本文
目次
議事日程
本日の会議に付した事件
出席議員
欠席議員
説明のため出席した者
議会事務局職員出席者
開議(午前10時00分)
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 一般質問
近藤司議員の質問(1)
1 地方創生と経済対策について
(1) 人口減少対策
(2) 産業振興と雇用創出
2 安全・安心のまちづくりについて
(1) 防災拠点施設の建設
(2) 消防分署、消防団詰所の耐震化
(3) 浸水対策
3 空き家対策について
石川市長の答弁
1 地方創生と経済対策について
(1) 人口減少対策
(2) 産業振興と雇用創出
3 空き家対策について
関市民部長の答弁
3 空き家対策について
伊藤環境部長の答弁
2 安全・安心のまちづくりについて
(3) 浸水対策
原建設部長の答弁
3 空き家対策について
藤田消防長の答弁
2 安全・安心のまちづくりについて
(1) 防災拠点施設の建設
(2) 消防分署、消防団詰所の耐震化
近藤司議員の質問(2)
1 地方創生と経済対策について
2 安全・安心のまちづくりについて
3 空き家対策について
石川市長の答弁
1 地方創生と経済対策について
関市民部長の答弁
3 空き家対策について
藤田消防長の答弁
2 安全・安心のまちづくりについて
近藤司議員の質問(3)
1 地方創生と経済対策について
休憩(午前11時07分)
再開(午前11時18分)
高塚広義議員の質問(1)
1 18歳選挙権について
阿部教育長の答弁
1 18歳選挙権について
櫻木選挙管理委員会事務局長の答弁
1 18歳選挙権について
高塚広義議員の質問(2)
1 18歳選挙権について
阿部教育長の答弁
1 18歳選挙権について
高塚広義議員の質問(3)
2 空き家対策について
石川市長の答弁
2 空き家対策について
関市民部長の答弁
2 空き家対策について
高塚広義議員の質問(4)
2 空き家対策について
関市民部長の答弁
2 空き家対策について
高塚広義議員の質問(5)
3 マイナンバー制度について
石川市長の答弁
3 マイナンバー制度について
高塚広義議員の質問(6)
3 マイナンバー制度について
石川市長の答弁
3 マイナンバー制度について
高塚広義議員の質問(7)
3 マイナンバー制度について
4 新公会計制度の導入について
寺田企画部長の答弁
4 新公会計制度の導入について
高塚広義議員の質問(8)
4 新公会計制度の導入について
寺田企画部長の答弁
4 新公会計制度の導入について
高塚広義議員の質問(9)
5 生活困窮者対策について
石川市長の答弁
5 生活困窮者対策について
高塚広義議員の質問(10)
5 生活困窮者対策について
6 聴覚障害児に関する助成金について
休憩(正午)
再開(午後 0時59分)
岡部福祉部長の答弁
6 聴覚障害児に関する助成金について
高塚広義議員の質問(11)
6 聴覚障害児に関する助成金について
7 自治体スマートフォンアプリについて
寺田企画部長の答弁
7 自治体スマートフォンアプリについて
高塚広義議員の質問(12)
7 自治体スマートフォンアプリについて
8 AEDの活用について
藤田消防長の答弁
8 AEDの活用について
高塚広義議員の質問(13)
8 AEDの活用について
藤田消防長の答弁
8 AEDの活用について
高塚広義議員の質問(14)
8 AEDの活用について
阿部教育長の答弁
8 AEDの活用について
藤田消防長の答弁
8 AEDの活用について
高塚広義議員の質問(15)
8 AEDの活用について
阿部教育長の答弁
8 AEDの活用について
高塚広義議員の質問(16)
9 小・中学校の学習机について
木村教育委員会事務局長の答弁
9 小・中学校の学習机について
高塚広義議員の質問(17)
10 プレミアムつき地域商品券について
寺村経済部長の答弁
10 プレミアムつき地域商品券について
高塚広義議員の質問(18)
10 プレミアムつき地域商品券について
寺村経済部長の答弁
10 プレミアムつき地域商品券について
高塚広義議員の質問(19)
11 地域の市民要望について
(1) 国道11号新居浜バイパス
(2) 上部東西線の整備
(3) 県道金子中萩停車場線の拡幅
石川市長の答弁
11 地域の市民要望について
(1) 国道11号新居浜バイパス
原建設部長の答弁
11 地域の市民要望について
(2) 上部東西線の整備
(3) 県道金子中萩停車場線の拡幅
高塚広義議員の質問(20)
11 地域の市民要望について
篠原茂議員の質問(1)
1 地域経済の発展に向けた支援について
石川市長の答弁
1 地域経済の発展に向けた支援について
寺村経済部長の答弁
1 地域経済の発展に向けた支援について
休憩(午後 1時58分)
再開(午後 2時11分)
篠原茂議員の質問(2)
1 地域経済の発展に向けた支援について
石川市長の答弁
1 地域経済の発展に向けた支援について
篠原茂議員の質問(3)
1 地域経済の発展に向けた支援について
寺村経済部長の答弁
1 地域経済の発展に向けた支援について
篠原茂議員の質問(4)
1 地域経済の発展に向けた支援について
寺村経済部長の答弁
1 地域経済の発展に向けた支援について
篠原茂議員の質問(5)
2 生活困窮者の自立に向けた支援について
岡部福祉部長の答弁
2 生活困窮者の自立に向けた支援について
篠原茂議員の質問(6)
2 生活困窮者の自立に向けた支援について
岡部福祉部長の答弁
2 生活困窮者の自立に向けた支援について
篠原茂議員の質問(7)
3 あかがねミュージアムの管理運営について
阿部教育長の答弁
3 あかがねミュージアムの管理運営について
篠原茂議員の質問(8)
3 あかがねミュージアムの管理運営について
阿部教育長の答弁
3 あかがねミュージアムの管理運営について
散会(午後 3時03分)
本文
平成27年6月23日 (火曜日)
議事日程 第2号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
――――――――――――――――――――――
出席議員(26名)
1番 神野 恭多
2番 米谷 和之
3番 井谷 幸恵
4番 藤田 誠一
5番 田窪 秀道
6番 小野 辰夫
7番 太田 嘉一
8番 岩本 和強
9番 三浦 康司
10番 篠原 茂
11番 大條 雅久
12番 高塚 広義
13番 藤原 雅彦
14番 豊田 康志
15番 永易 英寿
16番 伊藤 謙司
17番 藤田 豊治
18番 藤田 幸正
19番 岡崎 溥
20番 伊藤 優子
21番 佐々木 文義
22番 真木 増次郎
23番 仙波 憲一
24番 近藤 司
25番 加藤 喜三男
26番 山本 健十郎
――――――――――――――――――――――
欠席議員
なし
――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
市長 石川 勝行
副市長 近藤 清孝
企画部長 寺田 政則
総務部長 藤田 佳之
福祉部長 岡部 嘉幸
市民部長 関 福生
環境部長 伊藤 公夫
経済部長 寺村 伸治
建設部長 原 一之
消防長 藤田 秀喜
水道局長 本田 陸治
教育長 阿部 義澄
教育委員会事務局長 木村 和則
監査委員 田中 洋次
選挙管理委員会事務局長 櫻木 俊彰
――――――――――――――――――――――
議会事務局職員出席者
事務局長 多田羅 弘
議事課長 原 正夫
