本文
目次
議事日程
本日の会議に付した事件
出席議員
欠席議員
説明のため出席した者
議会事務局職員出席者
開議(午前10時00分)
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 一般質問 議案第43号
仙波憲一議員の質問(1)
1 SDGsとサーキュラーエコノミーについて
石川市長の答弁
1 SDGsとサーキュラーエコノミーについて
仙波憲一議員の質問(2)
1 SDGsとサーキュラーエコノミーについて
石川市長の答弁
1 SDGsとサーキュラーエコノミーについて
仙波憲一議員の質問(3)
1 SDGsとサーキュラーエコノミーについて
2 地方創生と行政評価について
高橋教育長の答弁
2 地方創生と行政評価について
加藤副市長の答弁
2 地方創生と行政評価について
亀井企画部長の答弁
2 地方創生と行政評価について
仙波憲一議員の質問(4)
2 地方創生と行政評価について
亀井企画部長の答弁
2 地方創生と行政評価について
仙波憲一議員の質問(5)
2 地方創生と行政評価について
3 子育てについて
高橋総務部長の答弁
3 子育てについて
酒井福祉部こども局長の答弁
3 子育てについて
仙波憲一議員の質問(6)
3 子育てについて
黒田真徳議員の質問(1)
1 ロシアのウクライナ侵攻の影響について
(1) 地方創生臨時交付金
(2) 農業、漁業の支援
休憩(午前10時56分)
再開(午前11時07分)
石川市長の答弁
1 ロシアのウクライナ侵攻の影響について
(1) 地方創生臨時交付金
桑内経済部総括次長の答弁
1 ロシアのウクライナ侵攻の影響について
(2) 農業、漁業の支援
酒井福祉部こども局長の答弁
1 ロシアのウクライナ侵攻の影響について
(1) 地方創生臨時交付金
黒田真徳議員の質問(2)
1 ロシアのウクライナ侵攻の影響について
2 ウィズコロナについて
原副市長の答弁
2 ウィズコロナについて
黒田真徳議員の質問(3)
2 ウィズコロナについて
3 災害時の避難について
(1) 夜間の避難訓練
(2) 避難所の電源確保
(3) ペット同伴の避難
長井市民環境部長の答弁
3 災害時の避難について
(1) 夜間の避難訓練
(2) 避難所の電源確保
(3) ペット同伴の避難
黒田真徳議員の質問(4)
4 18歳成人について
長井市民環境部長の答弁
4 18歳成人について
黒田真徳議員の質問(5)
5 若者議会とガバメントクラウドファンディングについて
石川市長の答弁
5 若者議会とガバメントクラウドファンディングについて
黒田真徳議員の質問(6)
6 公立の保育施設の意義について
酒井福祉部こども局長の答弁
6 公立の保育施設の意義について
黒田真徳議員の質問(7)
7 土地の活用について
桑内経済部総括次長の答弁
7 土地の活用について
三谷建設部長の答弁
7 土地の活用について
黒田真徳議員の質問(8)
7 土地の活用について
8 夜間中学について
高橋教育長の答弁
8 夜間中学について
黒田真徳議員の質問(9)
8 夜間中学について
9 相続人代表者の選任について
高橋総務部長の答弁
9 相続人代表者の選任について
黒田真徳議員の質問(10)
10 小中学校教師の負担軽減について
高橋教育長の答弁
10 小中学校教師の負担軽減について
黒田真徳議員の質問(11)
10 小中学校教師の負担軽減について
11 高齢者の行方不明の予防対策について
古川福祉部長の答弁
11 高齢者の行方不明の予防対策について
黒田真徳議員の質問(12)
休憩(午後 0時08分)
再開(午後 1時00分)
神野恭多議員の質問(1)
1 今後の学校の在り方について
(1) 県立学校振興計画
(2) 市立学校振興計画
(3) 義務教育学校
(4) 教育のデジタル化
高橋教育長の答弁
1 今後の学校の在り方について
(1) 県立学校振興計画
(2) 市立学校振興計画
(3) 義務教育学校
(4) 教育のデジタル化
神野恭多議員の質問(2)
1 今後の学校の在り方について
高橋教育長の答弁
1 今後の学校の在り方について
神野恭多議員の質問(3)
1 今後の学校の在り方について
2 フードテックについて
桑内経済部総括次長の答弁
2 フードテックについて
神野恭多議員の質問(4)
2 フードテックについて
3 大学生への支援について
石川市長の答弁
3 大学生への支援について
神野恭多議員の質問(5)
3 大学生への支援について
4 公共工事について
(1) 入札状況
(2) 市内業者優先発注方針
高橋総務部長の答弁
4 公共工事について
(1) 入札状況
(2) 市内業者優先発注方針
神野恭多議員の質問(6)
4 公共工事について
散会(午後 1時53分)
本文
令和4年6月14日 (火曜日)
議事日程 第2号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
議案第43号 令和4年度新居浜市一般会計補正予算(第1号)
――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
――――――――――――――――――――――
出席議員(26名)
1番 小野 志保
3番 合田 晋一郎
2番 片平 恵美
4番 白川 誉
5番 伊藤 嘉秀
6番 越智 克範
7番 井谷 幸恵
8番 神野 恭多
9番 米谷 和之
10番 篠原 茂
11番 河内 優子
12番 黒田 真徳
13番 高塚 広義
14番 藤田 誠一
15番 田窪 秀道
16番 小野 辰夫
17番 永易 英寿
18番 伊藤 謙司
19番 藤原 雅彦
20番 大條 雅久
21番 藤田 豊治
22番 藤田 幸正
23番 伊藤 優子
24番 仙波 憲一
25番 近藤 司
26番 山本 健十郎
――――――――――――――――――――――
欠席議員
なし
――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
市長 石川 勝行
副市長 加藤 龍彦
副市長 原 一之
企画部長 亀井 利行
総務部長 高橋 正弥
福祉部長 古川 哲久
市民環境部長 長井 秀旗
経済部総括次長 桑内 章裕
建設部長 三谷 公昭
消防長 高橋 裕二
上下水道局長 神野 賢二
教育長 高橋 良光
教育委員会事務局長 木俵 浩毅
監査委員 鴻上 浩宣
福祉部こども局長 酒井 千幸
――――――――――――――――――――――
議会事務局職員出席者
事務局長 髙橋 利光
事務局次長 高本 光
議事課副課長 鴨田 優子
議事課副課長 長谷川 幸司
議事課議事係長 和田 雄介
議事課調査係長 伊藤 博徳
議事課主査 村上 佳史
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前10時00分開議
○議長(藤田豊治) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第2号のとおりであります。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(藤田豊治) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において藤田誠一議員及び田窪秀道議員を指名いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第2 一般質問 議案第43号
○議長(藤田豊治) 次に、日程第2、議案第43号を議題といたします。
これより一般質問並びに質疑を行います。
この際、申し上げます。一般質問並びに質疑における各議員の発言は、それぞれ通告の時間以内となっておりますので、御了承願います。
順次発言を許します。まず、仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) おはようございます。
自民クラブの仙波です。
ただいまより質問に入りたいと思います。
SDGsとサーキュラーエコノミーについて。
先頃内閣府が選ぶ2022年度SDGs未来都市に新居浜市が選定されました。このことは、誠に喜ばしいことです。SDGsは、国連サミット加盟国の全会一致で採択された持続可能な開発のための2030アジェンダで、誰一人取り残さない持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標です。その中身は、17の世界的目標、169の達成基準、232の指標から設定されています。特に、世界では、経済の問題を動かすことが重要だという考え方が出てきています。
そこで、改めてお伺いしますが、新居浜市第六次長期総合計画の基本構想にもSDGsとの目標が仕分され、各施策が記載されております。つまり、本市が第六次長期総合計画を実行することは、SDGsの達成に向かっているということです。自治体SDGsモデル事業は、SDGs未来都市の中で、より先導的な役割を果たしている地方自治体で、経済、社会、環境の3つの側面で新しい価値を創造して提供しており、SDGsのテーマである持続可能な開発が見込める事業を提唱している自治体が選ばれます。そのことから、自治体SDGsモデル事業では、多様な利害関係のある組織との連携も不可欠です。自主的な地域における好循環な開発を求められています。本市は、SDGs推進企業登録制度を設け、26事業所を登録しています。
なお、それをもう少し進め、前向きに進めて、経済関連でサーキュラーエコノミーを進めることが重要と思います。サーキュラーエコノミーとは、日本語訳で循環経済といいます。これまでは、経済活動の中で廃棄されていた製品や原材料などを資源と考え、リサイクルなどで活用し、資源を循環させる新しい経済システムです。従来の3Rの取組に加え、資源の投入量、消費量を抑えつつ、またストックを有効活用しながら、サービス化などを通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源、製品の価値の最大化、資源消費の最少化、廃棄物の発生抑制などを目指すものです。SDGsの目標の中で、循環経済に該当する分野で重なるものがあります。まず、目標8、働きがいも経済成長も、目標9、産業と技術革新の基盤をつくろう、目標10、人や国の不平等をなくそう、目標12、つくる責任、つかう責任の4つが該当します。中でも目標12のターゲット、12-2、2030年までに天然資源を持続化管理し、効率よく使えるや12-5、2030年までにごみが出ることを防いだり、減らしたり、リサイクル及びリユースによるごみの発生量を大きく減らすというサーキュラーエコノミーそのものの内容が明記されております。サーキュラーエコノミーがSDGsの達成に欠かせないことが理解できると思います。サーキュラーエコノミー、いわゆる循環経済では、消費された製品を資源としてリサイクルします。その循環経済においては、気候変動や生物の多様性、廃棄物汚染といったグローバル課題に対処するための解決の枠組みとしては、3つの原則で構成されています。つまり、1、デザインによってつくられる廃棄物と汚染を排除する、2、製品と原材料を高い価値を保ったまま循環させる、3、そして自然を再生するという3つのシステムです。これは、現在の直線経済、いわゆるリニアエコノミーは、環境社会の両面から持続可能な経済モデルではないと考えられます。循環は、製造の段階からリサイクルや再利用がしやすい設計にすることで、廃棄物を最小限に抑え、新しい資源の利用も最小限にすることができます。新居浜市は、SDGsに取り組む事業所の登録制度を創設していますが、その活動をもう一段進め、サーキュラーエコノミーについて取り組んでいく必要があると思いますが、いかがですか。御所見をお伺いします。
国連によると、2050年は、世界人口は98億人になると推計されています。また、OECDの調査によれば、2060年までに1人当たりの平均所得が、現在のOECD諸国の水準である4万米ドルに近づき、世界全体の資源の利用は、2倍に増加すると推計されています。人口も増え、1人当たりの豊かさも増えれば、当然ながら、その生活を維持するために必要な資源の量も増加します。
一方で、その資源を生み出しているのは、地球一つだけしかありません。世界自然保護基金WWFによると、現在の人類全体の生活を支えるには、地球1.5個が必要だと言われています。また、大量生産、大量消費、大量廃棄を前提とする現在の経済システムは、気候の危機や資源の枯渇、生物の多様性の喪失、プラスチック汚染、貧困格差など、様々な分野に影響を与えております。これらの状況を解決し、全ての人類が生存できる安全な活動領域のことを地球環境容量の範囲内といいますが、社会的公正を担保しながら繁栄していくための仕組みとして、サーキュラーエコノミーの考え方が注目されているのです。ウィズコロナの世界において、回復力は一つのキーワードですが、学者の中には個々の人の回復力に任せる施策には限界があるという人もいます。つまり、カーボンニュートラルだけでは乗り越えられない問題であり、経済成長を前提としたモデルの破綻が引き起こす金融危機、または想定外の天災、疫病に対して打撃を最も受けるのが経済的弱者であるという現実に対し、社会の仕組みとして適用していくデザインにすべきということです。
このような背景の中、日本全国にネットで調べてみますと、愛知県蒲郡市のように、サーキュラーシティーの取組を進めている町もあります。2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするための手段として、サーキュラーエコノミーは寄与いたしますが、温室効果ガスにとどまらず、人の健康や自然環境に対して負荷をかけ、害するものを生み出さない社会、そして新しい経済の仕組みをつくる持続可能な地球と持続可能な経済、環境、社会を実現していくことから、サーキュラーエコノミーの目的は、ウエルビーイングの向上、いわゆる肉体的、精神的、そして社会的、完全に満たされた状態、つまり幸せとされています。これは、令和3年6月に蒲郡市が策定しました第五次蒲郡市総合計画の循環経済の将来都市像にも通じるものであり、アフターコロナを見据えた今だからこそ、サーキュラーエコノミーをまちづくりに組み込み、蒲郡に関わる全ての人々が、ウエルビーイング、いわゆる幸せを実感し、この町を誇りと思う、君が愛する蒲郡となるよう、ここにサーキュラーシティーを目指していくことを表明しますとされています。
新居浜市においても、このサーキュラーエコノミーを視野に入れてはどうでしょうか。新居浜市のまちづくりの基本として、サーキュラーシティーを考えることは、十分価値があると存じますが、御所見をお伺いします。
