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令和2年第5回新居浜市議会定例会会議録 第2号

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目次

議事日程
本日の会議に付した事件
出席議員
欠席議員
説明のため出席した者
議会事務局職員出席者
開議(午前10時00分)
市長一般報告
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 一般質問 議案第94号~議案第98号
 藤田豊治議員の質問(1)
  1 市政運営について
  2 選挙の啓発について
  3 産直市場について
  4 防災・減災対策の強化充実について
  5 IT企業等の誘致及びICTの活用について
  6 インフルエンザ予防接種の無料化について
  7 別子山地域の活性化について
 石川市長の答弁
  1 市政運営について
  5 IT企業等の誘致及びICTの活用について
 山内選挙管理委員会事務局長の答弁
  2 選挙の啓発について
 亀井企画部長の答弁
  1 市政運営について
 藤田福祉部長の答弁
  4 防災・減災対策の強化充実について
  6 インフルエンザ予防接種の無料化について
 河端経済部長の答弁
  3 産直市場について
  4 防災・減災対策の強化充実について
  7 別子山地域の活性化について
 高須賀建設部長の答弁
  1 市政運営について
 藤田豊治議員の質問(2)
  1 市政運営について
 石川市長の答弁
  1 市政運営について
 藤田豊治議員の質問(3)
  5 IT企業等の誘致及びICTの活用について
 石川市長の答弁
  5 IT企業等の誘致及びICTの活用について
 藤田豊治議員の質問(4)
  4 防災・減災対策の強化充実について
休憩(午前11時02分)
再開(午前11時12分)
 黒田真徳議員の質問(1)
  1 施政方針について
  2 認知症について
   (1) 認知症条例
   (2) 早期検診
   (3) 認知症の方の見守り
   (4) 賠償責任保険
  3 高齢者に優しい町
   (1) 高齢者の見守り
   (2) 任意後見制度
   (3) 高額療養費の支給申請
  4 脱炭素社会について
  5 オンライン申請について
  6 犬、猫の不妊・去勢手術補助事業について
 石川市長の答弁
  1 施政方針について
  4 脱炭素社会について
 亀井企画部長の答弁
  5 オンライン申請について
 藤田福祉部長の答弁
  2 認知症について
   (1) 認知症条例
   (2) 早期検診
   (3) 認知症の方の見守り
   (4) 賠償責任保険
  3 高齢者に優しい町
   (1) 高齢者の見守り
   (2) 任意後見制度
   (3) 高額療養費の支給申請
 原市民環境部長の答弁
  4 脱炭素社会について
  6 犬、猫の不妊・去勢手術補助事業について
 黒田真徳議員の質問(2)
  3 高齢者に優しい町
休憩(午後 0時04分)
再開(午後 1時00分)
 篠原茂議員の質問(1)
  1 産業振興について
   (1) ものづくり産業振興ビジョン
   (2) 中小企業の人材不足
 石川市長の答弁
  1 産業振興について
   (1) ものづくり産業振興ビジョン
 河端経済部長の答弁
  1 産業振興について
   (1) ものづくり産業振興ビジョン
   (2) 中小企業の人材不足
 篠原茂議員の質問(2)
  1 産業振興について
 亀井企画部長の答弁
  1 産業振興について
 河端経済部長の答弁
  1 産業振興について
 篠原茂議員の質問(3)
  2 学校、公民館、自治会の連携について
   (1) 学校
   (2) 公民館
   (3) 自治会
 石川市長の答弁
  2 学校、公民館、自治会の連携について
   (3) 自治会
 高橋教育長の答弁
  2 学校、公民館、自治会の連携について
   (1) 学校
   (2) 公民館
 亀井企画部長の答弁
  2 学校、公民館、自治会の連携について
   (2) 公民館
 篠原茂議員の質問(4)
  2 学校、公民館、自治会の連携について
休憩(午後 1時43分)
再開(午後 1時54分)
 高橋教育長の答弁
  2 学校、公民館、自治会の連携について
 篠原茂議員の質問(5)
  2 学校、公民館、自治会の連携について
 高橋教育長の答弁
  2 学校、公民館、自治会の連携について
 亀井企画部長の答弁
  2 学校、公民館、自治会の連携について
 篠原茂議員の質問(6)
  2 学校、公民館、自治会の連携について
  3 健康寿命延伸の取組について
   (1) 健康寿命
   (2) 健康長寿地域拠点
   (3) 庁内組織
 寺田副市長の答弁
  3 健康寿命延伸の取組について
   (3) 庁内組織
 藤田福祉部長の答弁
  3 健康寿命延伸の取組について
   (1) 健康寿命
   (2) 健康長寿地域拠点
 篠原茂議員の質問(7)
  4 図書館について
   (1) 読書バリアフリー法
   (2) 電子図書館
 高橋教育長の答弁
  4 図書館について
   (1) 読書バリアフリー法
散会(午後 2時24分)


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令和2年12月8日 (火曜日)
  議事日程 第2号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
   議案第94号 令和2年度新居浜市一般会計補正予算(第8号)
   議案第95号 令和2年度新居浜市渡海船事業特別会計補正予算(第1号)
   議案第96号 令和2年度新居浜市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)
   議案第97号 令和2年度新居浜市介護保険事業特別会計補正予算(第2号)
   議案第98号 令和2年度新居浜市公共下水道事業会計補正予算(第1号)
――――――――――――――――――――――
  本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
――――――――――――――――――――――
  出席議員(26名)     
 1番    小野 志保
 2番    片平 恵美
 3番    合田 晋一郎
 4番    白川 誉
 5番    伊藤 嘉秀
 6番    越智 克範
 7番    井谷 幸恵
 8番    神野 恭多
 9番    米谷 和之
 10番   篠原 茂
 11番   河内 優子
 12番   黒田 真徳
 13番   高塚 広義
 14番   藤田 誠一
 15番   田窪 秀道
 16番   小野 辰夫
 17番   永易 英寿
 18番   伊藤 謙司
 19番   藤原 雅彦
 20番   大條 雅久
 21番   藤田 豊治
 22番   藤田 幸正
 23番   伊藤 優子
 24番   仙波 憲一
 25番   近藤 司
 26番   山本 健十郎
――――――――――――――――――――――
  欠席議員
 なし
――――――――――――――――――――――
  説明のため出席した者
 市長             石川 勝行
 副市長            寺田 政則
 副市長            加藤 龍彦  
 企画部長           亀井 利行
 総務部長           赤尾 禎司
 福祉部長           藤田 憲明
 危機管理統括部長       庄司 誠一
 市民環境部長         原  正夫
 経済部長           河端 晋治
 建設部長           高須賀 健二
 消防長            毛利  弘
 上下水道局長         秋月  剛
 教育長            高橋 良光
 教育委員会事務局長      加藤 京子
 監査委員           寺村 伸治
 選挙管理委員会事務局長    山内 嘉樹
――――――――――――――――――――――
  議会事務局職員出席者
 事務局長           岡田 公央
 事務局次長          飯尾 誠二
 議事課副課長         尾藤 秀行
 議事課副課長         美濃 有紀
 議事課調査係長        神野 瑠美
 議事課議事係長        和田 雄介
 議事課主任          村上 佳史
―――――――――― ◇ ――――――――――
  午前10時00分開議   
○議長(永易英寿) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第2号のとおりであります。
―――――――――― ◇ ――――――――――
  市長一般報告
○議長(永易英寿) この際、諸般の報告を行います。
市長から報告があります。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) お許しをいただきまして、新型コロナウイルス感染症への対応状況につきまして御報告を申し上げます。
本市におきましては、市内の二次救急医療を担う医療機関に入院されていた方1名が12月1日に、またその医療機関に勤務する団体職員1名が翌2日に、新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。感染が確認された医療機関内での感染の広がりがないか、保健所と医療機関により慎重に調査を進めていただき、感染が確認された2名を含め、89名のPCR検査を行った結果、他の接触者は全て陰性が確認され、12月5日の記者会見において、中村知事より、当該事例における必要な検査と調査は終了し、封じ込めが完了したとの説明がありましたことから、この事例による感染拡大の可能性は極めて低いと考えております。
また、本市の救急医療体制にも支障は生じておりませんので、市民の皆さんにおかれましては、引き続き新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識と正確な情報に基づき、冷静な行動をお願いいたしますとともに、今後におきましても、うつらないよう自己防衛、うつさないよう周りに配慮、習慣化しよう3密回避を徹底していただきますようお願いいたします。
以上で報告を終わります。
―――――――――― ◇ ――――――――――
  日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(永易英寿) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において藤田豊治議員及び藤田幸正議員を指名いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
  日程第2 一般質問 議案第94号~議案第98号
○議長(永易英寿) 次に、日程第2、議案第94号から議案第98号までを議題とし、議案に対する質疑と併せ一般質問を行います。
この際、申し上げます。一般質問並びに質疑における各議員の発言は、それぞれ通告の時間以内となっておりますので、御了承願います。
順次発言を許します。まず、藤田豊治議員。
○21番(藤田豊治)(登壇) おはようございます。
自民クラブの藤田豊治です。
早速ですが、通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
まずは、市政運営についてでございます。
コロナウイルス感染対応の中、石川市長、3期目の御当選誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。選挙を通じ、市長は、次のように市民に訴えられました。「新居浜市には、豊かな自然と歴史や文化、ものづくりの技など、後世に伝えるべき数多くのすばらしい地域資源、宝があります。これらの地域資源を磨いて新しくする再発見、今までにない新しい魅力を生み出す創造、この2つの新しいをチカラに変えて、みんなが主役、みんなが誇れる、そしてみんなに愛される新しい新居浜を創る取組を進めてまいります。」第3ステージの政策としては、世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスや多発する自然災害、人口減少問題などの現状を踏まえ、国、県との連携をさらに強化し、新型コロナ対策、防災・減災対策、少子高齢化・人口減少対策、地域経済の活性化、コミュニティーの活性化の5つを市政運営の柱に、7つの夢、基本政策の実現を目指し、幸せの48施策を提案されました。第3ステージにおける15の重点施策として、新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立、近年の異常気象による自然災害に備えた防災・減災対策、国道11号バイパスをはじめとする幹線道路の整備促進、住友各社との連携強化による共存共栄、ものづくり産業を支える人材の育成、確保、観光、物産の振興による交流人口、関係人口の拡大、地球温暖化対策の推進、3Rの推進等によるごみ減量化、各種検診の拡充、食育、運動の推進による健康寿命の延伸、安心して子供を産み育てることができる環境整備、ICTを活用した教育の推進など学校教育の充実、学校、家庭、地域が連携し、地域全体で子供を育てる環境整備、支え合い助け合う地域社会の実現、人口減少に歯止めをかける第2期総合戦略の着実な推進、デジタル化による行政の効率化、市民サービスの向上を示されました。ぜひ着実に推進することをお願いいたします。
そこで、選挙を通じ訴えてきた中で、また市民の皆さんのいろいろな声を聞いた中で、特に優先して取り組んでいこうと思われた施策があれば、お伺いいたします。
次に、市民サービスの向上として、新居浜市が愛媛県内で初めて18事務事業について、個人の申請、法人などからの申請は除く、に限り、同意書提出により、住民票や税関係証明書の添付を省略することを今年の4月1日以降の申請から実施されました。18事務事業とは、奨学金返済支援補助金、市民三世代同居等支援事業補助金、三世代あったかかぞく同居リフォーム応援事業、一般不妊治療費・不育症検査治療費助成事業補助金、特定不妊治療費助成事業、生ごみ処理容器等設置事業補助金、浄化槽設置整備事業補助金、省エネ・新エネ設備等導入支援補助金、木造住宅耐震診断・改修工事費等補助金、耐震シェルター整備費補助金、老朽危険空家除去事業補助金、民間ブロック塀等撤去費補助金、入学準備金貸付、奨学資金貸付、特別奨学資金貸付、青野記念奨学資金貸付、私道内公共下水道汚水管布設、水洗便所改造資金融資あっせん及び利子補給です。市民からは、いい取組であり、喜ばれていると思います。
そこで、今までに申請された実績をお伺いいたします。
また、市民の声等があれば、お伺いいたします。
また、市民の方に、この取組をどのようにお知らせしているのか、お伺いいたします。
また、さらに事務事業の申請時の添付書類省略をしようとされているのか、お伺いいたします。
次に、市営住宅の入居条件の変更についてです。
新居浜市は、これまで市営住宅の入居条件として、連帯保証人2名が必要と条例で規定しており、身寄りがない等の理由から、連帯保証人を確保することが難しく、市営住宅の申込みを諦めるという場合もあると言われていました。市は、これまでにも、高齢単身者が申し込める市営住宅の戸数を緩和するなどの取組を行っておりましたが、条例を改正し、今年4月1日からは、連帯保証人を不要としており、まさに市民の視点、生活弱者の視点に立った大変よい取組であると思います。
そこで、連帯保証人を不要とした後の市営住宅申込実績をお伺いいたします。
また、市民の声等があれば、お伺いいたします。
それと、市民の方に、この取組をどのようにお知らせしているのか、お伺いいたします。
次に、選挙の啓発についてですが、新居浜市選挙管理委員会におきましては、選挙への参加や関心が低いと言われている若年層に対する啓発事業の必要性が高まりを見せる中、啓発事業と並行して、投票環境向上に向けた様々な検討を行っており、自動車を使用した移動期日前投票所の実現の可能性も検討されております。本年8月22日、あかがねミュージアムで開催中であったお絵かきタウンとペーパークラフトの会場屋外において、親子で一緒に投票体験をすることで、検証を兼ねて参加者の投票参加への意識醸成を図ることを目的に、投票受付の実証実験と選挙啓発事業を兼ねた移動期日前投票所を使用した模擬投票体験を実施されました。
そこで、この実証実験について、参加者数やその効果等について検証結果をお伺いいたします。