議事課主幹 伊藤 裕敏
議事課副課長 上野 壮行
議事課副課長 松平 幸人
議事課調査係長 鈴木 今日子
議事課議事係長 美濃 有紀
議事課主任 中島 康治
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前10時00分開議
○議長(藤田豊治) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第2号のとおりであります。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(藤田豊治) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において田窪秀道議員及び小野辰夫議員を指名いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第2 一般質問
○議長(藤田豊治) 次に、日程第2、一般質問を行います。
この際、申し上げます。一般質問における各議員の発言は、それぞれの通告の時間以内となっておりますので、御了承願います。
順次質問を許します。まず、近藤司議員。
○24番(近藤司)(登壇) おはようございます。
自民クラブの近藤司でございます。今期最初の質問となりましたが、通告に従いまして質問を行いたいと思います。
まず最初に、地方創生と経済対策についてであります。
日本創成会議の人口減少問題検討分科会の推計では、地方から大都市圏への人口流入や少子化の進行によって約1,800の市町村のうち896の自治体が将来消滅すると言われています。国は、昨年12月、まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、人口減少問題の解決と経済対策に本格的な第一歩をスタートいたしました。新居浜市においても、人口が25年後の2040年には9万人を割ると言われており、人口減少対策や産業振興による雇用の創出が急がれます。
そこでまず、人口減少対策について伺います。
こどもの日を前に総務省がまとめた人口推計では、14歳以下の子供の数は34年連続で減少し、1,617万人となった。総人口に占める子供の割合も、過去最低の12.7%で、41年連続して低下したと発表しています。また、国立社会保障・人口問題研究所の平成24年1月の推計によると、現状の少子化が続けば、我が国の高齢化率は現在の23%から45年後の2060年に約40%に、さらに100年後の2110年には総人口は5,000万人を下回り、高齢化率は40%を超える。100年前の1911年、明治43年ごろの日本は、同様に人口は5,000万人程度であったが、この当時の高齢化率は5%程度であり、人口構造が大きく異なっている。少子化の流れを変え、人口減少に歯どめをかけることで、人口規模は安定的に推移し、年少人口比率が上昇すると言われています。新居浜市においても、昭和55年の13万2,339人をピークに人口が減少に転じ、減少スピードが加速しています。この流れに歯どめをかけるため、新居浜市では、今年中に人口ビジョン総合戦略を策定しようとしています。
そこでまず最初に、人口の自然増減についてお尋ねしたいと思います。
新居浜市では、人口の再生産力を示す20歳から39歳までの若年女性の人口が、2010年の1万2,890人から2040年には7,610人となり、41%減少すると言われています。国も長期ビジョンの中で、特に若い世代の結婚、出産、子育て支援の施策について提言しています。新居浜市においても、活力ある新居浜市を推進するためには、若年女性の人口を維持することが急務であり、結婚、出産、子育て支援につなげていかなければなりません。幸いにも、昨年5月に民間の出版会社が全国の20代から40代の主婦を対象に日常生活における幸福度調査を実施し、主婦が幸せに暮らせる街ランキングを決定いたしましたが、新居浜市は全国第9位に入っています。また、新居浜市の合計特殊出生率は、1.8人と全国平均の1.4人を大きく上回り、四国1位となっています。しかしながら、自然減少をなくすには、合計特殊出生率を2.07人まで引き上げなければなりません。そのためには、第2子、第3子を産み育てることのできる切れ目のない経済的支援や環境を他市に先駆けて整えるべきと考えますが、若年女性人口が大幅に減少傾向にあることへの対策と取り組みについて、まず市長の御所見をお伺いいたします。
重ねて、本市の結婚、出産、子育てに対する支援策についてもお伺いいたします。
次に、人口の社会増減についてであります。
新居浜市では、人口の自然減少に加えて、社会増減についても転出者が転入者を上回り、人口の社会減少が加速しています。国も地方への新しい人の流れをつくるため、地方移住の推進を図っており、6月4日には学識者らでつくる日本創成会議が東京圏の高齢者の地方移住促進を提言し、新居浜、松山の両圏域が候補に挙げられました。しかし、地方でも今後、後期高齢者が急増する傾向にあり、このような移住推進は、かえって地方の負担がふえ、両者の抜本的な解決とはなり得ないと思います。新居浜市において短期的な自然増が見込めない中、社会増対策が急がれます。本市の持続的な発展のために、今こそ若い世代の移住、定住促進への強力な取り組みが必要と考えますが、市長の御所見を伺いたいと思います。
次に、産業振興と雇用の創出について伺います。
今、地域では、自分たちが住む町の産業、歴史、文化を掘り起こし、個性のある住んでみたい、行ってみたいと思えるようなまちづくり、人づくりが求められています。今こそ地域の特性を先取りし、いかに構想を実現するかが問われています。
こうした中、新居浜市では、今年3月、今後の産業振興施策の展開指針を得ることを目的として、新居浜市地域経済構造分析調査報告書を取りまとめています。この報告書によりますと、市内の生産額は、県全体の1割に当たる1兆657億円で、約54%を製造業が占めるなど、住友グループを中心とするものづくり企業城下町の特徴が顕著となっています。移輸出入の差額も197億円の黒字となっており、地域経済の好調ぶりを裏づけています。市としては、この分析結果を本市の産業振興や雇用の創出、さらには定住人口の増加にいかに結びつけようとしているのか、お伺いいたします。特に、若年者の非正規雇用の割合は、依然として高く、雇用の不安定が結婚に当たっての壁となっているケースが多く、正規雇用の創出にどのように生かそうとしているのかについても伺いたいと思います。
次に、女性の就業についてであります。
6月発表の男女共同参画白書では、15歳から64歳の女性の就業率は、2014年平均で63.6%となり、この10年間で6.2%上昇している。潜在力としての女性の力は大きく、今後女性が家庭や地域、職場などで能力を発揮できる環境整備の推進が必要であるとしています。仕事と子育てを両立しやすい環境整備を推進することにより、若年女性の人口を維持すること、出生率の上昇にもつながると思いますが、本市の現状と今後の取り組みについて伺いたいと思います。
次に、国は、今年2月に当該地域に関係のある国の職員を選任し、相談窓口を設けて、地方創生の取り組みを積極的に支援する体制、いわゆる地方創生コンシェルジュ制度を構築しています。コンシェルジュとは、アドバイスという意味だそうですが、本市ではこの制度をどのように活用しようとしているのでしょうか。
