本文
目次
議事日程
本日の会議に付した事件
出席議員
欠席議員
説明のため出席した者
議会事務局職員出席者
開議(午前10時00分)
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 一般質問 議案第13号~議案第26号
米谷和之議員の質問(1)
1 子どもの貧困について
(1) 現状
高橋教育長の答弁
1 子どもの貧困について
(1) 現状
藤田福祉部長の答弁
1 子どもの貧困について
(1) 現状
米谷和之議員の質問(2)
1 子どもの貧困について
(1) 現状
藤田福祉部長の答弁
1 子どもの貧困について
(1) 現状
米谷和之議員の質問(3)
1 子どもの貧困について
(2) 対策
高橋教育長の答弁
1 子どもの貧困について
(2) 対策
藤田福祉部長の答弁
1 子どもの貧困について
(2) 対策
米谷和之議員の質問(4)
1 子どもの貧困について
(2) 対策
高橋教育長の答弁
1 子どもの貧困について
(2) 対策
藤田福祉部長の答弁
1 子どもの貧困について
(2) 対策
米谷和之議員の質問(5)
1 子どもの貧困について
(2) 対策
(3) (仮称)子どもの貧困対策推進計画の策定
藤田福祉部長の答弁
1 子どもの貧困について
(3) (仮称)子どもの貧困対策推進計画の策定
米谷和之議員の質問(6)
1 子どもの貧困について
(3) (仮称)子どもの貧困対策推進計画の策定
藤田福祉部長の答弁
1 子どもの貧困について
(3) (仮称)子どもの貧困対策推進計画の策定
米谷和之議員の質問(7)
1 子どもの貧困について
(3) (仮称)子どもの貧困対策推進計画の策定
2 道路沿いや空き地等へのベンチの設置について
石川市長の答弁
2 道路沿いや空き地等へのベンチの設置について
米谷和之議員の質問(8)
2 道路沿いや空き地等へのベンチの設置について
休憩(午前10時58分)
再開(午前11時08分)
仙波憲一議員の質問(1)
1 新型コロナウイルス感染症と本市の現状について
(1) 新型インフルエンザ等対策行動計画の検証と実効性
藤田福祉部長の答弁
1 新型コロナウイルス感染症と本市の現状について
(1) 新型インフルエンザ等対策行動計画の検証と実効性
仙波憲一議員の質問(2)
1 新型コロナウイルス感染症と本市の現状について
藤田福祉部長の答弁
1 新型コロナウイルス感染症と本市の現状について
仙波憲一議員の質問(3)
1 新型コロナウイルス感染症と本市の現状について
藤田福祉部長の答弁
1 新型コロナウイルス感染症と本市の現状について
仙波憲一議員の質問(4)
1 新型コロナウイルス感染症と本市の現状について
藤田福祉部長の答弁
1 新型コロナウイルス感染症と本市の現状について
仙波憲一議員の質問(5)
1 新型コロナウイルス感染症と本市の現状について
2 新型コロナウイルス感染症の影響と今後の取組について
(1) スマートシティーと業務改革
(2) 市民ニーズと行政の役割
(3) テレワークの推進とマネジメント改革
石川市長の答弁
2 新型コロナウイルス感染症の影響と今後の取組について
(1) スマートシティーと業務改革
(2) 市民ニーズと行政の役割
亀井企画部長の答弁
2 新型コロナウイルス感染症の影響と今後の取組について
(2) 市民ニーズと行政の役割
赤尾総務部長の答弁
2 新型コロナウイルス感染症の影響と今後の取組について
(1) スマートシティーと業務改革
(3) テレワークの推進とマネジメント改革
休憩(午前11時54分)
再開(午後 1時00分)
仙波憲一議員の質問(6)
2 新型コロナウイルス感染症の影響と今後の取組について
赤尾総務部長の答弁
2 新型コロナウイルス感染症の影響と今後の取組について
仙波憲一議員の質問(7)
2 新型コロナウイルス感染症の影響と今後の取組について
3 あかがねポイントについて
(1) 公共交通とあかがねポイントの活用
(2) あかがねポイントの利活用
石川市長の答弁
3 あかがねポイントについて
(2) あかがねポイントの利活用
宮崎経済部総括次長の答弁
3 あかがねポイントについて
(1) 公共交通とあかがねポイントの活用
仙波憲一議員の質問(8)
3 あかがねポイントについて
片平恵美議員の質問(1)
1 市の女性活躍の推進について
(1) 女性管理職数の現状と目標
(2) 男性職員の育児休業
赤尾総務部長の答弁
1 市の女性活躍の推進について
(1) 女性管理職数の現状と目標
(2) 男性職員の育児休業
片平恵美議員の質問(2)
1 市の女性活躍の推進について
原市民環境部長の答弁
1 市の女性活躍の推進について
赤尾総務部長の答弁
1 市の女性活躍の推進について
片平恵美議員の質問(3)
1 市の女性活躍の推進について
2 企業立地促進奨励金について
宮崎経済部総括次長の答弁
2 企業立地促進奨励金について
片平恵美議員の質問(4)
2 企業立地促進奨励金について
宮崎経済部総括次長の答弁
2 企業立地促進奨励金について
片平恵美議員の質問(5)
2 企業立地促進奨励金について
3 西部学校給食センターについて
加藤教育委員会事務局長の答弁
3 西部学校給食センターについて
片平恵美議員の質問(6)
3 西部学校給食センターについて
加藤教育委員会事務局長の答弁
3 西部学校給食センターについて
片平恵美議員の質問(7)
3 西部学校給食センターについて
加藤教育委員会事務局長の答弁
3 西部学校給食センターについて
片平恵美議員の質問(8)
3 西部学校給食センターについて
小野志保議員の質問(1)
1 市長と市民との意見交換会について
2 オンライン学習支援事業について
石川市長の答弁
1 市長と市民との意見交換会について
高橋教育長の答弁
2 オンライン学習支援事業について
小野志保議員の質問(2)
1 市長と市民との意見交換会について
2 オンライン学習支援事業について
石川市長の答弁
1 市長と市民との意見交換会について
高橋教育長の答弁
2 オンライン学習支援事業について
小野志保議員の質問(3)
1 市長と市民との意見交換会について
2 オンライン学習支援事業について
予算特別委員会の設置及び委員会付託
表決
予算特別委員の選任
委員会付託
日程第3 議案第28号
石川市長の説明
亀井企画部長の説明
委員会付託
散会(午後 2時09分)
本文
令和3年3月4日 (木曜日)
議事日程 第4号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
議案第13号 令和3年度新居浜市一般会計予算
議案第14号 令和3年度新居浜市渡海船事業特別会計予算
議案第15号 令和3年度新居浜市平尾墓園事業特別会計予算
議案第16号 令和3年度新居浜市国民健康保険事業特別会計予算
議案第17号 令和3年度新居浜市介護保険事業特別会計予算
議案第18号 令和3年度新居浜市後期高齢者医療事業特別会計予算
議案第19号 令和3年度新居浜市工業用地造成事業特別会計予算
議案第20号 令和3年度新居浜市水道事業会計予算
議案第21号 令和3年度新居浜市工業用水道事業会計予算
議案第22号 令和3年度新居浜市公共下水道事業会計予算
議案第23号 令和2年度新居浜市一般会計補正予算(第11号)
(各常任委員会付託)
議案第24号 令和2年度新居浜市後期高齢者医療事業特別会計補正予算(第1号)
(市民福祉委員会付託)
議案第25号 令和2年度新居浜市工業用地造成事業特別会計補正予算(第1号)
(経済建設委員会付託)
議案第26号 令和2年度新居浜市公共下水道事業会計補正予算(第2号)
(同上)
第3 議案第28号 令和2年度新居浜市一般会計補正予算(第13号)
(各常任委員会付託)
――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
――――――――――――――――――――――
出席議員(26名)
1番 小野 志保
2番 片平 恵美
3番 合田 晋一郎
4番 白川 誉
5番 伊藤 嘉秀
6番 越智 克範
7番 井谷 幸恵
8番 神野 恭多
9番 米谷 和之
10番 篠原 茂
11番 河内 優子
12番 黒田 真徳
13番 高塚 広義
14番 藤田 誠一
15番 田窪 秀道
16番 小野 辰夫
17番 永易 英寿
18番 伊藤 謙司
19番 藤原 雅彦
20番 大條 雅久
21番 藤田 豊治
22番 藤田 幸正
23番 伊藤 優子
24番 仙波 憲一
25番 近藤 司
26番 山本 健十郎
――――――――――――――――――――――
欠席議員
な し
――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
市長 石川 勝行
副市長 加藤 龍彦
副市長 原 一之
企画部長 亀井 利行
総務部長 赤尾 禎司
福祉部長 藤田 憲明
危機管理統括部長 庄司 誠一
市民環境部長 原 正夫
経済部総括次長 宮崎 司
建設部長 高須賀 健二
消防長 毛利 弘
上下水道局長 秋月 剛
教育長 高橋 良光
教育委員会事務局長 加藤 京子
監査委員 寺村 伸治
――――――――――――――――――――――
議会事務局職員出席者
事務局長 岡田 公央
事務局次長 飯尾 誠二
議事課副課長 尾藤 秀行
議事課副課長 美濃 有紀
議事課調査係長 神野 瑠美
議事課議事係長 和田 雄介
議事課主任 村上 佳史
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前10時00分開議
○議長(永易英寿) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第4号のとおりであります。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(永易英寿) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において米谷和之議員及び篠原茂議員を指名いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第2 一般質問 議案第13号~議案第26号
○議長(永易英寿) 次に、日程第2、議案第13号から議案第26号までを議題といたします。昨日に引き続き一般質問並びに質疑を行います。
順次発言を許します。まず、米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) おはようございます。
新居浜の未来を考える会の米谷和之です。通告に従いまして質問をさせていただきます。
最初の質問は、子どもの貧困についてです。
子供の貧困は、テレビや新聞でもよく取り上げられていますが、子供の貧困という言葉が日本で聞かれるようになったのは、2008年だそうです。この年、OECD、経済協力開発機構のデータで、子供がいる家庭などの日本の相対的貧困率が、OECD諸国、当時は30か国だったのですが、その平均より高いということを関係者らが発信し、日本はそんなに貧しいのか、子育て家庭はそんなに苦しいのかと、マスコミが大きく取り上げたことにより、子供の貧困が大きな社会的課題として知られるようになったそうです。その後、2016年の参議院の予算委員会で、日本が世界有数の貧困大国になった認識はあるのかと追及された安倍首相が、決してそんなことはないと、反論したことが話題になり、このときも所得格差の拡大や母子世帯の苦しい状況とともに、子供の貧困が人々の関心を集めました。最新のデータでは、2020年7月に厚生労働省が発表した2019年国民生活基礎調査の結果から、2018年の17歳以下の子供の相対的貧困率は13.5%であり、2015年の13.9%から0.4ポイント改善したものの、依然7人に一人の子供が貧困状態にあることが明らかになりました。OECDの中でも、依然として平均を上回る貧困率であり、G7主要7か国の中でもアメリカ、イタリアに続き、悪いほうから3番目、つまり実は日本は、世界有数の経済大国であると同時に、世界有数の貧困国でもあるわけです。
先ほどから申し上げております相対的貧困率とは、各世帯の可処分所得を基に、子供を含めた全国民の一人一人の年間所得を順番に並べた場合、真ん中の人の額、2018年の調査では約254万円になるそうですが、その半分の額127万円未満の人の割合のことです。つまり相対的貧困の状態にある子供とは、ごく大ざっぱに言えば、平均的な家庭の半分以下の生活費、年間127万円以下で暮らす17歳以下の子供のことであり、そのような子供たちが、7人に一人いるということです。
貧困というと、ぼろぼろな服や靴のみすぼらしい身なりで、痩せて顔色も悪く、栄養失調を心配しなければいけないような姿を思い浮かべ、今どきそんな様相の子供は見たことがないと、意外に思う方もいらっしゃいますが、このように毎日の食事にも事欠き、病気になってもお金がなくて病院に行けない。時には命にも危険が及ぶような状態、これは絶対的貧困と言われ、相対的貧困の子供たちの全てが、そのような状態にあるわけではありません。相対的貧困は、その多くが外見からは分かりません。注意して見ないと、あるいは親しい友人や親戚でなければ、苦しい生活を送っていることはなかなか分かりません。私自身もある子ども食堂にお邪魔したときに、食事や居場所を求めてきている子供たちと、ボランティアや見学の方に連れられてきた子供たちを見分けることができず、大変戸惑ったことが強く印象に残っています。絶対的な貧困ではなくても、貧困状態が続くと、健やかな成長に必要な衣食住などのものはもちろん、子供たちの未来のために不可欠な教育や体験の機会が奪われてしまいます。そして、子供たちから、頑張れば報われる、自分は価値がある人間だというような自己肯定感が失われ、無気力、不登校、さらには非行などを招くことも多くなり、何より子供たちの可能性を大きく狭めてしまうことによって、大人になっても貧困から抜け出すことができず、その子供も貧困状態の中で暮らすことになってしまう、いわゆる貧困の連鎖を生み出してしまいます。
このような状況を受け、2013年に国では、子どもの貧困対策の推進に関する法律が議員立法として提案され、衆参両院の全ての政党の賛成の下、成立しました。その目的は、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状態にある子供が、健やかに育成される環境を整備し、教育の機会均等を図るために、子供の貧困対策の基本理念、基本となる事項を定め、国等の責務を明らかにして、子供の貧困対策を総合的に推進することとされています。
翌2014年には、子供の貧困対策を総合的に推進するための基本方針である子供の貧困対策に関する大綱が閣議決定されました。その第2章では、貧困の世代間連鎖の解消と積極的な人材育成を目指すこと、子供の貧困の実態を踏まえて対策を推進するなどが定められ、また第3章には、子供の貧困に関する指標として、生活保護世帯に関するもの、独り親家庭に関するものなど25項目、現在は39項目に増やされていますが、指標が設定されています。
