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令和3年第1回新居浜市議会定例会会議録 第2号

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本文

ページID:0092629 更新日:2021年5月31日更新 印刷用ページを表示する
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目次

議事日程
本日の会議に付した事件
出席議員
欠席議員
説明のため出席した者
議会事務局職員出席者
開議(午前10時00分)
議長、議員受賞の披露
市長、受賞議員に対する挨拶
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 一般質問 議案第13号~議案第26号
 近藤司議員の質問(1)
  1 新型コロナウイルス感染症対策について
 石川市長の答弁
  1 新型コロナウイルス感染症対策について
 藤田福祉部長の答弁
  1 新型コロナウイルス感染症対策について
 近藤司議員の質問(2)
  1 新型コロナウイルス感染症対策について
 石川市長の答弁
  1 新型コロナウイルス感染症対策について
 近藤司議員の質問(3)
  1 新型コロナウイルス感染症対策について
  2 財政状況と今後の財政運営について
 石川市長の答弁
  2 財政状況と今後の財政運営について
 近藤司議員の質問(4)
  2 財政状況と今後の財政運営について
 石川市長の答弁
  2 財政状況と今後の財政運営について
 近藤司議員の質問(5)
  3 別子山地域の再生について
 石川市長の答弁
  3 別子山地域の再生について
 河端経済部長の答弁
  3 別子山地域の再生について
休憩(午前10時42分)
再開(午前10時53分)
 加藤副市長の答弁
  3 別子山地域の再生について
 近藤司議員の質問(6)
  3 別子山地域の再生について
 石川市長の答弁
  3 別子山地域の再生について
 近藤司議員の質問(7)
  4 港湾の整備について
 黒下港務局事務局長の答弁
  4 港湾の整備について
 近藤司議員の質問(8)
  4 港湾の整備について
  5 防災・減災対策の推進について
 庄司危機管理統括部長の答弁
  5 防災・減災対策の推進について
 高須賀建設部長の答弁
  5 防災・減災対策の推進について
 近藤司議員の質問(9)
  5 防災・減災対策の推進について
  6 企業用地の確保について
 原副市長の答弁
  6 企業用地の確保について
 近藤司議員の質問(10)
  6 企業用地の確保について
  7 人口減少対策について
 石川市長の答弁
  7 人口減少対策について
 藤田福祉部長の答弁
  7 人口減少対策について
 近藤司議員の質問(11)
  7 人口減少対策について
 藤田福祉部長の答弁
  7 人口減少対策について
 近藤司議員の質問(12)
  7 人口減少対策について
  8 幹線道路の整備促進について
 高須賀建設部長の答弁
  8 幹線道路の整備促進について
 近藤司議員の質問(13)
  8 幹線道路の整備促進について
 高須賀建設部長の答弁
  8 幹線道路の整備促進について
 近藤司議員の質問(14)
  8 幹線道路の整備促進について
  9 公共下水道事業の経営健全化について
 秋月上下水道局長の答弁
  9 公共下水道事業の経営健全化について
 近藤司議員の質問(15)
  9 公共下水道事業の経営健全化について
休憩(午後 0時01分)
再開(午後 1時00分)
 藤原雅彦議員の質問(1)
  1 経済対策と健全財政の維持について
 石川市長の答弁
  1 経済対策と健全財政の維持について
 藤原雅彦議員の質問(2)
  1 経済対策と健全財政の維持について
  2 地域組織の運営について
 石川市長の答弁
  2 地域組織の運営について
 高橋教育長の答弁
  2 地域組織の運営について
 原市民環境部長の答弁
  2 地域組織の運営について
 藤原雅彦議員の質問(3)
  2 地域組織の運営について
  3 防災、減災について
 高須賀建設部長の答弁
  3 防災、減災について
 藤原雅彦議員の質問(4)
  3 防災、減災について
 高須賀建設部長の答弁
  3 防災、減災について
 藤原雅彦議員の質問(5)
  3 防災、減災について
  4 新型コロナウイルスワクチン接種について
 原副市長の答弁
  4 新型コロナウイルスワクチン接種について
 藤原雅彦議員の質問(6)
  4 新型コロナウイルスワクチン接種について
  5 健康寿命の延伸について
 藤田福祉部長の答弁
  5 健康寿命の延伸について
休憩(午後 1時56分)
再開(午後 2時08分)
 藤原雅彦議員の質問(7)
  5 健康寿命の延伸について
  6 摂食障害対策について
 高橋教育長の答弁
  6 摂食障害対策について
 藤田福祉部長の答弁
  6 摂食障害対策について
 藤原雅彦議員の質問(8)
  6 摂食障害対策について
  7 行政手続における押印廃止について
 赤尾総務部長の答弁
  7 行政手続における押印廃止について
 藤原雅彦議員の質問(9)
  7 行政手続における押印廃止について
 神野恭多議員の質問(1)
  1 施政方針について
 石川市長の答弁
  1 施政方針について
 神野恭多議員の質問(2)
  1 施政方針について
  2 新型コロナウイルス禍からの反転攻勢について
   (1) 新型コロナウイルスワクチン接種
   (2) 事業者支援
   (3) 観光振興
   (4) 移住促進
   (5) 子育て支援
   (6) 学校教育の充実
 高橋教育長の答弁
  2 新型コロナウイルス禍からの反転攻勢について
   (6) 学校教育の充実
 加藤副市長の答弁
  2 新型コロナウイルス禍からの反転攻勢について
   (2) 事業者支援
   (3) 観光振興
 亀井企画部長の答弁
  2 新型コロナウイルス禍からの反転攻勢について
   (4) 移住促進
 藤田福祉部長の答弁
  2 新型コロナウイルス禍からの反転攻勢について
   (5) 子育て支援
休憩(午後 3時04分)
再開(午後 3時14分)
 神野恭多議員の質問(3)
  2 新型コロナウイルス禍からの反転攻勢について
  3 フリースクールについて
 高橋教育長の答弁
  3 フリースクールについて
 神野恭多議員の質問(4)
  3 フリースクールについて
  4 成年後見制度の利用促進について
 藤田福祉部長の答弁
  4 成年後見制度の利用促進について
 神野恭多議員の質問(5)
  4 成年後見制度の利用促進について
  5 成人式について
 加藤教育委員会事務局長の答弁
  5 成人式について
 神野恭多議員の質問(6)
  6 大学の誘致について
 石川市長の答弁
  6 大学の誘致について
 神野恭多議員の質問(7)
  6 大学の誘致について
散会(午後 3時39分)


本文

令和3年3月2日 (火曜日)
  議事日程 第2号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
   議案第13号 令和3年度新居浜市一般会計予算
   議案第14号 令和3年度新居浜市渡海船事業特別会計予算
   議案第15号 令和3年度新居浜市平尾墓園事業特別会計予算
   議案第16号 令和3年度新居浜市国民健康保険事業特別会計予算
   議案第17号 令和3年度新居浜市介護保険事業特別会計予算
   議案第18号 令和3年度新居浜市後期高齢者医療事業特別会計予算
   議案第19号 令和3年度新居浜市工業用地造成事業特別会計予算
   議案第20号 令和3年度新居浜市水道事業会計予算
   議案第21号 令和3年度新居浜市工業用水道事業会計予算
   議案第22号 令和3年度新居浜市公共下水道事業会計予算
   議案第23号 令和2年度新居浜市一般会計補正予算(第11号)
   議案第24号 令和2年度新居浜市後期高齢者医療事業特別会計補正予算(第1号)
   議案第25号 令和2年度新居浜市工業用地造成事業特別会計補正予算(第1号)
   議案第26号 令和2年度新居浜市公共下水道事業会計補正予算(第2号)
――――――――――――――――――――――
  本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
――――――――――――――――――――――
  出席議員(26名)     
 1番    小野 志保
 2番    片平 恵美
 3番    合田 晋一郎
 4番    白川 誉
 5番    伊藤 嘉秀
 6番    越智 克範
 7番    井谷 幸恵
 8番    神野 恭多
 9番    米谷 和之
 10番   篠原 茂
 11番   河内 優子
 12番   黒田 真徳
 13番   高塚 広義
 14番   藤田 誠一
 15番   田窪 秀道
 16番   小野 辰夫
 17番   永易 英寿
 18番   伊藤 謙司
 19番   藤原 雅彦
 20番   大條 雅久
 21番   藤田 豊治
 22番   藤田 幸正
 23番   伊藤 優子
 24番   仙波 憲一
 25番   近藤 司
 26番   山本 健十郎
――――――――――――――――――――――
  欠席議員
な し
――――――――――――――――――――――
  説明のため出席した者
 市長             石川 勝行
 副市長            加藤 龍彦
 副市長            原  一之  
 企画部長           亀井 利行
 総務部長           赤尾 禎司
 福祉部長           藤田 憲明
 危機管理統括部長       庄司 誠一
 市民環境部長         原  正夫
 経済部長           河端 晋治
 経済部総括次長        宮崎  司
 建設部長           高須賀 健二
 消防長            毛利  弘
 上下水道局長         秋月  剛
 教育長            高橋 良光
 教育委員会事務局長      加藤 京子
 監査委員           寺村 伸治
 港務局事務局長        黒下 敏男
――――――――――――――――――――――
  議会事務局職員出席者
 事務局長           岡田 公央
 事務局次長          飯尾 誠二
 議事課副課長         尾藤 秀行
 議事課副課長         美濃 有紀
 議事課調査係長        神野 瑠美
 議事課議事係長        和田 雄介
 議事課主任          村上 佳史
―――――――――― ◇ ――――――――――
  午前10時00分開議   
○議長(永易英寿) これより本日の会議を開きます。
―――――――――― ◇ ――――――――――
  議長、議員受賞の披露
○議長(永易英寿) この際、議員の表彰を御披露申し上げます。
去る2月22日、愛媛県庁において、藤田幸正議員が愛媛県政発足記念日知事表彰の地方自治功労者として愛媛県知事から表彰を受けられました。誠に御同慶の至りでございます。
以上でございます。
―――――――――― ◇ ――――――――――
  市長、受賞議員に対する挨拶
○議長(永易英寿) この際、市長から発言を求められておりますので、これを許します。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) おはようございます。
お許しをいただきまして、一言お祝いを申し上げたいと思います。
このたび愛媛県知事から愛媛県政発足記念日知事表彰地方自治功労者として藤田幸正議員さんが御受賞をされました。栄えある御受賞を心からお喜びを申し上げます。
長年にわたる御労苦と市政の発展に尽くされました御功績に対しまして、市民を代表して心より敬意と感謝を申し上げます。どうか今後とも新居浜市の発展のため、一層の御協力、御指導を賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、お祝いの御挨拶とさせていただきます。おめでとうございました。
○議長(永易英寿) これより日程に入ります。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第2号のとおりであります。
―――――――――― ◇ ――――――――――
  日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(永易英寿) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において伊藤嘉秀議員及び越智克範議員を指名いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
  日程第2 一般質問 議案第13号~議案第26号
○議長(永易英寿) 次に、日程第2、議案第13号から議案第26号までを議題とし、議案に対する質疑と併せ一般質問を行います。
この際、申し上げます。一般質問並びに質疑における各議員の発言は、それぞれ通告の時間以内となっておりますので、御了承願います。
これより会派代表質問並びに質疑を行います。
順次発言を許します。まず、近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 皆さんおはようございます。
自民クラブの近藤司でございます。自民クラブを代表いたしまして、通告に従い順次質問を行います。
いよいよ今年4月からは、第六次新居浜市長期総合計画がスタートいたしますが、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、人口減少対策、防災・減災対策、社会インフラ対策など、緊急を要する課題が山積いたしております。
そこで、以下質問を行ってまいりますので、明確な御答弁をお願いいたします。
まず最初に、新型コロナウイルス感染症対策について質問いたします。
中国武漢市で発生した新型コロナウイルスは、世界的に蔓延し、我が国においてもいまだに感染拡大が収まる気配はありません。現在、我が国では、昨年の第一波、第二波よりもさらに大きな第三波を迎えていますが、愛媛県や本市におきましても、感染者数が拡大しています。
そこで、以下お伺いいたします。
本市では、昨年2月28日に、新居浜市新型コロナウイルス感染症対策本部を設置して、感染防止と経済の再生、生活再建に取り組んでおられますが、現在の取組状況と課題について、石川市長にお尋ねいたします。
2点目として、今年1月20日に、新型コロナウイルスワクチン接種推進グループを設置し、予防ワクチン接種への対応を進めていますが、現在の準備状況と準備している中で出てきた課題についてお尋ねいたします。
コロナウイルスの感染を防止するには、接種率が重要ですが、ワクチンの副反応の心配に対する相談体制やワクチン接種前の問診時の対応についてもお伺いいたします。
3点目ですが、昨年の緊急事態宣言時には、国、県、市から、感染拡大に伴う数々の支援策がありました。先般、国の第3次補正予算が成立し、新型コロナウイルス感染症に伴う支援策が打ち出され、本市においても、あかがねポイントを活用した事業など、今議会初日に急がれる支援策の一部を議決いたしましたが、今後予定されている新たな支援策についてお伺いいたします。
先日自民クラブにおいて、市内飲食業者や関連の業者代表から第三波による深刻な実態の報告や早急な経済支援の要望を受けましたが、本市独自の支援策について併せてお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 自民クラブ代表の近藤議員さんの御質問にお答えをいたします。
新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。
本市の新型コロナウイルス感染症対策につきましては、新型インフルエンザ等の新感染症の発生に備えて、平成27年3月に策定いたしました新居浜市新型インフルエンザ等対策行動計画に基づき実施しているところでございます。
そのため、昨年1月15日に国内で最初の新型コロナウイルス感染者が確認されたことなどから、県外発生期に入ったと判断し、行動計画に基づき、昨年1月30日感染症対策班を設置いたしました。その後、県内での発生前ではありましたが、迅速かつ的確に対応できるよう、昨年2月28日に新型コロナウイルス感染症対策本部を設置いたしました。これまで25回の新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催し、その中で公共施設の休館や市内小中学校の休業、イベント、集会、会議等の取扱い、マスクや手指消毒液の確保、非接触型体温計の導入などの感染拡大防止対策、また特別定額給付金や市独自の支援策などについて協議決定をしてきたところでございます。
新型コロナウイルスの感染拡大が長期化する中、ワクチンの接種体制整備や深刻な影響が出ている地域経済の立て直しが喫緊の課題であり、感染拡大防止策と経済雇用対策の両立が求められておりますことから、今後も感染防止対策を進めつつ、各種経済対策を時期を逸することなく進めてまいります。
次に、新型コロナウイルスワクチン接種のための準備状況についてでございます。
本市での円滑なワクチン接種実施のため、特命副市長をチームリーダーとした新型コロナウイルスワクチン接種推進グループを1月20日に設置後、ワクチン接種に関する情報収集・共有、関係機関との協議などに取り組んでおります。
現在の準備状況でございますが、まず接種対象者に送付いたします接種券について、その印刷、発送のためのシステム改修及び印刷事業者との協議を重ね、国からの指示による日程で発送できるよう準備を行っております。
次に、接種体制でございますが、本市では個別接種を基本に、集団接種で補完することを方針とし、現在、新居浜市医師会の御協力をいただきながら、市内の個別接種可能な医療機関について調整をしております。
また、集団接種につきましては、市内の体育館等の公共施設や御協力をいただける民間施設も含めた会場決定に向けて、その実施回数や人員体制など、具体的な実施方法について検討を始めております。
さらに、ワクチン接種のための相談や予約などの相談体制につきましては、3月15日からコールセンターを稼働し、まずはワクチン接種に関する具体的な相談に対応することとしております。
準備の中で出てきた課題といたしまして、国からワクチンの供給スケジュールやワクチンに関する新システムなどの正確な情報が提示されていないため、新居浜市医師会など、医療機関との協議や接種のための詳細な準備が限られた情報の中でしか行えず、また今後の見通しも立てづらいことでございます。
なお、ワクチンの副反応に関する相談体制としては、接種医、かかりつけ医、また市へ直接御相談をいただくことになりますが、愛媛県においても、副反応に関するコールセンターが設置されております。
また、ワクチン接種時の問診の対応についてでございますが、問診時に使用する予診票について、先日国からその様式が提示されましたことから、接種券に同封してお送りする予定でございます。
全国一斉のワクチン接種は初めてのことであり、今後も様々な課題が出てくると思われますが、市民の皆さんが混乱せず、一日でも早くワクチン接種できるよう、関係機関と十分協議を重ねて準備してまいります。
次に、経済の再生の取組状況と課題についてお答えをいたします。
新型コロナウイルス感染症の影響拡大による経済対策については、国や県において、企業への給付金型の支援策から実質無利子や保証料無料の資金繰り、消費喚起を促すGoToキャンペーンの再開などへ支援の方向性も変わってきているものと認識をいたしております。
そうした中、本市においても、愛媛県と連携した資金繰りに対する利子補給制度や雇用調整助成金の請求に関する社会保険労務士への手数料補助金制度を実施いたしております。引き続き新型コロナウイルス感染症の第三波による影響もございますが、地域経済を回復させるためには、感染症対策が行われた上で、域内での経済活動が活発になるような支援策が必要であると感じております。これらの課題を踏まえ、本市独自の支援策につきましては、このたびの第三波による、市内飲食・小売・サービス業の売上減少を受け、まずは今年度あかがねポイントの最大30%還元キャンペーンを実施するほか、次年度の早い時期にプレミアム付商品券を発行し、感染症対策を実施している事業者への市民による消費喚起を図ってまいります。
また、ビジネスで必要とされる新型コロナウイルス感染症の陰性証明や営業活動などにおける自社の安全性のPRのため、新居浜商工会議所が窓口となって事業者向けに実施されるPCR検査代金の一部を支援する制度を創設いたします。
今後におきましても、引き続きGoToキャンペーンの再開などの国や県の動向を把握するとともに、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等を有効活用し、新たな生活様式に根差した地域経済循環の創出に向け、しっかりと準備を進め、経済回復を目指す取組を進めてまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 生活再建支援の取組状況と課題についてお答えいたします。
生活再建支援の取組につきましては、失業や自営業の業績悪化により収入が激減し、家賃の支払いに困窮する方々に対しまして、住居確保給付金により最長で12か月分の家賃の給付を行っております。
また、社会福祉協議会を窓口として新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた緊急小口資金及び総合支援資金として、最大200万円の特例貸付けを行っております。
課題といたしましては、感染が広がった当初は、影響は一時的と思われていましたが、観光や飲食業などの業種によっては、また非正規で働かれている方にとっては影響が長期化し、一時的な生活支援から、事態の長期化をにらんだ生活再建につながるきめ細やかな支援へと、支援の在り方を見直すことが必要な時期に来ているのではないかと考えます。
