本文
目次
議事日程
本日の会議に付した事件
出席議員
欠席議員
説明のため出席した者
議会事務局職員出席者
開議(午前10時00分)
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 一般質問 議案第71号~議案第75号
米谷和之議員の質問(1)
1 参議院議員選挙の投票状況について
(1) 期日前投票所と地区別投票率
(2) 投票に関する実態調査
山内選挙管理委員会事務局長の答弁
1 参議院議員選挙の投票状況について
(1) 期日前投票所と地区別投票率
(2) 投票に関する実態調査
米谷和之議員の質問(2)
1 参議院議員選挙の投票状況について
山内選挙管理委員会事務局長の答弁
1 参議院議員選挙の投票状況について
米谷和之議員の質問(3)
1 参議院議員選挙の投票状況について
2 野良猫の減少に向けて
(1) 野良猫の現状と対策
(2) 課題の解決策
(3) 地域猫活動の推進
加藤教育委員会事務局長の答弁
2 野良猫の減少に向けて
(1) 野良猫の現状と対策
小山環境部長の答弁
2 野良猫の減少に向けて
(1) 野良猫の現状と対策
(2) 課題の解決策
(3) 地域猫活動の推進
米谷和之議員の質問(4)
2 野良猫の減少に向けて
3 エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しい都市)について
(1) 高齢者の現状と課題
(2) 高齢者に関する基本方針と施策への反映
(3) エイジフレンドリーシティグローバルネットワークへの参加
石川市長の答弁
3 エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しい都市)について
(1) 高齢者の現状と課題
(2) 高齢者に関する基本方針と施策への反映
藤田福祉部長の答弁
3 エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しい都市)について
(3) エイジフレンドリーシティグローバルネットワークへの参加
岡松市民部長の答弁
3 エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しい都市)について
(2) 高齢者に関する基本方針と施策への反映
赤尾経済部長の答弁
3 エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しい都市)について
(2) 高齢者に関する基本方針と施策への反映
米谷和之議員の質問(5)
3 エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しい都市)について
石川市長の答弁
3 エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しい都市)について
米谷和之議員の質問(6)
3 エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しい都市)について
石川市長の答弁
3 エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しい都市)について
米谷和之議員の質問(7)
3 エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しい都市)について
休憩(午前11時02分)
再開(午前11時10分)
越智克範議員の質問(1)
1 防災に関する施策の進捗状況について
(1) 建築物の耐震改修促進
高須賀建設部長の答弁
1 防災に関する施策の進捗状況について
(1) 建築物の耐震改修促進
越智克範議員の質問(2)
1 防災に関する施策の進捗状況について
(1) 建築物の耐震改修促進
高須賀建設部長の答弁
1 防災に関する施策の進捗状況について
(1) 建築物の耐震改修促進
越智克範議員の質問(3)
1 防災に関する施策の進捗状況について
(1) 建築物の耐震改修促進
(2) 災害廃棄物の処理
小山環境部長の答弁
1 防災に関する施策の進捗状況について
(2) 災害廃棄物の処理
越智克範議員の質問(4)
1 防災に関する施策の進捗状況について
(2) 災害廃棄物の処理
(3) ブロック塀の安全対策
(4) 防災士資格の取得支援
(5) 防災無線の充実
(6) 用水路の安全対策
休憩(午前11時54分)
再開(午後 1時00分)
石川市長の答弁
1 防災に関する施策の進捗状況について
(4) 防災士資格の取得支援
加藤教育委員会事務局長の答弁
1 防災に関する施策の進捗状況について
(3) ブロック塀の安全対策
岡松市民部長の答弁
1 防災に関する施策の進捗状況について
(5) 防災無線の充実
赤尾経済部長の答弁
1 防災に関する施策の進捗状況について
(6) 用水路の安全対策
高須賀建設部長の答弁
1 防災に関する施策の進捗状況について
(3) ブロック塀の安全対策
越智克範議員の質問(5)
1 防災に関する施策の進捗状況について
(3) ブロック塀の安全対策
(5) 防災無線の充実
(6) 用水路の安全対策
加藤教育委員会事務局長の答弁
1 防災に関する施策の進捗状況について
(3) ブロック塀の安全対策
岡松市民部長の答弁
1 防災に関する施策の進捗状況について
(5) 防災無線の充実
赤尾経済部長の答弁
1 防災に関する施策の進捗状況について
(6) 用水路の安全対策
越智克範議員の質問(6)
1 防災に関する施策の進捗状況について
白川誉議員の質問(1)
1 市政を身近にするための情報発信について
鴻上企画部長の答弁
1 市政を身近にするための情報発信について
白川誉議員の質問(2)
1 市政を身近にするための情報発信について
鴻上企画部長の答弁
1 市政を身近にするための情報発信について
白川誉議員の質問(3)
1 市政を身近にするための情報発信について
鴻上企画部長の答弁
1 市政を身近にするための情報発信について
白川誉議員の質問(4)
1 市政を身近にするための情報発信について
2 Society5.0とスマートシティーについて
石川市長の答弁
2 Society5.0とスマートシティーについて
白川誉議員の質問(5)
2 Society5.0とスマートシティーについて
石川市長の答弁
2 Society5.0とスマートシティーについて
白川誉議員の質問(6)
2 Society5.0とスマートシティーについて
3 民間主導の行政補完型まちづくりについて
高須賀建設部長の答弁
3 民間主導の行政補完型まちづくりについて
白川誉議員の質問(7)
3 民間主導の行政補完型まちづくりについて
赤尾経済部長の答弁
3 民間主導の行政補完型まちづくりについて
白川誉議員の質問(8)
3 民間主導の行政補完型まちづくりについて
4 市役所の活性化について
園部総務部長の答弁
4 市役所の活性化について
白川誉議員の質問(9)
4 市役所の活性化について
園部総務部長の答弁
4 市役所の活性化について
白川誉議員の質問(10)
4 市役所の活性化について
休憩(午後 2時07分)
再開(午後 2時17分)
井谷幸恵議員の質問(1)
1 教員の多忙化解消について
(1) 教員不足の学校現場
(2) 減らすべき授業のこま数
(3) 求められるフリーの教員
高橋教育長の答弁
1 教員の多忙化解消について
(1) 教員不足の学校現場
(2) 減らすべき授業のこま数
(3) 求められるフリーの教員
井谷幸恵議員の質問(2)
1 教員の多忙化解消について
高橋教育長の答弁
1 教員の多忙化解消について
井谷幸恵議員の質問(3)
1 教員の多忙化解消について
高橋教育長の答弁
1 教員の多忙化解消について
井谷幸恵議員の質問(4)
1 教員の多忙化解消について
2 歴史教科書採択について
(1) 今年の採択の経過
(2) 最優先すべき現場の声
(3) 採択過程の透明化
高橋教育長の答弁
2 歴史教科書採択について
(1) 今年の採択の経過
(2) 最優先すべき現場の声
(3) 採択過程の透明化
井谷幸恵議員の質問(5)
2 歴史教科書採択について
高橋教育長の答弁
2 歴史教科書採択について
井谷幸恵議員の質問(6)
2 歴史教科書採択について
高橋教育長の答弁
2 歴史教科書採択について
井谷幸恵議員の質問(7)
2 歴史教科書採択について
高橋教育長の答弁
2 歴史教科書採択について
片平恵美議員の質問(1)
1 多文化共生のまちづくりについて
(1) 外国人の現状と変化
(2) 外国人住民への支援
(3) 国際理解・交流・協力
(4) 新たな国際化基本計画の策定
石川市長の答弁
1 多文化共生のまちづくりについて
(4) 新たな国際化基本計画の策定
高橋教育長の答弁
1 多文化共生のまちづくりについて
(1) 外国人の現状と変化
(2) 外国人住民への支援
岡松市民部長の答弁
1 多文化共生のまちづくりについて
(1) 外国人の現状と変化
(2) 外国人住民への支援
片平恵美議員の質問(2)
1 多文化共生のまちづくりについて
岡松市民部長の答弁
1 多文化共生のまちづくりについて
(3) 国際理解・交流・協力
片平恵美議員の質問(3)
1 多文化共生のまちづくりについて
岡松市民部長の答弁
1 多文化共生のまちづくりについて
片平恵美議員の質問(4)
1 多文化共生のまちづくりについて
岡松市民部長の答弁
1 多文化共生のまちづくりについて
片平恵美議員の質問(5)
1 多文化共生のまちづくりについて
岡松市民部長の答弁
1 多文化共生のまちづくりについて
片平恵美議員の質問(6)
1 多文化共生のまちづくりについて
岡松市民部長の答弁
1 多文化共生のまちづくりについて
片平恵美議員の質問(7)
1 多文化共生のまちづくりについて
委員会付託
日程第3 報告第23号
石川市長の説明
高須賀建設部長の説明
日程第4 議案第76号
石川市長の説明
毛利消防長の説明
委員会付託
散会(午後 3時22分)
本文
令和元年9月12日 (木曜日)
議事日程 第4号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
議案第71号 令和元年度新居浜市一般会計補正予算(第2号)
(各常任委員会付託)
議案第72号 令和元年度新居浜市国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)
(福祉教育委員会付託)
議案第73号 令和元年度新居浜市介護保険事業特別会計補正予算(第2号)
(同上)
議案第74号 令和元年度新居浜市水道事業会計補正予算(第1号)
(環境建設委員会付託)
議案第75号 令和元年度新居浜市公共下水道事業会計補正予算(第1号)
(同上)
第3 報告第23号 専決処分の報告について
第4 議案第76号 財産の取得について
(企画総務委員会付託)
――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
――――――――――――――――――――――
出席議員(25名)
1番 小野 志保
2番 片平 恵美
3番 合田 晋一郎
4番 白川 誉
5番 伊藤 嘉秀
6番 越智 克範
7番 井谷 幸恵
8番 神野 恭多
9番 米谷 和之
10番 篠原 茂
11番 河内 優子
12番 黒田 真徳
13番 高塚 広義
14番 藤田 誠一
15番 田窪 秀道
16番 小野 辰夫
17番 永易 英寿
18番 伊藤 謙司
19番 藤原 雅彦
20番 大條 雅久
21番 藤田 豊治
22番 藤田 幸正
23番 伊藤 優子
24番 仙波 憲一
25番 近藤 司
26番 山本 健十郎
――――――――――――――――――――――
欠席議員
なし
――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
市長 石川 勝行
副市長 寺田 政則
企画部長 鴻上 浩宣
総務部長 園部 省二
福祉部長 藤田 憲明
市民部長 岡松 良二
環境部長 小山 京次
経済部長 赤尾 禎司
建設部長 高須賀 健二
消防長 毛利 弘
上下水道局長 庄司 誠一
教育長 高橋 良光
教育委員会事務局長 加藤 京子
監査委員 寺村 伸治
選挙管理委員会事務局長 山内 嘉樹
――――――――――――――――――――――
議会事務局職員出席者
事務局長 岡田 公央
議事局次長 飯尾 誠二
議事課主幹 小島 篤
議事課副課長 尾藤 秀行
議事課副課長 美濃 有紀
議事課調査係長 神野 瑠美
議事課議事係長 和田 雄介
議事課主任 村上 佳史
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前10時00分開議
○議長(伊藤謙司) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第4号のとおりであります。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(伊藤謙司) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において藤田豊治議員及び藤田幸正議員を指名いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第2 一般質問 議案第71号~議案第75号
○議長(伊藤謙司) 次に、日程第2、議案第71号から議案第75号までを議題といたします。
昨日に引き続き一般質問並びに質疑を行います。
順次発言を許します。まず、米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) おはようございます。
新居浜の未来を考える会の米谷和之です。
通告に従いまして質問させていただきます。
まず、参議院議員選挙の投票状況についてです。
最初に、期日前投票所と地区別の投票率についてお伺いいたします。
7月21日に行われました参議院議員選挙の投票率は、前回より3.73%低い50.36%に終わりました。投票率低下に歯どめがかからない一方で、期日前投票数は選挙ごとに増加し、今回は2万239人と初めて2万人を超えました。全市の総投票数は5万330人なので約40.2%、5人に2人以上が期日前投票を行ったわけです。投票日ではなく、投票期間中に投票に行くという大きな流れがますます顕著になってきたことは明らかだと思います。
さて、この参議院議員選挙の時間別投票状況は、最終20時の30分前、19時30分の投票状況も公開されていますが、この最後の30分の投票状況を見ますと、少々考えさせられる結果があらわれております。
具体的に申し上げますと、田所町のJA本館の投票率は19時30分に25.77%でしたが、最終20時までの30分間に、それまでの何と10時間30分の投票率を超える27.36%の投票があり、最終的には53.12%という投票率になっています。南中の体育館でも同様に、19時30分に24.89%であったものが30分で26.31%アップし、最終的には51.2%となっています。
なお、念のために申し上げますが、もちろん最後の30分間に有権者が投票所に殺到したわけではありません。期日前投票所で投票された票は各投票所ごとに分けられ、それぞれの投票所の投票箱に入れられます。その票数は最後の20時の段階でプラスされますので、集計上は最後の30分に多数の投票があったようになりますが、実質的には、期日前投票所での投票数が、もちろん実際にその時間投票されたものも含まれますが、この大量の高い投票率というところにあらわれてくるわけです。
ちなみに、最後の30分がそれまでの投票率を上回るという事例は、ほかに大島のみで、合わせて3件だけですが、川西地区では全体的に同様の傾向が見られ、川西地区全体では、最後の30分間の投票率は24.77%、20時の最終投票率は51.9%でしたので、川西地区では、投票に行った人の約48%、ほぼ2人に1人が期日前投票に行ったということになります。
なお、これはもちろん、当然その30分間に実際に投票に行った方の数も含まれます。また、不在者投票等の数字も含まれますので、若干誤差はありますが、大体の流れとしてはそのようなものではないかと考えております。
これに対しまして川東地区は、最後の30分の投票率は20.26%で、20時の最終投票率は49.72%、期日前投票等をしたのは40.75%、上部地区は、最後の30分の投票率は19.89%で、20時の最終投票率は49.78%、期日前投票等を行ったのは39.95%という結果です。
これからわかりますことは、約50%の人が期日前投票所に行った川西地区の最終投票率は51.9%、これに対して期日前投票所に行った人が約40%にとどまった川東地区の最終投票率は49.72%、同じく40%の人が期日前投票所に行ったと考えられる上部地区の最終投票率は49.78%、期日前投票所が近いところは投票率が高いのではと言われてきたことが、今回約2ポイントの差があるというふうに数字であらわれてきました。
そこでお伺いしたいんですが、川西地区の投票率が高いのですが、これは市役所及び高専に設置している期日前投票所の影響があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
次に、投票に関する実態調査についてですが、その前に、今各地で投票率向上の試みがなされております。例えば移動投票所あるいは投票所への高齢者の皆さん方の送迎あるいは商業施設への期日前投票所設置あるいは投票済み証明書の発行など、いろんなところで行われておりますが、商業施設への期日前投票所設置、もう一つ投票済み証明書の発行について、本市はどう考えるか。この必要性についても、あわせてお尋ねいたします。
そして、先ほど申しましたように、投票率向上にさまざまな取り組みがありますが、例えば本市の高齢者や障害を持つ皆さんなどの投票について実態調査が必要ではないかと思います。行きたいけど行かないはともかく、行きたいけれど行けなかったという人の支援を検討する上では現状把握は必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか、お答えをお願いいたします。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。山内選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(山内嘉樹)(登壇) 米谷議員さんの御質問にお答えをいたします。
参議院議員選挙の投票状況についてでございます。
まず、期日前投票所と地区別投票率についてお答えいたします。
川西地区の投票率が高いのは、市役所及び高専に設置している期日前投票所の影響があるのではないかということについてでございますが、地域ごとの投票率につきましては投票区別に集計を行っており、米谷議員さんの御指摘のとおり、今回の参議院議員通常選挙では、川西地区、川東地区、上部地区という地域で分けた場合、川西地区全体では他の地区よりも平均して2ポイント前後投票率が高い傾向にあります。
なお、市内の期日前投票所は、市役所1階ロビー、新居浜工業高等専門学校及び別子山支所の3カ所を開設しておりますが、年齢構成、就労比率、勤務地の地域分布などさまざまな要因がございますことから、市役所及び高専に期日前投票所があることで川西地区の全体の投票率が高くなっているとは一概に言えないのではないかと考えております。
次に、投票に関する実態調査についてでございます。
まず、商業施設への期日前投票所設置、投票済み証明書の発行についてでございます。
御指摘のとおり、期日前投票所の利用者は選挙を重ねるごとに増加しており、期日前投票所の有効性は十分に認識をいたしておりますことから、これまでも選挙管理委員会において、期日前投票所の設置につきましては何度も検討をしてまいりました。
期日前投票所を設置する場合の条件といたしましては、急な解散があった場合にも投票の秩序が確保できる施設を一定期間優先的に利用可能であること、また二重投票を防止するための信頼性の高いネットワークの構築が容易であることなどが必要となってまいります。
さらに、複数の期日前投票所を設置するためには、期日前投票所ごとに投票管理者、立会人のほか、選挙の法的な専門知識を持った職員の配置が不可欠でございますが、現状では、その職員の絶対数が不足しておりますことに加え、庁内的にも今の体制を上回る応援勤務の追加要請は難しく、職員の配置が不可能でありますことから、投票環境の向上につながるものとは認識はしておりますが、現在の人員体制では対応は困難と判断いたしております。
また、投票済み証明書につきましては、先般執行されました参議院議員通常選挙において、期日前投票所及び当日の投票所において複数の問い合わせがございましたが、本市においては発行をいたしておりません。
その理由といたしましては、まず公職選挙法に規定されていないこと、次に投票は個人の自由意思によってなされるものであり、投票に行かなかったことを理由に不利益を受ける可能性があること、利害誘導や買収などに利用されるおそれがあること、投票の秘密保持の観点から、これまでも発行については余り好ましくないとの見解があること、さらに発行のために投票所事務職員の事務量が増加することなどが挙げられます。
このような状況のため、県内市町においても投票済み証明書の発行はほとんど行われておりません。ただし、何らかの付加価値があることで、気軽に投票所に足を運んでいただける環境づくりを行うといった面からは、時代の流れとともに検討する価値はあろうかと思われますことから、証明書という形にこだわらない内容での取り組みにつきまして今後研究をしてまいりたいと考えております。
次に、高齢者や障害をお持ちの方に投票についての実態調査や現状把握が必要ではないかについてでございます。
投票行動に関しましてアンケートの実施や意識調査を行うことにつきましては、投票率向上のさまざまな対応策を考えるためには有効な手段の一つかもしれませんが、お住まいの地域や身体の状態、生活実態などそれぞれのニーズは千差万別であると考えられます。
高齢者や障害をお持ちの方が日々の生活の中でどのような行政サービスを必要とされ、何が課題とされているのかという部分につきまして、市で実施している事業の利用状況などを検証、分析するほか、これらの関係課所との情報共有や連携を図ることで、投票に行きたいけど行くことができない方々が投票に参加できるための取り組みにつきまして調査検討してまいりたいと考えております。
