本文
目次
議事日程
本日の会議に付した事件
出席議員
欠席議員
説明のため出席した者
議会事務局職員出席者
開会(午前10時00分)
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 一般質問
大條雅久議員の質問(1)
1 山根公園周辺及び新田橋の整備について
関市民部長の答弁
1 山根公園周辺及び新田橋の整備について
原建設部長の答弁
1 山根公園周辺及び新田橋の整備について
大條雅久議員の質問(2)
1 山根公園周辺及び新田橋の整備について
2 東新学園について
石川市長の答弁
2 東新学園について
岡部福祉部長の答弁
2 東新学園について
大條雅久議員の質問(3)
2 東新学園について
岡部福祉部長の答弁
2 東新学園について
大條雅久議員の質問(4)
2 東新学園について
岡部福祉部長の答弁
2 東新学園について
大條雅久議員の質問(5)
2 東新学園について
藤田幸正議員の質問(1)
1 別子山の今後について
石川市長の答弁
1 別子山の今後について
寺村経済部長の答弁
1 別子山の今後について
藤田幸正議員の質問(2)
1 別子山の今後について
寺田企画部長の答弁
1 別子山の今後について
藤田幸正議員の質問(3)
1 別子山の今後について
阿部教育長の答弁
1 別子山の今後について
藤田幸正議員の質問(4)
1 別子山の今後について
寺村経済部長の答弁
1 別子山の今後について
藤田幸正議員の質問(5)
1 別子山の今後について
石川市長の答弁
1 別子山の今後について
休憩(午前11時08分)
再開(午前11時20分)
仙波憲一議員の質問(1)
1 新居浜市の経営戦略について
石川市長の答弁
1 新居浜市の経営戦略について
仙波憲一議員の質問(2)
1 新居浜市の経営戦略について
2 イノベーションを取り入れた行政運営について
(1) イノベーションの活用
(2) 多様性の価値
石川市長の答弁
2 イノベーションを取り入れた行政運営について
(1) イノベーションの活用
藤田総務部長の答弁
2 イノベーションを取り入れた行政運営について
(2) 多様性の価値
仙波憲一議員の質問(3)
2 イノベーションを取り入れた行政運営について
(2) 多様性の価値
石川市長の答弁
2 イノベーションを取り入れた行政運営について
(2) 多様性の価値
仙波憲一議員の質問(4)
2 イノベーションを取り入れた行政運営について
(1) イノベーションの活用
(2) 多様性の価値
(3) 固定資産税の家屋評価
寺田企画部長の答弁
2 イノベーションを取り入れた行政運営について
(3) 固定資産税の家屋評価
仙波憲一議員の質問(5)
2 イノベーションを取り入れた行政運営について
(3) 固定資産税の家屋評価
3 環太平洋経済連携協定(TPP)への対応について
石川市長の答弁
3 環太平洋経済連携協定(TPP)への対応について
休憩(午前11時56分)
再開(午後 1時00分)
仙波憲一議員の質問(6)
4 新居浜市の経済対策について
(1) 生産性拡大
(2) 創業支援と中小零細企業の倒産対策
石川市長の答弁
4 新居浜市の経済対策について
(1) 生産性拡大
寺村経済部長の答弁
4 新居浜市の経済対策について
(1) 生産性拡大
(2) 創業支援と中小零細企業の倒産対策
仙波憲一議員の質問(7)
4 新居浜市の経済対策について
寺村経済部長の答弁
4 新居浜市の経済対策について
仙波憲一議員の質問(8)
4 新居浜市の経済対策について
5 観光振興について
寺村経済部長の答弁
5 観光振興について
仙波憲一議員の質問(9)
5 観光振興について
6 耕作放棄地について
小野農業委員会会長の答弁
6 耕作放棄地について
仙波憲一議員の質問(10)
6 耕作放棄地について
三浦康司議員の質問(1)
1 障害者差別解消法について
2 地デジ対応ラジオについて
石川市長の答弁
1 障害者差別解消法について
岡部福祉部長の答弁
2 地デジ対応ラジオについて
三浦康司議員の質問(2)
2 地デジ対応ラジオについて
井谷幸恵議員の質問(1)
1 教育費の保護者負担の軽減について
(1) 学校教育費の負担軽減
(2) 給食費の負担軽減
2 教育関係職員の処遇改善について
(1) 本好きの子を育てる学校司書
(2) 食育を進める給食栄養士
阿部教育長の答弁
1 教育費の保護者負担の軽減について
(1) 学校教育費の負担軽減
(2) 給食費の負担軽減
2 教育関係職員の処遇改善について
(1) 本好きの子を育てる学校司書
(2) 食育を進める給食栄養士
井谷幸恵議員の質問(2)
1 教育費の保護者負担の軽減について
阿部教育長の答弁
1 教育費の保護者負担の軽減について
井谷幸恵議員の質問(3)
2 教育関係職員の処遇改善について
阿部教育長の答弁
2 教育関係職員の処遇改善について
井谷幸恵議員の質問(4)
2 教育関係職員の処遇改善について
阿部教育長の答弁
2 教育関係職員の処遇改善について
井谷幸恵議員の質問(5)
2 教育関係職員の処遇改善について
休憩(午後 2時03分)
再開(午後 2時12分)
米谷和之議員の質問(1)
1 新居浜市人口ビジョン及び新居浜市総合戦略の策定について
石川市長の答弁
1 新居浜市人口ビジョン及び新居浜市総合戦略の策定について
米谷和之議員の質問(2)
1 新居浜市人口ビジョン及び新居浜市総合戦略の策定について
寺田企画部長の答弁
1 新居浜市人口ビジョン及び新居浜市総合戦略の策定について
米谷和之議員の質問(3)
1 新居浜市人口ビジョン及び新居浜市総合戦略の策定について
2 CCRCの導入について
石川市長の答弁
2 CCRCの導入について
米谷和之議員の質問(4)
2 CCRCの導入について
3 新居浜市商業振興センターについて
寺村経済部長の答弁
3 新居浜市商業振興センターについて
米谷和之議員の質問(5)
3 新居浜市商業振興センターについて
日程第3 報告第30号、報告第31号
石川市長の説明
原建設部長の説明
日程第4 議案第98号
石川市長の説明
藤田総務部長の説明
委員会付託
日程第5 議案第99号~議案第104号
石川市長の説明
寺田企画部長の説明
委員会付託
散会(午後 3時01分)
本文
平成27年12月10日 (木曜日)
議事日程 第4号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
第3 報告第30号 専決処分の報告について
報告第31号 専決処分の報告について
第4 議案第98号 新居浜市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について
(企画総務委員会付託)
第5 議案第99号 平成27年度新居浜市一般会計補正予算(第6号)
(各常任委員会付託)
議案第100号 平成27年度新居浜市渡海船事業特別会計補正予算(第1号)
(市民経済委員会付託)
議案第101号 平成27年度新居浜市公共下水道事業特別会計補正予算(第3号)
(環境建設委員会付託)
議案第102号 平成27年度新居浜市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)
(福祉教育委員会付託)
議案第103号 平成27年度新居浜市介護保険事業特別会計補正予算(第2号)
(同上)
議案第104号 平成27年度新居浜市後期高齢者医療事業特別会計補正予算(第1号)
(同上)
――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
――――――――――――――――――――――
出席議員(26名)
1番 神野 恭多
2番 米谷 和之
3番 井谷 幸恵
4番 藤田 誠一
5番 田窪 秀道
6番 小野 辰夫
7番 太田 嘉一
8番 岩本 和強
9番 三浦 康司
10番 篠原 茂
11番 大條 雅久
12番 高塚 広義
13番 藤原 雅彦
14番 豊田 康志
15番 永易 英寿
16番 伊藤 謙司
17番 藤田 豊治
18番 藤田 幸正
19番 岡崎 溥
20番 伊藤 優子
21番 佐々木 文義
22番 真木 増次郎
23番 仙波 憲一
24番 近藤 司
25番 加藤 喜三男
26番 山本 健十郎
――――――――――――――――――――――
欠席議員
なし
――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
市長 石川 勝行
副市長 近藤 清孝
企画部長 寺田 政則
総務部長 藤田 佳之
福祉部長 岡部 嘉幸
市民部長 関 福生
環境部長 伊藤 公夫
経済部長 寺村 伸治
建設部長 原 一之
消防長 藤田 秀喜
水道局長 本田 陸治
教育長 阿部 義澄
教育委員会事務局長 木村 和則
監査委員 田中 洋次
農業委員会会長 小野 輝雄
――――――――――――――――――――――
議会事務局職員出席者
事務局長 多田羅 弘
議事課長 原 正夫
議事課主幹 伊藤 裕敏
議事課副課長 上野 壮行
議事課副課長 松平 幸人
議事課調査係長 鈴木 今日子
議事課議事係長 美濃 有紀
議事課主任 中島 康治
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前10時00分開議
○議長(藤田豊治) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第4号のとおりであります。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(藤田豊治) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において田窪秀道議員及び小野辰夫議員を指名いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第2 一般質問