今後におきましても、コロナ禍で生活の困窮に苦しむ方々に効果的な支援を続けてまいります。
○議長(永易英寿) 近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 再質問を行います。
2月22日今議会の初日に、地域ポイント制度運営事業費が議会で可決されました。この事業費は、あかがねポイントカードやスマートフォン登録による利用額の最大30%相当のあかがねポイントを付与する制度です。利用期間が3月31日までということで、新規利用客と新規加盟店舗を早急に募集しなければ経済効果が薄いと思われますが、市民や市内飲食・小売・サービス業者などへの周知はどうなっているのでしょうか。
また、4月以降発行されるプレミアム付商品券についても登録店の募集を含め、できるだけ早く実施することが重要です。本当に困っている人たちが分かりやすく利用できるよう、市民への総合相談窓口を早急に設置していただきたいのですが、いかがでしょうか。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 近藤議員さんの再質問にお答えをいたします。
まずは、あかがねポイントの件についてでございますが、まずは市民や加盟店への周知につきましては、ホームページやSNSにて周知を図っているほか、店舗に対しましては、運営委託事業者がそれぞれ個別にお店を回り、周知を行っております。
加盟店となることに興味を持っていただいた事業者から、運営事務局に御連絡をいただいた場合、店舗を訪問し、説明、参加の手続を行っております。
また、ポイントアプリの操作について加盟店に説明をする必要がありますことから、専門の窓口設置や業界単位での登録を行うことは、現在のところ考えておりません。
次に、プレミアム付商品券についてでございますけれども、このプレミアム付商品券につきましては、令和3年度上半期の発行に向け、令和2年度補正予算で発行準備のための予算措置をさせていただいており、今後事務局を設置し、商品券のデザインやあるいは取扱店舗、販売所の登録等の準備を進める予定といたしております。その中で、ホームページの開設を通じた情報発信や市内店舗等からの問合せに対応できる体制についても適切に対応をしてまいりたい、このように考えております。
○議長(永易英寿) 近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 2点要望を行いたいと思います。
四国中央市では、新型コロナウイルス感染拡大によって大きな影響を受けている飲食店等の経営及び雇用の維持を図るため、飲食店等経営維持応援金を支給するための補正予算を専決処分したとの新聞報道がありました。これは、飲食事業者、タクシー事業者、運転代行業、酒類販売業者、食肉・魚介類販売業などに対し、雇用人数に応じて1業者当たり15万円から100万円を支給するものでありますが、新居浜市においても、同様の支援策を検討していただきますよう要望いたします。
また、プレミアム付商品券につきましても、できるだけ早く予算化していただきますよう要望をいたします。
次に、財政状況と今後の財政運営についてお伺いいたします。
本市の財政状況は、各財政指標から判断するとおおむね健全性を維持していますが、令和元年度の地方債残高の急激な増加や財政調整基金の大幅な減少により、今後の財政運営が大変懸念されるところであります。
そこで、以下お伺いいたします。
大災害に匹敵するとも言われております昨年来の新型コロナウイルスショックの中、経済活動の停滞が今後もしばらくは続くと見込まれますが、本市の現在の財政状況と今後の予算編成の観点やポイントなどについて、まずお伺いいたします。
2点目ですが、財政の健全性を維持しながら、財政を運営していくためには、新たな財源の確保が必要ですが、今後の具体的な取組についてお伺いいたします。
3点目として、第六次長期総合計画の中では、多くの大型プロジェクトが予定されています。多額の財政需要が見込まれますが、事業の見直しや延期についても今後検討されていくのでしょうか、お伺いをいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 財政状況と今後の財政運営についてお答えをいたします。
まず、本市の現在の財政状況と今後の予算編成の観点やポイントについてでございます。
令和2年度におきましては、新型コロナウイルス感染症対策の影響などから、今年度末における財政調整基金残高は約20億円になると見込まれていることに加え、市税収入も大きく減少することが見込まれますことから、非常に厳しい財政状況にあると認識をいたしております。
このようなことから、令和3年度当初予算編成におきましては、全部局について予算要望段階で施策費のマイナス5%シーリングを実施するとともに、事業ごとにゼロベースからの見直しを行った結果、一般会計では、前年度比5億919万円減の500億600万円となったところでございます。
今後におきましても、事業の費用対効果や将来性などを徹底的に見直しながら、予算編成に取り組んでまいります。
次に、新たな財源の確保のための具体的な取組についてでございます。
厳しい財政状況の中で市民サービスを維持するためには、財源の確保は歳出の抑制と同様に重要であると認識をいたしております。国庫補助金や地方財政措置の有利な地方債の活用はもとより、ふるさと応援寄附金や企業版ふるさと納税の確保などに努めているところでございます。
また、公共施設の整備や維持管理につきましては、PPP、PFI等、民間事業者の資金とノウハウを積極的に活用し、効率的かつ効果的な事業実施を図る必要があるものと考えております。
次に、多額の財政需要を踏まえた事業の見直しや延期についてでございます。
第六次長期総合計画においては、基本構想として6つのまちづくりの目標と計画の推進を掲げており、それらを実現するため、基本的な施策の内容を示す基本計画を定めております。
さらに、基本計画に基づき、実施する具体的な各事業につきましては、経済・社会情勢を見据え、毎年度ローリング方式で見直しを行うこととしております。市民サービスの維持向上や新しい行政課題への対応については、的確かつ柔軟に対応するとともに、費用対効果を踏まえた上で、延期や中止も含めた事業の見直しを随時行ってまいります。
○議長(永易英寿) 近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 再質問を行います。
令和3年度当初予算の市税収入は約186億3,000万円で、対前年度比3.6%減と非常に厳しいものとなっています。減少の主な要因はどういったものなのでしょうか。
さらには、固定資産税は令和3年度予算で約1億7,000万円減少していますが、令和元年度の決算では、住友化学の約500億円のメチオニン設備増設などで、固定資産税の償却資産分が大幅に増加しました。今後も本市の税収を維持、増加させるためには、各企業の設備投資が不可欠と考えます。
そこで、今後の住友企業などの大型設備投資による固定資産税の増収をどのように見込んでいるのでしょうか。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 近藤議員さんの再質問にお答えをいたします。
財政状況と今後の財政運営についてでございまして、市税の減少の要因と今後の住友企業の大型設備投資に係る増収見込みについてでございます。
まずは、市税の減少の要因でございますが、今回の新型コロナウイルス感染症以外の要因といたしまして、法人市民税の税率の引下げ、これは12.1%から8.4%に税率が引き下がっております。それから、固定資産税については、評価替えが今年でございまして、3年に一度の評価替えの年であり、評価が下がったということになっております。
また、固定償却資産分については、新たな設備投資が少なく、減価償却等による減額が上回ったことが重なって減収となっているように見ております。
次に、住友企業等の大型設備投資による税収の見込みについてでございますが、現在御案内のとおり、新居浜LNG株式会社のLNG基地が約400億円、それから住友共同電力の火力発電所が約250億円の投資規模で建設が進められているほか、住友金属鉱山株式会社のニッケル酸リチウムの増産と増強投資が行われております。税額につきましては、施設完成後になることから、現状では試算は難しい面がございますが、投資規模が大きいことから、固定資産税の増収につながるものと考えているところでございます。
○議長(永易英寿) 近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 次に、別子山地域の再生についてお伺いいたします。
平成15年に新居浜市と旧別子山村が合併してから10年後の平成25年には、別子山地区の人口は合併時の262人から189人にまで減少、高齢化率も49.2%まで上昇いたしました。現在、合併から18年目を迎え、人口も減少の一途をたどり、人口は133人に、高齢化率も55%を超える状況になっています。平成15年の合併以来、別子山地区のインフラ整備や地域振興事業については、合併に伴う新市建設計画に基づく合併特例債と過疎地域自立促進計画に基づく過疎債を主な財源として事業に取り組んできた経緯があります。
しかしながら、新市建設計画は平成25年度で終了しており、国の過疎地域自立促進特別措置法も本年3月末をもって期限を迎えることとなっています。現在、国会では、新法制定に向けて法案等の調整が進められておりますが、県内では、松山市、新居浜市、四国中央市の3市が対象から外れるとの報道がありました。
そこで、まずお伺いいたします。
新居浜市では、新法制定の状況とその見通しについてどのような認識を持たれているのでしょうか。
また、それらを踏まえて、別子山地域の再生について、新居浜市として今後どのように対応していくお考えなのか、お伺いいたします。
次に、平成24年に取り壊された筏津山荘を中心とする旧別子観光センター跡地の整備計画が策定され、隣接している筏津坑も開設された矢先、愛媛県が指定する土砂災害警戒区域及び特別警戒区域に指定され、同跡地の整備計画を断念せざるを得なくなったとお聞きしています。別子山地域の高齢化が進み、これに代わる施設整備の次の計画が急がれると思いますが、場所の選定や宿泊施設の規模等、現在どのような状況になっているのでしょうか。
また、施設整備の財源確保については、どのようにされるのでしょうか、お伺いいたします。
次に、別子木材センターの経営改善についてお尋ねいたします。
別子木材センターは、階段材となる集成材の加工を事業の柱としていますが、海外製品との競争激化等により、平成30年度営業損失額が約700万円、令和元年度決算では約1,400万円の赤字となり、非常に厳しい経営状況となっています。
こうした中、同社では、外部コンサルタント会社に委託して中長期的な経営計画の策定に現在取り組んでいます。この経営計画に基づく実効性のある経営改善の実施は、今後の木材センターのみならず、別子山地域の将来を左右する非常に重要な業務であります。外部コンサルタントに委託していますが、この業務を木材センターと担当課の農林水産課だけに任せるのではなく、庁内一丸となって取り組むべきであると考えます。新居浜市は、同社の株式の98%を保有し、3,488万円を出資していることからも、同社の経営改善は、本市の財政や地域の雇用維持に大きな課題であります。本年中に経営計画が策定されますが、新居浜市としてどのような経営改善に取り組まれようとしているのでしょうか、具体的な方策をお示しください。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 別子山地域の再生についてお答えをいたします。
別子山地域におきましては、平成15年の合併以来、新市建設計画に基づき、地域の皆様が安全に安心して生活できる環境基盤整備に加え、定住促進など、地域活性化の取組を進めてまいりました。これらの財源といたしましては、合併特例債や過疎債等を活用してまいりましたが、本年4月に施行予定の新法、過疎地域持続的発展支援特別措置法では、一部過疎の指定要件が、合併後の新市の財政力指数等に見直されたことから、全国で45市町村、愛媛県では本市を含む3市が過疎地域の指定から外れる、いわゆる卒業団体となる見込みでございます。
しかしながら、卒業団体に対する経過措置といたしまして、上限額は段階的に減額をされるものの、過疎債の活用が6年間認められる予定でありますことから、新年度早々に新過疎計画を策定したいと考えております。
また、別子山地域の持続的発展には、今後も継続的かつ安定した過疎対策が必要でありますことから、旧別子山村が指定を受けております山村振興法や辺地法等に基づき、様々な財源を複合的に確保していく必要があると考えております。そのためには、辺地指定を受けている保土野地区につきましては、今後辺地債を活用できるよう、新過疎計画と併せ、辺地総合計画の策定も進め、令和3年9月議会に両計画の議案を上程する予定といたしております。
今後におきましても、別子山地域の安全で安心な暮らしを守り、持続的発展が可能な活力ある地域づくりのため、今まで以上に地域と行政が一体となって別子山地域の活性化策に最大限取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 河端経済部長。
○経済部長(河端晋治)(登壇) 別子山地域の観光振興についてお答えいたします。
旧別子観光センター跡地に代わる新たな観光施設整備候補地の検討につきましては、まずは長期総合計画や観光振興計画における別子山地域の観光振興に関する位置づけを踏まえる必要があると考えております。
さらに、その場所選定に当たっては、土砂災害警戒区域・特別警戒区域に含まれていない場所を前提として、森林公園ゆらぎの森周辺などを活用した整備案を地元に対し提案しているところでございますが、具体的な整備計画案は、まだ決定していない状況でございます。近藤議員さん御案内のとおり、急速な高齢化と人口減少が進む中、別子山地域の再生に向けては、速やかに新たな整備計画を策定する必要がございます。そのため、地域にとって必要な施設は何か……。
○議長(永易英寿) 暫時休憩いたします。
  午前10時42分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
  午前10時53分再開
○議長(永易英寿) 休憩前に引き続き会議を開きます。
先ほどの答弁でお聞き苦しい点がございましたので、再度答弁を求めます。加藤副市長。
○副市長(加藤龍彦)(登壇) 再度答弁させていただきます。
別子山地域の観光振興についてお答えいたします。
旧別子観光センター跡地に代わる新たな観光施設整備候補地の検討につきましては、まずは長期総合計画や観光振興計画における別子山地域の観光振興に関する位置づけを踏まえる必要があると考えております。
さらに、その場所選定に当たっては、土砂災害警戒区域・特別警戒区域に含まれていない場所を前提として、森林公園ゆらぎの森周辺などを活用した整備案を地元に対し提案しているところでございますが、具体的な整備計画案は、まだ決定していない状況でございます。近藤議員さん御案内のとおり、急速な高齢化と人口減少が進む中、別子山地域の再生に向けては、速やかに新たな整備計画を策定する必要がございます。そのため、地域にとって必要な施設は何か、地域が主体となってどういったことに取り組んでいきたいのかについて地元と十分に協議を行い、施設整備により新たな雇用が生まれ、別子山地域の活性化につながっていくよう、引き続きスピード感を持って整備計画の策定に取り組んでまいります。
また、施設整備に必要な財源の確保につきましては、新過疎計画に基づく過疎債のほか、山村振興法や辺地法等に基づく各種財源の複合的な活用、またクラウドファンディング等の手法についても検討してまいりたいと考えております。
次に、別子木材センターの経営改善についてでございます。
近藤議員さん御指摘のとおり、同社の経営状況は、事業の柱である造作用集成材の売上減少により、2期連続の営業赤字となっております。今年度におきましても、コロナ禍による住宅用資材の需要減少等の影響も加わり、厳しい見通しとなっております。
このような状況の中、今年度、同社では黒字化に向けた製造設備等の効率的な更新を含めた実効性のある経営計画の策定を進めております。5か年の経営計画では、財務状況診断に基づき、売上原価、販管費等の経費節減を進めながら、低迷する集成材製造部門の売上拡大を目指し、弱みである主要顧客を1社としている現状からの脱却を最重要課題といたしております。具体的には、既存顧客に対しては、ヒノキ、杉の国産材を使ったフリー板、積層間柱等を重点製品とする営業活動の強化、新規顧客獲得に向けては、県内工務店を対象とする市場調査結果を分析し、強みである小ロット、指定寸法にも容易に対応できる点を積極的にアピールして、他社との差別化を図る営業を進めるものとなっております。
また、生産効率向上に向けた設備更新の優先度合い、更新年次とその収支計画等についても盛り込まれております。
なお、計画の進捗管理等につきましても、専門家派遣事業を引き続き活用し、定期的に診断、助言を受けることといたしております。
今後におきましては、経営計画に盛り込まれている販路開拓、製造設備の年次更新計画について、その内容を十分に精査し、実効性のある財政的支援策等の早急な実施に向け、国、県の補助事業、起債及び基金等の活用を含め、市関係部局間で連携協議し、愛媛県、住友関係各社等の御協力もいただきながら、経営改善に向けて取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○議長(永易英寿) 近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 1点再質問を行います。
平成28年に策定された新居浜市過疎地域自立促進計画も今年度が最終年度となっています。この計画の中でも別子観光センター跡地の整備、別子木材センターの整備と雇用の推進が問題点として取り上げられていますが、現状は先ほどの答弁にもありましたように、さらに悪化しているのではないでしょうか。平成15年の合併から18年が過ぎようとしていますが、過疎地域である別子山の人口減少には歯止めがかからず、高齢化率も55%を超え、もはや数字的には、限界集落となっているのではないでしょうか。また、離島地域である大島地域についても同様の状況ではないかと思われます。
これら別子山や大島の地域再生に向けて、早急に市長または副市長をトップとするプロジェクト室等を設けていただき、全庁挙げて集中的かつ重点的に取り組むべきと考えますが、石川市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 近藤議員さんの再質問にお答えをいたします。
別子山や大島の地域再生のためのプロジェクト室の設置についての考えでございます。
別子山地域につきましては、新年度に策定いたします新居浜市過疎地域持続的発展計画に基づき、また大島地域につきましては、新居大島地域振興計画に基づき、引き続き企画部と関係部局が連携を密にして、多分野にわたります計画事業を継続して実施し、着実に地域の活性化を図っていくことが基本になるものと考えております。
しかしながら、部局横断的に集中して取り組み、短期間で成果を生み出すことが求められる事業もございますので、個別の案件によりましては、御提案のプロジェクト室の設置についても検討してまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 次に、港湾の整備についてお伺いいたします。
平成23年にスタートした第五次長期総合計画の中で、港湾の整備に対する取組方針として、世界規模で進む、海上貨物輸送の合理化、効率化の進展に伴う船舶の大型化に対応できる公共ふ頭の整備を行いますと記述していますが、本年4月からスタートする第六次長期総合計画では、物流需要や輸送方法の変化に対応した港の整備を推進します。本市域における港湾の将来像についてその方向性を検討しますと、第五次よりトーンダウンしています。私も平成11年度に改定された新港湾計画に示された新居浜港で初めての外国貿易機能を有する公共岸壁の整備計画に期待を込めて、平成21年9月議会で質問を行いました。折しも平成21年3月に策定された新居浜市都市交通戦略の10か年戦略のプログラムの中でも平成25年度までに事業着手、平成30年度には完成する計画となっていました。平成21年9月議会で、私の本事業の整備に要する総事業費、費用対効果、経済効果についてどのように推計しているのかとの質問に対して、総事業費について、現時点での計画では約150億円と試算しており、本事業は直轄事業となることから、費用分担については、国が70億円、県が15億円、市が65億円となっているとの答弁がありました。その直後の平成22年8月、当時の民主党政権下で、全国103港ある重要港湾のうち、43港が重点港湾に選定され、愛媛県では、松山港と東予港が指定され、新居浜港は指定から外されました。平成25年6月議会では、港湾計画の見直しの時期にも差しかかっていることから、菊本沖の第2期工事も含めて再度質問を行いました。その中で、菊本沖の第2期工事については、新居浜港が重点港湾の選定から外れたことにより、国による直轄での事業実施は非常に難しい状況ではあるが、多目的国際ターミナルの必要性は十分認識していることから、その実現に向けて引き続き調査検討をしてまいりたいとの答弁がありました。
そこで、以下お伺いいたします。
1点目として、平成25年度から既に8年が経過しようとしていますが、その後の検討状況はどのようになっているのでしょうか。
2点目、重点港湾の見直しについて、関係機関とも連携して国に働きかけてまいりたいとの考えでありましたが、その後の状況はどうなっているのでしょうか。
3点目、平成21年当時の総事業費は約150億円ということでしたが、現時点での総事業費と費用分担はどうなるのでしょうか。
あわせて、事業転換をした場合、本市の負担額はどうなるのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。黒下港務局事務局長。
○港務局事務局長(黒下敏男)(登壇) 港湾の整備についてお答えいたします。