さらに、第4条には、地方公共団体の責務として、地方公共団体は基本理念にのっとり、子どもの貧困対策に関し、国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施すると明記されています。
このような動向の中、各都道府県のみならず、全国各地の市町村においても、子供の貧困を大きな課題と捉え、様々な取組がなされていることは、皆様御存じのとおりです。
前置きが長くなりましたが、質問に入らせていただきます。
まず、現状についてです。
例えば、本市統計書の5歳階級別人口によれば、平成27年度には、19歳以下の人口は2万1,108人、これに先ほどの13.5%を掛ければ、市内では約2,850人が相対的な貧困の状態にあると推測されます。各年齢平均では約140人ですので、これを単純に小中学校の9年間に当てはめれば、小中生徒の中には、約1,280人もの相対的貧困の子供がいるということになります。
また、生活保護の教育扶助を受けている子供の数は令和元年度38人、教育委員会で取りまとめている新居浜市の教育によれば、平成30年度に経済的な理由により就学が困難と認められる児童生徒を対象に支給される就学援助費を受けている子供は、小中学校合わせて1,017人とのことです。これ以外にも独り親世帯の18歳以下の子供に対して支給されている、もちろん支給要件はございますが、児童扶養手当を受給されている世帯の子供は1,038人、あるいは生活保護で暮らす18歳未満の子供は58人など、統計書などからも本市の子供の貧困の断片的な様子をうかがうことができます。
そこで、最初にお伺いしますが、本市の平均的な生活が困難と思われる子供たちの人数や状況をどのように把握し、認識しているのか、お伺いいたします。
子供の貧困と言いましても、それは子供自身の問題ではなく、その背景には、親の貧困があり、子供本人へのサポートとともに、保護者への働きかけも重要であることは言うまでもありません。
では、子育て世帯の状況はどうなのでしょうか。
世帯主が18歳以上65歳未満の子供がいる現役世帯の子供の貧困率は12.6%、うち両親のみの世帯と両親のほかにその父母などもいる世帯を合わせた大人2人以上の世帯では10.7%ですので、先ほど申し上げた13.5%を大きく下回っています。
その一方で、大人が一人のみの独り親世帯では48.1%と一気に跳ね上がり、何と約半数が貧困状態ということになっています。その独り親世帯がどれぐらいあるかと言えば、少々古いデータですが、厚生労働省の平成25年度の資料によれば、18歳未満の児童がいる世帯は全国に約1,209万世帯、その7.5%に当たる91万2,000世帯が独り親世帯ということです。
さらに、その約90%に当たる約82万世帯が母子世帯で、父子世帯は約10%の約9万世帯、独り親家庭の大半が母子家庭であることが分かります。
では次に、その母子世帯等の経済状況ですが、厚生労働省の平成29年度の1世帯当たりの所得によると、児童がいる世帯の平均が約740万円に対し、母子世帯はその40%の291万円、世帯員1人当たり所得でも、児童がいる世帯全体の約182万円に対し、母子世帯はその60%ほどの112万円であり、先ほど申し上げた独り親、中でも母子家庭の厳しい状況を裏づけています。
このようなことから、さきにも申し上げました2019年国民生活基礎調査では、生活が苦しいと回答した世帯は全体の54.4%で、これは3年前より3.3ポイント減少していますが、児童のいる世帯では60.4%が苦しい。さらに、母子世帯では、5年前より4ポイント増加の何と86.7%が苦しいと回答しています。
加えて、新型コロナウイルスは、非正規雇用が多く、もともと収入が少ない独り親世帯、母子世帯の就労時間を減少させ、厳しい生活にさらに大きな打撃を与えていると言われています。あるNPOが児童扶養手当を受給している世帯に聞いたところ、約6%が収入減になっていたということです。
そこで、次のお尋ねですが、本市の子育て世帯の状況、中でも母子世帯の状況はどうなのか、お伺いします。
さらに、もう1年以上にもなる新型コロナウイルス感染症の本市への影響はどうなのでしょうか。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 米谷議員さんの御質問にお答えいたします。
子どもの貧困についてでございます。
現状についてお答えいたします。
平均的な生活が困難と思われる子供たちの人数や状況をどのように把握し、認識しているのかにつきましては、小中学校におきましては、就学援助制度の案内チラシを年に2回、全児童生徒に配布して家庭へ持ち帰るよう教育委員会から各学校へ依頼しておりまして、市民税の所得割額が非課税であること等の条件に該当する場合は、保護者に就学援助の申請をしていただいております。
また、経済的な支援が必要ではないかと思われる御家庭には、個別に学級担任から制度の説明もさせていただいております。
令和元年度の認定者数につきましては、全児童生徒の約9.4%である961人の児童生徒が認定を受けており、1割弱が生活保護に準じる程度に困窮しており、経済的支援を必要としているものと認識いたしております。
これからも学校のみならず、教育委員会におきましても、保護者の相談などを受け付け、必要な御家庭には必要な支援が届けられるよう、働きかけを続けてまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 本市の子育て世帯の状況と母子家庭の状況についてお答えいたします。
令和元年度に行いました子ども・子育て支援に関するニーズ調査におきまして、小学生保護者に対して経済的ゆとりがあるかとの質問に、あまりない、まったくないと回答した保護者は47.7%となっており、経済的ゆとりがない割合が半数近くあるとの結果が出ております。このことからも、母子家庭におきましても、経済的な不安や負担に関する悩みがある方が、少なからずいらっしゃるものと推測しております。
また、子育て世代、母子家庭における新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、母子家庭におきましては、児童扶養手当の現況届のときに聞き取りを行ったところ、子供の学校が休校になったため食費が増えた、マスク、消毒液の購入のための費用がかかったなど、経済的負担が増えたという声を聞いております。
○議長(永易英寿) 米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 子ども・子育ての計画のニーズ調査というふうにおっしゃいましたけれど、そもそも子ども・子育ての支援計画は、0歳から5歳児の就学前の子供さんが主たる対象であると思います。例えばアンケートにしても就学前の子供さんと小学生の保護者で、中学生は対象から外されております。
それから、委員の数もたしか15人だったと思いますが、そのうち7人は保育園あるいは幼稚園の関係者、学校関係は、小学校の代表の方が入っておりますが、それも学校現場の人というよりは、連合自治会の方であるとか、児童センターの方であるとか、地域の有識者ということで入っておられます。学校の立場では入ってないわけです。ということは、子ども・子育ての計画自体が、子供の貧困云々とは明らかに性格の異なるものだというふうに考えます。そこから中学生以上の子の状況も推計するということであろうと思いますけれど、先ほど申しましたように、子供の貧困が大きな課題となっている中では、いささか消極的な方法ではないのかというふうに考えます。そもそも新居浜市では、これまで子供の貧困に関する調査を行っていないようなんですが、どうなんでしょうか。
それと、統計書的な数字だけではなくて、保護者や子供自身が自分の状況をどう感じているのか、どういう支援を望んでいるのか、あるいはどんな助成が役立ってきたのか、そもそもそういう支援策が知られているのかどうか、あるいは貧困に全く縁のない人たちは、貧困をどういうふうに思っているのかなど、数字だけじゃない、いわゆる意識調査というようなものも大変重要だと思いますが、いかがでしょうか、お答えをお願いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 米谷議員さんの再質問にお答えいたします。
まず、貧困の調査というのをこれまで実際に行ってきていたのかどうかについてですけれども、先ほど言われた子ども・子育て支援事業計画につきましては、そもそも子供の貧困に焦点を当てている計画ではないと。中身的には確かにおっしゃったように、特に就学前が主なターゲットでその親子の支援というような側面があります。
しかしながら、子ども・子育て支援事業計画の推進に当たっては、庁内横断的に、例えば教育委員会の取組状況でありますとか、そういったものも盛り込まれた計画となっております。ただし、子供の貧困に対して具体的な調査というのは、今までなされてないということが実際のところでありますので、これについては、今後そういう貧困にスポットを当てた、そこの部分もカバーできるような調査というのも検討していかないといけないというふうには思っております。
もう一点、要するに保護者の支援、何を望んでいるか、あるいはそういった支援策が浸透してないんじゃないか、そういう全体的な意識調査も必要ではないかということでございます。
これにつきましては、確かに様々な経済的な支援策、特に独り親家庭を対象にした様々な給付あるいは助成金も含め、いろいろな制度がございますけれども、それについては、なかなか浸透してないというところは確かにあるかとは思います。ただし、関係機関であるとか関係者の様々なネットワーク、子ども・子育て支援事業計画の中でも要保護児童対策地域協議会というのがありますけれども、その中では様々な関係機関が構成員となっております。そういう中で、例えば子供の貧困、経済的な貧困も含めた問題を抱える児童あるいはその親御さんの情報というのがそこに集約されてきて、様々な支援を行っていくというようなことも行っております。ただし、今後行うそういう調査の中に、先ほど申しました子供の貧困に係る調査でありますとか、そういった意識の調査といったものも考えていきたいというふうに思っております。
○議長(永易英寿) 米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 次に、対策についてお伺いいたします。
子供がいる貧困家庭への支援として、経済支援、生活支援、就労支援、教育支援などが挙げられますが、本市はこれまでどのような体制でどのような取組を行ってきたのでしょうか。
そして、その成果をどう検証し、どう評価しているのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 対策についてお答えいたします。
子供のいる貧困家庭への支援につきましては、まず経済支援といたしまして、就学援助制度において、市民税の所得割額が非課税であること等の条件に該当し、生活保護に準じる程度に困窮していると認められる場合は、学校給食費や学用品費の支給などに取り組んでおります。過去3年間の認定割合は、全児童生徒の1割弱で推移しており、10人に一人が支援を必要としているものと認識しております。支給額につきましては、文部科学省から示される生活保護世帯への支給額に準じて決定しておりますことから、必要な援助につながっているものと考えております。
次に、就労支援といたしまして、放課後児童クラブを開設し、就労等で保護者が昼間不在のため、家庭での養育が困難な児童を対象に、適切な遊びや生活の場を提供し、児童の健全育成に取り組んでおります。令和元年度には、対象児童を小学6年生まで拡充し、児童登録者数も増加しております。平成27年度からは、生活保護世帯と就学援助受給世帯については、保護者からの申請により、実費徴収金の免除制度も設けるなど、経済支援にもつながっているものと考えております。
次に、教育支援といたしまして、放課後等に教員OB等の地域住民が、児童の学習をサポートする放課後まなび塾を無料で開設しており、希望する児童は全て参加できる学習支援に取り組んでおります。令和元年度からは、別子小を除く小学校15校で開設し、長期休業中にも実施するなど、支援の充実が図られているものと考えております。
○議長(永易英寿) 藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 貧困家庭への支援としての体制及び取組、またその成果の検証と評価についてお答えいたします。
経済支援といたしましては、児童手当、児童扶養手当、子ども医療費助成、ひとり親家庭医療費助成や母子父子寡婦福祉資金の貸付け、母子家庭等自立支援給付金事業等を行っております。
生活支援といたしましては、独り親家庭の児童を対象にして学習支援事業等を行っております。
就労支援としましては、児童扶養手当の現況届出時に、ハローワークの職員が出張就労相談を行うなどの支援を行っております。
これらの支援の検証、評価についてでございますが、資格の取得を目的としての修学時や職業能力開発のための教育訓練時において、給付金の支給や経費の一部を補助する母子家庭等自立支援給付金事業におきましては、この制度を利用して看護師等の資格を取得し、その結果、母子家庭の経済的自立につながる支援ができたものと考えております。
また、独り親家庭の児童の学習支援事業につきましては、新居浜市母子寡婦福祉連合会や新居浜高専の学生ボランティアの御協力により、独り親家庭の児童に対する学習支援や生活支援等を行うことができ、児童や保護者の方々からも大変評価をいただいております。
○議長(永易英寿) 米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 先ほどの質問と同時に伺っておけばよかったんですが、今お伺いしましたたくさんの事業を展開されているということですが、その中で目標を設定して、その目標の達成率みたいなものを管理しているような事業はあるのでしょうか、あるのであれば教えていただきたいと思います。
それと、庁内で、先ほど教育委員会とも連携してというふうなお話もありましたが、例えば子供の貧困に関する事業の展開におきまして、福祉部と教育委員会あるいはほかの社会福祉協議会みたいなものも関係するかも分かりません。そういうところの継続的なネットワークあるいはプロジェクトのようなもの、そういう体制は取られているのかどうか、お伺いいたします。
それと、学校などで貧困の境遇にあるのではというふうに先生や周囲が気づくレベルになると、もう既にその子は赤信号であるというふうによく言われております。これは、もう経済的に非常に苦しいということをもちろん保護者は隠そうといたしますし、保護者が毎日毎日働いている姿を見ると、子供も自分の家の様子を隠そうとします。人に知られないようにしようとすると、ある程度の身なりも必要ですし、親が長い間仕事をするとなれば、子供の様子を見るために携帯電話を持たすというようなこともよくあるそうで、一般の子供たちより生活に困窮している家庭の子供のほうが、携帯を持っている率が高いというようなこともよく言われることであります。結果的には、交通費であるとか光熱費、家賃みたいなものは抑えることが難しいので、食費を切り詰めるケースが非常に多いということなのですが、そういうことになっても子供たちはなかなか自ら声を上げようとはしません。先ほど言いましたように隠そうとする意識が強い。そういう子供たちに対しては、例えば学校なんかの現場で手を広げて待っていても、子供のほうからはなかなかやってこないというようなことであります。そういうときに子供たちの居場所として少しずつ緊張をほぐしてくれる場所としてあるのが、大きな役割を果たしているのが、最近よくこれも耳にします子ども食堂だと言われています。最近では、そこを訪れる黄色信号の子供たちを早く見つけ出すために、学校と子ども食堂との連携みたいなものも試行されているようであります。