また、サーキュラーエコノミーに近いものにシェアリングエコノミーがあります。テクノロジーの進化とともに生まれた新しいビジネスモデルであり、従来のビジネスよりも社会の変化に柔軟に対応しやすい性質を持っています。また、シェアリングエコノミーの大半は、提供者と利用者をつなぐ個別間取引のマッチングサービスです。基本的には、インターネット上に見直した事業内容に合わせたプラットフォームを用意するだけでいいのです。価値は使うときにしか存在しない、この点がニューノーマル時代においてシェアリングエコノミーの力を失わない理由として強みとも言えます。3Rとサーキュラーエコノミーの違いは、廃棄物が出ることが前提条件の3Rとサーキュラーエコノミーでは、廃棄物を出さないことが前提条件と大きく違います。シェアリングエコノミーでは、可能な限り使い回すことです。そういう意味で考え方は似てます。しかし、揺り籠から揺り籠という発想、いわゆるCtoCという取引です。本来、サーキュラーエコノミーを推進する事業が重要ですが、まずはシェアリングエコノミーを取り入れることから始めてみてはいかがかと思います。市長の御所見をお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 仙波議員さんの御質問にお答えをいたします。
SDGsとサーキュラーエコノミーについてでございます。
まず、サーキュラーエコノミーの取組についてお答えをいたします。
サーキュラーエコノミー、いわゆる循環経済とは、従来の原材料調達から製品化、利用、廃棄の一方通行の経済であったリニアエコノミーと異なり、資源の効率的な利用により、最大限の付加価値を生み出す経済政策としての資源循環を目指すもので、カーボンニュートラル等を含めて、SDGsの目標達成のために必要な考え方の一つと認識をいたしております。
住友化学株式会社が2021年に立ち上げたリサイクルプラスチックブランドMeguriのロゴマークにも、CIRCULARITY FOR ALLと併記されるなど、住友各社をはじめとする大企業の中には、取組を始めたところもあると承知をいたしております。
こうした企業の取組の魅力発信のために、本市では、令和2年度からSDGs推進企業登録制度を開始しており、登録企業の中には、サーキュラーエコノミーに通ずる活動を行っている事業者もおりますことから、本市といたしましても、まずは本登録制度を活用し、積極的な魅力発信に努めてまいりたいと考えております。
次に、サーキュラーシティーの取組についてでございます。
サーキュラーシティーとは、行政が市民や企業、研究機関等と連携し、廃棄物が出ない経済モデル、循環型経済への移行を推進する都市のことであり、経済活動のみならず、地球環境や労働環境を踏まえた持続可能な社会の実現、人々のウエルビーイング達成を目指す上で、世界的にも注目されている取組であると認識をいたしております。
本市におきましては、これまでの経済、社会、環境、3側面におけるSDGsの達成に向けた取組が評価され、先般SDGs未来都市に選定されたところでございます。町の持続可能な発展を目指すSDGsの理念は、サーキュラーシティーが目指す姿が含まれており、御紹介のありました蒲郡市の取組やサーキュラーシティーの概念につきましては、本市の今後の取組を検討する上で非常に参考になるものと考えております。
このようなことから、本市といたしましては、まずはSDGs未来都市としての土台をしっかりと固め、その名にふさわしい町として、広く市内外に認知していただけるよう、これまでの取組を引き続き推進してまいります。
さらに、様々なステークホルダーとの連携を強化し、サーキュラーエコノミーなどの新たな取組も含めてSDGsを推進することで、第六次長期総合計画の将来都市像である-豊かな心で幸せつむぐ-人が輝くあかがねのまちにいはまを目指してまいります。
次に、シェアリングエコノミーを取り入れることについてでございます。
近年、IT技術の進歩、スマートフォンなどのインターネット端末の急速な普及に伴い、物を購入し、個別に所有するという考えから、物を複数者で共有するという新たな価値観に基づいたシェアリングエコノミーが急速に発展しており、カーシェアリング、コワーキングやクラウドファンディングなど、新たなビジネスモデルになってきているものと認識をしております。
本市におきましても、既に複数企業の遊休資産を共同利用する新たなビジネスにつなげるために、シェアリングのためのシステムの開発を模索している企業もあり、昨年度より実施している新居浜市IoT推進ラボ事業において、事業化に向けた伴走支援を行っているところでございます。
今後におきましても、シェアリングエコノミーについて、企業支援はもとより、多種多様な分野での活用を視野に入れ、地域課題の解決を図ってまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 御答弁ありがとうございました。
特に、住友を含め大企業はもう既に取り組んでいるところもありますし、その目標に向けて、地域の事業者さんも考えていただくということになろうかと思います。その中で、やはり先ほど申し上げたシェアリングエコノミーだけではなくて、CtoC、いわゆるクレードル・トゥー・クレードル、揺り籠から揺り籠という、そういうことの中で、一番今までと違うのは、価値を持つことが、いわゆるサーキュラーエコノミーでいうと、価値を回すと、価値を個人とか企業とかが所有するんではなくて、価値を使い回すという考え方ですね。だから、そういうものに動くように行政として支援をしていけばどうかというふうに思います。だから、価値は自分のものだからと持ってしまうと、最後は使ってしまったら廃棄するしかないと。だから、価値を違うふうに変えていくことによって、新しい人の所有に移っていくという、そういう意味でクレードル・トゥー・クレードル、CtoCっていうような言い方を申し上げますが、そういう発想になるように、一番は発想の転換ということになろうかと思いますが、そういう意味での支援を考えられたらと思いますが、そういうことについてはいかがでございますか。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 仙波議員さんの再質問にお答えいたします。
サーキュラーエコノミー、シェアリングエコノミー、いずれも限られた資源を有効に活用して新たな価値をつくっていこうと、そういうふうな考えでないかと私自身は理解をいたしております。したがいまして、単なる製品をつくって、使い捨てにするんではなくて、それをまた価値あるものとして再利用して、有効な新たな価値をつくっていくという、そういうふうな発想の転換が必要でないかというふうに考えております。
○議長(藤田豊治) 仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) ありがとうございました。そういう市長がおっしゃったとおりで、考え方、価値を自分のものとして持つんではなくて、次に回すという、そういうことをぜひやっていただくと。それは、例えば新居浜市の事業でも、いろんなものにそういうものが活用できるような発想になれば、もっといい町になるんじゃないかと思います。その結果がウエルビーイング、いわゆる幸せということになればいいなというふうに私も思いますので、ぜひ御支援方をお願いしておきます。
続いて、地方創生と行政評価についてお伺いします。
今年度、新居浜市の太鼓台に文化庁から予算がつきました。各地に根づく様々な祭礼は、その起源や趣旨は多種多様でありますが、新居浜太鼓祭りが地域の伝統文化として認められたものであり、継承、発展につながるものと地域の関係者からも高く評価されています。
一方では、祭りに本来の伝統文化行事としての位置づけにとどまらず、地域が抱える様々な社会的課題を解決し、地方創生の実現につながる重要な役割も担っていると考えております。平成29年度、文化芸術振興基本法が、文化芸術基本法に改定されました。この中で単なる文化芸術の振興にとどまらず、観光まちづくり、国際交流、福祉、教育、産業などの連携がうたわれており、改めて様々な施設と連携による祭りの社会的課題解決能力を分析し、役立てていくことが重要であろうと考えております。地方創生を実現する有効な手段として、祭りを今後さらに維持発展させ、祭りが持つ社会的課題解決能力を活用することについて、御所見をお伺いします。
また、祭りをうまく活用して、地方創生を実現するためには、初めに自分たちの地域の祭りがどのような社会的解決能力を有するのかを明らかにした上で、社会的解決能力を発揮するための方策を検討し、実行することが求められます。その際、祭りの主体となっている人たちと該当する社会的課題の解決を目指している人々が、連携、協働することで、より効果的な手法を構築できる可能性があります。本来の祭りが持つ祭礼や伝統文化行事としての本質や価値を損ねることのないよう、行政や祭りの関係者の方々が、意見や知恵を出し合い、祭りの維持、発展と地方創生の道筋を目指していただきたいと思いますが、いかがですか、御所見をお伺いします。
まち・ひと・しごと創生法が平成28年4月1日に施行され、全国の地方自治体において、まち・ひと・しごと創生総合戦略が展開されています。また、総合戦略は、総合計画とは別に定められておりますが、総合戦略の内容は、総合計画の基本計画や実施計画と連動されるなど、関係性を有した取組がされています。
本市においても、長期総合計画に総合戦略を位置づけています。総合戦略で定めた内容を実効性あるものとするには、具体的には行政評価を通じて改善を担保し、予算の反映などにより評価、結果を改善に結びつけていく仕組みやルールを確立することが特に重要です。また、そのために外部評価の実施と評価結果及びその予算への反映状況を公表することも重要であり、こうした第三者チェックによる緊張感が、評価結果を改善につなげる取組を促進する考えと考えられます。また、評価と改善に関わる職員の負担を軽減し、取組意欲を高め、評価に要する事務は、目的に即してできる限り絞り込むとともに、問題点を発見し、改善を実施した組織や職員が評価される仕組みを検討するなど、職員が負担に見合う成果を実感できるようにすることが重要と思います。
新居浜市として、取組状況はいかがですか、御所見をお伺いします。
ホームページによると、全国的には少子高齢化、人口減少問題の対策として、総合戦略に位置づけられているまちづくり施策としては、空き家・空き店舗対策、コミュニティバスの公共交通事業、にぎわい交流施策などが多く選定されています。これらの施策の推進に当たっては、財源の捻出が問題として指摘され、これら施策を実施しても、効果が乏しい、人口減少の歯止めがきかない、実態の確認という実態も確認されました。一番問題となっている施策を取り上げると、教育施設、公民館が上位に選択され、その問題内容は、財源確保を筆頭に、統廃合ができない、合意形成が進まない、方向性が定まらないといった点が確認できました。
新居浜市の実態はいかがですか、御所見をお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 地方創生と行政評価についてお答えいたします。
新居浜市の実態についてでございます。
本市におきましても、少子化が進む中、将来的に一定の学校規模を確保して教育を行っていくためには、学校の規模適正化を図っていくことが喫緊の課題となっております。また、学校施設の老朽化対策についても課題となっており、今後同時期に建てられた施設の改築などの予算が短期間に集中することから、市の財政負担が懸念されております。
このようなことから、現在、新居浜市立小中学校の適正規模、適正配置に関する基本計画の策定作業を進めているところでございます。
また、公民館など社会教育施設につきましても、施設の利用実態や利用見通し、老朽化の状況などにより、複合化、多目的化や規模縮小についても必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、保護者や地域住民の方々との共通理解が重要でございますので、今後の教育環境の在り方や施設の老朽化への対応等について丁寧に説明を行い、協議を進めてまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 加藤副市長。
○副市長(加藤龍彦)(登壇) 祭りが持つ社会的課題解決能力の活用と地方創生の道筋についてお答えいたします。
新居浜太鼓祭りは、四国三大祭りの一つに数えられ、本市が全国に誇る伝統文化行事であり、運営の主体となっております自治会等は、職業や世代を超え、祭り以外にも体育振興活動、廃品回収活動など、様々な地域コミュニティーの維持やつながりに大切な役割を果たしていただいております。
また、盆、正月には帰らずとも、お祭りには帰るといった特別の思いのある本市出身者が多くいることやお祭りを観覧するために、県内外からの観光客が多く訪れている現状を鑑みますと、祭りを維持発展させることで、Uターンによる移住、定住の促進や観光面での交流人口の拡大など、地域の社会課題の解決につながり、そのことが地方創生に寄与するものと認識しております。
祭りには、様々な社会課題を解決するポテンシャルを秘めておりますが、地域の伝統文化という本来の役割を損なわないよう、今後におきましても祭りの維持発展が図られるよう、適切に支援してまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) 行政評価の取組状況についてお答えいたします。
本市では、市民の視点に立った成果を市政に反映させ市民への説明を行うとともに、最上位計画である新居浜市長期総合計画を効果効率的に推進するため、施策評価と事務事業評価の2種類の行政評価を導入しております。
まず、施策評価では、長期総合計画に位置づけられた基本構想の目的を実現するために、長期総合計画のまちづくりごとの全ての施策について現状分析、課題の確認及び達成度を評価しております。
次に、事務事業評価では、予算編成前に中間評価を行い、事務事業終了後、実施状況及び達成度を事後評価しております。
本市では、行政評価による改善の実効性を担保するため、評価結果を経営戦略会議に報告し、次年度の予算編成に反映させる仕組みとしております。また、評価の客観性を保ち、評価結果の精度を高めるため、外部評価委員会を設置しており、最終評価の結果及び当該結果が反映された予算についてはホームページ等で公表いたしております。
次に、評価と改善に関わる職員の負担軽減についてでございます。
行政評価につきましては、対象となる事務事業がかなりの数となり、職員の事務負担も大きいことから、事業ごとの決算状況のデータを取り込むなど、できる限り確認作業の絞り込みを行っております。
次に、取組意欲を高めるための方策についてでございます。