また、地方創生関連の予算についても、いろいろなメニューが出てきていますが、いかに活用しているのかについてもお伺いいたします。
次に、安全・安心のまちづくりについてお尋ねいたします。
この30年以内に70%の確率で発生すると言われている南海トラフ巨大地震など大規模災害への対策、また近年多発している集中豪雨やゲリラ豪雨などによる浸水対策が急務となっています。
そこで、まず最初に、防災拠点施設の建設について伺います。
今年3月、新居浜市防災拠点施設建設基本計画が策定されました。この防災拠点施設は、防災体験や防災学習の場も兼ね備えた施設となっており、大規模災害発生時に円滑な対応ができるよう、早期に整備する必要があります。想定しているスケジュールでは、今年度基本設計、実施設計に着手し、平成28年度から郷土美術館、北消防署旧庁舎の解体並びに建設工事を開始し、平成30年度の供用開始に向けて取り組んでいくと伺っています。最近、公共施設の建設においては、本市の総合文化施設の建設に見られるように、入札不調、事業費不足、さらには工期の延長が多発しています。四国中央市の市民文化ホールの建設では、入札不調のため、市議会議員や市の部長級をメンバーとする検討会を設置し、現在、新設計策定に向けて議論していると伺っています。本市の防災拠点施設の建設費は、概算ではありますが、30億円から35億円と想定しており、設計業務委託費用や通信指令システム整備費用等、多額の別途費用も必要となります。今年度基本設計、実施設計を行うとのことでありますが、設計の段階での協議が大変重要であります。これから施設建設に向けて、種々の検討機関の設置や議会への説明等が必要と思いますが、今後のスケジュール等方針についてお伺いいたします。
次に、消防分署並びに消防団詰所の耐震化についてお尋ねいたします。
平成20年は、5月に中国四川省の大地震、国内でも6月に岩手・宮城地震、7月に岩手北部地震が発生し、多くの死傷者や被害が出た年でありました。私は、この年の9月議会で、防災対策上特に重要な消防本部庁舎や南消防署、川東分署の耐震性について質問し、耐震を満たしていないのであれば、早急に対応するよう求めました。その時点では、消防本部庁舎については、昭和56年施行の新耐震基準を満たしているが、その他の庁舎については、新耐震基準以前に建設されており、詳細な診断を行っていないことから、耐震性については確認できていないとの答弁でした。旧消防庁舎部分は、解体されて、今回建設される防災拠点施設の一部となる予定ですが、南消防署や川東分署の庁舎については、その後の耐震化計画はどのようなっているのでしょうか、お伺いいたします。
市内の消防団詰所の耐震化についても、別子山分団詰所など一部建てかえはしていますが、大多数の分団詰所は耐震診断もできていない状態と伺っています。巨大地震がいつ発生してもおかしくない状況の中で、消防分署や分団詰所が被災して機能不全に陥ることのないよう、早急に耐震診断を実施して、建てかえにするのか、改修工事で済ませるのかの判断をすべきであると考えます。今後の分団詰所の耐震化の方針についてもお伺いいたします。
次に、浸水対策について伺いたいと思います。
近年、集中豪雨やゲリラ豪雨が多発しており、都市化による保水力の低下もあって、新居浜市では毎年浸水被害が頻繁に起きています。公共下水道の浸水対策は、時間雨量53ミリメートルと設定して水路や施設の設計を行っていると聞いていますが、対応できない地域が多数出てきています。平成25年度末までの浸水対策の実績は、対策工事が必要な浸水面積の65%が整備完了済みとのことですが、今後も時間雨量53ミリメートルと設定して整備していくのでしょうか、お伺いいたします。
まちづくり校区懇談会でも、浸水対策に関して多数の要望があると聞いていますが、特に浸水が多発している箇所から雨水施設の整備をしていかなければならないのではないでしょうか。浸水箇所の現状と今後の対策についてお伺いいたします。
雨水施設の整備には、多額の費用と整備期間を要しますが、市民の安全、安心の面からも緊急の課題であります。公共下水道の認可区域拡大時にも、この点を考慮して見直しを行っていただきたいと思いますが、お伺いいたします。
また、雨水幹線の工事においては、水路にボックスを埋設して整備していますが、この工法だと排水する管断面も従来より広くとれると思います。道路も広げることができますので、今後雨水幹線だけでなく、枝線の整備においても同様の手法で整備していただきたいと考えますが、あわせて御所見を伺いたいと思います。
次に、空き家対策について質問いたします。
今年2月26日付で一部施行された空家等対策の推進に関する特別措置法が、5月26日付で全面施行されました。この全面施行により、倒壊や著しく有害となるおそれがある特定空家を自治体が決め、行政代執行による強制撤去ができるようになりました。市町村では、この特別措置法のもと、空家等対策計画を定めることになっており、新居浜市も現在、空家等対策計画の策定に向けて取り組んでいると伺っています。この特別措置法は、空き家の撤去や活用に一定程度の効果はあると思いますが、急激な人口減少で今後も大幅な空き家の増加が見込まれており、抜本的な解決に向けた対応が求められます。人口減少社会においては、撤去しても需要がない土地が多く、所有権を自治体に移すなど、都市計画と絡めた対策を検討する必要があると考えますが、今後の取り組みについて伺いたいと思います。
また、使用できる空き家を登録して、移住者らに情報を提供する空き家バンクの取り組みも有効だと考えます。現在、新居浜市では、若者世代を対象に定住促進奨励事業を行っています。空き家を有効に活用するため、若者、新婚、子育て世帯に家賃を補助し、入居を促す対策、さらには中古住宅取得時に奨励金を出すなどして、転入、定住を応援すべきだと考えますが、御所見を伺いたいと思います。
現在、準備中の空家等対策計画は、空き家の有効活用も含めた総合的な計画にすべきと考えますが、行政の今後の対応策と取り組みについてあわせて御所見を伺います。
愛媛県の空き家率は、全国ワースト2位と聞いていますが、県内で新居浜市の空き家率は、どの位置にあるのでしょうか。新居浜市の空き家の実態を踏まえた、空家等対策計画の公表時期についても伺いたいと思います。
以上で第1回目の質問を終わります。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) おはようございます。
近藤議員さんの御質問にお答えいたします。
地方創生と経済対策についてでございます。
まず、人口減少対策についてのうち、若年女性人口の減少対策についてでございます。
本市の若年女性人口は、近藤議員さんの御指摘のとおり、減少傾向が続いておりますが、今後そのスピードが加速すると予測されており、危機感を持って対応する必要がございます。その要因といたしましては、絶対数である出生数の減少に加え、市外の専門学校や大学等へ進学した若年女性が、そのまま市外で就職することなどが考えられております。その対策につきましては、中長期的な少子化対策に取り組むとともに、若年女性のU・I・Jターンを促進するため、女性が働きやすい環境づくりや本市企業の市外での合同就職説明会の開催、本市出身の大学生等に対する本市企業の採用情報の提供など、今後市内への就職を希望される若年女性と市内企業とのマッチング支援などの取り組みを強化する必要があると考えております。
次に、結婚、出産、子育てに対する支援策についてでございます。