本市においても、子ども食堂あるいはフードバンクなどの事業、子供の貧困に関わる事業を展開している市民の団体の皆さんとのネットワークみたいなものが必要だと思いますが、今、こういう皆さんとの情報交換、あるいはこういう皆さんが参加する、例えば先ほど言いましたプロジェクトのようなところにそういう皆さんが参加する、そういう取組は行っているのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 米谷議員さんの再質問にお答えをいたします。
まず、制度について目標の設定があるかというようなお尋ねですけれども、先ほども答弁で申し上げましたが、従来小学校4年生までであった放課後児童クラブを小学校6年生まで拡充し、広く全ての子供に門戸を開放する、これは体制としての一つの目標を設定して、それをクリアしたということが言えるかと思っております。
それから、福祉部との連携ということですけれども、貧困家庭に限りませんけれども、子供たちを取り巻く環境が非常に厳しく、子供自身の抱えている問題が大きい場合、福祉部と定期的に情報交換を行っておりまして、こうした子供、そして家庭への支援というものを協議する場を設けております。
また、学校においては、スクールソーシャルワーカーという専門職を学校等の支援会議の場に派遣をして、家庭の支援というところも視野において、こうした専門職の力を借りて子供たちの経済環境というものを改善するような取組をしております。幾つかその成果が現れて、保護者の就労等につながってというような事例もございます。
それから、子供自らが声を上げないことに対する対応ですけれども、やはり日々触れている先生たちの子供を見る観察力というのは、非常に重要でありまして、例えば物がそろわないとか、宿題が出にくいということからも、家庭の様子というものを見取る力というものがあるかと思っております。そうした場合に、先ほどの答弁でも申し上げましたけれど、家庭に対してお声かけをして、経済状況がもし十分でない場合には、教育委員会につなぐというようなこともしておるところでございます。
それから最後に、子ども食堂との連携ということでございますが、全てではございませんが、一部子ども食堂側から要望があるときには、子ども食堂の開催日等について、学校内に掲示をすることで、子供たちへの周知を促し、様々な子供が参加することで、より貧困で苦しんでいる子供たちもその場に参加しやすくなるものと考えておりまして、実際にそうした子ども食堂の情報周知を校内で行っている事例もございます。
以上でございます。
○議長(永易英寿) 藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 米谷議員さんの再質問にお答えいたします。
福祉部の関係でやってる事業の中で、目標を立てて実施しているような事業があるのかということにつきましては、福祉部で、例えば経済的支援でありますとか、独り親家庭への支援という事業の中で、目標値を設定して実施しているというわけではございません。ですから、要するに状況に応じて生活に困窮している方、あるいは子育てに困られている方に対して寄り添った支援を行っていくと、あるいは必要な支援を行っていくというようなことで実施をしております。
それと、先ほど教育長が申し上げましたように、教育委員会と福祉部との連携、ネットワーク、プロジェクトということでございますが、福祉部のほうで事務局をしております、先ほども申し上げました要保護児童対策地域協議会、こちらのほうの組織がございます。この構成員としては広く、例えば保育園関係者、学校関係者、教育委員会からも出ていただいてますし、保健所、保健センター、警察関係、その辺のメンバーが出てきていただいております。要するに子供の貧困も含めたそういった支援が必要な子育て世帯あるいは子供さんというのは、恐らく妊娠期からそういうリスクがあるということが言われておりますので、そういう点では、一番最初にそこと接する保健センターの保健師、その辺と連携、そういうメンバーも入っておりますので、そういった中で教育委員会も含めた連携したネットワークができているというふうに認識しております。
それと、子ども食堂とかそういう居場所づくりの団体、ボランティア団体等とのネットワークにつきましては、今のところ福祉部の中ではそういうネットワークというのがございませんので、今後そういう子ども食堂も、市内でも大分増えてきたという情報もありますので、そういったところとの連携についても取り組んでまいりたいというふうに思います。
○議長(永易英寿) 米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 私は、子供の貧困に関連するような事業の場合、(1)でもお尋ねいたしましたが、現状をいろいろ調査をかけて、新居浜にはこういうレベルの子供たちがこれぐらいいるんではないかという、まずは実態をしっかり把握して、今度は、じゃあ新しい事業をやったときに、この対象になる子供は新居浜市には何人いるはずだから、現在は何人しか来てないので、まだ何人いるはずだと、じゃあ残りの何人かをその事業を通して支援するためにはどういう方策が要るのか、そういう形で事業を進めていかなければならない。したがって、目標管理が非常に重要だと思っております。目標管理につきましては、今そういう点ではいささか残念なお答えになったので、若干不十分なお答えだと思っております。大変残念に思っております。
次の質問に移ります。
次に、子どもの貧困対策推進計画の策定についてです。
内閣府のホームページによりますと、現在全国1,741市区町村中38.3%の666市区町村が、子供の貧困に対する計画を策定済みです。2019年6月時点では、策定済みだったのが僅か8%の145市区町村だったとのことですので、この2年足らずの間に一気に5倍近く増加したわけです。愛媛県も令和2年3月に定めた第2期えひめ・未来・子育てプラン(後期計画)の第6章を子どもの貧困対策計画と位置づけています。県下11市の中では、西条市、今治市など4市が策定を終えております。
このような状況の中、本市においても、子どもの貧困対策法がうたう地方公共団体の責務に従い、早急に(仮称)新居浜市子どもの貧困対策推進計画を策定しなければならないと考えますが、御所見をお願いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) (仮称)子どもの貧困対策推進計画の策定についてお答えいたします。
令和元年6月の子どもの貧困対策法改正により、市町村に対し、子どもの貧困対策計画策定の努力義務が課されております。
また、同年11月には、子供の貧困対策を総合的に推進するため、子供の貧困対策に関する大綱が策定されました。
これらを受けまして、令和2年度から令和6年度までの第2期新居浜市子ども・子育て支援事業計画におきまして、多様化、複雑化している配慮の必要な子供や家庭の問題の解決に向け、子供の貧困対策の推進を新規に取り組むこととしておりますため、令和4年度の計画の中間見直し時には、計画の推進状況の点検、評価を実施し、子どもの貧困対策推進計画の策定に取り組んでまいります。
○議長(永易英寿) 米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 令和4年度をめどに策定に取り組むというようなことでよろしいんでしょうか。
計画を策定するということになりますと、その前段となるアンケート調査あるいはその分析、また先ほどもお伺いいたしましたように、例えば計画策定委員会のような協議会のようなものをつくって、その中には当事者である、例えば独り親家庭の保護者であるとか、あるいは子ども食堂をやられている方を委員に加えるというようなことが必要であると思います。令和4年度に計画を策定ということであれば、もう調査とかそういう体制づくり、例えばアンケートの作成一つにしても委員会等で作成するというのが普通ではないかというふうに思いますが、今からそういう準備、前段の作業に取りかからなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 米谷議員さんの再質問にお答えいたします。
令和4年度に策定を予定しております子どもの貧困対策計画に向けた準備として、今からその準備をしておかないといけないのではないかということでございます。実は、愛媛県の計画もそうですけれども、新居浜市で言う子ども・子育て支援事業計画の中の一つの章として、そういう子どもの貧困対策計画に位置づけているということでございます。ということですので、新居浜市の場合は、子ども・子育て支援事業計画を担当する審議会というのがございますけれども、既にその審議会がございますので、その審議会、あるいはその審議会の中に新たに例えば部会を設けるとか、そういったことをまた検討することはあるかと思いますけれども、そういう中で、子ども・子育て会議の中で推進をしていきたいというふうには思っております。
アンケート等につきましては、実際に策定の前年度に行うのか、あるいは該当年の令和4年度に行うかということについても、また今から検討していきたいというふうに思っております。
○議長(永易英寿) 米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 子ども・子育て計画の中に織り込むというようなことでお伺いいたしましたが、実際には今計画策定されている市町村の多くが、今言いましたような子ども・子育て計画の中に織り込んでいるということが多いようです。でも、いわゆる先進地と言われるような自治体におきましては、それとは別に子育て計画の終了とタイミングを合わせて、例えば3年計画で子供の貧困計画等を策定されているところもあります。アンケートにいたしましても、例えば保護者、小学校、中学校だけじゃなく、子供たちからもヒアリングをしたり、例えば子供たちに貧困に関する授業を展開する小学校であったり幼稚園であったり、そういうところのいわゆるキャパシティーの調査、あるいは子ども食堂なんかの皆さんへのヒアリング、そういうものも計画の中に織り込んで、しっかりした計画を立ててるところがございます。ぜひこういう先進地の計画を下敷きにいたしまして、新居浜市でもしっかりとした計画を立てていただきますようお願いを申し上げます。
では、次の質問に移ります。
道路沿いや空き地等へのベンチの設置についてということです。
私ごとになりますが、昨年突然入院をせなければならなくなりました。何とか退院することはできたのですが、その後リハビリの一環で、なるべく散歩をするようにしております。毎日ではないにしろ散歩をしていますと、顔見知りの方もでき、挨拶も交わしたりするんですが、その中で、この辺りにベンチが欲しいねという話がよく出てまいります。たくさんの人が散歩をされていますが、道路脇の石や低い土手、土留めのコンクリートの上に腰かけて一息入れている様子をよく見かけます。ゆっくり歩いているお年寄りや私のようにリハビリを兼ねての場合は、すたすた歩くわけではありませんので、やっぱりベンチがあったらなと思っております。住友の鉄道跡の自転車道、本郷辺りだと思いますが、大きな木の周りにベンチがあり、車で通りかかるたびに、何人か腰かけて話をしているのを見ると、いいなというふうに思ってしまいます。本会議の初日に伺った施政方針では、高齢者の介護予防のためにPPK体操のバージョンアップなどに取り組むと伺いましたが、高齢者の健康づくりを推進する上でもベンチを置くということは、大変効果的な環境づくりではないかと考えますが、そこでお伺いします。
例えば市道沿いのちょっとした残余地などにベンチを設置してはと思うのですが、いかがでしょうか。
あわせて、ベンチについてもう一つ。例えば単位自治会からの要望によってベンチを置くというような事業を行ってはどうかと思います。今進めております花いっぱいのまちづくりでせっかく花が咲いたときに、その横にベンチがあれば、皆さん腰かけてみんなで作った花壇を見ることができますし、また自治会館の前の空き地にベンチがあれば、そこに座った自治会員同士でいろんな会話が始まることもあるのじゃないかと思います。例えば予算の点では、市でベンチの背もたれに名前を入れるスポンサーを募集したり、あるいは青いHello!NEW新居浜のロゴが入ったベンチが市内にあちらこちらあれば、これはまたすてきな光景ではないかというふうに考えます。自治会からの要望に応じて例年何台かのベンチを設置してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 道路沿いや空き地等へのベンチの設置についてお答えをいたします。
近年、高齢化の加速など、社会情勢の変化に伴い、道路は様々な利用者による多様な利用形態に対応することが求められております。移動時間の短縮といった自動車の通行に関することに加え、歩道のバリアフリー化など、歩行者、自転車の安全かつ快適な利用へのニーズが高まっております。
御提案の道路沿いの残余地へのベンチの設置につきましては、歩道を利用する高齢者や交通弱者の利便性向上、憩いの空間の創出として有効な手段であると考えております。道路管理者が歩道にベンチを設置する場合は、その要件として、歩行者、自転車が安全に通行できる十分な幅員を確保すること、そしてまた、多くの需要が見込まれることなど、道路管理上の規定がございますけれども、今後ベンチの設置につきまして、道路管理上の必要性や効果的な設置の手段、場所などについて、他市の事例なども調査研究し、前向きに取り組んでまいりたいと、このように考えております。
次に、自治会からの要望に応じたベンチの設置につきましては、休息やコミュニケーションの場として、自治会館の敷地内に、その附帯施設として設置する場合には、集会所等整備事業補助金の活用やあるいは防災機能を備えたベンチ等につきましては、コミュニティ活性化事業交付金の活用も考えることが可能でございますので、自治会から具体的な要望等がございましたら、検討してまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 再質問はありませんか。米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) ベンチの設置につきまして、今お答えいただきましたが、自治会の皆さんにもよく周知をされて、要望を募っていただくようお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○議長(永易英寿) この際、暫時休憩いたします。