次に、産直市場についてですが、新居浜市商業振興センター、銅夢にいはまを民間に譲渡し、新居浜市初の常設の大型農産物直売所が開設されるといった計画が、今年4月6日、中小企業庁の商店街活性化・観光消費創出事業に採択されました。運営は、新居浜商店街連盟の加盟店が中心になって立ち上げた株式会社銅夢市場が事業主体になっています。総事業費は約2億円で、総事業費の3分の2は国が補助し、残りは市と銅夢市場が負担することになっています。2021年3月のオープンを目指されております。銅夢市場では、今年の10月11日から、産直市店名募集と農産物を出荷いただける方を募集しています。地元のお客様に、新鮮で安全な地場産のおいしい物を食べていただきましょうと新聞に広告が入りました。常設の産直市場は、周辺の商店街と連携して、地域全体の集客力を高めるのが狙いであり、1階には東予東部圏域を中心に調達した生鮮食品のほか、総菜やパンの売場を設け、カフェスペースも併設します。銅夢にいはまは、中心市街地のにぎわい創出を目的に1997年に開館しました。2006年度から指定管理者制度を導入し、市民活動の発表や販売イベントなどの貸しホールとして使われていました。2018年の利用者は、約3万8,000人とピーク時の約3分の1であり、利用者増が課題となっておりました。
そこで、産直市場を核に、市民の皆さんが、商店街を回遊するような新たな中心商店街として活性化できるように、新居浜市としてどのような協力をしようとしているのか、お伺いいたします。
次に、防災・減災対策の強化充実についてお伺いいたします。
まず、保育園の休園基準についてですが、台風や豪雨などの災害時、公・私立の保育園を臨時休園にするかどうかの基準がなく、その都度判断するとした市区町村が51%に上ることが今年8月30日、厚生労働省の全国調査で発表されました。調査は、厚生労働省が委託した民間会社が実施し、昨年11月時点の状況を尋ね、全1,741の市区町村が対象で、1,052自治体から有効回答を得た結果でした。台風や大雨などで休園するかどうかを尋ねた質問では、特定の基準は設けず、その都度個別に判断と答えた自治体が51%、明確な基準はないが、行政と園でどんな状況なら対応するか認識を共有が18.6%、行政主導で共通基準を設定しているが17%、臨時休園などの対応を想定していない5.9%でした。調査では、過去3年間で、避難指示や勧告が出た自治体のうち、臨時休園など何らかの対応をした保育園がないとの回答が3割を超えていたことが判明していました。臨時休園の課題としては、多くの自治体が、預けざるを得ない保護者の子供の受入れ、保護者の理解を得ることなどを挙げていました。
そこで、災害時の保育園休園基準を、自治体と保育園側が事前に共有し、危険回避に努めることが求められると思いますが、新居浜市の現状をお伺いいたします。
次に、ため池の管理についてであります。
新居浜市内には、67のため池があり、災害時には、土地改良区等の18の管理者にて水位管理と樋門の開け閉めを行い、その状況について危機感を持って新居浜市と密に情報交換を図っております。私も7年前に船木泉川土地改良区理事長をしているとき、大型台風で集中豪雨の中、任されたため池の水位管理と樋門の開け閉めを夜中も含め見回りに行き、その状況を新居浜市と情報交換したことがありました。現在、多分各地区の土地改良区の理事さんも60代から80代の年齢の方が大半だろうと思います。やはり、見回りは、危険性をはらんでいると思います。長野県上田市では、土地改良区が現場の雨量と貯水量を常時把握し、ため池の水位変化を分析可能にする装置を導入し、決壊を未然に防ぐ仕組みづくりに取り組まれています。
そこで、新居浜市の土地改良区におきましても、ため池の遠隔監視装置を導入してはどうかと思いますが、お考えをお伺いいたします。
次に、IT企業等の誘致及びICTの活用についてですが、私は、3年前から重要性について質問をしております。昨年の答弁では、人工知能とは、人間の知的振る舞いの一部をソフトウエアを用いて人工的に再現したものと言われており、医療や製造などあらゆる分野でそのニーズが高まっております。しかしながら、多くの中小企業が、AI・IoT導入の必要性は認識しているものの、費用や人材不足の問題などで導入に至っていないというのが現状であります。
本市におきましても、AIの活用につながるシステム開発会社が数社ございますけれども、情報系、ソフト系の事業を営む企業数は、都市部に比べて非常に少ない状況でございます。情報系、ソフト系の誘致につきましては、雇用創出や市内企業への波及効果が見込まれ、AI導入による事業の効率化や新製品、技術の開発につながることから、今年度本市から愛媛県地域産業活性化協議会に働きかけを行い、大都市圏に立地しているIT企業の地方への進出動向調査や地元企業、教育機関へのヒアリング調査、オープンデータの分析調査等を実施しております。この調査では、協議会が専門の民間事業者に委託して、本市の人材面、産業面、立地面、制度面における強みや弱みを明らかにし、誘致対象のIT企業抽出を行っていただくこととしております。
今後におきましては、調査事業により、年度内に候補となる企業が抽出されますことから、愛媛県や関係機関と連携を図りながら、情報系・ソフト系企業誘致につながるよう、積極的に取り組んでまいりますとのことでした。
そこで、今までにどのような候補企業が抽出され、誘致につながったのか、お伺いいたします。
また、情報系・ソフト系企業の誘致に対しての支援内容をお伺いいたします。
次に、本市では、今年度、GPS等を使った高齢者や子供の見守り、またバスの運行状況を把握するバスロケーションシステム導入の実証実験に取り組むこととしており、そのような中、都市部に所在する民間企業の社員が、地方自治体で一定期間働き、地域活性化につなげることを目的とした総務省の地域おこし企業人交流プログラムを活用し、10月1日よりソフトバンク株式会社の社員の方が、新居浜市地域おこし企業人として就任されました。任期は2022年3月末までであります。国においては、所得税の確定申告など、身近な行政手続のオンライン化を進めようとしていますが、新居浜市におきましても、これを機会に、他市に先駆けて、迅速に情報通信技術、ICTの活用に取り組み、共につくろう笑顔輝く新居浜市、夢をかたちにチーム新居浜を目指すため、各種行政手続のデジタル化、ペーパーレス化、脱判こ、押印廃止の調査検討のほか、移住促進につながるようなテレワークの推進、ICT環境の整備等より積極的な取組、市民への支援をお願いしたいと思いますが、お考えをお尋ねいたします。
次に、インフルエンザ予防接種の無料化についてですが、新居浜市は、今年度、新型コロナウイルスとインフルエンザの流行が重なることに備え、重症化しやすいとされる高齢者のインフルエンザの予防接種を無料化にされました。10月1日から12月31日の間、市内及び県内の委託医療機関などで接種が受けられます。今期限定で、対象は市内在住で、予防接種法におけるインフルエンザ定期接種対象者となっている65歳以上の方と、心臓や腎臓、呼吸器の疾患などがある身体障害者手帳1級を取得されている60歳から64歳の方です。新居浜市で接種ができる機関は、58か所と伺っております。高齢者の予防接種費は、1人4,847円で、例年は自己負担分1,000円を除く3,847円を市が負担していました。昨年度は、市民約2万2,000人が利用されていました。2020年度当初予算で計上した感染症等予防費に加え、国の新型コロナウイルス対応の臨時交付金を活用しています。
そこで、この情報を市民の方にどのようにお知らせしているのか、お伺いいたします。
次に、人口減少が進む別子山地域の活性化についてお伺いいたします。
旧別子観光センター跡地の再整備計画についてですが、施設を解体、廃止して以降、活用が図られていなかった旧別子観光センター跡地を、産業遺産観光、登山、飲食、物産販売等の拠点として活用するため、2022年度に簡易宿泊施設を含む新たな拠点施設の整備が予定されておりました。しかしながら、整備予定地が、愛媛県が令和2年3月に公表した土砂災害警戒区域と特別警戒区域の指定予定箇所に含まれたことにより、新居浜市としては、危険箇所に宿泊施設を新設するのは難しいと今年度7月21日の別子山でのまちづくり校区懇談会で住民からの質問に答えられました。簡易宿泊施設は、鉄筋コンクリートか鉄骨2階建て、延べ床面積約1,200平方メートルを想定されていました。40人程度が宿泊でき、地元産品の販売所も設ける予定でした。新居浜市は、2019年9月補正予算に、基本設計や地質調査の事業費1,600万円、2020年度当初予算に、実施設計費2,720万円を計上していました。新居浜市は、再整備の一環として、観光センター跡地に隣接し、別子銅山が閉山するまで操業していた筏津坑の坑道の一部を整備し、2019年8月から公開しております。
そこで、地元からの提案や市有地などを含めて、代替場所を早急に検討するとのことですが、仕切り直しをしての現段階における再整備計画をお伺いいたします。
次に、別子山の美しい自然に魅了されて、新居浜市地域おこし協力隊に滋賀県出身の山下さんが新居浜市初の女性隊員として今年8月に就任されました。山下さんは、日本語以外に、英語と中国語が堪能で、大学を卒業後、IT企業で4年間勤めた後、アルバイトをしながら20か国以上を訪れたと伺っております。別子山には、スローヴィレッジ別子山という別子山地域を未来へ残そうと理念を掲げ活動している別子山地域の未来を考える会という団体があり、環境保全や産業、文化継承など、別子山を活性化させるためにつくられた団体の考え方全てにこれだとびびっときて、同じ考えを持つ人たちと一緒に仕事をしたい、そんな思いから地域おこし協力隊に応募されたと伺っております。山下さんは、安全、安心な農業をしたいと語り、自分の経験を生かし、にぎわいづくりにも貢献したい、自然を生かした森林セラピー、ヨガ講座などの実現にも意欲を示されたと伺っております。
そこで、就任3か月ほどですが、山下さんの地域おこし協力隊員としての現況をお伺いいたします。
これで、第1回目の質問を終わります。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 藤田豊治議員さんの御質問にお答えをいたします。
まず、市政運営についてでございます。
私は、今回の市長選挙を通じまして、第3ステージにおきましては、国、県との連携をさらに強化し、新型コロナウイルス対策、防災・減災対策、少子高齢化・人口減少対策、地域経済の活性化、コミュニティーの活性化の5つを市政運営の柱に据え、公約である安全で快適に暮らせる都市の実現など7つの夢の実現を基本政策に掲げ、これまでの取組をさらに深化させることを訴えてまいりました。
そのような中、また市民の皆様のいろいろな声をお聞きした中で、特に優先して取り組んでいこうと思った施策についてでございます。
まずは、5つの市政運営の柱と申しましたが、新型コロナウイルス感染症への対応が最重要であると考えております。現在のコロナ禍におきまして、市民、事業者の皆様におかれましては、経済的な不安、子供たちの教育環境に対する不安など、様々な不安を抱いていることと感じており、まずは感染拡大の防止と社会経済活動の両立を図る取組を進めてまいります。
具体的な施策といたしましては、公共施設や緊急避難所のトイレの洋式化や自動水栓の設置などの感染拡大防止対策のほか、雇用、事業継続、新しい生活様式に対する支援などにも取り組んでまいります。
次に、少子高齢化・人口減少対策でございます。
現在策定中の第六次新居浜市長期総合計画におきましても、子育て・教育の分野をまちづくりの目標の1番目に掲げており、これからの未来をつくり出す子供たちが、育ちやすい環境を整えていくことが重要と考えております。その第一歩といたしまして、できるだけ早期に高校生の医療費の無料化に取り組みたいと考えております。加えて、今年度中に市内全ての小中学生1人1台のタブレット端末を整備し、学校内での学習に活用するだけでなく、感染症拡大などによる学校の臨時休業等緊急事態においても、子供たちの学習機会が失われることのないような環境整備を進めてまいります。
3点目、コミュニティーの活性化についてでございます。
人口減少時代の中、住民自治の推進と持続的な地域コミュニティーの運営を図るために、公民館、地域交流センターごとに地域運営組織の設立を検討し、住民主体の地域づくりと地域力を発揮できる体制づくりを進めてまいります。
さらに、これらの取組のほか、耐用年数が近づいております市民文化センターや総合運動公園の整備など、大型事業につきましても、今後4年間で着実に進めてまいりたいと考えております。
次に、IT企業等の誘致及びICTの活用についてお答えをいたします。
まず、IT企業等の誘致についてでございます。
昨年度実施いたしましたICT企業等誘致調査事業により、大都市圏に立地しているIT企業の地方への進出傾向を調査した結果を基に、今年度本市への視察ツアーを実施しております。春先には新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言が発出されておりましたことから、事業着手を遅らせておりましたが、先般、1社目の視察が終わり、現在視察を踏まえた立地課題等について協議を重ねているとともに、2社目の視察ツアーに向け調整を進めているところでございます。視察ツアーの企業の業種につきましては、1社目がウェブコンテンツ配信業、2社目はソフトウエア業でございます。
また、企業立地促進条例に基づく奨励金制度につきまして、情報系・ソフト系企業の立地を促進するため、令和2年度から情報サービス業等奨励金を新設し、IT企業等が立地した場合の土地や家屋の賃借料を補助する制度を創設いたしました。さらには、今年度、新型コロナウイルス対策の交付金を活用して、サテライトオフィス等誘致支援事業を創設し、誘致環境を整備する市内事業者及び入居する市外事業者に対する補助制度による企業誘致に努めております。
次に、ICTの活用についてお答えいたします。
ICT環境等の積極的な取組と市民への支援についてでございます。
本市では、ICTを活用して様々な課題を解決していくスマートシティーの実現に向けた取組を推進しており、藤田豊治議員さん御案内のとおり、今年度は子供の見守りサービスやバスロケーションシステムの実証実験を行うことといたしております。
また、昨今では、住民サービスの向上や新型コロナウイルス感染症感染予防の観点等から、様々な場面においてデジタル化の必要性が高まっており、本市におきましても、市議会でのタブレット活用や移住者支援住宅のテレワーク対応のための環境整備、オンライン会議の利用環境整備等を行うこととしており、各種イベントや就職説明会等につきましても、オンラインでの開催を実施しているところでございます。
また、企業への支援といたしまして、先ほど申し上げましたサテライトオフィス環境整備へ補助を行っており、加えてスマートシティーの推進に向けた連携と協力に関する協定に基づき、市内企業のテレワークの導入、ICTの利活用による業務改善等の支援のための相談をソフトバンク株式会社と連携し実施しているところでございます。国が率先して進めております脱判こ、押印廃止についても、デジタル化を進めていく上で必要なことでございますことから、現在押印が必要な書類の調査等を行い、脱判こ、押印廃止に向けた検討を行うとともに、ペーパーレス化を推進するため、文書管理・電子決裁システムの導入を進めているところでございます。
これらの取組に加え、今後検討してまいります様々な技術を活用した新たな取組につきまして、本年度ソフトバンク株式会社から本市に就任いただいております地域おこし企業人の方のノウハウをいただきながら進めていくこととしており、これまで以上に積極的なICTの活用や市民の皆様への支援につなげてまいりたいと考えております。
以上申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足いたさせます。
○議長(永易英寿) 山内選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(山内嘉樹)(登壇) 選挙の啓発についてお答えをいたします。
車両を使用した移動投票所による投票受付実証実験につきましては、投票環境の向上に向けた諸施策の検討の一環として、令和2年8月22日にあかがねミュージアム前の芝生広場において実施したものでございます。これは、実証実験と選挙啓発事業を兼ねた形で行ったもので、当日は炎天下にもかかわらず、小さいお子さんを含め、264人もの皆様に御参加をいただきました。参加いただきました皆様に、改めてお礼を申し上げます。