御指摘のとおり、事務的な負担が多い一方、予算編成に反映されない場合、職員の取組意欲が低下することが考えられますことから、できる限り反映できるよう、評価に基づく予算査定を行っております。
さらに、行政評価における問題点を発見、改善した組織や職員につきましては、職員提案制度において、改善の実績や提案を受け、優れた実績や提案については、表彰を行うことにより、組織、職員の意欲を高めることとしております。
いずれにいたしましても、総合戦略で定めた内容を実効性のあるものにし、地方創生を進めるためには、行政評価による施策や事務事業の進行管理が重要であり、今後におきましても、より一層の改善、充実に取り組んでまいります。
○議長(藤田豊治) 仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 特に、行政評価の中で、特に総合戦略の中では、KPIの数値っていうのは非常に我々も注目するところであるわけですけれども、そのことについて理解度が薄いんではないかという感覚があるわけですけれども、そういう意味でKPIの設置について、もう少し明確化をするような方向性を出せば、総合戦略についても分かりやすいんではないかというふうに思うんですが、そういう改革についてはどういうふうに考えられていますか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) 仙波議員さんの再質問にお答えいたします。
総合戦略のKPIの数値についてでございます。
新居浜市総合戦略につきましては、確実な実施を図るため、組織体制としては、外部有識者で構成する新居浜市地方創生有識者会議を設置しております。また、有識者会議を開催するために、庁内全体で実務レベルの実態把握や課題等の抽出、整理が必要となり、そのために関係部局の総括次長による庁内関係部局会を半期ごとに開催し、先ほど御指摘のありましたKPIを含めた数値目標の達成状況の確認や要因の分析など、そのあたりについての進捗状況を行っております。ただ、先ほども言われましたようなKPIがそれで実際よいかどうかにつきましては、外部で組織しております有識者会議でも御指摘を受けておりますので、随時見直すこととしておりますので、今後についても適切な進捗管理を図りたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 今申し上げましたけれども、答弁の中にありましたように、KPIの数値についてですけれども、確かに人口目標なんかをKPIで見るというのは非常に何年度に何万人、何年度に何万人というて非常に分かりやすいんですけれども、反対に事務事業とか施策評価の中で、やはり対外的に見やすいKPIもあれば、見にくいKPIもあるということもあると思うんです。その中で、特に外部評価の人たちもそうですし、もっというと我々もそうなんですけれども、もう少し分かりやすいKPIになるように努力をしていただきたいということの中で、今見直しも検討していただくというふうに言っていただいたんで、ぜひそれをお願いしたいと思います。特に、その中には、大変言いにくいんですけれども、職員の方も理解されてない方がいるんじゃないかというふうなことで非常に心配をしておりますので、その点も併せて御検討いただければというふうに思います。
それでは次に、子育てについてお伺いします。
当市においても、市長の鳴り物入りでこども局が創設されました。目指すは子育てしやすい町だと思います。児童相談所での児童虐待対応をデータ化し、AIによる分析などで業務をシステム化している三重県では、平成26年に独自のリスクアセスメントツールを開発、そこで得られた約6,000件のデータをAIで解析したところ、一時保護することで児童虐待相談の再通告率が低減する結果が得られたと聞きました。この新たなシステムについて、令和元年度、県内2か所の児童相談所と産業技術総合研究所との協働で実証実験を行い、翌年には県内全ての児童相談所で運用を開始、過去の類似例や子供の発達年齢に合わせた質問の目安などがAIで示されることになり、対応の幅が広がったというふうに三重県では言っています。また、ICTによる業務の効率化、情報共有の時間短縮、判断へのサポート効果もあったそうですが、データ件数が多いほど精度が高まるので、他自治体にも普及が進み、より質の高い判断ができるようにしていきたいと三重県では児童福祉行政分野のデジタル化を見据えています。厚生労働省によると、2020年度児童相談所が虐待の相談で対応した件数は、全国で20万件を超え、過去最高となったそうです。コロナ禍の中で危惧されますが、本市においてはいかがですか、御所見をお伺いします。
次に、育児・介護休業法の改正により、令和4年10月から育児休業の2回までの分割と産後パパ育休、出生時育児休業の制度を施行します。
そこで、改めてお伺いしますが、制度の創設によって、どのように変わりますか。
あわせて、本市の男性の育児休暇の取得状況はいかがですか。
また、新居浜市は、この育児・介護休業法の適用事業所になるんでしょうか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。高橋総務部長。
○総務部長(高橋正弥)(登壇) 子育てについてお答えいたします。
まず、本市の男性職員の育児休業取得者についてでございます。
令和元年度は1人、令和2年度はゼロ人、令和3年度は1人となっております。
また、取得率といたしましては、令和元年度は7.7%、令和2年度はゼロ%、令和3年度は8.3%でございます。
次に、育児・介護休業法の適用事業所となるかについてでございます。
本市は、育児・介護休業法の適用事業所とはなりませんが、地方公務員の育児休業等に関する法律が適用されることとなり、同法につきましても、育児・介護休業法と同様の改正がなされ、10月1日から施行されることとなっております。本市におきましても、改正法の趣旨にのっとり、9月議会に関係条例案を上程したいと考えております。
○議長(藤田豊治) 酒井福祉部こども局長。
○福祉部こども局長(酒井千幸)(登壇) コロナ禍における新居浜市の児童虐待相談の状況についてお答えいたします。
令和3年度に市役所及び児童相談所である愛媛県東予子ども・女性支援センターで受け付けた新居浜市における児童虐待相談は251件ございました。平成28年度においては145件で、この5年間で約1.7倍に増加しております。
最近の増加要因が、全てコロナ禍によるものとは断定できませんが、経済的困窮等から児童虐待に至るケースが見られ、また種類として、心理的虐待の増加が特徴として上げられます。
次に、育児・介護休業法の改正に伴う制度創設等でどのように変わるかについてでございます。
10月から施行される産後パパ育休制度の創設により、男性は子の出生後、8週間以内に4週間まで育休を分割して2回取得できるようになります。また、育児休業制度については、夫婦共に分割して2回取得することが可能となります。これにより、夫婦が育休を柔軟に交代できる回数が増え、女性が職場に復帰しやすくなるメリットが見込まれます。共働き世帯が増加する中、こうした新たな制度の認知と活用が進むことで、より子育てしやすい社会の実現に近づいていくものと考えております。
○議長(藤田豊治) 再質問はありませんか。
○24番(仙波憲一)(登壇) 特に、この子育てについてということは、市長さんもふだん言われているように、子育てのしやすい町というのがどうも地方創生の人口増の一番の狙いの中でどこの市町村もそういうふうに言われているわけですけれども、その中で本当にどういうことが子育てがしやすいのかという意味の中では、先ほど三重県の事例を取り上げましたけれども、それが全部愛媛県でやればいいかどうかということは別といたしまして、地方として学ぶものはあるんではないかというふうに思います。そういう中で、ぜひ子育てのしやすい町を目指していただきたいということを願いまして、質問を終わります。
○議長(藤田豊治) 黒田真徳議員。
○12番(黒田真徳)(登壇) 皆様こんにちは。
公明党市議団の黒田真徳でございます。
それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。
初めに、ロシアのウクライナ侵攻の影響についてのうち、地方創生臨時交付金についてお伺いします。
令和4年2月24日にロシアがウクライナに侵攻いたしました。政府は、ロシアに対する各国の経済制裁を支持する姿勢を示しました。公明党としましても、武力による現状変更は認められないとの立場から、経済制裁を支持し、それに伴う物価高に対応するため、国民生活総点検緊急対策本部を設置し、国民生活の隅々にまで目を届かせて、具体策に反映させる必要があると考えました。政府は、4月26日、原油高騰対策と生活困窮者支援などを柱とする総合緊急対策を決定し、自治体の事業を国が財政支援する地方創生臨時交付金を拡充し、1兆円のコロナ禍における原油価格・物価高騰対応分の創設が決まりました。これは、公明党の政府への強い要請で決まったもので、各自治体の判断で、目的の範囲内で様々な事業に活用することができます。
今回の活用目的は、大きくは2つに分かれ、1つは、学校給食費の負担軽減などの生活支援、もう一つは、トラック輸送など企業に向けた事業者支援です。
そこで、5月26日に公明党市議団としまして、交付金の活用について、給食費の負担軽減や原油価格の高騰の影響を受ける事業者への負担軽減などについて盛り込んだ要望書を市へ提出させていただきました。現在、新居浜市としましても、活用方法について鋭意検討をされており、既に案として決定された事業もあるかと思いますが、公明党の要望につきましても反映していただきたいと思うところでございます。
そこでまず、今回の原油価格・物価高騰対応分の地方創生臨時交付金につきまして、新居浜市としての活用方針を教えてください。
次に、少し具体的な使い道についてお伺いします。
党からの要望として、各種食材の値上げにより、値上げが心配される給食費の負担軽減などについて要望させていただいておりますが、その要望の一つに子育て世帯への支援があります。
そこで、一つ注視していただきたいのは、これまで行われた支援策では、該当要件に当てはまらず、支援の網からこぼれてしまっている世帯の支援についてでございます。具体的には、一定の所得があるため、所得の要件からも外れ、また子供の年齢が18歳を超えているため、子育て世帯という支援要件にも当てはまらないが、実際は大学生を含め、3人以上の子供がいるなどで、生活の実情はかなり低い水準になってしまっているような生活困窮世帯についての調査検討をしていただければと考えますが、御所見をお伺いします。
次に、農業、漁業の支援についてお伺いします。
先ほども述べましたが、ロシアのウクライナ侵攻の影響で、原油や食料品の物価高騰に拍車がかかっており、政府も緩和の政策に取り組んでいますが、5月から電気代の値上げも発表されており、市民生活へ与える影響はもちろんですが、大量に電力や燃料油を使用する企業、業種への影響は、深刻なものがあります。現在、日本でも、洋上風力発電など、非化石エネルギーを主体とした再生エネルギーの導入拡大を目指しており、資源エネルギーについて海外依存から脱却していく必要があると考えます。
そこで、地産地消に貢献していただいている農業、漁業に携わる方への支援についてお伺いします。
先日、旧若宮小学校でのホンモロコの養殖や企業による大島でのサーモンの養殖業の取組の記事を拝見いたしました。かつて豊富であった瀬戸内の海の恵みも目に見えて減少しているのを感じますことから、ものづくりのまち新居浜の強みを生かした養殖業への挑戦にも期待するところです。
また、農業につきましては、先日もひょうによる被害が報道されていました。農家の方は、大切に育てた作物の被害に悔しさをにじませていました。天災や害虫の被害と隣り合わせの農業ですが、ITを利用するなどで、少しでも安定した収穫が得られるようになればと望みます。
先日、テレビで、高専生によるディープラーニングを利用したコンテストが紹介されていました。その中では、キクラゲの収穫方法について、成長過程で大中小と様々な大きさのキクラゲが乱立する中、大きく育ったキクラゲだけを認識するように学習を進めたロボットが収穫するというものでした。なぜ対象にキクラゲを選んだのかとの問いに、学生は、単価が高いからと答えていたと思いますが、若い方たちの卓越した技術をぜひ今後の農業、漁業の発展に生かしていただきたいと思います。
そこで、新居浜市におきましても、農業、漁業において、新たな分野に挑戦される方に、資金だけでなく、場所や資機材の提供、IT技術を生かしたアドバイスや作物の売り込み方の支援なども行っていただければと考えますが、御所見をお伺いします。
○議長(藤田豊治) この際、暫時休憩いたします。
午前10時56分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前11時07分再開
○議長(藤田豊治) 休憩前に引き続き会議を開きます。
答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 黒田議員さんの御質問にお答えをいたします。
ロシアのウクライナ侵攻の影響についてのうち、地方創生臨時交付金についてお答えをいたします。
原油価格・物価高騰対応分の地方創生臨時交付金の活用方針についてでございます。
今般の交付金につきましては、コロナ禍において原油価格や物価高騰の影響を受けている生活者や事業者の負担を軽減するため、新たに創設された地方自治体に対する交付金制度であります。交付金活用事業の検討に当たりましては、現状を把握するため、市内事業者等へのヒアリングを実施いたしました。その上で、国から示されている交付金活用事例を参考にするとともに、国や愛媛県との役割分担を明確にし、両者の支援が十分に届いていない生活者や事業者の負担軽減に資する事業に活用したいと考えております。具体的には、御要望をいただきました保育所、幼稚園、小学校、中学校等の給食について、材料費高騰に対する助成や愛媛県と連携した地域経済の活性化及び生活者支援を目的としたプレミアム商品券の発行事業、さらには本市の公共交通を担う事業者への燃料費高騰の負担軽減などの事業への交付金活用を検討いたしております。
今後交付金の趣旨を踏まえ、地域の実情に応じたきめ細やかな支援の迅速な実施に向けて取り組んでまいります。
○議長(藤田豊治) 桑内経済部総括次長。
○経済部総括次長(桑内章裕)(登壇) 農業、漁業の支援についてお答えいたします。
農業、漁業における新たな分野に挑戦される方への市の支援として、新規就農者に対しては、国、県、市の補助金を活用した資機材の購入支援や農地の集約あっせん、関係機関と連携して新規就農相談などの支援を行っております。また、新規漁業就業者につきましても、県、市、県漁協等による就業者支援を行っております。