○議長(藤田豊治) 次に、日程第2、昨日に引き続き一般質問を行います。
順次質問を許します。まず、大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) いずみ会の大條雅久です。事前の通告に従い、質問を始めさせていただきます。
まず、山根公園周辺及び新田橋の整備についてお伺いいたします。
山根公園は、新居浜市の主要な都市公園です。公園内の清掃や樹木の管理は、新居浜市行政の役割としてなさっていますが、公園周辺の煙突山や生子橋周辺の景観整備は、地元の有志や角野校区連合自治会の役員などが率先して作業をしております。この作業の継続を支えているのは、日本の近代化を支えた別子銅山産業遺産の山の入り口を守っているんだという思いです。また、秋の太鼓祭りの晴れ舞台である山根グラウンドの玄関口を整備しているという思いもございます。
そこで、石川市長にお尋ねするのですが、別子ラインの昔の景観を取り戻し、かつ不法投棄の防止のため、足谷川両岸の雑木を切り開く作業を平成26年より3年間の補助メニュー、コミュニティ再生事業交付金を見込んで角野校区連合自治会が実践しておりますが、このような事業は、3年間続けたらそれで役割を終えるというものではございません。今後も継続していくための行政としての仕組みづくりについて、再来年度以降の予算編成で何かお考えはあるのでしょうか。もちろん、角野校区だけではなく、市内各校区それぞれに実践されている特徴ある各校区のまちおこし事業全般に対する支援策としての仕組みという意味です。
また、現在、かけかえ工事が進んでいる新田橋についてですが、新田橋には、さきにも申し上げたように、別子銅山産業遺産群の山の玄関口に当たると同時に、秋の新居浜太鼓祭り上部地区統一太鼓寄せの入場の花道に当たる橋であります。かけかえ工事が公表された当初から、地元市民や太鼓台関係者から、太鼓祭りを意識した整備の要望が県に出されておりますが、どのような配慮なり工夫がされたのか、お知らせください。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。関市民部長。
○市民部長(関福生)(登壇) 大條議員さんの御質問にお答えいたします。
山根公園周辺の整備についてでございます。
現在、コミュニティー再生の一環として、政策懇談会の提言を踏まえて、平成26年度に創設いたしましたコミュニティ再生事業交付金制度により、意欲ある地域で取り組む事業に対する支援をいたしておるところでございます。平成26年度には、全18校区で51の事業、また本年度も現時点で44の事業に主体的に取り組んでいただいており、それぞれの校区において、地域課題の解決や特色を生かした事業に活用されているものと考えております。角野校区におかれましては、生子橋周辺の環境整備を自分たちの力で解決しなければならない地域の課題と捉え、平成26年度から2カ年継続して現在取り組んでいただいております。この取り組みによりまして、別子ラインの入り口である生子橋周辺が、見違えるように立派な景観を取り戻しており、この事業によって地域が一体となり、きずなが一層強まったものと認識いたしております。皆様の御労苦に対して、心より敬意を表するところでございます。このような地域課題をみずから発見し、みずから解決する住民自治によるまちづくりこそが、魅力ある地域づくりにつながるものと考えております。これらの活動が、持続可能となるよう、行政といたしましてもできる限りの支援をしてまいりたいと考えております。現行のコミュニティ再生事業交付金制度は、創設から3年後に見直すことにいたしておりますが、その見直しに当たっては、各校区での取り組み実績やその成果を評価、検証し、地域において時代に合ったまちづくりへの取り組みがより一層進められるよう、改善に努めてまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 原建設部長。
○建設部長(原一之)(登壇) 新田橋の整備についてお答えいたします。
新田橋のかけかえにおける太鼓祭りを意識した整備についてでございます。
太鼓祭りの際の欄干に立てる祭りのぼりへの配慮、工夫につきましては、現在、愛媛県においては、地元の要望を受けて、新居浜太鼓祭りを意識し、欄干については祭りのぼりが立てやすいようにできないか検討していると伺っております。
また、太鼓祭りを意識したその他の整備といたしましては、新居浜市において、橋の4カ所の親柱に設置するレリーフの制作を予定しており、新田橋の竣工にあわせて愛媛県に設置してもらえるよう検討していただいております。
○議長(藤田豊治) 大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) 特徴あるまちづくりといったときに、新居浜は何で売り出すというか、注目を受けているのかというとき、いろんなものがあります。多喜浜の塩田もしかりですが、やはり発信力のあるものをより強化するという取り組みが今後の自治体間の生き残りにかかわることだと思いますし、住んでいる市民が、子供たちが、町に誇りを持てるような、そういう特徴あるものをつくっていっていただきたいと思います。ただ単に祭りが好きだから新田橋のことを申し上げたんではなく、これはいろんな特徴をその町に持たせる、訪問された方が一目見てわかる、これ大事なことだと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
次の東新学園についてお聞きします。
東新学園の施設整備について、これまでどのような検討がされてきたのでしょうか。また、従来お聞きしている建てかえ計画はどうなっていますか。
ことし10月に行われた決算特別委員会で、担当者の答弁に、東新学園に入所している子供が少なくなっているという発言がありました。入所の子供が少なくなったのには、何か原因があるのでしょうか。子供の在籍数と施設定員について、現況をどのようにお考えなのでしょうか、お聞かせください。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 東新学園についてお答えいたします。
東新学園の施設整備についての経緯、経過についてでございます。
平成15年に養護老人ホーム慈光園との複合施設として建設することを決定し、基本設計を実施いたしておりましたが、平成16年の台風災害等により、財源の確保が困難になったこと、また建設用地について地元からグラウンドとしての存続要望が出されましたことから、計画を一時中断することとなりました。その後、福祉のまちづくり審議会に新居浜市の福祉施設の整備のあり方について諮問を行い、平成18年7月から平成19年11月までに9回にわたる協議を行い、慈光園とは分離独立の建設方式が望ましいとの答申をいただきました。平成20年の福祉のまちづくり審議会において、慈光園完成後の旧西滝グラウンドを建設場所として、早期の着工を目指すとの方針が示されましたが、現施設が長年にわたり地域住民の支援を受けており、恵まれた自然環境や社会環境にあることなどを考慮し、平成25年度の福祉のまちづくり審議会において、現在地での全面改築を目指すとの方向性が示されたところでございます。また一方、老朽化する福祉施設の中で、木造の若水乳児園、若宮保育園につきましても、早急に建てかえが必要になってまいりましたので、東新学園より優先し、合築という形で建てかえることとなりました。
このような経過を踏まえ、現在検討を進めているところでありますが、児童養護施設の役割としまして、適正な養育を受けられない子供を公的責任において家庭的な環境の中で安定した日常生活を営み、社会的自立を支援する役割がありますことから、建てかえに当たりましては、国の指針である小規模グループケア化を図った施設として、規模、形態、運営方法、建設時期などに加え、入所者数の推移や児童相談所、東予地方局の考え方、運営コストなども考慮して協議を重ねているところでございます。また、先般の市の監査におきましては、これまでの考え方に固執することなく、慎重に熟慮、協議する必要があり、本施設の利用が本市以外の県域に及んでいる実情や財政負担軽減のための公共施設の建てかえに一段と慎重さが求められている現状等を総合的に考慮し、白紙に立ち返って抜本的に検討をされたいとの指摘をいただいておりますので、指摘の趣旨も踏まえまして、基本方針を決定してまいりたいと考えております。
以上申し上げましたが、他の点につきましては補足いたさせます。
○議長(藤田豊治) 岡部福祉部長。
○福祉部長(岡部嘉幸)(登壇) 東新学園に在籍している児童数等についてお答えいたします。
県内の児童養護施設の入所児童数の状況につきましては、過去10年間で512人から436人と76人、約15%減少いたしております。東新学園におきましては、定員28人に対し、10年間で入所児童数は22人から9人にまで減少している状況でございます。その原因につきましては、県全体の入所児童数の減少傾向に加え、園舎の老朽化や大舎制の建物であるため、居室の数が少なく、個別の自立支援が図りにくい状況にありますことから、新たな入所措置が減少しているものと考えております。