この実証実験では、実際に期日前投票を行う場合に必要となる宣誓書への記入及び二重登録の確認に係る見込み時間の計測のため、参加者にアンケートに御記入をいただき、その時間を検証したものでございます。受付から投票までの待ち時間につきましては、大半の方が短かった、もしくはちょうどよかったとの回答ではございましたが、実際の投票において、実証実験時以上の利用者数となった場合、今回使用した規模の車両では、受付及び投票時に混雑する可能性があることを確認いたしました。当日実施した模擬投票のテーマが、滝の宮公園にあったらいい遊具を選ぶという子供向けの啓発につながる内容でありましたことから、親子で参加できる選挙啓発として、よかったとの感想を多くいただくとともに、実際の選挙でも利用してみたいとの肯定的な御意見を多くいただき、好意的に受け取っていただけたものと考えております。
こういったことから、今後、一人でも多くの方に投票をしていただくために、選挙や候補者についてより興味を持っていただくことのできる情報提供の必要性を認識したところでございます。
また、体の不自由な方の投票参加の方法の一つとしても位置づけが可能であると考えておりますが、実現するためには、名簿照合システムの構築や投票所としての車両の規模、附帯設備の設置に加え、巡回時期、場所の選定、職員の配置などについて慎重な検討が必要であると考えております。今後、新型コロナウイルス感染症への様々な対応が求められる中での取組となりますことから、実施体制及びその費用対効果を見極めながら、今後も選挙管理委員会において協議検討を進め、実現の可能性を探ってまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 補足答弁を求めます。亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) 市政運営について補足を申し上げます。
藤田豊治議員さん御案内のとおり、申請者の負担軽減を図るため、令和2年4月から、奨学金返済支援補助金など市が実施する18の事務事業につきまして、個人の申請に限り、同意書提出により住民票や税関係証明書の添付を省略する取組を行っております。
これまでの実績といたしましては、多いものから順に、省エネ・新エネ設備等導入支援補助金の60件、生ごみ処理容器等設置事業補助金49件、特定不妊治療費助成事業42件、奨学金返済支援補助金34件など、18事務事業で合計298件の申請につきまして同意書を提出いただき、添付書類を省略しております。
次に、市民の声等につきましては、証明書を取る手間とお金の負担が軽減された、このような取組をしてもらいありがたいとのお声をいただいております。
次に、この取組の周知につきましては、開始時に令和2年4月の市政だよりでお知らせさせていただくとともに、各補助事業等の申請時に案内をさせていただいております。
次に、さらに事務事業の申請時の添付書類を省略しようとしているのかということについてでございます。
今年度から開始いたしました電動アシスト自転車購入支援補助金につきましては、既に省略可能な事務事業として追加しており、今後におきましても、新たな補助事業等につきましては、市民サービスの向上につながるよう、可能な限り添付書類の省略を図ってまいります。
○議長(永易英寿) 藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 防災・減災対策の強化充実についてほか1点について補足を申し上げます。
まず、災害時の保育園休園基準についてでございます。
保育の仕事は、社会機能維持に必要な労働であるエッセンシャルワークでありますことから、預けざるを得ない保護者の子供を受け入れるため、気象警報発令中や災害時であっても、市内保育所においては、基準を設定した一律の休園はいたしておりません。しかしながら、近年の気象状況を考えますと、命を守る行動が必要となる特別警報の発令などを想定しておく必要がございますことから、気象災害に対応した危機管理マニュアルの充実を図るとともに、臨時休園の基準を設定している他市の事例等を調査研究してまいります。
次に、インフルエンザ予防接種の無料化についてでございます。
高齢者インフルエンザ予防接種の無料化の周知につきましては、より多くの市民の方にお知らせするために、市政だより、市ホームページへの掲載をはじめ、LINE、ツイッターなどのSNSを活用した発信や情報誌への掲載など、幅広く周知いたしております。また、市内の委託医療機関向けの予防接種説明会を実施し、高齢者インフルエンザ予防接種の無料化についての説明を行うと同時に、各医療機関に高齢者インフルエンザ予防接種に係るポスター掲示を依頼し、医療機関を訪れる受診者に向けても周知をいたしました。
なお、県内市外の医療機関において、予防接種を受けられる方についても、愛媛県医師会を通じて周知を行っております。
○議長(永易英寿) 河端経済部長。
○経済部長(河端晋治)(登壇) 産直市場についてほか2点について補足を申し上げます。
まず、産直市場についてでございます。
中心商店街の活性化のため、常に商店街に人が集まる仕掛けをつくりたいという商店街の方々の思いから、関係団体で構成する新居浜市まちづくり協議会において議論を重ね、にぎわいの核となる産直市場の開設に向け、現在運営主体である株式会社銅夢市場が令和3年3月にオープンする予定で改修工事を行っております。改修に当たっては、店舗内に商店街関連の告知ブースや販売ブースの設置、WiFi環境の整備等も考えられており、また産直市場と商店街との共同イベントの開催などを通じて、独自の商店街活性化に向けた取組を実施すると伺っております。
本市といたしましては、これまで夏まつりやはまさいなどのイベントによるにぎわいの創出をはじめ、商店街の個店の情報発信などの支援を実施してまいりました。今後におきましても、産直市場を起点とした新たな町の形態に沿いながら、地域コミュニティーの創造など、市民にとって必要とされる商店街のあるべき姿を常に考え、商店街全体の日常のにぎわいを創出し、消費拡大につながるような取組について支援してまいりたいと考えております。
さらには、まちなかにおける地産地消、新たな地域資源の発掘などの商店街活性化につながるような取組についても支援策を考えてまいります。
次に、防災・減災対策の強化充実についてのうち、ため池の管理についてでございます。
藤田豊治議員さん御案内のとおり、新居浜市内には67のため池があり、土地改良区等により、各ため池の実態に応じた水位管理等が適切に実施されております。また、全67のうち53のため池が、決壊した場合の浸水区域に、家屋や公共施設等が存在し、人的被害を与えるおそれのあるため池、いわゆる防災重点ため池として選定されており、ハザードマップの作成とともに、決壊した場合の影響度に応じた順次の補強対策等、ソフト面、ハード面共に整備を推進しているところでございます。
ため池の遠隔監視装置を本市の土地改良区に導入してはどうかとの御提案につきましては、御案内の長野県上田市の取組事例におきましても、リアルタイムでため池の水位や貯水量の確認が可能となることで、ため池管理者が現地へ赴く手間の削減と併せ、危険性が回避されるとともに、市とため池管理者との情報共有がスムーズに行えることやため池の規模、形態に応じた水位変化の詳細な分析ができるなど、より効果的なため池管理が期待できるものと考えております。
このようなことから、ため池の遠隔監視装置の導入につきましては、決壊を未然に防ぐなど、防災性向上の観点から、大変有効な取組であると認識しており、今後は土地改良区の意向も踏まえ、調査研究を進めてまいります。
次に、別子山地域の活性化についてでございます。
まず、旧別子観光センター跡地の再整備についてでございます。
令和元年9月補正予算にて基本設計及び地質調査費を計上し事業を実施いたしておりました。その過程で、詳細な地質調査や施工方法の検討を行った結果、整備予定地が大規模な盛土で形成された土地であり、施設整備に必要な基礎工事の施工が困難であることが判明いたしました。さらに、愛媛県が令和2年3月に公表した土砂災害警戒区域及び特別警戒区域の指定予定箇所に整備予定地が含まれましたことから、当該跡地における新たな観光拠点施設の整備は行わないこととしたものでございます。現在、地元からは、様々な御意見や御要望もいただいておりますが、別子山地域における新たな観光拠点施設の整備につきましては、候補地の選定も含めて、市としての具体的な方針は決定しておりません。今後におきましては、再度長期総合計画や観光振興計画等との整合性を図り、新型コロナウイルス感染症拡大による観光需要の変容にも注視しつつ、基本的な方針を決定したいと考えております。
いずれにいたしましても、新たな施設整備が別子山地域の活性化の核となることが重要でございますことから、施設の必要性や運営手法も含め、引き続き地元の皆様と協議を進めてまいります。
次に、地域おこし協力隊の山下さんの現況についてでございます。
別子山地域では、過疎化が進む地域の活性化に向け、平成26年度から地域おこし協力隊制度を導入し、今年の8月に就任した山下さんで7人目となっております。
お尋ねの現況についてでございますが、現在、試験的に野菜の栽培を行っているほか、農業や堆肥作りの勉強会や研修会への参加、農園の視察や地域の農業者との関係構築を図るなど、来年度以降に産直市等へ野菜を出荷できる態勢づくりに向け、主体的に取組を進めておられます。
一方、地域との交流では、地域行事への参加協力をはじめ、保育園児との交流や中学校の総合学習の授業において講師を担当するなど、新たな試みにも取り組んでおられます。
また、フェイスブック等のSNSや新居浜市移住・定住サイトのブログ等を活用し、積極的に別子山地域の情報発信を行うほか、タウン誌のインタビューやコミュニティーFMへの出演を通して、別子山地域での活動とともに、自然豊かな別子山の魅力を多方面に発信しており、こうした積極的な取組により、別子山地域の知名度の向上や交流人口の増加につながるものと期待しております。
○議長(永易英寿) 高須賀建設部長。
○建設部長(高須賀健二)(登壇) 市政運営についてのうち、市営住宅について補足を申し上げます。
藤田豊治議員さん御案内のとおり、これまで市営住宅入居の条件としておりました連帯保証人2名につきましては、条例を改正し、今年度4月から不要とし、代わりとして緊急連絡人等の届出を入居の条件としております。
連帯保証人を不要とした後の市営住宅申込状況は、4月から11月末までに72件の申込みがあり、前年の同月期間と比べ22件の増となっております。
次に、市民の声についてでございますが、連帯保証人が確保できず、入居を断念していた方から、今回申込みができるようになり、非常に助かりましたとのお言葉をいただいております。
次に、市民への周知の方法についてでございますが、今年度から市政だよりの市営住宅入居者申込募集を掲載する欄に、連帯保証人不要と記載しているほか、市のホームページや市営住宅の管理業務を行っております指定管理者のホームページにも掲載いたしております。
今後につきましても、住宅セーフティーネット制度の趣旨にのっとり、高齢者、障害者、子育て世帯等の住宅の確保に特に配慮が必要ないわゆる住宅確保要配慮者への特段の配慮を行ってまいります。
以上で補足を終わります。
○議長(永易英寿) 再質問はありませんか。藤田豊治議員。
○21番(藤田豊治)(登壇) 再質問ですが、先ほどの御答弁にありました新居浜市の大型公共事業である総合運動公園構想と65年の耐用年数を迎える市民文化センターの建て替えについては、一度には難しいと思われますが、優先順位等今後どのように取り組んでいくつもりなのか、お考えをお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 藤田豊治議員さんの再質問にお答えをいたします。
総合運動公園構想と市民文化センターの建て替えの優先順位についてでございます。
総合運動公園構想の推進、市民文化センターの建て替えにつきましては、いずれも第六次新居浜市長期総合計画の中に取組を位置づけており、今後10年間において、財政状況など様々な条件を勘案しながら、順次取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○議長(永易英寿) 再質問はありませんか。藤田豊治議員。
○21番(藤田豊治)(登壇) 再質問ですが、今回も情報系・ソフト系企業の誘致と市役所庁内においてICT環境整備について質問させていただきましたが、なお一層のスピード感を持った動きが必要ではないかと思いますが、お考えをお伺いいたします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 藤田豊治議員さんの再質問にお答えをいたします。
情報系・ソフト系企業の誘致とICT環境整備にスピード感を持った動きとの御質問でございました。
まず、情報系・ソフト系企業の誘致についてでございますが、誘致候補企業にとって新たな拠点の開設は、経営判断であるとともに、雇用や設備を含む投資行為でもございます。誘致を成功させるには、候補企業の課題やニーズの的確な把握と経営判断に資する情報を余すことなく提供し、協議を図ることが肝要であると考えております。そのことから、要望やリスク等に対するスピーディーできめ細やかな対応を進めてまいります。
次に、ICT環境整備についてでございますが、感染症対策といたしまして、テレワーク・オンライン会議推進事業など、既に専決処分の後、導入の手続を開始し、順調に進捗をいたしております。
また、議会ICT環境整備についても、補正予算を本会議に上程させていただいており、議決後、速やかに準備を進め、今後もスピード感を持って進めてまいりたいと考えております。
○議長(永易英寿) 再質問はありませんか。藤田豊治議員。
○21番(藤田豊治)(登壇) 最後に、ため池管理についてですが、昨日、12月7日の夕方放送のNHKひめポンで、IT技術を駆使して、大規模水害に備えるの中で、福岡市の通信機器メーカーが開発したため池の水位変化監視システムの紹介がありました。ため池があらかじめ設置した水位に達すると、管理者にLINE、メールで自動通知する装置です。監視カメラ、水位データの送信装置を設置し、離れた場所でも状況確認が可能です。このため池の水位監視システムの維持コストは、年3万円であり、福岡市は、今年度中に50か所設置するとのことです。大雨などの危険な状態でため池に行く行動を減らせればいいのと下流域に住む一般住民の方も安心感が得られるのではと開発メーカーの方が話されておられました。このシステムについても、併せて研究、調査をしていただきたいと思います。
市長におかれましては、2期8年間、お疲れさまでした。これからの第3ステージでのなお一層の御活躍を御祈念申し上げ、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(永易英寿) この際、暫時休憩いたします。
  午前11時02分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
  午前11時12分再開
○議長(永易英寿) 休憩前に引き続き会議を開きます。
黒田真徳議員。
○12番(黒田真徳)(登壇) 皆様こんにちは。
公明党議員団の黒田真徳でございます。
初めに、石川市長におかれましては、さきの市長選で多くの市民の支持を得て、新居浜市長に御就任されましたことをお喜び申し上げます。
世間では、再び新型コロナウイルスの第三波が襲来し、経済状況はかつてのような拡大、成長は望めない中、これまで以上にリーダーの行政運営手腕が問われる状況になっています。今後、市長として、大変難しいかじ取りが強いられることと思われますが、その手腕を発揮される大きなチャンスでもあると思います。石川市長の今後の御活躍を心から御期待申し上げます。
それでは、通告に従いまして質問させていただきます。さきのお答えと重なることもあるかと思いますが、よろしくお願いします。
まず初めに、施政方針についてお伺いします。
新型コロナウイルスという未曽有の災いに対応しながらも、従来の課題である少子高齢化による社会保障に要する経費が年々増加するなど、地方自治体を取り巻く環境は、ますます厳しさを増しております。石川市長は、キャッチフレーズとして、共につくろう笑顔輝く新居浜市、夢をかたちにチーム新居浜を掲げておられます。笑顔輝く新居浜市づくりとして、1期目、2期目で実現できなかった事案で、3期目こそはと心に決められている案件もあるかと思います。
そこで、お伺いしますが、公約に掲げられている15の重点施策の中で、石川市長が特に積極的、具体的に推し進めたいと考えられている施策を3件教えてください。
また、地域コミュニティーの活性化についてと若者が住みたくなるまちづくりについて、どのように取り組まれるのか、お伺いします。
続きまして、認知症について何点かお伺いします。
初めに、認知症条例についてお伺いします。