まず、菊本沖の第2期工事の検討状況についてでございます。
近藤議員さん御案内のとおり、新居浜港が重点港湾の選定に外れたこと、また国が地方の港湾からの外貿コンテナは、阪神港、京浜港へ集貨する、いわゆる国際コンテナ戦略港湾競争力強化政策を促進していることなどから、国直轄事業での外貿に関わる公共埠頭の整備は非常に厳しいと考えておりまして、関係企業、関係団体及び国等との意見交換を行ってまいりましたが、多目的国際ターミナル整備のめどは立っていない状況でございます。
次に、重点港湾の見直しについてでございます。
重点港湾につきましては、国が港湾整備事業の選択と集中を図るため、地域の拠点性や貨物取扱量実績等に基づき選定したものでございまして、基本的には、1県に1港でありますが、地域の特性や経済状況等に配慮し、2港選定されている県もございます。愛媛県においては、松山港と東予港が選定されており、国と協議を行ってまいりましたが、新居浜港が選定されることは、現状では難しいと考えております。
次に、現時点での総事業費及び費用分担についてでございます。
現在、整備方針が決まっていない状況でありますことから、概算費用の算出は行っておりませんが、公共工事の労務単価の高騰や消費税及び地方消費税の増税を考慮すれば、約150億円の約1.6倍の事業費が必要であると考えております。
また、費用分担につきましては、国が約40%、県が約10%、市が約50%であると想定いたしております。
次に、事業転換した場合の負担額でございます。
近年多発する災害に対応してしゅんせつ土砂や災害廃棄物の受入れ箇所の確保を図ることが重要であること、また企業用地確保の観点からも、菊本沖の埋立てについて、現計画と異なる企業用地等で整備するという事業方針の転換も検討いたしております。仮に企業用地として整備する場合、国、県等からの補助は得られず、全額が市の負担となり、平成21年度に算出した150億円から不要となる防波堤、岸壁等の整備費用を調整いたしますと100億円程度の費用となりますが、概算費用の算出は行っておりません。このように多額の費用がかかることから、投資効果や財源確保等に留意しながら、必要な埋立面積、規模等について、慎重に検討する必要があると考えております。現在、港務局といたしましては、菊本沖の整備は、多目的国際ターミナル整備の可能性を残しつつ、事業転換の検討をいたしておりますほか、国の国際コンテナ戦略港湾競争力強化政策を踏まえ、全国3位の国際フィーダー貨物量の維持、増加に対応するために東港地区においては、コンテナクレーンの導入、橋梁の耐震化などの港湾整備を進めているところでございます。
○議長(永易英寿) 近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 1点要望を行いたいと思います。
本港地区の多目的国際ターミナルの事業化の動向を踏まえた上ではありますが、先ほどの答弁にもありましたように、企業用地の確保や堆積土砂の処理用地確保の観点からも、菊本沖の埋立てについても前向きに調査研究を進めていただきますよう要望をいたします。
次に、防災・減災対策の推進についてお伺いいたします。
近年災害が発生した際のことを想定して、被害をできるだけ少なくするために、あらかじめ都市計画やまちづくりを考える事前復興まちづくりが推進されています。
本市でも今年度策定予定の都市計画マスタープランの中で、復興まちづくり計画の策定を検討し、一層の減災対策や円滑な復興を見据えたまちづくりを考えながら事前準備に取り組むと記述されています。
そこで、以下お伺いいたします。
年々巨大化する台風の襲来や南海トラフ巨大地震等に備えて、ソフト面も含め、事前復興を見据えた防災復興の実施計画を策定すべきと考えます。本市の地域防災計画では、どのように対応しようとしているのでしょうか、まずお伺いいたします。
次に、1月25日の愛媛新聞の報道によりますと、全国の認可保育所など、約3万4,500か所のうち、43%となる約1万4,700か所が、津波、洪水の浸水想定区域や土砂災害警戒区域に立地している。愛媛県内では、383か所のうち、54%に当たる207か所に上ったとされています。
そこでお伺いいたします。
まず、本市では、どのような立地状況にあるのでしょうか。本市の特別養護老人ホーム等、福祉施設の立地状況についても併せてお伺いいたします。
今後、これらの区域に立地する保育施設や福祉施設等の移転についても、事前復興のまちづくりの発想で取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、鹿森ダムの堆砂対策についてお伺いいたします。
平成29年度に愛媛県が実施した堆砂測量では、堆砂量が58万立米、これは総貯水量159万立米の36.5%でありました。昨年防災・災害対策特別委員会で、愛媛県鹿森ダム管理事務所に現地視察を行ったとき、堆積土砂を直接取るための管理用坂路がほぼ完成されていましたが、異常洪水時に備えて貯水容量を確保する上からも、早急な堆砂対策が必要です。平成30年当時、除去する数量については、洪水調節容量内に堆積している約21万立米を優先して除去したいと伺っていますが、その後の堆砂量はどうなっているのでしょうか。
また、今後の堆砂除去についての計画はどうなっているのでしょうか、併せてお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。庄司危機管理統括部長。
○危機管理統括部長(庄司誠一)(登壇) 防災・減災対策の推進についてお答えいたします。
まず、新居浜市地域防災計画につきましては、平成27年度に修正して以降、平成28年熊本地震や平成30年7月西日本豪雨など、想定を超えた地震や風水害、土砂災害等により未曽有の被害が発生し、国において、災害対策基本法等の改正や防災基本計画が修正されたことから、これらを踏まえた修正を進めており、3月15日までパブリックコメントを実施しております。被災後は、早期の復興まちづくりが求められますが、これまで全国で発生した大規模災害時には、基礎データの不足や喪失、復興まちづくりを担う人材の不足などにより、復興に影響が生じたことから、防災・減災対策と並行して、事前に被災後の復興まちづくりを考えながら準備しておく復興事前準備の取組を進めておくことが重要です。
このことから、新居浜市においても、南海トラフ巨大地震等を想定した復興事前準備として、被災後に早期かつ的確に市街地復興計画を策定できるよう、復興事前準備の取組を推進することを新たに地域防災計画に定めております。
今後におきましては、都市計画マスタープランとも整合を図りながら、復興事前準備の取組を進めてまいります。
次に、社会福祉施設の立地条件と移転の取組についてでございます。
本市では、保育所34施設のうち、洪水津波浸水想定区域内や土砂災害警戒区域内にある施設は19施設となっております。
また、高齢者や障害のある方などが利用する社会福祉施設294施設のうち、洪水津波浸水想定区域内や土砂災害警戒区域内にある施設は162施設となっております。これらの区域内にある社会福祉施設につきましては、災害リスクの低い場所への移転が望ましいところではございますが、移転には莫大な費用と用地の確保等に時間がかかり、また社会福祉施設の大半は、民間事業者が設置しておりますことから、早急な対応は難しいものと考えます。
事前復興まちづくりの観点や利用者が安全で安心して利用できる場所への立地の重要性などから、新設、建て替えの場合は、災害リスクの低い場所を検討してまいりますが、建物の構造や設備面で防災対策を講じることや避難確保計画の作成、訓練の実施などを通じて防災への取組を進めてまいります。
○議長(永易英寿) 高須賀建設部長。
○建設部長(高須賀健二)(登壇) 鹿森ダムの堆砂対策についてお答えをいたします。
鹿森ダムの堆砂につきましては、利水関係者等との協議が調い、協力が得られたことから、令和2年度に愛媛県の鹿森ダム管理事務所が、初めてダムの水をほぼ全て放流し、堆砂撤去を行っています。その事業費は1億4,600万円で、貯水池内1万1,300立方メートルと、ダム上流の貯砂ダム内400立方メートルの計1万1,700立方メートルを撤去しています。撤去後の貯水池内の堆砂量は、54万2,000立方メートルとなっており、平成29年度の調査測量時に比べ、ダム放流による流出減を含め、堆砂量は3万8,000立方メートル減、総貯水量における堆砂率は2.4%減の34.1%となっております。
次に、今後の堆砂撤去の計画につきましては、令和3年度以降も引き続き堆砂撤去を行う予算を要望しているとのことであり、経済性や施工性について検討を行いながら、利水関係者等との協議、調整を図り、効果的、効率的に堆砂撤去を実施していきたいと伺っております。
○議長(永易英寿) 近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 要望をいたしておきます。
鹿森ダムの管理は、県の管轄ではありますが、異常洪水がいつ発生するか分かりませんので、本市にとりましても堆積土砂の処理用地の確保に注力していっていただきたいと思います。
次に、企業用地の確保についてお伺いいたします。
本市における企業用地は、東部工業団地内の企業用地、観音原地区における内陸型企業用地など、全て売却済みとなっており、新たな企業用地の確保が喫緊の課題となっています。
また、鹿森ダムや河川のしゅんせつ土砂や建設残土などの処理場の確保についても深刻な課題となっています。
本市では、平成24年に新居浜市新規土地利用検討委員会を設置し、臨海部の荷内沖、菊本沖及び東予港東港地区の住友共同電力西火力沖等を選定して調査を行ってまいりましたが、どの候補地も事業化には結びついておりません。
そこでお伺いいたします。
その後の新居浜市新規土地利用検討委員会の取組はどうなっているのでしょうか。
あわせて、内陸型企業用地の造成についての取組状況についてもお伺いいたします。
昨年10月2日付の愛媛新聞に、電気自動車用リチウムイオン電池の材料となるニッケル酸リチウムを住友金属鉱山磯浦工場で、月産約300トンを増産し、隣接する電池研究所に約15億8,000万円を投じて1棟を新設し、現在ある3棟を整備、2022年7月の完成を予定している。また、同社は、2025年から2027年度の中期経営計画で、電池正極材月産1万トン体制の構築を目指し、二次電池用正極材の新工場建設を国内外で検討していると報じています。
また、当時の土地利用検討委員会では、住友共同電力西火力沖が最も有力な候補地であるが、事業化には住友各社の協力が欠かせないことから、今後その動向を十分に踏まえ取り組んでまいりたいと報告されています。電気自動車が、今後世界市場の主流となり、住友金属鉱山が中長期計画でニッケル酸リチウム増産計画を打ち出したことから、石川市長と住友金属鉱山とのトップ会談において、ぜひとも新居浜への新工場誘致に取り組み、住友共同電力西火力沖の埋立ての事業化を実現していただきたいと考えておりますが、石川市長の御所見をお伺いいたします。
あわせて、新規企業用地の確保が急がれますが、今後の本市企業用地の確保についてどのように考えられているのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。原副市長。
○副市長(原一之)(登壇) 企業用地の確保についてお答えいたします。
まず、内陸型企業用地の造成についてでございます。
内陸型企業用地につきましては、平成24年度に開催いたしました新規土地利用検討委員会での結果を基に検討を進め、観音原の郷桧の端線東側と萩生旦之上地区の2か所の調査をいたしております。
まず、観音原郷桧の端線東側につきましては、調査の結果、造成費等、特に土砂処分費に多大な経費を要し、造成単価が県道西側の市造成地の約1.8倍になることから、候補地とするのは、現状では困難な状況でございます。
また、萩生旦之上地区につきましては、現在新居浜建設業協同組合において、公共残土等の受入れ用地として整備計画が進められていると承知しておりますが、整備後の利活用については、現在のところ白紙であると伺っており、市といたしましても、事業の進捗に注視しながら、活用の可能性について研究してまいります。
次に、住友共同電力西火力沖の埋立事業化の実現についてでございます。
当該地の埋立事業化は、周辺に立地する住友諸企業の事業拡張用地の確保、また公共工事における残土処理用地としても有効な取組であると認識をいたしております。
一方で、港湾計画の見直し及び公有水面の埋立許可など、愛媛県による取組の推進も必要であり、住友諸企業はもちろんのこと、関係各所への意向確認とその整合性を図りつつ、取組の実現を検討していく必要があると考えております。
いずれにいたしましても、住友諸企業との意見交換を重ねながら、実現に向け、誘致活動に取り組んでまいります。
次に、新規企業用地の確保についてでございます。
新規企業用地の確保につきましては、短期、中長期的な視点で進めてまいりたいと考えております。
まず、短期的には、多喜浜の産業居住地区エリア及び磯浦町エリアでの用地整備を進めてまいりたいと考えております。現在、多喜浜の産業居住地区エリアにつきましては、土地改良区との協議を重ねつつ、用地確保に向けた調査を進めており、磯浦町エリアにつきましては、工業用地としての活用が可能となる特定用途制限地域の変更について諸手続を進めているところでございます。
また、中長期的には、海面埋立ての計画を引き続き検討してまいります。
いずれにいたしましても、新たな企業誘致の促進は、設備投資や雇用、生産活動を通じ、地域経済に活力を生み出す取組であるとの認識の下、今後におきましても、企業ニーズに対応した企業用地の整備を図ってまいります。
○議長(永易英寿) 近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 1点要望を行っておきます。
西火力発電所沖の埋立てには、多くの時間を要すると思いますが、新居浜市の経済発展のためには、大きな決断が必要です。住友金属鉱山がニッケル酸リチウムの量産計画を打ち出している今こそが、絶好のタイミングだと思います。石川市長におかれましては、早期の事業着手に取り組んでいただきますよう要望をいたします。
次に、人口減少対策についてお伺いいたします。
新居浜市の人口は、昭和55年の13万2,339人をピークに減少に転じ、令和3年1月末の住民基本台帳による人口は11万7,720人にまで減少しています。合計特殊出生率においては、これまで新居浜市は1.8人と、全国平均の1.4人を大きく上回り、四国1位となっていましたが、令和2年の公表値では1.75人となっています。自然減少に歯止めがかからない中、人口を維持するためには、合計特殊出生率を2.07人まで上げなければなりませんが、平成27年に策定した新居浜市総合戦略の令和2年の目標値は1.9人で、今回の第2期でも同じ目標値にしています。
また、本市の人口ビジョンでは、40年後の令和42年西暦2060年の目標値を2.3人にしていますが、目標値達成には、非常に厳しい数字となっています。第2期総合戦略の基本目標の中で少子化対策として、結婚・出産・子育て支援の充実を掲げています。特に子育て支援では、子育て世帯への経済的支援の充実と安心して子育てができる環境の整備を上げています。具体的な取組として、子供の医療費の助成は、今年10月から高校生まで引き上げられる考えですが、合計特殊出生率を2.07人以上に持っていくためには、第3子以上の多子家庭に対する経済的支援の充実が必要ですが、具体的な取組についてお伺いいたします。
次に、本市人口の社会減少対策についてでありますが、新居浜市では、人口の自然減少に加えて、社会増減についても転出者が転入者を上回り、人口の社会減少が加速しています。昨年11月に日本世論調査会が実施した調査によりますと、東京一極集中是正策として有効な政策としての第1位は、税の優遇などを通じて、企業の本社機能の地方移転を促す。第2位は、子育て世代が地方へ移住しやすい環境を整備する。第3位は、地方のIT環境を整備し、テレワークをしやすくするとの回答結果になっています。
本市では、平成30年にRCC新居浜アクションプランを策定し、アクティブシニア層をターゲットとした移住支援策を実施しています。その中のアクション3での拠点施設、生涯活躍のまち拠点施設が、若宮小学校跡にこの4月にオープンいたします。新型コロナウイルス感染拡大でテレワークが広がり、生活様式が変わる中、この施設を本市への移住促進に大いに活用すべきだと考えますが、今後の取組についてお伺いいたします。
次に、RCC新居浜アクションプランは、シニア層をターゲットにした計画ですが、自然増加のことも考えますと、若年層の移住対策が重要です。若年層が移住しやすい環境の課題の一つとしては、移住後の就職先が上げられます。コロナ禍で県内の有効求人倍率が下がっているとは思いますが、現在本市の有効求人倍率はどうなっているのでしょうか。
今後、地方移住が加速する可能性がある中、本市のアフターコロナを見据えての雇用対策についても併せてお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 人口減少対策についてお答えをいたします。
近藤議員さん御案内のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、大都市圏を中心にテレワークが普及し、場所にとらわれない働き方が広まっております。国におきましても、令和2年度第3次補正予算において、地方でのサテライトオフィスの開設やテレワークを活用した移住、滞在の取組等を支援し、新しい人の流れを創出することを目的とした地方創生テレワーク交付金が創設され、本市におきましても、県外、市外から新規参入していただける企業及び個人事業主に対し、多面的なアプローチを行い、将来的に本市への進出及び移住につながる視察ツアーやアフターフォローまで実施する事業計画を作成し、申請をしているところでございます。
また、令和3年4月にオープンいたします新居浜市生涯活躍のまち拠点施設、ワクリエ新居浜におきましても、県外から新規産業分野における事業参入者を積極的に呼び込むためのレンタルオフィスのほか、テレワーカーのワーキングスペースとして活用するコワーキングルームを設置し、WiFi環境の整備をはじめ、事業所登録利用サービスや郵便物受け取りサービスといった利用者の利便性を高める独自の取組を実施するほか、えひめ東予産業創造センター等と連携いたしまして、起業相談や企業マッチングなどをサポートすることにより、テレワーカーの利用促進も図ってまいります。
今後におきましても、ワクリエ新居浜におけるこれらの取組を移住支援住宅やお試し移住制度と連携させ、テレワークに対応した新たなライフスタイルを提案することによって、本市への移住を促進してまいります。
次に、有効求人倍率及び雇用対策についてでございます。
先日、愛媛労働局より発表されました令和2年12月現在の有効求人倍率は、県全体で1.20倍、本市は1.84倍となっています。
次に、雇用対策についてでございます。
今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、事業の一部中止や変更を余儀なくされましたが、新たな取組として、女性限定の合同企業説明会を開催するなど、地元企業の人材確保に努めてまいりました。
さらに、来年度におきましては、企業説明会に本市の産業や観光などの魅力を同時に発信する場を設け、広く本市をPRし、移住政策とも連携して、人材確保及び地元定着につなげていきたいと考えております。
○議長(永易英寿) 藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 第3子以上の多子家庭に対する経済的支援の具体的な取組についてお答えいたします。
まず、無償化の対象ではない2歳以下の子供の保育所の保育料について、国の基準では、3人目の保育料が無料となるのは、小学校就学前の子供が同一世帯に3人いる場合でございますが、本市では、対象を小学3年生までの子供が3人いる場合に拡大しております。この措置により、3人以上の多子世帯の保育料は、保育料が半額となる2子目の分も含め、国の基準と比べますと、市全体で年間約3,200万円軽減しております。
なお、市民税所得割額5万7,700円未満の世帯においては、第1子目の子供の年齢に関係なく、3人目の保育料は無料となっております。その他、第2子以降の出生時に5万円分の紙おむつが購入できる応援券を保護者に配布する愛顔の子育て応援事業や市内の小中学校に在籍する児童生徒を3人以上養育し、所得等の条件に該当している世帯に対して、第3子以降の学校給食費を免除する学校給食多子世帯支援事業も実施しております。
○議長(永易英寿) 近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 1点再質問を行います。
現在、3歳児以上の園児の保育料は、無償になっていますが、ゼロ歳児から2歳児までは有償です。先ほどの答弁では、本市の場合小学3年生までに3人の子供がいれば、ゼロ歳児から2歳児までの3人目の保育料は無料となっていますが、第1子が小学4年生になれば、有料となります。第3子以上の子供を産み育てやすくするためにも、第1子の学年の規定を見直すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 近藤議員さんの再質問にお答えいたします。
保育所保育料の第1子の学年規定を見直すべきではないかということでございますが、現在、市独自に国の基準を拡大して実施しており、さらに見直しをする場合、多額の費用が必要となります。御案内のとおり、次年度子ども医療費助成の高校生等までの拡充、また第1子の出生時に3万円分の子育て応援券を交付する事業、これら新規事業について、まず取り組んでまいりたいというふうに考えております。
しかしながら、第1子の学年規定見直しの市民要望が多くあることは、十分理解しておりますので、今後、限られた財源の中で、他の子育て支援策の効果も検証した上で検討してまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 財源がたくさん要るのは分かるんですが、ぜひ第1子の学年の規定を検討していただけたらと思います。