○議長(藤田豊治) 大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) 平成25年の3月議会で、当時の神野福祉部長が、伊藤優子議員の質問にこう答えてます。東新学園の建てかえについて、小規模化及び家庭的養護の推進に触れるとともに、平成26年度の予算化について具体化したいと。平成25年の3月議会で平成26年度の予算に入れたいという福祉部長の当時の答弁があったんですが、今の市長の答弁にありました白紙に立ち返りということがこれのその後の答えなんでしょうかね。また、星原町にある東予子ども・女性支援センターが扱った児童養護施設入所措置の子供の数は、平成24年度が24人、平成25年度が8人、平成26年度が22人です。御存じのとおり、東予子ども・女性支援センターにある東予児童相談所の管轄は、西条市、新居浜市、四国中央市の3市です。平成24年度から平成26年度の3年間に、東予児童相談所が児童養護施設への入所を措置した54人の子供のうち、10人が東新学園に入られていますが、これは平成24年度、平成25年度の人数です。配付した資料のとおりですが、平成25年度は3人、平成26年度は1人になってますが、平成26年度のお一人は4月1日入所ですんで、児童相談所からすれば平成25年度の措置です。ですから、平成26年度がゼロ、でも東予児童相談所が扱った子供の数が22人です。22人の方が一人も東新学園を選ばなかった。なぜかよくわからないんですよ。平成27年度は現在ゼロです。なぜ東新学園が選ばれないのか。部長は、子供が減ったって言いますが、19歳以下の愛媛県の子供の数に0.22%掛けたのがこの春に県がまとめた愛媛県家庭的養護推進計画の措置児童数の見込みです。その数字で推移を15年後、20年後も見てます。ですから、絶対数は確かに子供が減るんですから減るでしょう。ただ、社会的養護が必要な子供の数が本当に減るのかどうか、私にはわかりません。一方で、現実として、平成26年度、3市ですよ、今治市は入っていません。四国中央市、新居浜市、西条市の子供が、児童養護施設への措置を決めたときに、子供や保護者が、児童相談所とも相談するんだと思うけど、22人が一人も東新学園を選ばなかった。これは、市の方針ですか、ひょっとして。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。岡部福祉部長。
○福祉部長(岡部嘉幸)(登壇) 大條議員さんの再質問にお答えいたします。
東予子ども・女性支援センター、旧の児童相談所の管内で、3市で平成26年度に22人の児童が措置されているが、東新学園に一人も入所しなかったということにつきましてですけれども、先ほど答弁の中でも申し上げたんですが、東新学園につきましては、大舎制の古い建物であり、居室につきましては、今現在8畳から10畳ぐらいで広さは十分にあるんですけれども、部屋数としては幼児室を除いて6室というようなことで、数としては不足をしております。そういった中で、児童の性別とか年齢構成によって、児童の個別支援が図りにくい、そういう状況にあります。また、国のほうで進めております家庭的養護という観点から、定員に近い児童を今の施設では受け入れることが難しいというような状況もございますが、措置に当たりましては、児童相談所において措置が決定されるというようなこともございますが、こうした事情も考慮して、児童の入所措置が決定されたものと考えております。
○議長(藤田豊治) 大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) 平成26年度だけじゃないです。平成27年度もゼロです。2年続けてゼロ、それがよくわからない。ことしの1月に県が実施をした第三者評価というのが各児童養護施設のものが発表されております。東新学園、評価高いですよ。非常に熱心だっつって評価されております。大舎制ということをおっしゃったけども、今治や松山は100人を超える大舎制の施設、28人じゃないですよ。ほかの9つの施設を見ても、東新学園より定員が少ないところはないんですよ。例えば、宇和島は50人の定員のみどり寮プラス支店のような形で一般の住宅を、空き家を借りて6人の子供を預かってます。まさに家庭的な雰囲気でやってます。かつて私もそういう提案をしてきましたし、現在、国の方針でも小規模化、家庭的養護ということを言っておりますので、やりようはあったんじゃないかなと思います。先日、東新学園を訪問いたしました。園長、副園長のお話を聞いてて、私自身はとても感心、感服いたしました。東新学園で育った子供が、新居浜市が養護した子供たちが、新居浜で働いて、母親、父親になって新居浜市で家庭を築き、新居浜市の次の世代を育てる役割を担う大人になっていくっていう、とても崇高な目標を語られましたし、そうなるべきだとおっしゃって、私も同感です。また、それだけのことができるスタッフが新居浜の東新学園にはそろっています。ですから、何で選んでくれないんだろうって残念なんですよ。お断りしたケースとかあるんですか。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。岡部福祉部長。
○福祉部長(岡部嘉幸)(登壇) 大條議員さんの再質問にお答えいたします。
入所措置に当たりまして、東新学園で入所をお断りしたというようなことはございません。
○議長(藤田豊治) 大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) 第三者評価のことを申し上げました。東新学園、決して低くないです。高い評価を受けてます。子供たちを引き受ける施設としては適切だと思いますし、東予東部3市の子供が一人も来ないというのは残念な結果ですので、白紙に立ち返ってという市長のお言葉ですけども、ぜひこの伝統を50年以上にわたって新居浜で(ブザー鳴る)養護してきた歴史を守っていただきたいと思います。
○議長(藤田豊治) 藤田幸正議員。
○18番(藤田幸正)(登壇) おはようございます。
藤田幸正でございます。今期初めての質問になりますが、よろしくお願いをいたします。
ことしの世相を反映した言葉を選ぶ流行語大賞がこのほど発表され、年間大賞には「トリプルスリー」と「爆買い」が選ばれました。トップテンには安保関連法案への反対で広がった「アベ政治を許さない」と学生団体「SEALDs」とともに安倍政権が打ち出した「一億総活躍社会」も入っていました。大賞やトップテンの候補に上げられた50の言葉には、ほかにも政治関連の言葉が多くあり、鳥越俊太郎選考委員長は、ことしは政治の季節であったと振り返っておられました。これは、国民の政治に対する不信、不安、不満のあらわれであろうと考えます。国民から選ばれた議員が、しっかりと審議を重ねた後の結論であれば、国民も一応納得もいたしますが、数の力や密室での強引な進め方に不信の念を抱くものであります。私たち議員も、選良としての責任を自覚し、市民の負託に応えていかなければなりません。先日、開催をされました市民との意見交換会においても、出席者から質疑や要望、また議員のあるべき姿等について意見がありました。地方自治をさらに深めるためにも、議員と市民との有意義なキャッチボールがもっともっとできるようにならなければなりません。これは一例でありますが、ラグビーワールドカップイングランド大会でのサクラジャパンの活躍でございます。予選リーグ第1戦の南アフリカ戦での戦いぶりが、世界の多くの人たちの心に残っているはずです。ロスタイムも残りわずか、反則で得た最後のワンプレー、同点のキックを選ぶかと思えば、何とスクラムを選択しました。最後まで諦めず、逆転勝ちを信じ、15人がきっちりと務めを果たし、一糸乱れない動きと素早いパス回しがインゴール左隅への歓喜の逆転トライにつながったのです。コーチ、選手、裏方を初め、全員が前への強い心で突き進んだ結果が、あの快挙につながっていったのではありませんか。私たち新居浜市議会も、26人がしっかりとスクラムを組み、持ち場での務めを果たしていけば、市民の負託に応えていけるよりよい議員として、またよりよい議会となっていくでしょう。ともに頑張っていきましょう。
前置きはこのぐらいにいたしまして、通告に従い質問に入ります。
今回は、今後の別子山について、1本でありますが、さきの質問者と重複する項目もありますが、明快なる答弁をお願いいたします。
美しい大自然の緑に包まれた別子山は、人跡未踏の深山幽谷の地であったと想像されます。この奥深い山中に、いつごろから人々が住むようになったのか、不便なこの地に分け入って、苦難な生活をしていかなければならなかったのか。伝説によると、屋島の源平合戦に敗れた平家一門の人々が、深山幽谷の地に入居し、雄々しく開拓を開始してより800年余り、幾多の困難に耐えて、村づくりに汗を流し、別子山の基礎を確立していったのであります。その間、元禄3年、1,000メートルを超える山中において、銅鉱石の露頭の発見、翌年住友家の手によって別子銅山が開坑され、事業は年とともに隆々発展を遂げ、別子山の経済と文化を一変せしめ、明治中期の最盛期には、1万2,000人余りが住む山の町となり、人々は大きな誇りと自信に燃えて活躍を続けてきたのでありましたが、明治32年、豪雨による山津波の発生により、銅山の生産、生活が根底から崩され、また製錬所の移転などにより、人口減の道をたどり、大正初期には3,000人余りと記録をされております。しかも、資源には限りがあり、鉱脈も尽きて、当時70万トン余り、世界第1の産銅量を誇った別子銅山は、昭和48年3月をもって、280年余りの歴史にその幕を閉じました。閉山に伴い、鉱山関係者は、新居浜を初め関連各地へと移り住み、住民は激減し、生産の道は閉ざされ、生活の根源を失ったのでありましたが、残った村民は一致協力し、乏しさに耐え、再建の活路を林業、観光、水産養殖などに求め、恵まれた大自然を背景として、徐々にその活力を回復。社会的、経済的発展を期して努力をしていったのであります。時は流れ、平成の世となり、全国的に合併の嵐が吹き、別子山も生活圏は宇摩であるが、産業、歴史的には新居浜市と結びつきが強いなどさまざまな意見があった中で新居浜市を合併先とすることが村議会において全会一致で決議をされ、平成15年3月31日、人口277人、総面積72.45平方キロメートルの別子山は閉村され、明けて4月1日、新居浜市に編入合併となりました。合併から12年がたち、平成27年10月末現在での状況は、居住者97世帯、男88人、女87人、計175人であります。高齢化率は54.3%であります。新市建設計画や過疎地域自立促進計画のもと、どのような別子山地域をつくっていこうと今日までどのように取り組まれてきたのですか。産業の振興、生活環境の整備、交通・通信体系の整備等々いろいろとありますが、どのような事業に取り組みましたか。終了したもの、継続中、いまだ手がついていないものなど、どのようなものがありますか、お伺いをいたします。