我が国では、急速な高齢化の進展に伴い、2025年には約700万人が認知症となり、65歳以上の5人に1人の割合に達すると予測されています。また、65歳未満の若年性認知症の問題もあります。6月の定例会で、大條議員が、認知症条例について質問されましたが、愛知県の東浦町では、このほど町を挙げて認知症支援の施策に取り組むため、認知症にやさしいまちづくり推進条例を制定しました。条例は、認知症の人、その家族らが可能な限り住み慣れた地域で地域社会の一員として日常生活を営むことができる認知症に優しい町を実現することを目的に、町の責務や町民、事業者、関係機関、地域組織の役割を明記し、どの立場の方に対しても、認知症への正しい理解を深めるように促しているのが特徴です。また、事業者に対しても、従業員に必要な教育の実施、認知症の人が安心して自らの意思及び能力に応じて働ける配慮など、認知症の人や家族を支援する環境整備も求めています。東浦町では、条例に基づいて、認知症の人の視点に立った生活環境の整備や災害時の対応、認知症予防などに取り組んでいきます。町の担当者は、みんなが認知症を自分事として考えられるような取組をしていきたいと話していました。
新居浜市でも、既に認知症の方のためにあらゆる施策がなされていると思いますが、さらに高齢化が進む中でますます市民の皆様への周知、協力を得ることが必要だと考えます。条例制定を含め、今後どのように取り組まれていくのか、御所見をお伺いします。
次に、早期検診についてお伺いします。
長寿命化が進むにつれて、認知症になる方の割合も増加していきます。認知症は、ある日突然なるものではなく、軽度の症状から進行していくもので、自分では症状の程度が分かりにくいため、そんなに大したことはないと考え、自分から診察に行ったりはしないのではないかと考えます。軽度認知障害は、記憶力などの認知機能の一つが低下していますが、日常生活には大きな支障はない状態であります。しかし、適切な対応をせず放置すると、症状が進行し、高い確率で認知症を発症します。一度低下した認知機能を回復させるのは、難しいことです。しかし、早い段階で軽度認知障害に気づき、症状に応じた対策をすることで、認知症を回復させたり、認知症の発症を遅らせたりすることができます。
兵庫県明石市では、2019年9月から、75歳以上を対象に、新たな認知症支援の取組として、認知症の検査費用の助成を始めました。助成を受けるには、市役所などに用意している認知症チェックシートに記入し、提出が必要となります。早期発見を促すために、チェックシートの提出者には500円の図書カードが送付されます。認知症の疑いがあれば、初診料上限2,000円を助成、検査の必要な方には、MRIなどの検査費用上限5,000円を助成、合わせて上限7,000円の助成を行うようになっています。また、認知症と診断された方には、居場所が分かる端末、GPSの基本使用料1年間分6,600円かタクシー券6,000円分をお渡しします。この事業を通して、認知症の早期発見と地域の見守り支援にもつながると思います。
新居浜市でも、地域で行われているぴんぴんキラリ体操など、認知症予防につながる取組がなされています。そのような活動に併せて、認知症の早期発見に向けて、早めの検診が必要だと考えますが、現在の取組状況と今後の取組についての御所見をお伺いします。
次に、認知症の方の見守りについてお伺いします。
一時は緩やかに減少するかと思われた新型コロナウイルスの感染ですが、終息の願いもむなしく、現在大きな感染の波に襲われています。この流れを受けて、また以前のように外出を自粛することにもなるかと思いますが、この自粛によって誰とも話をしない時間が長くなると、孤独感が増し、鬱病や認知症を進めていくのではないかと心配されます。近年では、認知症の方の行方不明者も増加しており、警察庁が今年度に公表した取りまとめによると、昨年1年間に全国の警察に届出のあった認知症やその疑いがある行方不明者は、前年に比べ552人増加し、1万7,479人に上りました。統計を取り始めた2012年以降、7年連続で過去最多を更新しており、昨年は初めて全行方不明者の届出の中で認知症やその疑いがある方の割合が2割を超えました。今回の警察庁の発表は、認知症の行方不明者に対する取組が大きな課題であることを改めて浮き彫りにしました。
新居浜市でも認知症の母と二人暮らしの方から、母親がデイサービスから帰った後、自分が仕事から帰る僅かの間に外に出てしまって、探し回ることがあり、心配で困っているとの相談がありました。このように、認知症の方の見守りは、家族だけでは限界があるため、自治体、民間企業、地域住民などによる連携を強めることが重要だと考えます。既に全国の警察は、民間企業や自治体との情報共有ネットワークの構築など、早期発見に向けた連携を強化しています。
そこで、お伺いしますが、新居浜市内での現在の見守り状況はどのようになっていますでしょうか。
また、今年度には、新居浜市でもGPSを利用した見守りシステムに取り組まれるとお聞きしましたが、どのように計画されているのか、お伺いいたします。
次に、賠償責任保険についてお伺いします。
さきの質問でも述べましたが、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると予測されています。そうなると、認知症の方が日常生活における偶然の事故により、他人にけがを負わせたり、他人の財物を壊したことなどによって、御本人や御家族が多額の損害賠償責任を負ってしまうことも増えると考えられます。
このような問題に対して、神奈川県大和市では、認知症による徘回のおそれのある高齢者の早期発見を目指すSOSネットワークに登録されている方を対象に、2017年11月から市が保険料を全額負担し、個人賠償責任保険と損害保険に加入する事業を始めました。日常生活の様々な事故に対する補償額は、最大3億円、死亡・後遺障害保険は300万円、入院・通院保険金もあります。保険の期間は1年間で、対象範囲は国内、自己負担なしで大和市が契約者となり加入するというものです。保険適用の例としては、認知症の方が線路内に立ち入り、電車に接触、鉄道会社に車両損害や遅延損害を与えた。また、自転車に乗っていて歩行者にぶつかり、相手方にけがを負わせた。日常生活における事故で、他人の物を壊してしまったことなどが適用されます。このような認知症の人が起こした事故に関する救済制度の取組は、認知症の方の家族のためにも必要だと考えます。
そこで、本市においても、認知症患者の賠償責任保険の加入促進についてさらに取り組んでいくべきであると思いますが、御所見をお伺いします。
次に、高齢者に優しい町について何点かお伺いします。
初めに、高齢者の見守りについてお伺いします。
私は、去年の6月の議会質問で、独り暮らしの高齢者の緊急通報装置について質問させていただきました。独居高齢者を孤立させない環境づくりへ、福井県坂井市では見守りロボットの実証実験が実施されています。同市は、7月末、市内在住の60代から90代の独居高齢者10人に高さ30センチメートルほどの人型ロボットを無償で貸与しました。コロナ禍で訪問活動が難しい民生委員らの代行役となるものです。このロボットは、音声と3つのボタンだけで操作することができ、1日3回、設定された時刻に利用者の顔写真を家族に送信します。長時間撮影されなかったり、利用者が緊急通報ボタンを押すと、家族と警備会社に緊急メールが届き、家族はスマートフォンで室内の状況も確認できます。会話の相手役としても、ロボットは一役買っており、ロボットが利用者の顔を見つけたり、決まった時間になると声かけをしたり、ロボットに自由に話しかけておしゃべりをすることができます。利用者は、今では孫のような存在と癒やしの効果を語られます。災害時には、自治体が出す防災メールを受信し読み上げ、ロボットのそばに設置されたディスプレーに文字情報も表示します。実証実験は、9月末まで行う予定で、同市の高齢福祉課は、家族が安心する見守りや利用者の孤独感解消に役立っている。検証を踏まえ、本格導入を検討していきたいと語られています。西条市でも月額4,500円で貸与する同様の取組を行っており、利用者は10名ほどだそうです。ただ、メーカーとの契約では、初期の契約で100台がセットなので、可能であるならば自治体間同士で提携することで費用を抑えたりもできるのではないかと考えます。
このようなAIロボットやスマホなど、現状では独り暮らしの高齢者の方が利用するには高価な物だとは思います。しかしながら、特に現在のコロナ禍においては、独り暮らしの方、入院されている方、施設に入所されている方などとの映像通話、安否確認、緊急通報など、利便性、有用性において今後もなくてはならないものと考えます。新居浜市としましては、このようなデジタル機器を高齢者の見守りにどのように活用されていくのか、お伺いします。
次に、任意後見制度についてお伺いします。
任意後見制度は、将来判断能力が不十分になったときに備えるための制度です。よく聞く成年後見制度と任意後見制度の違いですが、任意後見制度は、成年後見制度のうちの一つで、判断能力が不十分になる前に本人が御自身の意思で後見人を決定できる制度が任意後見制度です。任意後見制度では、本人の判断能力があるうちに、将来自らの判断能力が低下した場合における財産管理や介護サービス締結などの療養看護に関する事務について信頼できる方に依頼し、引き受けてもらう契約を結びます。また、任意後見制度では、制度を利用するかどうか、任意後見人を誰にするのか、どんなことを依頼するのかは、全て本人が決めることができます。そのため、判断能力低下後も、これまでの生活スタイルを維持できるというメリットがあります。その反面、デメリットとしては、任意後見契約は、本人の判断能力が低下してからは利用できないほか、本人が死亡すると契約が終了するため、死後の事務処理や財産管理を依頼することができないので、別途死後事務委任状を締結しなければならないことなどがあります。この任意後見制度ですが、任意後見人になるために資格は必要ありません。家族や親戚、友人、弁護士や司法書士などのほか、法人と契約を結ぶことができるとあります。
新居浜市では、この任意後見制度の利用状況はどのようになっていますでしょうか。今後進む高齢化により、望むと望まざるにかかわらず、この制度の需要が増えるのではないかと考えます。新居浜市としましては、任意後見制度についてどのように考えられるのか、お伺いします。
次に、高額療養費の支給申請についてお伺いします。
高額療養費制度とは、病院や診療所で支払う医療費が、一月に自己負担限度額以上になった場合に申請することで、超過分を払い戻してくれる公的健康保険の制度です。その場合、対象者は、必要なものを持参して、市役所の担当窓口で申請手続を行わなければなりません。
そこで、高額療養費の支給対象となった70歳から74歳の前期高齢者にとって、その都度市役所に赴き、申請書を提出することは、交通手段の確保などの課題もあり、窓口の手続は非常に負担になっていると考えられます。
このような中、平成29年3月に国民健康保険法施行規則の一部が改正され、70歳から74歳までの被保険者の高額療養費支給申請について、市町村の判断により手続を簡素化することが可能になり、多くの市町村が自動振込方式を導入しています。愛媛県内で導入している西予市の担当者に手続の簡素化についてお聞きすると、担当職員の事務量は、自動振込を登録、解除するという事務作業等が増えた負担はあるが、導入したことで、申請者にとっては負担軽減となり、よかったと感じていると。また、当該世帯の方からは、その都度申請に行かなくて済むのでありがたいとのお声をいただいているとのことです。
そこで、お伺いいたしますが、本市では、高額療養費の支給対象になりながら、様々な理由により支給申請を行わなかった方の人数と総額をお聞きします。
また、本市でも、国民健康保険の70歳から74歳までの被保険者の負担軽減のためにも、高額療養費支給申請の簡素化を導入すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
次に、脱炭素社会についてお伺いします。
近年、国内外で異常気象が頻発し、記録的な高温や台風の強大化など、自然災害が激甚化しています。このような異常気象に対し、世界では既に1,000を超える自治体が、気候非常事態宣言を議決し、行動を開始しています。気候非常事態宣言は、地球温暖化が人間社会と自然環境にとって著しい脅威となっているという認識を持ち、計画や施策に気候変動対策を優先して反映すると対外的に明言するものです。国内でも、2019年9月に、長崎県の壱岐市が初めて気候非常事態宣言を表明して、現在では40を超える自治体が同宣言を出しており、今年の11月には、衆参両院が地球温暖化対策に国を挙げて取り組む決意を示す気候非常事態宣言の決議を採択しました。
そこで、まずお伺いいたします。
本市も市民、企業の機運醸成を図るために、同宣言を採択してはどうかと考えますが、御所見をお伺いします。
また、環境省は、2021年度から二酸化炭素の排出を2050年までに実質ゼロにすることを目指すゼロカーボンシティーを宣言した自治体の支援を強化します。これらの自治体が、電気を自給できるエリアの整備や新電力会社の設立に向けた人材育成などに乗り出す場合、優先的に支援対象とします。2021年度予算概算要求に、数百億円規模の関連費用を盛り込みます。CO2排出量の2050年実質ゼロを目指す自治体は、当初山梨県と京都市、東京都、横浜市だけでしたが、環境省が全国に呼びかけたことで、急速に拡大しました。今月1日時点で24都道府県と153市区町村の計177自治体となりました。ただ、脱炭素に向けた実際の取組は、省エネの推進などにとどまっている場合が多く、対策の強化が課題となっていました。このため、環境省は、2021年度から、自治体向けの再生可能エネルギー導入支援を拡大するとともに、ゼロカーボンシティーを宣言した自治体は、優先的に対象にする考えです。具体的な支援内容としては、災害による大規模停電時に、大手電力会社の供給網から独立して電気を自給できるエリアの整備を促すことを想定し、再エネ発電設備や蓄電池、専用電線の導入費用を補助する方針です。
そこで、お伺いいたします。
現在進められている太陽光などの再生可能エネルギーに加えて、今後水素エネルギーや蓄電池、バイオ燃料など、市として取組を考えられているエネルギーがあればお伺いします。
また、本市も地球温暖化対策として、低炭素社会を目指して取り組んでこられたと思いますが、目指すべき姿を低炭素社会から脱炭素社会へと前に進めてはどうかと考えますが、御所見をお伺いします。
次に、オンライン申請についてお伺いします。
9月に発足した菅内閣の目玉政策の一つに、行政のデジタル化を推し進めるデジタル庁の創設を伴う本格的なデジタルトランスフォーメーションへの転換があります。特別定額給付金の給付では、国と地方のシステム連携が不整合でうまくいかない原因になり、さらに各自治体が振込口座を確認する作業に多大な時間を要したことなどで、給付が立ち後れる一因となったことは記憶に新しいところです。ICTやデータの活用は、先進諸国に大きく水を開けられていて、特に遅れが目立つのは、行政のデジタル化だと指摘されています。パソコンやスマートフォンなどから、オンラインで完結できる行政手続は、僅か7%程度との報道もあります。オンラインによる行政手続で、現在実現可能なシステムにマイナンバーカードを使用したマイナポータル、ぴったりサービスの活用があります。これには、自治体レベルで新たなシステム構築などの必要はありません。菅政権も、行政のデジタル化を進める重要な手段としてマイナンバーカードの活用を重視し、普及促進に向けて健康保険証や運転免許証など、個人を識別する規格の統合を目指しているところです。このぴったりサービスは、各自治体の手続検索と電子申請機能を可能とするもので、災害時の罹災証明書の発行申請から子育ての関連では児童手当などの受給資格の認定申請、保育施設などの利用申込み、妊娠の届出など、幅広い行政手続をパソコンやスマホから申請できます。内閣官房IT総合戦略室、番号制度推進室によると、ぴったりサービスの中で、児童手当、保育、独り親支援、母子保健など、子育てワンストップサービスの電子申請対応状況は、今年9月末現在で、967の地方公共団体が実施済みで、全体の75.6%とのことですが、介護ワンストップサービスの対応状況は、同じ時点で104の地方公共団体で11.3%、被災者支援ワンストップサービスだと39の団体で2.0%にとどまっているとのことです。
新潟県三条市は、平成30年4月から、ぴったりサービスの利用拡大に取り組み、国が指定する手続15種類に加え、児童クラブの入会申請、子ども医療費受給者証の交付申請、国民年金被保険者資格の取得等々、市の判断で新たに様々な分野を追加してオンライン申請を可能にしています。
新居浜市では、このマイナポータル、ぴったりサービスを活用した行政のオンライン申請について、どのように考えられるのか、お伺いします。
次に、犬、猫の不妊・去勢手術補助事業についてお伺いします。
先日、市民の方から、野良犬についての相談がありました。生き物を飼育する場合、飼い主にはその生き物を管理して育てる責任があります。生き物を飼うことは、飼い主やその家族の生活と行動を制限することもあります。様々な事情により、飼育できなくなったときに、無責任に飼育動物を手放してしまう事例も少なくはありません。