午前10時58分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前11時08分再開
○議長(永易英寿) 休憩前に引き続き会議を開きます。
仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) それでは、通告に従いまして質問させていただきます。
まず、新型コロナウイルス感染症と新居浜市の現状について。
新居浜市新型インフルエンザ等対策行動計画の検証と実効性を考え、新型コロナウイルス感染症と新居浜市の現状について、まず新居浜市新型インフルエンザ等対策行動計画の検証と実効性の観点から質問させていただきます。
2020年は、日本においても新居浜市においても新型コロナウイルスに始まり、新型コロナウイルスに終わるという1年で、オリンピックの延期をはじめとして、各種行事の自粛が行われました。
新居浜市にとって喜ばしく、ひときわ大きく鮮やかな光を放ったのは、はやぶさ2のニュースではないかと思います。そもそも小惑星リュウグウは、地球から3億キロメートル離れており、はやぶさ2は、宇宙を6年間もの間旅して、人々に未知の物質を持って、無事帰還しました。新居浜市にもこの事業に参加している事業所があり、まさにこの事業は、日本の技術の高さを世界に証明した出来事ではないかと思います。
さて、新型コロナウイルス感染症をめぐり、中国では、2019年12月に武漢市の衛生当局が原因不明の肺炎が見つかったと公表しました。WHOのテドロス事務局長が、昨年の1月14日に新型コロナウイルスと発表、その後1月30日にWHOが、新型コロナウイルスの流行が懸念される公衆衛生上の緊急事態に当たると宣言しました。国内では、新型コロナウイルス対策を医学的な見地から政府に助言する専門家会議の初会合が2月16日に開かれ、翌17日に厚生労働省は、帰国者・接触者相談センターの窓口に相談、受診する際の目安として、37.5度以上の発熱が4日以上続くことなどを公表しました。
一方、新居浜市においても、3月26日に感染が確認されたとの報道があり、びっくりしたところであります。そのような動きの中で、新居浜市として今回のコロナ発生で感染症に対する対応を検証する必要があると思います。新居浜市での検証を行うに当たっては、新居浜市新型インフルエンザ等対策行動計画が策定されており、インフルエンザ以外にも検証できると思います。つまり言葉は新型インフルエンザとなっていますが、新型コロナにも対応可能な計画です。この計画は、国や県のインフルエンザ対策の取組の経緯、市の行動計画の策定について書かれています。特に対策の基本項目では、1、実施体制、2、サーベイランス・情報収集、3、情報提供・共有、4、まん延防止、5、予報接種、6、医療、7、市民生活及び経済の安定確保の7項目の具体的な対策を記載しています。
また、各段階における対策では、発生段階ごとに状況、目的、対策の考え方それぞれを記載し、各項目においては、担当する主な市の部局を記載しています。つまりピーク時の患者数をなるべく少なくし、医療提供のキャパシティーを超えないようにし、必要な患者が適切な医療を受けることができるようにします。したがって、新居浜市新型インフルエンザ等対策行動計画に基づいて検証を進めます。計画への取組と評価についてはどのように考えていますか、お伺いします。
また、初期段階での行動計画どおりに実施できなかったことがあったとすれば、それはどんな事項ですか。
あわせて、今後の感染症対策として見直しや改訂をされる場合はどういうようなものが挙げられますか、また考えられていますか、お伺いします。
事業継続計画、BCPの策定や見直しでは、いつ発生するか分からない事態に備えて準備しておくことが、私は行政には必要で重要なことではないかと考えます。事業継続計画策定の目的は、多くの文書を作ることではなく、事業を継続し、社会的な責任を果たすために想定可能な事態にどこまで備えるかを議論し、必要な対策を吟味し備える、そのことが本質的な目的です。このプロセスを十分に踏んでいるか否かが、対応の質を決めると言われています。
また、このことが次の感染症対策につながってきます。つまり、従来の新型インフルエンザ対策と新型コロナウイルス対策は、個別の対応ではなく、感染症全体を含んだ事業継続計画にならなければなりません。つまり感染症対策BCPです。これらのことについての対応と考えはいかがですか、お伺いします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 仙波議員さんの御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症と本市の現状についてでございます。
新型インフルエンザ等対策行動計画の検証と実効性についてお答えいたします。
本市では、平成27年3月に新居浜市新型インフルエンザ等対策行動計画を策定し、感染症対策を講じてまいりました。新型コロナウイルス感染症対策につきましても、全国的かつ急速な蔓延のおそれのある感染症として、行動計画に基づき、新居浜市新型コロナウイルス感染症対策班を令和2年1月30日に、新居浜市新型コロナウイルス感染症対策本部を令和2年2月28日に設置いたしました。
また、感染症対策を実施するに当たり、準拠となるべき統一的指針である国の新型インフルエンザ等対策特別措置法に規定する基本的対処方針に基づき、感染症対策の中心となる愛媛県と情報共有し、本市の基本方針を定め、取り組んでまいりました。現在、新型コロナウイルス感染症は、感染拡大が長期化し、収束に至っていないため、行動計画に関する評価につきましては、今後行うこととしております。
初期の段階で計画どおりに実施できなかったことは、マスク、アルコール消毒液等の備蓄品や非接触型体温計等の衛生機材の確保が全国的に不十分であったため、積極的な感染対策の強化が図れなかったこと、またフェイクニュースが拡散されたことにより、市民への正確な情報提供に遅れが見られたことなどがございます。今後、感染症対策としての行動計画の見直しにつきましては、ワクチン接種も含め、市民生活の維持や経済の安定確保等、多方面に大きく影響を及ぼすものでありますので、俯瞰的に検証していく必要があると考えております。
事業継続計画の策定につきましては、御指摘のとおり、感染症の拡大により様々な事業継続に支障を来すことが考えられるため、発生段階に応じ、各職場における感染防止策を講じ、事業継続に不可欠な重要業務へシフト可能な体制の確立が必要であると考えておりますが、まずは部局ごとに担当業務の優先度をつけ、行政の機能を維持できるように取り組んでおります。
○議長(永易英寿) 仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) まず、1月30日に1回目というか会を持って、次の2月28日に正式に会をつくられたと。昨日の近藤議員さんへのお答えでは、その後25回開催されたということなんですが、まず一番最初の1月30日に会を持たれた時点で、新型インフルエンザ等対策の計画っていうのは確認をされたのかどうか。
それで、その時点で、例えば先ほどマスクとかアルコールとかというお話が出ましたけど、新型インフルエンザ等対策行動計画自身もつくってはいたが、実施はされてなかったということでいいんですか。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 仙波議員さんの再質問にお答えいたします。
1月30日の第1回目の対策班会議の時点で、要するに新型インフルエンザ等対策行動計画についての確認を行ったかということでございますが、1月30日の対策班会議そのものが、新居浜市新型インフルエンザ等対策行動計画に基づいて設置をしたという経緯でございます。
その後の新居浜市の感染症対策というのは、基本的にはこの計画に基づいて実施をしているということでございます。
○議長(永易英寿) 仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) それでは、1月30日の時点で、もう既にマスクやアルコールがないと。インフルエンザ等行動計画の中には、新居浜市で幾ら備蓄をしなければいけないということも多分書いてあったと思うんですよね、マスクは。その辺はいかがなんですか。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 仙波議員さんの再質問にお答えいたします。
行動計画に基づいて1月30日に対策班会議を設置いたしました。この対策班会議というのは、班長、トップを副市長として、その班員として福祉部と関係部局ということで危機管理関係部局が対策班の構成となっておりますが、その時点で計画に基づいて備蓄品について幾ら備蓄をしていないといけないとかというような、具体的な数量というのは計画の中には記載はされておりません。
○議長(永易英寿) 仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) せっかく行動計画に基づいて取組を始めたわけですけれども、そのときに、私は記憶の再確認はしてないわけですけれども、マスク等の備蓄についても記述があったというふうに思っております。結果としてなくても、備蓄品の品目の中にはあったというふうに思います。そういうことがきちんとなされたかどうかっていうことについて、25回やられて、例えばもうコロナがなくなるというわけでも当然ないわけでございまして、その中で具体的に、例えば前回の新型インフルエンザ等対策行動計画に基づいて、今じゃあどのあたりなのかということになろうかと思います。特にそういう意味では、コロナが今すぐなくなるわけでもございません。
しかし、どういうことをすれば感染する、感染しないっていうことが大方見えてきただろうというふうに思います。その中で、例えば国でも三密回避とかマスクとか手洗いとかということを言ってるんだろうと思いますし、これのおかげで現実問題としてインフルエンザも減ってるというようなことが報道されてますけれども、そういう意味で、足りなかった部分をじゃあいつの時点で新居浜市としてこの行動計画に基づいて取り戻したのか、それについてはいかがですか。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 仙波議員さんの再質問にお答えいたします。
インフルエンザ等対策行動計画について、いつ見直しをするか、実際にこの計画どおりに進捗しなかった部分、先ほど答弁でも申し上げましたように、備蓄品が思ったより足りない、これは全国的な問題、課題ではございましたけれども、事前にどれぐらい実際に備蓄していないといけないかとか、その辺のところを検証して、見直しをしないといけないのではないかということでございますが、実際にまだ今発生段階の中で、予防接種の段階というのが当然あるんですけれども、これが実質まだ、先日2月に愛媛労災病院で医療従事者の先行接種というのが一部始まったばかりでございます。医療従事者の優先接種あるいは65歳以上の一般市民に向けての接種というのがまだ終わってないと、今からということでございます。まずは、ワクチン接種の推進に力を入れた後、一定のその効果が出てきた段階で、当然新型インフルエンザ等対策行動計画の検証と見直しというのは、その段階でしなければいけないというふうには認識はしております。
○議長(永易英寿) 仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) どちらにしろ終わってない、まだ予防接種も始まってないという段階で検証しろというのは、いささか性急かなという気はするわけですけども、既にコロナでもう1年以上たってるわけです。ほかの経済やいろんな部分に影響も与えているわけで、途中で検証ができないっていうのか、遅れはどのくらいですかというような部分もお伺いをしたわけですけれども、そういう意味で何とかしとかないと、行政としての対応っていうのはいささか怠慢ではないかというふうに思いますが、私が今日聞いたんで、多分やってくれるんだろうというふうに思います。
それでは次に、新型コロナウイルス感染症の影響と今後の取組についてということでお伺いをします。
スマートシティーと業務改革の取組ということで、新型コロナウイルス感染症の影響と今後の取組についてという観点で質問させていただきます。
まず、スマートシティーと業務改革の取組についてでありますけれども、新型コロナウイルスの影響で社会生活も大きく変わりました。歴史をひもといてみると、第2次世界大戦の敗戦によって日本人は軍国主義から民主主義国家へとパラダイムシフトを体験した民族でもあります。
さらに、現代社会においては、これまでの経済成長重視の画一的な大量消費社会から、一人一人が自らの生き方を大切にして、心豊かな暮らしができる持続可能な社会へとパラダイムシフトすることが求められます。
また、社会生活においては、一例として、人工知能の技術の普及によって、従来、社会の共通価値観として、希少価値があると捉えていた特殊な業務や能力などが突然消えてしまうといった変化が起こるだろうと思います。従来、当たり前と思われていたことが、突然変わっていくことが起きています。今回の新型コロナウイルス感染症の流行でも、生活の大きな変化が起きています。このように社会の変化や価値観の多様性に対しても対応を強化していかなければなりません。
新居浜市においても、このような現代社会の急激な変化に対応し、社会全体の最適化を進めていくため、スマートシティー構想を政策の一つに挙げています。その中には、国で言われているCIO、最高情報責任者の存在が求められます。これまでの情報システム最適化の役割に加えて、組織や部門を超えて新居浜市全体を俯瞰した行政経営の変革を推進する主導的な役割が求められます。最高情報責任者の育成については、内閣府でも必要とされていて、現在のIT戦略に対して、より深く責任の重い役割となっています。つまり経営戦略の一部としての情報化戦略を立案、実行すること、情報技術に基づいた経営戦略を提案すること、技術を使って効率的な業務プロセスと情報システムをつくること、そして情報部門を含めて全社のIT資産の保持や調達を最適化することなど、非常に多岐にわたっています。CIO、最高情報責任者の重要性は、業務の有効性、効率性を高めること、財務報告の信頼性を確保すること、事業活動に関わる法規の遵守を促すこと、資産の保全をすること。今後電子行政を進めるに当たっては、市町村にも対応が求められております。新居浜市においても対応が必要と思いますが、この最高情報責任者の役割と新居浜市の対応についての取組状況はいかがですか、お伺いします。
次に、これからの情報化施策では、コネクテッドカーなどのスマートモビリティーや次世代送電網であるスマートグリッドなど、分野ごとに分断されていたスマートを一つのプラットフォームで統括管理・運営し、各インフラのシームレス化を目指す段階に入っています。