黒田議員の御指摘のとおり、農業や漁業に新たに挑戦される方には、資金だけでなく、場所や資機材の提供、ITの技術的アドバイス、販路開拓等様々な支援策が必要と思われますことから、専門的知識やノウハウを持つ県や民間との連携を図ってまいります。
今年度国のデジタル田園都市国家構想推進交付金を活用し、大島地区の地域課題である七福芋の生産拡大や品質の向上、農作業の効率化等を図るため、IT技術を用いた事業を検討してまいりたいと考えております。
また、サーモンの試験養殖につきましては、IT技術の活用や事業化に向けた必要な経営アドバイスなどをいただける県など各関係機関と連携を図りながら、効果的な支援に努めてまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 酒井福祉部こども局長。
○福祉部こども局長(酒井千幸)(登壇) 支援の網からこぼれている世帯への支援についてお答えいたします。
高校生以上の子供さんがいる御家庭等におかれましても、コロナ禍の中、大変厳しい状況にあることは認識いたしておりますが、今回の地方創生臨時交付金を活用した子育て世帯生活支援特別給付金の対象を広げるなどの取組は、現在のところ予定いたしておりません。しかしながら、本市では、昨年の秋以降、子ども医療費助成の対象年齢を市独自で18歳の年度末まで拡大し、保険診療による一部負担金を助成するなどの対策を実施してまいりました。
今後におきましても、現実的に生活に困窮している子育て世帯への支援について、国や県の動向も踏まえながら、各世帯の生活実態に柔軟に対応できる支援策を検討してまいりたいと存じます。
○議長(藤田豊治) 黒田真徳議員。
○12番(黒田真徳)(登壇) ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
次に、ウィズコロナについてお伺いします。
新型コロナウイルスの感染につきましては、現在、高止まりのまま推移しており、アフターコロナとなる兆しは見えません。市民の皆様の中でも、コロナ感染予防に対する意識の違いが大きくなっていると感じます。新型コロナウイルスの感染症法上の分類について、季節型インフルエンザと同じ5類相当に引き下げるべきではないかという議論がなされたこともその現れではないかと考えます。また、4回目のワクチン接種についての話もお聞きしますが、3回目の接種率については、どのような状況になっていますか、お伺いします。
コロナ禍となり、もう2年が経過しましたが、福祉施設など人との接触が避けられない場所では、ずっと継続して通常の業務に加えて感染予防の取組を献身的に行っていただいています。また、予期せぬ感染により、家族と会うことがかなわぬまま亡くなられる方と大切な人を失ったつらさに加えて、その最期の場面を通常の形で迎えることができない遺族の存在も忘れてはなりません。
そこで、市としましては、コロナ対策について、継続して公共施設や市主催のイベントにおいて、行動指針を示すことや各種イベント開催の有無については決定に至った経緯の説明、発信が必要と考えます。イベントの開催については、同様のイベントが他市では開催される場合もあります。できるだけ数字を用いた根拠を示す必要があると考えますが、御所見をお伺いします。
次に、コロナの後遺症についてお伺いします。
新型コロナウイルスに感染後、一定期間が過ぎて検査で陰性となってからも倦怠感や嗅覚障害などの後遺症に悩まされる人がいます。中には1年以上たっても体調不良が続き、仕事に復帰できない深刻なケースもあります。
静岡県が2月22日に発表したコロナによる後遺症の症状があった人への調査結果については、7割が味覚、臭覚の障害を訴えています。また、コロナの後遺症が仕事に影響したと答えた人の約4割が、仕事内容の変更や退職、休職、転職をしていることが判明しました。感染者が増え続ける限り、後遺症で苦しむ方々も増えます。静岡県の調査では、医療機関を受診しなかった人の半数が受診先が分からなかったと答えています。
そこで、後遺症外来の設置や相談窓口を設置する自治体が増えていますが、コロナの後遺症による症状の周知や後遺症外来の設置について御所見をお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。原副市長。
○副市長(原一之)(登壇) ウィズコロナについてお答えいたします。
まず、3回目の接種率はどのような状況になっているかについてでございます。
本市の総人口に占める3回目接種済み者の割合は、6月6日時点で59.3%であり、接種率向上に向けて勧奨はがきの送付や事業所等への依頼、SNS等による情報発信、さらには夜間、休日の集団接種を行いましたが、県内で最も低い接種率となっております。特に、20代から40代の接種率が低く、65歳以上の86.3%に対し、20代は39.9%、30代は43.2%、40代は54.9%で、全国や愛媛県の平均値を下回っている状況であり、ウィズコロナでの社会経済活動の回復を目指すためには、若い世代のワクチン接種率をさらに上げていく必要があると考えております。
次に、市有施設等の利用や市主催のイベントの取扱いにつきましては、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、愛媛県が発令する警戒レベルに沿って、新型コロナウイルス対策本部において、市民や事業者の皆様に要請する行動指針を決定し、各施設や団体、市広報を通じて周知いたしております。
イベント開催の有無の決定に至った経緯の説明についてでございますが、国の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針に、イベント規模に応じた参加人数等の基準や必要となる感染防止策が示されており、これに準拠することが基本となります。しかしながら、最終的なイベント開催の可否の判断は、同様のイベントであっても開催方法や内容など、さらにはその時々の感染状況によって大きく左右されるものでございますことから、数値のみで基準をお示しすることは困難でございます。
今後におきましても、市民の皆様に御理解をいただけるように、丁寧な説明や広報に努めていきたいと考えております。
次に、後遺症の周知や後遺症外来の設置についてでございます。
後遺症による症状や発症メカニズムについては、いまだ解明されていない部分も多く、明確な治療法も確立していないことから、その周知につきましては、過度な心配や不安を招かないためにも、医学的、科学的な知見を基に行う必要があると考えており、現在、国や県の動向を注視しているところでございます。本年4月の厚生労働省の公表によりますと、後遺症の症状は、倦怠感、息切れ、思考力や記憶への影響などとしており、かかりつけ医等が対症療法を行い、必要に応じて専門医に紹介することによって対応することは十分可能と考えられるとされております。愛媛県に問い合わせたところ、現在、県で把握している後遺症外来は、設置されておりませんとのことでございましたが、その設置につきましては、高い専門性が必要でありますので、本市といたしましては、県の方針に沿って、必要に応じて関係機関と連携、調整を図ってまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 黒田真徳議員。
○12番(黒田真徳)(登壇) ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
それでは次に、災害時の避難についてお伺いします。
まず、夜間の避難訓練についてお伺いします。
災害時の避難についてですが、災害は時と場所を選ばず起こるので、昼間に比べ避難が困難になるとも考えられる就寝後の被災についても想定、対策が必要と考えます。昼間に避難訓練を行った方はいても、夜中に避難訓練を行ったという方は少ないと考えます。昼間は、職場や学校での集団での避難訓練となりますが、就寝後は家での被災となります。夜間に各種団体での避難訓練は、実施も困難であると思いますので、まずは家族間での避難訓練を推奨してはどうかと考えます。皆様も経験があると思いますが、寝ているときに地震があったからといって外にまで避難する人は少ないのではないかと考えます。夜間の避難訓練は、家から外に出るだけの小さな避難訓練かもしれませんが、家族の避難意識を高めることにつながります。また、訓練は、寝ている位置に重い家具が転倒、転落しないような備えや豪雨による浸水被害では、道路と水路の区別がつかなくなったときのために、昼間とは違うルートの選定や強力なライト、足元を探りながら歩くつえの準備など、夜間での災害ならではの課題の把握と対策へとつながります。
そこで、夜間の避難訓練の実践啓発や先進的なノウハウの市民への周知についてどのように考えられるか、お伺いします。
次に、避難所の電源確保についてお伺いします。
豪雨災害などと併せて起こる大規模停電について、医療的ケア児など、電源が必要な方の避難についてお伺いします。
停電により通常の電源が喪失したときにも対応できるような装置がある避難場所への避難が必要だと考えますが、そのような方へは避難についてどのようにお知らせをされていますか、お伺いします。
次に、ペット同伴の避難についてお伺いします。
災害時の避難について、ペットを飼っている家庭は、ペットを伴った避難について考えておく必要があります。ペットを連れていくことができないから避難しないという事態は避けねばなりません。しかしながら、ペットを伴った避難については、ペットを飼っている人にとっては当たり前のことでも、飼ってない人からすれば理解できないこともあります。
そこで、市としましては、トラブル防止のため、あらかじめペット同伴の避難についてルールを決めておくことが必要ではないかと考えます。そして、飼い主には、日頃から避難時のペットのための水や食料の準備やキャリーバッグやケージに入ることを慣れさせておくなどの対策を進めておく必要があると考えます。
そこで、お伺いしますが、ペットの同伴が可能な避難場所についてのお考えと、ペット同伴避難のマニュアルづくり、またその周知についてお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。長井市民環境部長。
○市民環境部長(長井秀旗)(登壇) 災害時の避難についてお答えいたします。
まず、夜間の避難訓練についてでございます。
台風や大雨は、日頃から気象情報等に注意することにより、予測による準備や避難などが可能となりますが、地震はいつ起こるか分からず、就寝時間帯に発生する場合もあり、事前準備と心構えが重要になってまいります。
こうしたことから、夜間に発生する災害を想定した避難訓練は、災害に対して常に意識を持つことにもつながり、日中では気づかない課題や問題点を洗い出すことができるため、非常に有意義であると考えております。
しかしながら、夜間における訓練では、けがのリスクが高くなるため、夜間の訓練を御家庭や地域で実施される場合には、周囲の安全に十分に配慮した上で、無理のない範囲で行っていただくよう注意喚起を行ってまいります。
また、防災センターや出前講座などでは、屋内の避難ルートの確保や家具転倒の危険性、夜間や停電時の災害発生への対応などの周知啓発を行っておりますが、今後におきましては、全国の先進的な避難訓練の実施状況等についての情報収集に努め、そうした情報を広く周知することで、市民の防災・減災意識のさらなる向上を図ってまいります。
次に、避難所の電源確保についてでございます。
避難先となる指定避難所及び指定福祉避難所においては、災害時に照明などの最低限の電源を確保するための発電機を整備いたしております。しかしながら、避難所では、医療的ケア児の方など、停電時に電源が必要な方への十分かつ安定的な電力の供給、確保は難しい状況でございますので、非常用電源設備のある病院への移送対応や緊急入院などの措置が必要となりますことから、現時点では対応可能な避難所のお知らせができない状況でございます。
今後におきましては、福祉部局と連携し、医療行為などで非常用電源が必要となる方の状況を確認し、個別避難計画が作成できるよう、避難先の選定等に関する協議を進めてまいります。
次に、ペット同伴の避難についてでございます。
避難所では、動物が苦手な方やアレルギーをお持ちの方を含む多くの避難者が共同で避難生活を送ることになります。本市の避難所運営マニュアルでのペット連れ避難者への対応は、屋外で飼育可能なペットは、原則屋外にスペースを確保してつなぎ止めるなどして飼い主に責任を持って飼育してもらい、屋外で飼育困難な場合は、ケージなどに入れ、飼い主が責任を持って管理する、他の避難者の避難スペースと分離する、施設の利用計画などと照らし合わせ、施設管理者等と十分協議することの厳守を前提として、屋内のスペース確保を検討することとなっております。屋外、屋内、いずれの場合でも、ペット連れ避難者の責任を十分に説明し、他の避難者に理解を得て、ペットスペースを確保することとなります。
また、ペット同伴避難のマニュアルの周知については、本市ホームページに掲載し、市民への周知を図っております。
○議長(藤田豊治) 黒田真徳議員。
○12番(黒田真徳)(登壇) ありがとうございました。
次に、18歳成人についてお伺いします。
今年の4月より成人年齢が18歳に引き下げられました。そのことにより、仮に悪徳商法に引っかかったり、セールストークにつられて高額な商品の契約をしても、親の同意がなければその契約を取り消すことができていた未成年取消し権の対象外となります。社会的経験に乏しい18、19歳の若者が、悪徳商法の被害に遭い、高額な負債で生活破綻に陥ることを防ぐための消費者教育が重視されています。政府は、消費者契約法を改正し、若年者を守る制度を導入しています。若年者の不安感をあおったり、恋愛感情など人間関係を悪用して結んだ契約は取り消せることになりました。また、懸念されるアダルトビデオの出演被害の救済に向けて、出演者がAV公開後も一定期間は無条件で契約解除できる内容を盛り込んだ法案を今国会で成立させる予定です。
そこで、初めにお伺いしますが、4月より現在まで、新居浜市では新たに成人となった18、19歳の若者を狙った被害の相談や報告はないでしょうか、お伺いします。
今年の4月より、高校では金融教育が本格的にスタートしたそうです。生きていく上で必要なお金や経済に関する知識、判断力を身につけるために生活設計や家計管理、資産形成、金融トラブルなどについて授業で学ぶそうです。今後、若者が賢明な消費者として悪徳商法を見抜く力を養い、しっかり自立できるように教育を充実させる必要があります。