次に、幹線道路の整備促進についてお伺いいたします。
本年3月に策定されます新居浜市都市計画マスタープランの中で、主要幹線道路の整備方針として、東西方向、南北方向の交通軸の強化と都市計画道路の見直しが上げられています。
そこで、以下お伺いいたします。
東西の主要軸と位置づけられている国道11号新居浜バイパス、上部東西線、西原松神子線、南北の主要軸として位置づけられている新居浜別子山線、西町中村線、郷桧の端線、高木中筋線、宇高西筋線、金子中萩停車場線の整備状況と今後の計画について、まずお伺いいたします。
第2点目、都市計画道路についてですが、新居浜市の都市計画道路は、28路線、総延長104キロメートルを計画していますが、現在の整備状況についてお伺いいたします。
第3点目、本市の都市計画道路は、昭和14年に最初の都市計画決定をしていますが、昭和60年に市全体の道路網の見直しを行ってからでも35年が経過しています。今回住民との合意形成などを図った上で、存続、変更、廃止の方向づけをし、都市計画の変更を行ってから、計画的な整備を推進するとのことですが、現在の取組状況と計画決定変更までの手続とスケジュールについてお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。高須賀建設部長。
○建設部長(高須賀健二)(登壇) 幹線道路の整備促進についてお答えをいたします。
まず、主要軸として位置づけした路線の整備状況及び今後の計画についてでございます。
東西方向の主要軸として位置づけている路線のうち、まず国道11号新居浜バイパスにつきましては、未供用となっております2つの区間につきまして、現在国土交通省が事業を実施しております。このうち船木から東田三丁目までの約2.3キロメートル区間につきましては、設計、用地調査及び一部用地買収に着手しており、また西喜光地町から本郷一丁目までの約1.1キロメートル区間につきましては、用地買収が全て完了し、当区間の早期供用に向けて道路整備工事を推進していくと伺っております。
次に、上部東西線につきましては、未供用となっております萩生治良丸から大生院までの約2キロメートル区間を2つの工区に分けて、新居浜市が事業を実施しております。両工区ともに現在用地買収、物件補償及び用地調査等を進めており、今後は一部道路整備工事に着手していく予定としております。
次に、西原松神子線につきましては、県道新居浜東港線の幅員が狭小な箇所につきまして、愛媛県により部分的な拡幅改良に取り組んでいただいております。
次に、南北方向の交通軸のうち、郷桧の端線につきましては、未供用となっております観音原町から東田三丁目までの約800メートル区間につきまして、愛媛県が事業を実施しております。現在、一部用地買収に着手しており、今後さらに事業を推進していくと伺っております。
次に、宇高西筋線につきましては、高津小学校前から市道新田松神子線までの約430メートル区間につきまして、新居浜市が事業を実施しております。現在用地買収を進めており、今後一部道路整備工事に着手する予定としております。
次に、西町中村線につきましては、現在整備中の本郷一丁目から滝の宮町までの約930メートル区間につきまして、愛媛県が事業を実施しております。現在、JRアンダーパスを含め工事を進めるとともに、一部買収済みの箇所につきましても工事着手しており、今後もJR四国や関係者と調整を図りながら事業を推進していくと伺っております。
次に、主要地方道新居浜別子山線、都市計画道路名、高木中筋線につきましては、東城交差点から南進し、山根駐在所交差点までの区間でありますが、現在、愛媛県により東城交差点南側の隅切り改良を行っており、一部歩道寸断箇所の工事も実施予定と伺っております。
最後に、県道金子中萩停車場線につきましては、萩生から星越町までの区間の2車線化を図るよう愛媛県が事業を実施しており、峠より南側の萩生工区につきまして、国土調査が完了したことから、用地調査等を進め、北側の星越工区につきましては、測量調査設計を行うと伺っております。
なお、西原松神子線、宇高西筋線、高木中筋線など、都市計画道路として未着手区間のある路線につきましては、現在事業化されている路線の進捗状況を勘案し、整備の必要性や事業着手の可能性につきまして、愛媛県など関係機関と協議検討してまいります。
いずれの路線につきましても、東西及び南北の交通軸を形成する重要な路線として位置づけており、今後も国、県に対し、整備の推進を強く要望してまいりますとともに、市事業につきましても、積極的な整備に努めてまいります。
次に、都市計画道路の現在の整備状況についてでございます。
近藤議員さん御案内のとおり、本市におきましては、都市計画道路として、幹線街路26路線と自転車歩行者専用道路2路線を合わせた計28路線、総延長104キロメートルを計画決定しており、このうち令和3年1月31日時点におきまして整備済み延長60.078キロメートル、整備率約57.8%となっております。本市では、昭和60年に全市的な道路網の見直しを行って以来、その見直しを行っておらず、長期未着手や必要性が変化している路線も存在している状況でございます。
次に、見直しに向けた現在の取組状況と都市計画決定の変更までの手続、スケジュールについてでございます。
幹線街路26路線のうち、整備済み6路線と全線整備の見込みの2路線の計8路線を除く18路線について、全市的な観点から、存続、変更、廃止の基本的な方向づけを行っている状況でございます。
今後の進め方といたしましては、未整備の都市計画道路につきましては、その区間内に建築制限が課せられており、見直しが沿線の皆さんに及ぼす影響も大きいため、校区ごとに住民説明会等を令和3年度中には開催をし、見直しに至った社会情勢の変化やその必要性並びに実現性について丁寧に説明をし、理解を得られるように努めてまいりたいと考えております。その後、合意を得られました路線、区間につきましては、関係機関との協議調整を行い、都市計画法に基づく変更手続を進めてまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 1点再質問を行います。
自転車歩行者専用道路2路線を除く26路線中、8路線が廃止の方向であるということですが、具体的な路線名についてお示しをいただきたいと思います。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。高須賀建設部長。
○建設部長(高須賀健二)(登壇) 近藤議員さんの再質問にお答えをいたします。
都市計画道路の見直しにおける、いわゆる対象外の8路線についてでございます。
幹線街路26路線のうち、全線完成済みの新居浜駅港町線、いわゆる楠中央通り、駅前滝の宮線、磯浦阿島線、これは主要地方道壬生川新居浜野田線でございます。駅前郷線、磯浦新田線、駅裏中筋線、これら6路線及び事業中の区間が整備されれば全線整備済みとなる新居浜バイパス線、上部東西線の2路線の計8路線でございます。これら8路線を除く18路線を見直し対象路線として方向づけを今後検討していくということでございます。
○議長(永易英寿) 近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 要望をいたします。
見直しの対象となる18路線に関係する校区住民に対する説明会を行うとのことですが、説明会では十分に説明をして、次の段階に進めていただきますよう要望をいたしておきます。
次に、公共下水道事業の経営健全化についてお伺いいたします。
本市の公共下水道事業については、平成31年4月から公営企業会計制度が導入されました。令和元年度の公共下水道事業決算では、約1億6,700万円の純利益を出していますが、一般会計から約3億6,500万円の補助金が繰り入れられています。
また、令和元年度末の企業債残高は約342億9,300万円で、処理区域内の人口1人当たりに換算すると約45万4,000円となり、類似団体の平均値は24万7,000円であり、本市企業債残高は倍近くになっています。本年度末には、令和3年度から10年間を計画期間とする新居浜市公共下水道事業経営戦略が策定される予定ですが、先日配付されました概要版案では、下水道施設の整備及び老朽化対策と財政の健全性のバランスを見据えた投資計画により、安定した下水処理と持続可能な下水道経営を目指していきますと記述されています。
そこで、以下お伺いいたします。
まず、公共下水道の効果効率的な事業の推進を図るには、今後の事業計画区域の見直しが必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
2点目、公共下水道事業には、汚水整備と雨水整備がありますが、近年の豪雨による浸水被害を軽減するためには、雨水管の整備が急がれますが、雨水計画については、どのように考えているのでしょうか、お伺いいたします。
3点目、財政計画において、企業債残高の抑制や一般会計からの繰入金の抑制を行いながら経営基盤の強化を図ることは、大変難しい問題であると考えますが、その方策についてお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。秋月上下水道局長。
○上下水道局長(秋月剛)(登壇) 公共下水道事業の経営健全化についてお答えいたします。
まず、事業計画区域の見直しについてでございます。
本市の公共下水道事業は、平成29年度に事業計画を見直し、現在令和5年度末を目標に事業を進めておりますが、これまでは施設整備の推進に重点を置き、事業計画区域の拡張を繰り返し行ってまいりました。
しかしながら、平成31年度から公共下水道事業が公営企業会計に移行したことで、今後は市民への安定かつ継続的な下水道サービスの提供とともに、健全で持続可能な下水道事業経営が求められるところとなっております。
そのようなことから、公共下水道の効果・効率的な事業の推進を図るに当たり、令和6年度からの第9期事業の計画を検討する際には、公共下水道事業経営における財政の健全性を念頭に、新規整備については、特に採算性を重視し、整備候補区域ごとに費用対効果を十分検討した上で事業計画区域の見直し等を行ってまいります。
次に、雨水計画についてでございます。
従来公共下水道事業は、汚水処理と雨水排除の計画区域を同じくして事業計画を策定し、整備を進めてまいりましたが、平成27年度の下水道法の改正において、新たに雨水排除に特化した公共下水道の制度が創設され、汚水処理施設の整備計画区域外においても、必要に応じて雨水排除のみの公共下水道事業の実施が可能となりました。
そのようなことから、今後の雨水施設整備につきましては、汚水施設の計画区域にとらわれることなく、台風等大雨時における各地域の状況を十分に勘案し、地域ごとに雨水事業の必要性や優先性を判断しながら、国の交付金等の財源を活用して整備を推進してまいります。
次に、財政計画における企業債及び一般会計繰入金の抑制と経営基盤の強化についてでございます。
近藤議員さん御指摘の企業債残高につきましては、公共下水道の施設整備の財源として、国の補助金や交付金と合わせて交付税措置のある有利な企業債を発行し、管渠や雨水ポンプ場、下水処理場などの整備に積極的に投資してきた結果が、現在の企業債残高につながったものと認識をしておりますが、多額の企業債残高は、将来世代に過大な負担を残すことになるため、今後企業債残高を抑制するためには、新規発行額を本市の事業規模に見合った範囲に抑制する必要があると認識をしております。
御存じのとおり、公共下水道事業会計につきましては、平成31年度から公営企業会計に移行し、これまで以上に財政状況や経営成績等が正確に評価、判断できるようになったことから、現在、安定した下水道事業を継続するための投資財政計画であります下水道事業経営戦略を策定しております。
この経営戦略の投資財政計画では、企業債の新規発行額を元金償還額の範囲内に抑制すること、他会計からの繰入金を抑制することを基本条件とした上で、これまでと同程度の施設整備費用が確保できるよう、国庫補助金、交付金など、有利な財源を最大限確保するとともに、事務事業の見直しによるコストの縮減や新技術及び官民連携手法の導入による効率的な事業の執行により経営基盤の強化を図ってまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 再質問はありませんか。近藤司議員。
○25番(近藤司)(登壇) 最後になりますが、今回の質問では、第六次長期総合計画のスタートの年として対策が急がれる諸課題について大きく9項目質問いたしました。市長はじめ職員の皆様には、難しい決断を迫られることが多いと思いますが、的確でタイムリーな決断、スピーディーな実行力を発揮されますことを御期待申し上げまして、私の代表質問を終わります。
○議長(永易英寿) この際、暫時休憩いたします。
  午後 0時01分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――

  午後 1時00分再開
○議長(永易英寿) 休憩前に引き続き会議を開きます。
藤原雅彦議員。
○19番(藤原雅彦)(登壇) 公明党議員団の藤原でございます。通告に従いまして公明党議員団を代表して質問をいたします。
なお、午前中の近藤議員とかぶる質問が何点かあります。違う角度の答弁、よろしくお願いいたします。
1、経済対策と健全財政の維持についてお伺いいたします。
令和3年度当初予算が議案として上程されました。一般会計予算総額500億600万円で、前年度比5億919万円、1.0%減となっています。現在、喫緊の課題である新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立において、スピード感を持って取り組まなければならないと考えます。このことを受け、今議会初日に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金に係る令和2年度新居浜市一般会計補正予算(第12号)が議決されました。スピード感のある対応だと思います。
さて、新型コロナ感染症対策として、令和3年度当初予算案に新居浜市独自の経済対策があるのでしょうか、お伺いいたします。
全国的にコロナ収束が見えない中で、税収も減少し、そのため新居浜市にとって一層厳しい財政状況となると予想されております。昨年、令和3年度予算編成時に各部局の予算要望段階での査定に対し、5%のマイナスシーリングを行ったとお聞きしています。予算査定の5%削減は、コロナ禍に影響を受けた単年度のみの対応でしょうか、お伺いいたします。
今年4月よりコロナワクチン接種が予定されております。やがては収束の方向に向かい、経済活動もコロナ禍前に近い状態に戻ると予想され、それに伴い、税収も回復すると思います。
しかし、コロナが収束しても少子高齢化・人口減少問題と様々な課題が山積しています。具体的には、今回のコロナ禍の影響で少子化が10年早まったとも言われております。その上団塊の世代が後期高齢の年齢に達し、医療や介護などの社会保障費の急増が懸念される2025年問題も待ったなしの時代に入りました。それを踏まえ、中長期的な視点に立って、これまで以上により効果・効率的な行財政運営を継続し、健全財政を堅持しなければならないと考えます。私は、この5%削減は将来新居浜市のための健全財政の礎と考えます。
この5%削減と聞けば思い出されることがあります。平成15年当時、バブルが崩壊し、日本経済も回復するどころか、ますます悪化の一途をたどり、国の財政や地方財政も例外ではありませんでした。そのため、当時政府が打ち出した三位一体の税制改革の下、各自治体に行財政改革の波が押し寄せました。新居浜市においても、「創造の10年へ!5%の行政経営改革」と銘打って、以後10年間のまちづくりのため、歳出面においては、より効率的な事業執行を目指し、事業の見直し、削減、廃止等を行うとともに、歳入面においても、既存財源の見直し、新たな財源の確保等を喫緊の重要課題として、目標達成に向けて財政改革を推進してまいりました。これからの新居浜市の健全財政の維持についてどのように取り組まれていかれるのでしょうか、具体的なものがあればお伺いいたします。
また、昨年9月議会で、財政調整基金の残高についてお聞きし、当時残高16億5,000万円との答弁がありました。財政調整基金について新居浜市の考えとして、第五次新居浜市長期総合計画に30億円から50億円程度で維持することが基本と言われていました。30億円から50億円で20億円の幅があり、漠然としています。財政調整基金の具体的な額を提示することが大事になると考えます。つまり、財政調整基金の目標額を設定することで逆算し、具体的に削減幅や削減額などが予想されるのではないでしょうか。新居浜市としての御所見をお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 公明党議員団代表の藤原議員さんの御質問にお答えをいたします。
経済対策と健全財政の維持についてでございます。
まず、新型コロナウイルス感染症対策の新居浜市独自の経済対策についてお答えをいたします。
新型コロナウイルス感染症対策としての令和3年度当初予算案につきましては、令和2年度に創設した緊急小口融資制度の利子補給金497万2,000円と新型コロナウイルス感染症対策資金利子補給金2,400万円を予算計上させていただいております。
新型コロナウイルス感染症対策事業につきましては、2月22日に議決されました地域商品券発行事業やビジネス用PCR検査費用の支援事業を実施することといたしております。
今後におきましても、引き続き経済の回復状況に合わせた支援策が必要であると考えておりますことから、4月以降におきましても、支援策の内容や財源など、様々な視点から検討を重ね、スピード感を持って皆様にお示ししてまいりたいと存じます。
次に、マイナス5%シーリングについてお答えをいたします。
藤原議員さん御案内のとおり、コロナ禍の影響に加え、市税収入の減少などから、ますます厳しい財政状況となることが見込まれますことから、令和3年度当初予算編成におきましては、全部局について予算要望段階で施策費のマイナス5%シーリングを実施するとともに、事業ごとにゼロベースからの見直しを行ったところでございます。
次年度以降の予算編成につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響をはじめとする景気の動向、市税収入の見込み、国の地方財政対策など、様々な要因を勘案しながら、マイナスシーリングというやり方も含めまして、実施方法については決定したいと思っております。
次に、これからの新居浜市の健全財政についての具体的取組についてでございます。
財政の健全化につきましては、特効薬はなく、中長期的視点での財政運営を行っていく中で、歳出抑制と歳入確保に努めることが肝要であると考えております。具体的には、歳出抑制のため、経常経費も含めたスクラップ・アンド・ビルドによる事業の徹底的な見直しに取り組むとともに、国庫補助金や有利な地方債の活用はもとより、様々な財源確保に努めてまいります。
次に、財政調整基金の目標額の設定についてでございます。
財政調整基金につきましては、今年度末の残高は約20億円と非常に厳しい状況になると見込まれており、災害時に伴う歳出の増加や歳入の減少に備えて、中長期的な財政調整基金の積立目標額の設定が必要であると認識をいたしております。目標額といたしましては、これまで同様、大規模災害時の一時的な多額の出費に備えることを前提に、当面の積立目標額を30億円といたしたいと考えております。
○議長(永易英寿) 藤原雅彦議員。
○19番(藤原雅彦)(登壇) 「創造の10年へ!5%の行政経営改革」を推進した結果、石川市長が市長に就任されたときは、新居浜市の財政状況は全国的にも誇れるような状況になっておりました。そのことが石川市政2期8年の施策推進の原動力になったと思います。10年先の新居浜市のためにも、財政改革に取り組んでいただきたいことを要望いたします。
2番、地域組織の運営についてお伺いいたします。
昨年11月に新居浜市連合自治会と新居浜市が協働で、自治会未加入者を中心とした自治会活動に関するアンケート調査を実施しました。自治会未加入世帯を中心に2,000世帯にアンケートをポスティング。調査結果として、回答数495世帯、回収率24.8%でした。自治会活動に関するアンケート調査の結果を踏まえ、新居浜市としてどのような認識をお持ちでしょうか、お伺いいたします。
自治会に加入してよかったと思うことはとの問いに、複数回答でごみステーションが利用できるが23.4%、その半面自治会に加入していない理由はとの問いに、役員等をしたくない、できないが20.1%となっており、多くの人々が自治会役員に対し負担感を持っているようです。この自治会役員の負担軽減について、新居浜市の御所見をお伺いいたします。ちなみに西条市は、来年度5月以降、市からの刊行物を全世帯にポスティングを開始するようです。
先ほど申したように、自治会に加入してよかったと思うことはとの問いに、ごみステーションが利用できる、このことが自治会へ加入している動機づけとなっているようです。昨年新居浜市が立ち上げたワーキンググループ、新居浜市連合自治会環境福祉小委員会、新居浜市連合自治会理事会等で協議を重ね、非自治会員のごみステーションの利用について、新居浜市連合自治会の総意として、単位自治会が管理する全てのごみステーションの利用を認めることを決定しました。ただし、使用する場合、これまでどおり、管理者の自治会に申入れをするという対応が前提となっております。
しかし、非自治会員の利用を認めた場合も、新たに非自治会員の方に清掃分担や費用の負担を求めることは非常に困難であり、ごみステーションに関する負担は軽減されないことから、新居浜市に対し、地域環境維持活動の支援のために交付金2,000万円を要望いたしました。このことで毎年一部の校区でのまちづくり校区懇談会で必ず議題となり紛糾していた非自治会員のごみステーション利用について、一定の終止符を打つ半面、ごみステーション利用が、自治会加入の動機づけになっていることから、ますます自治会加入率が低下するのではないかと危惧しますが、新居浜市の御所見をお伺いいたします。
また、現在自治会員中心にごみカレンダーを配布していますが、非自治会員に対して、ごみの分別の周知やごみカレンダーの配布についてどのようにされるのでしょうか、お伺いいたします。