まず、結婚支援の取り組みといたしましては、えひめ結婚支援センターが主催する会員制のお見合いシステム、愛結び事業の推進に協力を行うとともに、平成26年度から未婚の男女を対象として、出会いの場を提供する出会いサポート事業を開始しております。
次に、出産に対する支援策といたしましては、妊娠期の妊婦健診項目の充実や、健診費用の助成に加え、産科医等確保支援事業なども実施いたしております。また、不妊に悩む夫婦には、今年度から県内初の取り組みとして、人工授精の費用を助成する一般不妊治療助成事業を実施いたしております。
次に、子育てに対する支援策といたしましては、これまでの子ども医療費の助成拡充、エンゼルヘルパー派遣事業、内科・小児科急患センターの休日、夜間診療などに加え、今年度から新たに第3子目以降に係る保育園保育料の無料化の拡大及び幼稚園就園奨励補助の拡充や子育て家庭応援券の配布などにより、さらなる子育て支援の充実を図ることといたしております。
また、昨年度策定した新居浜市子ども・子育て支援事業計画に基づく総合的かつ計画的な子育て支援施策を着実に推進するとともに、本市総合戦略において、他市町にはない本市の実情を踏まえた独自の施策展開について現在検討を行っており、市民や各種団体からの提案もいただきながら、結婚、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援のさらなる推進に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、若い世代の移住、定住促進の取り組みについてでございます。
本市では、市外、県外からの子育て世代の転入促進を目的に、平成25年度から定住促進奨励事業を実施しており、この事業を利用して、2年間で45世帯、約130人の転入実績がございました。さらに、今年度からは、新たに移住相談窓口を設置し、移住希望者の相談を受け付けており、これまで3件の相談がございました。また、移住者を本市へ呼び込むためには、全国に向けて本市の魅力を積極的にPRすることが重要でありますので、本年4月から運用が開始されております国の移住者向け情報サイト、全国移住ナビにおいても、今後本市での仕事や住まい等の情報充実を図り、効果的な移住情報の提供に努めてまいります。
さらに、今年度は、移住希望者を対象に東京で開催される移住交流フェアへ初出展するとともに、新聞等のメディアも活用して、本市の魅力を発信してまいりたいと考えております。
今後におきましても、さらなる移住、定住促進に向けた効果的な施策について本市総合戦略策定の中で検討を行い、若い世代の定住人口の拡大に努めてまいります。
次に、産業振興と雇用創出についてでございます。
まず、新居浜市地域経済構造分析調査の結果を本市の産業振興等にいかに結びつけようとしているのかについてでございます。
地域経済構造分析調査につきましては、人口減少や少子高齢化など、地域経済を取り巻く社会環境が大きく変化する中、持続的な地域経済の発展を目指すには、地域経済の構造や循環性、各産業の地域における役割、産業間の関係性など地域経済全体の定量的な把握とその分析に基づく効果的な施策の検討が重要であるとの考えのもと、取り組みを進めてまいりました。今回の調査では、外貨、いわゆる地域外からマネーを獲得している産業や雇用に貢献している産業等の識別のほか、産業間相互の取引関係、市外との取引状況などを分析し、地域を支えている産業の把握とともに、地域経済の構造的特徴、課題等を整理いたしました。調査結果に基づく本市産業振興の方向性といたしましては、外貨の獲得と獲得資金の地域内循環による新たな需要や所得の再配分、雇用機会の創出を推進する地域経済の循環性の確保が最も重要と考えております。今後は、こうした視点を踏まえた本市総合戦略における経済関係施策の策定により、本市産業振興や雇用の創出、さらには定住促進に結びつけていきたいと考えております。
次に、若年者の正規雇用創出についてでございます。
非正規雇用につきましては、雇用の不安定、低賃金、能力開発機会の低さなど、さまざまな問題があります。特に、若年世代への影響は大きく、国が示すまち・ひと・しごと創生長期ビジョンにおいても、若い世代の結婚、子育ての希望の実現を図るためには、安定的な経済的基盤の確保が重要とされており、相応の収入や安定的な雇用形態、やりがいのある仕事といった、質を重視した雇用の確保が大きな課題であると考えております。本市では、正規雇用促進のため、企業立地促進奨励金制度や中小企業振興補助金制度において、正規従業員を雇用した事業者へ優遇措置を設け、さらに昨年度からは愛媛県の基金事業を活用し、経営基盤の強化や処遇改善を目指した地域人づくり事業を実施するなど、正規雇用につながる取り組みを進めております。現状といたしましては、新居浜市内では、平成27年3月新規学卒者の就職決定率は100%を達成しておりますが、今回の調査で分析、把握した新居浜市の基盤産業である製造業や新たな基盤産業の育成、裾野の拡大、多様化などにより、各産業の従業者数をふやすような取り組みを行うことで、さらなる雇用の促進につなげてまいりたいと考えております。
次に、女性の就業についてでございます。
仕事と子育ての両立しやすい環境整備を図る上では、事業所の理解促進は何よりも重要であるとの認識に立ち、その現状を把握するため、昨年度市内の従業員30人以上の事業所338社を対象に、職場環境等の実態を把握するための調査を行い、190社から回答を得ました。その調査結果を見ますと、10年前と比べ、結婚や出産を機に退職する女性は減少し、管理職等責任あるポストへの登用が進んでいることがわかりました。しかしながら、ワーク・ライフ・バランスについて言葉だけでなく内容まで知っていると答えた事業所は48%にとどまっております。また、男女がともに育児、介護しながら働くことについては、法律に基づく休業、休暇制度を設定している事業所は多いのですが、従業員への啓発周知や利用促進のための職場の雰囲気づくりは、まだまだ不十分であることがわかりました。
そのような結果を受け、昨年度はワーク・ライフ・バランスや女性活躍推進をテーマとした研修会を開催し、今年度は管理職の意識変革を促すイクボスについて講演会を開催することといたしております。
また、男女共同参画の視点に立ち、職場環境の変容を目指すために、コミュニケーションやタイムマネジメントに関する研修、ワーク・ライフ・バランスに向けた取り組みを実施しようとする事業所に対し、講師招聘に伴う経費支援などを行う男女共同参画推進事業所形成促進事業に取り組むことといたしております。
また、女性が輝くまちづくりを推進するためには、さまざまな立場の女性の声に耳を傾けることが重要であるとの観点から、今年度選挙人名簿から無作為に抽出した参加者で3回のワークショップを行う、女性討論会を開催することといたしております。地方創生の実現に向け、今後とも意見交換の拡充を図り、女性が働きやすく、子育てしやすい新居浜市になるよう努めてまいります。
次に、地方創生コンシェルジュ制度についてでございます。
現在、国においては、愛媛県を担当する地方創生コンシェルジュが42名任命されており、この4月と6月に私が上京の折、内閣府、総務省を訪問し、担当コンシェルジュに直接お会いして協力を依頼したところでございます。今後におきましても、地方創生に関する情報を提供いただいたり、本市総合戦略の策定に当たり、必要なアドバイスをいただくなど、本制度を積極的に活用してまいりたいと考えております。