そこで、高校の年代への教育はもとより、消費者教育に早くから親しんでもらうため、中学生にも消費者生活相談員の方たちが講師となり、出前講座やオンライン授業を行ってはどうかと考えますが、御所見をお伺いします。
また、消費者教育とともに18歳で成人になることで社会的責任が重くなることへの自覚、判断力を養っていく必要があると考えますが、取組について御所見をお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。長井市民環境部長。
○市民環境部長(長井秀旗)(登壇) 18歳成人についてお答えいたします。
まず、4月から現在まで新たに成人となった18、19歳を狙った被害の相談や報告についてでございます。
4月以降、訪問販売による消費者トラブルに関する相談は1件ありましたが、本人がすぐに親に相談し、消費生活センターにつながり、対処できたことで、被害を受けることなく解決することができました。
次に、消費者教育に早くから親しむため、中学生にも出前講座やオンライン授業を行ってはどうかについてでございます。
これまでに中学校の家庭科の時間に、消費者の5つの責任と悪質商法をテーマに、消費生活センターの相談員が授業を行う取組を実施しましたが、消費者教育を効果的に進めるためには、授業に加えて、繰り返し学習する必要があると考えております。
このようなことから、昨年度は、本市教育委員会を通じて、市内の小中学校に対して、消費者教育のアンケート調査を行っており、今後は調査結果を基に教育委員会と連携して、出前講座等を実施してまいります。
次に、18歳成人で社会的責任が重くなることへの自覚、判断力を養っていくための取組についてでございます。
今後も機会を捉えて成年年齢となる高校生の世代に対し、出前講座やイベントでの啓発など、様々な場面で成人の社会的責任や必要な判断力等についての消費者教育を実施してまいります。
○議長(藤田豊治) 黒田真徳議員。
○12番(黒田真徳)(登壇) ありがとうございました。
次に、若者議会とガバメントクラウドファンディングについてお伺いします。
4月に行われた松山市の市議選では、投票率が40%を切ったようですが、新居浜市におきましても、市民の皆様の市政への関心を高めたいところです。関心を高めるためには、やはり市政に直接関わるなど、身近に感じていただく取組が必要だと考えます。
宇和島市の吉田高校では、政治参加に関心を持ってもらおうと、請願の作成や模擬議会を通じて、政治に声を届ける仕組みを学ぶ取組が行われました。愛知県新城市では、若者議会と呼ばれる高校生から20代の希望者による議会を立ち上げ、政策を立案し、立案された政策が、市議会で認められれば、市の事業として実行するという取組が行われています。予算の上限は、年間1,000万円で、7年間で40の事業が実現したようです。新居浜市でも10代、20代の若い人たちに、政策を募集、立案し、数案を投票で競うなどして、多くの賛同を得た案を議会に諮るといったことを検討してみてはどうかと考えますが、御所見をお伺いします。
また、その施策に充てる予算として、ガバメントクラウドファンディングを利用してはどうかと考えますが、御所見をお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 若者議会とガバメントクラウドファンディングについてお答えをいたします。
まず、若者議会についてでございます。
愛知県新城市では、若者が活躍できる町にするため、新城市若者議会が条例に基づき設置されており、予算提案権を持ち、市議会の承認を得て、市の事業として実施されるなど、先進的な取組が行われております。
本市におきましては、これまでも学生など若者を含めた市民の代表者による新居浜みらい会議を開催し、会議で出されたアイデア等をHello!NEW新居浜チャレンジ推進事業として実施してまいりましたが、昨年は民間事業者との協働により、市内の高校生が地元の地域課題を解決するビジネスプランを提案する新居浜みらい会議高校生ソーシャルビジネスコンテストやソフトバンク株式会社が主催する地方創生インターンシップ事業TURE-TECHを実施いたしました。高校生ソーシャルビジネスコンテストでは、事業化には至りませんでしたが、参加いただいた4グループから、高校生ならではのビジネスプランが提案されました。また、地方創生インターンシップ事業TURE-TECHでは、全国から集まった様々なバックグラウンドを持つ大学生などが、本市の抱える課題を市職員や地域の方、事業者の方などへのヒアリングを行い、最終的にプレゼンテーションで事業提案をしていただき、その結果、若者へのアンケートを実施するプチモニなど、2事業を予算化しております。若者の意見を施策に取り入れることは、本市のまちづくりにとって非常に重要であると考えており、今年度も引き続きTURE-TECHを実施することとしております。
次に、ガバメントクラウドファンディングについてでございます。
ガバメントクラウドファンディングにつきましては、本市では平成30年にふるさと納税を活用し、新居浜太鼓祭り首都圏PR推進事業で実施いたしました。
今後におきましては、若者から提案された事業についても、多くの方から賛同が得られる場合におきましては、財源確保の有効な手段の一つとして積極的に活用してまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 黒田真徳議員。
○12番(黒田真徳)(登壇) ありがとうございます。
次に、公立の保育施設の意義についてお伺いします。
JR四国が2020年度の路線別収支を発表し、唯一の黒字路線とされてきた瀬戸大橋線が、新型コロナウイルスの影響で赤字となり、四国内8路線、18区間の全てが赤字路線となったとの記事がありました。民間企業でありますので、赤字路線の存続につきましては苦慮されていることと考えます。
新居浜市では、昨年度に王子幼稚園が閉園しました。園児の数も少なくなり、閉園か存続かで紆余曲折があったかと思います。今後、ほかの保育施設についても、園児数が減少し、財政的には厳しいところもあるかと思います。ただ、民間ではなし得ないところを補えることが公立のいいところの一つと考えます。地域の皆様のお声になるべく添えるように対応していただきたいと考えます。
そこで、公立の保育施設のサービスについてお伺いいたします。
1点目に、一時保育についてでございます。
以前には若宮、垣生の2園で行われていたと思いますが、現在は若宮保育園の1園だけになっているかと思います。利用者が少なかったのかなと思いましたが、一定数の需要はあったようです。利用者のニーズについてどのように把握されているのか、お伺いします。
2点目に、病児保育についてお伺いします。
ひとり親や共働きの親にとって必要な制度だと考えますが、利用状況はどのようになっていますか。
また、課題と考えられるようなことはありますか、お伺いします。
3点目に、夜間保育所についてお伺いします。
夜間保育所開設のニーズについて調査をされたことはありますか。ありましたら、その結果について教えてください。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。酒井福祉部こども局長。
○福祉部こども局長(酒井千幸)(登壇) 公立の保育施設の意義についてお答えいたします。
まず、一時保育に関する利用者のニーズの把握についてでございます。
第2期新居浜市子ども・子育て支援事業計画を策定する際に、就学前児童の保護者を対象としたニーズ調査を実施しており、その調査におきましては、4割以上の保護者が、子供を保育園等に一時的に預ける事業を今後利用したいと回答されています。
なお、若宮保育園での一時保育事業の利用は、令和3年度は延べ1,862人でございました。
次に、病児保育の利用状況についてでございます。
令和3年度は、延べ239人の利用がありました。課題といたしましては、本事業は、医療ケアを伴うため、現在医療機関の御協力の下、委託実施しておりますが、日々利用者が変動する事業の性質上、保育士や看護師の配置調整等が困難であると認識いたしております。
次に、夜間保育所開設のニーズに関する調査についてでございます。
夜間保育所に限った調査は、これまで実施しておりませんが、保護者の就労形態が多様化する中、逐次適正なニーズ把握に努めてまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 黒田真徳議員。
○12番(黒田真徳)(登壇) 次に、土地の活用についてお伺いします。
最近、寂しいことではありますが、新居浜で長年続いてきた大型の店舗や施設が閉店、廃業して建物を解体し、更地になっているところをお見かけいたします。
そこで、この大きめの更地について、市が関わりまして企業誘致など効果的に利活用していただければと考えます。昨年には、新居浜の株式会社クック・チャムさんが、荷内町に高齢者や障害者を中心とした地域の人が従業員として働き続けられる生涯現役の村創造事業として開発、整備を展開されています。すばらしい取組だと思います。このような開発計画について、新居浜市としては土地の確保について民間企業に協力されるのだろうと考えますが、どのように関わり支援されるのでしょうか、お伺いします。
新居浜市の商業施設など各種施設は、車に乗れる間は利用しやすい立地となっていると思いますが、免許を返納するなどした後の公共交通機関の利便性については課題もあると考えます。
そこで、免許を返納するなどした高齢者について、高齢者が安価で住める市営住宅が各種施設が利用しやすい町なかにあればよいと考えます。今後、各地の市営住宅の建て替えの折には、町なかへの移転を検討していただければと考えますが、土地の取得を含め、御所見をお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。桑内経済部総括次長。
○経済部総括次長(桑内章裕)(登壇) 土地の活用についてお答えいたします。
本市におきましては、一体としての利用に供することが可能な一まとまりの土地、いわゆる一団の土地の確保につきまして、慢性的な用地不足の状況でございます。そのため、未利用の土地、または建物を所有されている方に、その情報を提供していただき、市及び県のホームページ等で広く公開することにより、企業の立地を促進する新居浜市未利用地等登録制度を設け、情報収集に努めております。
また、令和2年度には、市内の一定面積以上の土地を企業用地として企業に売却する土地所有者に対し奨励金を交付する制度を設け、新たな未利用地の掘り起こしにつなげているところでございます。
民間の事業用地につきまして、市が用地取得する場合を除き、民間事業者による売買や賃貸に市が直接的、積極的に関与することは難しいところがあるものと考えておりますが、これらの制度の活用促進を図ることにより、土地の確保につきまして引き続き支援してまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 三谷建設部長。
○建設部長(三谷公昭)(登壇) 市営住宅の建て替えについてお答えいたします。
市営住宅の整備につきましては、国が定める公営住宅等長寿命化計画策定指針に基づき、平成29年8月に新居浜市公営住宅等長寿命化計画を策定し取り組んでおります。
市営住宅の建て替える場所につきましては、長寿命化計画において、コンパクトシティ・プラス・ネットワークの考え方を踏まえ、市街地やその周辺への統合、移転を進める必要がある一方、公営住宅法の指針においては、建て替え対象となる住宅入居者の現在の生活環境に著しい変化を及ぼさない地域とすることとされております。また、新たに用地を取得する場合、その費用については補助の対象外となるため、市財政に対し、大きな負担となることが考えられます。
このようなことを踏まえ、市営住宅の建て替えにつきましては、市内における市営住宅の配置バランスや経済性、適正戸数、立地適正化計画との整合など、様々な要素を十分に考慮する必要があると考えております。
○議長(藤田豊治) 黒田真徳議員。
○12番(黒田真徳)(登壇) ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
次に、夜間中学についてお伺いします。
2017年、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、いわゆる教育機会確保法が施行されました。それ以降、文部科学省は、各都道府県及び政令指定都市に少なくとも1校以上の夜間中学の設置を求めています。さらに、今月に入って、文部科学省においては、関係部局に宛てて夜間中学の設置・充実に向けた取組の一層の推進について依頼がなされているようです。四国におきましては、ほかの3県には夜間中学が設置されています。夜間中学の設置の有無を論じるとき、よくニーズ調査の結果が根拠として上げられますが、考えてみますと、外国人の方たちに、仕事を終えた後、夜に学校に行きたいですかと聞いても答えはノーではないかと考えます。初めから学びの意欲がある方と、初めは関心はなかったが、現実に学びの場ができたことによって関心を持たれたり、学ぶことへの意欲が湧いてくる方もおられます。そういったニーズ調査には表れない事例について、先進事例を注視していく必要があると考えます。本市在住の外国人実習生など、外国人の方にとって夜間中学は通常の学習とともに日本語学習や日本文化への理解を深める場となれば、ごみ捨てや交通ルールなどの生活上のトラブルも防ぐことができ、自国に帰った後も、ほかの実習生の皆様にも新居浜を選んでいただけることにつながると考えますが、夜間中学の設置についてどのように考えられますか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 夜間中学についてお答えいたします。
いわゆる教育機会確保法では、施策推進の基本理念として、年齢や国籍、その他の置かれている事情に関わりなく、能力に応じた教育を受ける機会が確保され、その教育を通じて、社会において自立的に生きる基礎を培い、豊かな人生を送ることができるようにする旨が明記されております。このことは、夜間中学で学びたいと思っている外国人の方にとっても、黒田議員さん御提案の効果にもつながるものでございます。今後、夜間中学に関する愛媛県及び県内各市の動向を注視してまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 黒田真徳議員。
○12番(黒田真徳)(登壇) よろしくお願いします。
次に、相続人代表者の選任についてお伺いします。
市民の方から、3人共有名義の道路について、3人のうちの1人が、何年も3人分の固定資産税を払っていたという相談を受けましたが、なぜこのようなことが起きたのでしょうか。原因をお尋ねいたします。