また、国土交通省は、スマートシティーを定義どおり持続的に機能発展させるため、交通、電力、通信などの政府主導の公共インフラ整備だけではなく、技術開発者・サービス提供、都市開発者、都市管理者、住民、地元企業を主体とした連携が必要で、民間企業の次世代IoT技術が、地方自治体及び住民の要望、ニーズと常にマッチングできるマネジメント体制を築いていくことが求められています。このことがBPR、いわゆるビジネス・プロセス・リエンジニアリング、業務改革、すなわち業務本来の目的に向かって既存の組織や制度を抜本的に見直し、プロセスの視点で職務、業務フロー、管理機構、情報システムをデザインし直すリエンジニアリングという考え方につながっていくと思います。
今回の新型コロナ感染症を経験して、新居浜市も例外ではないと思います。業務改革は、これらの業務の効率化や経営の重要性を十分認識し、対応していかなければならないと思います。新居浜市の第六次長期総合計画においても、持続可能なまちづくりの推進において、基本計画、質の高い行政運営の取組方針として、スマートシティーの実現に向けた取組の検討や行政サービスを安定的、持続的、効率的かつ効果的に提供するため、内部統制制度の導入の検討を進めることとされています。市長の御所見をお伺いします。
また、業務改革を進める手法の一つとして、ERPの活用があります。ERPとは、エンタープライズ・リソース・プランニングの略で、経営の基本となる資源要素、人、もの、金、情報を適切に分配し、有効活用する手法を指します。基本計画、行政機能の向上では、最新のICT情報の収集と行政業務システム等の見直しを行うこともうたわれています。今後どのように取組を進めていかれるのか、お考えをお伺いします。
2、市民ニーズと行政の役割についてお尋ねします。
コロナ禍の行政改革においては、特にコミュニティーの在り方が問い直されている問題だと思います。地域を支える従来の活動が制限されています。そしてやむを得なく取りやめになっています。その中で行政は、感染症対策として制限をかけるだけではなく、どうすれば実行できるかを助言し、協力するかという姿勢が大切だと思います。こんなときこそ行政の持っている財産や知恵を発揮するときだと思いますが、いかがですか。
感染防止対策を考え、提供するなどの行政の持ってる知恵を惜しむことがあってはなりません。つまり、事業を実施するための方策を示すことが重要になります。具体的には、大会を開催するとき、必要な機材の提供を行う非接触型体温計の貸出しをするとか、アルコールの消毒液を提供するとか、職員一丸となって努力を惜しまない前向きな行動が求められます。行事を止めることがよいとは思いません。市長のお考えをお伺いします。
特に福岡市の取組では、市民が一番知りたいと思った新型コロナウイルスに対する質問や特別定額給付等の疑問点について、LINE株式会社と福岡市が締結した情報発信強化に関する連携協定に基づいて開設された福岡市LINE公式アカウントの中で、テキストを用いた自動会話プログラムのチャットボットで聞けるようにしています。新居浜市として、このような新しい情報発信の取組に対してどのような感想を持ちますか。新居浜市として対応があればお答えください。
市民ニーズと行政の政策ではまだまだ開きがあると思います。その点に関して、新居浜市の取組と方策はどのように考えていますか、お伺いします。
次に、テレワークの推進とマネジメント改革。
自宅でのテレワークや住民の利便性についての取組、とりわけ行政のテレワークについてどう考えられていますか。
東京では、緊急事態宣言に応じて企業のテレワークが増え、企業の本社がある場所では、通勤電車の昇降客が減ったが、反対に霞が関では減らなかったとのことです。結果として、国の官庁がテレワークの取組に一番遅れていたなどというようなことです。新居浜市としてもテレワークの取組状況はいかがですか、お伺いします。
現在、何人の利活用が図られていますか。稼働率はどうですか。実際の効果と運用について、たしか本年2月から実証実験と伺っていましたが、どうなっていますか。
地方の時代と叫ばれて随分たちますが、結果として東京一極集中是正はなかなか進んでいないのが実情です。今回のコロナは一つの影響として、テレワークが進めば、東京一極集中がある程度緩和されるのではないかと思います。地方でのテレワークや地方へのリスク分散を考える個人や企業も現れています。
また、一方では、フェース・ツー・フェースからの脱却と考えられないでしょうか。テレワークは、下手すると在宅勤務という名の休暇と思っている人はいないとは思いますが、要はジョブディスクリプション、職務記述書を明確にして、それに応じた成果を出せる仕組みが大切です。そして、上司の役割は、成果を評価することであり、課長の評価が正しいかを評価するのが部長の仕事です。仕事をいかにマネジメントしていくかということも課題の一つではないでしょうか。コロナ禍の中、働き方改革が今後ますます加速し、行政においてもテレワークを拡大させていく必要がありますが、新居浜市としてどのような考え方で取り組んでいくのか、お伺いします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 新型コロナウイルス感染症の影響と今後の取組についてお答えをいたします。
まず、スマートシティーと業務改革のうち、CIOの役割と取組状況についてでございます。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、テレワークやリモート会議等のオンライン化が推進される等、経済、社会は大きく変化をいたしております。
このような社会環境の急激な変化への対応につきましては、仙波議員さん御案内のとおり、CIO、最高情報責任者の行政経営の変革を推進する主導的役割が重要となります。
本市では、情報セキュリティ対策基準により、副市長を最高情報セキュリティー責任者であるCISOとして、全てのネットワーク、情報システム等の情報資産の管理及び情報セキュリティー対策に関する最終決定権限及び責任を有すると定めております。新型コロナウイルス感染症対策といたしましては、職員のテレワーク環境の整備をはじめ、リモート会議の推進や公共施設予約システム導入などのオンライン化を進めているところでございます。
今後の行政運営におきましても、組織の効率化や対策の有効性、最適化を担うCIOの役割の重要性を認識し、市民ニーズや地域の課題を的確に把握しながら、より質の高いサービスを提供できるよう情報セキュリティーの確保に努めてまいります。
次に、最新のICT情報の収集と行政業務システム等の見直しについてでございます。
総務省の自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画が、令和2年12月25日に策定され、今後自治体が重点的に取り組むべき事項、内容が具体化されました。今後は、この計画を踏まえ、自治体情報システムの標準化、共通化に伴う業務プロセスの見直しや関連業務も含めたシステム最適化、行政手続のオンライン化への取組を進めてまいります。
これらの業務改革を推進するに当たっては、経営資源の最適化に考慮した業務の見直しが重要であると認識をしておりますことから、今後も国のDX計画及び今後提供される情報に注視し、優先度の高い取組から業務改革を進めてまいります。
次に、市民ニーズと行政の役割についてでございます。
昨年3月に本県で1人目となる新型コロナウイルスの感染者が確認されて以来、感染拡大の初期においては、新型コロナウイルスの感染拡大を押さえ込むため、手洗いの励行やマスクの着用などの基本的な感染予防対策、三密の回避の徹底、不要不急の外出、移動の自粛といった人と人との接触をできる限り避ける行動変容を市民の皆様にお願いいたしてまいりました。感染拡大の状況によってイベントの自粛や公共施設の使用制限等を行い、自治会等にも自粛をお願いしておりましたが、感染拡大期で得たこれまでの経験や知見を踏まえ、現在は国、県の対処方針に基づき、できる限りの感染防止対策に努めた上で、イベント、行事等を実施しております。
イベント等の開催につきましては、最終的には主催団体が判断することになりますが、行政といたしましても、市民目線に立って、市が実施しているイベントの感染症対策について御説明するとともに、非接触型体温計の貸出しや衛生用品の提供などの取り得る支援をしてまいります。
市民の皆様には、感染拡大の状況によって、イベントや地域活動の実施に御不便をおかけするかと存じますが、今後も市民の命と健康を守ることを最優先に、新しい日常に対応した地域活動ができるよう、感染症対策に取り組んでまいります。
○議長(永易英寿) 亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) 情報発信の取組についてお答えいたします。
本市におきましても、ICT等を積極的に活用した新しい取組として、令和元年度に愛媛県及び県内5市町で実施いたしましたAI総合案内サービスの実証実験に参加いたしました。
さらに、愛媛県と共同で利用することができるAIチャットボットサービスにつきましては、本市ではホームページにフローティングバナーとして、近藤勝也さんの太鼓台のイラストのアイコンを配置し、案内サービスの利用を本年2月22日から開始したところでございます。このようなAIチャットボットによる問合せ対応の自動化により、さらなる業務の効率化や住民満足度、行政サービスの向上につながるものと考えております。
近年、新しい情報発信への取組として、地方自治体においてLINE等を活用した住民向けサービスの提供が進んでおり、ウェブサイトやメール、電話と並んでLINEを情報発信や問合せ受付窓口として活用する事例が増加しております。
本市におきましても、令和元年8月から公式アカウントを取得し、LINEによる情報発信に努めておりますが、現在活用しているアカウントにおいては、御案内のチャットボット機能や市公式ホームページとの連携等について十分な対応ができていないことから、現在これらの課題を解決するとともに、双方向型情報発信の充実、強化を図るため、現在運用しているスマホアプリ新居浜いんふぉの機能代替も可能なLINEへの機能拡張プログラムの導入に向けて、現在準備を進めているところでございます。引き続き市民ニーズの的確な把握と情報発信に努めてまいります。
○議長(永易英寿) 赤尾総務部長。
○総務部長(赤尾禎司)(登壇) 内部統制制度の導入に向けた検討についてお答えいたします。
人口減少社会の到来の中、地方公共団体が市民に提供する行政サービスの重要性は、一層増大していくものと考えられます。
また、市民の多様なニーズに対し、よりきめ細やかな対応が求められ、個々の制度そのものが複雑化してきている中で、ICTを利活用した行政事務の簡素化、効率化が進められておりますが、まだ途上の段階であり、業務負担の増加等がミスの増大につながることも懸念されております。このような市民の福祉の増進を図るという組織目的の達成を阻害する要因、いわゆるリスクの存在を前提にした適正かつ効率的な事務処理と法令に適合した業務の執行が求められます。
このようなことから、内部統制制度の導入は、事務処理の適正さを確保するための有用な手段であると認識しております。
しかしながら、この制度を導入する場合は、長期的な視点に立った制度設計に取り組む必要がございますことから、まずは導入の検討に向け、先進自治体の導入状況の情報収集や専門研修への職員の派遣などを行い、次の段階として、リスクが大きい事務、優先的に取り組む事務の抽出、既存の取組を考慮した評価手法の検討などを行うとともに、庁内体制の整備に向けた準備を進めてまいります。
次に、テレワークの推進とマネジメント改革についてでございます。
行政のテレワークにつきましては、業務効率の向上及び災害等の緊急時における業務継続を図るため、勤務形態の一つとして推進すべきものであると考えております。
本市のテレワークの取組状況につきましては、所属長が認めた希望者が自宅で勤務する形態を取っており、2月から3月末まで試行しているところでございます。現在の状況といたしましては、2月末現在で11名の職員が活用し、会議の資料、国への申請書の作成、冊子の編集などでの利用があり、おおむね全ての職員から自宅においても問題なく業務に従事することができたとの意見が寄せられております。働き方が多様化している現在、対面での指示や指導による業務の評価ではなく、担当業務に応じて成果を適正に評価することは重要であり、特にテレワーク勤務は、成果物等により適正な勤務が行われたと判断し、評価していくマネジメントが重要であると認識しております。
今後におきましては、職員の意見を集約し、課題を整理するとともに、必要な改善を加えながら、働き方の一つとしてテレワーク勤務が実施できるよう制度設計を行ってまいります。
○議長(永易英寿) この際、暫時休憩いたします。
午前11時54分休憩
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午後 1時00分再開
○議長(永易英寿) 休憩前に引き続き会議を開きます。
仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) テレワークは、業務の効率化であり、パソコンがあればできるという発想になっていないか、業務の見直しはできているのか、つまり業務と仕事と双方向でマッチしないとできないと思います。その点について、一体今テレワークに使えるパソコンは何台あって、11人と言われましたけど、11人全員が一遍に使ってもできるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。赤尾総務部長。
○総務部長(赤尾禎司)(登壇) 仙波議員さんの再質問にお答えいたします。
まず、テレワークに使えるパソコンの台数でございますけども、当初2月に始めたときは、セキュリティーの関係で5台から始めましたけども、現在40台が使えるような体制になっております。
また、業務の見直しにつきましては、実施に向けて各課で業務を見直して、テレワークに対応していきたいと考えております。
○議長(永易英寿) 仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 40台ということですけれども、実質は、じゃあ20人だったら一緒に使えるという意味かな、そういうふうに感じるわけですけれども、現実的には、例えばほかの資料も持っていったり、いろんなことが関わってくるんで、そういう意味での業務改革ができるんではないかと、そんな意味に私は思っておりますけれども、そういう部分がどの程度できているのか、じゃあ、それがどの程度市民サービスにつながっていくのかということについて真摯に検討していただきたいというふうにお願いを申し上げておきます。
次に、あかがねポイントについてでございますが、公共交通とあかがねポイントの活用についてお尋ねをいたします。
昨年11月から順次市内の各路線でバスロケーションシステム実証実験を開始しています。今回バスロケーションシステムでは、公共交通の利便性向上のため、市内を運行するバスの見える化を実施しています。この実証実験を基に、実生活への実装に向けて検証をし、活用を行っていく予定とあります。