現在、全国的にも自治会、町内会といった地縁組織が、地域の暮らしを支える役割を担ってきましたが、人口減少、高齢化、加入率の低下による会員の減少に伴い、新たな地域組織の構築が進められようとしています。地方創生の流れの中で、住民主体のまちづくりと持続可能な暮らしを実現するため、地域内の様々な団体が連携協力して、地域をよく知る住民が中心となって地域課題の解決に向けて取り組む地域運営組織の設立が進められています。来年度から新居浜市も、将来的に各校区に地域運営組織設立に向けモデル事業の取組をすることとなりました。モデル地区として、2地区の校区を選定、2か年の予定で地域運営組織を設立させていきます。地域運営組織についてお伺いいたします。
モデル地区に対し、どのようなサポート体制を考えているのか、お伺いいたします。
地域の拠点である公民館ですが、平成20年度の第1次試行期間から地域主導型公民館となりました。目的としては、地域の住民が自らの知恵と力を結集し、自分たちの住む町をよりよいものにしていこうとする意識を高め、行政に依存するだけではなく、自らの意思で主体的に生涯学習や地域づくりに取り組んでいくことを目的としました。新居浜市が設立しようとしている地域運営組織とこの地域主導型公民館の理念が重なっているように思われます。地域主導型公民館に移行し十数年経過しました。この間の総括などを行っているのでしょうか、お伺いいたします。
現在、公民館は、教育委員会の所管となっていますが、将来的には、地域運営組織形成の取組に合わせ、コミュニティーセンターとなり、まちづくり、地域活動の拠点プラス生涯学習機能を持つとされ、その所管は市長部局へ移行との考えです。この所管移行の時期についてどのように考えているのでしょうか、お伺いいたします。
また、地域運営組織において自治会組織の在り方はどのようになるとお考えでしょうか、お伺いいたします。
地域運営組織は、第六次新居浜市長期総合計画の基本計画に、地域運営組織の形成に向けた取組を進めますとうたわれております。市内の全校区、地区全てに地域運営組織が設立されることになるわけですが、モデル地区以外の校区、地区に対し、地域運営組織の在り方についての周知はどのようにされるのでしょうか、お伺いいたします。
モデル地区で2か年の事業を推進し、全校区、地区に設立する判断基準はどのように考えておられるのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 地域組織の運営についてお答えをいたします。
まず、自治会活動に関するアンケート調査結果に対する認識についてでございます。
本アンケートは、自治会活動に対する認識や課題等の意識を幅広く把握し、自治会加入促進施策の参考とすることを目的に実施したものでございます。アンケートの結果、自治会の今後の方向性といたしましては、自治会の必要性の再認識、加入しやすい自治会運営の推進、行政からの依頼の見直しなど、自治会活動の活性化や役員等の負担軽減、信頼性の確保に取り組むことにより、生活の安心感を高める自治会づくりを進めていく必要があるものと考えております。
次に、自治会役員の負担軽減についてでございます。
自治会役員の負担が大きいことが、自治会をやめたり、自治会に加入しない大きな原因となっていることから、高齢者の役員免除、行事の見直し、事業や運営スタッフの確保等について市として働きかけてまいりたいと考えております。
次に、地域運営組織設立のモデル地区へのサポート体制についてでございます。
地域と行政をつなぐ窓口役となる地域担当職員を配置し、地域コミュニティ課において、地域まちづくり組織の立ち上げに向けた準備組織の運営や地域まちづくり計画の策定等の全面的なサポートを行うほか、防災、福祉、教育等に係る庁内関係各課と連携し、チーム体制で地域の取組を支援してまいりたいと考えております。
次に、公民館の所管変更の時期についてでございます。
今回のモデル事業の実施後、地域運営組織の設立に合わせて公民館をコミュニティーセンターへ移行し、同時に市長部局へ移管することを検討してまいりたいと考えております。
次に、地域運営組織における自治会組織の在り方についてでございます。
地縁組織である自治会につきましては、地域運営組織の主要構成団体の一つに位置づけており、引き続き校区単位で行われる防災や防犯、地域行事や地域課題の解決等において中心的な役割を担っていただきたいと考えております。
次に、モデル地区以外の校区、地区に対する周知についてでございます。
モデル地区の取組状況や課題、プロセスや成果等の情報を広く公開し、共有することが重要であると考えており、市政だよりやホームページ等による広報や地域からも情報発信をするなど、積極的な情報発信に努めるとともに、講演会等を開催し、地域コミュニティーの再生や地域運営組織について周知してまいります。
次に、地域運営組織の全校区、地区に設立する判断基準についてでございます。
次年度以降、各校区や地区の理解や関心が深まるようモデル事業を実施し、その結果を踏まえて検証し、判断することとなりますが、第六次長期総合計画中に全校区、地区において設立できるよう取り組んでまいります。
○議長(永易英寿) 高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 地域主導型公民館へ移行し、十数年経過した総括についてお答えいたします。
地域主導型公民館へ移行して以来、地域課題解決型の新たな組織づくりや人材の育成が推進され、新しい公共の担い手としての公民館の再構築が図られてきたものと認識いたしております。
また、公民館と地域社会、学校が連携を図りながら、地域課題の解決に取り組む地域教育力向上プロジェクト推進事業やコミュニティ・スクールと公民館活動との連携も徐々に増えており、地域独自の特色あるまちづくりが図られてきたものと考えております。
一方、少子高齢化の進展により地域行事に参加される方や地域内の各種団体の活動メンバーの固定化、地域住民の多様化するニーズへの対応が求められるなど、公民館や地域社会を取り巻く環境も厳しくなってきており、これからの公民館活動、地域社会活動を支えていただく人材の確保、育成が喫緊の課題であると認識いたしております。
このような情勢を勘案しながら、これからの公民館の在り方につきまして、新居浜市社会教育委員会議に諮問し、現在議論していただいているところでございます。
教育委員会といたしましては、今後新居浜市社会教育委員会議からの答申を尊重しながら、公民館が地域主導型公民館の理念でもある自分たちのことは自分たちで行う共助への意識転換を図り、自立した人づくり、地域づくりの拠点となりますよう、地域コミュニティー活動との融合、連携強化に取り組んでまいります。
○議長(永易英寿) 原市民環境部長。
○市民環境部長(原正夫)(登壇) 非自治会員のごみステーション利用による自治会加入率への影響についてお答えいたします。
単位自治会に対して行ったごみステーションのアンケート調査では、約77%の自治会が未加入者のごみステーション利用を認めており、これらの自治会への影響はないと思われますが、ごみステーションの利用を自治会員に限っている自治会については、多少なりとも影響があると考えております。
自治会に継続して加入していただくためには、自治会に入ってよかったと思うことのアンケート項目で回答の多かった、地域の一員になれた、近所付き合いができる、地域行事に参加できる、災害時に安心できる等が実感できる自治会活動が重要であると考えております。
次に、非自治会員へのごみ分別方法の周知やごみカレンダーの配布についてでございます。
市民へのごみの分別方法の周知につきましては、ごみカレンダーの配布やホームページや公式アプリ新居浜いんふぉにごみカレンダーを掲載し、周知に努めているところです。
ごみカレンダーの配布は、自治会を通じて行っており、自治会未加入世帯につきましても、併せて配布をお願いしているほか、市役所ごみ減量課、各支所や公民館等の窓口にも配置するなど、広く配布に努めております。
○議長(永易英寿) 藤原雅彦議員。
○19番(藤原雅彦)(登壇) 答弁の中で、先ほど言いました地域運営組織、第六次長期総合計画の中で設立を目指すと言われました。今、私は市会議員をやっておりまして、地域では自治会長、校区の連合自治会長、公民館運営審議会委員長、コミュニティ・スクール委員長、たくさんの地域の役職をさせていただいております。成り手がいないというのが大ネックになっております。今回の地域運営組織を調べてみると、これは国の方向性で、総務省から地域創生の流れで、地域のことは地域でやっていただきたいという流れから、地域運営組織の話が出ていると分かりました。もうそれは僕も仕方がないと思います。
ここで要望なんですが、先ほど私がいろいろ役職を上げました。これは僕だけじゃないと思います。恐らく様々な方がいろんな役職を兼ねております。今日お願いしたいのは、結局は、地域運営組織がこれからの要になると思います。であるならば、要らない組織というのは語弊がありますが、それに代わる組織とか、様々な地域組織をしっかり精査をしていただきたい、これを要望として上げさせていただきます。
次、3、防災、減災についてお伺いいたします。
新型コロナウイルス感染症はやがて終息しますが、今後ますます甚大化する風水害や切迫する巨大地震など、自然災害には終息はありません。昨年政府が与党からの強い要請を受け、総事業費15兆円規模の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を決定しました。地域経済を活性化する観点からも期待されております。昨年新居浜市連合自治会として、国土強靱化に対する5か年15兆円の予算化に向け、新居浜市としては平成16年の台風災害以降、大きな被災を免れていますが、近年全国的に豪雨災害が激甚化する中で、対策としていまだ着手できていない急傾斜対策工事や砂防ダム等の防災工事が、新居浜市民の生命と財産を守るために重要と認識することから、早期に事業化の要望書を石川市長に提出しました。
現在、新居浜市内に急傾斜地域、土石流危険地域はそれぞれ何か所あるのでしょうか、お伺いいたします。
業界新聞の建通新聞に、昨年愛媛県として2020年度に通常砂防事業として、砂防堰堤工と渓流保全工を整備する108か所についての記事がありました。事業費は約35億円となっています。そのうち新居浜市は1か所の事業のみとなっていました。これ以外の砂防堰堤工と渓流保全工などの工事計画はどのような状況でしょうか、お伺いいたします。
また、今年度から急傾斜地対策工事や砂防堰堤といった事業について、愛媛県東予地方局建設部と新居浜市との連携が強化されているとお聞きしていますが、具体的な動きなどはあるのでしょうか、お伺いいたします。
用地問題で、事業化が困難な事業をどのように進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。
愛媛県は、鹿森ダムの洪水調整機能の向上を図るため、昨年の11月より12月まで、堆砂除去を行いました。この鹿森ダムは、治水(洪水調整)及び利水(発電及び工業用水)の多目的ダムとして昭和33年4月から調査を開始、昭和35年4月に本格工事に着手、昭和37年6月に竣工し、昭和38年4月から供用を開始しました。昨年の堆砂除去まで約57年間、ダムに堆積された土砂に対し、以前から治水に対し機能が果たせないのではないかと問題視され、度々議会質問に取り上げられていました。堆砂除去前、鹿森ダムの堆砂は、許容堆積量30万立方メートル、要撤去堆砂量28万立方メートルとされ、合計58万立方メートルの堆砂量となっています。これは、東京ドームの2分の1に相当する堆砂量です。平成30年9月30日の台風24号では、異常洪水時防災操作寸前の状態になったと記憶しております。今年度、先ほど申したように、昭和38年4月の供用開始以来、初めてダム湖の水を抜いてドライ掘削による堆砂撤去が施工されました。今回、堆砂撤去量はどれぐらいだったのでしょうか、お伺いいたします。
また、懸念されていた鹿森ダムの治水機能は改善されたのでしょうか、お伺いいたします。
また、来年度以降も堆砂撤去の工事の継続について愛媛県への要望または協議などをされたのでしょうか、お伺いいたします。
また、撤去された土砂は、四国中央市西部廃棄物最終処分場へ運搬したとお聞きしています。昨年国領川の河床しゅんせつ工事での土砂は、昨年8月末に新居浜市内の建設発生土の受入施設での受入れが終了したため、新居浜市内での工事における建設発生土は、今後他市まで運搬し、処分せざるを得ない状況となっております。新居浜市内の社会資本整備や災害対応を着実に確実に進めるために、新居浜市として建設発生土の処理施設確保が必要と思いますが、このことについて新居浜市としての中長期的なビジョンについてお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。高須賀建設部長。
○建設部長(高須賀健二)(登壇) 防災、減災についてお答えをいたします。
まず、市内にある急傾斜地域と土石流危険地域の数についてでございます。
市内には、急傾斜地崩壊危険箇所が160か所、土石流危険渓流が186か所ございます。
次に、砂防堰堤工と渓流保全工などの工事計画についてでございます。
愛媛県では、随時砂防事業新規事業化可能性調査により事業採択要件を満たす地区を抽出し、用地取得の可能性が高い地区から詳細調査を行い、事業化に向けて国等の関係機関との協議を進めながら、砂防事業の実施に努めていただいており、現在2地区の事業化を予定していると伺っております。
また、令和元年度、令和2年度の調査により、採択要件を満たす候補地についても、今後の事業化に向けた詳細調査を引き続き行っていただくよう要望してまいります。
次に、愛媛県東予地方局建設部と新居浜市との連携及び用地問題で事業化が困難な場合の進め方についてでございます。
土砂災害警戒区域等の危険箇所の整備要望につきましては、まず市が窓口となって現地確認を行い、その状況を愛媛県へ伝えた後、愛媛県も現地調査を行い、事業化に向けての協議調整を行っております。
こうした中、これまで用地問題が解決せず、事業化が困難であった箇所につきましては、一定の条件が整った場合は、できる限り事業化に結びつくよう柔軟に検討していただいており、今後におきましても、しっかりと状況を共有しながら、引き続き最大限の協力とお願いをしてまいります。
なお、事業化に当たりましては、土地の境界や相続登記といった用地問題が解決されない限り、工事着手は困難な状況となってございます。このため、所有者不明土地の経緯や相続人に関する情報がある場合は、問題が解決し、工事着手に結びつく場合もあり、今後とも地域の皆様の御協力をいただきますようお願いをいたします。
加えて、相続された土地については、不明土地の発生を抑制するためにも、相続登記をしていただきますようお願いをしてまいります。
いずれにいたしましても、これまで以上に県、市で連携して事業の進捗を図りたいと考えております。
次に、鹿森ダムの堆砂撤去についてお答えをいたします。
鹿森ダムの堆砂撤去につきましては、利水関係者等との協議が調い、協力が得られたことから、藤原議員さん御案内のとおり、令和2年度に愛媛県の鹿森ダム管理事務所が、初めてダムの水をほぼ全て放流し、堆砂撤去を行っております。
撤去堆砂量等の細かい数値につきましては、先ほどの近藤議員さんへの答弁のとおりでございますが、撤去後の堆砂量は、平成29年度の調査測量時に比べ3万8,000立方メートル減、総貯水量に対する堆砂率は2.4%減の34.1%となっていることから、僅かではありますが、鹿森ダムの治水機能が改善されたと考えております。
次に、来年度以降の堆砂撤去工事の継続につきましては、令和3年度からも引き続き実施していただくよう、鹿森ダム管理事務所及び愛媛県の河川課に要望しており、今後も引き続き経済性や施工性について検討をし、利水関係者等との協議調整を行いながら予算確保に努め、堆砂撤去の取組を進めていくと伺っております。
次に、建設発生土の処理施設確保の中長期的なビジョンについてでございます。
中長期的かつ安定的な処分先として、例えば港湾事業や内陸型工業用地としての埋立てなどが考えられますが、現時点では具体的な計画は未定でございます。
しかしながら、処理施設の確保の必要性は認識いたしており、関係する部局や企業との調整を図りながら、整備手法を含め、長期的な課題として取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 藤原雅彦議員。
○19番(藤原雅彦)(登壇) 新居浜市において急傾斜危険地域や土石流危険地域の事業化が進んでない原因の多くは、地籍調査が進んでいないことにあるとよく言われております。平成15年の合併後、地籍調査を平成18年から開始しました。今年度は川西地区、都市部における庄内町、久保田町の継続とともに、八雲町、田所町、泉宮町を行うことと別子地区の保土野も新規に着手するようにいわれております。この地籍調査ですが、用地問題で工事に着手できていない急傾斜危険地域や土石流危険地域への地籍調査を並行して行うべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。高須賀建設部長。
○建設部長(高須賀健二)(登壇) 藤原議員さんの再質問にお答えをいたします。
用地問題で未着手の急傾斜危険地域等への地籍調査の実施についてでございます。
現在、地籍調査につきましては、DID地区のほか、公共事業計画区域等におきまして優先的に取り組んでいくこととしております。
お尋ねの急傾斜危険地域や土石流危険地域における地籍調査につきましては、現時点におきまして愛媛県から具体的な要望はございませんが、防災・減災事業の推進に向けて連携協力をしてまいります。
○議長(永易英寿) 藤原雅彦議員。
○19番(藤原雅彦)(登壇) 私の住んでいる地域には、土砂災害危険箇所が多くあります。豪雨時には、必ず避難勧告が出ます。そして、公民館に行くと、避難されている人は数人しかいません。災害対策で新居浜市としては、ハードやソフト面に力を入れている、十分それは理解できますが、現場の住民としては、なかなか避難をしていただけないのが現状であります。そういった方々の命を守るためにも、先ほど申しました危険地域における砂防工事とかそういった工事をますます県と一緒になって推進していっていただくことを要望いたします。石川市長、加藤副市長も県職員上がりということなんで、その辺のパイプをしっかりと利用していただいて、よろしくお願いいたします。
4、新型コロナウイルスワクチン接種について。
新型コロナウイルスの感染が広がって1年が過ぎました。この見えぬ敵によって私たちの生活は大きな影響を受けました。日常生活にマスクが欠かせなくなり、子供たちは学校に通えない日も続きました。自分や家族が感染し、つらい思いをした人もおられるかと思います。
また、人との触れ合いが制限され、誰しもが言い知れぬ不安を抱えながらも、いつか必ず乗り越えられる日がやってくるとの希望を持ち、過ごしてきたのではないでしょうか。その望みに応えようとするのがワクチン接種です。昨年12月、イギリスを皮切りに、既に世界60か国以上で接種が始まっています。日本でも2月17日から医療従事者への先行接種が開始されました。その後、65歳以上の高齢者への接種が、市区町村単位で始まり、対象者が順次拡大されていくことになります。今までに行ったことのない国家的プロジェクトで、多くの困難が予想され、国と自治体がしっかり連携し、円滑に実施されることが重要だと思います。このワクチン接種ですが、昨年公明党の強い後押しにより、開発が先行している外国産のワクチン確保に向けた政府への要望を行った結果であるということを付け加えておきます。国においても、ワクチン接種に向けた体制を整備するため、第3次補正予算に5,736億円が計上されたところでございます。このことを受け、ワクチン接種が円滑に行えるよう、全国の公明党地方議員が、国や都道府県や市区町村の行政に対し、要望や提言などを集約されたことを踏まえ、質問させていただきます。
まず、2月から接種される順番は、1番目は医療従事者向け先行接種者、2番目は同じく医療従事者向け優先接種者、3番目は65歳以上の高齢者、4番目はその他の人となっております。この接種の優先順位が高い方の人数を新居浜市として把握されているのでしょうか。
把握されているのであれば、接種者は何人になるのでしょうか。
また、新居浜市民に対する今後のワクチン接種の進め方に関して、短期、中期、長期の接種率を含めた進捗目標とスケジュールをお伺いいたします。
ワクチン接種会場の場所についての概要をお伺いいたします。
医療機関のほかに公共施設などを使用されるのでしょうか。
ワクチン接種会場の選定は、医師会との協議などが重要かと思いますが、新居浜市の裁量で決定できるのでしょうか。なぜなら、介護施設の関係者の方からの要望で、デイサービスの利用者間で接種の時期がまちまちになるのは、現場として問題になるので、デイサービス施設内で利用者が接種できる体制はできないかとの声も上がっております。つまり、新居浜市として介護施設等に出向いていくことは可能でしょうか、お伺いいたします。
このワクチン接種についての市民からの相談窓口などは設置されるのでしょうか。また、市民用と医療機関からの問合せ窓口は別に設置されるのでしょうか、お伺いいたします。
三密を避けるために接種を予約制とすることも必要になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
ワクチンの保存機器として必要なディープフリーザーは、新居浜市では何台確保されているのでしょうか。
ワクチン接種に向けた庁内のワクチン接種推進グループが令和3年1月20日に設置されました。グループ長は原特命副市長で、サブリーダーに危機管理統括部長、福祉部長を配し、当面6名体制としての設置となりました。設置から約40日経過していますが、現在の体制はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。原副市長。
○副市長(原一之)(登壇) 新型コロナウイルスワクチン接種についてお答えいたします。
まず、本市における接種の優先順位の高い方の人数についてでございます。