愛媛県は、全国でも犬、猫の殺処分が多く、平成30年度は、全国で一番殺処分が多い県だそうです。その愛媛県の中で、新居浜市は、平成30年度と令和元年度では、殺処分が2番目に多い市となっています。これは、やはり野良犬、野良猫の頭数が多いせいでもあると考えられ、飼い主の知識不足や無責任による繁殖、放置、遺棄された犬、猫が野良犬、野良猫となり、その多くが殺処分される運命にあります。まずは飼い主による無責任な繁殖の制限や遺棄の防止に取り組むことが必要だと考えられます。
愛媛県では、11の市町で犬、猫の不妊・去勢手術補助事業を行っています。新居浜市においても、犬、猫の殺処分を減らし、野良犬、野良猫の被害、苦情をなくすために、犬、猫の不妊・去勢手術補助事業を行ってはどうかと考えますが、御所見をお伺いします。
○議長(永易英寿) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 黒田議員さんの御質問にお答えをいたします。
まず、施政方針についてでございます。
公約に掲げている15の重点施策の中で、特に積極的、具体的に推し進めたい施策3件についてでございます。
今回の市長選挙におきまして、私は、新型コロナ対策、防災・減災対策、少子高齢化・人口減少対策、地域経済の活性化、コミュニティーの活性化の5つを市政運営の柱に掲げ、15の重点施策についても、その柱に基づいたものとしております。いずれも今後力を入れていかなければならない施策であると考えておりますが、あえてその中で3件を挙げますと、新型コロナ対策の推進、防災・減災対策の強化、子育て支援の充実でございます。
まず、新型コロナ対策の推進につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立を図り、新しい生活様式に対する支援などにも取り組むとともに、今後国の第3次補正予算などの動向を注視しながら、地方創生臨時交付金の積極的な活用を検討してまいります。
次に、防災・減災対策の強化につきましては、近年の異常気象による自然災害に備えた防災・減災対策に取り組む必要があると考えております。国においては、先日の閣僚懇談会におきまして、来年度から令和7年度までの5年間において、激甚化する災害への対策、予防保全に向けた老朽化対策の加速、デジタル化等の推進に係る対策のために、追加的に15兆円程度の事業規模を目指すとの菅総理の発言があったところでございます。
今後におきましては、本年4月に完成いたしました新居浜市消防防災合同庁舎を防災対策の拠点とし、新居浜市国土強靱化地域計画に基づき、国の制度を活用しながら、災害に強いまちづくりを推進してまいります。
最後に、子育て支援の充実につきましては、妊娠期から子育て期にわたる総合的な相談や支援を実施しております子育て世代包括支援センターすまいるステーションの充実や不妊治療費助成の拡充のほか、高校生の医療費無料化に早期に取り組むなど、安心して子供を産み育てることができる環境整備を図りたいと考えております。
次に、コミュニティーの活性化についてでございます。
地域コミュニティーは、市民の身近な生活や暮らしの基盤となるものでございまして、安全で安心な市民生活を実現するためには、地域コミュニティーがしっかりしていることが不可欠であると考えております。これから10年後、20年後も住み慣れた地域でいつまでも暮らし続けていくためには、市民の力を合わせ、支え合い、助け合う地域コミュニティーづくりに取り組むことが重要であり、積極的な支援により、コミュニティーの活性化を図ってまいりたいと考えております。
具体的な取組といたしましては、自治会への補助制度などの財政支援を行うなど、地域コミュニティ再生事業交付金の活用により、引き続き直面する地域課題の解決に向けて取り組んでまいります。
また、人口減少、高齢化が進む地域への対策といたしましては、これから先も良好な地域コミュニティーを維持、継続、発展させていくために、地域住民が中心となって、様々な団体と連携した新たな仕組みといたしまして、地域を運営する組織や拠点づくりに着手したいと考えております。
今後におきましては、それらのモデル事業を実施し、その検証を踏まえながら、コミュニティー再生の充実強化を図ってまいります。
次に、若者が住みたくなるまちづくりについてでございます。
少子高齢化による人口減少が加速する中、本市の持続的発展を図るためには、若者が住みたくなる町を目指し、町の魅力を高め、交流人口や移住・定住人口を増やすことが最重要課題となっております。
このようなことから、本市では、人口減少対策を基本とした第2期新居浜市総合戦略を本年3月に策定し、4つの基本目標を定め、具体的な施策に取り組んでいるところでございます。
また、第六次新居浜市長期総合計画を策定するに当たり、高校生とのワークショップや市内で働く若者との懇談会を開催し、私自身が直接若者の意見を聞かせていただきました。そこでは、働ける場所を増やしてほしい、子供を安心して産み育てる環境をつくってほしい、買物、スポーツができる施設をつくってほしいなど、若者ならではの意見が多くございました。これらの意見につきましては、長期総合計画にできるだけ反映しておりますが、第3ステージの公約にも掲げましたIT企業、サテライトオフィスの誘致による雇用の創出、各種子育て支援の充実、総合運動公園の整備などの施策に重点的に取り組むことで、若者が住みたくなるまちづくりを進めてまいります。
さらに、昨今は、コロナ禍におけるテレワークの普及等により、若者の東京一極集中から地方への移住志向が強まっており、今後におきましては、このピンチをチャンスと捉えて、子育て環境、生活基盤の充実といった本市の魅力を移住・定住ポータルサイトやフリーペーパーなど、あらゆる手段により全国にPRしてまいります。
次に、脱炭素社会についてでございます。
まず、エネルギーの取組についてでございます。
現在、本市におきましては、様々なエネルギーの利活用を目指し、公共施設への太陽光発電設備の設置、下水処理場で発生する消化ガスの商用発電利用、学校給食配送トラックへのバイオディーゼル燃料の使用、水素エネルギーの普及啓発、市民向けには、ZEHなどの導入支援に取り組んでおります。
また、市内の産業界においては、石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量が約半分と言われるLNGを燃料とした火力発電所の建設及びガス供給事業など、温室効果ガスの低減とエネルギーの有効利用の両立を目指した動きが進んでおります。
今後におきましても、様々な再生可能エネルギーの利活用を図ってまいりたいと考えております。
次に、低炭素社会から脱炭素社会へについてでございます。
2018年に公表されたIPCCの特別報告書で、2015年のパリ協定の目標を達成するためには、2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする必要があると示されたことを受け、地球温暖化対策は、低炭素社会の実現から脱炭素社会の実現へと急速にシフトしており、我が国におきましても、先般菅総理が、所信表明演説の中で、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする脱炭素社会の実現を目指すことを宣言したところでございます。
本市におきましても、地球温暖化対策への取組をさらに推進する必要がありますことから、次期新居浜市地球温暖化対策地域計画では、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとすることを目標に掲げ、脱炭素社会の実現を目指してまいります。
以上申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足いたさせます。
○議長(永易英寿) 補足答弁を求めます。亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) オンライン申請について補足を申し上げます。
現在、マイナポータルには、マイナンバーカードの公的個人認証サービスを利用して、子育て関連手続等のオンラインサービスを行える機能、ぴったりサービスが搭載されております。
本市におきましても、子育て関連手続の電子化等を検討してまいりましたが、導入自治体の利用実績や費用対効果等から判断した結果、現在のところ電子申請の実施には至っておらず、児童手当等現況届など、申請書等のダウンロードサービスのみを実施いたしております。しかしながら、黒田議員さん御指摘のとおり、国におきましては、デジタル化を本格的に推し進める方針を掲げており、また自治体のみならず、様々なサービスの電子化が急速に進展していることや、マイナンバーカードの普及率が増加していることなど、社会情勢が大きく変革しておりますことから、今後マイナポータル、ぴったりサービスを活用した電子申請の導入について、具体的な検討を進めてまいります。
○議長(永易英寿) 藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 認知症についてほか1点について補足を申し上げます。
まず、認知症条例についてでございます。
認知症についての市民への周知や協力を得る取組といたしましては、認知症の方やその御家族が、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができるよう、認知症への理解を広め、地域全体で支援することを目的に、新居浜市認知症高齢者見守りSOSネットワーク事業をはじめ、認知症サポーター養成講座や講演会の開催、認知症初期集中支援事業、認知症カフェなどを実施しております。
また、認知症に関する施策及び取組を総合的に推進し、認知症に対する不安のない町を実現するための認知症条例制定に向けた具体的な検討といたしまして、現在、認知症初期集中支援チーム、地域SOSネットワーク協議会、認知症カフェ等の関係者に条例制定の趣旨を説明するとともに、併せて御意見をお聞かせいただいております。今後は、関係する団体や機関、認知症の方やその御家族にも御参加いただき、先進的な事例の調査研究を行いながら、新居浜市の現状に合った認知症条例の制定に向けて準備、検討してまいります。
また、今後の取組といたしまして、国の認知症施策推進大綱に基づき、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の方やその御家族の視点を重視しながら、共生と予防を車の両輪として施策を推進するため、認知症の人御本人からの発信支援や御本人、御家族のニーズと認知症サポーターを中心とした支援をつなぐ仕組みの整備にも取り組んでまいります。
次に、早期検診についてでございます。
認知症は、早期に発見し、適切なケアで対応すれば、その人らしい生活を長く続けることができるため、市民が認知症について正しい知識を持ち、医療、介護、地域社会の様々な資源やサポートをうまく活用できるように、本市ではまず65歳以上の高齢者を対象に、一般高齢者介護予防教室において、認知症についての早めの相談や受診を勧めているほか、全ての市民を対象に認知症について正しく理解し、支援が行えるよう、認知症サポーター養成講座を行っております。また、早期診断、早期対応を支援するために、認知症の専門医師、保健師、精神保健福祉士などで認知症初期集中支援チームを構成し、おおむね6か月を目安に医療や介護につなげるための集中支援を行っております。
今後の取組につきましては、市民に対し、引き続き講演会をはじめ、市政だより等で認知症についての幅広い知識を広報していくとともに、特に早期検診につながるように、先進事例も参考にしながら調査研究を行ってまいります。
次に、認知症の方の見守りについてでございます。
本市では、認知症の方の見守りのために、12月1日現在、金融機関や介護保険施設、医療機関等171の協力事業者と見守りネットワークを構築し、見守り対象者の発見及び情報の連絡から支援に至るまでの相互連携を図っております。また、認知症の方や地域の方が安心して生活できるよう、警察との連絡会を毎月開催し、認知症事前登録者や見守りが必要な方の情報共有を図っております。
また、GPSを利用した見守りシステムにつきましては、認知症高齢者見守りに登録されている方を対象に、GPS端末を携帯していただき、家族に認知症高齢者の位置情報を伝え、万が一の場合の早期発見につなげ、見守りを必要とする認知症の方が事故に遭うリスクや新型コロナウイルス感染症の感染リスク等を極力少なくすることを目的とするものでございます。
今後、認知症高齢者見守りに登録されている関係者等へ説明を行い、同意をいただいた方から順次事業を開始し、事業に対するアンケート結果を検証した上で、見守りシステムの構築を検討してまいります。
次に、賠償責任保険についてでございます。
認知症の方が第三者にけがを負わせてしまったり、物品を壊したりするなどにより、他者に損害を請求された場合に対応するため、個人賠償責任保険を活用することは、認知症の方やその御家族が安心して暮らすことに大変有効な方法であると考えます。認知症の方に起因する事故やトラブル等は、その内容や損害などが多様であると考えられ、全国的にも市区町村が認知症の御本人や御家族に代わって個人賠償責任保険の契約を行う事例が増えております。そのため、本市といたしましても、対象となる方々のニーズを調査するとともに、制度の実施について先進地の事例を調査研究してまいります。
次に、高齢者に優しい町についてでございます。
まず、高齢者の見守りについてお答えいたします。
高齢者の見守りにAIロボットを活用することは、AIロボットのコミュニケーション機能や運動機能により、介護予防等健康維持にも効果が期待でき、高齢者と離れて暮らす家族をつなぐこともできるため、高齢者の寂しさや不安を解消するなど、有益な手段の一つであると考えます。しかしながら、見守りロボットのレンタル費やクラウド利用料など経費が高額となること、多くの高齢者は情報通信機器の操作に対する不安感が強いことなどから、設置を希望する高齢者等は、特定の方々に限られると考えられます。本市の高齢者の見守りにデジタル機器をどのように活用していくのかにつきましては、費用面や操作性等様々な課題がありますので、引き続きAIロボット等デジタル機器の有効性、費用対効果等AIやIoTを活用した高齢者を見守るシステムの検討を行う中で調査研究してまいります。
次に、任意後見制度についてでございます。
任意後見制度は、判断能力があるうちに、本人が選任した任意後見人と任意後見契約を結び、将来判断能力が低下したときに、家庭裁判所が選任した任意後見監督人による監督の下、任意後見人による支援が開始されるものでございます。
新居浜市での利用状況につきましては、この任意後見制度は、個人の契約により行われるものでございますことから、把握はできておりません。しかしながら、今後ますます高齢化社会となり、本制度の必要性も増すものと思われるため、関係機関と連携を図りながら、市民の皆様に対する啓発活動等について検討してまいりたいと思います。
次に、高額療養費の支給申請についてでございます。
まず、支給申請を行わなかった人数と総額でございますが、2020年12月現在で時効が到来した直近の1年間で、人数は280人、総額は155万1,000円でございます。
次に、70歳から74歳までの被保険者の負担軽減のための高額療養費支給申請の簡素化についてでございます。
手続の簡素化を採用いたしますと、レセプト情報のみでの支給額の決定となるため、一部負担金等が未払いであっても高額療養費を支給してしまう可能性があることや、国民健康保険料滞納者との接触の機会が失われる場合も想定されますことから、現在のところ、本市においては、高額療養費支給申請の簡素化は導入いたしておりません。しかしながら、高齢者の高額療養費の支給申請は、今後も増加すると予想されますことから、高齢の被保険者の負担軽減のため、支給申請の簡素化の導入が必要であると認識いたしておりますので、問題点の解消や新たに導入を予定しております国保システムへの対応の可否などを含め、検討してまいります。
○議長(永易英寿) 原市民環境部長。
○市民環境部長(原正夫)(登壇) 脱炭素社会についてほか1点について補足を申し上げます。
まず、脱炭素社会についてのうち、気候非常事態宣言についてでございます。
本市では、平成25年に新居浜市地球温暖化対策地域計画を策定し、気候変動の要因である地球温暖化対策に取り組んでおりまして、計画策定から7年が経過し、より危機的となっている地球温暖化の状況や早急な対策の必要性などを市民や事業者に周知し、身近で活用しやすい計画とするため、現在改定作業を進めているところでございます。
本市といたしましては、まず本計画に基づき、市民一丸となって地球温暖化対策を推進することが重要であると考えておりまして、気候非常事態宣言につきましては、今後計画の推進状況を見ながら判断してまいりたいと考えております。