また、現在新居浜市と国、県を合わせて、地域の公共交通を維持するためにバス交通に多大な努力と予算を投入しています。今議会においても、生活路線維持運行対策費に例年以上の補正予算を提案しています。これも新型コロナウイルス感染症の影響によるバス利用の減少が一因ではないかと思います。
そこでお伺いします。
バス交通は、公共交通を利用することによって環境にも配慮し、地域の足の確保にも重要な役割を担っています。一つの考え方として、こういった公共交通を利用することによって、利用者や行政、さらにはバス事業者にとってもよい方向につながるよう、あかがねポイントを利活用することを考えてはと思いますが、お考えをお伺いします。
次に、あかがねポイントを利活用する中で、他市のポイント制度と比べてみると、本市のあかがねポイントは、もともと地域通貨とは関係ない純粋なポイント制度としてつくられてきましたが、新型コロナウイルスというパラダイムシフトを経て、市民生活が変わってきました。景気刺激策か生活救済かという視点です。
そこで、あかがねポイントの流通を促進するためにも、地域通貨の役割を拡大加味する必要性があるのではないかと思います。現在の在り方では、事業者にとってもメリットが少ないのではないかと思います。また、利用者にとっても、現金でチャージできる制度のほうが喜ばれると思いますが、そういう意味で制度の見直しを進めるお考えはありませんか、お伺いします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) あかがねポイントについてお答えをいたします。
あかがねポイントの利活用についてでございます。
あかがねポイントにつきましては、健康や環境に関する事業ごとに付与していましたポイントを一元化することにより、ポイント付与の効率性を高め、市の事業への参加促進と地域経済の活性化に資することを目的に、本年度より開始した地域ポイント制度でございます。
本ポイント制度につきましては、制度設計を行うに当たり、市が実施する事業へのインセンティブとして、単純にポイントを付与する事業と位置づけておりましたことから、現金でのチャージを行う仕組みとはなっておりませんでした。
しかしながら、本年度新型コロナウイルス感染症により影響を受けた地元商店の経済活性化策としてあかがねポイントの仕組みを活用し、最大30%のポイントが付与されるキャンペーンを実施いたしました際には、仙波議員さん御指摘のとおり、多くの方から電子通貨のような使い方ができないのかといった御意見をいただきました。
このようなことから、今回新型コロナ対策の第3弾としての3月のキャンペーンの開始に合わせ、市内に2か所のチャージ窓口を設け、窓口での現金チャージを可能としたところでございます。
今後におきましても、あかがねポイントの流通量や加盟店舗の増加につながり、利用者、事業者の双方がさらに利用しやすい地域に定着した制度となるよう、様々な方の御意見を伺いながら、適宜制度の見直しを実施してまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 宮崎経済部総括次長。
○経済部総括次長(宮崎司)(登壇) 公共交通とあかがねポイントの活用についてお答えいたします。
現在、新居浜市が導入しておりますあかがねポイント制度は、ポイント決済及び付与に、人による一定の処理が必要となっております。
一方、バスの運行は、運転手一人でのワンマン運転をしており、運行時刻に沿って乗客の安全を守りながら、あかがねポイントを付与することは対応が難しい状況でございます。
しかしながら、これからの新しい生活様式に対応した感染症対策を講じる上でも、また利用者の利便性を考える上からもキャッシュレス決済やICカード等のシステムを導入するということは、検討していく必要があるものと考えております。
いずれにいたしましても、いつまでも暮らしやすい町を支える、使いやすい持続可能な地域公共交通網を形成していくためには、ニーズに応じたサービスの見直しを行っていく必要がございますことから、事業者である瀬戸内運輸株式会社とも協議して進めてまいります。
○議長(永易英寿) 再質問はありませんか。仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 地域通貨の役割というのは、今こういうコロナという一つのパラダイムシフトによっていろんな方向性が見えてきた。それがまた、行政の業務改革につながり、それが市民サービスにつながるということを祈っておるわけでございますけれども、その中であかがねポイントにも地域通貨を足していけば、いろんなことがもっとできるんではないかというふうに思っておりますので、ぜひその辺は考えていただきたいということをお願いして、終わります。
○議長(永易英寿) 片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) 日本共産党の片平恵美です。
まず、市の女性活躍の推進について質問いたします。
今から17年前の2003年、政府は、2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度となるよう期待するとの目標を掲げましたが、昨年12月に示された第5次男女共同参画基本計画では、到達しそうとは言えない状況であり、取組を一層加速させることが必要であるとしています。第3次新居浜市男女共同参画計画案によりますと、本市でも女性管理職の割合は、現在21.4%であり、2020年30%目標には到達していません。2019年12月の私の質問に対し、女性活躍の推進を図るためには、環境整備と意識啓発が重要であるとの御答弁をいただいています。この間の取組を踏まえ、現状21.4%をどう捉えるかと、今後の課題について御所見をお伺いします。
現在策定中の第3次新居浜市男女共同参画計画では、2030年までの目標値が25%となっており、こちらも策定中の特定事業主行動計画でも同じ目標値になっていると伺っております。なぜ30%ではないのでしょうか、お答えください。
女性が活躍しやすい職場であるためには、様々な条件整備が必要です。男性の家事、育児への参加促進もその一つです。現行の特定事業主行動計画には、育児休業の取得率について、男性・女性を問わず、取得希望者が100%取得できる環境・職場風土を醸成しますとあります。この取得希望者がというところですけれども、希望をそもそも出さないということはないでしょうか。現行の行動計画が策定された平成28年から今までの各年度における男性の育休取得者数と各年度に配偶者が出産した数を分母とした取得率をお答えください。
また、現在策定中の行動計画において数値目標があれば、お答えください。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。赤尾総務部長。
○総務部長(赤尾禎司)(登壇) 片平議員さんの御質問にお答えいたします。
市の女性活躍の推進についてでございます。
まず、女性管理職数の現状と目標についてお答えいたします。
本市女性管理職の割合につきましては、年齢構成の男女比に影響される要因が大きいため、令和2年4月の21.4%は、前年度と比較して0.8%の微増となっております。マネジメント能力向上をはじめとした各種研修への参加など、女性職員のキャリアアップ形成に取り組んでおりますが、継続した取組が必要と考えております。
今後の課題としては、令和3年4月からの5年間の女性職員の職業生活における活躍を目指した特定事業主行動計画に基づいた取組を進めることにより、指導的地位に占める女性の割合を計画どおり増やしてまいりたいと考えております。
また、目標値につきましては、令和2年12月25日に閣議決定されました第5次男女共同参画基本計画において、地方自治体職員の各役職に占める女性の割合についても、成果目標として設定されておりますが、今年度策定した第3次新居浜市男女共同参画計画においても、国の目標値や本市の現状も踏まえ、副課長級以上の女性管理職の割合の目標値を25%と定め、また新居浜市特定事業主行動計画においても同じ目標を掲げ、まずは早期にこの目標を達成することを目指し、中間見直しを経て、次の段階を目指した取組を進めてまいります。
次に、男性職員の育児休業についてでございます。
男性職員の育休取得率は、平成28年度から平成30年度まではゼロ%、令和元年度は7.7%でございます。現在策定中の特定事業主行動計画では、まずは男性職員の育児休業等の取得促進についての周知徹底や育児参加のための休暇、出産補助休暇等を取得しやすい職場環境の整備を主としておりますことから、目標数値は定めておりません。
また、育児休業の取得を希望しやすい環境づくりを行うため、今後におきましても、引き続き男女を問わず、職員の育児等に係る状況を把握し、育児に伴う休暇、休業等の取得を呼びかけるとともに、周囲のサポート体制や代替要員の確保を図り、気兼ねなく育児休業等を取得できる職場環境の整備に努めてまいります。
さらに、副課長級以上の管理職全員が、職場の状況に応じて毎年イクボス宣言を行うことにより、育児休業等を取得しやすい職場風土の醸成に努めてまいります。
○議長(永易英寿) 片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) 2点再質問します。
1点目、目標についてです。
10年間で21.4%を25%にするというのが、果たして目標と言えるでしょうか。年代別の職員の男女比率、先ほども言われましたけれども、現在の50代では7対3で男性のほうが大分多いですけれど、今の40代、それ未満だと6対4となっております。10年後に25%にするというのは、自然増以下ということにならないでしょうか。せめて30%を目標とし、国の基本計画の言葉を借りれば、そこを通過点として2030年代には、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位に占める人々の性別に偏りがないような社会となることを目指すということを特定事業主である新居浜市も積極的に取り組むことが重要と考えます。目標は30%にすべきと思いますが、いかがでしょうか。
2点目、男性の育児休業について。
男性の育休取得が進んでいないのは、新居浜市に限ったことではありません。総務省の調査で、都道府県職員の男性の育休取得率、愛媛県が最低の1.5%、首長部局でも3.1%でした。
一方、トップの岐阜県は、首長部局で51.6%です。その取組の一つとして、配偶者が出産する際、育児参加プランというものの提出を義務づけ、おめでとう、じゃあ育休いつ取るというように育休を取りやすい体制を、雰囲気とか空気とかじゃなくて体制をつくっているということです。給料が減ってしまうのではとか、ただでさえ忙しいのに、自分が休むと周りに迷惑がかかるんじゃないかとか、いろんな不安がありますけれども、そういう不安にも個別に相談に応じているそうです。新居浜市でもこのような取組を参考にしてみてはいかがでしょうか。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。原市民環境部長。
○市民環境部長(原正夫)(登壇) 片平議員さんの再質問にお答えいたします。
目標を30%にするべきではないかとの御質問でございます。
国におきましては、社会のあらゆる分野において、2020年度までに指導的地位に占める女性の割合を少なくとも30%になるように期待するという目標をこれまで掲げて取組を進めてまいりましたが、実際令和元年の時点で、管理職に占める女性の割合というものが14.8%というような状況でございましたので、2020年代の可能な限り、早期に指導的な地位に占める女性の割合が30%程度になるように目指して取組を進めるということで現在動いておるようなところでございます。そのための成果目標といたしまして、具体的には、市町村職員につきましては、令和7年度までに本庁課長補佐相当職は33%、本庁課長相当職は22%、本庁部局長・次長相当職は14%と定められております。本市男女共同参画計画の数値目標25%につきましては、令和2年度の副課長以上の女性職員の割合が21.4%という本市の現状も踏まえ、目標値を25%と設定したところでございますけど、本市の現在の副課長以上の各段階の職員数を国が30%を目指すというところの目標に当てはめてみた場合には、この目標値が約26%という数字になり、現在の25%と整合は取れているものというふうに考えております。
今後は、新居浜市男女共同参画計画に基づきまして、様々な分野における女性の参画拡大に努めまして、5年後の中間見直しでは、さらに高い目標が掲げられるよう取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○議長(永易英寿) 赤尾総務部長。
○総務部長(赤尾禎司)(登壇) 片平議員さんの再質問にお答えいたします。
岐阜県庁で行われている育児参加プランのようなことはできないかという御質問だったと思いますけども、答弁もさせていただきましたけども、現在本市においても、個別の相談やまた今回新たに職員ポータルの掲示板で、各先進地域の情報提供をしたりしておりますとともに、管理職員には、毎年イクボス宣言も実施して、何とか育児休業を取りやすい職場の雰囲気づくりを醸成していこうということで現在行ってますけども、この取組を引き続き行ってまいりますとともに、岐阜県庁の取組につきましては、今後参考にしていきたいと思いますので、調査研究していきたいと考えております。
○議長(永易英寿) 片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) ポジティブ・アクションで女性の登用を進めて、多様な視点からの多様な意見で市政が活性化されることを期待いたします。
続きまして、企業立地促進奨励金についてお尋ねします。
新居浜市企業立地促進条例は、それまでの企業誘致促進条例に代わり、平成14年に制定、施行されています。その目的は、産業の振興と雇用の拡大を図り、地域経済の発展に資することであり、そのための奨励措置として、奨励金の交付や固定資産税の課税免除が規定されています。
この企業立地促進奨励金についてお伺いいたします。
本条例が施行された平成14年以降、この奨励金を交付された企業は合計何社で、件数は何件ですか。また、総額は幾らですか、今年度確定し、来年度以降に交付予定の額も含め、大企業と中小企業に分けてお答えください。
雇用についてどのくらい増えましたか、正規と非正規とを分けてお答えください。
この奨励金が企業の新たな立地や設備投資の決め手となっているとお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。宮崎経済部総括次長。
○経済部総括次長(宮崎司)(登壇) 企業立地促進奨励金についてお答えいたします。
奨励金の平成14年以降の交付実績及び来年度以降の交付予定も含めた企業数、件数、総額についてでございます。
まず、大企業につきましては、15社で106件、総額39億9,263万3,000円でございます。