○議長(伊藤謙司) 米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) まず、川西地区の投票率についてですが、期日前投票所の設置の影響はないというふうなお答えだったかと思うのですが、何らかの根拠になるような、数字的な根拠みたいなものはあるんでしょうか、お尋ねいたします。
それと、実態調査につきまして、それぞれの皆さんの状況はいろいろであるというようなことをお伺いいたしましたけれど、それぞれの皆さんの状況はいろいろです、千差万別なので、ですから調査が必要なんではないかというふうに私はお尋ねいたしました。そのことについて、どうお考えか。
それともう一つ、市のさまざまな事業に関連しての、いろんなサービスの利用状況とおっしゃいましたか、などを参考にして考えていかれるというふうに伺いましたが、市のほかの事業あるいはいろんな皆さんの、病院に行くとか買い物に行くとか、それの支援を市が行うとかという話、それと、国民の義務として投票に行くことを強制はされておりませんが、行かなければならないとされている投票につきましては、また別なものではないかというふうに考えます。
ほかの事業のアンケート等を参考にすると、かえって誤ったデータをもとにする可能性もあるんではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
以上です。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。山内選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(山内嘉樹)(登壇) 米谷議員さんの再質問にお答えをいたします。
まず、川西地区の期日前投票所の影響についてというところでございます。数値を示してというお話でございます。
川西地区につきましては、過去の参議院議員選挙の結果を調べてみましたところ、期日前投票制度が導入された平成16年の投票率の平均は川西地区より上部地区が0.32ポイント高く、川東地区は1.08ポイント低い状況にありました。それ以降は他の地区と比較して川西地区が高い状況にありますが、川西地区全ての11投票所の投票率が上位11位以内に位置するのであれば、川西地区に期日前投票所があるからではないかという議員の御指摘に当たるかもしれませんが、現状では期日前投票所が川西地区にあるから投票率が高くなっているとは一概に言えないのではないかと考えております。
直近の参議院議員通常選挙において、文化振興会館は期日前投票所から一番近い投票区ではありますが、投票率は49.09%で市内投票所中29位となっております。またその反面、角野小学校体育館は、離れておりますけれども、市内投票所中6位で54.2%と高い投票率になっております。
投票率は、選挙時点での政治の情勢や投票所における年齢構成、就労比率、勤務地の地域分布などさまざまな要因により、投票所ごとの投票率にはかなりの差異が認められますことから、今後の投票率の推移については注視をしてまいりたいと考えております。
続いて、投票に行きたくても行けなかった人への支援のための実態調査についてでございます。
市民の中で投票に行けなかった人を把握することは可能でございますけれども、行きたくても行けなかった人を把握するためにはアンケートや意識調査が必要となり、公職選挙法第52条の規定に基づく投票の秘密保持の観点からアンケート利用のために情報を利用することについては好ましくないものと考えておりますことから、投票に行きたくても行けなかった人を対象とした意識調査を行うことは困難であると考えております。
投票行動に関するアンケートや意識調査につきましては、投票率向上のさまざまな対応策を考えるためには有効な手段の一つかもしれませんが、有権者全員に実施するとなると多大な経費と時間が必要でありますことから、現時点では困難であると考えております。
しかしながら、公益財団法人明るい選挙推進協会において、有権者の投票行動と意識を探るため、全国意識調査のアンケートを選挙の都度実施しており、その内容及び詳細な分析を行った調査結果も公表されておりますことから、今後、投票環境の向上に向けた取り組みを行っていく中で、このような有用性のある統計資料の利活用を進めてまいりたいと考えております。
それから、ほかの事業のデータを利用して誤ったことになるのではないかというような御質問だったと思うんですが、これについては、移動支援についてどうしていくかということを、今までも検討を重ねてまいりまして、今後も検討してまいる所存でございます。これについては、そういうようなことのないように、しっかりと情勢を判断して考えてまいりたいと考えております。
○議長(伊藤謙司) 米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 私の質問の仕方が悪かったかもわかりませんが、実態調査につきましては、投票に行かなかった方を抜き出して、その方にお話を伺う、あるいは障害を持っている皆さんに、投票に何で行かなかったんですかということを問いただすといいますか、そういうあれではありません。
例えば1,000人なら1,000人、2,000人なら2,000人、本市の有権者に投票へ行った人、行ってない人にかかわらず、投票に行かれたのかどうか、行かなかったんだったら、なぜ行かなかったのかと。例えば、その中で期日前投票所に関しても、期日前投票所がなかったから行かなかったのかどうかというようなこともお尋ねすることもできます。そういうふうな実態調査の中で、新居浜市の有権者の皆さんの投票行動の実態を探ろうということであります。また、これについては改めてお伺いさせていただきたいというふうに思います。
次に参ります。
次に、野良猫の減少に向けてお伺いいたします。
まず、野良猫の現状と対策についてですが、ことしの1月22日、ある新聞の写真投稿欄に、ずたずたに破られた障子の前でのんびりと寝転ぶ猫の写真が載りました。いたずら大好きというタイトルで、猫のかわいらしさにポイントを置いたというような写真でしたが、撮影場所は広瀬歴史記念館で、夜中の冷え込みがたまらなくなって破ったと思われるとの説明が載せられていました。ということは、屋敷の中で寒さをしのいでいるのかと少々驚きましたが、一方でそうかもしれないと、ある意味納得もいたしました。
私にとって広瀬公園は子供のころから大変身近な場所で、今もよく訪れるところですが、猫が何匹もすみ着いていることは以前から気になっていました。猫に餌を与える人がいたり、カメラ持参で、明らかに写真を撮るために餌で猫を集めたりしているような人もいらっしゃいました。
先日も様子を見に行ってみましたが、いつものように、池の横の記念館への入り口あたりに数匹がうろうろしており、また入り口を入ったすぐ横の植え込みの中からは細い鳴き声が聞こえてきましたので、子猫も何匹かいるように思いました。
広瀬公園といえば、平成15年には広瀬邸の母屋や新座敷などが国の重要文化財に、また平成30年には庭園が国の名勝に指定されており、市内はもちろん市外からも多くの皆さんが訪れる本市の代表的な史跡の一つですが、座敷の中を野良猫が行き来したり、階段の横に食べ残したペットフードが散らばったりしていることは名勝としての雰囲気も台なしです。
そこでお伺いしたいのですが、このような状態がもう何年も続いているように思うのですが、野良猫を減らすためにこれまでどのような対策をとってこられたのでしょうか。また、今後の現状を改善する見込みはどうなのでしょうか。
また、猫につきましては、広瀬公園だけではなく市内何カ所かに野良猫がすみ着いているところがあり、周辺の皆さんが大変困っておられます。
そこで、本市にはどれくらいの野良猫がいると見込んでいるのでしょうか。また、近年その増減についてはどうなのでしょうか。
また、猫に関して、どのような苦情がどのくらい寄せられており、その推移はどうなのでしょうか。また、苦情に対してどのような対策をとられているのでしょうか。結果的には、年間どのくらいの猫を県の動物愛護センターに送っているのでしょうか。
次に、課題と対策についてですが、今お伺いしましたような野良猫の現状に対し、どのような課題があり、その解決策についてはどうお考えなのか、お伺いいたします。
次に、地域猫活動の推進についてですが、地域猫の活動に本市も取り組むべきではないかと考えます。
地域猫とは、特定の飼い主はいないが、地域住民の理解と協力により飼育管理されている猫のことで、地域住民が主体となり、行政や猫の生態に詳しい市民団体と連携し、不妊去勢手術、餌やりやトイレのしつけ、後始末、周辺美化などを行うことにより、それ以上猫をふやさず、数年後には野良猫をなくしてしまおうという活動が地域猫活動と呼ばれています。
野良猫をなくそうという目的を共有し、一定のルールに従い猫の飼育管理を行う地域住民、猫の捕獲や飼育管理に関する助言や実地指導などに専門的なノウハウを生かす市民団体、そして住民同士の話し合いの場の設定や不妊去勢手術費の補助、獣医師会などの関係機関との連絡調整、そして市民に対する地域猫活動の啓発などを行う行政の3者の連携がなくてはならないものであり、また地域住民の理解を得ることも簡単ではありませんので、活動が軌道に乗るまではいろいろと困難も予想されますが、本市においても、この地域猫活動に取り組む時期が来ているのではないかと思います。お考えをお伺いいたします。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。加藤教育委員会事務局長。
○教育委員会事務局長(加藤京子)(登壇) 野良猫の減少に向けてについてお答えいたします。
野良猫の現状と対策についてでございます。
広瀬公園内の野良猫は、広瀬歴史記念館の開館当時から既にすみ着いており、増減はありますが、多いときで十数匹ほどすみ着いているかと思われます。また、以前は捨て猫の数も多かったのですが、最近はその数は減ってきております。
野良猫の対策につきましては、看板による注意喚起を行ったり、実際に餌をやっている方を目撃した場合は餌をやらないようお願いをしたりしております。
また、新座敷など重要な場所には忌避剤を置き、蔵の窓から猫が入り込むのを防ぐために、窓にアクリル板をはめ込んで入り込めないようにするなどの対策を行ってまいりました。
しかしながら、公園の規模が大きく隠れる場所も多いことから、現在も完全解消のめどは立っていない状況でございます。
○議長(伊藤謙司) 小山環境部長。
○環境部長(小山京次)(登壇) 野良猫の数とその増減及び苦情等についてお答えいたします。
まず、本市の野良猫の数と増減についてですが、猫は、犬とは異なり登録制でないことから把握いたしておりません。
猫に関する苦情については、平成26年度24件、平成27年度18件、平成28年度27件、平成29年度20件、平成30年度27件となっており、おおむね20件前後で推移しております。
苦情の内容といたしましては、例年、苦情数全体の六、七割が野良猫の餌やりに伴うふん害などについての苦情で、残りの三、四割が飼い猫の放し飼いによる苦情となっております。
苦情への対策につきましては、動物の愛護及び管理に関する法律において、動物の所有者の責務として、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならないと規定されていることから、飼い猫については、飼い主に対し適正に飼育するようお願いをし、野良猫への餌やりなどについては、猫が集中し、繁殖を促進させるため、その行為をやめるようお願いをしております。
猫の送致数は、平成26年度319匹、平成27年度333匹、平成28年度277匹、平成29年度233匹、平成30年度246匹となっております。
次に、課題の解決策についてでございます。
新たに生まれる子猫も含めた飼い猫の遺棄と過度な給餌から生じる野良猫の増加が課題となっております。
飼い猫につきましては、飼い主による繁殖抑制と終生飼養を遵守し、できない場合は飼い主の責任で新たな飼い主に引き継いでいただき、野良猫については、餌やりをするのなら飼い猫として飼育していただき、そうでなければ、むやみに餌やりをせずに、猫が集中しないよう繁殖抑制していくことが問題解決の一つと考えております。
飼い主や餌やりをする人のモラルによる部分が大きいため、飼い主や餌やりをする人への直接的な指導や市政だより、ホームページ等により意識啓発を行ってまいりたいと考えております。
次に、地域猫活動の推進についてでございます。
地域猫活動とは、飼い主のいない猫を、地域住民の御理解のもと住民が中心となって給餌、トイレ等の管理を行い、不妊去勢手術によって緩やかに猫の頭数を減らしていく試みであり、地域住民の活動に対しては、行政や動物愛護団体等もそれぞれの分野で援助と支援を行うものです。
住民と猫の共生を目指す活動として、殺処分頭数の減少と地域住民の不満を軽減する両方の効果が期待できると言われていることから全国各地で取り組みが始まっておりますが、成功しているものだけでなく、うまくいかなかった事例もありますことから、本市に導入できるかについては広く調査研究を進めてまいります。
○議長(伊藤謙司) 米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) うまくいってない事例もあるというふうなことですが、これは当然でありまして、県のホームページなんかを見ておりましても、県が平成28年ですか、ガイドラインをつくって地域猫の活動を県内に広めております。その成果がはっきり出てるように県のホームページから読み取れます。
先ほど言いましたように、地域猫の活動は、行政、それから地域住民、動物愛護等の団体の皆さんがしっかり連携しないとできないことであります。また、地域の理解を得るのは大変難しいことだと思いますが、一方で、殺処分に頼っていては野良猫が減ることはないというのも、今一定の専門家が口をそろえているところであります。
大変難しい試みとは思いますが、全市一斉に始めていただきたいと言っているわけではありません。どっか1カ所あるいはどっか2カ所からでも、モデル地区を指定して地域猫活動に取り組んでいただきたいというふうに要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
次に、エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しい都市)について伺います。
7月22日、福祉教育委員会の一員として、学力向上に係る取り組みとともに行政施策の根本にエイジフレンドリーシティを据え、全市を挙げてその推進を図っている秋田市を視察しました。
エイジフレンドリーシティとは、高齢者に優しい都市あるいは高齢者に優しいまちづくりと訳されていますが、世界的な高齢化と都市化に対応をするために、2007年にWHO、世界保健機関が提唱したものです。
WHOは、この考え方に賛同する都市、地域間の情報交換や交流の促進を図ることを目的とするWHOエイジフレンドリーシティグローバルネットワークを設立し、世界の各都市に参加を呼びかけていますが、秋田市はこのネットワークに平成23年、日本の自治体第1号として参加されました。
その後、第1次行動計画では、基本理念を、高齢になっても地域社会で活動、活躍することができ、いきいきと過ごすことができる社会とし、高齢者の社会参加の促進や市民活動団体による普及促進事業など、現在の第2次行動計画では、行政、市民、民間企業・団体の3者協働による地域課題の解決を目指す超高齢社会課題解決先進地としての秋田モデルを強力に推進されています。
今後、超高齢社会が急速に進んでいく中、全ての自治体同様に、本市においてもその対応は避けては通ることができない大きな課題でありますが、エイジフレンドリーシティの実現を目指す秋田市の取り組みは本市にとっても非常に効果的で有効な方策と考えられますことから、ぜひ本市もそのグローバルネットワークへの参加を願いたいという視点から質問させていただきます。
まず最初に、本市の現状等について。
言うまでもなく、本市においても高齢者に対するさまざまな事業を行っているわけですが、その前提として、本市の高齢者の状況をどのように把握してるのでしょうか。また、どのような課題があるとお考えなのか、お伺いします。
次に、本市の高齢者に対する基本方針はどのようなものかを伺います。また、公共交通や災害時の要支援者対策など具体的な事業への反映はどのように行われているのか、経済部と市民部に伺います。
エイジフレンドリーシティの大きな特色の一つに、グローバルネットワークへの参加に伴い、あらかじめWHOが定めた8つのトピックに基づいて行動計画を策定しなければならないことが挙げられます。そのトピックとは、屋外スペースと建物、交通機関、住居、市民参加と雇用、コミュニケーションと情報などの8つであり、行政の全ての施策が関連すると言っても言い過ぎではありません。
この8つのトピックからも、エイジフレンドリーシティの概念が福祉の分野にとどまらないことは明らかであり、秋田市の資料によりますと、それぞれがまちづくりの重要な要素であり、互いに重なり合って作用し合うものとされています。
また、具体的な事業としては、65歳以上の高齢者が1回100円で路線バスに乗車できるコインバス事業、エイジフレンドリーシティの実現に取り組む民間事業者等をエイジフレンドリーシティパートナーとして登録する制度あるいは高齢者コミュニティ活動創出・支援事業などを実施し、より多くの市民が主体的にかかわり、その活動が市全体に広がっていくための取り組みを推進し、高齢者ではなく、全ての世代にとって暮らしやすいまちの実現を全市を挙げて取り組まれていることがうかがえました。
本市も、このエイジフレンドリーシティグローバルネットワークの一員として、全ての世代にとって暮らしやすいまちの実現を目指してはと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) エイジフレンドリーシティ(高齢者に優しい都市)についてお答えをいたします。
まず、高齢者の現状と課題についてでございます。
高齢者を取り巻く状況でございますが、いわゆる団塊の世代全てが75歳以上の後期高齢者となる2025年には、3.3人に1人が65歳以上になると予想され、高齢化はさらに進展するものと見込まれております。本市におきましても、65歳以上の高齢化率は4月1日現在32%となり、今後も上昇し続けるものと見込まれております。
こうした中、高齢者が可能な限り住みなれた地域で自立した日常生活を営むことを可能としていくためには、十分な介護サービスの確保のみにとどまらず、在宅で安心して生活できるための支援と、高齢者の能力が地域の中で役割を担うことができる社会づくりが求められていると考えております。
具体的には、ひとり暮らしの高齢者や要介護者などの在宅支援の必要な高齢者が今後も増加するため、介護する家族やひとり暮らし高齢者に対する支援策、介護予防事業及び介護予防の啓発等により高齢者自身の介護予防に関する意識の向上や認知症の高齢者を見守るネットワークの整備、高齢者の就業への働きかけ、通院や買い物等の交通手段に対する支援などが必要となっております。
また、介護現場での人材不足が安定したサービスの提供に影響を及ぼすため、介護スタッフの育成や介護ロボットの導入などについても支援が必要になってくると思われます。
次に、高齢者に関する基本方針と施策への反映についてでございます。
2018年度から2020年度までの本市の高齢者福祉の方向性を示す高齢者福祉計画2018(介護保険事業計画)におきましては、高齢者が安心して笑顔で暮らせる健康長寿のまちづくりを基本理念として掲げ、笑顔で暮らし共に生き支えあう地域ネットワークの充実、介護予防・日常生活支援総合事業の推進、認知症施策の推進、安心して住み続けられる生活環境の充実、包括的な相談支援体制の推進、適切で効果的な介護サービスの充実、以上の6つを重点目標とし、これらの実現に向け施策を展開しております。
また、目標達成のためには、庁内の関係課、関係団体及び関係機関との情報共有などスムーズな連携が重要となるため、各種計画策定などへの福祉関係者の参画等についても積極的に働きかけてまいります。
以上申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足いたさせます。
○議長(伊藤謙司) 藤田福祉部長。
○福祉部長(藤田憲明)(登壇) エイジフレンドリーシティグローバルネットワークへの参加についてお答えいたします。
現在、WHOエイジフレンドリーシティグローバルネットワークには、秋田市、宝塚市及び茅ヶ崎市など国内で24の自治体が登録しているとお聞きしております。
本市の参加につきましては、これまでのところ検討段階に至っておりませんが、WHOが提唱しているエイジフレンドリーシティ、いわゆる高齢者に優しい都市の実現に向けた取り組みの推進は、令和2年度に策定いたします第六次長期総合計画、都市計画マスタープラン及び高齢者福祉計画2021の中で計画すべき内容と相通じるものがあると思われますので、今後において、先進地の取り組みを研究するなどエイジフレンドリーシティグローバルネットワークへの参加を検討してまいります。
○議長(伊藤謙司) 岡松市民部長。
○市民部長(岡松良二)(登壇) 避難行動要支援者対策等についてお答えをいたします。
平成30年7月豪雨災害では多くのとうとい人命が失われました。そして、被害の大きかった愛媛県、岡山県、広島県の死者のうち60代以上の割合が約7割で、多くの高齢者が、中でも在宅の高齢者が多く被災をされました。また、そうした災害の直接死に加え、避難生活等での健康状態の悪化に伴う災害関連死についても、高齢者等の要配慮者の方のリスクは非常に高くなっております。
このため、高齢者等の要配慮者の適切な避難の確保及び避難先での健康の維持やQOL、いわゆる生活の質の向上等災害時要援護者対策は、防災対策を進めていく上での非常に重要な課題となっていると認識をいたしております。
その中で、適切な避難の確保につきましては、高齢者の日ごろからの生活に関する支援を行っている地域包括支援センターやケアマネジャーと連携をし、高齢者の避難行動に対する理解の促進に向けた取り組みを今年度から始めたところでございます。
また、避難行動要支援者避難支援プランに基づき、避難行動要支援者名簿に係る情報共有や福祉避難所等の開設・運営マニュアルの作成、防災訓練等においても、福祉部との連携を図りながら取り組んでいるところでございまして、今後とも、平時から防災と福祉の連携を深め、災害時に連動した実効性のある支援体制の構築を目指してまいりたいと考えております。
○議長(伊藤謙司) 赤尾経済部長。
○経済部長(赤尾禎司)(登壇) 公共交通施策の実施についてお答えいたします。