年とともに過疎化の一途をたどり、別子山はもとの大自然に返りつつあります。緑に包まれた樹木の繁茂する中に、わずかに昔の面影をしのばせる崩れかかった遺跡を見るとき、実に感慨深いものがあります。今後の別子山の生きる道、それを確立するには、何人でもなく、この地に踏みとどまって、この地を守ろうと熱き心に燃える人々であります。美しい自然、数々の貴重な史跡、これは別子山の大きな宝であるとともに、誇りでもあります。別子山には、豊かな地域資源が多く点在をしており、これらを生かした地域づくりが、別子山の進む姿ではないでしょうか。四季折々の豊かな自然と別子山のこだわりを取り入れた散策コースの設置など、別子山ならではのこだわりを強く打ち出した炭焼き、山菜やシイタケとり、雪合戦等々体験型事業ももっともっと多く考え、取り入れるべきと思います。これからもこの別子山をどのような取り組みでどのような地域につくり上げていこうと考えておられるか、具体的にお示しをいただきますよう、お伺いをいたします。
次に、旧別子観光センターの跡地活用についてであります。
閉山時、最後まで操業した筏津坑口が残された貴重な産業遺産の由緒あるところです。あの落差を利用した滝もあります。旧筏津山荘にかわる施設の建設は、どのようになっているのですか。別子・翠波はな街道のルート沿いで、マイントピアを出て、ちょうど休憩や食事をしたくなる場所に当たると思います。旧別子の遺産めぐりや赤石山系などの登山者が、下山の後、休憩や入浴、また食事をするなどの施設が必要ではありませんか。施設建設も含め、跡地の活用をどのように考えていくのか、お伺いをいたします。
次に、地域おこし協力隊であります。
過疎地域等の条件不利地域において、都市地域からの人材を積極的に受け入れ、一定期間地域に居住して、地域ブランドや地場産品開発、販売等の地域おこし支援や農林水産業への従事、住民の生活支援などの地域協力活動を行ってもらい、その地域への定住、定着を図ることで、意欲ある住民ニーズに応えながら、地域の維持強化を図っていくことを目的として、2009年に総務省によって制度化されたもので、別子山では昨年1人、本年2人の3人が活動をされており、それぞれが別子山へ未来を開く力になろうとの強い思いを持って来てくれたことに大いに期待をいたすものですが、協力隊員の活動は3年という限られた期間の中で、それぞれがどんな活動をやってきたのか、またどんな活動を続けていくのか、お伺いいたします。
地域の特性や自身の特技や才能を生かした活動につながっているのか、隊員の熱意や行動力が、地域に大きな刺激を与えているのか、またその活動の任期を終えた後、別子山にとどまっての生活は成り立っていくのか、いろいろと課題も多いと思います。それらには、実施主体であります行政が強くかかわり、ともに歩んでいかなければならないと考えます。それらの課題解決についての取り組みはいかがなものでしょうか、お伺いをいたします。
次に、別子山未来プロジェクト事業であります。
この事業は、総務省の補助事業で、別子山連合自治会が事業主体として取り組んでいる事業ですが、行政がどこまでかかわっていくのか、まずお伺いをいたします。
地域おこしに取り組まれているのは理解できますが、ビジネスとしての規模が拡大できるのであればよいのですが、サトウカエデの生育には年数とさらなる面積が必要でありますし、媛っこ地鶏も薬用ニンジンも量の安定供給がなければ商売になりません。この3種類に決まった経緯はどうなのか、この事業に選択と集中はできないのでしょうか、お伺いをいたします。
樹木の栽培による事業であれば、文化財の保全や修理には絶対必要で、文化庁もそれを熱望しております漆をとる漆の木の栽培や、単年栽培で収益が出やすく需要が多くあるシキミ、これはこの地方ではハナシバと言われておりますが、このシキミの栽培でありますが、検討されてはいかがでしょうか、お伺いをいたします。
次に、別子木材センターであります。
別子木材センターは、集成材を製作、加工するこの地域では数少ない雇用の場であるとともに、優良な事業所でございます。業績も2年続けて黒字を計上するなど、いろいろと頑張っておられますが、創業30年を経過しており、機械設備も更新整備をしていかなくてはなりません。また、この木材センターは、別子山にはなくてはならないものですから、この事業所の今後の経営についても検討を進めていかなければならないと思います。今後どのように取り組まれていくのか、お伺いをいたします。
次に、郵便局についてお伺いいたします。
郵便局は、郵便信書や小荷物扱いのほか、別子山唯一の金融機関として、地域の人々の生活にはなくてはならない大切なところです。地域住民が、さらに減少すれば、おのずから取り扱う量も減ってきます。これは、取り越し苦労かもしれませんが、取扱量によって統廃合が起こるやもしれません。このようなことになれば、地域住民の生活はどうなるのでしょうか。このような事態にならないよう、調査検討も必要ではありませんか。御所見をお伺いいたします。
これで1回目の質問を終わります。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 藤田幸正議員さんの御質問にお答えいたします。
別子山の今後についてでございます。
まず、新市建設計画及び過疎地域自立促進計画における地域づくりにつきましては、平成15年の合併を踏まえ、第1に新居浜市と旧別子山村の両地域の一体化を図ること、第2に日常生活での課題解決を主眼に置いた事業を中心として取り組むことで、別子山地域の方々が安全に安心して生活できる環境を実現することを目指して事業を進めてまいりました。さらに、四季折々の景観に恵まれた豊かな自然や別子銅山産業遺産などの地域資源の活用と地域住民の主体的活動をまちづくりの根底に置き、共に創る自然の営みと人の営みが響き合うまちを目標に掲げ、別子山地域の活性化にも取り組んでまいりました。これまで新市建設計画及び過疎地域自立促進計画を通じて、44事業に取り組んでおり、別子山診療所の開設による医療の確保、携帯電話不感地帯解消やブロードバンド環境等の情報通信基盤の整備、消防団詰所整備や防災行政無線の戸別受信機更新等による生活環境の整備など、22事業が完了しております。また、市道整備事業及び別子山地域バス運行等の交通の整備、別子山簡易給水施設等の生活環境の整備など、20事業については継続して行っております。未着手の事業といたしましては、別子山支所整備事業と筏津山荘改築事業の2事業がございます。別子山支所整備事業につきましては、支所前の主要地方道新居浜別子山線の拡幅工事との兼ね合いもあることから、事業着手には至っておりませんが、今後別子山地域内の他の行政機能や生活サービスとの集約も勘案した小さな拠点づくりも視野に入れた検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、別子山をどのような地域につくり上げていこうと考えているのかについてでございます。
今後の別子山を考える上で最も重要な要素が、藤田幸正議員さんの御指摘にもありますとおり、地域で生きる人々であります。別子山地域に限ったことではございませんが、これからの地域づくりにおいては、地域で生きる人づくりを重視していく必要があると考えております。すなわち、地域の魅力を地域住民みずからが見詰め直し、地域で何ができるかを考え、役割を分担してみずからできることから取り組んでいく、そして地域の方々のそれぞれの力と知恵を結集することにより、大きな成果につながっていくのではないかと考えております。現在、別子山地域においては、住民参加による企業組合設立の準備が進められており、その取り組みの中で、別子山未来プロジェクトにより手がけた媛っこ地鶏、朝鮮ニンジン、サトウカエデなどの地域資源を生かし、地域の活力や高齢者の生きがいづくりにもつながる仕組みを、ともにつくり上げていきたいと考えております。このような別子山ブランド創出等を通じて、外部の若者にとっても魅力的な暮らしと雇用を生み出し、活力に満ちた別子山地域をつくってまいります。
次に、別子木材センターの経営に関する今後の取り組みについてでございます。
藤田幸正議員さん御指摘のとおり、別子木材センターの機械設備等につきましては、更新整備の時期を迎えた機器もありますことから、国、県の補助事業等の活用も検討し、機械設備の更新、整備を支援してまいりたいと考えております。
また、別子山地域の市有林や住友林業社有林等の森林資源を有効活用できるよう、愛媛県や住友林業株式会社の御協力もいただきながら、販路拡大や新製品の開発などに取り組み、別子木材センターの経営の安定化、雇用の維持、拡大につながるよう支援してまいります。
次に、別子郵便局についてでございます。
別子郵便局の統廃合の可能性について、別子郵便局長にお伺いしたところ、日本郵政において設定している営業目標の不達成が続くようであれば、整理対象となる可能性はあるが、現状では営業目標を達成していることから、現時点において統廃合の対象にならないと思われるとのことでございました。しかしながら、別子郵便局は、地域唯一の金融機関であり、地域住民にとって欠かすことのできない生活サービスを担う重要な機関でありますことから、今後も郵政を取り巻く環境変化を十分に注視し、統廃合につながることがないよう、行政として可能な支援も含め検討してまいります。
以上申し上げましたが、他の点につきましては補足いたさせます。
○議長(藤田豊治) 補足答弁を求めます。寺村経済部長。
○経済部長(寺村伸治)(登壇) 別子山地域の今後について補足を申し上げます。
まず、旧別子観光センターの跡地活用についてでございます。