御近所のトラブルとなりますので、防止対策にはどのようなことが考えられますか。
今回の件のような3人共有の道路について、所有者を仮にAさん、Bさん、Cさんといたしまして、Aさん、Bさん、Cさんの間では、共有分の納税方法について申合せができていたとしましても、今後子、孫まで代替わりしていくと、ほかの2者との話合いについて、誰に話を持っていけばいいのか分からなかったり、話を持っていっても相手方から聞いていない、知らないなどと言われトラブルになることも考えられます。
そこで、まずはAさんならAさん方の身内の中で窓口となる代表の方を申し合わせ、引き継いでおく必要があると考えます。
そこで、新居浜市としましては、相続登記を推進するなど、想定されるトラブル回避のために、事前に行っておくべきことについて周知していただければと考えますが、御所見をお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。高橋総務部長。
○総務部長(高橋正弥)(登壇) 相続人代表者の選任についてお答えいたします。
まず、3人共有名義の私道路について、1人が何年も3人分の固定資産税を払っていたことの原因とその防止対策についてでございます。
共有名義の固定資産につきましては、地方税法の規定により、各自の持分に関係なく、共有者全員が全額の納税義務、いわゆる連帯納税義務を負い、持分に応じてのみ納税義務を負っているものではございません。したがって、共有者のうちの1人が納付すれば、その範囲で他の共有者の納税義務も消滅することとなります。
今回のケースでは、3人の共有者が、共有物の納税について相談する機会がなく、それが原因になったのではないかと推測いたします。
その防止対策といたしましては、共有者同士が納税について一定のルールを決めるなど、十分に相談していただくことが重要ではないかと考えております。
次に、想定されるトラブル回避のために事前に行っておくべきことについての周知についてでございます。
不動産登記法の一部改正により、令和6年4月から相続登記の申請が義務化されたほか、所有者不明土地の発生防止と既に発生している所有者不明土地の利用の円滑化の両面から、民法等の一部が改正されました。これらの制度の改正につきましては、パンフレットを窓口で配布するなど、新たな制度の周知に努めておりますが、引き続き周知徹底されるよう取り組んでまいります。
○議長(藤田豊治) 黒田真徳議員。
○12番(黒田真徳)(登壇) ありがとうございます。
次に、小中学校教師の負担軽減についてお伺いします。
愛媛新聞の記事に、学校教員に欠員が生じても、すぐには埋められない実態があることが文部科学省が初めて実施した教員不足調査で明らかになった。各地で人材が足りなくなる一因に、学校が苛酷な職場だとの認識が広まって人気が落ちたことを挙げる意見が少なくないとありました。小学校での教科担任制の導入や中学では休日部活動の地域移行の話もあります。いずれも教師の負担軽減も考慮に入れての取組と思われます。
そこで、デジタルを使った教師の負担軽減についてお伺いします。
小中学校では、生徒児童に1人1台ずつタブレットが配置されましたが、現場の状況はどのようになっていますでしょうか。
初めは、教師の皆様も慣れるのに負担が大きかったのではないかと考えますが、現在はどのようになっていますか。
タブレットや電子黒板などのデジタル機器を使って教師の負担軽減につながるような取組はできないかと考えますが、御所見をお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 小中学校教師の負担軽減についてお答えいたします。
まず、小中学校へのタブレット配置後の現場の状況についてでございます。
GIGAスクール構想に基づき、全ての児童生徒へ1人1台のタブレット端末が配置されて1年余りがたち、教室や職員室にタブレット端末があることが当たり前の風景になってまいりました。タブレット端末をはじめ、電子黒板などICT機器の活用によって、これまでにはない新たな授業スタイルが増えてきているところでございます。
次に、教師の現在の状況についてでございます。
教職員を対象にICT機器の操作スキル向上を目的とした全体での研修会や校内での定期的な研修会の実施によって、基本的な操作スキルが向上しており、当初と比べると操作に対する負担感は軽減されております。また、ICT支援員の配置により、操作方法だけでなく、通信環境の不具合対応、ICTを活用した授業提案など、教職員への積極的な支援が進んでおります。
次に、タブレットや電子黒板等のデジタル機器を使った教師の負担軽減策についてでございます。
導入以前の授業では、模造紙を使った教材の作成や資料の拡大コピーを利用しておりましたが、デジタル機器の活用により、それらの作業を効率化することができました。また、各種アンケート調査や毎日の健康観察などにおきましても、タブレット端末などを活用することにより、紙媒体での配布、回収や集計作業が削減され、分析に注力できるなど、業務の負担軽減と効率化を進めております。
今後におきましても、これまで以上にデジタル機器を有効活用し、教員の負担を軽減することで、教育の質の向上につなげることができるよう、取り組んでまいります。
○議長(藤田豊治) 黒田真徳議員。
○12番(黒田真徳)(登壇) ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
次に、高齢者の行方不明の予防対策についてお伺いします。
先日、また行方不明者の放送がなされていました。何日か同じ放送が続いていますので安否が心配でございます。私の知り合いにも自分の家に帰ることができなくなって警察に保護された方がいます。このような行方が分からなくなる事件について、事件を未然に防いだり、発生後は迅速な解決に向けての取組が必要と考えます。
新居浜市では、認知症高齢者見守りSOSネットワークに事前登録することによって、警察や協力機関へ詳細な情報提供を早く行い、早期発見につなげるための取組がなされています。また、昨年度には、試験的にGPS機能を使った高齢者の見守りの取組が行われたと思いますが、効果はどうでしたか。
今後も増加すると考えられる認知症高齢者の行方不明について、現在の予防対策状況と今後の展開についてどのように考えられますか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。古川福祉部長。
○福祉部長(古川哲久)(登壇) 高齢者の行方不明の予防対策についてお答えいたします。
まず、令和3年度に試験的に取り組んだGPS機能を使った高齢者の見守りの効果についてでございます。
この取組は、令和3年度に見守りシステム検証事業として行ったもので、在宅の方13人、施設入居者38人の計51人に御参加いただきました。実施の状況といたしましては、GPS端末の不具合も少なく、おおむね不満なく利用できたとのお声をいただいた一方で、対象者が外出時に端末を常時携帯する必要があるという点、対象者の御家族が高齢の場合にスマートフォンのアプリ操作が難しいなどの課題が上げられ、改善すべき点も多く見受けられました。
なお、今回の事業において、認知症高齢者の行方不明を未然に防いだという事例はございませんでした。
次に、認知症高齢者の行方不明に対する予防対策の状況についてでございます。
行方不明の認知症高齢者の早期発見に関しましては、警察への早期の届出が不可欠でありますことから、御家族等に対しまして啓発を行っているところでございますが、認知症高齢者の人権を守りつつ予防を行うという観点からは、地域で認知症高齢者を見守り支援していくことが第一の方策であると考えております。その意味で、学校や地域、企業を中心に認知症サポーター養成講座を開催し、市民誰もが認知症について正しく理解し、徘回と思われる場合に対応できるよう、認知症に対しての周知啓発とともに、受講の拡大を図っております。
また、認知症にならない、なりにくい生活習慣が大切でありますことから、介護予防教室を通じた認知症予防の取組や自治会館等の通いの場の活用を進めることなどで、高齢者の認知症予防に取り組んでいるところでございます。
今後の展開につきましては、引き続き認知症に対しての周知啓発及び認知症予防を推進するとともに、高齢者の見守りに関する先進的な取組事例や機器の情報収集に努めるなど、認知症高齢者の行方不明予防に取り組んでまいります。
○議長(藤田豊治) 再質問はありますか。
○12番(黒田真徳)(登壇) 丁寧な御答弁ありがとうございました。以上で質問を終了いたします。
○議長(藤田豊治) この際、暫時休憩いたします。
午後 0時08分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 1時00分再開
○議長(藤田豊治) 休憩前に引き続き会議を開きます。
神野恭多議員。
○8番(神野恭多)(登壇) 新居浜の未来を考える会の神野です。
先日、旧上下水道局庁舎において、娘の3回目のワクチン接種を行いました。学校、部活、模試、塾となかなか時間がつくれない娘にとって、夜間帯での接種は非常にありがたかったです。表舞台でなかなか上がらない接種率を発表される市長や副市長の御苦労とそれを下支えする多くの職員さんの存在を改めて感じました。この場を借りて深く感謝申し上げ、通告に従い私の一般質問を行います。
先日、岸田内閣では、貯蓄から投資へという方針が明らかになりました。私の周りにも一定数投資をされている方は存在しますが、投資が日常的になる世界というものへのハードルは多いように感じます。投資をすれば増えることもありますが、減る可能性もあります。増えることばかり考え、リスク管理をしなければ、資産がなくなってしまう可能性もあります。日本では、義務教育で投資の勉強をしないので、いずれも独学である程度投資の勉強をしなければなりません。国は、ここぞとばかりにNISAをはじめ、投資の参入ハードルを下げ、投資をしやすい環境をつくっています。それらが少子高齢化社会の中、税金を上げても保障制度の維持は困難になる可能性が高く、年金に頼らず、老後資産は自分で築いてくださいと言っているようにすら感じますので、今後の動きが非常に気になります。
また、お金だけではなく、今この時間も投資だと言えます。政策において、移住、定住による人口増加が短期的には難しく、いつの間にか関係人口、交流人口と言い換えられたように、時間をどう投資するか、させるかといった金融的資産からちょっと目線をずらした政策議論もいずれ出てくるように思います。
また、教育の分野でも、将来への投資といった言葉が多く使われます。先日、岩城橋が開通した上島町へ視察に伺いました。ゆめしま海道を通り、上島町役場から弓削高校へ、そして学生寮や下宿先に加えて伯方分校へお伺いいたしました。橋を渡り、フェリーに乗り、すばらしい多島美、こういった財産を生かすも生かさないも我々地方に住む人間次第だと改めて実感いたしました。それぞれが将来の地域や子供たちのために投資をする形を拝見させていただき、その形の在り方に答えはないと感じました。また、今回の視察により、学校の再編成の重要性が感じられ、最も強く感じたのは、地域の活性や今後のために、若者や現役世代、当事者の子供たちの意見を酌み上げているかどうか、上から押さえつけていないかどうか、ごく一部の人たちだけで決めていないかどうか、うまく進んでいるところと進んでいないところでは、大きく印象も課題も異なるように感じました。島であるがゆえに、高齢化、人口減少がより一層顕在化する中で、若者を土地に縛りつけようとしない、大人がいい仕事をして魅力を伝えるのだという弓削高校のキャリア教育や大三島分校のクラウドファンディングの活動などは、ある意味では課題先進地域での挑戦であると捉えると大変参考になりますが、こういった一つ一つの取組の真ん中に、子供が入らず、地域だけとならないようにすることの重要性を改めて感じました。
そこで、本市においても同様に少子化が進む中、本市の未来を支える子供たちの教育環境を見据えた今後の学校の在り方についてお伺いいたします。
少子化やグローバル化など、県立高校などを取り巻く教育環境が急激に変化する中、地域活性化の核となる魅力ある県立学校づくりが急務となっている一方、少子化などの影響により、中学卒業者数は今後も減少することが見込まれ、複数の小規模校において、分校化や募集停止が危惧されています。そのため、県教育委員会では、県立高等学校及び中等教育学校を対象とした県立学校振興計画の策定及び県立学校の魅力化推進に取り組まれています。県立学校振興計画は、令和2年度から令和4年度にかけて策定し、令和5年度からのスタートを目指すこととしております。本市では、市内県立学校入学志願者数の定員割れが目立つ一方で、地域の特性を生かした魅力ある学びとして、スポーツ学科の設立を要望する声があります。また、長期的な視点で、現在学校数5校から4校へと統合せざるを得ない状況へと進むのではないかと考えますが、県立学校の在り方は、本市のまちづくりとも大きく関係するものであることから質問いたします。
県立学校振興計画策定において、本市が考える市内県立学校の在り方やお持ちの御所見をお伺いいたします。
次に、市立学校振興計画についてお伺いいたします。
本市でも県立学校同様に、今後の学校の在り方についての具体性が必要です。公共施設再編計画に基づいた長期的な計画との整合性も必要であることは理解しますが、小規模校での学校教育、学校運営が、生徒にとって、また先生方にとって大きな負担となっている場面をよく目にします。加えて、専科の先生の確保が困難であり、市内の学校では、担任の先生が音楽の時間を受け持つというお話も伺いました。これらは、コミュニティ・スクールが打開策の一つとして思い浮かびますが、コロナの影響もあり、うまく機能していないように感じます。
また、旧若宮小学校が閉校になる際に行われた住民との意見交換会で、教育環境面での不安解消を求める保護者と学校の存続を切望する地域住民の方々の様々な思いをお聞きさせていただく中で、保護者の方の地域も大切だが、子供のことを最優先に考えたからこそ閉校に賛同した。悩みに悩んだ末での決断ですので、そっとしておいてほしいとの発言が今でも忘れられません。統廃合が最後の手段として捉えると、その過程において様々な取組の必要性を感じます。先ほど触れましたコミュニティ・スクールもそうですが、行政として考えるものの一つに学校区の再編も考えられます。様々な策を講じていかなければ、その代償は直接子供たちに降りかかり、さらには地域の衰退へとつながることは言うまでもありませんが、全てにおいて焦眉の課題であるこれらの問題について質問させていただきます。
過小規模校やその学校区の実情や将来像を踏まえ、統廃合を含む本市の学校の在り方について、また現在、その機能を発揮し切れていないコミュニティ・スクールについてお考えをお聞かせください。