新居浜市では、まちづくりと連携した持続可能な公共交通ネットワークを形成するため、平成30年3月に新居浜市地域公共交通網形成計画を策定しております。
本計画は、高齢者に特化した計画ではございませんが、計画の策定に当たりましては、新居浜市地域公共交通活性化協議会の構成メンバーとして、新居浜市連合自治会、新居浜市老人クラブ連合会、新居浜市社会福祉協議会等の各関係機関・団体から御推薦をいただいた委員に、住民、利用者及び福祉の立場としての御意見、御提案等をいただいており、高齢者や交通弱者を初め、誰もが使いやすい持続可能な公共交通を目指すための取り組み施策を掲げております。また、事前に福祉部局にも計画内容を説明し、意見を聞きながら策定いたしたものでございます。
さらに、本計画の基礎資料として、無作為に抽出した15歳以上の市民5,500名を対象に住民意向調査や、路線バスの利用者900名及びデマンドタクシーの利用者100名を対象に利用実態調査を実施し、住民意向及び実態をくみ上げております。
本計画の基本方針や目標達成のための取組施策のうち、高齢者に関する施策といたしましては、バス交通空白地域を補完しているデマンドタクシーの運行や一目でわかるバスナンバーの導入、誰もが使いやすいバリアフリーに対応した車両の導入などを掲げております。
今後におきましては、計画の取組施策にもあります健康促進に着目した公共交通転換の実施について、公共交通への転換を促す強い動機づけとして健康促進に着目し、健康な体を保てるよう公共交通利用への転換を図る取り組みを福祉部局と連携し進めてまいります。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 経済部と市民部から高齢者関係の事業についてお答えを伺いましたが、私は以前からもう一つしっくりこないものを感じておりました。
秋田でのエイジフレンドリーシティの視察以来、私には一つ、ああそうかと納得したといいますか、すとんと腑に落ちたことがあります。それは何かというと、本市には、介護とか包括ケアとか福祉サービスの対象になる高齢者に対する計画、つまり高齢者福祉計画2018はありますが、そうではない高齢者、まだまだ元気で社会への積極的なかかわりを継続している、またはそれを希望している人たちに対する計画はないということです。
つまり、福祉以外の部で、それぞれの部で高齢者をどう捉えるかという基本方針、計画がないため、高齢者といえば、福祉部が取りまとめた福祉サービスを受ける高齢者をイメージせざるを得ない、つまりは福祉部と同じ立場で高齢者を捉えざるを得ないからではなかったかと思います。例えば、そもそも経済部の主たる目的は産業の振興であり、あえて言いますと、福祉サービスの提供ではありません。したがって、経済部が高齢者をどう捉えるかといえば、やはり毎日ではないにしろ、働いたり、中心商店街で買い物をしたり、マイントピアでお風呂に入ったり、祭りには市外からお客を招いたりなどの経済活動を活発に行っていただきたいわけです。
そのためには、高齢者の皆さんが家に閉じこもってばかりでは困りますので、例えば車の免許を返納した方にもどんどん外に出てもらい、仕事や買い物あるいは通院に便利な移動環境を整備するために公共交通を整備する必要があるわけです。そして、それをベースにした上で移動が困難な高齢者への対策、例えば料金の割引や時間的なルートの変更などの支援を重ねていくことこそが経済部としての高齢者対策ではないでしょうか。
蛇足ですが、そう考えると、デマンドタクシーの目的は、バス路線の空白地帯の解消ではなく、高齢者がより外出しやすい交通環境の整備であり、したがって川西地区を対象から外すという発想は出てこないように思います。
では、例えば市民部は高齢者をどう位置づけるか。地域コミュニティーを例にとれば、毎日仕事がある現役世代あるいは70も後半になった方は、自治会の世話役として活動的に動き回ることは難しいということはよく耳にすることです。そうすると、その中間の65歳から75歳あたり、前期高齢者世代の皆さんに、ますます高齢化が進む地域コミュニティーの中心的な役割を果たしてもらえないかと考えるのが市民部の高齢者像ではないでしょうか。
例えば、大地震が起こった場合も、現役世代は仕事で家にいないことが多い。子育て世代は、まず自分たちの子供の安全確保が優先されることはやむを得ない。そんなとき、比較的自由な時間が多く、自宅付近にいる可能性も高い70前後の皆さんに地震発生直後の共助活動の主力となっていただくために、どんどん防災士の資格を取ってもらおう。そして、近所のより高齢の人に、地震が起こったときには、たんすが倒れてくるようなところで寝とったらいかんよと話しかけてもらって、頼まれて部屋に入ってたんすを動かしたり、転倒防止器具をつけたり、さらには、地震なんかのときに、すぐに助けにきてくれる人がおらんのんなら、近所の誰々さんに小学校まで連れていってもらうように頼もやと。ほんで市役所に届けを出しておこうというようなステップを踏んで、避難行動要支援者の登録をふやしていかなければいけないのではないかというふうに思います。
このように、各部それぞれが高齢者に対する基本方針や対策を取りまとめた、それは結果的に元気な高齢者基本計画というふうなものになるんではないかと思いますが、そういうものが必要ではないでしょうか。そして、それは福祉部の高齢者福祉計画とともに車の両輪となって、本市の高齢者対策を進めていく高齢者総合計画となるもので、それこそがエイジフレンドリーシティを推進する行動計画と位置づけられるものであろうと考えています。
このように、各部局それぞれの高齢者の位置づけ、対策が必要と考えますが、その守備範囲は福祉部の高齢者計画を大きく超えるものとなり、また各部局の調整も不可欠でありますことから総合的な判断が必要になり、したがいまして総合政策課が主体となって、そのような高齢者対策を取りまとめていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 米谷議員さんの再質問にお答えいたします。
議員がおっしゃるとおり、高齢者に優しいまちづくりというのは、本来、市の最も重要な施策の一つではないかと思います。今おっしゃったように、人口減少・少子高齢化社会が急速に進展している中で、高齢者にまず活躍をしていただく、そういう社会づくりが持続可能な新居浜市をつくっていけるということは、私自身もそういうふうに思っております。
おっしゃるとおり、動けなくなった高齢者の介護、高齢者福祉だけが高齢者対策ではなくて、元気な高齢者にいかに活躍していただけるか、そういう社会をつくっていくことが非常に大切ではないかと、これからは特にそういうふうな時代ではないかと思っておりますので、今おっしゃられたように、福祉部だけでなく経済部あるいは市民部そこそこが高齢者が活躍できるまちづくりについて考えていく必要があるのじゃないかと思っております。
つきましては、現在取り組みを進めております第六次の長期総合計画の中で、そういう視点も入れてぜひ取り組んでまいりたいと、このように思っております。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 第六次の長期総合計画にエイジフレンドリーの視点を入れてというふうなことをお伺いいたしましたが、いかがでしょうか、市長、次期長期総合計画にエイジフレンドリーシティ計画そのものを盛り込んだものとしてはいかがでしょうか。
エイジフレンドリーシティの参加につきましては、まず市長の参加表明文を添えてWHOにウエブで申請を行います。その後、2年以内に行動計画を作成することとされています。次期長期総合計画の策定に当たっては、もちろん市民とともに計画づくりに当たるものと考えますが、その過程において、じっくりと本市のエイジフレンドリーシティの考え方を市民に示し、市民とともに行動計画づくりを行う。WHOが提唱するエイジフレンドリーシティの視点を生かした長期総合計画を市民みんなでつくり上げる。そして、いわばグローバルスタンダードとも言える長期総合計画に基づいて、世界の847都市とともに、新居浜市は市民、行政一体となり、高齢者に優しい都市、全ての人々に優しいまちづくりに取り組んでいくんだということを、市民はもちろん、県内、国内、そして世界に宣言、アピールできるのではないでしょうか。
WHOのグローバルネットワークに参加することは、例えば福祉産業の誘致あるいはインバウンドなどの面でもメリットが期待されるものと考えます。平成23年に我が国で初めてエイジフレンドリーシティに参加し、現在、着々とその成果を上げている秋田市においても、その計画のスタートは市長のトップダウンで、現在も先頭に立ってその計画推進に取り組まれていると伺っております。石川市長、いかがでしょうか。
エイジフレンドリーシティを盛り込んだ長期総合計画の策定につきまして御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 米谷議員さんの再質問にお答えいたします。
大変貴重な御意見で、拝聴させていただきました。エイジフレンドリーシティ計画の策定、それにつきましても大変貴重な御意見だと思うんですけれども、今現在も、新居浜市といたしましても健康で生きがいのある暮らしができる健康長寿社会の実現を目指して各種の施策をやっとるところでございます。
先ほどもお話がありましたように、これは長寿を目指すだけではなく、社会で活躍していただけるような、そういうふうなことも考えていかなければならないのは、先ほどお聞きして私もまさにそう思いました。
そういう意味でエイジフレンドリーシティを目指すのは、それは大いに結構でございますけれども、お年寄りだけではなく若い方、実年の方も活躍してもらわないと社会は成り立ちません。そういうふうなこともございますので、一つの項目として入れることは考えられるかもわかりませんけれども、私としては、全般的な中で総合計画で取り組んでまいりたいと、そんなふうに思っております。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。米谷和之議員。
○9番(米谷和之)(登壇) 若い人たちにもというふうなお話を伺いましたが、先ほどから申し上げておりますように、エイジフレンドリーシティそのものが、もちろん高齢者の皆さんだけを対象にした計画ではありません。例えば言葉一つをとってみましても、オールドエイジフレンドリーシティではありません。それから、エイジドでもありません、年とったでもなく。そうすると、エイジフレンドリーというのは、全ての世代、年代にフレンドリーな優しいまちづくりというふうに考えることができるんではないかと思います。
ですから、私は、そういう意味でもエイジフレンドリーシティが、元気な高齢者あるいは福祉サービスが必要な高齢者、あるいはそのほかの全ての新居浜市民にとっても大きな計画だと思います。なおお考えくだされば大変幸いです。よろしくお願いいたします。
以上で終わります。
○議長(伊藤謙司) この際、暫時休憩いたします。
午前11時02分休憩
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午前11時10分再開
○議長(伊藤謙司) 休憩前に引き続き会議を開きます。
越智克範議員。
○6番(越智克範)(登壇) 本年5月に新居浜市議会議員として新たに任命された自民クラブの越智克範と申します。
開かれた市政と市民に愛される市議会の橋渡しになれるように努力してまいる所存です。ますますの新居浜市の発展と活性化のために一議員として努力してまいります。よろしくお願いいたします。
それでは、通告に従い質問をさせていただきます。
今回は、防災に関してのみ質問をいたしたいと考えております。
さて、1995年、兵庫県南部地震、阪神・淡路大震災より日本列島は地震活動期に入ったと言われており、その後、マグニチュード7前後の内部活断層型地震の発生が続いております。2011年3月にはマグニチュード9の超巨大地震である東北地方太平洋沖地震が発生し、その後も余震が繰り返し発生する中、熊本地震などの活動が活発化し、我が国はまさに地震活動期に入っていると考えられます。
一方、地球温暖化に伴って時間80ミリを超える猛烈な雨の発生回数が増加して、毎年のように河川が氾濫し、土砂災害も多発しております。
このように、自然災害の発生リスクが高まっている中、国を初め各地方自治体の災害に対する対処方法の的確性については、ますますその重要度が高まってきていると考えます。
特に、南海トラフ大地震に対する備えは重要であります。想定される被害は甚大で、かつ日本の中枢都市を壊滅的に破壊することが予想されます。その中でも特に建物倒壊による被害は、多くの死者と負傷者を出すことが懸念されています。阪神・淡路大震災においても、死者数のうち90%が建物倒壊あるいは家具の転倒によるものであったことは周知の事実であります。
これを受け、この大地震直後の平成7年、1995年12月に建築物の耐震改修の促進に関する法律、耐震改修促進法が施行されました。これは、倒壊等のおそれがある多数の者が利用する建築物の所有者に対して、耐震診断、耐震改修の努力義務を課し、所管行政庁が指導助言を行うことにより耐震化を進めるものであります。
さらに、平成17年、2005年の同法の改正により、国が建築物の耐震診断・改修の促進を図るための基本方針を定め、各都道府県が同方針に基づき耐震改修促進計画を定めることが決定し、計画的な耐震化が促進されることになりました。すなわち、改修を早急に進めるため、数値目標を盛り込んだ計画の作成が義務づけられ、国土交通省は、建築物の耐震化率を10年後の平成27年度、2015年度末までに90%に引き上げる目標を柱とする基本方針を策定しました。これを受け、各都道府県は、本方針に基づき平成18年度中に耐震改修促進計画を作成することが義務づけられ、さらに建築物の耐震化率の目標値とともに、耐震改修の補助などの財政支援や啓発活動についてもまとめることになりました。
新居浜市では、これを受け平成20年3月に新居浜市耐震改修促進計画を取りまとめました。その後、平成25年2月の一部改訂を経て平成30年4月に最新の計画案を策定しています。本書には平成25年の住宅統計調査が示され、旧耐震基準法で施工された住宅は2万3,000戸であり、この住宅耐震化率は70.4%となっています。これは、全国平均の82%を大きく下回る水準であります。
既に本市議会でも報告されていますが、愛媛県地震被害想定調査結果についてでは、新居浜市の物的・人的被害想定において、建物の耐震性強化、すなわち昭和56年以前の旧耐震による建物を耐震補強することにより、揺れによる建物の全壊棟数は10分の1に減少し、建物倒壊・火災による死者は20分の1に減少することが報告されています。これは、これまでの地震の被害状況報告から見て、新しい耐震基準による耐震設計は効果的であり、強い揺れを受けても震度7程度では倒壊しないことが証明されているためであります。
既に述べたとおり、国の方針では、平成27年までに住宅の耐震化率を90%にまで引き上げる構想を立てていました。しかし、その後、平成28年の調査では、41の都道府県が期限までの達成が困難であったとの報告をしています。このため、国は新たな目標として、平成32年までに住宅の耐震化率を少なくとも95%にまで引き上げるとともに、平成37年度までに耐震化率が不十分な住宅をおおむね解消することを挙げています。
このような現状を受けて幾つか質問をさせていただきます。
まず、耐震改修に関する新居浜市の民間木造住宅耐震改修補助事業についてですが、耐震改修設計に関して、経費の3分の2以内で限度額20万円、耐震改修工事に関しては、経費の総額で限度額90万円の補助を行っています。
最初にお聞きしたいのは、本制度を使ってこれまでに耐震改修工事を実施した実績についてであります。どの程度、この補助が効果的に使用され、耐震化率の向上に寄与しているかについてお伺いします。
次に、この耐震化率の向上を進めるために補助の増額について検討できないかをお聞きします。
報道によれば、石川県では耐震改修に200万円まで補助を拡大し、市の耐震化率を81%から90%に引き上げることが報告されています。古い住宅ほど改修工事が大がかりになるため、経済的に余裕のない世帯や高齢者で耐震化率が進んでいないことが要因であることを鑑みると、補助の増額による支援は効果的であると考えるが、いかがでしょうか。
もとより新居浜市の財政は厳しいと考えられますが、耐震化率が全国平均を大きく下回っている現状を考えると、早急に対応が必要と考えられます。対象となる世帯を絞ってでも補助の増額はできないでしょうか。
次に、この耐震化率の向上対策についてであります。
これまで新居浜市は、平成28年に派遣型耐震診断制度の導入を実施し、申込者数の増加を図り、また補助金代理受領制度により申込者の負担軽減を実施してきました。一定の効果が上がっていると思いますが、新居浜市耐震改修促進計画には、耐震化の目標として、平成32年度末には90%を目指すと記載されています。この数値は、国の目標値である95%を下回る数値であり、目標としては十分とは言えないものであります。
しかしながら、現状では、この数値でさえ達成することが難しいと推定されますが、いかがでしょうか。また、数値の向上に向けて今後どのような対策を立てていくのか、お考えをお聞かせ願います。
さらに、一般住宅のほか、国の方針として重要なポイントとなる多数の者が利用する建築物の耐震化を進めることが義務づけられていますが、この耐震化率も平成28年度時点で81.8%にとどまり、平成32年度目標についても85%にとどまっています。市としては、この数値の向上に今後どのような指導を行っていくのか、お聞きいたします。
特に、災害時最も重要な役目を担う新居浜警察署の建物が耐震改修未定とのことでありますが、このままでよいのかどうかを、あわせてお考えをお聞かせ願います。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。高須賀建設部長。
○建設部長(高須賀健二)(登壇) 越智議員さんの御質問にお答えをいたします。
防災に関する施策の進捗状況についてでございます。
建築物の耐震改修促進についてお答えをいたします。
まず、木造住宅耐震改修補助事業の実績についてでございます。
耐震改修工事補助につきましては、平成22年度から開始し、平成30年度までに79件実施をいたしております。なお、平成30年度は、25件の募集に対し24件の申請がありました。
次に、当該補助が効果的に耐震化率の向上に寄与しているかの点につきましては、昭和56年以前に建てられた旧耐震基準の木造住宅だけでも約1万5,700戸あると推定されており、現在の実施件数は一定の効果はあるものの、抜本的な耐震化率の向上までには至っていないものと思われます。
次に、耐震改修補助金の増額または補助対象となる世帯を絞っての増額の検討についてでございます。
耐震改修工事の補助金額につきましては、補助開始の平成22年度当初は補助率3分の2の上限60万円でしたが、平成26年度に補助率なしの上限90万円に増額をいたしております。
現在、補助金額は、設計から改修工事、工事監理まで全て合わせますと、最大で114万円の補助を行っており、県内の市町におきましても、ほぼ同額の補助金額となっております。
耐震改修工事の補助金額につきましては、平成30年度24件の工事金額の平均は160万円程度で、半額以上の金額を補助しており、またそのうち4件につきましては90万円を下回っておりますことなどから、補助金額の増額が直接改修件数の増加にはつながらないものと考えております。
また、御提案の補助対象となる世帯を絞っての増額につきましても、同様に金額の増額による効果は薄いものと考えております。
次に、新居浜市耐震改修促進計画に記載されている住宅の耐震化率の目標の達成につきましては、これまでにも戸別訪問や出前講座など市民の皆様への直接的な周知、広報活動も実施してまいりましたが、現在、旧耐震基準の木造住宅で耐震性がないと思われるものが約1万4,000戸あると推定されており、このままの進捗状況が続きますと、目標年度での目標耐震化率の達成は非常に厳しいものと考えております。
次に、耐震化率の向上に向けての今後の対策についてでございます。
木造住宅耐震改修補助事業を活用し、耐震診断を行った結果、耐震補強の必要があると判断された住宅のうち耐震改修工事に移行していない方が約180件、全体の約65%ございますことから、今後は、これらの方へ耐震改修工事の実施依頼を直接行うことにより耐震化率の向上を図ってまいります。
また、市政だよりや各公民館等へのチラシの配布のほか、戸別訪問や出前講座など市民の皆様への直接的な周知、広報活動も引き続き実施をし、耐震化促進の啓発を行ってまいります。
次に、新居浜市耐震改修促進計画に記載されている多数の者が利用する建築物の耐震化率を向上させるための対策についてでございます。
耐震改修促進法の改正により、不特定多数の者が利用する建築物及び避難弱者が利用する建築物のうち、大規模な建築物につきましては耐震診断が義務づけられておりますことから、診断結果を新居浜市のホームページでも公表しているところでございます。
これらの大規模な建築物につきましては、診断結果に基づき、現在耐震改修工事中の建築物を含め、おおむね耐震化が完了いたしております。しかしながら、耐震診断の義務づけ対象外の比較的小規模な建築物につきましては耐震化が伸び悩んでいるため、引き続きパンフレットの配布、インターネットによる情報発信等により耐震診断、耐震改修の必要性等について周知、啓発を行い、耐震化率の向上に努めてまいります。
次に、新居浜警察署の耐震化についてでございます。
耐震化の必要な県内の警察庁舎8カ所につきましては、愛媛県が順次耐震化を進めておりますが、できるだけ早期に新居浜警察署の耐震化が実施されるよう要望をしてまいりたいと思います。
○議長(伊藤謙司) 越智克範議員。
○6番(越智克範)(登壇) どうもありがとうございます。
2つほど確認したいのですが、先ほど戸別訪問を実施という話がありました。耐震化率の向上のために戸別訪問をされておるという話なんですが、どういうところから、どの程度の実績で戸別訪問をされているのか、お聞かせ願います。
それと、多数の者が利用する建築物において、先ほど小規模のものがまだ耐震化が進んでいないというお話でしたが、85%に平成32年度目標でもとどまるということに関して、この数値の向上は小規模のものであるから許せるというものではないと思うんですが、その辺について、一体どのような建物の耐震化が進んでいないのか、差し支えない範囲で結構なのでお聞かせ願えればと思います。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。高須賀建設部長。