次に、犬、猫の不妊・去勢手術補助事業についてでございます。
黒田議員さん御案内のとおり、愛媛県の犬、猫の殺処分数は、全国1位で、本市では平成30年度に307頭、令和元年度に313頭の犬、猫を愛媛県動物愛護センターへ送致しており、そのほとんどが野良猫でございます。
このような状況を改善するためには、不妊・去勢手術の実施が有効であると考えておりまして、実際に補助制度を導入している他の自治体では、頭数削減に一定の成果も見られますことから、本市におきましても、野良猫を対象とした不妊・去勢手術の補助について検討してまいりたいと考えております。
なお、飼い犬、飼い猫につきましては、その管理は施術の可否も含め、飼い主の責務であると考えておりますことから、繁殖制限と終生飼養を遵守していただくよう、今後におきましても意識啓発に努めてまいります。
以上で補足を終わります。
○議長(永易英寿) 再質問はありませんか。黒田真徳議員。
○12番(黒田真徳)(登壇) 各質問についての丁寧な御答弁ありがとうございました。
1つ、高齢者の見守りについてですが、今月新居浜市でも新たな新型コロナウイルスの感染者が出ました。面会や訪問が制限される中、遠方の家族や友人、知人との顔の見える会話が独り暮らしの方の励みになることは間違いないものと考えます。デジタル機器の使用については、金銭的な問題に加え、操作が難しいなどのハードルはありますが、新居浜市としましても、デジタル機器を使用しやすい環境づくりに取り組んでいただきたいということを要望しまして、質問を終了いたします。
○議長(永易英寿) この際、暫時休憩いたします。
  午後 0時04分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――

  午後 1時00分再開
○副議長(田窪秀道) 休憩前に引き続き会議を開きます。
篠原茂議員。
○10番(篠原茂)(登壇) 新居浜の未来を考える会篠原茂です。
石川市長、先日の市長選挙、おめでとうございます。今後4年間、健康に留意され、新居浜市民の幸せ届け人としてよろしくお願いいたします。もちろん私たちの会派も全面的に協力いたします。
では、通告に従いまして質問いたします。
最初に、産業振興についてお伺いします。
新型コロナウイルス感染症対策として、地方創生臨時交付金9億2,536万1,000円が投入され、小中学校感染症対策整備事業など、経済活動には大変有益であり、中小企業の皆様からも、好評の声が多く聞かれました。今後も素早い対応をよろしくお願いいたします。
1点目に、新居浜市ものづくり産業振興ビジョンについてお伺いします。
新居浜市ものづくり産業振興ビジョンは、平成22年3月に策定されました。5年経過した平成28年2月に見直しがされ、現在に至っております。来年の2月で見直しから5年経過しますが、成果を評価し、持続的に成長、発展していけるよう、新たなビジョンが必要と考えます。
最初に、粗付加価値額増加の要因についてお伺いします。
まず、結果の指標を見てみると、1、新居浜市製造品出荷額は、基準値、平成25年度6,582億円、実績、平成30年度8,954億円、2番目としまして、新居浜市従業員1人当たり粗付加価値額、基準値、平成25年度2,171万円、実績、平成30年度3,065万円でした。先日、市民を対象にした集会がありましたが、そのとき山本議員から市民の皆様に、製造品出荷額の報告をされ、市民の皆様から経済政策がうまく推移していると高い評価の声が聞かれました。
そこで、お伺いします。
製造品出荷額、従業員1人当たりの粗付加価値額が30%も超えて増加した主な要因をどのように分析していますか、お伺いいたします。
ものづくり産業振興ビジョン全体像にあるどのアクションプランが効果を示したのか、またアクションプラン以外にもどのような要因があったのか、お伺いします。
この分析を明確にしておかないと、次期アクションプランの効果が薄れることになってしまいますから、重要ですので、よろしくお願いいたします。
一般的に粗付加価値額を上げるためには、売上高を増やすことと、生産性を向上させることが必要と言われています。
そこで、お伺いします。
生産性を上げる即効性のある方策として、設備投資があります。当市では、生産性向上機器導入事業、IT・IoT導入事業などがありますが、支援実績を教えてください。
補助企業のその後の業績を確認していますか、お伺いします。
次に、市内の中小企業の売上高を増やす方策としては、住友関連企業からの注文を市外の企業に流出させないこと、商圏を広げることがあります。これには、市内中小企業の技術力と生産能力が伴う必要があります。市内中小企業おのおのの強みと弱みがあると思いますが、おのおのの強みは共有し、弱みはお互いを補完することによって、各企業の競争力強化が図られ、結果として新居浜市の企業集団の競争力強化につながると思います。例えば、各企業が保有する設備については、各協同組合等を通じて共有できていると思いますが、技術力、製品精度や生産技術力の共有と連携についてはどうでしょうか。これらの技術力は強みですから、非公開にする必要は全くないと考えます。競争力がある業種とない業種があると思いますが、どのように分析されていますか。競争力のない業種には、どのような支援を考えていますか、お伺いいたします。
次に、長期的には自社ブランドの商品創出が重要となります。四国中央市は進んでいます。中小企業のメーカー化です。新居浜市には、グローバルに展開している住友関連企業があります。また、新居浜工業高等専門学校があり、産官学連携には有利な条件がそろっていると思います。新商品開発事業、共同研究事業の支援実績及び結果をどのように評価されていますか、お伺いします。
2点目に、中小企業の人材不足についてお伺いします。
愛媛県の最低賃金は、2013年666円から2019年790円と19%伸びていましたが、新居浜市における総所得金額等を納税義務者数の合計で除した額は、2013年289万1,000円から6年後の2019年305万9,000円で5.8%増にとどまっています。年間1%以下の伸びにとどまっており、市民の生活が豊かになっているとは言えません。企業は、今後も従業員の生活を豊かにする責務がありますことから、人件費増に対する圧力は高まります。また、新居浜市の中小企業の経営者は、自社の経営課題として人材不足を上位に挙げています。このような背景から、安易に人件費の安い外国人労働者の雇用に走るのではなく、粗付加価値額を高める本質の方策が各企業の競争力強化につながるものと考えます。参考ですが、新居浜市の外国人労働者は、令和元年度10月現在、1,034名です。普通人材不足の対応策としては、1、技術者不足の対応策は、人材育成と新卒者の採用です。2、オペレーター数不足の対応は、さきにも述べた生産性向上機器導入による製造職場の無人化と多能工化が王道です。また、働く意欲のある高齢者や女性の活用も有効な手段と考えます。
そこで、お伺いします。
1点目、中小企業の経営者は、営業、設計、生産管理、品質管理等のマネジメントができる人材を希望していますが、昨年度から専門人材、即戦力人材の確保を支援するため、プロフェッショナル人材確保支援事業費補助金を設けましたが、従来からの人材養成事業と併せ、支援状況、成果をどのように評価されていますか、お伺いします。
2点目、高齢者人口が増加している状況下で、働く意欲はあるが、フルタイムの就業や体力に自信がない高齢者や女性にも対応できるものづくり職場の環境整備をどのようにしていますか、お伺いいたします。
○副議長(田窪秀道) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 篠原議員さんの御質問にお答えをいたします。
産業振興についてでございます。
ものづくり産業振興ビジョンについてお答えいたします。
本市の製造業は、別子銅山の開坑以来、住友関連企業群を中心に、地域企業の絶え間ない努力の基に発展をしてきた長い歴史があり、その振興と活性化は、地域経済にとって必要不可欠なものであると認識をいたしております。
そうした中、製造品出荷額等につきましては、製造業はもとより、地域経済の現状を示す重要指標として、長期総合計画をはじめとする各種計画でのKPI等の項目として位置づけているところであり、1人当たりの粗付加価値額とともに大きく上振れしている結果については、本市経済の堅調さを心強く感じるものでございます。
これらの増加要因につきましては、近年の住友各社における大型投資による事業拡大や市内製造業界での新たな設備投資が一因となっているものと認識をいたしております。
また、効果を示したアクションプラン等についてでございますが、住友各社とのトップミーティングや経済懇談会を通じた情報交換と連携強化の促進のほか、企業の留置及び再投資への支援を強化した企業立地促進条例に基づく奨励金制度などの施策の推進が一定の効果を示しているものと考えております。
いずれにいたしましても、本市の製造業の発展は、持続可能な地域経済の実現に向けた要であるとの認識の下、今後におきましても各施策を通じた支援に取り組んでまいります。
○副議長(田窪秀道) 河端経済部長。
○経済部長(河端晋治)(登壇) 生産性向上機器導入事業の支援実績等についてお答えいたします。
まず、生産性向上機器導入事業につきましては、生産システムの合理化や製品の高付加価値及び効率を図るための工作機械等の導入経費の一部を補助するもので、令和元年度は17件、2,429万5,100円の補助金を支出しております。
また、IT・IoT導入事業につきましては、令和2年度に新規事業として創設いたしております。これは、業務の改善及び効率化を図るためのITツール及びIoTを導入した経費の一部を補助するもので、現時点では2件の申請をいただいているほか、問合せも複数いただいております。
この2つの事業につきまして、補助対象企業の業績への影響について、定量的な効果の確認まではできておりませんが、補助対象企業からは、設備投資により、従前より製品の品質が向上したという声や熟練工のみ行うことのできた業務が、若手工員でも作業が可能となったという声を伺っております。
次に、各企業の技術力の共有につきましては、新居浜ものづくりブランドとして認定した企業を市のホームページ等で情報発信しております。
また、技術力の連携につきましては、新居浜ものづくりブランド企業間の連携による新製品開発に対する支援を進めているほか、新居浜機械産業協同組合では、傘下の複数企業によるマイントピア別子の観光列車別子1号のリニューアルプロジェクトの共同受注を通じ、企業の垣根を越えた新たな連携が生まれていると伺っており、こうした取組を支援することで、地域企業の連携と競争力の強化を図ってまいります。
また、業種別の競争力についてでございますが、市内中小企業は、これまで住友各社の多様なニーズに応え、競争力を蓄積してまいりましたが、近年、スピード感を伴い、事業環境が変化する中、今後の企業経営にはそうした環境変化への対応が求められていると認識しております。
このような中、本市においては、研究開発の促進や新製品開発を支援する補助制度、また先進的な技術を活用した実証事業を支援する補助制度を創設しており、こうした施策を通じ、市内企業の競争力の強化を図ってまいります。
次に、新製品開発事業につきましては、特許申請を伴う新製品開発に係る研究開発の経費の一部を補助するもので、令和元年度はゼロ件、共同研究事業につきましては、学術機関と共同研究を行い、研究が完了したときに研究に係る経費の一部を補助するもので、令和元年度は3件、225万円の補助金を支出しております。これら事業につきましては、研究開発という性質上、新たな開発に取り組む意欲ある企業にとっては、企業ブランドの向上、産業競争力の強化、次世代産業の創出につながるものと認識しており、今後においても継続して支援してまいりたいと考えております。
次に、中小企業の人材不足についてでございます。
まず、プロフェッショナル人材確保支援事業費補助金につきましては、愛媛県プロフェッショナル人材戦略拠点に登録し、人材を採用後半年が経過した中小企業が対象となりますことから、まずは市内企業に人材情報シートの登録促進を進めており、令和2年度の情報シートの登録件数は78件で、県内3位となっております。
採用については、令和元年度以降、10件のマッチングが成立しており、対象企業に対して、戦略拠点を通じて補助金の周知を行っておりますが、採用企業からは、一般的な求人手続では採用が困難な専門及び即戦力人材の確保につながったとのお声をいただいております。
また、人材養成事業につきましては、経営者及び従業員のための研修の実施や技能検定資格の取得に係る経費に対し補助を行うものでございます。令和元年度は、延べ20社、82名の方を対象に支援させていただいており、中小企業や団体が取り組む従業員等の人材育成の後押しになっているのではないかと考えております。
次に、ものづくり職場の環境整備についてでございます。
現在、本市では、従業員が働きやすい環境を整えるため、休憩室や空調設備などの新設、更新を対象とした労働環境改善事業や女性従業員が働きやすい環境を整えるための女性専用の更衣室やトイレなどの新設を対象とした女性活躍環境整備推進事業を実施しており、こうした支援策や国等の施策の活用を通じ、高齢者や女性をはじめとする多様な産業人材の確保に努めてまいります。
○副議長(田窪秀道) 篠原茂議員。
○10番(篠原茂)(登壇) 最初に申し上げたとおり、製造額が30%も伸びているんですから、経済活動はうまくいっとるとは思っております。今後も継続してやっていただければと思っとんですけど、その中で1点だけ、河端部長の答弁の中で、生産性向上機器とかITとかIoTの導入事業の中で、生産実績を教えていただいたんですけど、その補助事業のその後の確認がまだできてないと言よりましたけど、そんなところは大変重要と思いますので、そんなところもまた今後行ってくれたらと思っております。
そしたら、1点だけ再質問します。
新居浜市ものづくり産業振興ビジョンでは、新規高等学校卒業者の製造業への就職内定者数の増加を目標に挙げています。各中小企業の将来の幹部候補生である大学や高専の新卒者の採用が課題となっております。現状では、インターンシップ支援補助金、奨学金返済支援事業補助金がありますが、支援状況及び成果をどのように評価されているか、教えてください。
○副議長(田窪秀道) 答弁を求めます。亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) 篠原議員さんの再質問にお答えいたします。
奨学金返済支援事業補助金の支援状況及び成果についてでございます。
本事業の新規申請者の実績といたしましては、平成29年度が29件、平成30年度が24件、令和元年度が17件、令和2年11月末までの申請実績が14件となっております。年度によって増減はございますが、毎年20件余りの新規申請者の受付を行っており、初回申請時に満30歳以下の年齢要件を定めておりますことから、若い世代の本市中小企業へのU・I・Jターンと市内就業を通じた定住の促進に寄与しているものと考えております。
○副議長(田窪秀道) 河端経済部長。
○経済部長(河端晋治)(登壇) 篠原議員さんの再質問にお答えいたします。
インターンシップ支援事業補助金は、市内の中小企業が人材確保を目的として実施するインターンシップにおいて、学生の交通費や宿泊費を負担した場合に、交通費は学生1人につき1万円、宿泊費は1泊5,000円を上限に、1人当たり最大6万円を支給する補助金でございます。令和元年度は、8社、53名に対し支援を行っており、そのうち面接に至ったのは13名で、うち3名が採用となっております。インターンシップは、雇用のミスマッチを予防し、職場定着が期待できる企業の採用活動の一環であると考えており、今後も継続して支援してまいります。
○副議長(田窪秀道) 篠原茂議員。
○10番(篠原茂)(登壇) ありがとうございました。
それでは次に、学校、公民館、自治会の連携についてお伺いいたします。
近年の教育現場の状況は、従来の学校に全て任せておけば大丈夫だというものから大きく変化しているような気がしてなりません。教職員に過重な負担を負わせることが放置されてきた時代から、業務改善や部活動の構造転換、さらにはコミュニティ・スクールや地域学校協働活動などにより、学校と地域の新しい関係性を模索していることに大きな期待を寄せるところです。
しかし、いじめや暴力行為等の問題行動の発生、不登校児童生徒の増加、特別な配慮を必要とする児童生徒の増加など、多様な児童生徒及び保護者等への対応など、容易に解決に結びつかないケースが増え、教員の業務量はさらに増加していることを危惧しております。
また、社会は、昭和から平成、そして令和に移る中、家族形態の変化や価値観やライフサイクルの多様化により、地域社会における支え合いやつながりは一層希薄になり、自助や共助の社会の実現は、ますます難しくなっていると思います。