これまで旧別子山村との合併後の新市建設計画に基づき、旧別子山地域審議会におきまして、筏津山荘改築事業や筏津坑やキレンゲショウマを生かした仮称筏津記念公園の整備を提案してまいりました。しかしながら、有限会社悠楽技の不法投棄問題の発生、そして解散、さらには森林公園ゆらぎの森の指定管理者の変更や経営改善といった課題に先行して取り組んでまいりましたので、旧別子観光センター跡地整備事業につきましては、先延ばしとなってきたのが現状でございます。藤田幸正議員さん御案内のとおり、旧別子観光センターの跡地には、別子銅山の坑道の中で現在唯一坑道内に入ることのできる旧筏津坑等貴重な近代化産業遺産がございます。また、広域観光ルート別子・翠波はな街道や赤石山系への観光客や登山客にとって好条件に位置するなど、別子山地域の観光レクリエーション拠点としての役割が担える場所の一つであると認識いたしております。今後は、過疎地域自立促進計画の中で、旧別子観光センターの跡地整備として引き続き取り組む予定といたしており、地域住民の御意見も伺いながら、筏津という地域に必要な施設の検討を進めてまいります。
次に、地域おこし協力隊についてでございます。
現在、3名の隊員が活動中ですが、具体的には、別子校区連合自治会が事業主体として取り組まれている媛っこ地鶏の育成等の別子山未来プロジェクトへの協力を中心として活動しております。同時に、ジャガイモ、大根、シイタケ等の従来からの地域農産物の掘り起こしやピーマン、ニンニク、豆類等地域において余り生産されていなかった農作物の育成にも積極的に取り組んでおります。また、地域内外で開催される各種イベントへの参加協力、屋台の出店等も行っております。これらの活動状況報告、イベント告知等については、協力隊のフェイスブックにおいて随時更新し、情報発信を行っております。また、協力隊新聞を発行し、地域内限定ではございますが、市政だよりにあわせて各世帯に配布しております。これらの活動により、地域内外での協力隊の認知度は上がってきております。
協力隊の任務終了後についてですが、行政としては、当然、地域への定住を期待しております。そのために、任期中の活動経費、特に種苗や肥料購入等の農作物育成やイベント実施等に係る消耗品費や各種セミナー等への参加費並びに家賃全額補助等の予算措置についても継続し、隊員の自己負担を軽減することにより、定住につなげたいと考えております。
次に、別子山未来プロジェクト事業についてでございます。
御案内のとおり、本事業は、総務省補助金を受け、別子山地域の自然を利用した魅力ある特産品から成る新たな別子山ブランドを創出し、地域内における雇用先及び収入確保ができる事業の創出を通じて地域の活性化を図る目的で平成26年度から別子校区連合自治会を事業主体として開始されております。別子山地域の冷涼な気候を勘案し、短期的収益面においては媛っこ地鶏育成事業、中期的収益面においては朝鮮ニンジン栽培事業、長期的収益面においてはサトウカエデ育成事業、これらの3事業を柱として設定されたと伺っております。本事業について具体的な成果や実績は、一定の期間を要するものと認識しておりますが、媛っこ地鶏育成事業については、販路開拓における営業先からの安定供給の確保の要望に応えるべく、鶏舎内に仕切られた4部屋を順次活用することによって、継続した親鳥の出荷とひなの搬入に取り組んでいると伺っております。また、朝鮮ニンジン栽培事業については、本年度新たに2,000本の苗を植栽完了と伺っております。未来プロジェクト事業における選択と集中につきましては、現在、地域の方々と地域おこし協力隊が、別子山地域の活性化を目指し、連携をとりながら積極的に取り組んでおりますので、行政としても引き続き支援したいと考えております。
なお、藤田幸正議員さんから御提案のありました漆の木、シキミの栽培については、地域連合自治会の定例会で、別子山支所を通じて御提案させていただきたいと思います。
以上で補足を終わります。
○議長(藤田豊治) 再質問はありませんか。藤田幸正議員。
○18番(藤田幸正)(登壇) いろいろと御答弁をいただきました。なかなか難しいなと。とにかく地域の方々に頑張っていただかなければ前を向いていかないなと。そういった中で、以前は地域審議会があったと。ほやけど今はもう一つの役目を終えて、あとそれにかわるものは連合自治会が窓口となって行政といろんなことを協議しながら事業を進めていくというふうなことを聞いとんですけど、連合自治会というのと、そこの役員さんが多分そのメンバーで入ってこられると思うんですけど、全体的に網羅したというふうな組織にはなかなかなりにくいんじゃないかなと思うんですけど、その辺のところについてはどうなんですか。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。寺田企画部長。
○企画部長(寺田政則)(登壇) 藤田議員さんの再質問にお答えいたします。
御承知のように、合併後10年間は地域審議会で新市建設計画に関することを初めいろんな協議をしてまいりました。地域審議会は平成25年度が最後の会でしたが、そこでこの審議会にかわるもの、受け皿をつくってほしいということで地元に投げかけをいたしました。その際、連合自治会がそれにかわるものというふうな御意見がございましたので、その後は地域振興については連合自治会を通じて協議をしてきたという経緯はございます。ことし過疎計画(案)をつくりましたが、それの審議をしていただく組織ということで、検討協議会を立ち上げました。地元と連合自治会ともお話しして、連合自治会の役員だけではなくて、例えば若者の御意見とか女性の視点も必要だということで、若い方の代表とか女性を入れて協議会を構成したということになっておりまして、従来の地域審議会は7名でございましたが、今回の検討協議会は、それらを含めて20名ということで、幅広い御意見を聞きながら過疎計画(案)がつくれたというふうに考えております。今後の地域審議会にかわる、役割を担うということでは、検討協議会をそういった形で活用していきたいというふうに考えております。
○議長(藤田豊治) 再質問はありませんか。藤田幸正議員。
○18番(藤田幸正)(登壇) 連合自治会だけじゃなく、検討協議会というようなことで、特に各界各層を網羅した20人というふうなことで、非常にありがたいというか、広く意見を聞けるんですが、逆に多くなるといろいろ意見が出過ぎていろんなことが難しいかなというふうなところも心配するんですけど、とにかく大勢の意見を聞いて、いい方向の協議にしていただきたい。特に、合併が10年たって、人口が約100人減っておるというふうな中で、よく我々も耳にしたりいろいろお聞きする学校の問題であります。特に、それだけ減ってくると、当然、高齢化率も今は55%ぐらいとなると、子供さんも少ないんじゃないかと。そういった中で、今の郵便局も人口が減ってくると困るな、だけど、郵便局は残さないかんというふうなことがあるんですけど、なかなか学校はどうかなというふうなことがありまして、地域の人は、学校は残してほしいと。やっぱり教育とか文化のいろんな面でのよりどころであるというふうなことも聞いております。そういった中で、今の小学校、中学校、どれだけの在校生がおるんか、また今まで過疎化が進む中で、いろいろ学校の活性化のためにいろんなことに取り組まれたと。それは、どういうふうなことに取り組んだのか、また今後、人口が本当に少なくなるというふうなことが見えておりますので、その辺のところについてどのように教育委員会として考えておられるのか、お尋ねをいたします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 藤田幸正議員の再質問にお答えいたします。
まず、別子小中学校の現状についてでございます。
今年度別子小学校には4人、別子中学校には2人の児童生徒が在籍しております。これらの児童生徒数については、減少傾向が続いていくものと推測されます。
次に、これまでの取り組みについてでございます。
別子小中学校につきましては、平成16年度から、児童生徒一人一人の性格や能力に応じたきめの細かい教育と豊かな自然環境の中で心身の増進を図り、心豊かな人間性を養うために、市内のどこに住んでいても通学できる小規模特認校制度を導入しております。
次に、小中学校の今後についてでございます。
今年9月に別子校区連合自治会から、学校を地域コミュニティーの存続や発展の中核的な施設と位置づけ、地域を挙げてその充実を図ることを希望する旨の要望書が提出されております。また、地方創生の推進の視点から、学校も含めた公共施設の配置のあり方や別子地域へ新しい人の流れをつくり出せるよう、魅力ある学校づくりに向けての議論を続けておりまして、今後できるだけ早い時期に、別子小中学校の今後のあり方について、一定の方向性を取りまとめてまいります。
○議長(藤田豊治) 再質問はありませんか。藤田幸正議員。
○18番(藤田幸正)(登壇) 地域の要望とか入れていろいろ取り組んでいきたいということでありますが、個人的な思いは、良好である教育環境のもとで子供たちを教育してやらないかんと、毎年毎年のことですから。今教育長の話の中で、きめ細やかないろいろなこともできるというふうなことでありますが、以前のように自治体が1つの単独自治体であればそうですけど、今は新居浜市と合併をしておるというようなことで、そんなにうまくそこばかりということも考えるんですけど、いろんなことで取り組んでいかれるんであれば、もっとうまくいくようになれば我々がそういうことを言わなくてもいいんですから、またいろいろその辺のところについてよろしくお願いをいたします。
そして、別子木材センターは、特に別子山では優良なトップ企業でございまして、それだけ業績も上げておる、そしてまたそれだけの雇用もあるというようなことで、今の答弁の中にも、これからいろいろ古くなったから機械の更新整備を十分考えていくと。そしてまた、新商品を開発して、販路開拓を進めていくというふうな計画も答弁の中で言われておったんですけど、具体的に例えばどういうところの機械器具を整備更新するのか、そしてまたどういった新規商品があって、販路開拓ができるというふうなことが、企業秘密というようなこともあるかもわかりませんけど、決まっているものがあればお教えをいただきたいと思います。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。寺村経済部長。