国が示す優先順位順に申し上げますと、医療従事者が約4,700人、65歳以上の高齢者が約3万8,000人、基礎疾患を有する方が約7,500人、高齢者施設従事者が約1,800人、それ以外の16歳以上の方が約5万人で、合計約10万2,000人と想定をしております。
ワクチン接種の進め方につきましては、医療従事者への先行接種を経て、3月中旬から医療従事者の優先接種の開始、その後国からの指示に基づき、4月以降から65歳以上の高齢者、次に基礎疾患のある方と続き、その後に一般市民への接種となる予定でございます。
接種率につきましては、全体として70%と想定し、ワクチンの供給スケジュールが確定していない状況ではございますが、まずは医療従事者及び高齢者の優先接種を確実に実施し、対象の接種順位になったときにスムーズに移行し、漏れなく接種ができるように接種環境を整えてまいります。
ワクチン接種につきましては、本市では個別接種を基本に、集団接種で補完することを方針として、個別接種については、市内の医療機関での接種、集団接種につきましては、市内の体育館等の公共施設や御協力をいただける民間施設でも接種の実施を検討しております。
ワクチン接種会場の選定につきましては、接種会場に新型コロナワクチンの冷蔵施設を有すること、感染症対策が講じられていること、またワクチンの接種状況や在庫状況等を報告できる体制が整っていれば、関係機関と協議しながら市が決定することになります。
また、高齢者施設の入所者、利用者、また病院に入院されている方につきましては、それぞれの施設等での接種が可能となるよう、接種体制を調整する予定でございます。
市民からの各種相談には、コールセンターを開設し、対応することとしており、3月15日より稼働予定でございます。
また、ワクチン接種は、個別接種、集団接種ともに予約制とし、コールセンターにおいて予約の受付をいたします。
さらに、スマートフォン等を活用したLINEでの予約も可能となるよう、順次システムを整える予定でございます。
なお、医療機関からの問合せについては、接種予約の確認も含め、コールセンターではなく、本市のワクチン接種推進グループで対応いたします。
ディープフリーザーにつきましては、本市では国からの配分台数は8台の予定であり、2月に1台が配置されており、6月までに順次納入される予定でございます。
次に、ワクチン接種推進グループの体制につきましては、私をチームリーダーとして1月20日に設置し、現在、私を除いて8名体制で取り組んでおります。
また、担当事務を各種契約、補助金申請や広報などの接種事務と接種の方法や調整などを行う接種体制事務の2つに分け、情報収集や関係機関との協議などを行っております。
今後につきましては、膨大な作業となりますことから、さらに庁内全体での協力体制を取りながら取り組んでまいります。
○議長(永易英寿) 藤原雅彦議員。
○19番(藤原雅彦)(登壇) コロナワクチン接種が、収束される唯一の希望となっております。
また、今まで我々がかつて経験したことのない国家的プロジェクトでもあります。このことから、新居浜市民の胸のうちには、期待や不安が様々な思いが交差していると思います。少しでも不安を取り除くために、素早く正確に情報を分かりやすく発信することが重要と考えます。このコロナワクチンの接種の周知に努めていただくことを要望いたします。
5番目、健康寿命の延伸についてお伺いいたします。
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる時代と言われている2025年問題があります。今後10年間ほどで日本の人口は、15歳から64歳の生産年齢人口が7,000万人ほどまでに減少することが予想されています。その一方で、全人口に占める高齢者の割合は増加してきており、2025年には75歳以上の高齢者の割合が全人口の18%以上、65歳以上の高齢者の割合は30%を超えると言われております。
また、世界の国々においても、今まで経験したことのない超高齢化社会に直面してきており、加えて高齢世帯の約7割が独り暮らしもしくは高齢者の夫婦のみの世帯になることも見込まれています。各家庭でも自分や両親の老後について家族と話し合う機会が増えてくるのではないでしょうか。今後の超高齢化社会に向かう中で、安全、安心な老後を送っていただくために高齢者福祉をどのように充実させるのか、元気で笑顔で健康でということが大きな課題になってきており、それらに係る支援が必要になるのではないかと考えます。団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、医療、介護、予防、住まい、生活支援の5つのサービスを一体的に提供して、支援が必要な高齢者の住み慣れた地域における生活を支援する地域包括ケアシステムが新居浜市においても取組が開始されております。この地域包括ケアシステムに基づいて具体的な事柄をお聞きいたします。
まず、新居浜市における65歳以上の人数と高齢化率、75歳以上の人数と高齢者に占める75歳以上の割合についてお伺いいたします。
また、今後の推計がどのようになるのか、お伺いいたします。
近年、厚生労働省より長い人生をいつまでも元気で過ごすためには、健康寿命を延ばすことが必要であるとの見解を示しています。この健康寿命を延ばすために、高齢者、市民の方々に対してどのような普及啓発を行っているのか、お伺いいたします。
高齢者については、年齢を重ねるほど抱える疾患が増え、身体機能の低下が避けられません。少しでも自立した日常生活が送れるように健康づくりを進めていくことが大事になってくるのではないかと思います。そのためにも、介護予防の重要性が増すと考えられます。現在、新居浜市では、介護予防に向けてどのような取組をされているのか、お伺いいたします。
次に、健康で自立した生活を送っていく中で、地域社会との関わりも健康寿命にとって大事な要因の一つになります。地域の集まりに参加したり、買物や旅行をしたり、趣味のサークルに打ち込んだり、外へ出て人と会い、会話を楽しむ、身体を動かすといった、そういった一連の行動が、心身機能の向上につながると言われております。
新居浜市として、そういった高齢者が集う場に対してどのような認識をお持ちでしょうか、お伺いいたします。
高齢者になると、大体独り暮らしの方が多くなります。身体機能低下に伴い、日常の生活面が少しずつ困難になってきます。そうしたとき、日常生活における生活支援について、高齢者に対して新居浜市が独自に行っている生活支援サービスにはどのようなものがあるのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 健康寿命の延伸についてお答えいたします。
新居浜市における令和2年9月末日の65歳以上の人数は3万7,994人で、高齢化率は約32.2%、75歳以上の人数は1万9,957人で、高齢者に占める割合は約52.5%でございます。
高齢者人口は、令和元年をピークに減少に転じておりますが、総人口が減少するため、高齢化率は引き続き増加傾向が続くものと考えられます。75歳以上の後期高齢者につきましては、令和9年まで増加傾向で推移し、その後減少に転じる見込みとなっておりますが、高齢者に占める後期高齢者の割合については、令和9年以降もしばらくの間、増加すると推計されております。
次に、健康寿命を延ばすための普及啓発についてでございます。
令和元年度に策定いたしました第2次元気プラン新居浜21後期計画において、生活習慣病の発症や重症化予防、健康を支える環境づくり等への市民一人一人の取組を掲げるほか、各種健康づくり関連事業及び健康都市づくり推進員や食生活改善推進員等の活動を通して、普及啓発に努めております。
高齢者の介護予防につきましては、自助能力を高める学びの場としての元気もりもり教室や自治会館等を活用した健康長寿地域拠点づくり事業等に取り組んでおります。高齢者が集う場につきましては、重要性を認識しており、地域の高齢者がお世話人となって、現在98か所の拠点においてにいはまげんき体操介護予防編PPK体操をはじめ、様々な取組を展開しております。その運営につきましては、市が委託しております事業所の職員を派遣し、継続的なサポートを行っております。
また、開設場所といたしまして、自治会館を活用していただいておりますが、その活用が難しい地域もございますことから、自治会館以外の開設場所について検討をしているところでございます。
新居浜市が独自に行っております生活支援サービスにつきましては、介護保険サービスと同等のホームヘルパーにより生活支援を行う訪問型サービス事業、デイサービスにより機能訓練等を行う通所型サービス事業に加え、専門職が短期集中的に訪問して生活改善を支援する生活いきいき訪問を実施しております。今後ますます高齢化は進んでまいりますが、何歳になっても健康で生き生きと暮らせる社会を目指して、引き続き様々な政策に取り組んでまいります。
○議長(永易英寿) この際、暫時休憩いたします。
  午後 1時56分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
  午後 2時08分再開
○議長(永易英寿) 休憩前に引き続き会議を開きます。
藤原雅彦議員。
○19番(藤原雅彦)(登壇) 先ほど地域課題の解決に向けた地域運営組織について質問をいたしました。
今後、地域課題の大きな柱になるのが、この高齢化問題ではないでしょうか。地域のことは地域でと言われますが、地域としては、ますます先ほど言った高齢化が比重を占めてくると思います。具体的には、自治会の役はどうしようかとか、行事をやってもなかなか出てこないとか、そういった形で地域の課題が高齢化になると私は思います。このことから、高齢者の住み慣れた地域における生活を支援する地域包括ケアシステムと地域課題解決を目指す地域運営組織とがリンクしていくような組織の構築に取り組んでいただきたいことを要望いたします。
6番目、摂食障害対策についてお伺いいたします。
昨年2月の衆議院予算委員会で、当時石田祝稔政務調査会長が、当事者団体の声を踏まえ、摂食障害対策に関して国会の場で質問をしました。このことを受け、公明党として、摂食障害対策プロジェクトチームを立ち上げ、拒食症や過食症など精神的な苦痛から正常な食行動を長期間行えない摂食障害に関する対策の検討に入りました。
この摂食障害は、神経性痩せ症いわゆる拒食症と神経性過食症に大別されており、生物学的、心理・社会的な要因が複雑に絡み合って発症すると言われています。また、回復までは平均5年かかり、精神疾患の中で致死率が最も高いと言われています。
拒食症は、食事を極端に取らず、健康を損なうほどの体重減少を生じる状況になります。体力や筋力の低下、骨粗鬆症に加え、女性は無月経になるなど、体に様々な支障を来すようです。発症年齢は10代に多いということです。
過食症につきましては、一度に大量の食べ物を胃に詰め込みたいとの衝動に襲われ、制御できない状態であり、食後、激しい自己嫌悪に陥り、嘔吐や下剤乱用といった代償行動を伴うことが多いようです。これらは20代に多いと言われています。摂食障害は、ダイエットの延長とか、ただのわがままという誤解もあり、正しく認識されていないため、医療機関につながることができず、苦しんでいる患者とその家族が存在していることが考えられます。
若い女性に患者が多いと言われる摂食障害ですが、平成29年厚生労働省調査によりますと、全国で22万3,259名おられます。愛媛県には3,873名おられ、そのうち入院患者数は189人、外来患者数が3,684名いるとされております。この厚生労働省の調査において、新居浜市で摂食障害を発症して苦しんでいる方は何人おられるのでしょうか、お伺いいたします。
摂食障害に関する支援活動を行っている愛媛県摂食障害支援機構の役員の方の話によると、同機構の代表自らが高校生で発症し、長年拒食症と過食症に苦しんだ壮絶な経験から、摂食障害が疑われる子には一言声をかけてほしいと、心遣いの一言が相手の孤立感を和らげることができると言っておりました。摂食障害につきましては、早い段階で気づくことにより、早期回復にもつながりますし、重症化を防ぐこともできます。学校や職場、自治体、その他広く地域においても正しく知り、患者本人やその家族を理解し、支援していくことが大切であると言われております。そのためにもこの摂食障害を正しく広く知っていただくため、周知啓発活動が重要と考えますが、新居浜市としての御所見をお伺いいたします。
また、若い女性のみならず、小学生から中高生まで誰もがかかり得る疾患であります。この年齢は、受験や就職活動など、人生の節目となる大変重要な時期であります。早期に適切な対処を行うためには、生徒の状況を的確に把握され、学校と医療のよりよい連携を図っていただき、さらに教職員に適切な知識を持ってもらうための研修等も必要かと考えますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 摂食障害対策についてお答えいたします。
摂食障害は、早期発見が重要でありますことから、学校で行う健康診断により、身長や体重の数値等を用いた成長曲線を基に、専門医による精密検査の対象者を抽出して受診勧奨をするなど、医学的対応が必要な病気や進行性の肥満、痩せなどの早期発見に努めております。近年は、児童生徒を取り巻く環境が多様化、複雑化しておりますことから、日頃からの健康相談、保健指導はもとより、養護教諭、学校医、スクールカウンセラー等の専門職につなぐなど、組織的な対応が必要であると考えております。
今後におきましても、保健センター主催の若年者メンタルヘルス講演会を案内したり、摂食障害に対する教職員向けの研修を行ったりするなど、児童生徒の健全な育成に資するよう努めてまいります。
○議長(永易英寿) 藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 摂食障害についてお答えいたします。
まず、発症人数でございますが、新居浜市と西条市の二次医療圏域での調査結果によりますと、平成29年度の両市合わせての患者数は860人、そのうち入院患者数は86人、外来患者数774人となっております。
藤原議員さん御指摘のとおり、摂食障害は様々な要因から生じる心理的背景があり、生命に関わる深刻なこともあることから、早期に気づき、適切な対応ができることが重要になってまいります。
このため本市におきましては、保健師が個別に相談を行い、必要に応じて精神科医師や臨床心理士の心の相談や医療機関の受診を勧めるなどの対応をいたしております。
また、若い世代に多く発症することから、毎年高校3年生を対象に配布している、独り立ちサポートブックの中にも摂食障害について記載し、周知啓発を図っております。
今後も市民への摂食障害についての正しい知識の周知啓発に努めてまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 藤原雅彦議員。
○19番(藤原雅彦)(登壇) この摂食障害は、周囲から認知されにくい障害です。そのためにも患者、家族も支援する必要があると言われております。患者への理解を深める啓発が重要だと考えます。特に若年層の女性に多い摂食障害への理解を促進し、適切な支援を提供する体制づくりを要望いたします。
7番目、行政手続における押印廃止についてお伺いいたします。
国の押印見直しに係る取組の状況については、今般の新型コロナウイルス感染症への対応として、可能な限り人と人との接触を減少させるため、テレワーク、リモートワークが推奨されましたが、書面主義、押印原則、対面主義が阻害要因となっているとの指摘を経済団体等から受けました。
このような状況を踏まえ、令和2年5月に開催された規制改革推進会議において、見直しの考えを示した上で、各省庁に対応を求める方針が示されました。
また、7月には、経済財政運営と改革の基本方針2020(骨太の方針2020)においても、書面、押印、対面を前提とした我が国の制度慣行を見直し、実際に足を運ばなくても手続できるリモート社会の実現に取り組むため、全ての行政手続を対象に見直しを行い、原則として書面、押印、対面を不要とし、デジタルで完結できるよう見直すこととされました。その後、河野太郎行革担当大臣の就任によりスピード感を持った見直しがなされた結果、1万4,992手続のうち、99.4%に当たる1万4,909手続について押印廃止の決定または廃止の方向で検討することとなり、残りは83手続になったようです。2月16日から行われている確定申告でも原則押印廃止となっております。このような国の動きに遅れることなく新居浜市においても行政手続における押印廃止は、今後のデジタル社会を踏まえ、取り組むべき課題と思われます。昨年12月には、内閣府から地方公共団体向けの押印見直しマニュアルが策定されております。
そこで、新居浜市の行政手続における押印廃止に対する見解と取組状況についてお伺いいたします。
また、具体的な手続数や廃止ができる数も分かれば教えてください。よろしくお願いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。赤尾総務部長。
○総務部長(赤尾禎司)(登壇) 行政手続における押印廃止についてお答えいたします。
まず、押印廃止に対する見解と取組状況についてでございます。
押印廃止により行政手続における市民や事業者の負担が軽減されるほか、将来的には、行政手続のデジタル化を推進していく上での環境整備の一つになるものと認識しております。
このようなことから、本市におきましても、認め印を原則廃止とする行政手続等における押印見直し方針を策定し、本年4月1日からの実施に向け、現在規則や要綱の改正等準備を行っているところでございます。
次に、具体的な見直し内容についてでございます。
2月末現在で対象となる申請書等が2,440件のうち、押印廃止予定が2,073件でございます。内訳といたしましては、市の規則や要綱等に基づくものが1,580件のうち、廃止予定が1,414件、国や県の法令等に基づくものが860件のうち、廃止予定が659件となっております。
今後におきましては、残りの申請書等について、国や県の押印廃止に係る動向を注視していくとともに、庁内においては、引き続き押印廃止の可能性について関係課所と協議してまいります。
○議長(永易英寿) 再質問はありませんか。藤原雅彦議員。
○19番(藤原雅彦)(登壇) 押印廃止と書面主義の見直しについては、国の動きを敏感に察知して、何よりも住民サービスの向上に向けて、石川市長のリーダーシップの下、早急な洗い出しと対応を期待、要望し、質問を終わります。
○議長(永易英寿) 神野恭多議員。
○8番(神野恭多)(登壇) 新居浜の未来を考える会の神野です。いつもの3番手です。お疲れとは思いますが、分かりやすい御答弁をよろしくお願いいたします。
質問の前に、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、命をかけて懸命に職務に従事していただいております医療従事者の皆様、介護関係者の皆様、市役所職員の皆様を含む全てのエッセンシャルワーカーの方々に、改めて敬意と感謝を申し上げます。
それでは、通告に従いまして、会派代表質問を行います。
今議会の初日、令和3年度の新居浜市の向かうべき大きな方向性を石川市長より施政方針という形でお聞かせいただきました。2期8年でまいた種が、3期目を迎えるに当たり、すばらしい果実となり、新居浜市の明るい未来に希望を感じさせていただきました。
さらに市長は、中国春秋時代に斉の桓公を支え、国の礎をつくった管仲の言葉を引用され、新居浜市の未来を切り開いていかれるとのことでしたが、宰相になる際に政敵であった管仲を推挙した鮑叔との友情を表した「管鮑の交わり」という言葉があります。両氏は、たとえ立場が変わっても壊れることのない友情の話に由来する見事な信頼関係の話でありますが、市長を含め我々政治家が心にとどめて置かなければならない珠玉の言葉であります。市政を推進して上で、なくてはならないものの一つとして、この信頼関係がありますが、市民との関係はもとより、本市のさらなる発展を目指す志を同じくし得る人々との関係構築、いわゆるチーム新居浜の輪を広げていただくことに御期待をいたしております。
しかしながら、熱い思いとは裏腹に、本市を取り巻く現状は、コロナ禍を含め、さらに内憂外患の様相であります。
そのような中、令和3年度を時代の大きな変革期の重要な1年とされ、100年後への着実な一歩を踏み出される決意を感じ取りました。
着実な一歩を踏み出すには、ウイズコロナ・アフターコロナ社会を見据える必要がありますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、これまでの価値観を変えていかなければならない状況となりました。日常生活にも多くの支障が出ているほか、あらゆる事業者が大きな影響を受け、ウイルスとの闘いを強いられていることは、言うまでもありません。ここで感じるのは、同時性についてです。どこか遠くの出来事や局地的な災害ではなく、世界が同時にこの脅威に直面しています。それぞれが対策を講じてはいますが、正解はまだありません。同時並列的に世界がウイズコロナ、アフターコロナの社会へと進んでいきます。このことは、これまでの価値観や暮らし方が世界中でいや応なしに一気に変わっていくということでもあります。この状況下、首都圏への一極集中という日本のシステム自体の在り方の見直しが進み、これまで再三指摘されながらも進まなかった情報通信技術の発展、いわゆるICT化、オンライン化やキャッシュレス化などの非接触型の手段が、様々な分野で急速に進んでいくことは、皮肉と言わざるを得ません。先日、我々新居浜の未来を考える会のメンバー4人で参加する中村愛媛県知事主催のLS・21において、サイボウズ株式会社の青野社長より、アフターコロナを見据えた情報共有が拓く未来と題した講演をオンラインにて受講いたしました。サイボウズでは、新しいワークスタイルを積極的に試み、100人いれば100通りの働き方を創出されています。全てにおいて従来の価値観では計り知れないものであり、その中において価値観を決して押しつけない形にいたく感銘を受けました。
時代の大きな変革において、デジタル社会の実現が非常に大きな役割を担うことは言うまでもありませんが、デジタルトランスフォーメーションの巧拙が今後の明暗を大きく分けると考えます。制度、ツール、風土、そしてそれを使う人により成り立つものであり、そのどれか一つでも欠けると成り立たないものであります。この中で風土の醸成が今後の鍵を握ると考えますので、お伺いいたします。