加えて、今後の計画策定スケジュールをお聞かせください。
また、魅力ある学校として別子小中学校がありますが、小規模ならではの取組を応援していく考えですが、小学校にはまなび塾がなく、また寮で生活する生徒が塾に通うことができない環境であります。自然が豊かで非常にすばらしい別子地区ですが、一般的にいうところの条件不利地域となります。今治市の伯方分校では、島嶼部には学習塾がなく、進学するには都会や町の学校よりも不利なのではないかといった懸念を払拭できるように、スタディサプリで学習環境を強化できるサービスを今治市が支援する形で実現いたしました。また、上島町の弓削高校では、地域おこし協力隊の方の力を借りることにより、公営塾の設立を行っています。
そこで、お伺いいたします。
現在の別子小中学校の学校外教育の現状や課題をどのように考えられていますか。
また、地域おこし協力隊や環境さえ整えば、条件不利地域など存在しないインターネットを活用した取組へのお考えはありますか、お聞かせください。
さて、学校区の再編に触れましたが、学校の統廃合が長期的な計画であれば、学校区の再編成は中期的であり、短期的には小中一貫校や義務教育学校の導入も考えていかなければならないと考えます。地域によっては、小学校6年間、中学校3年間の義務教育9年間を一体的に捉え、子供の成長と学習の連続性を重視することで、義務教育修了時に必要とされる学力、豊かな人間性や社会性の育成を図る教育、いわゆる義務教育学校の検討が必要であると考えます。改正学校教育法が成立し、2016年度から小中一貫教育を実施する義務教育学校が創設されることとなり、全国で続々と数が増えています。義務教育学校の創設は、教育基本法並びに学校教育法の改正という大きな教育改革の中に位置づけられており、これらの改正によって、義務教育の目的、目標の規定が新たに設けられ、教育内容や教育方法の量的、質的充実への対応が図られています。すなわち、義務教育学校という新たな学校の創設は、義務教育の果たすべき役割の確認が背景にあります。それは、義務教育が果たすべき目的を踏まえ、急速に変化する社会において、学校はいかにあるべきか考えたとき、学校制度そのものを見直すことで、学校は子供を教育することを通して、時代に即した社会や教育を受けることへとつながります。以前、一般質問において、小中一貫教育について質問させていただきましたが、いただいた御答弁には、小中一貫校の導入の検討も進めてまいりたいと考えておりますとありましたが、現在のお考えをお聞かせください。
先ほど別子地区を条件不利地区と表現しましたが、全国的に見ると、地方そのものが条件不利地域と呼ばれます。大都市圏と比べて条件不利地域なんです。この条件不利を覆すには、時間がかかってもデジタル教育は絶対的に必要だと考えます。学校区の再編成や統廃合、義務教育学校の質問の根底にあるのが人口減少であります。これらをデジタルの力で少しでも補完できるのではないかと考えます。このデジタル化を進めるに当たっては、教員のやる気や習熟度によって大きな差が出てしまうこと、年齢を理由に取り組まない教員がいることといった指摘がある一方で、学校に行きづらい子供たちを支援する大きな力の一つになるといった側面もあります。学生時代からインターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた人の世代をデジタルネーティブと呼びます。私もぎりぎりデジタルネーティブ世代ではありますが、現在の子供たちは、生まれながらにしてデジタルネーティブであることから、これまでの常識にとらわれずに、みんなで点検して、推進していく必要があります。新居浜市では、他市に先駆けてDX推進計画を策定しています。今後は、こちらに教育の現場からどう吸い上げて接続させていくか、視点だけではなく、実際の取組が早く加わる必要性を感じます。GIGAスクール構想のGIGAのGAは、ゲートウエー・フォー・オールです。一人一人が自由に世界とつながる環境が既に整っています。
そこで、お伺いいたします。
1人1台のタブレットが配備され約1年となりましたが、現在の具体的な活用方法、今後の取組予定をお示しください。
加えて、課題等がございましたら教えてください。
さらには、デジタル人材教育の現状をお示しください。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 神野議員さんの御質問にお答えいたします。
今後の学校の在り方についてでございます。
まず、県立学校振興計画についてお答えいたします。
本計画につきましては、愛媛県県立学校振興計画検討委員会において、次期県立学校振興計画策定の指針が審議され、現在、最終報告に向けて協議を続けていると伺っております。
本市といたしましては、市内の県立学校におきましても、市内中学生の進学先というだけではなく、地域のニーズや生徒の実態に応じた魅力的な教育環境を整備するとともに、生徒の資質、能力、個性を育み、地域社会を支える人材の育成拠点として、さらには地域産業の担い手を育てる地域活性化の核としての役割を果たしつつ発展することを期待しております。
次に、市立学校振興計画についてでございます。
まず、統廃合を含む本市の学校の在り方についてでございます。
義務教育段階の学校では、単に教科等の知識や技能を習得させるだけではなく、集団の中で多様な考えに触れ、認め合い、協力し合い、切磋琢磨することを通じて思考力や表現力、判断力、問題解決能力などを育み、社会性や規範意識を身につけることが重要でございます。
そうした教育を十分に行うためには、一定の規模の児童生徒集団が確保されていることや経験年数、専門性、男女比等についてバランスの取れた教職員集団が配置され、一定の学校規模を確保することが望ましいと考えております。
本市においては、別子小中学校を除くと、過小規模校となっている学校はございませんが、小規模校となっている学校が複数存在いたしますことから、少子化が進む中、将来的に安定した学校規模を確保するためには、規模適正化を図る必要があると考えております。
規模適正化につきましては、統廃合を含めた検討を行うとともに、地域の実情などを踏まえ、ほかの施設との複合化や小中一貫教育の導入のほか、小規模校ならではのメリットを生かした特色のある学校として存続させることにつきましても検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、コミュニティ・スクールについてでございます。
コロナ禍の影響により、全体的な活動が制約される部分もございましたが、各学校において工夫し、特色のある取組を実施していただいております。
教育委員会といたしましても、コミュニティ・スクール推進協議会や研修会を開催し、各学校の取組について情報共有や意見交換を行い、コミュニティ・スクールとしてのレベルアップを図ってまいりたいと考えております。
次に、今後の計画策定スケジュールについてでございます。
現在、新居浜市立小中学校の適正規模・適正配置に関する基本計画の策定作業を進めており、計画案がまとまりましたら、パブリックコメントなどを通じて、市内の皆様の御意見等も伺いながら、今年度末までに基本計画を策定する予定でございます。
次に、別子小中学校の学校外教育の現状や課題についてでございます。
別子小中学校では、マンツーマンに近い少人数授業により、疑問点は授業の中で直ちに解決し、多くの時間を教員との直接対話によって考え、発表する時間に費やしております。小学校の放課後まなび塾はございませんが、別子山地区在住の小中学生につきましては、市内全ての児童生徒の1人1台端末に配備されているタブレットドリルや令和2年度に作成した学習支援動画等の活用により、今後の家庭学習を充実させてまいりたいと考えております。
また、別子中学校寮生におきましては、寮での計画的な学習時間の設定、教員やALTとの交流により充実した学びを行っております。寮生は金曜日の午後から日曜日の夕方までを市街地で過ごすため、この時間を活用して学習塾に通うことも可能でございます。
次に、地域おこし協力隊やインターネットを活用した取組についてでございます。
愛媛県が昨年度から実施しております地域おこし協力隊の制度を活用した地域教育プロデューサー配置支援制度事業等も参考にしながら、別子山地区での取組の可能性を検討してまいります。
また、インターネットを活用した家庭学習の支援については、先ほど申し上げましたとおり、タブレットドリルや学習支援動画の活用で対応したいと考えております。
次に、義務教育学校についてでございます。
本市におきましては、中学校区ごとに義務教育9年間を見通したグランドデザインを作成し、小学校と中学校が教育目標を共有することで、子供たちの個性や能力を伸ばす取組を行っております。
また、令和元年度より市内の全小中学校がコミュニティ・スクールとなり、学校と地域が連携協働して地域総ぐるみで取り組む教育を推進しているところでございます。
義務教育学校や小中一貫校の導入につきましても、これまで検討を行ってまいりましたが、今年度新居浜市立小中学校の適正規模・適正配置に関する基本計画の策定作業を進めており、学校規模の適正化を図っていく過程で、小中連携教育とコミュニティ・スクールの活動を生かした地域と共に育つ特色ある学校となるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、教育のデジタル化についてでございます。
まず、タブレット端末の現在の具体的な活用方法についてでございます。
1人1台のタブレット端末が配置されて1年余りがたち、授業ではタブレットドリルによる個別の学習のほか、教師がタブレットで課題を配付、回収を行い、児童生徒の意見を学級で共有したり、児童生徒が発表資料をタブレットで作成しプレゼンテーションを行うなど、児童生徒の発達段階や教科の特性に応じて様々な活用を図っております。
次に、今後の取組予定についてでございます。
これまでは授業での活用を中心に進めてまいりましたが、令和4年度からタブレットを自宅に持ち帰って活用する取組を開始いたしました。また、愛媛県が導入いたしましたICT学習支援システムや英語、外国語のデジタル教科書による音声教材、タイピング練習の専用サイトを活用するなど、長期休業中の児童生徒の個別学習ツールとしても積極的に活用することとしております。
課題といたしましては、ICT機器操作スキルなどについて教職員間に差がございますので、機器の操作スキル向上を目的とした研修会を実施するとともに、ICT支援員を活用し、個々の課題克服にも取り組んでおります。
また、今後の長期休業中や在宅学習も視野に入れた場合、各御家庭における通信環境の整備なども課題となってまいりますことから、まず実態把握のため、各御家庭に児童生徒が持ち帰るタブレット端末を活用したアンケート調査を実施することといたしました。
次に、デジタル人材教育の現状についてでございます。
デジタルネーティブ世代の児童生徒は、日常的にデジタル環境に囲まれた生活を送っています。学校教育の場においても、ICT機器の活用を推進しておりますが、現時点ではICT機器を使うこと自体が目的となっている面も見られます。
今後は、ICT機器の活用を手段として学力向上やプレゼンテーション能力の向上等を図るとともに、プログラミングによる学習等を通じて、これからのSociety5.0の社会で求められるデジタル人材の育成に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 神野恭多議員。
○8番(神野恭多)(登壇) ありがとうございます。
現在、私自身、新居浜西高等学校のPTA会長の職をお預かりしており、西校の偏差値向上には定員数削減が効果的であると考える一方で、生徒数の減少がもたらす弊害も考えていかなければならないと感じるなど、問題はたくさんあるように感じております。
市立学校について再質問いたします。
文部科学省では、先ほど教育長がおっしゃいましたように、小規模校と過小規模をはっきりと区別しており、本市では過小規模校がないということでしたが、文部科学省が昨年まとめた公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引でも、統廃合を速やかに検討すべきとしているのは、過小規模校についてでありますが、今年度末までに基本計画を策定というところでありますが、このまま何もしないでいる場合、過小規模校となる可能性のある学校というのは本市にどれぐらい存在するんでしょうか。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 神野議員さんの再質問にお答えをいたします。
過小規模校と小規模校ということでございますが、各学年が1クラス、これを切ると過小規模校ということでございますから現在のところそれに該当するのは別子小学校で、小規模校は、複数ございますけれども、少なくとも、計画をお示しする段階では、別子小学校以外には過小規模校はないというふうに認識いたしております。
○議長(藤田豊治) 神野恭多議員。
○8番(神野恭多)(登壇) 以前、教育長より大府市の中学校についてお話を伺いいたしました。大府市は、人口規模では、本市より多少小さいのですが、市内に4校の中学校があり、それぞれが一定の規模を有しています。
本市もこういった形を目指すべきと考えますが、今後の基本計画の中身というものを楽しみに待ちたいと思います。
学校規模の適正化や適正配置の具体的な検討については、行政が一方的に進める性格のものではないということは言うまでもありませんが、学校教育の直接の受益者である児童生徒の保護者や将来の受益者である就学前の子供の保護者の声を重視しつつ、地域住民の十分な理解と協力を得るなど、地域と共にある学校づくりの視点を踏まえ、丁寧な議論をスピード感を持って取り組まれていくよう要望いたします。
義務教育学校について要望いたします。
公立小学校の全学年で学級人数の上限を40人から35人に引き下げる改正義務標準法が昨年成立したことは記憶に新しいところであります。また、県では、国の計画に先んじて、2013年度から全小学校で4年生までの35人以下学級を実施し、5、6年生や中学校でも一定規模の学校で行っています。今後、小学校の全学年が35人学級になりますが、先日お話をした保護者の方のお子さんは5年生になり、2クラスあったものが1クラスとなり、その圧迫感により学校に行きづらくなり、現在、学校に行けていないとのことです。中1ギャップ問題のお話もよく耳にいたしますが、独自のカリキュラムを用いることによって、解決へと進んでいくものもあると考えますので、様々な角度から義務教育学校の検討をよろしくお願いいたします。