また、中小企業につきましては、73社で94件、総額18億9,304万4,000円でございます。
同期間内の雇用者数につきましては、正規678人、非正規229人となっております。
本市といたしましては、本奨励金の利用が新たな立地や設備投資の判断材料の一つとなるだけでなく、新事業展開や雇用の改善、労働環境の改善など、新たな投資の呼び水となることで、新居浜市の地域産業のさらなる発展につながるものと考えておりますので、引き続き支援してまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) 19年間で59億円ということです。市としては大変な出費です。
一方、受け取る側としては、例えば企業立地促進奨励金で限度額の5億円の交付を受け取るとすると、投下固定資産の評価額が100億円以上ということになりますから、大企業の中でも大変規模の大きいところに限られてきます。売上高で兆の桁、経常利益で数千億円という会社にとって、この交付金が増設の決め手になるとは思えません。本市に立地したある企業さんのお話ですけども、ここは新設ですけど、新居浜への立地の理由として、国道や高速までのアクセスのよさとか、従業員にとって住みやすい町であることとか、そしてここに立地してほしいという行政の本気度で選んだというお話を伺いました。この行政の本気度っていうのもそこそこの企業さんによっていろいろ違うと思います。企業がどの尺度で立地を決めるのかをつかむ必要があると思います。今までに意向調査などをされたことはありますでしょうか。
横浜市では、条例認定企業にアンケート調査を行っています。企業が事業所の立地にどのような評価を行っているか。その評価に対し、どのようなことが要因として影響を与えているかが、自治体の産業振興策を考える上で重要だとの認識からだということです。本市でもきちんと調査を行い、効果的な施策や奨励金の在り方をデータに基づいて考え直す必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。宮崎経済部総括次長。
○経済部総括次長(宮崎司)(登壇) 片平議員さんの再質問にお答えいたします。
意向調査の実績はあるのかということについての御質問かと思います。
本市では、意向調査という名目で調査自体は行っておりません。
しかしながら、企業立地促進奨励金を申請していただくに当たって、事業計画等のお話もお聞きしております。その中でいろんな面について聞き取り調査等を行わせていただいておりますので、それに代わるものとして活用ができているものというふうに考えてございます。
○議長(永易英寿) 片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) 横浜市の調査というのは、もうシンプルにどこがよかったのっていうものだけではなくって、もっとこういう産業の方たちはこういう立地条件を求めていて、それでここを選んで、ここでよかったとか悪かったとか、そういういろんな角度からかなり詳しい分析がされていると思います。ちょっと一度ぜひ見て検討していただきたいなという要望をいたします。
本当に有効な施策をしっかり見極めた上で実行していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、西部学校給食センターについて質問いたします。
私たち共産党は、学校給食は自校方式で提供されるべきものと考え、センター化には反対の立場です。給食の主役は子供たちです。子供たちにとって最善のものは何であるかが議論の中心であるべきでした。それが、コストカットが議論の中心となり、しかも今回パブリックコメント時に示された建設費用24億8,200万円より4億1,000万円以上も増加した28億9,500万円以上が示されたことは、大変遺憾です。子供たちの学校からコストを理由に給食室と調理員さんを取り上げるこの計画に係るコスト、これが今後どこまで膨らんでいくのかと考えると、怒りを禁じ得ません。
さて、今回理事者より説明を受けました西部学校給食センターですが、同敷地内に民間施設を建設予定と伺っております。その件について質問いたします。
一般に個人が家を建てる場合、お隣とは別の敷地になり、境界ははっきりさせるものです。境界が曖昧であれば、御近所トラブルにもなりかねません。なぜ今回同じ敷地内に民間施設が建設される予定となっているのか、その経緯を教えてください。
面積だけは示されましたが、どう区画を分けるのかも決まっていないのはなぜですか。
どのような施設が建設予定なのか、お答えください。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。加藤教育委員会事務局長。
○教育委員会事務局長(加藤京子)(登壇) 西部学校給食センターについてお答えいたします。
同じ敷地内に民間施設が建設される予定となった経緯についてでございます。
新学校給食センター建設用地の確保が難航し、新たな候補地の検討を進めていた際に、民間事業者から、自社施設の建設予定地に余剰が生じているため、新学校給食センターの建設予定地として活用できるのではないかとの提案を受け、候補地の一つとして検討を行いました。候補地の検討に当たりましては、20分以内の給食配送や上下水道などのインフラ整備状況、さらには、自然災害のリスクなど、様々な観点から検討を重ねた結果、必要な条件をクリアできる土地であると判断し、予定地として決定した次第でございます。
また、どう区画を分けるかにつきましては、新学校給食センター建設に必要な敷地面積を具体的に示し、民間事業者と協議の上、分割して確保するようにいたしております。
なお、どのような施設が建設予定なのかにつきましては、現施設の建て替えを計画していると伺っておりますが、施設の詳細は存じ上げておりません。
○議長(永易英寿) 再質問はありませんか。片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) どんな施設か分からないというのは、どんな施設でも構わないということになるんでしょうか。例えば化学薬品とか農薬関係とか資材関係とか廃棄物関係とかになっても、ああそうですか、仕方ありませんねというふうにはなかなかならないと思うんですけれども、その辺りはいかがでしょうか。
民間施設が自社施設を造る予定だった土地を提供されたということは、大体どういう施設というのが分かると思うんですけれどもいかがでしょうか。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。加藤教育委員会事務局長。
○教育委員会事務局長(加藤京子)(登壇) 片平議員さんの再質問にお答えいたします。
隣接地に建設される予定の民間事業者がどのような事業を行うかっていう内容についてでございますけれど、市といたしましても、学校給食施設を建てますので、それは内部では調査研究いたしますけれど、民間事業者のお話でございますので、市の立場からその詳細について申し上げることは、差し控えさせていただきます。
○議長(永易英寿) 再質問はありませんか。片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) 市民から民間委託のために布石を打っているのではないかという不安の声が出ております。昨年6月議会では、教育長より公設公営で学校給食施設を整備していく旨答弁がありました。まさか民間委託を見越して民間施設と同じ敷地で運営していくお考えではないと思いますが、いま一度お考えをお聞かせください。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。加藤教育委員会事務局長。
○教育委員会事務局長(加藤京子)(登壇) 片平議員さんの再質問にお答えいたします。
西部学校給食センターにつきましては、公設公営で運営していく考えでございます。
○議長(永易英寿) 再質問はありませんか。片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) 人は食べたものでできています。子供たちが毎日口にする給食です。市が責任を持って提供できる体制を貫いていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。
○議長(永易英寿) 小野志保議員。
○1番(小野志保)(登壇) 立憲民主党、小野志保です。
まず、市長と市民との意見交換会について御質問をさせていただきます。
今現在、市民の皆様が市長と対話ができる場は、まちづくり校区懇談会、市政モニター、表敬訪問等とお聞きしております。私も昨年11月に、優良青少年団体として愛媛県知事表彰をいただいた御報告として、高校生ボランティアサークルMayの表敬訪問に同席をさせていただきました。その際に、がちがちに緊張している高校生たちに、石川市長、高橋教育長が優しく語りかけてくださり、高校生たちは、自分たちの活動や将来の夢を述べることができ、大変貴重な経験となったことに大変感謝しております。
その翌月、同団体に、私が小学生対象に実施しているキッズセミナーのボランティアに来てもらったときのことです。休憩時間に、いしかつ、いしかつという声が聞こえました。そう石川市長の話題をしておりました。話を聞いてみると、SNSで、フォローしてくれたのがうれしかったとのこと、人数制限のため先ほどの表敬訪問にはやむなく参加できなかったメンバーたちでした。フォローしてくださったことがきっかけで、市長の動向や市政に関心を持ち始めたそうです。
調べてみますと、市長と市民とのふれあいトーク、市長と出前トーク、市長と一緒にティータイム、呼び名はいろいろですが、開かれた市政運営のため、幅広く市民の皆様の御意見をお聞きし、市政運営の参考に、また反映するためにその機会を設けている市は多々ありました。お隣の西条市さんも、市長と井戸端会議を開催していらっしゃいます。早速お伺いいたしましたら、議会月を除いた8か月、毎回2か所で3団体ずつ、45分程度でテーマを決めて自由討論形式で実施しており、経費はほとんどかからず、高校生、自治会、PTA、老人クラブ、子育て支援団体、農業関係団体、愛護班、婦人会、防災・陶芸・手話・給食・ボランティア団体など、多岐にわたり、数多くの団体さんが参加されています。
また、何よりも市民の皆様の声を届けてほしい、市政に関心を持っていただきたい、市民の方と一緒に市政をつくっていきたいという西条市さんの御回答に、心底市民の皆様に寄り添っていらっしゃると感じました。実際に参加した西条市の団体さんに感想をお聞きいたしましたら、市長まで届かない声を届けることができること、逆に市政トップの方向性や考えを聞くことができること、話合いによっては、実際のアクションにつながることもあるということ、非常に大切な場であると思いますとのお声をいただきました。
市民活動団体は、公益的に、価値観、信念、関心に基づき、地域や社会の課題解決を目指しており、行政では、十分対応し切れない社会ニーズを補填する団体もございます。新居浜市ボランティア・市民活動センターでは、NPO法人を含む合計230団体が登録されており、仮に西条市さんと同じ条件で行ったとしても、任期4年では足りません。お忙しいこととは重々承知しておりますが、今何が求められているのか、対話ができる場として取り入れてはいかがでしょうか、市長の御所見をお聞かせください。
次に、オンライン学習支援事業についてお尋ねいたします。
昨年の全国緊急事態宣言時のように、一斉休校になったときなど、小中学校全学年を対象に、家庭学習の支援として、各教科の学習用動画を制作し、ケーブルテレビやインターネットを通じ発信できる環境の整備に要する経費で、内訳は撮影と編集で528万円、配信システム構築とし698万5,000円、DVD制作413万6,000円、合計1,640万1,000円の全てが委託費で、撮影に至るまでの教材作りは、各学校の先生が行うとお聞きいたしました。昨年7月に動画制作希望者を募った結果、あまり集まらなかったそうですが、教育長、その理由をお聞きになりましたか。
独自の調査によると、著作権の関係で、教科書やドリルが使用できないとのことで、とてつもない労力が課せられ、動画制作に係る業務は、時間外、1本当たり4時間以上、中には10時間以上かかっている場合もあるとお聞きいたしました。資料収集では、写真やイラストはフリー素材を探し、図やグラフの加工も必要で、教材作成、授業の構成、プレゼンの画面作成、原稿作成、音声入力等、一つの動画を制作するに当たり、時間も労力も先生方にはかなりの御負担になっております。
私たち教員は、子供たちのために役立つことなら少々の時間外は気にせず、一生懸命取り組んでいます。平日早く帰るように指導があるので、仕方なく帰って、休日に仕事に来る人も多いです。それでも子供たちのためにほとんどの教職員は文句も言わずただひたすら働いているのです。教育長、この言葉をどうお感じになりますか。時間外での業務を御存じですか。
私自身、日々御相談をお受けする中で、子供たちのことでは先生方と連携することも多く、志を持ち、一生懸命な先生方であるということは、間近で拝見して理解をしております。
そもそも著作権料を予算に組み込んでいなかったこと、これが先生方の御負担を大きくしたと考えております。なぜ最初から組み込んではいなかったのでしょうか。
また、今現在、テレビ局や動画制作会社が制作した内容、音楽、出演者を含め、クオリティーの高い動画が多数無料配信をされています。私もあるテレビ局の算数4年生を拝見いたしました。分かりやすい内容、話の展開もテンポよく、大変驚きました。
令和2年12月22日に文部科学省が発表した、令和元年度公立学校教職員の人事行政状況調査によると、教育職員の精神疾患による病気休職者は5,478名、全体の0.59%、減る傾向では全くありません。この数字以外にも休みたくても休めない、そんな方々が多数いらっしゃると思います。休職や退職、精神疾患まで追い詰めないよう、現場の声をお聞きしていただきたく、早期の改善を求め、教育長の御所見をお伺いいたします。お願いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 小野志保議員さんの御質問にお答えをいたします。
市長と市民との意見交換会についてでございます。
本市では、市民の皆様から市政に対する御意見を伺い、市政に反映することを目的として懇談会や市長への手紙、メール等による各種広聴事業を実施しております。その中でも市民の皆様と直接対話ができる意見交換機会や座談会などの集会広聴につきましては、対話型広聴を推進していく中で重要なものと認識をいたしております。現在、本市で実施しております集会広聴といたしましては、小野志保議員さん御案内のとおり、連合自治会との共催によるまちづくり校区懇談会や市政モニターの方々との意見交換会などがございます。先月2月18日に実施いたしました令和2年度市政モニター会議では、26名の方に御参加をいただき、新居浜市総合運動公園や自治会の持つ課題等について活発な意見交換を行ったところであります。