次に、国の地方創生関連予算についてでございます。
地方創生関連予算といたしましては、地域住民生活等緊急支援のための交付金の上乗せ交付分がございます。この交付金は、一定の要件を備えた先駆的事業が対象となるタイプ1と、10月までに地方版総合戦略を策定した場合に対象となるタイプ2の2つのメニューに分かれております。このうちタイプ1については、事業の先駆性が求められること等に加え、事業の実質的な実施期間が3カ月程度となることなど、厳しい条件がございますが、活用につきまして現在庁内で検討を行っております。
また、タイプ2につきましては、10月までの総合戦略策定が対象となりますが、総合戦略は、今後の新居浜市の将来を左右する計画となりますことから、性急になることなく、年内を目標にじっくり腰を据えて策定してまいりたいと考えております。
次に、空き家対策についてのうち、空き家の有効活用についてでございます。
空き家の有効活用につきましては、国の総合戦略においても、人口減少等を踏まえた既存ストックのマネジメント強化の中で、空き家の利活用の推進や空き家物件に関する円滑な流通、マッチングの促進として位置づけられております。
このようなことから、近藤議員さんからいただきました御提案につきましても、貴重な御意見として受けとめ、本市総合戦略の策定の中で前向きに検討を行ってまいります。
以上申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足いたさせます。
○議長(藤田豊治) 補足答弁を求めます。関市民部長。
○市民部長(関福生)(登壇) 空き家対策について補足を申し上げます。
空家等対策計画の策定につきましては、今年度内に組織の見直しも含め、関係各課による庁内協議会において、関係分野ごとに計画の原案策定作業を行い、空家等対策の推進に関する特別措置法第7条で規定されております協議会で協議をしていただいた上、来年度早期に総合的な視点に立った計画を策定してまいります。
また、空家等対策計画の公表時期につきましては、同計画策定後、遅滞なく公表してまいりたいと考えております。
次に、新居浜市の空き家率につきましては、2013年住宅・土地統計調査によりますと15.9%となっております。県の空き家率が16.9%となっており、県内で今回結果が示されております15市町のうち9番目となっております。
○議長(藤田豊治) 伊藤環境部長。
○環境部長(伊藤公夫)(登壇) 浸水対策について補足を申し上げます。
公共下水道の雨水施設を整備する際の、1時間当たりの降水量を示す降雨強度は、本市の計画では、過去25年間の降雨統計を解析し、10年確率で53ミリメートルを採用しております。雨水施設の整備は、管渠断面も大きく、排水ポンプ施設も必要となるなど、多額の費用と整備期間を要することや近年の集中豪雨や都市化の進展もあり、近藤議員さん御指摘のとおり、未整備箇所も多く残っております。降雨強度については、現時点では現行の53ミリメートルを用いて雨水施設の整備を進めていく方針でありますが、環境の変化により雨の降り方が今までと異なっていることから、降雨状況や雨量データの収集に努めるとともに、これまで整備した雨水幹線や排水ポンプ場などの能力との整合も検証しながら、必要に応じて見直しを検討してまいります。
次に、浸水箇所の現状と今後の対策についてでございます。
近年は、これまで浸水のなかった地域でも、道路冠水や宅地の浸水が発生している現状から、まちづくり校区懇談会などにおきましても、下水道に関する要望は雨水対策が主となっております。公共下水道における浸水対策は、近藤議員さん御指摘のとおり、特に浸水が多発している箇所から優先的に雨水施設の整備を実施しておりまして、今後とも国の交付金等の予算確保に努め、未整備箇所の整備を推進してまいります。
次に、雨水施設整備を考慮した事業計画区域の拡大についてでございます。
現在の公共下水道事業計画区域は、平成24年3月に見直しを行い、平成29年度末を目標に整備を進めており、次期の事業計画変更は、平成29年度以降を予定いたしております。計画区域を拡大する際の考え方といたしましては、整備効率の観点から、住宅が密集した市街地周辺地区等が候補になると考えておりますが、こうした条件のほかに、浸水対策が急がれる地区も含めて選定してまいりたいと考えております。
次に、雨水整備手法についてでございます。
雨水管渠の設計に当たりましては、雨水排除に必要な断面を確保し、計画路線の地形や地下埋設物の状況等を考慮した上で、経済的な構造を決定する必要がございます。また、面整備を行う路線は、道路幅員も狭い道路が多いことから、整備後の車両等の通行も考慮しながら、地域の状況に応じた最適な構造を採用した整備に努めてまいります。
○議長(藤田豊治) 原建設部長。
○建設部長(原一之)(登壇) 空き家対策についてのうち、都市計画を絡めた対策について補足を申し上げます。
空き家対策につきましては、近藤議員さんのお話にありましたように、都市計画の観点からの対策も重要であると認識をいたしております。このようなことから、現在、改定中である新居浜市都市計画マスタープランにおきましても、新たに空き家・空き地対策を計画に位置づけ、まちづくりの観点からの対策を検討していくことといたしております。
○議長(藤田豊治) 藤田消防長。
○消防長(藤田秀喜)(登壇) 安全・安心のまちづくりについて補足を申し上げます。
まず、防災拠点施設の建設についてでございます。
本年3月に策定されました新居浜市防災拠点施設建設基本計画に基づき、現在、施設建設に向けて事業を進めているところでございます。建設予定地には、旧消防庁舎、水道局、公用車駐車場などさまざまな施設や設備があり、工事期間中にもこれらを使用しながら工事を進めなければならないこと、また工事ヤード等により公用車駐車場や駐輪場の代替場所の確保など、さまざまな課題が生じております。これらの状況を踏まえまして、庁内関係各課により構成されました新居浜市防災拠点施設建設に係る作業部会を立ち上げ、本計画が抱える諸課題等を精査し、基本設計及び実施設計の早期発注に向けて取り組んでおります。今後の建設スケジュール等につきましては、基本設計ができ上がった時点で、全体工程や建設事業費等が明らかになりますことから、改めて御説明いたします。遺漏のない施設建設に取り組むには、近藤議員さん御指摘のとおり、設計段階からの協議が大変重要でありますことから、基本設計の経過や疑義が生じた場合には、その都度作業部会において協議、検討し、随時議会へ御説明いたしたいと考えております。
次に、消防分署、消防団詰所の耐震化についてでございます。
公共施設耐震化計画に基づき、南消防庁舎及び川東分署庁舎につきましては、平成24年度に耐震2次診断を実施いたしました結果、適合と判断されております。消防団詰所につきましては、平成25年度に2施設の耐震診断及び耐震補強設計の入札を行いましたが、全国的な耐震補強工事の集中による業者不足や応札額の高騰により、入札が不調になりましたことは御承知のとおりでございます。全国では、大規模な施設の耐震診断が年内には収束に向かうと予想されますことから、次年度に向け、消防団詰所5施設の耐震診断及び耐震補強設計の予算措置を行ってまいります。
今後、消防団詰所の耐震化につきましては、耐震診断及び耐震補強設計の結果により、随時耐震補強工事を実施いたしますが、消防団詰所の機能が低下する場合には、建てかえ等も視野に入れ検討してまいりたいと考えております。
