倒し、日本人初となるテニス四大大会の決勝進出という歴史的快挙に世界中が興奮しました。その強さの秘密は、まさに「柔よく剛を制す」日本伝統の柔の精神であり、世界に挑戦する人々や企業に大きな希望の力を与えるものでありました。
科学技術においては、12月3日に小惑星探査機「はやぶさ2」が総飛行距離約50億キロに及ぶ宇宙の旅に出発しました。2020年、東京オリンピックの年に地球に帰還いたしますが、本プロジェクトには、住友重機械工業愛媛製造所をはじめ地元企業のものづくり技術がプロジェクトに携わり、太陽系や地球、生命誕生の謎解明に日本中が大きな期待をいたしております。
さらに、本県出身の中村修二カリフォルニア大教授が「ノーベル物理学賞」を受賞するという嬉しいニュースも飛び込んでまいりました。この2月2日には、愛媛県総合科学博物館に中村教授をお招きして、ノーベル賞受賞後の初の講演会も開催されます。中村教授のことばのひとつをご紹介いたしたいと思います。「徹底して考え抜いた末に生まれる「独創性」と、最後までやりぬく「粘り」を持つこと。この両輪なくして、大きな夢を実現させることはできない。」 今、求められております がんばる地方再生の精神は、正に、このことばにあるのではないかと思います。
11月には、水素をエネルギー源とする燃料電池自動車「MIRAI」の販売が発表されました。化石燃料を使用しない環境負荷に配慮した次世代自動車として、各方面から期待をされておりますが、普及には今後、全国的な水素ステーションの整備という大きな課題もございます。ものづくりのまち新居浜として、水素燃料の普及という国を挙げての大きな課題に対し、地域力を結集した先駆的な取り組みができないかと思っております。
我が国経済の現状は、アベノミクス効果により景気は緩やかな回復基調が続いているものの、個人消費等に弱さが見られ、人口減・高齢化やグローバル化への対応の遅れなど中長期的な課題を抱える地方においては、アベノミクスの効果が行き渡っていないとされております。
このため、政府においては、昨年末に「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」を取りまとめ、今後各種施策が実行に移されることとなっております。新居浜市においても、国の経済政策を注視し的確に対応してまいるとともに、本市独自の経済活性化策や中小企業振興策について、地元経済界とも連携し、地域が一体となった総合的な支援体制を強化してまいります。
私は、市長就任にあたって、市民、企業の皆さんの現場からのご意見を市政に反映するため、各界各層の方からなる「政策懇談会」を設置いたしました。一昨年の平成25年12月には、当初のテーマであります「経済の再生」と「コミュニティの再生」についての提言をいただき、26年度は「新居浜ものづくりブランド」の全国への情報発信や販路開拓事業、また地域コミュニティ再生のための自治会交付金制度や防犯灯LED化事業等に取り組みました。
さらに、26年度は、新たなテーマであります「健康都市づくり」と「教育力の向上」の2つのテーマも加えたご提言を、昨年12月3日に政策懇談会からいただくことができました。
いただきましたご提言につきましては、早期に政策を立案して取り組むべきもの、あるいは中長期的な展望を立てて取り組む必要があるもの等がございます。現在、平成27年度予算編成作業を進めており、できるものから当初予算に反映してまいりたいと考えております。
国においては、昨年12月27日に地方創生のための「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定いたしました。総合戦略は、「人口減少・地方創生」に正面から取り組むもので、若い世代の就労・結婚・子育ての希望を実現するとともに、「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環と、その好循環を支える「まち」の活力を取り戻す、まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立を目指すものであります。27年度には、新居浜市においても、地域の特性や課題を抽出し、人口減少対策の取組方針となる「新居浜版総合戦略」の策定を進め、地方創生のための施策を総合的かつ計画的に実施してまいりたいと考えております。
さて、年末年始には、ふるさと新居浜を離れて暮らす帰省客の皆さんをはじめ、多くの方々にJR新居浜駅を利用していただきました。新居浜の喜び・夢・希望・未来があふれる駅周辺整備事業も、いよいよ仕上げの段階になりました。昨年の、新居浜駅南北を結ぶ自転車歩行者自由通路「出逢いロード」や、パークアンドライドのための駅南駐車場の供用開始に続き、今年は、駅北にはイベント広場や休憩空間を備えた「人の広場」、駅南には「南口広場」が完成いたします。さらに、新居浜駅前にぎわいづくりの中心となります待望の「総合文化施設」が、今年7月のオープンを目指して急ピッチで建設工事を進めております。また、駅北街区へのホテル等の民間施設の誘致も進めてまいります。新居浜の顔であります新居浜駅周辺の変貌に、今後も期待していただきたいと思います。
私は、平成25年を「再生へのスタートの年」、26年は「再生への実行の年」と位置づけ取り組みを進めてまいりました。そして、この27年は、さらなる「再生への加速の年」として、政策懇談会の提言をはじめ皆さまからいただいたご意見を政策に反映するとともに、地域活力の創出や地方創生のための各種施策を強力に推し進めてまいります。
また、平成29年開催の「愛顔つなぐえひめ国体」に、全国から訪れる多くの方々を温かくおもてなしするため、市民総参加の「あいさつ運動」「花いっぱい運動」にも取り組んでみたいと考えております。
市民、企業、各種団体の皆さま方とこれまで以上に連携・協働を図り、「チーム新居浜」で一丸となって、「市民の笑顔輝く新居浜市」の実現に努めてまいりますので、どうか、皆さん、チーム新居浜の一員として、今年も宜しくお願いいたします。
平成27年が新居浜市にとって前途洋々の年となり、ここに居られる皆さまをはじめ市民の皆さまがますます幸せを実感し、発展していくことを祈念いたしまして、私の年賀の挨拶とさせていただきます。