○経済部長(寺村伸治)(登壇) 藤田幸正議員さんの再質問にお答えいたします。
まず、別子木材センターの機械設備の機器更新の具体的な内容についてでございます。
別子木材センターの機械設備につきましては、御案内のとおり、老朽化いたしておりまして、その機械設備の中では、まず木材の乾燥機の更新を検討しているとお伺いしております。他の機械設備につきましても、かなり全体的に古いんで、老朽度とか経営状況を考慮して判断していくと伺っております。
それと、更新に当たりましては、国、県等の補助金を利用したいんですが、過去はそういう機械設備の補助がございましたが、現在のところございません。今後、国、県の補助事業のそういった新たな活用も検討いたしまして、機械設備の更新、整備を支援してまいりたいと考えております。
それと次に、別子木材センターの販路拡大とか新製品の開発についてでございます。
先日の加藤議員さんの御質問の中でも御紹介させていただきましたが、別子木材センターの今年度の新たな取り組みといたしましては、住友林業の社有林材を製材し、乾燥させたヒノキのフロア材を生産いたしまして、住友林業の住宅用商品として供給を始めたところでございます。市といたしましても、こういった新製品の開発が、販路の拡大につながって、さらには市長も申し上げましたように、別子木材センターの経営の安定化とか雇用の維持、さらには拡大につながるよう、支援してまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 再質問はありませんか。藤田幸正議員。
○18番(藤田幸正)(登壇) 別子木材センターについてもいろいろとうまくいくようになっていただきたいと思います。
あと地域おこし協力隊もいろいろ頑張ってくれておるというふうなことなんですけど、そこへ来て、地域おこし、それからプロジェクト事業も地域おこしというふうなことでございますので、もっともっとその辺のところについて行政もうまく指導をして、せっかく来ていただいたんですから、その人たちが地域の起爆剤となるように頑張っていただきたいなと思うわけです。特に、別子山の人たちは、やはり何というんですかね、収入も生活もなかなか安定をしておると。また、今まで村がいろんなことで手を差し伸べてくれた、依存体質的なところもあると。また、別子山へ人が来ても、家を貸してくれないとか、別子山独特のいろんな気風というか、これがあるんで、いずれにしても住民の意識改革に取り組まないかん。せっかく新居浜を選んでくれたんですから、新居浜も責任持っていろんなことを進めていかないかん。そういった中で、別子山の10年先、市長はこの別子山をどのようにして、いろいろさっきも答弁の中でもあったんですけど、まとめて持っておるんか、そのためには何が必要かと(ブザー鳴る)そういうようなことをしていかなきゃいかんという思いをお願いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 藤田幸正議員さんの再質問にお答えいたします。
別子山は、本市発展の礎であり、現在の新居浜市の繁栄は別子山の存在なくしてあり得ないと。その原点を大切にしなければならないと常々肝に銘じているところでございます。別子山の活性化には、市民、そして別子山を応援したいと思う多くの人々の思いや知恵、力を結集することが何より重要であると考えております。これまで新しいプロジェクトに取り組んでまいりましたが、まだまだみんなの力が結集する段階には至ってないような気がいたします。別子山の将来に一番思いをめぐらせているのは、先ほど藤田議員さんのお話もありましたように、別子山に暮らす皆さんでないかと思っております。ふるさとを大事に思い、我が事として地域の未来を語り合い、協力して、目標達成を目指そうと頑張っている皆さんの声を尊重する地域づくりを進めていくことが、私の目指すところでございます。今年度、別子山連合自治会がサバイバルワークショップという事業に取り組みました。自分たちの地域がどうすれば生き残ることができるか、そのために何が自分にできるかを語り合い、地域計画を練り上げる取り組みでした。私もその報告会に参加をいたしましたが、そこでは参加者の皆さんが別子山の夢を熱く語っておられました。その際、コーディネーターの藤目節夫さんは、自分たちの地域をつくるのは自分たち自身でしかないというメッセージを別子山の皆さんに何度も語りかけておりました。地域づくりの主人公は、あくまで別子山の人たちであり、シナリオを自分たちで描く主体的な地域づくりを行政がきちんと受けとめ、支えていく、いわゆる住民参加ではない行政参加のまちづくりこそがこれからの別子山の目指すまちづくりではないかと私は考えております。10年先に今取り組んだことがよかったと思えるように皆さんと一緒に実行してまいりたいと思っております。
○議長(藤田豊治) この際、暫時休憩いたします。
午前11時08分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前11時20分再開
○議長(藤田豊治) 休憩前に引き続き会議を開きます。
仙波憲一議員。
○23番(仙波憲一)(登壇) 自民クラブの仙波憲一です。それでは、通告に従いまして質問を始めたいと思います。
まず、新居浜市の経営戦略についてお伺いをいたします。
安倍政権が発足し、アベノミクスという経済対策で株価は2倍以上になり、企業の業績も過去最高水準に回復してきました。しかし、円安が輸出増に、企業業績拡大が設備投資増加に、雇用増が消費増にという当初の好循環の流れにはまだまだ道半ばでございます。今の経済を支えているのは、日銀による異次元の金融緩和政策であると言われています。企業経営者に求められる視点の一つに、世界経済の動きには常に敏感であるべきで、グローバルというかマクロの世界がどういう方向に動いているか、正しい観測をしておくことが必要です。また、その動きがどのように自社の経営に影響を及ぼすかを考えることが求められます。同じことは地域行政にも言えると思いますが、新居浜市としての対応策はどのようにされていますか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 仙波議員さんの御質問にお答えいたします。
新居浜市の経営戦略についてでございます。
右肩上がりの経済成長が続いている時代には、大量生産、大量販売により、既存の市場規模が拡大していたため、企業や自治体においても、今までの延長線上を進む現状維持の姿勢であっても経営ができていたと思っております。しかし、バブル経済の崩壊後のデフレ経済の進行や中国を初めとするアジア諸国の台頭、また生産、販売のグローバル化の進展により、世界レベルでの競争激化が加速し、地域経済においても世界経済の動きに大きな影響を受ける状況になっております。
このように、社会経済情勢が激しく変動する中、新居浜市が将来にわたり持続可能な都市として発展していくためには、御指摘のとおり、行政においても企業同様にマクロの視点から世界経済の動向を的確に把握し、地域経済に与える影響を予測した上で効果的な政策を打っていくことが重要であると考えております。また、短期的な影響だけにとらわれることのないよう、時代の趨勢を見据えた中長期的な進むべき道や目的を明確にした戦略が必要であり、現在策定をいたしております第五次新居浜市長期総合計画や新居浜市総合戦略がまさにこれに当たるものと考えております。新居浜市総合戦略では、4つの基本目標を戦略の目的として示しておりますが、さらにこの目的を達成するためには、緻密な戦術が伴わなければなりません。そのために、総合戦略では、今何が求められ、どのような施策を講ずれば有効なのかを敏感に察知し、そのための戦術を具体的な取り組みとして掲げております。このように、本市の進むべき方向を明確にした上で、市民、事業者、行政が一丸となった施策の推進体制を構築し、戦略と戦術が連携し機能することによって、自治体経営戦略の期待される効果が発揮できるものと考えております。
○議長(藤田豊治) 仙波憲一議員。
○23番(仙波憲一)(登壇) 特に、第五次長期総合計画の見直しに当たって、今新居浜市がどういう位置にあるのかということも含めて、次に今からお伺いいたしますけれども、イノベーションを入れたらどうかということを申し上げますけれども、やはり一番重要になってくるのが、経営戦略であり、目的であり、その後に続く戦術をどう組むのかということになってくるんだろうというふうに思っております。
それでは次に、イノベーションを取り入れた行政運営についてお伺いをいたします。