以上で補足を終わります。
○議長(藤田豊治) 再質問はありませんか。近藤司議員。
○24番(近藤司)(登壇) それでは、数点再質問を行いたいと思います。
まず最初に、地方創生と経済対策についてのところで、新居浜市地域経済構造分析調査の結果を新居浜市の産業振興や定住人口の増加にどのように活用するのかと質問いたしましたが、その答弁として、持続的な地域経済の発展を目指すには、地域経済の構造や循環性、各産業の地域における役割、産業間の関係性など地域経済全体の定量的な把握とその分析に基づく効果的な施策の検討が重要との考えのもと取り組みを進めてきた。調査の結果に基づく本市産業振興の方向性としては、外貨の獲得と獲得資金の地域内循環による新たな需要や所得の再配分、雇用機会の創出を推進する地域経済の循環性の確保が最も重要であるなど、非常に一般市民にわかりにくい抽象的な文言となっております。もう一度具体的にわかりやすく答弁していただきたいと思います。例えば、今回の報告書の中で、通勤流入によって昼間人口が多くなっているため、市内定住の対象になるとのことでありますが、市内への転入、定住を促進するための方策について、さらには市内生産額の約50%を占めている住友関連企業への効果的な施策や、新分野の取り組みにこの資料をどのように生かそうとしているのかについてもお示し願いたいと思います。
次に、国においては、地方公共団体の総合戦略策定を支援するために、地域経済分析システムを提供するとのことでありますが、この国が開発したシステムと本市が策定した地域経済構造分析調査との違い、本システムの活用方法についてもわかりやすく説明していただきたいと思います。
2点目、防災拠点施設の建設について再質問をいたします。
先ほどの答弁で、庁内に新居浜市防災拠点施設建設に係る作業部会を立ち上げ、基本設計及び実施設計の早期発注に向けて取り組んでおりますとのことでしたが、発注の時期、入札方法、その他の協議会等の設置について再度質問をいたしたいと思います。
また、今年1月に東大阪市の高機能消防指令センターや防災学習センターを併設した消防総合庁舎の視察研修に行ってまいりましたが、同庁舎は、PFI方式、いわゆる民設公営で事業を行っており、トータルコストで最も安く整備できると説明を受けましたが、本市の防災拠点施設の建設でも、このPFI方式について検討すべきだと考えますが、御所見を伺いたいと思います。
次に、消防団詰所の耐震化についてであります。
平成28年度、消防団詰所5施設の耐震診断及び耐震補強設計の予算措置を行うとのことでありますが、5施設全部単年度で本当にできるのかどうか、確認をいたしたいと思います。
また、この5施設は、どことどこなのかをお示しいただきたいと思います。
3点目、空家等対策計画についてでありますが、公表の時期が平成28年度の予定であるとのことでありますが、特定空家は、地震や台風などで倒壊が懸念され、景観や防犯上も問題となっております。できるだけ早く実施できるようにすべきと考えます。今年度中にこの計画書を策定していただきたいと思いますが、お伺いをいたしたいと思います。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 近藤議員さんの再質問にお答えいたします。
産業振興や定住人口の増加に向けての活用策についてでございますが、持続的な地域経済の発展を目指すためには、地域経済全体を定量的な把握、すなわち地域内外における人、物、マネーの流れを数値の変化により把握し、その分析に基づき効果的な施策の検討を行う必要があると考えております。新居浜市が目指す方向性といたしましては、まず外貨の獲得として、地域外からのマネーを獲得できる産業、すなわち地域外への販売が地域外からの購入を上回るような産業である製造業や新たな地域外マネー獲得産業の拡大を目指すことでございます。さらに、地域内の循環については、現在、市外から調達しているものを市内での調達に変更し、地域内の調達率の向上を図ることで市内の経済が活性化され、その結果として、需要や所得の再配分、雇用機会の創出など、地域内の循環につながるものと考えております。
2つ目の市内への転入、定住を促進する方策についてでございます。
近藤議員さん御指摘のとおり、平成22年度の国勢調査によりますと、本市の昼間人口は、定住人口に比べ約2,500人多くなっております。このようなことを踏まえまして、市外から市内へ通勤される若年の方に市内へ定住していただくことを目的に、平成25年度に定住促進奨励事業を開始したところでございます。また、今年度から、市外出身者を採用し、住宅手当を支給する市内企業に対して支援を行う中小企業等住宅環境整備支援事業を新たに開始したところでもございます。今後におきましては、現在実施しております市外から通勤されている方へのアンケート調査も分析し、求められるニーズを把握した上で、効果的な施策を検討してまいりたいと考えております。
次に、住友企業への効果的な施策や新分野への取り組みについてどのように生かしていくのかについてでございますが、今回の調査では、住友関連企業が属する産業部門は、地域経済において域外マネーを獲得する基盤産業であり、生産そのものにとどまらず、生産波及効果や従業員の消費等を含め、地域経済への影響度が非常に高いことが把握されております。こうしたことから、住友関連企業への生産活動に対する支援や企業留置策の積極的な検討はもちろんでございますが、中小企業などを含めた地域の各産業とのさらなるマッチングを推進し、地域における波及効果や資金循環の拡大を図ってまいります。
また、新分野への取り組み支援につきましても、地域産業の多様化や地域における新たな基盤産業の裾野拡大など、地域経済の持続的な循環性の確保に向けた重要なポイントとの認識のもと、その取り組みも進めてまいりたいと考えております。
次に、国の地域経済分析システムと本市の地域経済構造分析調査の違いと活用方法についてでございます。
国の地域経済分析システムは、地方公共団体における総合戦略の立案、実行、検証を支援するため、国から提供されたものであり、企業間取引や人の流れ、人口動態等の地域経済に関するさまざまなビッグデータから構成されております。
また、本市の地域経済構造分析については、市内事業所アンケートや各種統計指標により作成した新居浜市産業連関表をもとに、地域経済の構造的特徴や地域外との取引関係等を分析したものでございます。いずれも本市総合戦略の策定において、本市の地域特性を明らかにする有効なツールではございますが、地域経済分析システムは、産業、人口、観光、自治体の4つのメニューから構成されており、産業振興以外の視点も含め、本市の現状を分析することが可能であるのに対し、新居浜市の地域経済構造分析は、産業連関表を活用することによって、本市経済取引の実態を明らかにし、より産業振興に特化した分析を行っている点が両者の違いであると考えております。
次に、国の地域経済分析システムの活用方法についてでございますが、現在このシステムを活用し、本市産業を支える地域中核企業の抽出や将来の人口構成、人口の流入、流出等の分析を行っており、今後その結果に基づき、より効果的な産業振興施策や定住人口の増加策を立案したいと考えているところでございます。
以上でございます。
○議長(藤田豊治) 補足答弁を求めます。関市民部長。
○市民部長(関福生)(登壇) 近藤議員さんの再質問にお答えいたします。