○建設部長(高須賀健二)(登壇) 越智議員さんの再質問にお答えをいたします。
まず、戸別訪問の件についてでございます。
まず、どの地域等に戸別訪問を行ってるかについてでございます。
まず、戸別訪問の対象地区の選定につきましては、旧耐震となる、いわゆる昭和56年以前の住宅が多く存在する地域から行っております。
実績につきましては、平成25年度から開始をし、今年度既に実施をしました松神子地区を含め、これまで1,760戸に戸別訪問をいたしております。
次に、耐震化が進んでいない小規模な建物についてでございます。
先ほどの答弁でもありましたように、一定規模以上のものにつきましては、法律等で規制をしておりますことから耐震化は進んでおりますが、いわゆる特定既存耐震不適格建築物というものが法律の中で規定をされております。それぞれ用途と規模が規定をされておりますが、具体的に言いますと、例えば病院でありますと、階数が3以上で床面積が1,000平米以上、これが特定既存耐震不適格建築物ということの要件に当てはまるものでございますが、いわゆる階数が2階以下、それと1,000平米未満というような小規模の建築物については、耐震化の推進が滞っているというところだというふうに推定はされます。
○議長(伊藤謙司) 越智克範議員。
○6番(越智克範)(登壇) 耐震については、ぜひ早く進めていただきたいと思います。地震による被害を少しでも減少させるというのが大前提であります。被害を少しでも減少させるために、ぜひ新居浜市として力を入れていただきたい。小規模の多数の者が利用するものについても、ぜひ指導を強くしていっていただきたいというふうに思います。
それでは、次の質問に入ります。
次に、災害発生後に大きな問題として最近取り上げられている災害廃棄物の処理に関する問題です。
災害廃棄物の事前の備えと適正処理の確保に向けた方針策定の重要性は、さきの東日本大震災以降、法改正を通して明確にされてきました。政府全般の災害廃棄物への制度的対応としては、災害対策基本法の改正と、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法があります。
災害対策基本法は平成24年に一部改正がなされたほか、平成28年までに毎年改正され、災害廃棄物対策に必要な法整備が行われてきました。一方、国土強靱化基本法では、平成26年に国土強靱化基本計画が閣議決定され、取り組むべき具体的な個別施策を示したものとして国土強靱化アクションプランが示されました。
また、省庁レベルの対応として、環境省がこれまでの指針を改定し、平成26年3月に災害廃棄物対策指針を策定し、各都道府県及び市町村における災害廃棄物処理計画の作成に資することを目的に、今後発生が予想される大規模地震や津波による被害を抑止、軽減するための災害予防、さらに発生した災害廃棄物の処理を適正かつ迅速に行うための応急・復旧・復興対策についてまとめられました。
新居浜市では、これを受けて愛媛県災害廃棄物処理計画と新居浜市地域防災計画との整合性を図り、平成31年3月に新居浜市災害廃棄物処理計画をまとめています。この中では、災害予防として平常時から必要な対策を記載しています。
このような法整備と新居浜市の対応を受け、幾つか確認させていただきたいと思います。
まず、国土強靱化アクションプランに関連する内容についてであります。
アクションプランにおける環境分野の起きてはならない最悪の事態として、大量に発生する災害廃棄物の処理の停滞により復旧・復興が大幅におくれる事態が挙げられます。これを避けるために、具体的に定められた取り組み事項と重要業績指標の実施推移、目標値が示されました。
この中で特に懸念されるのが、災害発生時の迅速な災害廃棄物処理はもとより、特に二次被害防止に必要な災害廃棄物を仮置きするためのストックヤードの整備率と、ごみ焼却施設における災害時自立稼働率及び有害物質把握実施率の各指標の進捗が低調であるということです。
そこでお聞きしたいのは、これらの課題に対する新居浜市の対応状況です。
まず、災害廃棄物の仮置き場の問題ですが、瓦れきの仮置き場の確保は、公用地だけでは不足が懸念され、民有地も候補地に想定することになると思われますが、住民の反対により災害発生後に交渉を開始せざるを得ない事例も報告されています。しかし、発災後の交渉には時間がかかり、そのために仮置き場の稼働がおくれてしまい、復興の障害になったと問題視されています。
新居浜市では、災害廃棄物処理計画において廃棄物の一次及び二次の仮置き場候補地の条件及び必要面積が記載されており、いずれも100ヘクタールを超える広大な面積が必要としています。しかし、本書には具体的な候補地が記載されていないため、今後どのような考えで選定していくのか、お聞きします。
特に新居浜市は、平成16年に大きな災害に見舞われていますが、現在は、このときよりさらに公的用地は厳しく、ほとんどゼロに等しいと考えられます。早急な対策が必要であり、用地確保の取り組みについてお伺いします。
次に、ごみ焼却施設についてでありますが、本施設の災害時の起動方法について質問をいたします。
一般に、焼却場に設置されている非常用発電機は、焼却炉を安全に停止させるための保安用途や消防設備の電源として使用されるものが多く、発電容量が小さいため、一旦停止した焼却炉を再起動させることができる容量を持つ施設が少ないと報告されています。
新居浜市では、再稼働の訓練を含め十分な対応がなされているのかどうか、お聞きします。また、これとあわせて、焼却炉の運転に必要な水道などのライフラインの耐震化あるいは必要に応じて予備冷却水の確保などが検討されているのかについても確認します。
さらに、被災し、一時停止した処理設備等を修復、復旧するための点検手引きについても、あらかじめ作成しておくとありますが、この作成状況並びに手引きの確認方法についてもお聞きします。
また、災害廃棄物における二次被害防止のため、有害物質に係る情報と災害廃棄物対策を連動させた災害廃棄物処理計画の策定が重要でありますが、有害廃棄物把握の状況並びに有害物質廃棄物処理計画の策定状況についてもお聞きします。
さらに、視点を変えて、避難所生活で被災者の良好な生活環境を確保するための仮設トイレに関する質問です。
内閣府は東日本大震災の教訓から、平成25年度に避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針を策定しました。平成28年度にこれを改定し、発災直後の緊急対応から避難所が閉鎖されるまでの期間にわたる避難所運営について指針を示し、市町村において平時より災害に備えるよう促しています。
あわせて作成された避難所におけるトイレの確保・管理ガイドラインでは、避難者支援の中で、避難生活におけるトイレの課題は今まで以上に強い問題意識を持って捉えるべきとして、災害対策におけるトイレの確保と管理に関して具体的な指針を示しています。
同指針は、災害が発生する前に市町村が連携してトイレの課題に備え、地域防災計画等へトイレの確保、管理計画を反映させることを求めています。新居浜市では、先ほどの新居浜市災害廃棄物処理計画の中で仮設トイレの必要数について想定し、備蓄や設置計画を検討することとなっていますが、本市単独での対応は困難としています。
先日、愛知県大府市と災害時における相互応援に関する協定を締結し、応急対策や復旧に協力し、生活必需品の提供、被災者の救出や救護、必要資機材や物資の提供、職員の派遣などについて応援態勢ができたことが報じられています。このような連携は非常に重要であると考えます。
この中にはトイレ等の記載はありませんが、周辺自治体あるいは事業者、団体との支援体制は必要と思われます。しかし、近隣市町村は新居浜市と同様に、地震の場合被害を受け、支援の余裕がない可能性があります。
これらを踏まえ、トイレの確保を具体的にどうお考えなのか、お聞かせ願います。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。小山環境部長。
○環境部長(小山京次)(登壇) 災害廃棄物の処理についてお答えいたします。
災害廃棄物仮置き場は、災害廃棄物の一時保管所であり、被災建物や廃棄物の速やかな解体、撤去、処理、処分を行うための重要な施設でございます。
しかしながら、越智議員さん御案内のとおり、広大な面積が必要なことから、仮置き場用地の確保は極めて困難でございますが、被災時には可能な限り速やかに仮置き場を決定し、開設する必要がございます。
災害廃棄物仮置き場の選定につきましては、位置、面積、土地形状、接道状況などを選定条件とし、基本的に市有地、県有地等の公有地の中から地域性を考慮して候補地を選定する方針としております。
しかしながら、公有地のみでは必要面積の確保は困難であることから、今後、災害がいつ起きても、できる限り円滑な災害廃棄物対応が可能となるよう、選定条件に見合う民有地につきましても土地所有者と交渉に努め、仮置き場の面積確保を図ってまいりたいと考えております。
次に、ごみ焼却施設の災害時の起動方法についてでございます。
まず、再起動の対応でございますが、本市焼却施設の非常用発電機も、非常時の安全停止を目的としており、再起動のためのものではありませんので、停止した場合は電力会社からの電力供給を待つ必要がございます。このため、非常時の安全停止訓練や電気供給停止から供給復旧を想定した訓練は実施しておりますが、非常用発電機による再稼働訓練は行っておりません。
また、焼却施設の運転に必要な水の確保につきましては、現在は、貯留槽により数日分の確保ができる状況でございます。
また、通常時の緊急停止を想定した点検の手引きを備え、実施も行っておりますが、大規模な災害により停止した場合の点検手引きは策定できておりません。
焼却施設の大規模災害対策は課題が多く残されておりますが、平常時から安定した運転を確保することが何より重要課題でございますので、機器類の常時整備及び予防保全的な維持管理に努めながら、災害廃棄物処理計画に位置づけている廃棄物処理施設の災害対策計画の実施について今後検討してまいります。
次に、有害物質に係る災害廃棄物対策でございますが、有害物質が漏えい等によりまして災害廃棄物に混入しますと、災害廃棄物の処理に支障を来すことになりますことから、平成29年度に環境省が実施しております災害廃棄物処理計画策定モデル業務の中で、本市における有害物質の保管場所等について、PRTR、化学物質排出移動量届出制度等に基づいて提出されております届け出工場を抽出し、地図等の作成や有害物質の種類と発生量の推計及び処理方法の検討を行っているところでございます。
次に、トイレの確保についてでございますが、内閣府が作成した避難所におけるトイレの確保・管理ガイドラインにも示されてありますように、過去の災害事例からも、トイレの問題は、避難者の健康に影響するとともに避難所の衛生環境を左右するものでございます。
この災害廃棄物処理計画においても、発災直後、1週間後、1カ月後の3段階に分けて必要数を試算しておりますが、発災直後は、段ボール組み立て式などの簡易トイレを備蓄物資から使用し、その後、仮設トイレを確保していくものと考えております。
仮設トイレの確保につきましては、本市の災害時における物資供給等の協力に関する協定や愛媛県の災害時における仮設トイレの供給に関する協定を活用することにより一定の配備は可能と考えております。
しかしながら、南海トラフ地震など広範囲に災害が発生し、近隣自治体が同時に被災した場合には仮設トイレの確保が難しくなることも想定されますので、より広範囲な自治体との支援体制を模索するとともに、各避難所における災害対応型のトイレの備蓄等についても今後庁内で検討してまいりたいと考えております。
本市の災害廃棄物処理計画につきましては、今後におきましても、計画にある検討事項について対策を取りまとめていくとともに、より実効性の高い災害廃棄物処理計画となるよう関係団体等からの御意見もいただきながら見直しを行ってまいりたいと考えております。
○議長(伊藤謙司) 越智克範議員。
○6番(越智克範)(登壇) どうも答弁ありがとうございます。
ただ、今の答弁を聞いていると、ほとんどの対策が不十分だという感じがどうしてもします。焼却炉の非常用発電機も停止のためですし、これが復電してから運転するようだと、時間が大変かかってしまうと思うんです。そのほかに、有害物質についてもそうですし、再稼働の訓練についてもそうです。用地確保の件も、まだこれからという感じがいたします。
地震が発生した際に、こういう対応というのは一番大事じゃないかなと、復旧復興のために。ぜひ早く対応できるように、新居浜市全体で進めていただきたいと思います。ひとつよろしくお願いします。
それでは次に、防災関連について4件ほどまとめて御質問いたします。
まず、1点目です。ブロック塀の安全対策についてであります。
大阪府北部地震において、小学4年生の女の子が倒壊したブロック塀の下敷きになり死亡した事故はまだ記憶に新しいものであります。これは、建築基準法施行令が定める基準を守っていなかったために起こったものです。
この事故を受け文部科学省は、全国の幼稚園や小中高校などの敷地内にあるブロック塀に対し全国緊急点検の指示を出しました。先日8月7日にこの安全点検の調査結果が発表されました。この結果によると、全国において4月1日時点での点検や撤去、改修といった安全点検が終わっていないか、安全性が確認できていない学校は、全国5万1,082校の18%に当たる9,434校に上ることが報告されています。
愛媛県では、ブロック塀を有する349校のうち、来年3月までに安全対策が終了しない33校と、安全点検未完了の107校の計140校が問題となっています。鉄筋の有無などの内部点検を実施するには高額な調査費用が発生するために、子供が通らない場所にあるブロック塀については緊急性が低いとして対策を見送りにしているケースがあると報告されています。
そこで、新居浜市におけるブロック塀の安全点検の実施状況はどのようになっているか、お尋ねします。対象校のうち、ブロック塀に問題のあった校数、改修が終了した校数、点検未完了の校数、改修未完了の校数など、課題とあわせて御説明いただきます。
また、新居浜市では、通学路にある一般市民のブロック塀の改修に対し補助金を出す制度を実施しています。地震でブロック塀が倒壊し、負傷者が出た場合、その管理責任はブロック塀の所有者にあります。実際、通学路にある一般市民のブロック塀のほうが、学校のブロック塀に比べて距離も長く危険であります。
このような補助の制度は非常によいと思いますが、実際に活用し、改修を行っている実績はどのようでしょうか。また、想定まで達していない場合は、上限が10万円という金額がネックになっているということはないでしょうか。
次に、2つ目の質問です。防災士に関するものです。
防災士は、自助、共助と、さらに力を合わせて働く協働を原則として、社会のさまざまな場で防災力を高める活動が期待されているもので、そのための十分な意識と一定の知識、技能を習得していることを日本防災士機構が認証した人のことをいいます。これは、阪神・淡路大震災の教訓と新しい防災への取り組みを推進するために平成15年に設立されました。
すなわち、平常時から災害発生時に至るまで、自発的に、かつリーダーシップを持って自分の身を守り、さらに住民の命を助ける支援ができます。私自身も、この防災士を一昨年に取得しています。
現在、この防災士登録者数は、全国において2019年7月現在で17万6,080人であり、愛媛県は全国で東京都に次ぐ2位の1万3,072人というすばらしい実績を持っています。しかし、この内訳は、松山市が5,384人と半数近くを占め、新居浜市は約650人前後であります。ただし、新居浜市では、低調であった防災士養成の向上を図るため平成23年から支援に取り組み、現在の人数まで増加することができました。しかし、まだ近隣に比べ十分とは言えません。
まず、質問ですが、今後の防災士養成に向けての取り組み状況をお聞きします。
防災士を取りたいのだが、費用の面が障害になっているという人が多くいます。支援の枠をさらに広げ、地域の防災力アップのため防災士養成の事業をもっと大きくできないか、お聞きします。
また、市役所職員においても約30名の防災士が登録されていると聞きます。報道によると、坂出市は、市の職員全員を対象に防災・危機管理スペシャリスト養成プログラムを作成し、消防職員らが他の職員への教育指導に当たることが公表されています。
このように、市と市の職員が率先して防災力の向上に力を入れることは、市民に対しても大きなアピールになると思いますが、いかがでしょうか。防災拠点施設の竣工する時期に合わせ、地域全体の防災力向上にもつながると考えます。
3つ目の質問です。防災無線についてであります。
現在、多くの市民は、自治会が設置の屋外スピーカーによる防災や避難情報を受け取っています。このほか、新居浜市では、コミュニティーFMラジオ局による受信機の頒布も実施しています。しかし、この受信機の頒布は、各家庭に行き届いているとは言いがたく、普及はまだ十分とは言えません。さらに、避難の対象となる高齢者は、特にこの受信機についての購入の手続さえ十分に知り得ません。
屋外スピーカーは、停電や豪雨の際に窓を閉めるだけでも聞き取りにくく、高齢者は避難情報の伝達が最も難しい状況です。報道によると、防災無線の受信機の無償貸与を実施している町があります。西日本豪雨で18名の犠牲者を出した坂町です。住民の声を受けて希望者に配付するとのことです。
今回の新居浜市の補正予算において、FM受信機の自治会への貸与が予算計上されていますが、これだけでは十分とは言えません。ぜひとも希望者にこのFM受信機の無償配布を御検討いただければと思います。
最後の質問です。直接に防災とは関係ないのですが、用水路の安全対策です。
用水路は、日本全国に約40万キロメートルにわたって敷設されています。県や市が管理するものから土地改良区が管理する小規模なものまで多くの水路が存在します。この水路は、管理上ふたをすることが難しいとされています。しかし、この用水路において事故が多発していることは御存じでしょうか。
NHKの報道によると、全国で事故が多いとされる15都道府県において、昨年1年間で2,000人もの死傷者が出ており、154人ものとうとい命が失われています。この15都道府県には愛媛県は入っていませんが、隣の香川県は7名の死者と210名のけが人が出ていると報告されています。特に用水路事故が多い岡山市では、市と自治会が共同で危険箇所を洗い出し、優先的に安全対策を進めています。
毎年ふえ続けている用水路事故を少しでも減らす工夫が日本全国で行われています。新居浜市でも、用水路の事故やひやりとした経験のある方は多数おられます。死者や大きな災害が発生してからでは遅いのです。行政においても、啓発活動を行うなど市民に用水路の危険性を発信し、安全対策にぜひとも力を入れていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(伊藤謙司) この際、暫時休憩いたします。
午前11時54分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 1時00分再開
○議長(伊藤謙司) 休憩前に引き続き会議を開きます。
答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 防災士資格の取得支援についてお答えをいたします。
本市におきましては、平成23年度から愛媛県防災士養成講座を活用し、防災士の知識、技能を習得し、地域で活躍いただける受講者を市連合自治会から推薦いただき、毎年約50名の方が防災士の資格を取得しております。
推薦に当たっては、単位自治会に1名以上の防災士の配置を目指し、防災士のいない自治会から積極的に推薦していただくことや、女性や若い世代の養成に御配慮をいただくことをお願いしているところであります。
また、防災士資格取得に必要となる受講費用として、教本代3,500円、受験料3,000円、登録料5,000円の計1万1,500円については全額を市が負担しており、自治会から推薦いただきました受講生の費用負担はございません。
また、愛媛県では、今年度から新たに地域に密着している企業・団体職員、社会福祉施設職員への防災士の資格取得を支援する事業を予定しておりますことから、本市といたしましても、周知を図るとともに、受講費用の支援についても前向きに検討をしてまいります。
次に、市と職員が率先して防災力の向上に力を入れることについてでございます。
本市では、平成27年度から職員を対象とした防災研修を実施しており、ことしは気象台職員を講師に招いて防災気象情報利活用研修や、避難所運営ゲームの実践を通して、災害が発生した場合に開設される避難所がどのような状況となるのかを体験するなど研修を行っているところでございます。
来年度以降は、新たに完成いたします総合防災拠点施設に導入するシステムの運用や災害対策本部の運営訓練を加え、体系的かつ計画的な防災研修を実施してまいりたいと考えております。
御紹介いただきました坂出市防災・危機管理スペシャリスト養成プログラムにつきましては、先進的な取り組みとして参考とさせていただき、職員の一人一人の防災力、危機管理能力を高めることで全庁的な対応力アップが図られるよう防災研修、防災訓練のさらなる充実を図ってまいります。
以上申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足いたさせます。
○議長(伊藤謙司) 加藤教育委員会事務局長。
○教育委員会事務局長(加藤京子)(登壇) ブロック塀の安全対策についてお答えいたします。
昨年6月に発生いたしました大阪府北部地震以降、学校施設や通学路を中心としたブロック塀の安全性が問われるようになり、新居浜市におきましても、昨年度、早急に市内小中学校のブロック塀全箇所の点検を実施いたしました。
点検につきましては、もともとブロック塀がない3校を除く23校を対象に行い、その結果、建築基準法の既存不適格や老朽化や一部破損が見られるブロック塀が全ての学校で見受けられましたことから、特に緊急性が高かった箇所を昨年度9月補正予算にて御承認いただき、フェンスに改修いたしました。また、残りの学校につきましても、昨年度12月補正予算にて御承認をいただき、順次フェンスへの改修工事を進めております。
事業は、一部が本年度へ繰り越しになりましたが、22校におきましては、改修が本年9月中旬までに完了し、未完了の1校につきましても10月末までに完了する見込みとなっております。
今後におきましても、危険な箇所がないか目を配りながら子供たちの教育環境の安全確保に努めてまいります。