また、市内全ての校区で開催をいたしておりますまちづくり校区懇談会につきましては、今年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、参加者を単位自治会長に限定するなど、人数制限を行いましたが、例年多くの市民の皆様に御参加をいただき、地域が抱える様々な課題等について、中身の濃い意見交換をさせていただいております。
このほか、経済産業部門をはじめとする各種団体やグループ、市内企業で働く女性や若い世代との懇談会、高校生との意見交換など、機会を捉えて実施をしているところであります。
また、御提案いただきました市民活動団体との意見交換につきましては、団体交流会や総会、イベントなどに参加をさせていただいた際に、参加者の皆さんから御意見や御要望を伺うとともに、団体の代表が集まった定例会に担当職員を参加させ、随時報告を受けるなど、連携を図っているところでもあります。
なお、各地区で様々な活動を行っている各種団体の方にも、まちづくり校区懇談会に御参加をいただけるよう、現在連合自治会の皆さんと協議を進めているところでございますので、そのような機会を通じて、意見交換させていただけるものと考えております。
今後におきましても、市民及び各種団体の皆様からいただいた声を真摯に受け止め、市政運営に反映をしてまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 小野志保議員さんの御質問にお答えいたします。
オンライン学習支援事業についてでございます。
まず、昨年7月に学習支援動画作成への協力者を募集した結果につきましては、応募していただいた教職員は8名でした。
なぜ応募していただけないかの理由につきましては、聞き取り調査は行っておりません。
本事業につきましては、令和2年6月1日に専決処分を行った事業でございます。新型コロナウイルス感染症拡大防止のために臨時休業になった場合を想定した児童生徒の学びの保障のための事業であり、併せて教職員の教材研究としての側面、制作したプレゼンテーションデータを市内教職員が共有することによる業務改善の側面、そして学校で学習することが困難な児童生徒の学習教材としての側面がございます。動画制作に多くの時間を要していることは、承知いたしておりますが、教職員の貴重な取組は、今後子供たちの多様な学びや教職員の業務改善につながるものと考えております。
次に、著作権料を予算に組み込んでいなかったことにつきましては、有償の著作物を使用することのない範囲で教職員が動画を作成するという方針の下で始めた事業でございます。
教職員は、教師という仕事に誇りと情熱を持ち、子供たちのために学習指導だけでなく、様々な業務に全力で取り組んでおります。
また、時間外に児童生徒のために勤務していただいていることも承知いたしております。私自身、学校を訪問したり、校長会に参加して意見を伺ったり、教育委員会事務局職員から報告を受けたりすることで、教職員のお考えをお聞きしております。
今後もより多くの教職員の声をお聞きし、本市の教育に生かしてまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 再質問はありませんか。小野志保議員。
○1番(小野志保)(登壇) まず、市長との意見交換会について一つお願いいたします。
イベントとかで来られたときにお話をお伺いするということなんですが、それで全てがお聞きになれるとお思いでしょうか。ちゃんと席を構えまして、実際にじっくりとお話をさせていただきたいという団体さんが多数いらっしゃいますので、ぜひまた御検討をいただけたらと思います。その御意思はあるかどうか、またお聞きしたいと思います。
教育長にです。
現場の声というのを教育長が訪問されてお聞きになるということなんですけども、言いたくても言えないという状況もあるんではないかと思います。そんなときに何かその声を拾う、悩みを聞くというような体制は教育委員会の中ではありますでしょうか。
あともう一つ気になりましたのが、時間外を分かっているとおっしゃっております。働き方という側面でも時間外も分かっているということは、どのようなことなのか、もう一度御説明をください。
オンラインの動画の制作なんですけれども、目標480本とお聞きいたしました。今どのくらいが完成をしているのでしょうか、お願いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 小野志保議員さんの再質問にお答えをいたします。
確かにおっしゃるとおり、イベント等でお会いしただけではなかなか十分なお話ができないということもありますが、先ほどの答弁でお話ししたように、これまでも各種団体あるいはグループ、市内企業に働く女性、若い世代、高校生の方とも機会をつくって懇談会を開催してまいりました。
それから、今回、来年度校区集会のやり方を若干変えて、各単位自治会の会長さんはじめ、各種団体の皆さんにも来ていただこうというふうなことも考えております。そんなことも含めまして、まずは新たに来年度からそういうふうな各種団体の方の意見を聞く機会を設けてまいりたいと、このように思っております。
○議長(永易英寿) 高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 小野志保議員さんの再質問にお答えをいたします。
まず最初に、現場の先生方の声を直接聞く体制があるのかということですけれども、基本的には、学校長を通じて声を聞くような体制になっております。今回の一般質問で、市長あるいは教育長に対して直接お声を聞くような機会をというような御提案でございますので、今後それについては、いろいろと考えていきたいというふうに思います。
2点目ですけれども、勤務外の時間を分かっているということについてですけれど、教職員の勤務時間については、毎月校務支援システムを使いまして把握はしております。ただ教員の場合、どうしても時間外の勤務が多い実態というのは把握しております。それもあって、できるだけ帰る時間を決めたり、曜日によってはその日は早く帰ったりとかという取組を各学校がしておるところです。今回、たくさんの学習支援動画を制作するために、それを担当している先生に御負担が行ってるということは、大変申し訳ない思いもありますが、ありがたいという気持ちもそれ以上に持っております。
今回の学習支援動画ですけれども、新型コロナウイルスが拡大しまして、5月の終わり頃まで学校が十分機能しない状況がございました。6月1日の専決処分ということで、その後の様子も非常に不透明な段階で、何としても子供たちの学びを保障していくという判断の中で、急ぎの対応をして今回オンライン学習支援事業を構築したものです。そうしたことで先生方に負担が現在及んでいるということは、その時点でもう少し考える余地というか、それもあったかなというふうには思っております。現在およそ300本に近いところまで撮影が進んでおります。百八十本、九十本ぐらいがもうアップされておりまして、これは順次アップしておりますので、子供たちもこれを視聴することができる状況にはなっております。私も見させていただきました。確かに民間にもすばらしい番組はございますけれども、新居浜市の先生の愛情が感じられる非常に分かりやすい動画となっておりまして、これを来年度以降も私たちの共有の財産として、子供たちとこれを共有していきたいというふうに考えておる次第です。
○議長(永易英寿) 再質問はありませんか。小野志保議員。
○1番(小野志保)(登壇) 市長、ぜひともよろしくお願いいたします。真っ先に私が申し込みたいと思いますけれども、ぜひそういった機会を設けていただきますようにお願いを申し上げます。
教育長、先ほどの言葉、すごく身にしみました、心にしみました。先生方も先ほどの教育長の御回答を御覧になってると思います、後で御覧になると思います。伝わったと思います。今後も先生方の働き方をしっかり御確認いただきながら、お願いしたいと思います。子供たちのためにぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○議長(永易英寿) これにて一般質問並びに議案第13号から議案第26号までに対する質疑を終結いたします。
お諮りいたします。議案第13号から議案第22号までの10件については、24人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永易英寿) 御異議なしと認めます。よって、議案第13号から議案第22号までの10件については、いずれも24人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決しました。
ただいま設置されました予算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第8条第1項の規定により、議長において正副議長を除く24人の議員を指名いたします。
議案第23号から議案第26号までの4件は、いずれも議事日程に記載のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第3 議案第28号
○議長(永易英寿) 次に、日程第3、議案第28号を議題といたします。
提案理由の説明を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) ただいま上程されました議案第28号につきまして提案理由の説明を申し上げます。
議案第28号、令和2年度新居浜市一般会計補正予算(第13号)につきましては、上部東西線改良事業(街路)等の公共事業をはじめ、障がい者支援施設整備事業等の単独事業のほか、学校教育活動継続支援事業費等の施策費及び経常経費について予算措置いたすものでございます。
なお、詳細につきましては、担当部長から補足説明いたします。御審議よろしくお願い申し上げます。
○議長(永易英寿) 補足説明を求めます。亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) 議案第28号、令和2年度新居浜市一般会計補正予算(第13号)につきまして補足を申し上げます。
補正予算書の1ページをお開きください。
今回の補正予算は、4,562万9,000円を減額し、補正後の予算総額を歳入歳出それぞれ661億1,414万7,000円といたすものでございます。これを前年度同期と比較いたしますと、149億76万3,000円、29.1%の増となっております。
内容につきましては、補正予算参考資料に整理をいたしておりますので、御覧ください。
参考資料の2ページをお開きください。
経常経費についてでございます。
民生費、児童保育費につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のための備品購入費等に係る経費を私立保育所に補助するもので、850万円を追加いたすものでございます。
次に、3ページを御覧ください。
施策費の主な事業についてでございます。
民生費、福祉施設等オンライン面会環境整備事業費につきましては、地方創生臨時交付金を活用し、感染症対策をした面会をするための整備の経費の補助金について、執行残が見込まれることから、事業費を減額補正するものでございます。
次に、4ページをお開きください。
教育費、学校教育活動継続支援事業費につきましては、国の3次補正予算で成立した国庫補助を活用し、学校規模の基準に応じて配分される補助金で、児童生徒の感染症対策としての保健衛生用品の購入などの経費3,080万円を追加いたすものでございます。
施策費につきましては、これらの事業のほか、これまで新型コロナウイルス感染症対策として計上してきた事業費の精算見込みによる減少を含む合計10事業で2億199万5,000円の減額となっております。
次に、5ページを御覧ください。
公共事業費についてでございます。
民生費、障がい者就労支援創出事業につきましては、株式会社クック・チャムが、国のローカル10,000プロジェクトを活用し、市内荷内町で障害者や高齢者を雇用し、地元食材等を活用したレストランを開設する見込みとなったため、国と合わせて補助金を支出するもので、4,000万円を追加いたすものでございます。
次に、6ページをお開きください。
土木費、上部東西線改良事業(街路)につきましては、国の3次補正により事業費の追加内示があったことにより、整備を延伸するための測量設計委託料や道路を改良する工事費6,726万円を追加いたすものでございます。公共事業につきましては、これらの事業のほか、公園長寿命化対策事業など合計9事業で1億4,033万円の追加となっております。
次に、7ページを御覧ください。
単独事業費についてでございます。
民生費、障がい者支援施設整備事業につきましては、社会福祉法人花咲会が建設するグループホームひまわりの整備に、国、県の補助が受けられる見込みとなり、国の補助金額の3分の1を市が継ぎ足し補助するための経費として546万6,000円を追加いたすものでございます。
単独事業につきましては、この事業のほか、がけ崩れ防災対策事業の2事業で753万6,000円の追加となっております。
次に、補正予算書及び予算説明書に基づき御説明を申し上げます。
補正予算書の2ページをお開きください。
第1表歳入歳出予算補正のうち、歳入といたしまして、第15款国庫支出金1,957万7,000円、第19款繰入金7,975万2,000円をそれぞれ減額し、第22款市債5,370万円を追加し、3ページにございます歳出経費に充当いたすものでございます。
4ページをお開きください。
第2表繰越明許費補正の追加につきましては、障がい者支援施設整備事業など12事業につきまして追加をいたすものでございます。金額は表に記載のとおりでございます。
5ページを御覧ください。
第3表繰越明許費補正の変更につきましては、橋りょう長寿命化事業など4事業につきまして繰越明許額を変更するものでございます。金額は表に記載のとおりでございます。
6ページをお開きください。
第4表地方債補正の変更につきましては、港湾建設事業など4件につきまして5,370万円を増額し、限度額を50億4,710万円に変更するものでございます。
以上で補足を終わります。
○議長(永易英寿) これより質疑に入ります。
議案第28号に対して質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永易英寿) 質疑なしと認めます。
議案第28号は、議事日程に記載のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
お諮りいたします。議事の都合により、3月5日から3月17日までの13日間、休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(永易英寿) 御異議なしと認めます。よって、3月5日から3月17日までの13日間、休会することに決しました。
3月18日は午前10時から会議を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後 2時09分散会