空家等対策計画の策定時期がなぜ平成28年度になるのか、今年度にならないかという点でございます。
空家等対策の推進に関する特別措置法に規定されております空家等対策計画には、組織体制、窓口連絡先等を明示する必要がございます。今後、そういったものを協議した上で、組織機構の改組が確定した後、来年度に公表したいと考えております。
また、今年度実施したいと考えております空き家等の詳細調査の結果により判断を求められる特定空家等の措置についても記載する必要がございますことから、来年度できる限り早期に策定に努めてまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 藤田消防長。
○消防長(藤田秀喜)(登壇) 近藤議員さんの再質問にお答えいたします。
基本設計、実施設計の発注時期、入札方法、その他の協議会の設置についてでございます。
まず、基本設計、実施設計の発注時期につきましては、事業者の募集についての公告を7月に行い、9月に事業者を選定し、設計業務の委託契約を締結する予定でございます。事業者の選定につきましては、公募型プロポーザル方式にて決定したいと考えております。
次に、その他の協議会等の設置につきましては、新たな設置については現在考えてございませんが、先ほどお答えいたしました新居浜市防災拠点施設建設に係る作業部会におきまして全ての工事が完了するまでの間、協議、検討を行いながら施設建設に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、PFI方式についての検討についてでございます。
近藤議員さん御指摘のとおり、PFI事業方式につきましては、民間の資金や経営ノウハウ、事業等を活用することにより、事業費の削減や質のよい公共サービスが期待できるメリットはございます。しかしながら、本市におきましては、新居浜市防災拠点施設建設基本計画に基づき事業を進めておりますことから、PFI事業方式の導入には至っておりません。
次に、消防団詰所の耐震化についてでございます。
消防団詰所の耐震診断及び補強設計につきましては、本市の公共施設耐震化計画におくれが生じておりますことから、平成28年度に5施設の一括した実施に向け、関係部局と協議を進めてまいります。対象の5施設につきましては、新居浜西、金子西、神郷、多喜浜、泉川の各消防団詰所でございます。
○議長(藤田豊治) 再質問はありませんか。近藤議員。
○24番(近藤司)(登壇) 時間が余りありませんので、最後に要望をいたしたいと思います。
今回の質問では、新居浜市の人口減少対策を中心に問題提起してまいりました。20歳から39歳の若年女性が、本市では25年後の2040年には約40%減少すると言われており、50%以上減少する自治体は、消滅するとも言われています。若い女性をいかに新居浜にとどめるか、そして結婚、出産につなげ、若い子育て世帯が少なくとも2人以上の子供を持てるような子育て支援が本市の最重要課題になってくると思います。この問題は、一朝一夕では達成できませんが、今から早急に取り組まなければならない課題であります。昨年、主婦が幸せに暮らせる街調査で全国第9位となりましたが、全国第1位を目指して頑張っていただきたいと思います。そのためには、子育てしやすい環境の整備や女性を含む若者の雇用対策、特に正規雇用の創出が大きな要因になってくると考えます。そして、私たちの子供や孫たちが、ふるさと新居浜に住んでよかった、これからも住み続けたいと感じることができる活力ある新居浜市をつくっていくために、独自で常にタイムリーな施策を打ち出していただきますよう、要望をいたしまして、今回の質問を終わります。
○議長(藤田豊治) この際、暫時休憩いたします。
午前11時07分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前11時18分再開
○議長(藤田豊治) 休憩前に引き続き会議を開きます。
高塚広義議員。
○12番(高塚広義)(登壇) おはようございます。
公明党議員団の高塚広義です。通告に従い質問させていただきます。御答弁をよろしくお願いいたします。
初めに、18歳選挙権についてお伺いいたします。
選挙権年齢を現在の20歳以上から18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が17日の参議院本会議にて全会一致で可決成立いたしました。1945年に25歳以上から現行の20歳以上に変更されて以来、70年ぶりの引き下げとなりました。来年夏の参議院選挙から適用されると見られ、これまで選挙権がなかった18歳から19歳の約240万人の若者が新たに有権者となります。少子高齢化が進み、膨らみ続ける社会保障のコストを負担するのは若い人たちです。その若者たちが、有権者として政治の選択に加わる意義は大きいと考えます。しかし、最近の選挙の投票率は低調であるのが現状です。特に、若年層での低い投票率が目立っております。2014年の衆議院選挙では、20歳代の投票率は32.6%で、平均の52.7%を大きく下回っております。18歳選挙権が実現すれば、高校在学時に投票するケースも想定されます。若者が政治に関心を持ち、国や地域の問題を主体的に考え、行動するようになる主権者教育を充実させる必要があります。
そこで、お伺いいたします。
1点目、一般市民も含めた18歳選挙権の広報啓発について、本市としてどのように取り組んでいくのか。2点目、若い世代に国政や地方自治への関心を持ってもらい、投票行動につなげるために、小中学校及び高校などの教育現場において主権者教育が重要になってまいります。一方、教育現場では、教育の中立性を最重要としてきましたが、今回の選挙権の引き下げに伴って、文部科学省は緩和に向けた何らかの通達を出す予定とも聞いております。
そこで、お伺いします。
本市の主権者教育の現状と課題、また必要性について御見解をお伺いします。
また、若者の投票率を上げる意味でも、旧新居浜市において期日前投票所を現状の新居浜市役所の1会場だけでなく、上部と川東地域に各1会場ふやすべきであると考えますが、御所見をお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 高塚議員さんの御質問にお答えいたします。
18歳選挙権についてのうち、主権者教育の現状と課題についてでございます。
現在、小学校学習指導要領の社会科では、国会などの議会政治や選挙の意味について国会と内閣と裁判所の三権相互の関連の中で、政治は国民生活の安定と向上を図るために大切な働きをしていることの重要性が示されております。中学校学習指導要領の社会科の公民的分野の中では、選挙の意義について、議会制民主主義を支えるものであることを理解させ、良識ある主権者として主体的に政治に参加することの意義の大切さが示されています。教育基本法では、政治教育は、政治的に中立であることが規定されております。選挙権年齢の引き下げが実施されることになり、政治的中立性を確保した上で、小中学生の段階から、自分が社会の一員であり、主権者であるという自覚を持たせるとともに、社会参画の力を育む教育が非常に重要であると認識しております。今年の秋ごろには、文部科学省が、選挙の意義や制度の解説、模擬投票の実践例などを載せた政治教育の副教材を高校生に配布するとの報道もあります。今後は、国の動向や提供される教材等を参考に、学校現場におきましては、子供たちが社会の中で自立し、他者と連携、協働しながら生涯にわたって生き抜く力や地域の課題解決を主体的に担うことのできる力を身につけられるように、社会の多様な課題に対応した教育の推進を図ってまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 櫻木選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(櫻木俊彰)(登壇) 18歳選挙権のうち、広報啓発についてお答えいたします。