イノベーションをキャッチフレーズにしている企業は多いが、社員にそれではイノベーションとは何ですかと尋ねると、十人十色の答えが返ってきます。会社が目標として掲げているコンセプトの意味が、社員の間で統一されずにぶれていました。一般社団法人ジャパンイノベーションネットワークが東京都内で開いたパネル討論会で、ハーバードビジネススクールのクリステンセン教授が、パネリストである三菱重工の大宮会長、NECの遠藤社長たちと一緒に三菱重工のMRJの初飛行ビデオ映像を見ていました。上映が終わるや否や大きな拍手を送り、非常に興味深い、まさに破壊的イノベーションでしょうと褒め上げました。すぐれた商品を持つ優良企業の経営判断では、品質や性能を上げる持続的イノベーションを優先します。そんなとき、思わぬ新興勢力があらわれ、低価格だったり、特色ある強み等があったりすると、破壊的イノベーションで新しい市場を開拓してしまうことがあります。その結果、産業秩序を覆す新陳代謝が起きます。これこそクリステンセン教授が提唱する論文で、一時代をつくった優良企業が衰退していく理由、イノベーションのジレンマで指摘したポイントであります。MRJに賛辞を贈った理由は、航空機産業に破壊的イノベーションを起こす潜在的な期待が込められています。航空機産業では、ボーイングとエアバスの2強が頂点に立っており、その2社は収益性を考えて、より大きな機体、より長い距離を飛べる機体の開発を重視してきました。大型化や長距離化で価格も上昇します。反対に、小型ジェットは、座席数が100席に満たない小さな機体で、ボーイングやエアバスが売る大型機や中型機などに比べて、価格も安く、市場も違います。ブラジルのエンブラエル、カナダのボンバルディアが売り上げを上げてもボーイングやエアバスの2強は見向きもしませんでした。しかし、将来を考えると、この2つの選択は、必ず正しいとは限らないと思います。消費者が気軽に自由に飛行機で動きたいというニーズが高まるなら、小回りのきく小型ジェットは航空会社にとって魅力的です。新興国を含めて、世界中で空の旅が手軽になれば、小型ジェットの航空機ビジネスの裾野が広がります。そこで、MRJがリーダー的な存在に成長できたら、航空機産業そのものを変えます。それゆえクリステンセン教授は、MRJに注目したと考えられます。成功すれば三菱重工という古い名門企業を母体に、破壊的イノベーションが生まれることになります。破壊的イノベーションの最近の例を身近なところで探すとiPhoneに代表されるスマートフォンがあります。個人的IT機器の世界で、スマートフォンは見事にパソコンから主役を奪いました。その成功は、電子部品からネット通販、ネット広告まで関連ビジネスの姿を一変させ、消費者の生活にも大きな影響を与えました。MRJも成功すればその影響が及ぶ範囲は、航空機メーカーの勢力図ではおさまりません。現在、第2部になっている話題の人気ドラマ下町ロケットは、ロケットの打ち上げに成功しましたが、そこに至るまでは山あり谷ありの物語でした。MRJの物語もそれに劣らずトラブル続きで、ドラマチックな展開が続いています。初飛行に成功しても、各国の航空当局から安全性に関する型式証明というお墨つきをもらわなければなりません。また、エンブラエルやボンバルディア、そして同じく新規参入組の中国やロシアのライバルとの競争も待ち受けています。こうした課題を含めて、MRJがどんな結末を迎えるかはわかりません。しかし、1号機の納入は、2017年の予定です。そのときMRJは、イノベーション理論の講義に格好のケーススタディーになっているでしょうか。成長の芽を出すのは大変で、既存市場で成長するには、既存他社を食う以外はありません。したがって、新しいビジネスのモデル、戦略的イノベーションが最も有効な選択肢だと思います。また、イノベーションを新居浜市に例えれば、市長が中心となって取り組む全庁的課題だと思います。イノベーションは、その語源のラテン語から、何かを新しくすることという意味でした。では、何が新しくなるかというと、財貨、生産方法、販路、原材料あるいは半製品、組織の主に5つであり、さらにサービスを加えることがあります。その新しさの変化の度合いですが、少しの変化を積み重ねるもの、改善されたものも含むと考えられています。例えば、行政に置きかえると、事業や条例、実施方法、対象、機材、知恵、組織のトータルが政策となってまいります。結果が成果として住民サービスにつながります。継続して改革を進めることが重要だと思いますが、いかがお考えですか。
次に、こうしてはいけないという事例を申し上げます。企業の成長がとまると株価が下がり、投資家から株価を戻す圧力がかかります。経営者にとって最も手っ取り早いのは、自社株を買い戻し、1株当たりの利益を上げることです。しかし、株価が上がっても、成長がとまった原因解決にはなりません。
一方、金融市場は、株価を企業の業績をはかる基準としています。その結果、経営者も根本的な原因が何かを把握することなく、数字のみに注目するわけです。これは、北米や欧州、日本の企業に蔓延する問題です。経営者はなぜ自社がイノベーションを必要とする状態に陥ったのか、その原因をどのような尺度に基づいて判断するのか決めなければなりません。全く行政運営と同じだと思います。市場開拓型イノベーションという新市場を掘り起こすことが重要で、成長のためにはイノベーションに焦点を当てるべきだと思いますが、いかがですか、お伺いします。
次に、多様性の価値ということについてもお伺いをします。
ハーバードビジネスレビューに掲載されたフレミングの論文によると、非常に似通った分野の人々によって構成されたチームから生まれたイノベーションの価値は、平均値こそ高いが、飛び抜けて価値の高い進歩は生まれないそうです。一方、多様な学問分野の人々で構成されるチームからは、価値の高い進歩が多く生み出された一方、価値の低いイノベーションも多いため平均値は低かったのです。安倍政権では、女性活躍の旗が振られ、企業における従業員の多様性の価値が注目されています。しかし、企業経営者にお話を伺うと、自社で働く人の多様性が高まることよりも、同じ考え方をする集団で素早い意思決定をし、一糸乱れず一丸となって行動することにより価値を見出せている方も多く見受けられます。それでは果たして企業で働く人が、多様な知的バックグラウンドを持つことはどのような価値があるんでしょうか。また、同じことが行政でも考えられますが、いかがですか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) イノベーションを取り入れた行政運営についてお答えいたします。
まず、イノベーションの活用についてでございます。
人口減少や少子高齢化の進展により、根本的な社会構造の変化に伴い、地方公共団体を取り巻く環境は大きく変化をいたしております。このような中でも、地方公共団体は、行政サービスを持続的に提供し続ける責務を負いつつ、新たな行政課題や多様化する住民ニーズに対し、適切かつ柔軟に対応することが求められております。仙波議員さん御指摘のとおり、よりよい行政サービスを行うには、行政運営においてもイノベーションを活用し、継続して改革を進めていくことが重要でございます。特に、住民サービスに直結する窓口業務におきましては、積極的にイノベーションを取り入れる分野であり、本年度は庁舎1階のフロア全体の配置、動線、業務を見直し、総合窓口サービスを開始したところでございます。本市では、現在、新しい行政改革大綱を策定中であり、限られた経営資源の中で最大限の成果を上げられるよう、ICTを活用した業務の標準化、効率化、民間委託等の積極的な活用等、不断の行政改革に取り組んでまいりたいと考えております。さらには、従来型の既存の業務も改善する持続的イノベーションや業務の効率化を図る効率向上型イノベーションにとどまらず、新しい事業を掘り起こす市場開拓型イノベーションにも焦点を当て、市役所敷地内コンビニ誘致のような他の自治体では余り行われていない先進的な事業にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上申し上げましたが、他の点につきましては補足いたさせます。
○議長(藤田豊治) 藤田総務部長。
○総務部長(藤田佳之)(登壇) 多様性の価値についてお答えいたします。
インターネットやスマートフォンの急激な国民への浸透に代表されますように、近年の急激な社会環境の変化に伴い、市民ニーズ、行政需要はますます複雑多様化、さらに専門化してきております。職員には従来の制度や前例にとらわれない柔軟な発想と市民の視点をしっかりと持って、時代変化に弾力的に対応できる多様性が求められております一方、効率的行政サービスを提供するためのコスト意識、郷土新居浜を愛する気持ち、情熱、また積極的な情報公開等により説明責任を果たしていく姿勢などは一貫したものでなければならないと考えております。本市では、目標とする職員像として、時代変化に即応して変革、チェンジできる職員、コスト意識を持ち、市民の視点で行動できる職員、そしてチャレンジ精神旺盛な職員、いわゆる3C職員を掲げ、鋭意取り組んでまいっておりますが、今後一層日々の職場研修を中心とした各種研修、高度で専門的な知識や技術を習得できる研修等を重ねることにより、価値観の多様化に応え得る人材育成に取り組んでまいります。
以上で補足を終わります。
○議長(藤田豊治) 仙波憲一議員。
○23番(仙波憲一)(登壇) 特に、長期総合計画の見直しとか、地域創生の戦略をつくるとき、ものの考え方というのがある意味重要で、例えば今申し上げましたイノベーションという英語を使うわけですけれども、何を新しくするかということになるわけですが、それについてコンセプトが統一されてなければ、せっかく励んでも結果として果実は得られない。いわゆる果実が得られないということは、市民サービスにはつながってこないということになるんだろうと思います。そういう中で、例えば多様性、英語でいいますとダイバーシティーといいます。従来と今は何が違うのかということになるわけですけれども、例えば組織のマネジメントを行う視点で、今までと一番違うのは、仕事の分け方として属性とか働く条件に分けて働き方を変えてくる。反対に、宗教や価値観、社会的背景、生き方、考え方、性格、態度、志向など内面も皆違っているということを認めるということが必要なわけでありまして、それに対してじゃあ今行っている行政の一つの施策であり事業が、そういうことについてどう考えているのか、例えば職員として自分の志向があるのかないのかということを聞くんではなくて、反対に属性、それから働く条件、例えば朝ですと、新居浜市ですと今8時半から5時15分というのが基本でございますから、その間、働く人が皆同じだという考え方が持てるかどうか、それが果たして市民にとってのサービスとして賄えているかどうかということが重要なんではないかというふうに思います。特に、総合戦略を策定する中で、求められている政策では、既成概念にとらわれて、見落としがちな政策もあると思います。第五次長期総合計画の6つのフィールドの中には、担当課を横断しないと効果が望めないものもあります。そういう意味でも、コンセプトを統一してイノベーションを活用されることが大切と思いますが、改めてお伺いしますが、いかがですか。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 多様性の価値についての中のイノベーションの活用ということじゃないかと思いますが、本市では、今年度新居浜市総合戦略の策定並びに第五次長期総合計画の見直しを行っており、それぞれの達成度をはかるための目標値として、重要業績評価指標KPIや成果指標を設定いたしております。これらの目標を達成するためにも、それぞれの施策、指標を課の目標管理として定め、課員のコンセプトを統一した上で、課員一丸となった取り組みを進めてまいりたいと考えております。しかしながら、仙波議員さん御指摘のとおり、これらの目標の中には、担当課を横断しないと施策効果を望めないものもございます。既成概念、枠にとらわれていては、自由な発想で政策を考えることができません。これまでも組織機構の見直しの中で、庁内横断的組織として各課の債権を一元管理するための債権管理対策室の設置や産業、健康長寿、教育力の向上を推進していくための戦略監を配置したほか、新たな財源の創出や確保を検討するため、財源確保プロジェクトチーム、総合窓口開設のためのワンストップサービスプロジェクトチーム等、横断的な課題解決のため、さまざまなプロジェクトチームを立ち上げてまいりましたが、より機能的な新しい組織体制につきましても、今後検討していく必要性があると考えております。