しっかりとした制度をつくり、クラウドやセキュリティー、ICT、IoTなどの導入を進めても、それを使う人の環境、すなわち風土が伴わなければ、DXは成り立たないのではと考えます。青野社長は、講演の中で、石垣をつくるように個性を生かすという言葉を使われました。理想への共感や個性を重視し、オープンな信頼関係の下、自立心を引き出し、議論によって進歩を生み出す、このような風土づくりに取り組むためには、価値観を押し付け合わず、部局にとらわれない市役所全体での風土の醸成が必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。
さらには、デジタル技術を活用した新しい働き方を官民の力を合わせて実現していく上で、デジタル化を徹底して進めていくためには、サテライトオフィスやリモートワークの呼び込みと同様、通信環境の整備やタブレット、スマートフォンなどの導入など、働く側の環境と使う側の環境づくりを同時に整えていく必要がありますが、本市におかれましては、こうした環境をベースとして、デジタル技術を活用した新しい働き方を模索していただき、市役所内の行政運営はもちろんですが、将来的に市民サービスの向上にもつながっていく新居浜方式のスマート庁舎への転換を国に先駆けつつ、ぜひ実現してほしいと思います。
そこでお伺いいたします。
庁舎内における新しい働き方のスタイルを確立するため、デジタル技術を活用した環境整備をどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 新居浜の未来を考える会代表の神野議員さんの御質問にお答えをいたします。
施政方針についてでございます。
神野議員さん御案内のとおり、デジタルトランスフォーメーションを進めていく環境づくりのためには、これまでに得た価値観や部局などの枠組みにとらわれず、全庁横断的に様々な考え方や最新技術を取り入れる必要があると認識をいたしております。現在、愛媛県においては、県、市町協働によるDX推進体制構築に向け、様々な検討が行われており、現在パブリックコメント中の愛媛県デジタル総合戦略が策定されることにより、県、市町が一丸となった施策の効率的かつスピーディーな展開が可能となると考えております。今後、特命副市長をトップとして、ICT戦略課を中心に、各部局からDXに前向きな考え方や先進的技術の取得を目指す職員によるプロジェクトチームを新年度に設置し、部局を超えた様々なアイデアや取組について、本市のDX施策を進めてまいりたいと考えております。
次に、デジタル技術を活用した環境整備への取組についてでございます。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、テレワークやリモート会議等のオンライン化がデジタル技術の発展に伴い、推進される等、社会環境へのデジタル化が進められております。
本市におきましても、働き方改革への対応として、テレワーク環境を整備し、本年2月からテレワーク勤務を試行しており、今後は本格的な実施に向けて、文書管理・電子決裁システムの導入のほか、ペーパーレス会議や押印の廃止についても実施することとしております。
また、リモート会議などのオンライン化を進めるため、庁内のWiFi環境や各課へのタブレット端末の整備も併せて進めているところでございます。
さらには、最新のデジタル技術を活用し、業務の見直しを行い、勤怠管理システムなどの内部事務の最適化を進めてまいりたいと考えております。
今後におきましても、これらを活用した行政サービスオンライン化についても検討を重ね、市民の皆様にとってより質の高いサービスを提供できるよう取り組んでまいります。
○議長(永易英寿) 神野恭多議員。
○8番(神野恭多)(登壇) ありがとうございます。新年度にプロジェクトチームを立ち上げるということで、従来のトップダウン型の、言葉が悪いかもしれませんが、支配的なヒエラルキーではない、必要に応じた自然なヒエラルキーを持ったティール組織での構築を期待したいと思います。
次に、新型コロナウイルス禍からの反転攻勢についてお伺いいたします。
ワクチンの入手時期が少しずつ明確化し、アフターコロナの光が見え出し始めた現状において、傷んだ部分をどのように和らげていくか、そして新しい成長戦略をどのように描いていくか、ウイズコロナの中で反転攻勢をかけていくことが求められています。コロナウイルスの感染が終息したとしても、一度変わり始めた価値観から、また以前の考え方にそのまま戻ることはないと考えます。なぜなら、今後も新たなウイルスが発生する可能性は否定できず、今の社会の在り方自体がリスクだと考えるからです。密集して暮らすより安全性、快適性の高い地方へという価値観が生まれました。国土の3%の面積を占めるにすぎない東京圏に、国内全人口の約30%が集中していること自体が密であり、私たち地方に生きる人間は、このリスクを指摘し、偏在を是正していかなければなりません。
しかしながら、常に首都圏から見た地方の一つとして、ここでも地域間競争が始まります。交通面では、首都圏から離れ、利便性が高くない中で何が売りになるのか、ほかの地域とは差別化できるものは何かを見いだす必要があります。ここで主張できるのは、地方には従来から物理的に人と人との距離が適度にあり、豊かな自然があるということで、これはコロナ前もコロナ後も変わらないということです。本来豊かなはずの地方を軽視し、日本は経済の発展とともに首都圏を目指して密集し、首都圏から見た地方として、一方的な消費を繰り返してきました。これからの地方のあるべき姿とは、首都圏から見た田園都市ではなく、デジタルが可能性を開くデジタル地方都市であると考えます。地方イコール田舎というステレオタイプな考えを捨て、地方から首都圏を眺め、どう豊かな世界を実現していくか、地方と首都圏とが対等な世界がもとよりあるはずだと感じます。
そこで、反転攻勢に臨むに当たり、その前提となる安心、安全な医療体制とコロナ収束を鑑みて、新型コロナウイルスワクチン接種について伺う予定でしたが、前のお二人が同様な質問をされたため、ワクチンに対しての都市伝説的な不安を少しでも解消し、少しでも多くの市民の方がワクチン接種に前向きになれるような取組を要望し、質問を割愛させていただきます。
次に、事業者支援における反転攻勢に向けては感染が落ち着いた安全な状況を維持しつつ、ウイズコロナの中での地域経済の活性化が必要です。これまでも本市では、コロナ禍での疲弊した事業者に対し、様々な支援が行われてまいりました。今年に入り1月7日、地域を限定した緊急事態宣言が発出されました。緊急事態宣言の柱が飲食店などに対する営業時間短縮の要請となっていたことに加え、マスコミによる極端な報道が、飲食店イコール危険といった思想を生み出しました。その結果として、本市の飲食店やそれに付随する事業者は、大きなダメージを被りました。これらを含めた経済活動の回復を目的とし、今議会の初日に補正予算が可決されました。この中には、新居浜市地域商品券発行事業費が含まれており、今後の使用方法や販売方法についてお伺いいたします。
既に発行しております他市の事例では、販売に際して購入上限を設定していたにもかかわらず、一部の方の買占めにより、本当に必要な方が購入できない事態が発生したと伺っております。中には事業者自らが大量に購入し、使用されたものとして換金されたお話も伺いました。
そこでお伺いいたします。
このような事態を避けるために、商品券の販売店舗にある程度のルールや管理方法を設定する必要があると感じますが、お考え、販売要綱等ありましたら、お示しください。
さらには、今後本市での感染拡大を危惧する事態となった際、飲食店でチケットを使用する場合の人数制限や使用時間、さらには使用停止など、本市の判断である程度コントロールできる体制の必要があると感じますが、お考えをお伺いいたします。
また、反転攻勢に向けて人材の確保及び販路、売上げの確保が重要になってくるのではないかと考えます。人材の確保として、既に取り組まれている働き方の改革と地域単位の人材マッチングに向けた支援や中小企業のリモートワーク環境整備や人事制度の見直しに向けた支援、これらを通じて本市における反転攻勢に適応した働き方の実現を推進していくことが求められます。
また、販路、売上げの確保として、地域の中小企業のオンライン・非対面型サービス導入に向けた支援を行い、併せて共通の課題を抱える事業者間の連携を後押しし、平時には進みにくい地域内の企業間連携を促進していくことや市内企業の情報発信を媒体提供等によりサポートしていくことが求められると考えます。これらのリモートワーク対応、多様な働き手、働き方の受入れ、ビジネスのオンライン化といった取組は、以前から必要性が認識されていたものであり、コロナがもたらした急速な社会変動は、これらの取組への対応を事業者及び地域へ前倒しで要請していると言えます。この変化を捉え、適応していくことが、反転攻勢に向けた企業経営と地域の持続可能性につながると考えますが、本市の事業支援の考え方をお示しください。確認の意味でお伺いいたします。
さらには、経営に深刻な打撃を受けている市内事業者の資金需要への対応など、経営状況に応じた息の長いきめ細やかな支援が必要と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせください。
次に、事業者支援と同じく観光振興での反転攻勢についてですが、観光業は、世界的に大きな打撃を受けており、現在停止中のGoToトラベルは、一定の効果をもたらしました。GoToトラベルでは、個人旅行向けに単価を高く維持できるホテルや旅館に比べ、出張などビジネスユースのホテルでは、移動に制限がかかり、出張機会が減っている現状では、非常に経営が厳しいと聞きます。宴会や歓送迎会などの減少によるダメージも大きい中、テレワークの活用に加えて、リモート宴会といった新しいアイデアにより、この苦境を乗り切ろうとしているとの声も聞きましたが、コロナ禍で元の売上げや観光客数を確保するのは、極めて困難であると言えます。
このような中、マイクロツーリズムは、ウイズコロナの中で、近隣を楽しむという観点で、安心、安全な観光の実施を支えるものであり、インバウンド客が今の段階では見込めない中、地域経済を支えていくものであると考えます。実際にリーガに修学旅行のバスが入る姿を見て、新しい可能性を感じることができました。
また、県が取り組まれた愛媛県民が愛媛の中を楽しむ、また近県同士で交流を図るという観点では、クーポン券の発行は大きな推進力になったと考えます。今後、クーポン券に頼るだけでなく、繰り返し訪れる、いろいろな人と訪れるという観点では、地域事業者の育成や広報展開などを継続的に支援することが、市民へのさらなる誘客促進につながるものと考えます。
そこで、まずはマイクロツーリズムの推進など、新たに観光振興にどのように取り組むのか、お伺いいたします。
加えて、反転攻勢を想定し、先駆けた施策展開が必要になると感じています。アフターコロナの世界では、感染症対策をはじめ、安心、安全のための対策を講じているか否かによって、観光地を選択する時代に入っていると言われており、これにより、個々に拠点を持ちながらライフスタイルに応じた多様な長期滞在型が定着してくるのではないかと考えます。それを想定した上で着手を急ぐべきなのは、連泊割引などによる長期滞在への誘導、拠点となる滞在先の通信環境整備、長期滞在に対応した泊食分離の普及支援の3つであると考えます。例えば、今までは1泊2日の短期型が主流でしたが、休暇とリモートワークを組み合わせることで、1週間を超える観光地の滞在も可能になります。そこで重要なのが、ワーケーションが可能な観光地であるかどうかということになります。このほかにもコロナ禍で醸成された、今までとは異なる価値観やニーズを捉えた的確な施策が必要になってくると考えますが、当市の長期滞在型観光の推進について御所見をお聞かせください。
次に、長期滞在型観光から移住促進に向けた反転攻勢についてお伺いいたします。
新型コロナウイルスは、人の移動にも大きな影響を与えました。2020年3月まで首都圏への人口流入は、非常に高い水準で推移していましたが、4月以降は一転、昨年に比べて大幅に落ち込み、ついに7月には、転出超過を記録しております。これは、コロナ禍によって景気が下振れし、とりわけ東京において仕事を得ることが難しくなり、都心部に向けた人の流れが滞っているからです。景気の低迷が長期化すれば、都心では、就業を求める若い世代の意向と新規採用を抑える企業の動きにミスマッチが生じ、地方にとどまらざるを得ない若い世代が増えます。
また、コロナの感染拡大の結果として、新しい生活様式や働き方が定着しつつあり、その代表格がリモートワークであると言えます。リモートワークが拡大することによって、居住地選択の自由度が高まり、例えば新居浜市で暮らしながら、東京の企業に就職するというライフスタイルも選択肢の一つになり得ます。既に首都圏を中心に、人と人との接触を避けるため、リモートワークなど、デジタル技術を活用した在宅勤務の利用など、これまでの勤務形態の変化を余儀なくされており、多くの企業で在宅勤務への切替えなどが進んでいます。感染状況が比較的落ち着いている地方においては、サテライトオフィスの誘致やリモートワークの推進に本格的に取り組むべきタイミングが来たと言えます。首都圏企業に勤める友人からは、リモートワークをする部屋がないので、ベランダやトイレ、車の中で仕事をしているといった声を聞きました。車や自転車で移動ができ、自然の中で息抜きができる本市と比べると、正直大変な環境だと感じてしまいます。彼ら自身も相当なストレスを抱えていると思いますが、迷惑をかけそうなので、地方に気軽には行けないという本音も聞かれます。法的には、移動が制限されていない中でも、自由な移動がしにくくなっている状況下にあります。これまでも地方への企業誘致や本社機能の分散化については、繰り返し議論されてきました。
しかしながら、今ほど具体的に各企業がそれらを検討する状況になったことは、いまだかつてありません。地域にとっては、人や物の新しい流れをつくる大きなチャンスでもありますし、また地域が抱える課題を首都圏の企業や人材が有する機能や能力を使って解決していくチャンスでもあります。日本総合研究所の調査によると、東京圏に拠点を置く事業者の従業員のうち、およそ389万人の方が地方への移住を検討されているということです。
しかし、この需要は、全国的なものであり、その中で選ばれる町になるにはどうしたらよいか、今後の施策展開が肝要になってくると考えますが、本市の御所見をお伺いいたします。
次に、移住促進にも関わり合いの深い子育て支援における反転攻勢についてお伺いいたします。
本市では、18歳以下の子供の医療費の無料化に向けて取り組まれており、四国一子育てにやさしいまちの実現に大きな一歩となりました。四国一子育てにやさしいまちとなれば、すなわち、四国一子育て支援に手厚い新居浜市となります。先ほども申しましたように、子育て支援は移住促進に大きく関わり、子育て世代の方は、移住検討において、それぞれの自治体の支援状況を重要視します。移住者のためではなく、現在本市で子育てをされる保護者の方が安心して子供を産み育てることができる環境の整備が、結果として、移住促進や出生率の上昇へとつながり、さらには、本市の未来へとつながっていきます。コロナ禍において働き方の在り方が変化することは、先ほども述べましたが、社会の仕組みや在り方が変化する中において、子育て支援の分野でも同じであると考えます。
そこでお伺いいたします。
コロナ禍における子育て支援において、保護者の抱える悩みなどに変化があったのか、分析等されていれば、お伺いいたします。
加えて、保育所は、親が就労等で保育に欠ける子供を預かるという旧来型の保育観から、支援の必要性についての認識へと移行する必要があると考えますが、御所見をお示しください。
次に、学校教育の充実による反転攻勢についてお伺いいたします。
学校教育は、アフターコロナにおいて様々な予測がされています。当たり前ですが、終息後も以前と同じ内容には戻らず、オンライン授業のメリットを取り入れた学習を継続していくとあります。病気やけが、心の問題、予期せぬ災害など、様々な理由で登校できない場合も、自宅や学校外から学ぶことができるという保障につながることが大きな要因であることは、御案内のとおりであります。
オンラインとオフラインのハイブリッドの授業の在り方は、新たな教育技術として、前向きに検討していくべき課題と言えるのではないかと考えます。もちろんステップを踏んで進めていくことが重要であることは、認識いたしております。ある新聞には、同時双方向のオンライン授業では、ウェブ会議システムを使いながら、様々なツールを使い分けることが求められる。全教員がオンライン授業に取り組むためには、最初からそこを目指すのではなく、ステップを踏んで進めていくほうが成功しやすいのではないかとあり、6つの項目が段階的に示されていました。プログラミング教育も始まっており、教員の方々の負担を軽減するためにも、早期の指針決定が求められると考えます。
そこでお伺いいたします。
今後、タブレットの導入が進み、将来的に持ち帰ることを前提に、学校で様々な模擬授業や導入準備を行うと考えますが、現在想定されているタブレットにインストール予定のアプリケーションをお示しください。
また、西予市では、保護者アンケートにより、自宅におけるWiFi環境の調査を行い、未整備の家庭に対してルーターを貸し出されるとお伺いいたしました。本市に導入されている中学生向けのタブレットは、LTE対応と伺っておりますので、必要はないかもしれませんが、小学生を含めた今後の対応をどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 新型コロナウイルス禍からの反転攻勢についてお答えいたします。
学校教育の充実についてでございます。
まず、今年度整備しましたタブレット端末にインストールされているアプリケーションソフトについてでございます。
主なソフトとしましては、授業支援ソフトのロイロノート・スクール、ドリル教材のタブレットドリルを導入しております。
また、グーグルの標準ソフトやiPadの標準ソフトを活用することとしており、さらに同時双方向のオンライン授業に活用できるウェブ会議システムのZoomやMeetが使用できる環境を完備いたしております。
次に、WiFi環境が未整備の家庭に対する本市の対応についてでございます。
各家庭の通信環境は、WiFi環境が整っている家庭でも、契約内容により多種多様であるため、想定どおりの使い方がタブレット端末で行えるか不確定であると考えております。特に中学生が使用するChromebookは、ネットワーク接続が必須であることから、LTE通信の整備を行っております。
また、小学生が使用するiPadにつきましても、導入業者によるプロポーザルの提案により、LTE通信を使用することができるようになっております。
持ち帰り学習につきましては、今回整備したLTE環境を活用し、全ての子供たちが公平な環境で学習できること、家庭のWiFi環境を活用させていただくことなどについて、令和3年度中に運用方法の検討を行いたいと考えております。
○議長(永易英寿) 加藤副市長。
○副市長(加藤龍彦)(登壇) 事業者支援についてお答えいたします。
まず、商品券発行事業につきましては、販売要綱などは、今後作成する予定でございますが、ほかの市町では、全世帯へ引換券を送付し、その引換券を持って販売店舗で商品券を購入していただく事例もあると伺っておりますので、今後感染症対策も含めた総合的な販売マニュアルを作成する中で、販売店舗のルールや管理方法についても設定してまいりたいと考えております。
また、昨日をもって愛媛県の特別警戒期間が解除されましたが、今後感染症拡大が危惧される事態になった場合には、さきの愛媛県の特別警戒期間中に実施いたしました多人数及び長時間での会食の制限要請やGoToイート飲食券の販売停止などの措置を参考に、感染症の拡大状況に鑑み、市として適切な措置を講じる必要があるものと考えております。
次に、コロナがもたらした急速な社会変化における事業者支援の考え方につきましては、私たちを取り巻く社会環境は大きく変化しており、リモートワークなどの新しい働き方が広がり、日本社会が大きな転換期を迎えております。
そのような中、本年2月17日にリーガロイヤルホテル新居浜において、働き方改革推進企業認定式を開催し、積極的に働き方改革に取り組む市内16事業者を認定させていただきました。認定企業におきましては、現状の取組から具体的な目標を設定し、在宅勤務、ワーク・ライフ・バランス、仕事と育児の両立、健康経営の取組などを推進しておられます。
本市といたしましても、このような働き方の多様性への支援に加え、非対面型サービスや脱炭素化といった新しい企業経営の在り方への各種支援事業も整備していくことで、新たな社会に対応した事業者支援に努めてまいりたいと考えております。
また、市内事業者の資金需要への対応につきましては、令和2年度の愛媛県新型コロナウイルス感染症対策資金制度における全国統一枠の利用が2月15日現在で約160億円、愛媛県と連携し利子補給を行っている県独自枠が約50億円の保証実績となっております。
また、セーフティーネット保証の証明の緩和、借換えの緩和や融資金額の上限上乗せなど、困っておられる事業者の資金需要に対応しているところであり、今後におきましても、愛媛県をはじめ、各金融機関や愛媛県信用保証協会などと連携しながら、支援を継続してまいりたいと考えております。
次に、観光振興についてでございます。
まず、新たな観光振興にどのように取り組むのかにつきましては、国や県では、GoToトラベルキャンペーンや県内宿泊割引キャンペーンにより国内観光を中心とした施策が展開されております。
本市におきましても、感染縮小期に合わせて、近隣から日帰りでも楽しめるスタンプラリーの実施や松山空港で行っていた観光PR広告を松山市駅での実施に変更するなど、マイクロツーリズムの推進に取り組んでまいりました。
また、アウトドアの需要増加を見込み、ゆらぎの森やマリンパーク新居浜への近隣からの誘客も積極的に進めてまいりました。
さらに現在、VRなどの観光PRツールの制作を進めており、オンライン観光などの実施も可能な環境整備を進めているところでございます。