このような状況の中、よりよい学校教育を通じて、よりよい社会をつくるという新学習指導要領の目標が示されました。学校と地域が共有して、一体となって子供たちの成長を支えていくことが必要であると示されております。まさに学校と地域が共に発展していくことが求められているのです。新居浜市では、学校と地域住民が力を合わせて学校運営に取り組むコミュニティ・スクールと地域と学校が相互にパートナーとして連携、協働して行う地域学校協働活動の一体的な実施を推進しておりますが、この路線はまさに国の方針に合致するものと思っています。従来の地域が学校を支援するという一方的な関係から、学校と地域が連携、協働するというウイン・ウインの関係に変化させなければならないと思っています。市内の学校の取組を見ると、まだまだ学校で温度差があり、互いの情報交換の場も少なく、同じベクトルを持っていないような気がしてなりません。市教委として、コミュニティ・スクール、地域学校協働活動の現状をどう評価し、今後どのように推進していこうと考えているのか、お伺いします。
また、学校と保護者、そして地域の方々の役割分担やそれぞれの責任の担い方について、どのような在り方を理想として目指そうとしているのか、お伺いいたします。
次に、公民館についてお伺いします。
公民館活動は、集う、学ぶ、結ぶをキーワードに掲げていました。今までの生涯学習、社会教育、みんなが集うが大前提でした。これからの社会教育の方向性も、人づくり、地域づくり、つながりづくりであり、私も全く同感です。しかし、今回コロナウイルスは、私たちから人が集うこと自体を奪ってしまいました。これまで三密は歓迎することでしたが、それができない今、新しい社会様式に合った活動を探っていくことが重要と思っています。今の公民館を見ていると、貸し館が主流だと感じますので、これだけでは将来が不安です。
地域の現状を見ると、少子高齢化、地域防災、防犯、環境、家庭の支援、学校の支援など、様々な地域の課題に対して様々な行政部局が各分野で対策を講じていますが、複雑・複合化する課題、縮小する行政組織の中で特定分野のみの取組では効果が薄く、住民と行政の協働による課題解決、住民が当事者としていかに地域を支え、盛り上げるかが重要と感じています。9月議会で専決処分の報告がありました一般会計補正予算(第5号)でテレワーク・オンライン会議推進事業が予算化されました。この事業は、公民館も出先機関、サテライトオフィスとして分散勤務ができる環境を整備するものと言われていましたが、公民館活性化の手助けが図られたんでしょうか。何をどのように行おうと考えているのか、そしていつから始めようとしているのか、お伺いします。
また、公民館には、どのように説明していますか。公民館からの情報が、何もないことに不安を感じます。
公民館は、社会教育施設なので、教育行政ですが、これからの目指す姿は、福祉行政あるいは産業振興など、多様な領域をカバーする地域コミュニティーの基盤的な施設になるべきではないでしょうか。今後の社会教育施設の在り方を考えると、教育行政から一般行政に移管することにより、一般行政に社会教育が浸透していくのではないでしょうか。そのときは、社会教育士も配置し、より住民に近いところで共に活動をしながら、住民の声にならない声を聞き取り、対話を重ね、当事者性を高めていただきたいのです。これからの公民館の目指す方向性について、どのように考えているのか、その際の職員体制についてもお伺いします。
次に、自治会についてお伺いします。
自治会加入率が下がり続けています。既に地域によっては50%を切っているところもあると聞きます。住民は、自治会の必要性をメリット、デメリットで判断するとずっと言われてきましたが、それだけでしょうか。私も長く自治会活動を行ってきましたので、反省することが多いです。以前は、お葬式は自治会員が助け合いながら行っていましたが、現在は葬祭業者に頼むと近所の方に頼むことがなくなりました。道路、水路の清掃も、行政にお願いすることで、自治会協働で行うことも少なくなってしまいました。行事は、前例踏襲だけ、春の運動会、夏は夏祭り、秋は文化祭、毎月の会合では、行政からの依頼事項の伝達がほとんどですから、新しい方は魅力を感じず、自治会を離れていくのも当然かと思います。現在の自治会、縦組織では、現在の社会ニーズに十分応えられないのではないでしょうか。多様化した社会においては、横のネットワークが必要です。住民と行政のパートナーシップ、住民自らの取組に対し、行政が一緒に考え、サポートをする機会こそが大切ではないでしょうか。
協働の一つの形として、地域運営組織に注目が集まっています。新居浜市第六次長期総合計画でも、組織を立ち上げると書かれています。地域運営組織に注目が集まった背景には、まち・ひと・しごと創生総合戦略への掲載のほかに、自治会の加入率が全国的に低下し、従来の役割を果たすことが困難になり、それを代替えする住民自らが地域課題の解決に取り組む組織づくりが全国各地で展開されているからではないでしょうか。今後の新居浜市の地域運営組織創設に向けての考えをお伺いします。
泉川校区でも、まちづくりの中心となる5つの地域課題を定めて活動を展開しています。例えば、環境美化部会と学校運営協議会が協力して、花いっぱい運動を展開していますが、花の仮植・定植時には100名の中学生が参加されます。もちろん強制ではなく、中学生が地域を美しくしたいとの自主的な思いで参加しています。大人になって地域とのつながりを大切にできる市民を増やすには、子供のときから自治会活動に参加する機会をつくり、呼びかけることが重要と考えますが、どのように感じますか、お伺いいたします。
○副議長(田窪秀道) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 学校、公民館、自治会の連携についてお答えいたします。
自治会についてでございます。
今後の地域運営組織創設に向けての考えについてお答えをいたします。
身近な地域で安心、安全な生活を送るために、これまでは地縁組織である自治会を中心に、高齢者福祉、ごみ問題、防犯、防災などの地域課題の解決に取り組んでまいりました。しかしながら、自治会加入率の低下と相まって、個人主義の台頭や住民ニーズの多様化、さらには役員や後継者不足などにより、地域が抱える多種の課題は、自治会だけでは対応が困難になってきているという現状がございます。
このようなことから、今後も地域コミュニティーを持続発展させていくためには、地域住民が中心となって、様々な団体等と連携して、地域課題の解決に取り組む新たな仕組みが必要であると認識をいたしております。現在、地域コミュニティ再生検討委員会を立ち上げ、地域を運営する組織や拠点づくり、職員のサポート体制などについて協議を進めており、こうした取組は、令和元年度で全国5,236組織を数え、年々増加傾向にあります。
本市におきましては、地域住民が主体となった地域運営組織のモデル事業に取り組み、その検証を踏まえた上で、順次取組を広げてまいりたいと考えております。
次に、子供のときから自治会活動に参加することの重要性についてでございます。
子供の頃から自治会活動に参加することにより、自治会の必要性を理解し、大人になったときには積極的に様々な活動に参加し、担い手になってくれるのではないかと大いに期待するところでございます。
今後におきましても、子供たちが地域や自治会の活動に参加する機会を増やすよう、市といたしましても働きかけてまいりたいと考えております。
○副議長(田窪秀道) 高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 学校についてお答えいたします。
本市では、平成30年度に市内の全小中学校がコミュニティ・スクールを導入し、各校で学校、家庭、地域が連携、協働した特色のある教育活動に取り組んでおります。小中学校と地域合同の防災訓練で、中学生が講師を務めたり、卒業生や地域の方々の協力による学習支援や農業体験、読み聞かせや家庭科の授業をサポートしてくださるなど、学校の実情に応じて様々な教育活動に地域の皆様が関わってくださっており、子供たちを心豊かに育てていただいていることに感謝いたしております。
今後におきましては、市内の各学校運営協議会関係者で組織する新居浜市コミュニティ・スクール推進協議会で、定期的な広報紙の発行や全市的な情報共有、課題解決策について協議を行うとともに、コーディネーターの育成、配置などの体制整備に向けた各種研修に取り組むなど、地域と共にある特色のある学校づくりを推進し、市内全てのコミュニティ・スクールの活動の充実と地域の教育力の向上に取り組んでまいります。
また、学校、保護者、地域の方々の役割分担やそれぞれの責任の担い方につきましては、教育委員会も調査研究を行いますが、各校区の学校運営協議会において、教育活動や地域学校協働活動を実施する際に、地域の実情に応じた無理のない役割分担について協議されることが望ましいと考えております。役割分担についてのガイドラインを定められた学校運営協議会もありますことから、先進校での取組を市内で共有しつつ、学校、家庭、地域の連携を推進し、地域コミュニティーの発展に努めてまいります。
次に、公民館についてお答えいたします。
現在、公民館は、社会教育法の目的を具現化するために、地域教育力向上プロジェクト推進事業などに積極的に取り組んでおり、自分たちの町は自分たちの手でつくり出すという意識が高まり、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与するとともに、住民同士の連携も図られてきていると認識いたしております。
一方、社会情勢の変化とともに、地域活動の拠点でもある公民館に求められる業務も多種多様となってまいりました。これまで社会教育の振興を主として取り組んでまいりました公民館活動も、福祉や防災、環境などとの連携が必要不可欠となり、幅広い分野をカバーしなければならない状況となってきております。
そのような中、教育委員会といたしましては、現在社会教育活動と地域コミュニティー活動の融合や組織、人材配置などにつきまして、市長部局と協議を行っておりますほか、新居浜市社会教育委員会議におきましても、これからの公民館の在り方につきまして議論していただいているところでございます。今後、答申が予定されております新居浜市社会教育委員会議からの御意見も踏まえ、市長部局との協議も重ね、公民館に関して様々な領域を担う地域コミュニティー施設への転換についての方向性を探りつつ、これからの職員体制につきましても、様々な角度から検討いたしてまいります。今年度は、10名の公民館職員が、社会教育士の資格取得のため、必要な講習を受講予定でございます。教育委員会といたしましては、今後とも公民館職員の資質向上に努めますとともに、社会教育士が講習で学んだことを地域活動に生かすことができる環境づくりに努めてまいります。
○副議長(田窪秀道) 亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) テレワーク・オンライン会議推進事業についてお答えいたします。
本事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、本庁内だけでなく、職員の分散勤務を図るためのテレワーク環境を整備するとともに、公民館等の出先機関において、サテライトオフィスとして分散勤務ができるよう、端末やネットワーク環境を整備するものでございます。例えば、感染していない職員が、居住地に近い公民館の会議室等において、自分が使用している庁内LAN用パソコンを接続することによって、業務を継続できることを想定しております。また、WiFi環境を利用したテレワーク環境も併せて整備しており、自宅等においても、市役所と同様にリモート技術を活用した環境を整備するもので、こちらも業務を継続することを目的にしております。さらに、公民館等の出先機関及び本庁の各課には、タブレット端末を配備し、ウェブ会議システム環境を構築することで、出先機関と本庁の打合せや協議がスムーズに行える環境が整うことになります。
現在、今年度中の整備に向けて、タブレット端末の選定や環境整備の準備段階であり、今後におきましては、公民館の意見もお聞きしながら、教育委員会等と運用方法等を十分協議し、利用可能な業務を検討してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、今回の環境整備は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、新しい生活様式への対応を具現化したものであり、公民館にとっても地域コミュニティーの拠点として、新たな時代に対応できるよう、ICT化を進めてまいりたいと考えております。
○副議長(田窪秀道) 篠原茂議員。
○10番(篠原茂)(登壇) コミュニティ・スクールの件は、教育長から答弁いただいたんですけど、ぜひ答弁どおりに進めていただくよう、お願いいたします。
そして、1点だけお伺いするんですけど、教育長、社会教育士と言われたんですけど、社会教育主事の間違いじゃないですか。社会教育士は、まだできてないことないですか。
○副議長(田窪秀道) この際、暫時休憩いたします。
  午後 1時43分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
  午後 1時54分再開
○副議長(田窪秀道) 休憩前に引き続き会議を開きます。
答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 篠原議員さんの再質問にお答えをいたします。
先ほど社会教育士についての御質問がございましたが、これにつきましては、先ほどの答弁どおりでございますが、少し説明を加えさせていただいたらと思います。
まず、社会教育士という新たな言葉ですけれども、これは今年度から社会教育主事の講習が変わりまして、有資格者は新しい科目、生涯学習支援論と社会教育経営論を取得すれば社会教育士を名のることができるということでございます。この講習の修了証書授与者が社会教育士というような呼称を名のることができるというふうになっております。
今までですと、教職員、公民館職員、PTAの方々が、この社会教育主事講習を受けて資格を取っておっても、教育委員会事務局の職員でないと社会教育主事に任用はできませんでしたけれども、つまりそういう方々は社会教育主事有資格者ということでございましたが、今後、修了者全てが社会教育士と称することができ、名刺等にも社会教育士と記載することが可能になります。したがって、今回10名の主事が本年度この講座を受けますことから、そのまま受講修了時点で社会教育士となると、そういうことで先ほどの答弁をさせていただきましたので、補足して御説明を申し上げます。
○副議長(田窪秀道) 篠原茂議員。
○10番(篠原茂)(登壇) 今回のコロナ禍で、公民館でサテライトオフィスとして分散勤務ができる環境を整備すると言っているのは、新居浜市一宮町でクラスターの発生を想定していたと思います。リスク管理の面からでも、私は必要なことだと思います。その点については、現場の公民館とはどのような情報や意識の共有が図られているのかとお尋ねしたんですけど、それも今亀井企画部長からの答弁がありましたとおり、今公民館と打合せ中だというふうなことで期待しておきます。よろしくお願いいたします。
それと、テレワークのオンライン事業ですけど、自宅でもできるんではないかと思います。あえて密になるサテライトで行う必要がありますかね。その点についてまた考えを教えてください。
そしてもう一つ、これは教育委員会なんですけど、これから先の公民館事業は、市長部局がどのように関わって進めていくのでしょうかね。今回のような事業を通じて、趣味、教養だけでなく、市民にためになるような様々な行政課題を解決していく活動が増えていく公民館になっていくのでしょうか、その辺りを教えてください。
○副議長(田窪秀道) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 篠原議員さんの再質問にお答えいたします。
公民館事業につきましては、社会教育法において個別に規定されておりますが、その中において、住民の集会、その他公共的利用に供することも明記されております。現在、市内の公民館、交流センターは、趣味、教養に関する事業に加えまして、地域における福祉活動や防災活動等におきましても、積極的に関わっているところでございます。公民館、交流センターは、既に地域住民の皆様にも親しまれ、地域活動の拠点施設としての周知も進んでおりますことから、これまでの公民館活動に地域コミュニティー活動を融合させた取組を今後推進していくとすれば、その中核施設としての役割が求められるものと考えております。現在、教育委員会といたしましては、地域コミュニティーを所管しております市長部局との協議を進めており、今後におきましても社会教育法に縛られないコミュニティーを軸とした協働のまちづくり事業への転換についても検討を進めてまいりたいと考えております。