○議長(伊藤謙司) 岡松市民部長。
○市民部長(岡松良二)(登壇) 防災無線の充実についてお答えをいたします。
本市におきましては、災害情報伝達手段の多様化を促進するため、コミュニティーFMの開局に合わせて防災ラジオの普及促進を図っており、土砂災害の避難勧告対象地区にお住まいの方等に無償で貸与しているほか、希望される市民の皆様には1台3,000円で御購入いただいており、昨年6月から本年7月までに2,316台が販売されております。
また、今回の補正予算案では、国領川に新たに設定された家屋倒壊等氾濫想定区域の指定地域の防災リーダー等に110台を貸与することといたしております。
防災ラジオを希望する全戸に配布することにつきましては、これまで市民の皆様に一部御負担いただき既に御購入いただいていることから、現時点では困難であると考えておりますが、機会を捉え防災ラジオの特徴を御理解いただき、普及促進に努めてまいります。
○議長(伊藤謙司) 赤尾経済部長。
○経済部長(赤尾禎司)(登壇) 用水路の安全対策についてお答えいたします。
まず、用水路につきましては、水田に営農用水を供給する重要な役割を担っており、本市では約500キロメートルを土地改良区及び市で管理しております。
本市の用水路は、住宅地と農地が隣接しているところが多いことから、越智議員さん御案内のとおり、転落事故が起きないように安全対策を推進していくことが重要であると認識しております。
本市における用水路の安全対策といたしましては、国が作成した土地改良施設安全管理の手引きをもとに対応するほか、教育委員会を中心に国、県、新居浜市、警察署、各小中学校及びPTA連合会などで組織した新居浜市通学路安全対策連絡協議会やまちづくり校区懇談会などで寄せられた御意見、御要望を踏まえ、施設を管理する土地改良区とともに危険箇所の洗い出しや点検を行い、必要に応じて安全柵等を設置しているところでございます。
また、ソフト対策といたしましては、学校やPTAを通じて児童生徒への啓発を行うほか、新居浜市土地改良協議会においても、市内各小中学校に水難事故防止の文書や啓蒙ポスターを配付するとともに、危険箇所には注意看板を設置するなどの啓発を行っているところでございます。しかしながら、こうした安全対策につきましては、限られた予算の中、危険度の高いものから順次整備している状況でございます。
今後におきましても、引き続き用水路の危険性を発信するなど啓発に努めるとともに、危険箇所における安全柵の設置などハード対策とソフト対策を一体化させた取り組みを行い、用水路の安全対策を進めてまいります。
○議長(伊藤謙司) 高須賀建設部長。
○建設部長(高須賀健二)(登壇) ブロック塀改修に関する新居浜市の補助制度についてお答えをいたします。
越智議員さん御案内のとおり、新居浜市では、市民の生命及び財産を地震による災害から保護するため、平成30年10月より新居浜市民間ブロック塀等撤去費補助金交付要綱に基づき、ブロック塀の撤去費補助を実施いたしております。
まず、ブロック塀の撤去費補助事業の実績でございますが、補助事業が始まりました昨年度は補助件数7件、補助金額60万7,000円、今年度は8月末時点で補助件数5件、補助金額42万8,000円でございます。
なお、実績件数は、当初予定の約1割程度となっております。
実績が上がらない理由が撤去費の補助額の上限10万円ではないかにつきましては、これまでのブロック塀撤去費の1件当たりの平均額は約15万3,000円であるため、補助上限額が直接実施件数には影響していないものと思われます。
ただ、本補助事業は、車両や人通りが多い道沿いの老朽化したブロック塀の倒壊による事故が起こる前に撤去をお願いするもので、撤去費用のみへの補助であり、既存ブロック塀の撤去後におけるフェンスなどの設置費に対する補助ではありません。このため、ブロック塀を撤去した後の新たな再築工事費の捻出が難しいことなどが、この補助を利用しての撤去まで至っていないのではないかと考えられます。
老朽化したブロック塀への早期の対応におきましては、減災に大きく寄与するものと考えます。今後も周知啓発活動を行い、耐震化の向上に努めてまいります。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。越智克範議員。
○6番(越智克範)(登壇) 二、三、確認させてください。
まず、ブロック塀ですが、今年度の決算書を見ると、ほとんどの金額が繰り越しになっています。なぜこんなに多額の金額が繰り越されてるのか。中学校、小学校合わせて90%以上が繰り越しとなってます。この理由をお聞かせください。
2点目です。防災無線ですが、先ほど言われた110台の今年度追加予算での貸与ですが、高齢者にとってみると、災害時の避難の案内については、現在、ほとんど連絡が行き届かないというふうに感じてます。
防災ラジオの配付をお願いしたのがいいのか悪いのかわからないんですが、もう少しきめ細かい無線情報を発信するために、例えば松山市では、この前、県の防災の対策として高性能のスピーカーの整備に予算がついたという報道が出てます。このようなものも含めて、少し検討していただけないかという話です。
それと、水路についてはおっしゃるとおりなんですが、児童だけじゃなくて高齢者に対する案内についてはどうお考えでしょうか、お聞かせください。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。加藤教育委員会事務局長。
○教育委員会事務局長(加藤京子)(登壇) 越智議員さんの再質問にお答えいたします。
小学校、中学校の工事費用が繰り越しになった理由ということでございますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、予算が9月補正と12月補正というふうになりましたので、これは学校の危険箇所などの調査に時間を要したこともございまして、あと国の補助を使うというような関係もございまして12月補正ということになりましたので、12月補正で予算対応されたものを、それから設計をいたしまして業者を決めまして、それから実際に工事するというような日程で期日を要しまして、今年度に繰り越しをさせていただいたものでございます。
その間、子供たちには危険がないように、コーンで危険箇所を囲うであるとか、そういう対応は図らせていただきました。
○議長(伊藤謙司) 岡松市民部長。
○市民部長(岡松良二)(登壇) 越智議員さんの再質問にお答えをいたします。
高齢者への避難の案内手段についての検討をという質問の御趣旨だったかと思います。
新居浜市におきましては、高齢者ももちろんではございますが、命にかかわる問題ですので、避難情報につきましては、さまざまな伝達手段を使い、できるだけ早くお伝えするということに努めておりまして、前述の防災行政無線やFMラジオを初め、ほかにもホームページ、メールマガジン、ツイッター、エリアメールなど、さまざまな情報伝達手段を使いまして早急にお伝えをしているところでございます。
この防災ラジオにつきましては、今後も市政だよりあるいは先日まで行われておりました校区懇談会、また防災に関する出前講座等におきまして周知のほうを図ってまいりたいと考えております。
○議長(伊藤謙司) 赤尾経済部長。
○経済部長(赤尾禎司)(登壇) 越智議員さんの再質問にお答えいたします。
水路の高齢者に対する事故防止の対応についてというお尋ねだと思うんですけども、先ほどの答弁で、児童生徒へは学校やPTAを通じて啓発を行っておりますけども、高齢者の方に対しましては、自治会とか老人会を通じて啓発することができるかどうかというのを今後検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。越智克範議員。
○6番(越智克範)(登壇) どうもありがとうございました。
きょうは、防災についていろいろお尋ねしましたが、まだ残念な回答のものが幾つかあったと認識します。災害が起きてからでは対応するのが遅いと私は考えております。防災そのものが市政だと……。(ブザー鳴る)
○議長(伊藤謙司) 白川誉議員。
○4番(白川誉)(登壇) 皆さん、こんにちは。
自民クラブの白川誉です。ことしの4月の市議会議員選挙におきまして、新居浜市議会議員の一人として初選出していただきました。あれから約5カ月がたちました。市議会の模様は、ケーブルテレビやインターネットでも中継され、ユーチューブでも録画公開されます。議事録にも残ります。あのときの初心を忘れないために、そして緊張感を持った議員であり続けるために、さらには新人である私を知らない新居浜市民の皆様へ私の考えをお伝えするためにも、最初に私の決意をお話しさせていただきたいと思います。
私は、選挙の際に、なるためだけではなく、なってから何をするのかを熱くお伝えし、共感者をふやすことを徹底いたしました。私が考える新居浜市の新たなグランドデザインについては、新居浜市を株式会社新居浜市に見立て、経営の基本である、人、物、お金と真摯に向き合い、6つのアクションを通して行政や単一の団体、民間事業者では難しい企画調整や新しいプロジェクトを行う組織づくり、まちづくりの牽引役を目指しますと、新居浜市民の皆様へお約束いたしました。
6つのアクションの1つ目は、市民の声を集めます。2つ目は、情報発信・共有を大切にします。3つ目は、共感者をふやします。4つ目は、まちづくり人材を養成します。5つ目は、私の母校でもあります、旧若宮小学校の利活用を推進します。最後6つ目は、そもそもの気持ちを忘れません。以上、6つのアクションです。
一見、当たり前のお約束かもしれませんが、この基本的なことを土台とし、これからの4年間、先輩議員からも学ばせていただきながら、ぶれることなく、勘違いすることなく、新居浜市のためにとことん頑張っていく決意であります。
私のまちづくりに対する考え方の原点は、愛媛県上島町での12年間の活動です。12年前、高齢化、人口減少、産業空洞化など地域課題の集約地と言っても過言ではない愛媛県の離島上島町との御縁があり、「まちづくりにマーケティングを」、「10年後の日本がここにある!最先端のまち上島町」を合い言葉に、地域住民の声を集め、地域内外の人、物、お金を集めながら地域課題をビジネス化させる事業をやってまいりました。
移動手段が少なく不安だの声には、西日本初、軽自動車での移動サポート事業を、集まる場所が欲しいの声には、空き家を活用したカラオケ喫茶事業を、耕作放棄地で困っているの声には、販売先を先に確定させて取り組むニンニク栽培事業や、首都圏の投資家と地権者をマッチングする太陽光お見合いサービスを、そんな地域の声を、補助金をもらわず、民間で形にしてきた12年間のまちづくり活動の経験を私の地元新居浜市で生かしたいと思い、市議会議員にならせていただきました。
上島町と新居浜市では、人口規模も地域文化も違うため、同じことができるとは思っていません。でも、まちづくりの考え方、進め方は同じだと信じています。こちらも経験則ではありますが、まちづくりを推進していく上で、民間の力では限界があり、行政との協働は必要不可欠です。
民間の言語と行政の言語は違います。市役所は、本当はやりたいけど、やれないことだってあると思います。民間だからこそできること、できないこと、行政だからこそできること、できないこと、議員だからこそできること、できないこと、それぞれがそれぞれを理解し、できない理由を考える前にできる方法を考え、補完し合いながらまちづくりを推進していくような民間主導の行政補完型まちづくりを目指したいと考えていますし、この考えに御共感いただいて私に投票していただいた有権者の皆様とのお約束でもありますので、4年間よろしくお願いいたします。
それでは、通告に従い私の一般質問を行います。
きょうの質問は、大きく分けて4項目です。1つ目は、市政を身近にするための情報発信について、2つ目は、Society5.0とスマートシティーについて、3つ目は、民間主導の行政補完型まちづくりについて、4つ目は、市役所の活性化についてです。
過去の先輩議員の質問とかぶる場合もあるかと思いますが、丁寧な御答弁をよろしくお願いいたします。
それでは、1つ目の市政を身近にするための情報発信についての質問をさせていただきます。
最初に、実際にあったエピソードについてお話しします。以前、新居浜市の20代を中心にアンケートをとった話です。
選挙に行ったことがない20代を対象に、行政って知ってるかという質問をインスタグラムのアンケート機能を使って行いました。すると、ゆきまさって誰、ゆきまさなんて知らないなど、行政という読み方をゆきまさと読み、人の名前と間違えている若者が少なくありませんでした。正直驚きつつ、思わず笑ってしまいましたが、大切なことを気づくきっかけとなりました。
もっと市政を身近にするためには、もっとわかりやすく、そしてもっと興味を持ってもらえるようにしないといけない。そのためには、行政用語をかみ砕いたり、発信方法を多様化したり、できることはたくさんあると思います。
いま一度整理するためにもお尋ねします。
市政だよりやケーブルテレビ、SNSなど現状の市政情報の発信ツールを全てお答えください。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。鴻上企画部長。
○企画部長(鴻上浩宣)(登壇) 白川議員さんの御質問にお答えをいたします。
市政を身近にするための情報発信についてでございます。
本市の情報発信につきましては、より多くの市民の皆様に見ていただけること、そしてより親しまれ、よりわかりやすい内容であることを心がけ、さまざまな情報発信ツールを活用して、量だけでなく質の向上に向けた取り組みを進めているところでございます。
お尋ねの市政情報発信ツールについてでございます。
市政に関する情報発信のうち、随時または定期的に行っているものにつきましては、市政だより、ホームページ、ケーブルテレビ、メールマガジン、コミュニティーFMのほか、フェイスブック、ツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスや、ケーブルテレビで放送した行政広報番組の動画配信サービスのユーチューブを利用した配信などがございます。
また、平成25年度からはスマートフォン用アプリ新居浜いんふぉを導入し、タブレットを含むスマートフォン利用者は、いつでも、どこからでも市政情報を見ることができるようになっております。
さらに、今月から新たな情報発信手段として新居浜市公式LINEの運用を開始しており、イベントや災害情報などをタイムリーに発信してまいりたいと考えております。
今後とも、これら情報発信ツールの特性に応じて、より的確かつ迅速に情報をお届けできるよう積極的な情報発信に努めてまいります。
○議長(伊藤謙司) 白川誉議員。
○4番(白川誉)(登壇) お答えいただいた情報発信ツールに加えて、新居浜市の若者がキャスターとなった動画チャンネルを一緒につくり、長期総合計画の中身や市政情報をかみ砕いて発信していくなど、誰が見ても聞いてもわかる、見たくなる、聞きたくなる仕組みをつくれないでしょうか。片道切符の情報発信ではなく、双方向型の情報発信の仕組みです。
想像してください。次世代を担う新居浜市の若者が学校やカフェで、新居浜市の長期総合計画はさあとか、今、新居浜市の観光客は300万人を目指してるらしいよなんて話をしている光景を思い描いたとき、市政と市民が今以上に身近になり、市民参加型のまちづくりに向けた土台になってくると考えますが、市長の御見解をお聞かせください。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。鴻上企画部長。
○企画部長(鴻上浩宣)(登壇) 白川議員さんの再質問にお答えをいたします。
新居浜市の若者がキャスターとなった動画チャンネルの作成ということでございます。
学生さんを初めとする若い世代の皆さんが本市の市政情報の発信にかかわっていただくことは、行政への理解が広がることはもちろん、ふるさとへの愛情でありますとか誇りを感じていただく契機として大変有効なものだと考えております。
折しも、先般7月に開催されましたNHK杯全国放送コンテストにおいて、新居浜西高放送部が愛媛県で初の全国優勝を果たすほか多くの部門で入選するなど、情報発信や番組制作の分野で市内の若者が目覚ましい活躍を見せておりますことなどからも、白川議員さんに御提案をいただきました新居浜市の若者がキャスターとなった動画の制作などにつきましても、今後情報発信の一環として検討してまいりたいと考えております。
○議長(伊藤謙司) 白川誉議員。
○4番(白川誉)(登壇) ありがとうございます。
さらに御提案したいことがあります。市役所と理容師さん、美容師さんが連携する提案です。
理美容師というのは、理美容室において、お客様の髪の毛のカット、カラー、セット、シャンプー、ブロー、パーマなどの施術をするお仕事です。まちなかで圧倒的に目につくコンビニ。さまざまな商品が並び、さまざまなサービスが集まっている便利なお店です。そんな便利なコンビニの数の約5倍も存在しているのが理美容室です。そんな理美容室をインフラに見立てたとき、私は、これからのまちづくりにおいて理美容室は重要なポジションになると思っています。
美容室を例にお話しします。美容室のお客様の滞在時間は約2時間。大切な髪をお預かりするため、美容師さんとお客様の信頼関係はとても強いです。この2時間の滞在時間の中で、はやりの情報やうわさ、身の上話などさまざまな情報が入ってきます。
昨今の民間企業の研修では、コミュニケーション力を向上させる研修を導入する企業が多い中、美容師さんは初対面のお客様でも、2時間の間、当たり前のようにコミュニケーションをとり続けることができます。世の中にはさまざまな職種がありますが、地域の情報収集力については、美容師さんのポテンシャル、潜在能力は非常に高いと思います。
現在、美容業界の垣根を越えて市内複数の美容室で構成された団体があります。その団体に登録している美容室に1カ月で来店されるお客様を合計すると約3,000人、固定客の数は約8,000人で、そのうちの約9割が新居浜市内在住ということでした。
その経済資源を活用して、昨年、こんな実験をやったことがあります。現在、新居浜市が推進しているHello!NEW新居浜の認知度調査です。
無作為に各美容室へ来店された男女200名を対象に、配付・回収型アンケートではなく、施術中のトークの中に入れてもらい、ヒアリング形式で調査をしました。200名の内訳としては、製造業で働いている独身男性50名、市内在住の独身女性100名、40代から60代の母親世代50名の合計200名です。
質問は2問。1問目はHello!NEW新居浜を知っていますかと、ロゴマークだけを見せて聞きました。はいと答えた方は約15%の29名。2問目として、はいと答えた方には中身を聞きました。いいえと答えた方には、連想したことを聞いてもらいました。残念ながら、はいと答えた方で内容も正確に回答できた方は全体の4%の8名という結果でした。いいえと答えた方に連想してもらった中で圧倒的に多かったのが、Hello!NEW新居浜だけに、新居浜の新しいお店の情報誌という回答でした。
調査日から約1年が経過しているので、この1年間の取り組みで認知度も向上しているはずですし、この調査は5日間だけ無作為に実施したことと、サンプル数も200名なので、現状把握に値する材料までにはならないかもしれませんが、市民と市が一緒になって新しい新居浜を始めるというHello!NEW新居浜のコンセプトと市民関与度とのギャップを考えさせられるきっかけになりました。
既にぴんとこられた方も多いと思いますが、何が言いたいかといいますと、理容室、美容室には、市民の方々が中心に多く来店されます。そして、理容師、美容師さんには、コミュニケーション力を生かした情報収集力と情報発信力という潜在的能力があります。ということは、市内の理容室、美容室、理容師さん、美容師さんと戦略的に連携をして、市政の情報発信や市政に関するアンケート調査などを実施することを御提案したいのですが、市長の御見解をお聞かせください。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。鴻上企画部長。
○企画部長(鴻上浩宣)(登壇) 白川議員さんの再質問にお答えをいたします。
白川議員さんの御紹介にもありましたように、Hello!NEWの広報に多方面で御協力をいただきまして、まことにありがとうございます。
美容師の方々と連携した情報発信、アンケートの実施についてということでございますけれども、白川議員さんからHello!NEWの認知度も御紹介がございましたように、本年の2月から3月にかけて、本市においても市民アンケートの中でHello!NEW新居浜の認知度調査をいたしております。
結果を見てみましても、十分な浸透が図られている状況ではございません。Hello!NEWのマークを見たことがあるという人が35%、シンボルマークの意味に賛同できるという方が21%ということで、まだまだ浸透が図られてないなという状況でございます。
そのような中、御提案の美容師の方々を初めとする業界の皆様方と市政に関する情報を共有して、連携を図りながら情報発信するということにつきましては、私も確かに美容院に行ったときに、1時間ぐらいですけれども、ずっと会話をしていきますので、そういった機会を通じて情報発信していくということは、市政の理解度がさらに深まることが期待できますことから、現在取り組みを進めております新居浜市の広報、シティプロモーションのあり方について、広報戦略アドバイザーと協議をしていく中で効果的な手法の一つとして検討させていただきたいと考えております。
○議長(伊藤謙司) 白川誉議員。
○4番(白川誉)(登壇) 片道切符の情報発信ではなく、双方向型の情報発信をするためには、切り口を変えると、美容師さんに限らず市政と市民をつなぐ方法がいろいろあると思います。
この新居浜市には、もう創立65周年を迎えている理美容師の卵を育てる東予理容美容専門学校という学校があります。そういった学校の若者ともぜひ連携をしながらつなげていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、2つ目のSociety5.0とスマートシティーについての質問をさせていただきます。
来年度が最終年度である第五次長期総合計画ですが、本計画の完遂並びに検証を前提でお聞きいたします。
次の第六次長期総合計画策定や、これからの新たなまちづくりに向けて避けては通れないと言っても過言ではないキーワードがSociety5.0だと思います。