今後におきましては、感染症の状況に応じて、マイクロツーリズムやオンライン観光等の新たな手法も交えた観光振興に取り組んでまいります。
次に、長期滞在型観光の推進についてでございます。
本市に立地している宿泊施設は、ビジネスホテルが中心であり、各ホテルにおけるWiFi環境の整備や泊食分離は進んでいるものと認識いたしております。
しかしながら、ワーケーションにおいては、自然豊かな場所を希望されることも想定されますことから、その際には、例えばゆらぎの森といったビジネスホテルではない宿泊施設においても、ワーケーションに不可欠な通信環境の整備なども必要であると考えております。
また、ワーケーションについては、テレワークの環境整備やサテライトオフィスの考え方も普及し、需要も増加していくものと考えられますことから、ワーケーションも含めた長期滞在型観光の視点も今後の観光施策の手法の一つとして取り入れてまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) 移住促進についてお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症の拡大は、一人一人の生活に大きな影響を及ぼしており、リモートワークを中心とした場所にとらわれない新たな働き方が認知されることになってまいりました。
このような状況の中、本市におきましても、地方創生臨時交付金を活用し、移住者の住宅取得に対する支援、移住支援住宅へリモートワークに対応するための光ケーブルの引込み、移住希望者へのPR動画制作等により移住促進に努めているところでございます。
また、雑誌AERAでのコロナ時代の移住先ランキングにおきまして、子育てしやすい街、医療体制が充実した街、災害対応や行政サービスが期待できる街での項目で高評価を得て、本市が全国14位、愛媛県内1位に選ばれました。
本市といたしましては、あらゆる機会を捉えて、これらの強みをPRすると同時に、4月には新居浜市生涯活躍のまち拠点施設ワクリエ新居浜がオープンいたしますことから、県外からの新規産業分野における事業参入者を呼び込むためのレンタルオフィスやリモートワーカーがワーキングスペースとして活用できるコワーキングルームなどを活用し、新しい働き方に対応した施設として、リモートワーカーの利用を促進してまいります。
これらの取組を移住支援住宅やお試し移住制度と連携させ、住環境と仕事の環境をセットにしたライフスタイルの提案により、選ばれる町になるよう、これまで以上に移住促進を図ってまいります。
○議長(永易英寿) 藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 子育て支援についてお答えいたします。
市内に開設している8か所の地域子育て支援拠点施設では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、現在は利用者数を制限し、予約制により運営を行っております。昨年11月に施設利用者に対して実施したアンケートによりますと、新型コロナウイルス流行下において子供を連れて楽しめるイベントや出かけ先がなく、ストレスがたまった、自宅で子供と二人きりとなる場面が多くなり寂しい思いをした、育児がうまくいかないときや不安を感じたときに人と会って相談することができず、孤独を感じたなどの声があり、コロナによる行動制限が、子育て中の保護者に対して、より一層の閉塞感、孤独感をもたらしているのではないかと考えております。
次に、保育所の支援の必要性についてでございます。
保育所は、保護者の勤労や病気のため、家庭において十分保育することができない児童を保護者に代わって保育することを目的とする施設でございますことから、保育を必要とする児童でなければ、保育所に入所することはできません。新型コロナウイルス禍においては、テレワークのように会社での勤務ではなく、在宅で勤務をする新しい生活様式に即した様々な就労形態が一般的になってきております。このテレワークにつきましては、仕事を休んで家にいるわけではないため、会社での勤務と同様に、保育が必要であることから、当該家庭の児童は、保育所での保育を実施しております。
また、昨年4月の緊急事態宣言に伴い、市内の保育所等においても登園自粛要請を行いましたが、育児休業から復帰するため、慣らし保育で保育所に入所した児童については、最大17日間の保育期間延長を行ったり、求職活動を理由に保育所に入所した児童については、就労期限を本来の期限の翌月末まで延長いたしております。
今後も本市での感染状況や子育て中の保護者の状況に応じた柔軟な子育て支援を実施してまいります。
○議長(永易英寿) この際、暫時休憩いたします。
  午後 3時04分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
  午後 3時14分再開
○議長(永易英寿) 休憩前に引き続き会議を開きます。
神野恭多議員。
○8番(神野恭多)(登壇) 反転攻勢についてですが、非常に心強い御答弁ありがとうございます。
県が公募されたサテライトオフィスの誘致環境の整備事業を念頭に、独自の5Gネットワークであるローカル5Gを活用した企業誘致に取り組もうとしている事業者の動きがあります。大手通信会社による整備を待たず、地域の事業者が電波免許申請を行い、独自のネットワークを構築できることは、ある意味で自治体や企業ごとに独自の高速道路が引ける、航路を持てるようなものだと感じています。LS・21の勉強会を通じ学んでいるところでありますが、4Gから5Gへ変わるとどうなるのか、ほとんど認識できないし、瞬間が早くなるわけですが、愛媛大学の工学博士小林教授によると、遅延の改善においては、例えばインテルの処理速度で実に瞬間に37億の命令語が実施できるそうであります。こういった進化が劇的な変化をもたらしていきます。通信網を整備した上でどのように活用していくかは、まさに使う側の知恵が求められるところでありますが、5G、ローカル5Gの聖地として新居浜市が県の中でも先進地としてリードしていただければと考えます。ぜひこの活用とPRに努めていただき、本市のサテライトオフィス等誘致支援事業とも連携をしながら進めていただくよう要望をいたします。
さらに、市内企業の状況や意見を的確に、よりスピーディーに取り入れるため、市職員の方の青年会議所や商工会議所青年部への派遣を改めて要望いたします。
学校教育についてですが、各学校で先ほどZoomのほうを取り入れられるというお話がありましたが、有料のZoomのアカウントの取得が必要でないかと感じます。Class for Zoomというものがあり、これは完全に学校向けのサービスですので、調査研究いただきたく思います。
加えて、今後いかにインターネットを駆使できるかどうかといった社会になるので、制限ばかりかけてしまうのではなく、自由に遊ばせるぐらいの気持ちで取り組んでいただきますよう要望いたします。
次に、フリースクールについてお伺いいたします。
先日、愛媛大学子どものこころセンター、松山市にあるフリースクールを6施設訪問させていただきました。所感を申し上げますと、子供に関しては、学校や先生とつながりたくない子が意外と多い。学校に行けない、昼間出歩けないということが自己肯定感を下げ、自己否定につながっていくマイナスループが多いように感じた。視覚や聴覚などに敏感な子は少なくない。ごく普通の環境下でも過ごすことが困難な子もいる。
また、家庭に関しては、両親や祖父母など、家庭内でも学校に対する価値観が違う場合が多い。親は子供を早く外に出そうとするが、悩みを聞き、信頼関係を築くところに至っていない。フリースクールのホームページを見て、金銭面で相談を諦める親が多い。
さらに、施設に関しては、設置目的が、学校復帰と社会復帰というように分かれている。全ての施設において資金集めに苦労している。学校の中に別の教室などの居場所をつくり、登校しやすい環境を学校が整備しても、中には学校自体に拒否反応が出てしまう子も存在するため、別の空間が必要であり、適応指導教室ですら受け付けない子の受皿としてフリースクールがあるのだと感じました。
そもそも学校に行きづらい子やひきこもりについての社会的認知度が足りていないと感じる場面が多く、かつて障害を持たれた方に対してそうであったように、福祉に対する認知度は、隔世の感があります。どの施設においても、設立年が比較的新しく、資金繰りをはじめ、運営が難しく、つくっては消滅するの繰り返しではないかとも感じました。
また、どの施設の方に尋ねても、新居浜市からの問合せはよくあるとのことで、本市における必要性を改めて実感させられました。
貧困やシングルマザーやファザー、精神的な疾患、ひきこもりになるべくしてなってしまう負の連鎖が根本にあるように感じる一方で、福祉や経済のセクションを横断し、根本的支援を行うスクールソーシャルワーカーの重要性の再認識とともに、最終的に働き、自立するという出口戦略までゴールを見据えておくことが重要でありました。
そこでお伺いいたします。
行き詰まった子供たちに対して、学校が現在の適応指導教室のようにフリースクールという選択肢を提示する体制の構築は可能でしょうか、御所見をお伺いいたします。
また、県の当初予算に、フリースクール連携推進事業費が計上されており、今後相談を諦めていた家庭には、非常に大きな一歩になると感じましたが、本市においても、誰一人取り残さないためにも、まずは設立しやすい支援や環境の整備が必要と感じますが、お考えをお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) フリースクールについてお答えいたします。
まず、フリースクールという選択肢を提示する体制の構築が可能かについてでございます。
本市では、不登校児童生徒の学校以外の学習等の支援の場として、適応指導教室あすなろ教室を開設しており、学校復帰や進路実現などを目標として、支援、指導を行っております。
しかしながら、不登校の要因や背景が多様化、複雑化していることから、個に応じた一層の支援、対応を図るため、児童生徒が多様な選択ができるよう、フリースクール等の民間団体との連携を進めていく必要もあると考えており、その体制が構築できるよう、検討を進めてまいります。
次に、フリースクールを設立しやすい支援や環境の整備についてでございます。
フリースクールを新しく設立したり環境を整えたりするためには、財政的、人材的な面での対応が必要となりますことから、現段階では難しい状況でございますが、県が実施しております事業の動向等も注視してまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 神野恭多議員。
○8番(神野恭多)(登壇) まずは、教育長の御答弁に安心させていただきました。
県の当初予算には、不登校児童生徒等支援事業費も計上されており、サポートルームのモデル設置に関して、本市は外れてしまっていますが、準備は進めていただくとともに、経済的支援のところは、しっかりと活用できるように要望いたします。
加えて、将来的に適応指導教室を上部、川東に増やすとともに、フリースクールに対しての認知を進めていただくよう要望いたします。
ほかにもイエナプラン教育や必要に応じてN高やS高を紹介するなど、広く子供たちに受皿を持つことにより、彼らの将来を切り開いていただきたいと思います。それにより本市に支えられる立場から、本市を支える立場へと育てていただきたいと考えます。
次に、誰一人取り残さない新居浜市として、成年後見制度の利用促進についてお伺いいたします。
先日、えひめ権利擁護センター新居浜が主催する成年後見制度学習会に参加いたしました。きっかけとしては、障害のある子を持つ保護者の方より、その子の未来についての相談があった際に考えが及ばないと感じ、学び取らなければならないことが多々あると感じたからです。
成年後見制度とは、知的障害、精神障害などの理由で判断能力が不十分な方の権利を守り、預貯金や不動産などの財産管理、また施設入所に関する契約などを行う障害者等を守る重要な手段でありますが、私のように知識不足や情報不足により十分に利用がされていないと伺いました。
そこでお伺いいたします。
成年後見制度利用促進基本計画では、中核機関の設置、運営、地域連携ネットワークの整備を平成29年度から平成33年度、令和3年度の5か年計画で示し、市町村での取組を推し進めています。四国中央市では、既に運用が開始されているとお伺いいたしましたが、本市における中核機関の整備、運営の方針、権利擁護の支援の地域連携ネットワーク及び中核機関の機能の段階的、計画的な整備、中核機関設立に関する進捗状況をお伺いいたします。
また、市民後見人の育成等についての本市のお考えをお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 成年後見制度の利用促進についてお答えいたします。
認知症等により判断能力が不十分となっている高齢者や障害者が、権利や財産を侵害されることなく、安心して暮らしていただくためには、権利擁護システムの構築が必要でございます。このことから、令和3年度から令和12年度の10年間を計画期間とする新居浜市地域福祉推進計画の基本目標4すべての人の権利と責任を大切にし、生きがいあふれるまちづくりの中で、新居浜市成年後見制度利用促進計画を位置づけ、成年後見制度の利用を促進する取組を進める予定でございます。
また、今後は成年後見制度の利用促進を図るための地域連携ネットワークの中核となる機関の設置に向けて、機能や役割等に対する関係機関の共通認識が図られるよう、関係する組織、団体と協議を進めてまいります。
次に、市民後見人の育成等の本市の考えについてでございます。
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年には、認知症高齢者が700万人になると見込まれております。成年後見制度が必要となる高齢者の増加に伴い、市民後見人の必要性が増すことが予想されますことから、今後も成年後見制度の普及啓発に重点を置き、成年後見制度普及事業として学習講座等を実施し、市民後見人の育成につなげてまいります。
○議長(永易英寿) 神野恭多議員。
○8番(神野恭多)(登壇) 成年後見制度は、障害を持たれた方々を支える重要な手段であります。十分に利用、活用されますよう、引き続きの広報活動等よろしくお願いいたします。
成人式についてお伺いいたします。
本市の成人式は、新型コロナウイルス感染症の拡大の観点より延期されましたことは、御案内のとおりであります。
一生に一度の晴れの日に、晴れ着に身を包み、旧友との再会などを楽しみにしていた新成人は、この日を待ち望んでいたと思います。市においても、成人式の延期は苦渋の決断であったと考えます。
そこでお伺いいたします。
新型コロナの動向をしっかりと見定める必要がある反面、日程発表を心待ちにしている方が多々います。様々な意見があると思いますが、まずは安心、安全の上で、新成人の方々の意見がしっかりと反映された日程や内容の決定が重要と考えますが、現在の検討状況をお示しください。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。加藤教育委員会事務局長。
○教育委員会事務局長(加藤京子)(登壇) 成人式についてお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症の拡大等により延期いたしました令和3年成人式に係る現在の検討状況につきましては、今もなお新型コロナウイルス感染症対策の見通しが不透明であり、延期後の開催日につきましては、未定でございます。
また、これまで県内の他市町と成人式開催に向けた取組についての情報交換を行うとともに、コロナ禍での成人式を開催するに当たって必要な感染症対策について、国や県の指導に沿った体制が構築できますよう、見直しを行っているところでございます。
新成人となる市民の皆様、そして新成人の親族の皆様におかれましては、成人式は人生の節目の行事として親しまれ、また旧友との再会など、楽しみにされているものと認識いたしております。今後、成人式の日程を検討するに当たりましては、まずはホームページ等可能な手段により、新成人の御意見をいただき、参考にいたします。
そして、新型コロナウイルスの感染状況やワクチン接種の状況を見守りつつ、新成人の皆様が参加しやすい日程を判断いたします。
人生の節目の行事にふさわしい、安全かつ安心な成人式が開催できますよう、教育委員会といたしましても取り組んでまいります。
○議長(永易英寿) 神野恭多議員。
○8番(神野恭多)(登壇) ありがとうございました。
最後に、このような時代ですので、夢のある大学の誘致についてお伺いいたします。
さきの市長選において様々な方との意見交換の際によく耳にしたワードに大学の誘致がありました。非常にハードルが高いことは理解していますが、まずは実現性について考えてまいりました。
本市において大学を誘致するのであれば、私も一度視察に伺わせていただきましたが、高等専門学校の系列でもある長岡技術科学大学のサテライト校の誘致もしくは住友グループ各社を中心とした住友大学の設立だと考えます。
夢がある住友大学について少し触れます。
本市の産業形態は、住友グループ各社の生産拠点を中心とし、その生産活動を補助する形で工業が発展している典型的な企業城下町型の産業構造となっています。教育機関は、主に公立の小中学校及び高校が中心であり、工業高校、先ほど述べた高専も存在しますが、大学はなく、多くの若者は大学進学のために他県の大学に進学するか、地元の企業に高卒で就職するのが一般的となっています。そのため、高等教育を受けた優秀な人材が土地に根づかず、住民の平均所得が上昇しにくいため、都市として発展しにくいのではないのかと考えます。
また、企業城下町型都市かつ大学等高等教育機関がないので、新居浜市から新たなイノベーション産業が発生しにくい体質を持つようにも感じます。
そこで、本市とともに住友グループの共同出資の研究機関を設置することで、各社の技術協力が進み、技術開発にスピード感が生まれるのではないかと考えます。
加えて、営利団体という特性から、特に基礎的な研究に人材、予算をかけることが難しく、実務に即した研究開発が中心となると考えます。
他方、少子高齢化の流れもあり、採用活動は激化し、優秀な人材確保も困難になってきているとお聞きしました。住友グループの資金力などを勘案し、トヨタグループの運営する豊田工業大学をベースに考えると、現実味を帯びる数字や環境を散見いたします。例えば、各研究室は、出資した各社の製品、課題に即した研究を行う。教授陣は、各社の博士号を持った社員から選出、外部教授を招聘する場合も、客員研究員としてという形で研究室に出向して、各社とのパイプ役として動いてもらうなどが可能です。もちろん住友各社の課題研究が主となると、研究成果の学外発表が困難になるおそれがある、学生が集まらない、立地の確保、教員確保ができない、出資企業の選定など、問題は山積していますが、大学の誘致という言葉には、非常に夢があると感じます。まずは本市の御所見をお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 大学の誘致についてお答えをいたします。
本市におきましては、市内に短期大学、4年制大学がないことから、高校を卒業後、進学等により市外へ転出する若者が多いことが、人口減少の一因であると認識をいたしております。魅力ある大学を本市に誘致することは、人口減少問題への効果的な対応策となるとともに、非常に夢のある話であり、市議会の特別委員会でも調査を行った時期もあると伺っております。
しかしながら、全国的に少子高齢化が加速する中、大学間における学生確保に向けた競争は激化しており、大学が新たなキャンパスを地方都市に設けることは、非常に厳しい状況でないかと思っております。
このような中、本市においては、市内にございます新居浜工業高等専門学校をはじめ、愛媛大学、松山大学等の高等教育機関との連携強化を図り、また令和3年4月の歯科衛生士養成校河原医療大学校新居浜校の開校に合わせ、新居浜市歯科衛生士修学支援制度を新設し、人材確保への支援を図るなど、官学が連携して地域課題の解決に取り組んでいるところでございます。
今般のコロナ禍におきましては、大学等の学びにおけるオンライン化が一気に加速し、アフターコロナの時代におきましても、自宅やサテライト環境における受講を可能とする大学等が増えてくることが予想されます。そのようなことから、神野議員さん御紹介のサテライト校の事例なども参考にさせていただき、時代の潮流やあるいは住友グループとの連携をも含めた本市の産業構造にマッチした学びの場の提供の可能性、若年層の定住促進、優秀な人材の確保等につながる支援策につきまして、調査研究してまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 再質問はありませんか。神野恭多議員。
○8番(神野恭多)(登壇) 終わりになりますが、新型コロナウイルス感染症に様々な制約とともに、多くのことを教えられました。ウイズコロナ・アフターコロナ時代において、私たちは何を守り、何を捨て、どう生きていくべきなのか、再度考えるときが来たと思います。当たり前を奪われ、多岐にわたる制限をかけられた子供たちは、時代の潮流に流されるように、生きづらさを感じています。子供たちは、成長していく過程で、このような周囲の環境による影響を受けやすいため、おのずと挑戦する心を失っているのではないかと危惧します。このようなときだからこそ、私たち社会がワンチームとなり、子供たちの学ぶ、育つ、そして挑戦する心を守り育て、新しい時代を切り開いていく必要があります。
本市の礎を築いた住友企業群は、挑戦を重ねる中で成長をされてきました。私たちも再度コロナを正しく恐れ、アフターコロナに向けて反転攻勢に挑戦していただきますよう御期待申し上げ、私の代表質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(永易英寿) 以上で会派代表質問並びに質疑は終わりました。
これをもって本日の日程は全部終了いたしました。
明3日は午前10時から会議を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
  午後 3時39分散会