○副議長(田窪秀道) 亀井企画部長。
○企画部長(亀井利行)(登壇) 篠原議員さんの再質問にお答えいたします。
テレワーク・オンライン会議推進事業費についてでございます。
テレワーク・オンライン事業なら自宅でできるのに、サテライトを行う必要があるかとのことについてでございます。
職員が自宅で業務を行う場合、職場のパソコンを使用できますが、人によってWiFi環境が整備されていない家庭もありますことから、そのような場合は、公民館のWiFi、またはLAN環境を使用しての業務継続が可能となります。
また、新型コロナウイルスが市中に感染拡大している事態となった場合に、市民の方が市役所まで来なくても公民館で職員が対応して用事を済ませることなども場合によっては想定されます。
いずれにいたしましても、今回の事業化につきましては、国の交付金を活用して実施するものであり、将来公民館が地域コミュニティー施設への転換を図る可能性も視野に入れて整備するものでございます。
○副議長(田窪秀道) 篠原茂議員。
○10番(篠原茂)(登壇) 亀井部長、ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
次に、健康寿命延伸の取組についてお伺いいたします。
我が国の平均寿命は、医療技術の進歩、手厚い介護保険制度、生活水準の向上などにより年々伸びており、世界有数の長寿大国となっております。厚生労働省が発表した統計データによると、令和元年の平均寿命は、女性が87.45歳、男性が81.41歳で、共に過去最高を更新しました。30年前の平成元年と比べると、女性は5.68歳、男性は5.5歳延びているということです。また、ある学者の説では、今の子供たちの半数は、107歳まで生きると言われています。まさに人生100年時代が到来する今、どうすればこの長い人生を健康に過ごすことができるかが重要です。現在、急速な高齢化に伴う寝たきりや認知症高齢者の増加、がんや脳血管疾患、心疾患、糖尿病などの生活習慣病の増加などにより、医療費の高騰が大きな課題となっております。こうした背景から、ただ長寿を目指すだけではなく、生活習慣や社会環境の改善を通じて、地域住民が支え合い、健康で心豊かに生活ができる健康寿命延伸を目指すことが重要であると言われています。
最初に、健康寿命の扱いについてお伺いします。
第六次長期総合計画を見ると、健康寿命の扱いが変わってきていますのに驚きました。健康寿命について、以前は日常生活動作が自立している期間の平均という考え方でしたが、総合計画では、客観的な比較を優先する観点から、要介護2以上を不健康な状態に定義しており、緩めの数字に置き換わった気がしてなりません。国、県から平均自立期間へ数値を置き換えるようにと指導があるのでしょうか。私は、健康寿命と言うのであれば、日常生活が自立している期間であり、その公開も行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
今年は、新型コロナウイルスの感染拡大という世界的な一大事件が起き、健康の大切さ、当たり前の日常のありがたさを再確認した1年でした。健康は、全ての活動の源であり、誰もがそうありたいと望むテーマでもあります。石川市長におかれましては、市長就任以来、健康都市づくりを市政運営の柱の一つに掲げ、様々な施策を推進してこられましたが、私はかねてより高齢者の健康づくりや生きがいづくりは、地域コミュニティーの力が欠かせないと考えております。私は、これまで何度か議会質問において、研修視察で訪れた長野県松本市や須坂市、大分県中津市のように、高齢者の生きがいづくりや健康寿命を延ばすために、地域に密着した人材や場所を活用し、主役である市民と行政が一体となって、できる限り健康で自立した生活を送ることにより、自分らしい暮らしの質、人生の質の向上を目指す取組を紹介し、本市においてもそれら先進地の事例を参考に、地域密着型の健康施策に取り組んでいただきたいと提案してまいりました。
2点目に、健康長寿地域拠点づくりについてお伺いします。
新居浜市では、身近な自治会館を拠点にして、健康長寿地域拠点づくり事業を平成27年度から実施していますが、拠点数や参加者数の推移は、想定どおり進捗していますか。そのことによって、新しい展開が生まれてきたでしょうか。特に、他の模範となるような実践事例があれば、教えてください。
また、これまでの取組の成果の検証と今後どのような人生100年時代の設計図を市民に提示しようというのか、お伺いします。
六、七年前に、新居浜市の介護保険料が四国で一番、全国でも10番目に高いという時期があり、私も議会において、できる限り介護状態にならないための予防の取組が重要、保険料の上昇を抑えるための施策に取り組んでくださいと要望してきました。現在は、四国一高かった平成24年度以降の月額基準保険料は、平成24年度から平成26年度は6,250円、平成27年度から平成29年度も据置きの6,250円、平成30年度から令和2年度は50円増の6,300円と推移しており、様々な要因はあるかと思いますが、介護予防の取組が、保険料の上昇を抑えることにつながったと思っています。しかし、いまだ全国の平均5,869円より高く、また平均寿命や健康寿命についても、新居浜市は国、県より短いと聞いております。現在、健康づくり事業、介護予防事業、生きがいづくり、生涯学習など、多くの市民の皆さんが健康と生きがいにつながる様々な活動に取り組んでいます。しかし、市役所の中でそれらを担当するのは、保健センター、地域包括支援センター、介護福祉課、国保課の福祉部のほかに公民館活動や市民スポーツを担当する教育委員会事務局やシルバー人材センターなど経済活動でも展開されています。高齢者が活躍でき、生きがいを獲得できる場面がたくさんあるにもかかわらず、それらの情報を得ることができなかったり、適切なアドバイスを得ることができなければ、宝の持ち腐れのような気がします。
3点目に、庁内組織についてお伺いします。
健康寿命を延伸するためには、先ほど言いました地域密着型の健康施策とともに、行政内部の情報共有や調整が必要であり、総合的、戦略的に事業を推進することが重要と考えます。新しく人生100年時代を支えるために、プロジェクト事業に取り組んでいくことはできませんか。そのための庁内横断的な組織をつくることはできませんか、新居浜市のお考えをお伺いします。
○副議長(田窪秀道) 答弁を求めます。寺田副市長。
○副市長(寺田政則)(登壇) 健康寿命延伸の取組についてお答えいたします。
庁内組織についてでございます。
健康寿命の延伸につきましては、第2次元気プラン新居浜21の中で、生活習慣病の発症予防と重症化予防、社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上、健康を支え守るための社会環境の整備が重要であると位置づけております。また、これらに関連する事業は、様々な部署において実施しているため、市民にとっては分かりにくく、マンパワーや財源の分散により、成果が出にくいといった御指摘があることは認識いたしております。現在、国においては、人生100年時代の到来や現役世代の急激な減少など、大きな構造変化に直面する中で、経済社会の持続可能性を確保するためのシステム全般の改革を進める政策について検討しているところでございますが、人生100年時代の安心の基盤は、健康であると考えております。高齢者に地域社会の基盤の重要な支え手となっていただくためにも、効果的な介護予防、健康づくりを推進し、健康寿命を延ばすことが重要でございます。
まずは、篠原議員さん御案内の人生100年時代を支えるためのプロジェクト事業の第一歩といたしまして、今年度は健康づくりや介護予防の担当課が中心となり、効果的な健康政策の企画立案のために、専門的かつ戦略的に取り組むことのできる体制づくりに向けた協議を重ねているところでございます。
今後は、市民活動やスポーツ・文化活動、さらにはこれらの活動を後押しする環境整備にも目を向けていく必要があり、福祉部のみならず、庁内各部局の共通理解と連携が不可欠であると考えておりますので、部局を越えて健康政策を統括する部署の新設について検討をしてまいります。今後、検討すべき課題はたくさんございますが、引き続き本市の健康課題を俯瞰し、健康寿命延伸のための効果的な健康政策を提示できるよう、庁内横断的な組織づくりについて検討してまいります。
○副議長(田窪秀道) 藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) 健康寿命についてお答えいたします。
市民が健康で心豊かに生活するためには、単なる生存期間ではなく、健康寿命を延伸することが重要でございます。しかしながら、健康寿命の算定方法は様々で、健康と不健康をどのように定義し、測定するかが課題となっており、国、県におきましては、国民生活基礎調査によるデータから、日常生活に制限のない期間の平均、自分が健康であると自覚している期間の平均を健康という状態を表す指標として用いています。しかし、市町村が、健康寿命を算定する場合は、全国単位で実施する国民生活基礎調査から指標を算出することが困難なため、介護保険情報から要介護2以上の認定者を不健康と定義し、日常生活動作が自立している期間の平均の算定に活用するよう、厚生労働省の健康寿命の算定方法の指針において示されております。そのため、第六次長期総合計画の成果指標には、この指針に基づき、介護保険情報を基に、毎年算定可能な国保データベースシステムを用いた健康寿命を指標といたしました。
なお、篠原議員さん御提案の日常生活が自立している期間につきましては、本年3月に策定いたしました第2次元気プラン新居浜21後期計画における指標として、65歳の日常生活動作が自立している期間の平均を掲げ、既に公表しており、2024年の最終目標値として、健康寿命の延びが平均余命の延びを上回るとし、総合的な健康づくりの推進に取り組んでいるところでございます。
次に、健康長寿地域拠点についてでございます。
地域に開設いたしました拠点は、9月末現在、96か所、登録人数は1,760人となっております。高齢者福祉計画において、2020年度の目標拠点数を120か所といたしておりますことから、目標達成率8割程度の進捗となっております。
また、各拠点においては、新聞の発行、食事会、バス旅行など、創意工夫をしながら様々な活動を展開しております。その中で、認知症の方を積極的に受入れしている拠点や欠席者宅を訪問して見守りを強化している拠点など、模範的な活動も見られています。取組の成果につきましては、にいはまげんき体操介護予防編PPK体操の実施により、運動機能の向上が認められたり、拠点活動を通じて老人会に加入されるなど、地域コミュニティーの力の底上げにもつながりました。人生100年時代に向けては、全ての人に活躍の場があり、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくることが重要な課題でありますことから、まずは健康の維持や活躍の機会創出として、昨年度からPPK体操を住民自ら普及する市民体操指導士の養成を開始し、現在、21名の指導士が活動を始めております。さらに、拠点への出前講座のテーマとして、自己決定に基づき生ききるためのスキルを取り入れる予定であり、今後におきましても、心身機能が衰えてもこうありたいと思う人生を全うすることのできる、そんな地域づくりの設計図を提示できるよう、検討してまいります。
○副議長(田窪秀道) 篠原茂議員。
○10番(篠原茂)(登壇) 次に、図書館についてお伺いいたします。
全国の図書館に変化が起きています。24時間貸出しが可能だったり、自動貸出機があったり、ビジネスや法律の相談ができたり、デジタルアーカイブが充実していたり、公共図書館は、今無料の貸本屋から脱して、地域を支える情報拠点としての施設にシフトし、まちづくりの中核に図書館を捉える自治体も登場していますが、別子銅山記念図書館はいかがでしょうか。新型コロナウイルスの時代だからこそ、ますます公立図書館の機能への期待は高まっている気がしてなりません。
そこで、以下質問させていただきます。
1番目に、読書バリアフリー法について。
別子銅山記念図書館に行くと、昨年6月に視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律、通称読書バリアフリー法が成立し、公布、施行されていますとの案内チラシがありました。この法律は、視覚障害、発達障害、肢体不自由等の障害により、視覚による表現の認識が困難な人の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進し、障害の有無にかかわらず、全ての国民がひとしく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与することを目的に制定されたと聞きました。読書バリアフリー法が必要な人々は、視覚障害者等以外にもおられます。従来からも図書館利用に障害のある人々のサービスとして、これらの人々も対象と捉えてきましたが、今後は視覚障害者等はもちろん、それ以外の読書に困難のある人々の読書バリアフリーにも留意して、読書環境整備を進めていくことが大切だと感じます。
そこで、お伺いします。
1点目に、新居浜市の図書館における視覚障害者等を対象としたサービスの現状をお伺いします。
その際の図書館として感じている課題も具体的にお示しください。
2点目に、法律の施行により、今後整備が進むと思われるが、整備の方向性についてどのような改善や書籍の充実を目指そうと考えているのか、お伺いします。
次に、電子図書館についてお伺いします。
さきの9月議会で、補正予算の中に図書館パワーアップ事業費1,106万5,000円が計上されていました。電子図書館等の電子サービスを導入することによって、コロナ時代に適応した自宅における読書活動や学習活動を多世代にわたって充実させると言っておられました。今治市では、既に電子図書館を開設しておりますが、メリットとして、文字の大きさも自由に変えられること、障害者向けの利用支援サイト、図書館に行かなくても、インターネットを通じて電子書籍の検索、貸出し、返却、閲覧ができること、職員による貸出し・予約・督促業務は、必要がなく、返却期間が過ぎた電子書籍は、自動で返却され、省力化、省スペース化となる……。(ブザー鳴る)
○副議長(田窪秀道) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 図書館についてお答えいたします。
読書バリアフリー法についてでございます。
篠原議員さん御案内のとおり、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律、通称読書バリアフリー法は、昨年6月28日に公布、施行され、視覚障害者等の読書環境の整備の推進のための基本理念、国及び地方公共団体の責務並びに基本的施策等が定められております。現在、図書館におきましては、障害のある方や高齢の方に配慮したサービスといたしまして、郵便貸出しの実施や拡大読書器及びコミュニケーションボード等の設置を行うとともに、大活字本、点字図書、触る絵本及びLLブック、優しく読みやすい本等を提供いたしております。しかしながら、これらの書籍は、一般書籍と比べ高額であり、発行部数も非常に少ないことから、今後も計画的に整備してまいります。
また、各種サービスに関しまして、対象の方々だけではなく、広く市民の皆様に知っていただくためにも広報が大切と考えており、本年6月から7月にかけまして、読書バリアフリーに関する企画展示を図書館で開催いたしました。来年1月にも第2回目の企画展示を行う予定でございます。
本年7月には、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する基本的な計画が国から出され、読書バリアフリー法を推進していく上での各種施策等の方向性が示されました。今後は、本計画を基本に、国、地方公共団体や公立図書館、出版業界等がそれぞれの責務を果たしながら連携し、整備を進めていくこととなります。
図書館といたしましては、より具体的な国、県からの通知等を注視するとともに、障害のある方が来館された際のサービスの向上やその方の障害や特性に合った書籍の提供ができるよう、さらなる書籍の充実に努め、誰もが気軽に利用できる図書館を目指してまいります。
○副議長(田窪秀道) 以上で本日の一般質問並びに質疑は終わりました。
これをもって本日の日程は全部終了いたしました。
明9日は午前10時から会議を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
  午後 2時24分散会