Society5.0は、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く人類史上5番目の新しい未来社会のコンセプトです。サイバー空間と言われる仮想空間とフィジカル空間と言われる現実空間を高度に融合させたシステムにより、新しい価値やサービスを創出し、経済発展と社会的課題の解決を両立していくと、我が国が目指すべき未来社会の姿として内閣府が提唱しています。
これまでの情報社会では知識や情報が共有されず、分野横断的な連携が不十分であるという問題がありました。人が行う能力には限界があるため、あふれる情報から必要な情報を見つけて分析する作業が負担だったり、年齢や障害などによる労働や行動範囲に制約がありました。また、少子高齢化や地方の過疎化などの課題に対してもさまざまな制約があり、十分に対応することが困難でした。
必要な物やサービスを、必要な人に、必要なときに、必要なだけ提供し、社会のさまざまなニーズに対して、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といったさまざまな違いを乗り越え、生き生きと快適に暮らすことのできる社会を実現する、これがSociety5.0の真の目的と言われています。
まだ聞きなれない言葉ですが、他地域では既に官民一体となりスタートしています。文部科学省、総務省などの各省庁や民間企業、大学などの研究機関が連携を図り、Society5.0の実現を目指しています。
例えば医療・介護分野においてのSociety5.0。高齢者の増加、専門医の不足、医師の高齢化、さらに地域による医師の偏在化、高額医療機器導入によるコスト増などの課題に対して、経済的負担を減らしながら最適な医療、介護を提供する手段として考えられているのがIoTやAIを活用した遠隔診療です。
通院しなくても、タブレットや専門端末で診療が受けられるようになれば、通院回数も減るので交通費の節約になり、いつでも質の高い診療を受けることができます。また、医療サービスを提供する側も往診が不要になり、電子カルテを用いれば医師同士で情報を共有し、専門性の高い診療が可能になります。このように、患者と医師双方の負担軽減に役立つことが遠隔診療のメリットです。
そのほかにも、農業の担い手不足などの課題解決に向けて、ICTやロボット技術を活用したスマート農業、無人店舗、インフラ、交通、金融などさまざまな分野でイノベーションが起きる可能性が秘められており、さらには分野や業界の垣根を越えた企業間連携にもつながり、大きなビジネスチャンスになるのではとも期待されております。
そのSociety5.0の先行的な社会実装の場として位置づけられているのがスマートシティーです。先ほどの質問と関連することですが、何かが進化していくときには、何かの大きなきっかけが必要です。そこで私は、新居浜市の新たなまちづくりを考えていく上で大きなきっかけになるのが、今後新居浜市も取り組まれるスマートシティーだと考えます。
ことしの6月、総務省の令和元年度予算データ利活用型スマートシティ推進事業に係る重点モデル地域として新居浜市が採択候補となりました。スマートシティーとは、情報通信技術、ICTを活用して地域の機能やサービスを効率化、高度化し、生活の利便性や快適性を向上させるとともに、人々が安心、安全に暮らせるまちづくりを通して、地域が抱えるさまざまな課題の解決や地域活性化、地方創生を実現すると定義されています。
その土台であり、根底にあるのがデータの利活用です。農業、エネルギー、健康、医療、介護、交通、ものづくり、物流、商流、インフラ、防災、地球環境、海洋などさまざまな分野のデータを行政から、そして民間企業から収集、蓄積し、分野ごとのデータ連携や分野横断的なデータのかけ合わせを通して地域課題の解決に向けた地域政策を立案していく、そんな新居浜市を目指していただきたいと願っています。まだなじみが少ないスマートシティーではありますが、だからこそチャンスだと思います。
そこで、市長にお伺いします。
現在、新居浜市が考えているスマートシティーについての事業コンセプトを教えてください。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) Society5.0とスマートシティーについてお答えいたします。
白川議員さん御案内のとおり、日本が目指すべき未来社会の姿として提唱されましたSociety5.0につきましては、国や研究機関、民間を初め既にさまざまな取り組みが進められております。
現代における最先端技術の目覚ましい進歩の速さを考えますと、現在策定作業中であります令和3年度を初年度とする本市の最上位計画、第六次新居浜市長期総合計画の計画期間内におきましても大きな社会変化が起きることが予想されますことから、その策定に当たりましては、このような国の構想も視野に入れた計画となるよう十分配慮してまいりたいと考えております。
また、平成31年1月に実施いたしました市民意向調査におきましては、防災や交通安全、公共交通の利便性に関する施策について重要度が高いと認識されているにもかかわらず満足度が低いという結果となっており、誰もが安心して安全かつ便利に暮らせるまちづくりの実現が最重要課題であると認識をいたしております。
しかし、このような諸課題に取り組むに当たり、今後ますます深刻化してまいります少子高齢化や人口減少による財政状況の不透明化あるいは人材不足などを考えますと、より一層、効果効率的な取り組みが必要であることから、本市も今年度からスマートシティーの実現に向けた取り組みを開始することといたしました。
そこで、白川議員さんお尋ねの本市の考えるスマートシティーについての事業コンセプトについてでございます。
人材や財源等、行政資源の制約のある中で、効果効率的な諸課題の解決に取り組む必要があるため、民間や研究機関等と共同し、ICTやAI、IoT等の先端技術を活用しながら本市域の抱える交通、経済、防災、高齢化等の諸課題を解決するとともに、人々の生活の質を高め、全体を最適化させながら持続的な発展を可能とし、誰もが住みたい、住み続けたい産業・環境共生都市の実現を目指すことを本市のコンセプトといたしております。
しかしながら、行政の力のみではスマートシティーの実現は不可能でありますことから、今後におきましても、関係するさまざまな方に御協力をいただきながら調査研究を進め、オール新居浜でスマートシティーの実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(伊藤謙司) 白川誉議員。
○4番(白川誉)(登壇) ありがとうございます。
もう一つ、このスマートシティーを推進していく上で重要になってくるのは人材育成です。データを地域内外から、民間企業からどのように収集するのか、どのようにすれば収集しやすくなるのか、蓄積された膨大なビッグデータから地域課題解決に向けた政策をどのように立案するのかなどを引き出す中核人材、データサイエンティストを大手企業などへ丸投げすることなく、地域の人材を養成することを全国に先駆けて新居浜市で実施するなんていかがでしょうか。今後新たな職業になるとも言われていますが、御見解をお聞かせください。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 白川議員さんの再質問にお答えいたします。
地域のデータサイエンティストの人材育成についてでございます。
白川議員さんのおっしゃるとおり、スマートシティーの実現、とりわけデータの利活用に関しましては、情報分析にたけたデータサイエンティストの存在が重要であると考えております。また、私はかねてより政策や施策を推進していくためには、統計情報等の根拠に基づき、より的確かつ効果的に事業を展開するためには、市役所内外を問わず地域に根差したシンクタンクのような存在が必要でないかとも考えております。
御提案のデータサイエンティストにつきましては、現状では本市職員においてまだまだスキルが不足しており、地域の人材育成を推進するに当たり、まず職員のレベルアップが急務でないかと考えております。このようなことから、スマートシティーの実現に向けて、さまざまな団体とかかわる中で、まずは職員のスキルアップを目指すとともに、今後地域のスマートシティーの推進に重要な役割を担うデータサイエンティストの人材育成方法についても調査研究をしてまいります。
○議長(伊藤謙司) 白川誉議員。
○4番(白川誉)(登壇) そしてもう一つ、私の見解ではありますが、ことしの6月に大阪で開催された内閣府主催のスマートシティーフォーラムへ参加して、スマートシティーを具現化するためには民間主導の行政補完型モデルの構築が必要不可欠であること、そしてスマートシティーは都会よりも地方が有効であると再認識しました。率直な感想としましては、スマートシティーに関連する民間のスピードに自治体が追いついていないと思います。しかし、言いかえると、自治体が戦略的に政策を打ち出せば、新技術での実証実験誘致など、民間の力が集まりやすいとも言えると思います。これから先、確実にスマートシティーを具現化するための自治体と民間企業との実証実験誘致合戦が過熱すると思います。実証実験は国からの支援、国費獲得や、全国から注目される地域になる可能性があることから、視察誘致など新居浜市への誘客へもつながる副産物も見込めると考えます。そのためにも、ぜひ戦略的なまちづくりの政策立案や戦略的な民間企業との協働促進を加速化していただくことをお願いして、次の質問に入りたいと思います。
次に、3つ目の民間主導の行政補完型まちづくりについての質問をさせていただきます。
先ほども触れた民間主導のまちづくりですが、これからの地方は行政だけに頼るのではなく、地域の住民や地域のお店、民間企業、市役所、そして議員が補完し合いながらまちをつくっていくことが重要になってくると思います。地域住民や地域の団体だからこそできること、できないこと、民間企業やお店だからこそできること、できないこと、市役所の職員さんだからこそできること、できないこと、市議会議員だからこそできること、できないこと、それぞれのできること、できないことをそれぞれが理解しながら地域課題やあったらいいなの声を形にしていく、そのためには民間の力が今以上にかかわりやすくなるような仕組みをつくるべきだと考えます。
先月、所管事務調査で小松市へ行かせていただきました。小松市の人口は約10万8,000人で新居浜市に近い人口規模です。小松市が策定する都市再生整備計画の重要項目の一つで、国土交通省の都市機能立地支援事業を活用し、JR小松駅を核としたまちづくり推進が目的の複合施設こまつアズスクエアがあります。改正不動産特定共同事業法に基づく特別目的会社SPCを活用して建設、地上8階建て、総事業費は45億円とのことでした。株式会社こまつ賑わいセンターを賃借人とした複合施設の1階から3階には2018年春に開学した公立小松大学や子育て拠点施設カブッキーランド、ブックカフェ、英会話教室が入居、4階から8階には客室99室の宿泊施設が建設されました。事業資金についても特徴的で、都市銀行と地方銀行の融資に加え、国5億円と小松市6億円の補助金、そして証券化を使いプロの投資家などから集めた資金も使われる事業開発スキームです。まさに公共サービスの提供に民間資本や民間のノウハウを活用する手法であるパブリック・プライベート・パートナーシップ、PPPを戦略的に活用した民間主導の行政補完型まちづくりモデルです。特定の資金のみでは実現が難しい地方創生事業において、金融機関からの融資、国、自治体からの補助金、投資家からの資金拠出などさまざまな資金調達方法を組み合わせて具現化した官民連携の新しい手法は大変学ぶべきことが多く、今後新居浜市で計画される開発事業や再開発事業の際にはこのスキームを積極的に導入検討していただきたいと思いますが、市長の御見解をお聞かせください。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。高須賀建設部長。
○建設部長(高須賀健二)(登壇) 民間主導の行政補完型まちづくりについてお答えをいたします。
白川議員さん御案内のとおり、公共サービスの提供への民間活力の導入につきましては、公共施設を有効活用し、効率的な都市経営を実現するためには大変有効な手法であると考えております。また、急激な人口減少や厳しい財政状況等を背景に行政が新たにまちづくりを行っていくためには、より一層の工夫が必要であり、地域のまちづくりを持続可能なものとするため、民間経営の視点を取り入れた官民連携まちづくりの取り組みが全国的に広がっております。
現在、本市におきましてもパブリック・プライベート・パートナーシップ、いわゆるPPPの手法といたしまして、指定管理者制度や設計、施工、運営までを一括発注する公設民営方式、DBO方式などを導入して公共施設の整備や維持管理を行っているところでございます。
小松市さんがJR小松駅周辺整備において活用なされた不動産特定共同事業法に基づく特別目的会社設立の手法でございますが、不動産特定共同事業法は現物不動産を資産とするファンドの運用を規制する法律であり、平成25年に特別目的会社が不動産特定共同事業を営むことが可能となるよう改正されました。さらに、平成29年には投資家の範囲などが柔軟になり、クラウドファンディングも可能となるよう改正され、これにより公的不動産を活用し、資産保有会社として特別目的会社を設立することでより多くの投資家からの資金調達が可能となりました。こうした先進事例からも、資金調達の早い段階から民間の活力や知恵を導入し、民間主導で経済合理的で自立・持続可能な手法を取り入れることは、今後の都市経営におきまして大変重要であると考えております。
一方、本市におきましては、このような手法の活用が考えられる開発事業や再開発事業、立地誘導すべき施設等が現時点におきましてまだ決定していないことから、どこまで導入が可能であるかがわかりませんが、都市整備や基盤整備、建物整備を行うに際しましては、民間主導型官民連携も貴重な御提案として受けとめ、参考にさせていただきたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(伊藤謙司) 白川誉議員。
○4番(白川誉)(登壇) ありがとうございます。
民間主導のまちづくりは取り組みはさまざまです。現在、身近なところでこんな実証実験を民間主導で行っています。新居浜市の観光資源の代表は、太鼓祭りと別子銅山の近代化産業遺産群と言われていますが、年間を通して幅広いターゲットへアプローチできる新居浜市の新たな着地型観光をつくる目的で、既存資源である漁船を活用した体験プログラムを観光商品にできないかという実験です。漁師さんや船舶愛好者の方々のお力をかしていただいて、別子銅山とゆかりのある四阪島を周遊し、しまなみ海道の伯方島沖でタイラバ釣りを体験、釣った魚はその場でさばいてもらってお刺身に、釣り初心者でも女性でも気軽に参加できるように釣り具セットは完備し、漁師さんのサポートつきでタイやアコウなどを簡単に釣ることができます。このプログラムは船に乗ったり、釣りをする機会の少ない都会の方や四阪島やしまなみ海道のインスタ映えスポットを船上で撮影できるため、若年層にもアプローチできると思いました。このような取り組みをモニターツアーとして、現在、補助金をもらわずにさまざまな民間の力を集めて実施されています。遊漁船は観光振興だけではなく、魚価の低迷により苦慮している漁師さんの所得向上も図れるとお聞きして、一つの地域課題に取り組むことで、ほかの地域課題の解決策にもつながることを現場で体感することもできました。
あくまでも一例ですが、民間主導でここまで進めている、このような民間主導のまちづくりの取り組みを加速化するためには、行政の力が必要です。例えば、新たな観光資源の開発に向けて、遊漁船に参入する漁師さんへ参入経費を助成するとか、旅行会社とのマッチング支援、現時点での観光入り込み客数250万人の割合が高いビジネス出張者に向けての誘客サポートなどが有効であると考えますが、御見解をお聞かせください。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。赤尾経済部長。
○経済部長(赤尾禎司)(登壇) 白川議員さんの再質問にお答えいたします。
遊漁船を使って四阪島を周遊し、釣りも楽しむなど、民間主導の体験型プログラムの御提案につきましては、今後のクルージングの旅行商品化などとあわせ、参考にさせていただきたいと考えております。
また、現在本市では、地域資源を活用した着地型旅行商品の開発に取り組んでいるところでございますので、今後におきましても、旅行会社とも連携しながら、マッチング支援に取り組んでまいります。
さらに、出張客に向けての誘客サポートにつきましては、本市は住友関連企業の立地により、他の地域と比較して観光入り込み客数に占めるビジネス関連客の割合が高いことから、こうしたビジネス関連客をターゲットとした市内周遊促進や優待サービスなどの施策は観光消費額の拡大に大変有効な手段であると認識しておりますので、今後観光関連施設等と協議を進めてまいりたいと考えております。
○議長(伊藤謙司) 白川誉議員。
○4番(白川誉)(登壇) ありがとうございます。
そのためには、観光を担当する運輸観光課だけではなく、農林水産課や地方創生推進課などとのさらなる担当課の横連携も必要になってくると思いますので、よろしくお願いいたします。
民間は、将来的にビジネスにつながると思えば投資します。先ほどの小松市のようなPPPを活用した空き家対策に官民連携で取り組むとかシニアビジネスを展開している企業との新商品、新サービスの開発を見据えた官民連携による実証実験など、地域課題をビジネスの視点で解決を目指すような受け皿をつくり、民間企業を促しながら行政を補完していく手法を新居浜市の新たなまちづくりを考える手法の一つとして導入していただくことを期待し、次の質問に入りたいと思います。
最後、4つ目は、市役所の活性化についての質問をさせていただきます。
先日、参議院選挙の開票立会人を初めて経験させていただきました。21時からの開票に多くの市役所職員さんが対応し、全てが終了したのが夜中の3時でした。それでも文句を言わず最後の片づけ作業まで協力しながら進められている姿を見て、純粋にすごいなと思いました。そんな市役所職員さんは、公務員とはいえ、日々の業務に追われ、土、日のイベント等には参加し、これからの新居浜市を考え、大変なお仕事だと思います。
ただ一方で、民間企業では、多忙な中でも会社の将来や人材育成のために教育費用を投資している側面もあります。汗水垂らして稼いだ利益や身銭を切ってでも教育費用に使っています。当然ながら、市役所と民間企業は性質は違いますが、動くのは人というのは同じです。
先日、公開されている平成29年度新居浜市の職員研修実施内容を拝見いたしました。基本研修や特別研修など、日々の業務に必要な研修内容だと思いますが、正直なところ将来に向けた先行学習的な内容が少ないように感じました。また、講義形式が中心で現地視察やフィールドワークのようなものも少ないと思います。もっと積極的に市役所職員さんの現地視察などを推進する流れを市役所内でつくれないでしょうか。
私は、議員になり、さまざまな先進地へ研修に行かせていただいています。本や映像、座学だけでは学べないものが現地、現場にはあると思います。大切な税金を使うという視点では、費用対効果を考えないといけません。でも、将来の新居浜市のまちづくりに向けて視察目的を明確にし、視察で学んだことをどのように新居浜市へ生かしたいと思ったのかを提案するなどのルールを決めれば、いろんな知恵、アイデアがさらに集まると思いますし、それを共有することで、新たな地域政策を考えるきっかけにもなると思います。さらに、他地域との人脈、ネットワークも広がり、視察を機に特産品の販路開拓や災害時の地域連携の可能性も広がるなど、副産物も見込めると思いますし、そこまでやれば市民の皆様にも御共感いただけるのではないかと考えますが、御見解をお聞かせください。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。園部総務部長。
○総務部長(園部省二)(登壇) 市役所の活性化についてお答えいたします。
白川議員さん御提案の現地視察などを推進する流れの作成につきましては、本市が取り組むべき行政課題の解決に向け、先進的な取り組みなどを行っている地方自治体や民間企業等の視察をすることは職員の視野の拡大、意欲の高揚及び創造性の誘発が図られ、新しい発想の視点に立ち職務に取り組めますことから、本市行政の革新的かつ効率的な運営に資すると認識しております。このことから、平成25年度から各部局に政策研究費として視察旅費の予算を配分して先進地視察等を実施しており、平成30年度にはさらなる積極的な現地視察等の充実のため、配分予算を増額しております。この成果につきましては、庁内全体というわけではございませんが、部内あるいは課内での新たな情報共有が図られてるところでございます。
なお、庁内全体としての画一的なルールづくりという点につきましては、各部局の先進地研修に関する裁量の中でケース・バイ・ケースで判断することが望ましいことから、慎重に検討をする必要があると考えております。
いずれにいたしましても、視察で学んだことから、本市へ生かす提案がなされ、市民満足度の高い行政サービスを住民に提供することにより、先進地研修に対して市民の皆様の共感がいただけるものと考えております。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。白川誉議員。
○4番(白川誉)(登壇) 加えてになりますが、例えば市役所職員さんが匿名でもいいので部局関係なくこんな地域課題を民間のこんな力があると解決すると思いますみたいなアイデアを出す提案箱を市役所内に設置し、その中身を市内外の民間向けに幅広く発信して、解決提案を募るなどの取り組みなんていかがでしょうか。そうすることで、市役所の積極的な動きが市民の皆様にも見えますし、民間企業や地域のお店、地域の団体、さらには新居浜市外のさまざまな力を集めるきっかけにもつながると思います。このような取り組みにチャレンジしてみることも、今以上に市政と市民が身近になり市民参加型のまちづくりに向けた土台になってくると考えますが、御見解をお聞かせください。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。園部総務部長。
○総務部長(園部省二)(登壇) 白川議員さんの再質問にお答えします。