教育のデジタル化ですが、従来はオフラインとオンラインを別のチャンネルとして分けて考えるのが一般的でした。多くのケースで、ビジネスのベースは、あくまでオフラインにあり、オンラインはそれに付随する様子として捉える考え方が浸透していたと言えます。オンラインとオフライン、言わばデジタルとリアルの世界を分離して捉えていたこの状況を、ビフォーデジタルと呼びます。
一方、昨今は、オフラインとオンラインの境界が日増しに曖昧になっています。ECサイトはもちろん、スマートフォンを使ったQR決済も一般的になり、オフラインのみをベースとして考えること自体に無理が生じるようになりました。
そこで、デジタルを前提としてリアルの世界もデジタルの中に包含して捉えようという考え方が最近注目のアフターデジタルです。先日読んだアフターデジタルという本にこれらの思考法をOMO、オンライン・マージ・オフラインという言葉で紹介されていました。もはやオンラインを前提にしなければ、勝機を見いだせない、厳しい競争に勝てないという意識の浸透が背景にあります。
これらは、教育の分野でも活用が見られるようになっておりロイロノートなどがこれに当たると考えます。教育現場においても、OMOの捉え方が既に必要になっており、今後、その都度、どちらが子供たちにとって大切かでチャンネルを選んでいただく必要があると考えます。
さて、OMOというキーワードやマインドの典型例としてフードテックがあります。フードテックは、食とテクノロジーが結びついたビジネス領域を指し、食糧問題の解決やSDGs達成に有効であるとされ、新しいビジネスが次々と生まれています。そして、今回の新型コロナウイルスが、これまでの大量生産、大量消費を必然とした工業化社会からICTを中心とするテクノロジーをベースに新しい時代への移行を加速させてきました。そんな新時代の食生活をフードテックは大きく変えると言われており、今後、最も注目すべきものの一つであり、本市としても官民連携での取組を構築すべきものと考えます。フードテックがカバーする領域は、かなり深くて広い上に、日単位で進化します。フードテックの全てを理解してからその技術をどう地域に生かすのかを考えるというのは恐らく無理です。また、その思考では、仮に完全理解ができたとしても、フードテック導入ありきの支援事業になってしまうと感じます。まずは、地域事業者の事業者さんと現状の確認、整理をした上で、これらを見据え、変わっていくもの、変わらないもの、なりたい地域の姿を想定し、その手段としてフードテックが活用されるものと考えます。本市の農業の在り方や現在注目を集め今後の展開に期待が募るにいはまサーモンなどがこれらの対象となるものと考えます。
他方、少しずれますが、フードロスの問題もこういったテクノロジーの活用が注目されています。食品と生活者をマッチさせるフードシェアリングは、既に市内でも多く行われていると伺っておりますが、非常に身近な課題として、先日、防災備品のお話を伺いました。自治会や学校が保管するアルファ米や粉ミルクなどの賞味期限のあるものの活用は、それぞれの地域で対応ができているところもあればそうでないところもあります。賞味期限を管理し、それをシェアリングできる仕組みの必要性も感じます。
そこで、お伺いいたします。
初めに、フードテックに対しての本市の認識をお聞かせください。
また、今後、手段として活用するに当たり、協議会などの設立の必要性はお持ちでしょうか、お考えをお聞かせください。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。桑内経済部総括次長。
○経済部総括次長(桑内章裕)(登壇) フードテックについてお答えします。
まず、フードテックに対しての新居浜市の認識についてでございます。
フードテックは、国が令和2年3月に閣議決定した新たな食料・農業・農村基本計画の中で、食料供給に係るリスクを見据え、食と先端技術を掛け合わせたフードテックの展開を産学官連携で推進し、新たな市場を創出していくこととされ、フードテックを活用した新事業の創出に向け新しいビジネスモデルの実証実験が始まったばかりと伺っております。
また、愛媛県では、食分野のイノベーション創出を目的に、Ehime Food Innovationコンソーシアムが設立されており、これら国、県の取組と連携を図りながら、農林水産業等の1次産業を含めた食品関連産業の新たな取組を支援してまいりたいと考えております。
次に、今後、手段として活用するに当たり、協議会等の設立の必要性を持つかについてでございます。
フードテックの技術を本市の1次産業などに活用する際には、協議会等の設立についても検討していく必要性はあるものと考えております。
なお、サーモンの試験養殖など事業展開によっては、国や県を含め産学官連携を図りながら効果的な支援に努めてまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 神野恭多議員。
○8番(神野恭多)(登壇) 世界的に健康志向や環境志向など、食に求める消費者の価値観が変化していることを背景に、生産や流通、加工、外食、消費などへとつながる食分野の新しい技術及びその技術を活用したビジネスモデル、フードテックへの関心が高まっております。世界のフードテック分野への投資額は、年間2兆円を超えると言われています。私は、最近まで農家や漁師の方イコール生産者というふうに思っていました。農家の方の話を聞けば聞くほど、農業というなりわいは、例えば仕入れから始まって、生産、販売まで行う、高額な機械の導入いわゆる投資、新しい品種や肥料の知識の更新、相場を読むことに加えて、最近はデジタル知識も必要となってきています。働き手を確保し、将来の担い手の育成も行わなければなりません。その上で、どれだけ準備していても、天気や今回のコロナのように、不確定な要素で相場によって育てていた作物を売るより土に混ぜたり腐らせたほうがましなくらいにまで下がったりもします。これは、先ほど申しましたにいはまサーモンに関わる中でも同じことを感じました。そんな農業や漁業の難しさの中においても、生命を育てることの充実や当たったときのリターンなど可能性もたくさん感じました。すなわち、農家、漁師イコール経営者と言えます。今後、フードテックを推進していくに当たり、生産者としてではなく、経営者として接していく必要性を感じます。既に様々な取組事例に加え、フードテックをめぐる動きは加速していきます。行政として関われるものを見いだす上で、経営者の方と情報をしっかりと共有しながら、課題を共通の課題として、しっかりと検討を進めていただきますよう要望いたします。
次に、大学生への支援についてお伺いいたします。
先日、新型コロナウイルス禍で、生活に支障が出ている本市出身の学生の支援を新居浜商工会議所が若者支援ふるさと便として送付されたとお伺いいたしました。コロナ禍で帰省が難しい学生に、ふるさとの味を楽しんでもらおうと地元のお菓子など食料品を段ボールに詰め、先着300人での募集でしたが、同日中にその定員に達したとお伺いいたしました。
同様の取組は、県内の自治体でも既に取り組まれており、ふるさとを離れ、頑張る学生を支えています。
そこでお伺いいたします。
本市でも同様の取組を行うお考えはありませんか。
さらには、これを機に、市外に進学された方々の情報を今後の就職活動やU・I・Jターンに生かせるような取組へとつなげていければと考えますが、お考えをお聞かせください。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 大学生への支援についてお答えをいたします。
まず、新居浜商工会議所と同様の取組を行う考えについてでございます。
商工会議所の若者支援ふるさと便につきましては、本市出身の県外在住大学生を対象に、コロナ禍で苦しむ学生に、ふるさとの味を楽しんでもらうとともに、将来は新居浜で働いてほしいとの思いから実施され、1日で定員に達するほど好評だったとお聞きいたしております。
本市におきましても、コロナ禍において、物価高騰の影響を受けた大学生等への支援は必要であると考えており、国の地方創生臨時交付金を活用し、市外に進学している大学生等を対象に、市の特産品を送付する事業を検討しているところでございます。
次に、大学生の支援を通じて、今後の就職活動やU・I・Jターンにつながることについてでございます。
本市では、進学や就職で市外に出られる方を対象として、イベントや就職情報などを定期的に送付する新居浜市ふるさと定期便を実施しております。今回特産品を送付する事業を実施することとなった場合、全国にいはま倶楽部への登録を要件とし、学生同士の交流の場を創出するとともに、就職情報や若者向けの話題等を定期的に発信することで、地元への愛着を深め、将来のUターンにつながるように取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 神野恭多議員。
○8番(神野恭多)(登壇) 前向きな御答弁ありがとうございます。少しでも多くの市外の学生とつながる必要があると思いますので、その周知方法なんかもぜひしっかりと考えていただければと思います。
次に行きます。公共工事について。
コロナによる影響で、半導体が不足している状況に加えて、ウクライナ危機の影響で原油や資材の価格高騰が加速し、民間では入札の不調や不落の情報をよく耳にするようになりました。
そこで、お伺いいたします。
本市の入札状況をお聞かせください。
加えて、資材の高騰に加えて人手不足などに対応でき得る設計労務単価など対応している点がありましたら教えてください。
コロナ禍により、傷んだ地域経済が、ウクライナ危機でさらに悪化が予想される中、市内業者の育成、振興及び市内経済の活性化の観点や市内業者の自主的な努力を助長し、感染症拡大防止対策により影響を受けた地域経済の早急な回復に向けた上で公正な競争が行われるよう配慮しつつも、市内業者への受注機会の拡大を図るため、請負、下請負などを含む市内業者への優先発注の必要性を感じます。既に適正な競争原理の下で公正性などを確保した上で市内業者を優先とした発注を積極的に取り入れていただいていると認識いたしておりますが、改めてお伺いいたします。
現在の市発注公共工事などの市内企業の状況並びに下請負企業の状況をお聞かせください。
加えて、地方自治法を基にした財務規則に随意契約にできる金額での随意契約分についてもお聞かせください。
さらには、これらを明確に示す実施方針を定める必要性を感じますが、御所見をお伺いいたします。
また、国や県発注分における公共工事に加えて、本市の補助金などが入った事業に対してもそれに関わる関係部局が受注業者に対して市内業者を下請負などに選定するようお願いするよう、いま一度徹底してはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。高橋総務部長。
○総務部長(高橋正弥)(登壇) 公共工事についてお答えいたします。
まず、入札状況についてでございます。
本市の公共工事における入札状況につきましては、本年度の4月から5月末までに実施した工事の入札29件のうち、入札不調、不落案件は不落案件が1件でございました。内容といたしましては、ダンピング対策として設定している最低制限価格を下回ったため、応札した9者の全者が失格となったもので、現時点までの入札におきましては、価格高騰等による影響は生じていないものと考えております。
なお、予定価格の設定につきましては、労務費、原材料費、エネルギーコスト等の取引価格を反映した最新の実施設計単価等を用いることによって適正な金額の設定に取り組んでいるところでございます。
次に、市内業者優先発注方針についてでございます。
現在の市発注工事につきましては、入札において最も重要な競争性、公平性を確保しながら地域経済の発展、地元業者の育成という観点から、市内に主たる営業所を有する業者の格付を行い、設計金額が2,000万円以下の公共工事で特殊な技術、経験を要しないものは市内業者を指名しております。
また、設計金額が2,000万円を超える工事は、一般競争入札を行っておりますが、競争性が確保できるものについては、参加資格を市内業者に限定する運用を行うなど、地元企業の受注機会の確保に努めております。
こうした運用により、令和3年度では、工事請負契約295件のうち267件、約90%が市内業者への発注となっております。
また、下請業者につきましても、工事請負契約書の特記仕様書において、市内業者を優先していただくよう定めております。
次に、法令上、随意契約が可能な130万円以下の少額の契約につきましては、各事業担当課でそれぞれ実施しておりますが、施設修繕の約94%を市内企業が受注しております。
また、契約金額50万円以下の小規模な修繕契約については、小規模修繕契約希望者登録制度を導入するなど、市内業者の参入機会の拡大を図っているところでございます。
市内業者への優先発注につきましては、こうした取組を行うことにより、一定の成果を上げていると考えておりますことから、直ちに市内業者優先発注の実施方針等を定める予定はございませんが、今後におきましても、入札の公平性、透明性、競争性を担保しながら、市内企業の優先的な受注機会の確保に努めてまいります。
次に、御提案いただきました国、県発注の公共工事や本市補助事業の事業者に対し、市内業者を下請等に選定するようお願いすることにつきましては、技術的な問題や事業者間の日頃からの取引等の事情もございますことから、受注事業者の自由な事業活動や入札の競争性を制限するような関係部局からのお願いについては基本的には困難であると考えております。しかしながら、本市の補助事業の実施に当たり、公平、公正な視点で市内業者の育成を図ることが可能な個別案件につきましては、市内業者への配慮について補助事業者に要請することを検討してまいります。
○議長(藤田豊治) 再質問はありませんか。神野恭多議員。
○8番(神野恭多)(登壇) 本市発注分以外のものに対してですが、非常に難しいというのは理解しますが、内部的な統一ルールを持って既に行っていただいているかもしれませんが、業者の方に一声声をかける、これだけでもいいと思いますので、そういったルールのほうを進めていただければとお願いいたします。これは要望です。
最後に、ウィズコロナの在り方が徐々に見いだせ始めた今こそ、アフターデジタルを活用し、反転攻勢へ向けて、チーム新居浜で取り組んでいかれますよう要望いたしまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(藤田豊治) 以上で本日の一般質問は終わりました。
これをもって本日の日程は全部終了いたしました。
明15日は午前10時から会議を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後 1時53分散会