なお、現在、総務省で進めております行政イノベーションにおいて、ICT、情報通信技術を活用した業務プロセスの再構築や内部管理業務の集約化、またはフリーアドレス制等のオフィス改革が示されております。このうちオフィスのフリーアドレス化では、チーム内で即座に情報共有やコミュニケーションが可能になることや臨機にチームを超えたプロジェクト対応が可能になる等のメリットもございます。本市におきましても、これらの行政イノベーションの取り組みを注視し、調査研究してまいりますとともに、引き続き質の高い行政サービスを効果効率的に提供できる改革推進に努めてまいります。
○議長(藤田豊治) 仙波憲一議員。
○23番(仙波憲一)(登壇) 難しい言葉を使うわけですけれども、結果的にそのイノベーションという言葉をなぜ使ったのかと申し上げますと、最近、例えば担当課以外のところでお話を聞くと、必ずわかりませんというお答えが返ってきたり、中にはいやいや、金があったらやりますとか、いろんなお答えが返ってくるんで、それはじゃあ本当にその答えが正しいのかという、どうして正しいのか、正しくないのかという判断をするかというと、教育委員会におろうが、建設部におろうが、どこにおろうが市民から見たら全て役所の職員なんですよね。だから、そういう意識をぜひ新居浜市の職員にも持っていただきたいという思いがあってこういうことを申し上げております。総務省も、もっというと経済産業省も同じようにイノベーションという言葉を使っております。最近では内閣府でも使っております。なぜそうなのかという部分をぜひ考えていただいて、今後の行政運営に当たっていただきたいということを改めてお願いをいたしておきます。
次に、固定資産税の家屋評価ということで、例えば収入面では、固定資産税は地方税収全体の24%を占めています。総務省が建設資材や工事費の上昇を踏まえ、税額の基準になる住宅、家屋の資産価値を高く見積もる方針を出しています。つまり、昨年までの建築後の評価額が減少傾向にあったものがとどまる場合も出てきます。新築においては、実勢価格に準じる形で上昇が考えられます。実際、行政運営にそういうことをどういうふうに生かしていくかということが重要です。新居浜市についてそのことに対するお考えはありますか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。寺田企画部長。
○企画部長(寺田政則)(登壇) 固定資産税の家屋評価についてお答えをいたします。
現在、固定資産税を含む地方一般財源の総額につきましては、地方財政計画によって財源保障及び調整がなされておりますため、その収入見積もりは、地方財政計画に基づくことを基本としているところでございます。しかしながら、時代の流れを読み、正確な見積もりを立てることは、限られた財源を有効に活用し、必要な施策を実現していく上で大変重要なことであるというふうに認識をいたしております。そのため、収入面におけるイノベーションにより得られました貴重な財源につきましては、時代の要請に応じ、計画的かつ弾力的な活用を図ってまいりたいと考えております。御案内の評価基準の見直しが実施され、税収増加が見込まれる部分につきましては、今年度策定いたします新居浜市総合戦略に位置づける重点施策に充当し、効果的な事業推進を図ってまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 仙波憲一議員。
○23番(仙波憲一)(登壇) 新居浜市が努力をしなくても、若干税収が上がるんではないかということがございましたので、お伺いをいたしました。ぜひいいほうにお使いをいただいたらというふうに思いますが。
次に、環太平洋経済連携協定、TPPの対応についてお伺いをいたします。
TPPの大筋合意を受け、政府・与党が検討している経済産業分野の対策案の概要では、工業製品の関税撤廃など、TPPの追い風を生かした新輸出立国を目指し、中小企業の海外市場の開拓を支援する官民連携組織を設立すると言われています。また、愛媛県においても、台湾を初めとして、東南アジアへの経済進出を考えています。TPP対策大綱に日本の中小企業の後押しをする政策を盛り込む予定と伺っています。
そこで、設立された官民連携組織は海外での事業拡大を目指す中小企業に対し製品開発や国際規格の認証取得、知的財産の保護など、総合的に支援する必要があります。新居浜市としては、どのような支援策を考えていますか。また、農業と商工業の連携による新事業の創出なども積極的に後押しするとありますが、新居浜市の対応はどうなっていますか。
TPPでは、日本以外の参加国11カ国で工業製品の関税が99.9%撤廃され、外国企業の出資、出店に対する規制緩和が盛り込まれ、海外企業が進出してくることが予想されます。日本が輸入する工業製品のうち、TPP発効後16年目までに関税をなくす皮革や繊維製品など、国内関連産業への経営改善を支援し、海外製品の流入拡大への対応を促す予定と伺っていますが、新居浜市としてはどう対応されるか、考えられていますか、お伺いをします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) TPPへの対応についてお答えいたします。
政府においては、去る11月25日に総合的なTPP関連政策大綱を決定したところであり、その中でTPPを成長戦略の切り札と位置づけ、輸出拡大や投資促進など、我が国の経済再生、地方創生に向けた施策が盛り込まれております。
御質問の海外での事業拡大を目指す中小企業に対する支援についてでございますが、本大綱においては、国や地方公共団体、商工会議所等の各種支援機関によるコンソーシアムを創設し、中堅、中小企業の海外展開を総合的に支援することとしております。本市におきましても、今後の創設に向けた取り組みの中で、地方自治体の位置づけや役割を把握、整理するとともに、その利活用による専門性やきめ細かさを伴った支援体制の構築を検討してまいります。
また、本市では、これまでも地域企業の海外展開や知的財産対策等の支援を行っており、その取り組みにおいては、四国経済産業局や愛媛県、えひめ東予産業創造センターなど、地域のさまざまな関係機関との連携を図ることで、総合的な支援を目指してきたところでございます。今後におきましても、こうした支援の枠組みに加え、国が創設するコンソーシアムとの連携も積極的に模索し、地域企業の新たな市場開拓に対する支援体制づくりを図ってまいります。
次に、農商工連携における対応でございます。
これまでも地域農産物である白芋を使用した商品開発や魚介類の加工品開発など、6次産業化への支援を図ってきておりますが、このたび決定されたTPP大綱に基づき打ち出される各種施策や、新たに創設されるコンソーシアムによる取り組みなどの進捗を踏まえ、新事業展開等の推進を図ってまいります。
次に、新居浜市としてTPPへの対応をどう考えているかでございます。
TPPは、今後の参加各国での批准手続等を踏まえ、協定が発効されますと、これまで世界が経験したことのない最大規模の自由貿易圏が実現する見通しであり、我が国経済にとっても、大きな環境変化をもたらす契機になるものと認識をいたしております。その効果についても各所でさまざまな議論がございますが、私の考えといたしましては、海外製品の流入等に対する国内産業の保護や既存産業の権益を守るための排他的措置など、いわゆる守りの政策に徹することでのTPP効果の享受は限定的にならざるを得ないと考えております。私は、今回のTPP協定における特徴は、物だけでなく、サービスや投資においても高い水準の自由化を目標としている点だと感じております。知的財産などサービスの貿易や海外投資の自由化は、グローバルな経済活動における交流や統合を促進する可能性を持っております。そうした経済交流等を源泉とした新たなイノベーションの活性化こそが、TPPの最大の効果でないかと考えております。本市といたしましても、こうした観点で、TPP協定の発効をチャンスに結びつける機会にしてまいりたいと考えております。そのためには、地方における海外展開のノウハウや貿易関連情報の不足などの課題とそれらに対応する追加的政策の必要性も認識をしており、今後示される国の具体的施策やコンソーシアムの動向等を注視しつつ、国や愛媛県を初め、近隣市や関係機関との連携を密に図りながら対応を進めてまいります。
○議長(藤田豊治) この際、暫時休憩いたします。
午前11時56分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――