いわゆる職員の提案制度についてでございますが、職員の人材育成の立場からお答え申し上げますと、職員の育成、組織の活性化等を目的として、職員提案制度を現在実施しております。この制度では、他の自治体等で成功した取り組みで、当市でも有効なものはないか、また派遣研修で受講した内容で、当市で取り組めることはないかなどの視点でアイデアを出しており、昨年度は143件の提案がございました。このうち採択された提案17件につきましては、所管課において随時実施しております。
この提案制度の中で民間の力が必要な地域課題についての提案がなされ、採択された場合、その解決策について市内外の民間向けに幅広く発信、解決提案を募ることは課題解決の有効な手段の一つであると考えており、こうした取り組みは白川議員さん御指摘のとおり、市民参加型のまちづくりにつながるものであると考えます。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。白川誉議員。
○4番(白川誉)(登壇) ありがとうございます。
ただ、1つつけ加えてお願いしたいのは、ある程度でき上がった状態で市民に開放するというよりも、本当にアイデアレベルでいいと思うので、夢のような話でもいろんな知恵、アイデアが集まった段階で、幅広く市民に公開していただくほうがいろんな民間の力が集まってきやすいというふうに思いますので、そのあたりもよろしくお願いいたします。
最後になりますが、本日は4項目の質問をさせていただきました。全てにおいて、市長のさらなる強烈なリーダーシップが必要だと思います。どうすれば新居浜市に住み続けてもらえるのか、どうすれば新居浜市に来てもらえるのか、他人事ではなく、全ての市民が自分ごととして町をつくっていく、今までのまちづくりを否定するわけではなく、残すべきは残し、かえないといけないものは思い切ってかえていく。市民の皆様、民間企業、地域のお店、地域の団体、市役所の職員さん、そして議員が補完し合いながら新居浜市の新たなまちづくりを一緒につくっていく流れを市長にぜひつくっていただくことをお願いしつつ、私もその一員として頑張っていきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○議長(伊藤謙司) この際、暫時休憩いたします。
午後 2時07分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 2時17分再開
○議長(伊藤謙司) 休憩前に引き続き会議を開きます。
井谷幸恵議員。
○7番(井谷幸恵)(登壇) 皆さん、こんにちは。日本共産党の井谷幸恵です。
通告に従って質問いたします。
まず、教員の多忙化解消について。
教員不足の学校現場についてです。
ことし8月5日付朝日新聞によりますと、全国の公立小中学校で1,200件以上、教員の未配置が起きていることが明らかになりました。新居浜市では病休、育休、産休などのかわりの先生がいない未配置は何件ありますか。それぞれどんな対策をとっていますか。何十件と電話をかけて探しても見つからないというような状態がなぜ起こっているのでしょうか、お尋ねします。
次に、減らすべき授業のこま数についてです。
今小学校の先生たちは1日5時間も6時間も、すなわち5こまも6こまも授業をしております。私ども共産党は、教職員の働き方を変えたいという、(資料を示す)こういうパンフレットを出しております。これによりますと、長い間教員の授業負担は1日4こまが原則で、1日の勤務時間8時間のうち4時間を正規の授業に充て、残り4時間をそのほかの指導のための準備、整理、その他校務一般に充当するという考えでした。ところが、1990年代以降、この原則は投げ捨てられました。教員の十分な増員もなく、学校週5日制が始まり、また指導要領の改訂等で授業時数がたびたびふやされてきました。学校週5日制の前は、例えば5年生の年間授業時数はどのくらいでしたか。そして、今はどのくらいになっていますか、お尋ねします。
資料をごらんください。
先ほど、言いましたパンフレットの6ページにあるグラフなんです。授業が4こまの日は校務をする時間は120分ですが、6こまの日は25分しかありません。授業準備や採点、各種打ち合わせや報告書づくりなどの校務、気になる子供や保護者への対応、たくさんのやるべき仕事が25分でできるはずがありません。長時間の残業が必至です。夜8時、9時まで残って仕事をする先生も多いと聞きます。中学校では、部活指導などのため、小学校以上の長時間労働となっています。元気な顔で子供たちの前に立つためにも、せめて6こまの日はなくしていくべきだと思いますが、御所見を伺います。
私ども共産党は、小学校で週20こま、中学校で18こまを上限とし、それに必要な教員定数をふやすことを提案しております。ぜひとも実現していくべき施策だと思いますが、御所見を伺います。
次に、求められるフリーの教員についてです。
どのクラスにも数%は配慮の必要な子供がいます。中には授業中に暴れたり、大声を出したり、教室を飛び出したりする場合もあります。その子の対応をしなければなりませんし、授業も進めなければなりません。担任はどうすればよいのでしょうか。そういうクラスは市内でおおよそどのくらいあるのでしょうか。その場合、どういう対応をしていますか。
先生がしっかり対応すれば、子供の態度は何とかなるような程度を超えているといいます。どうしてももう一人先生が必要です。飛び出す子供、あるいは配慮が必要な子供に寄り添ったり、話を聞いたり、担任にかわって授業をしたりする先生が必要です。以前にも取り上げた川崎市では、5年間かけて平成29年に児童支援コーディネーターを全校に配置しました。授業は週上限15時間、ゼロの場合もあります。担任にはなりません。保護者の相談対応や校内での支援が必要な子供への対応の中心的役割を担います。また、児童相談所等、関係諸施設との連携など、コーディネートの仕事に専念します。新居浜市でもこのような担任を持たないフリーの先生をふやすことはできないでしょうか。先生方の切なる願いです。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 井谷議員さんの御質問にお答えします。
教員の多忙化解消についてでございます。
まず、教員不足の学校現場についてお答えいたします。
年度途中での病休、育休、産休等によりまして、教員が配置できていない本市での学校数は4校であります。小学校におきましては、学校内で担任をしていない教員がかわって担任をしたり、中学校におきましては、免許外申請を行い授業可能な教員が教科担任を行ったりするなど、対策を講じております。
また、教員が見つからない状態がなぜ起こるかにつきましては、教員の大量退職に対して、教員への志願者が減少していることが主な要因と考えられます。
次に、減らすべき授業のこま数についてでございます。
学校週5日制が開始される前は、5年生は年間1,015時間であり、平成14年度から完全学校週5日制となった時点では年間945時間となり、現在は年間980時間の授業時数が学習指導要領で定められております。また、令和2年度の新学習指導要領の授業時数は、外国語の教科がふえますことから、年間1,015時間となります。
次に、6こまの日をなくすことについてでございますが、先ほどの年間授業時数を確実に行っていくためには、6こまを組み入れないと授業時数の確保につながりません。各学校では、行事の精選に取り組むなどの工夫により、教員の負担軽減を図っております。
次に、教員をふやすことにつきましては、公立の小学校、中学校等の学級規模と教職員の配置の適正化を図ることを目的として制定された法律であります公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律におきまして、新学習指導要領における授業時数、指導内容の増加に適切に対応するため、教職員の基礎定数の充実を図る必要があると規定されております。これまで取り組んできましたチームティーチングや20人程度の少人数指導などについて、引き続き実施できるよう教職員定数を措置するとともに、理科を初め、小学校の専科教員の配置を進めるための基礎定数の充実を図る必要がありますことから、国の動向を見守りながら、愛媛県との協議の中で対応してまいりたいと考えております。
次に、求められるフリーの教員についてでございます。
まず、授業中に暴れたりして対応が必要な子供のいるクラス数につきましては、ほとんどありませんが、特別に配慮を要する児童生徒の中には授業中に大声を出したりする事例はございます。その対応につきましては、小学校に14名の学校支援員を配置し、個に応じた支援を行ったり、学年や学校全体で児童生徒の態度に関する情報共有を行い、全校体制でいつでもフォローに入れるよう配慮したりしております。
次に、本市でも学級担任を持たないフリーの先生をふやすことにつきましては、児童生徒の前に立てる教員とは任命権者である愛媛県教育委員会が採用した教員であることに加え、教員への志願者が減少している状況から人員確保は難しいものと考えております。そのような中、現在の対応といたしましては、教員の手助けとしてスクール・サポート・スタッフやスクールソーシャルワーカー、配慮を要する児童生徒の介助員や支援員等にて教職員の負担を軽減する対策を講じているところでございます。
○議長(伊藤謙司) 井谷幸恵議員。
○7番(井谷幸恵)(登壇) 先ほど、学校支援員制度のことのお話がありましたが、学校支援員の先生の人数が少な過ぎると思います。1週間に1回か2回しか来てもらえないというお話でした。もっともっとふやすべきではないでしょうか。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 井谷幸恵議員さんの再質問にお答えをいたします。
学校支援員を増員すべきではないかという御提案であったかと思います。
当初7名からスタートした学校支援員です。現在14名まで増員をしてきております。現在の支援状況を調査いたしながら、学校支援員の有効な活用について今後も検討をしてまいります。
○議長(伊藤謙司) 井谷幸恵議員。
○7番(井谷幸恵)(登壇) やはり授業ができる先生たちをふやすべきだと思います。退職された先生に9時から4時くらいなど来てもらって、担任を持たないフリーの先生として働いてもらうのはいかがでしょうか。御所見を伺います。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 井谷議員さんの再質問にお答えをいたします。
退職した教職員のお力をかりて学校現場で活躍していただくというような御提案だったかと思います。
学校現場におきましては、さまざまな機会に退職教員にお力をかりてるところでございまして、再任用教職員というようなことで、愛媛県教育委員会が採用して学校現場にお勤めいただいている例もございます。ただ、非常に人材難でございまして、なかなかお声かけをしてもそれに応じていただけないというような現状もございます。また、先ほど申し上げましたように授業で生徒の前に立って単独で授業を行えるのは、愛媛県教育委員会が採用した教職員に限られますことから、新居浜市でそうした先生方に授業をしていただくというのは難しいところかと考えております。
○議長(伊藤謙司) 井谷幸恵議員。
○7番(井谷幸恵)(登壇) 先生方の多忙を解消するためにも、教員の増員をぜひとも真剣に考えていただきたいと思います。
次に参ります。
歴史教科書採択についてです。
2020年に使用する教科書が8月の教育委員会定例会にて採択されました。歴史教科書について、前回、現場の中学校12校中10校が1位とした東京書籍を退け、育鵬社が採択されました。今回も育鵬社です。ことしの採択の経過を教えてください。育鵬社版を最良とした一番大きな理由は何でしょうか。
次に、最優先すべき現場の声についてです。
教育委員会が責任を持って教科書を採択するとおっしゃいますが、教育委員会はそれでもなお現場の声を最優先するべきだと思います。なぜなら、毎日子供と接し、社会科なら社会科専門で教えている先生でないと教える内容の本質は何かをよく理解することが難しいからです。ヤンキー先生こと文部科学副大臣だった義家氏はこう言っています。教員出身の私でさえ、専門教科の社会科以外、完全に理解して採択に臨んだとは到底言いがたい。本当の意味で判断できるのは、実際に日々子供と向き合っている、その教科を専門とする教員以外にない、このように述べています。
私は、育鵬社、東京書籍、帝国書院の歴史教科書の近現代史の部分を読み比べてみました。一番気になったのは、育鵬社版は侵略戦争だったことを認めていないこと、日本側の加害性、侵略性、暴力性を薄める記述になっていることです。未来の社会の主人公になる子供たちがアジアの人たちとも友好関係を築いていくためにどのような歴史を学ぶべきか、大人がしっかりと考えなければなりません。私は、子供たちには戦争の真実、すなわちなぜ起こったのか、どういう結果を引き起こしたのか、防ぐためには何をすべきかなど、薄めずに丸ごときちんと学んでほしいと思います。育鵬社の教科書が子供にとって最良のものとは思えません。
ILO、ユネスコ、教員の地位に関する勧告には、教員は児童生徒に最も適した教材及び方法を判断するために、特に資格を与えられたものである、教材の選択及び採用、教科書の選択並びに教育方法の適用について不可欠の役割を与えられるべきであるとあります。2015年国会において、この勧告は尊重されるべきものであると下村大臣が答弁しております。国の10カ国調査によれば、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、フィンランド、韓国、台湾、中国、日本のうち、教育行政機関だけに採択権限があるのは日本と中国だけであり、ほとんどの国は教員または学校に採択権限があります。採択の過程でどのように現場の声を反映させたのでしょうか。現場の先生からはどのような意見があったのでしょうか、お尋ねします。
次に、採択過程の透明化についてです。
現場の先生や採択委員会の人たちは、自分たちの選んだものとは違ったものが採択されたわけですから納得がいきません。同じ思いの市民の皆さんもいると思います。採択のそれぞれの過程での議事録をオープンにし、市民の理解を得られるようにしなければと思いますが、御所見を伺います。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 歴史教科書採択についてお答えいたします。
まず、ことしの採択の経過についてでございます。
中学校につきましては、昨年度採択を行った特別の教科、道徳以外の教科について教科書採択を行いました。平成30年度の検定において新たに合格した図書がなかったため、平成26年度の検定合格図書の中から採択を行いました。教科書採択に係る調査研究としまして、6月14日から6月29日の間、別子銅山記念図書館で行われた教科書展示会等を活用した教員の教科書研究の結果や意見等を各学校で十分に協議し、学校の意見として取りまとめた学校の評価表が提出されました。あわせて、教科書展示会場に設置された意見箱によりまして地域住民等の方々の意見を集約いたしました。また、中学校につきましては、新たな検定教科書がないことから、新居浜市教科用図書採択委員会設置要綱第7条により、新たな調査員は置きませんでした。新居浜市教科用図書採択委員会では、これらの調査研究結果、意見等に加え、愛媛県教育委員会からの指導、助言を踏まえ調査研究、審議し、その結果を教育委員会に提出いたしました。そして、8月22日の教育委員会定例会におきまして、新居浜市教科用図書採択委員会の調査研究、審議の結果を参考に審議していただき、教育委員会として教科書採択を行いました。
次に、育鵬社版を最良とした大きな理由についてでございます。
教科書につきましては、無償措置法施行令第15条第1項の規定により、基本的に同一の教科書を4年間採択しなければならないとされておりますが、中学校では令和3年度から新しい学習指導要領での学習となりますことから、来年度新しい学習指導要領に対応した教科書の採択を行う必要がございます。したがいまして、今年度採択した教科書を使用するのは実質的には令和2年度1年間ということになります。また、文部科学省から、4年間の使用実績を踏まえつつ、平成27年度採択における調査研究の内容等を活用することも考えられるという通知が来ております。そういった状況の中、教育委員会定例会におきまして採択を行いました。その際、各委員から3学年に異なる教科書で学習するということが起こった場合、小規模校の教員は年間指導計画の作成、毎日の授業の教材準備、教材研究等で負担が増大することになる。1年間限りで教科書が変わってしまうことになれば現場で使用する教員が混乱し、新たな負担が生じることになるのではないかとの意見が出され、子供たちのためには教材研究に時間をかけ、十分に準備することが必要であり、学校現場が混乱することのないよう、今年度は平成27年度に慎重審議を重ね採択した現行の育鵬社の教科書の採択が適切であるとの判断に至りました。
次に、最優先すべき現場の声についてでございます。
まず、採択の過程でどのように現場の声を反映させたかにつきましては、先ほども申しましたが、学校の評価表を提出いただくときには、教員の教科書研究の結果や意見等を各学校で十分に協議し、学校の意見として取りまとめていただいております。これらとあわせ、教員の代表である調査員が平成27年度に専門的に研究した結果が提出されております。また、採択委員会には小中学校の校長及び教員の代表の4名が委員となっております。以上を踏まえ、教育委員会定例会において、公開の場で採択委員会の報告等をもとに総合的に検討し採択を行いましたので、現場の声は反映されているものと考えております。
次に、現場の先生からどのような意見があったかにつきましては、中学校の教科書につきましては、新しい検定教科書がなかったため、所見はいただいておりません。
次に、採択過程の透明化についてでございます。
採択のそれぞれの過程での議事録をオープンにし、市民の理解を得られるようにしなければという点についてでございますが、新居浜市情報公開条例に基づき、情報公開請求のあった場合には議事録は全て公開させていただいております。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。井谷幸恵議員。
○7番(井谷幸恵)(登壇) 傍聴はできるんでしょうか、それぞれの過程で。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 井谷幸恵議員さんの再質問にお答えをいたします。
そのときに傍聴が可能なものは、定例教育委員会の場に限られております。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。井谷幸恵議員。
○7番(井谷幸恵)(登壇) 調査員のことが今出ましたが、調査員の先生は各教科3人ですが、愛媛新聞には教育長は自信を持って採択した、調査員の調査結果には重みがあると話したというふうに報道されております。12校のうち10校が東京書籍を推していたというのに、調査員の3人の先生が3人とも育鵬社を推したというのは不自然ではありませんか。育鵬社ありきだったのではありませんか。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 井谷幸恵議員さんの再質問にお答えをします。
調査員の調査結果ということについての私の見解だと思いますが、調査員はそれぞれの教科において非常に経験を有した専門性の高い教員でございます。その3名が全ての歴史教科書を調査した結果、育鵬社が最も適しているという結果が出ました。それを私は尊重したわけです。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。井谷幸恵議員。
○7番(井谷幸恵)(登壇) 使命感を持って歴史教育に当たっている現場の先生たちの声を最大限生かすことが一番重要なことではないでしょうか。次回は一般の現場の先生たちも、市民の皆さんも誰もが納得のいく採択過程にしていただきたいと思いますが、御所見を伺います。(ブザー鳴る)
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 井谷幸恵議員さんの再質問にお答えをします。
誰もが納得のいく採択の過程でお願いしたいというような御意見だったかと思います。
今までもそうですし、これからも誰もが納得できる採択をしてまいりたいと考えております。(7番井谷幸恵「ありがとうございました」と呼ぶ)
○議長(伊藤謙司) 片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) 皆さん、こんにちは。日本共産党の片平恵美です。
通告に従い質問いたします。
多文化共生のまちづくりについてです。
9月2日発売の週刊誌が韓国への憎悪をあおる記事を載せました。また、この記事の見出しをつけた広告も読売・朝日・毎日新聞など全国紙に掲載されました。日本で暮らす韓国や朝鮮籍の方たち、日本国籍でも朝鮮半島にルーツを持つ方たちの心情を考えると、いたたまれない気持ちになります。子供たちへの影響もとても心配です。
私の友達には韓流ドラマのファン、韓流スターのファンも多く、ハングルを学び、外国から来られた方に日本語や日本の習慣を教えたり、相談相手になったりしている方もたくさんいらっしゃいます。そこにはお互いにこの国の人だからだめというような壁はなくて、人と人とのつながりがあるだけです。文化の力、顔の見える関係、そこにこそ本当の意味での国際化の原動力があるように思います。
夏休み、子供と足を延ばす機会が多くて立ち寄ったコンビニも数知れずでしたが、外国人の店員さんの多さに驚きました。観光地では日本語でないさまざまな言葉が飛び交い、ちょっとした海外旅行気分を味わってきました。経済的にも海外とのつながりを絶つことは不可能ですし、入管法の改正で外国人労働者や外国人住民はますますふえてくるものと予想されます。
新居浜市でも外国人住民がふえてきております。一層の制度や意識の国際化が求められていると感じます。違いを認め、だれもが自分らしく共に暮らせる新居浜市を基本理念とした新居浜市国際化基本計画策定から10年が経過しております。
そこでまず、この間の現状と変化についてお伺いします。
基本計画が策定された平成20年当時と現在とで、外国人住民の人口はどう変わっていますか。また、国籍別の人口と変化の特徴、在留資格別人口と変化の特徴を教えてください。小中学校の児童生徒数についてはいかがでしょうか。
基本計画策定に先立って行われたアンケートでの、困っていることは何かとの問いへの回答のトップは言葉に関することでした。また、記述回答では、仕事の人間関係、コミュニケーションがとれない、仕事中の指示が理解できない、新居浜弁が難しいなど、言葉の壁から派生する問題が多くあります。アンケートは11年前のものですが、国際交流協会の方に伺ったところ、やはり今でも言葉やそこから来る困り事、自国と日本の習慣の違いが悩みのトップであるそうです。現在、にいはま日本語の会さんによって、無料の日本語教室が行われていますが、受講者数はどのくらいでしょうか。また、こういう日本語教室がありますよというお知らせは必要な方に届くようになっていますか。
同時に、子供たちも言葉の壁によりコミュニケーションがうまくとれなかったり学校での教科学習に支障を来したりすることで全国的には不就学になってしまうこともあるようですが、新居浜市の状況はいかがでしょうか。
日本語を母国語としない児童生徒に対して学習支援をしてくださっているボランティアさんがいらっしゃいますが、今後支援が必要な子供たちもふえることが予想され、今の人数では対応できないことも考えられます。市としてどう対策していくのかお考えをお聞かせください。
地域の情報やルール、交通ルールから行政手続まで外国人住民の方々が必要とする情報については、この(資料を示す)新居浜生活ガイドブックに書いてあります。イラストもありわかりやすくする工夫はされていますが、外国人住民の方にどのくらい活用いただいているのでしょうか。
また、これはとってもいいんですけど、発行から既に12年が経過して大分内容も古くなっております。新しい情報を加え、よりわかりやすく表現や伝え方を工夫したガイドブックが必要かと思いますが、いかがでしょうか。
また、看板や表示物、ごみカレンダーなど身近な情報はわかりやすいのが一番ですが、新居浜にお住まいの外国人住民の全ての母国語に対応するのはちょっと無理かなと思います。どのような工夫をされているのか教えてください。
防災についても多くの方が不安を抱えていらっしゃいます。被害に遭わないためにはどのような準備が必要なのかを、あらかじめお伝えしておくことはとても大切です。また、防災は地域との連携が欠かせません。地元自治会の防災訓練に参加してもらうことは、外国人の方にとってとても有意義であり、さらに地域の力にもなると思いますがいかがでしょうか。
職場や学校は確実に接点があり、お互い理解もしやすい条件はありますが、住んでいるところ、地域では挨拶どころかなかなか顔を合わせる機会もないという話を聞きます。地域の国際化のためには、地域の日本人住民の方の理解を深めていくことが大切です。冒頭述べましたとおり、顔の見える関係や文化交流は国際理解の大きなかなめです。基本計画にもある国際理解講座ですが、実施状況はどうなっていますか。また、文化交流事業での成果や特徴的な感想などがあればお聞かせください。また、日本人、外国人双方へのお知らせ活動はどのようにされているのでしょうか。
せっかく近所に住んでいるのに、日中働いていて近所との交流のない内なる国際化が言われています。地域や自治会のイベントなど外国人住民の方に参加してもらうことは地域の国際化にも大きな役割を果たしますが、そのような事例はありますか。また、自治会と外国人住民の意見交換ができる懇談会などを開催した事例はありますか。お答えください。
新居浜市国際化基本計画が策定されて10年以上が過ぎ、当時とは社会状況も変わってきています。改定の必要があるかと思いますが、いかがでしょうか。御所見を伺います。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 片平議員さんの御質問にお答えをいたします。
多文化共生のまちづくりについてのうち、新たな国際化基本計画の策定についてでございます。
本市では、平成20年度に共存のまちづくりの指針となる新居浜市国際化基本計画を策定し、違いを認め、だれもが自分らしく共に暮らせる新居浜市の実現を目指して、さまざまな施策に取り組んでまいりました。計画策定から10年余りが経過する中で、国においては技能実習制度の拡充や新たな在留資格が創設されるなど、外国人の積極的な受け入れが進められ、外国人人材の活用の議論が活発化してきたところでございます。
一方で、本市の外国人登録者数は1,000人を超え、中でも技能実習生の伸び率が顕著であり、今後もこうした状況が続いていくことを勘案いたしますと、これからはさまざまな文化、習慣を持った人々が互いに尊重し共生していく、多文化共生のまちづくりが今後の地域づくりの重要なテーマになるものと思っております。本市のこれまでの国際化の取り組みを継承、発展させるとともに、社会経済環境の変化にも的確に対応し、世界に開かれた多文化共生社会の実現を図るためには、次期の国際化ビジョンの策定は本市の重要な課題の一つであると認識をいたしております。このようなことから、現在進めております第六次長期総合計画策定に向けての事務作業の進捗なども考慮しながら、次期の計画策定に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えております。
以上申し上げましたが、他の点につきましては補足いたさせます。
○議長(伊藤謙司) 高橋教育長。
○教育長(高橋良光)(登壇) 片平議員さんの御質問にお答えいたします。
多分化共生のまちづくりについてのうち、外国人の現状と変化についてでございます。
市内小中学校の外国人児童生徒数についてお答えいたします。
現在、新居浜市内におきましては、小学校では15名、中学校では9名の外国人児童生徒が在籍しております。
次に、外国人住民への支援についてでございます。
まず、海外から転入してきた児童生徒の状況につきましては、言葉の問題や文化や習慣等の違いについて一人一人が悩みや困り感を抱えていることから、本市の小中学校におきましても、日本の学校生活に順応できるよう、各学校において個別にきめ細やかなサポートを行っており、現在外国籍の不就学児童生徒はおりません。
次に、学年相当の学習言語能力が不足することによって学習活動に支障が生じている児童生徒に対する支援といたしましては、現在は日本語指導の専門知識を持つ市民団体であるにいはま日本語の会の御協力をいただいて、学習支援を実施しております。しかしながら、今後支援の必要な児童生徒の増加が予想されますことから、日本語指導が円滑に進められるよう、新居浜市国際交流協会と連携し、日本語教育の指導者育成などの人材育成に御支援をいただきながら、受け入れ体制の充実を図ってまいります。
○議長(伊藤謙司) 補足答弁を求めます。岡松市民部長。
○市民部長(岡松良二)(登壇) 多文化共生のまちづくりについて補足を申し上げます。
まず、外国人の現状と変化についてでございます。
外国人住民人口の推移は、計画策定時の平成20年度末の外国人登録人口は874人、令和元年4月時点の外国人登録人口は1,145人で、ここ10年余りの間に271人増加をいたしております。
国籍別人口では、以前は中国、韓国及び朝鮮で外国人国籍者の大半を占めていましたが、ことしについては、ベトナム国籍が314人と最も多く、次いで中国207人、韓国190人となっており、フィリピン132人、ブラジル104人、インドネシア73人といったような国籍の外国人登録者が急増いたしております。
在留資格別人口では、平成24年度は永住者、特別永住者が328人、約40%、技能実習生が187人、約23%でしたが、ことしは永住者、特別永住者が342人、約30%、技能実習生が445人、約38%と技能実習生の伸びが顕著となっております。
次に、外国人住民への支援についてでございます。
まず、日本語教室の受講者数につきましては、教室は毎週2回開催しており、火曜日の受講登録者数は63人、木曜日の受講登録者数が61人です。また、教室の広報につきましては、市のホームページでの広報のほか、委託団体が年4回、受講経験者がいる会社のほうへ直接案内チラシを郵送するなどの取り組みを行っておりますが、教室の概要が会社や外国人同士の口コミで伝わるケースもあると伺っております。
次に、生活ガイドブックについてでございます。
英語版は平成19年1月に800部、中国語版は平成23年3月に1,000部発行いたしておりまして、転入外国人や希望者に配布してきたところでございます。現在国際交流協会がホームページ開設の準備をしておりますが、今後はホームページ等で外国人向けの生活情報等の情報発信を強化してまいります。なお、新しいガイドブックにつきましては、現在国際交流協会で発行に向けて準備を進めており、本年度中の発行を予定いたしております。
次に、外国語表記の問題につきましては、現在国際交流協会では、在住外国人の困り事やニーズの把握のためのアンケート調査を実施する予定でございまして、今後はこの調査結果をもとにスマートフォンなどの活用も視野に入れながら、多言語での情報提供の取り組みを進めてまいります。
次に、地域の防災訓練などへの参加につきましては、在住外国人の防災対策は重要課題の一つでございまして、今後は国際交流協会と連携をして、防災訓練等への参加も含め、防災に関する情報を積極的に発信してまいります。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) 多岐にわたる……。
○議長(伊藤謙司) ちょっと済みません。1つ抜けとる。
○2番(片平恵美) お願いします。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。岡松市民部長。
○市民部長(岡松良二)(登壇) 失礼をいたしました。
次に、国際理解・交流・協力についてでございます。
まず、国際理解講座につきましては、ことし4月から新居浜市国際交流協会が本格的に稼働を始めたことから、10月には楽しく学べる国際理解セミナーを開催の予定です。また、外国語文化講座といたしまして、9月からベトナム語講座を、10月から中国語講座、韓国語講座を開始の予定であり、今後はタウン情報誌等も活用しながら、広く広報を行い、参加者の拡大と地域の国際化の取り組みを拡充してまいります。
次に、外国人参加のイベント等につきましては、本市で長らく続くイベントといたしまして、グローバルパーティーとゆかたパーティーがございます。また、ことしはさんさん物語のチャレンジプログラムで国際色豊かな「ONNA TAIKODAI」を世界発信!!と題して、夏祭りに外国人女性等の太鼓台かき夫体験プログラムを実施したところでございます。このような交流イベント等を通じて、地域の中で国際理解や異文化理解の促進が図られてきているものと考えております。
なお、自治会とのイベントや懇談会につきましては、これまで開催の事例はございませんが、防災対策などを考慮し、今後国際交流協会と連携して、連合自治会等への呼びかけを行ってまいります。
以上で補足を終わります。申しわけございません。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) 多岐にわたる質問に丁寧に御回答いただきまして、ありがとうございました。
外国人住民の支援について再質問いたします。
この10年間で積み残した課題もあるにしろ、多文化共生のまちづくりを目指す取り組みは確実に進んできているということは本当にすばらしいことだと思います。一方、人口もふえ、多国籍化し、在留の事情も変わってきた現状があることもわかりました。ということは、新たなニーズが生まれているのではないかと考えられます。今後の外国人支援については、当事者のニーズを的確に捉え、内容を考えていく必要があります。
前回の国際化基本計画の計画内容の第2章の2番のアンケート結果っていうところで、置かれた状況によって要求や悩みが違うため、それぞれに合わせた施策が必要とあります。その一方で、アンケートの回収率ですけども、日本語教室などで直接手渡しでは100%回収されてますけども、郵送での有効回答率は1割ということになっています。何が原因だと思われますでしょうか。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。岡松市民部長。
○市民部長(岡松良二)(登壇) 片平議員さんの再質問にお答えをいたします。
アンケートの回収率が郵送の場合1割だったというようなことの理由ということでございますけども、日本語の会等の手渡しの場合は当然100%ということでございますが、まずそのアンケートが十分その外国人のところへ届かなかったとか、それまでは顔の見える関係とかそういったものが築けていなかったというようなことで、手渡し以外のものの回収がなかなか進まなかったんではないかなと推察をいたします。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) 先ほども在留資格のところで技能実習生の数がぐっと伸びているというのがあったんですけども、なかなか仕事が忙しくて日本語教室にも通えないとか、時間がとりにくいという方、日本語が不自由なままでずっと過ごされている方っていうのがアンケートの回収が悪いのかなと思いますけども、そこのところをやっぱり上げていかないとリアルな要求っていうのはつかめないのではないかと思いますので、いかがでしょうか。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。岡松市民部長。
○市民部長(岡松良二)(登壇) 片平議員さんの再質問にお答えをいたします。
技能実習生、外国人とのつながりということ、これを上げていかないとなかなか国際化が進まないというような趣旨の御質問だったと思います。
御指摘のとおり、そのとおりでございまして、顔の見える関係、そういったものができていかないとなかなか国際化も進みませんし、外国人の支援、生活の支援ということにもつながらないかと思います。ことし国際交流協会が設立をいたしましたので、市といたしましても国際交流協会と連携をしてそのあたりの外国人とのつながりというものをまず第一に強力に進めてまいりたいと考えております。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
地域の国際化について再質問します。
そもそも多文化共生というのは、外国人住民も地域社会の一員であり、支援されるだけの立場でなく、地域を支える主体であるという認識で地域づくりに参加してもらおうとするものです。そのためには、地域社会の多数者である私たち日本人の意識や理解というものが大変重要になってきます。粘り強い取り組みが必要であり、また自治会など地域の方たちの協力も欠かせないのではないかと思います。自治会を通じて交流事業などを自治会員にお知らせしたり、自治会の防災訓練や行事へ招待したり、長期間住まわれてる方には自治会に入っていただくというような地域を巻き込んだ取り組みも必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。岡松市民部長。
○市民部長(岡松良二)(登壇) 片平議員さんの再質問にお答えをいたします。
地域の国際化について、地域を巻き込んだ取り組みをしていかなければならないということでございますが、多文化共生のまちづくりを進めていくためには、外国人の生活の支援というのももちろん重要ではございますが、地域の国際化というものを進めていくことも非常に重要でないかと考えております。そういったことでは、日本人側、地域の国際化というのが非常に重要でございますし、自治会を通じての行事、特に防災訓練等、これは命につながるような活動でございますので、そのあたりは特に重要でございますので、このあたりにつきましても、市といたしましても国際交流協会と連携を図りながら強力に進めてまいりたいと考えております。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) ありがとうございました。
多文化共生は、長期的な視野に立って計画的に取り組むべき課題です。国際化基本計画とともに長期総合計画の中でもしっかり位置づけ、外国人住民の皆さんの人権が守られ、外国人住民の方にとっても住んでよかった、日本人にとっても住んでもらってよかったと思えるようなまちづくりを進めていかなくてはいけないと思っております。御所見をお伺いいたします。
○議長(伊藤謙司) 答弁を求めます。岡松市民部長。
○市民部長(岡松良二)(登壇) 片平議員さんの再質問にお答えいたします。
多文化共生のまちづくりについて長期総合計画の中での取り組み、長期的に取り組んでいかなければならないとのお話かと思います。
国際化につきましては、なかなか短期間ですぐに実施できるようなそういうものでもございませんので、これにつきましても、今後長期総合計画の中で取り上げることになりますし、それに伴って国際化基本計画の新しい策定も進めていかなければならないと考えております。そのあたりにつきましては、国際交流協会も設立されましたので、これからそういった協会の意見なども聞きながら、新居浜市の国際化基本計画の理念でございます、違いを認め、だれもが自分らしく共に暮らせる新居浜市という多文化共生の社会の実現を目指してまいります。
○議長(伊藤謙司) 再質問はありませんか。片平恵美議員。
○2番(片平恵美)(登壇) 御丁寧に回答していただいてありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
これで質問を終わります。
○議長(伊藤謙司) これにて一般質問並びに議案第71号から議案第75号までに対する質疑を終結いたします。
議案第71号から議案第75号までの5件は、いずれも議事日程に記載のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
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日程第3 報告第23号
○議長(伊藤謙司) 次に、日程第3、報告第23号を議題といたします。
説明を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) ただいま上程されました報告第23号につきまして御説明を申し上げます。
報告第23号、専決処分の報告につきましては、損害賠償の額の決定についてでございます。
令和元年7月23日、市道東田国領西筋線において南進中の自転車の後輪が道路側溝とグレーチングのすき間に挟まり、当該自転車を損傷した事故に係る損害賠償の額を2万6,212円と決定し、令和元年9月3日専決処分をいたしましたので、報告するものでございます。
なお、詳細につきましては担当部長から補足説明いたします。御審議よろしくお願い申し上げます。
○議長(伊藤謙司) 補足説明を求めます。高須賀建設部長。
○建設部長(高須賀健二)(登壇) 報告第23号、専決処分の報告につきまして補足を申し上げます。
議案書の1ページ、2ページをお目通しください。
本件は、損害賠償の額の決定についてでございまして、令和元年7月23日午前10時30分ごろ、市道東田国領西筋線、東田二丁目甲1727番地の1地先路上において、中学生が乗る自転車の後輪が道路側溝とグレーチングのすき間に挟まり、当該自転車を損傷した事故に係る損害賠償の額を決定し、令和元年9月3日専決処分をいたしましたので、報告するものでございます。
損害賠償の額につきましては、当事者との協議及び全国市有物件災害共済会の査定によりまして、自転車の修理に要する費用2万6,212円と決定いたしたものでございます。
なお、損害賠償の額につきましては、全額全国市有物件災害共済会から支払われる予定となっております。
今後におきましても、危険箇所の早期発見、早期対応に努めますとともに、より一層市道の適正な維持管理に努めてまいります。
以上で補足を終わります。
○議長(伊藤謙司) これより質疑に入ります。
報告第23号に対して質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤謙司) 質疑なしと認めます。
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日程第4 議案第76号
○議長(伊藤謙司) 次に、日程第4、議案第76号を議題といたします。
提案理由の説明を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) ただいま上程されました議案第76号につきまして提案理由の説明を申し上げます。
議案第76号、財産の取得につきましては、高規格救急自動車の取得でございまして、去る8月20日の一般競争入札の結果、1,947万円で株式会社新日本ライフテックと契約を締結するため、本案を提出いたしました。
なお、詳細につきましては、担当部長から補足説明いたします。御審議よろしくお願い申し上げます。
○議長(伊藤謙司) 補足説明を求めます。毛利消防長。
○消防長(毛利弘)(登壇) 議案第76号、財産の取得につきまして補足を申し上げます。
議案書の3ページ、4ページをお目通しください。
本市におきましては、全市域の救急事案を初め、各種の災害、事故に対応するため、消防自動車整備計画に基づき、消防自動車等の更新整備を行っております。今回整備いたします車両につきましては、増加傾向にある救急需要に対応するため、北消防署へ高規格救急自動車1台を新たに整備するものでございます。
購入車両の概要でございますが、参考資料の1ページ、2ページをお目通しください。
主な仕様につきましては、緊急走行時における傷病者への負担を軽減するための防振ベッドを装備いたしており、またメーンストレッチャー、酸素吸入装置、吸引器等を積載いたしております。
なお、今回の高規格救急自動車を購入、配備することにより、あらゆる災害や事故に迅速、的確に対応すべく、消防力を強化し安全で円滑な救急活動を行い、地域住民の生命、財産を守ろうとするものでございます。
以上で補足を終わります。
○議長(伊藤謙司) これより質疑に入ります。
議案第76号に対して質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤謙司) 質疑なしと認めます。
議案第76号は、議事日程に記載のとおり、企画総務委員会に付託いたします。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
お諮りいたします。議事の都合により、9月13日から9月19日までの7日間、休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤謙司) 御異議なしと認めます。よって、9月13日から9月19日までの7日間、休会することに決しました。
9月20日は午前10時から会議を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後 3時22分散会