若者が政治に関心を持ち、投票に参加することは、非常に重要なことと認識しております。若年層の投票率低下が問題となっている中での選挙権年齢引き下げの法改正となりますことから、本市におきましても、これを若年層世代全体への選挙意識向上の機会と捉えているところでございます。
まず、現在行っております新成人向けの選挙啓発冊子の送付につきましては、来年の法施行時期にあわせ、送付対象者を18歳までに拡大し、生まれて初めてとなる選挙について、自身で考え、大切な1票を行使することのきっかけとなるよう実施してまいります。また、新居浜市公式フェイスブックへの選挙情報の掲載につきましても、選挙時だけではなく、身近な情報を平常時より提供することで、多くの利用者層とされる10代後半から40代前後の有権者への働きかけを強化してまいります。そのほか、愛媛県選挙管理委員会と共催で、市内高等学校での選挙啓発講座を予定しております。実際に教育現場における主権者教育の重要性も踏まえ、国、県の動向を見ながら、各学校と連携した取り組みが行えるよう、調査検討してまいります。
次に、期日前投票所の上部、川東地区への増設についてでございます。
複数の期日前投票所を設置するためには、複数の期日前投票所ごとに投票管理者、立会人のほか、選挙の法的な専門知識を持った職員の配置が不可欠でございますが、現在の人員、体制では対応はなかなか困難と判断しております。しかしながら、若年層の投票率向上のための対策の重要性が高まりつつある中、期日前投票所の増設の有効性は十分認識をしておりますことから、さまざまな対応方法を検討してまいります。
○議長(藤田豊治) 高塚広義議員。
○12番(高塚広義)(登壇) 学校での主権者教育の一環として、出前授業とか模擬投票などを通して、より児童生徒が選挙に関して身近に感じるような、また関心を持つような主権者教育を行ってみてはどうかと思いますが、所見をお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 高塚議員さんの再質問にお答えいたします。
小中学校においての模擬投票、主権者教育のことだと思います。平成26年度の授業等においての模擬選挙を実施した学校は、小学校で1校、中学校で5校の計6校となっています。平成27年度、本年度模擬投票等を予定している学校は、小学校1校、中学校4校の計5校が現在予定をしているという報告を聞いています。
○議長(藤田豊治) 高塚広義議員。
○12番(高塚広義)(登壇) 次の質問に移ります。
5月26日に空家対策特別措置法が全面施行されました。人口減や超高齢化の進行で空き家は増加し、全国の住宅の約14%に当たる820万戸に上っております。今後さらに増加を続ける可能性が高く、空き家を放置すれば家屋の倒壊の危険性や防災、防犯面での不安、放置された庭木の道路、隣家へのせり出しなど、さまざまな面で地域環境に問題をもたらす可能性が高く、市町村の積極的な取り組みを求める市民の声も空き家数の増加とともに年々高まっています。新居浜市においても、空き家等の対策を総合的かつ計画的に実施するため、関係部局及び機関の連携による協議会を設置し協議を図っておりますが、いまだ抜本的な対策を打ち出せている状況には至っておりません。今回の空家対策特別措置法では、市が勧告や行政代執行ができる対象となる建物の判断基準が示されるとともに、市の判断で固定資産税の減免措置を打ち切ることができるようになるなど、新たな対策も講じられた中で、市として今後どのような実効性のある取り組みを進めようとされているのか、お伺いします。
また、空き家対策として、解体する手法だけでなく、利用価値のある空き家の有効活用も進める必要があります。空き家バンク制度を実施する自治体も少なくない中で、新居浜市においても、積極的に実施すべきと考えますが、御見解をお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 空き家対策のうち、空き家バンクについてお答えいたします。
空き家バンクは、防災や環境改善という効果に加え、空き家の有効活用による都市部からの移住促進という相乗効果も生み出す大変有効な制度であり、国の総合戦略においても、空き家の利活用の推進や流通、マッチングの促進が位置づけられております。このようなことから、今後本市における住宅ストックの需給状況や先進地における取り組み状況等を踏まえまして、今年度策定いたします本市総合戦略の中で検討を行ってまいります。
以上申し上げましたが、他の点については補足いたさせます。
○議長(藤田豊治) 関市民部長。
○市民部長(関福生)(登壇) 空き家対策についてのうち、市の実効性のある取り組みについて補足いたします。
現在、新居浜市の空き家等対策を推進するために、関係部局の連携体制について議論を重ねておるところでございます。組織機構の見直しも含め検討し、国の基本指針に対応できるよう、各部局の役割分担、組織体制、窓口連絡先などを明確化してまいります。今後の取り組みといたしましては、現在のところ、市では特定空家等の除去における補助事業を実施しておりませんが、国、県の補助事業の活用を図り、空き家等の除去支援施策を検討してまいりたいと考えております。
また、法の施行により、特定空家等が建っていた場合、住宅用地の特例が適用されなくなり、土地の税額が軽減されなくなる場合がございますことを所有者に限らず地域住民に周知してまいりたいと考えております。
さらに、管理不全の空き家等についての詳細な調査を実施し、調査後は地域との連携により、継続的に情報収集を行い、行政のみならず、自治会を初めとする地域住民の御協力をいただきながら、発生、増加抑制を徹底し、空き家等対策の充実を図ってまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 高塚広義議員。
○12番(高塚広義)(登壇) 先ほどの答弁にもあったんですけど、空き家の所有者についてなんですけど、新居浜市以外の遠隔地に住んでいるなど、さまざまな事情で空き家の維持管理や処分、利活用の方法に悩んでいる人も多いと思います。
そこで、空き家を減らすためにも、こうした人たちの相談とか周辺住民の苦情に応じる体制の整備、さらにNPOや民間会社でも空き家の管理などで草刈りや部屋の風通し、また定期的な巡回などを請け負うところがあると聞いております。そういったNPOとか企業の紹介業務など、自治体で行う必要もあると考えますが、御見解をお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。関市民部長。
○市民部長(関福生)(登壇) 高塚議員さんの再質問にお答えいたします。
今後、市の計画の中で、総合的、計画的にそういうふうな内容について明示してまいりたいと考えております。今後、より一層協議を深めまして、協議会の設置等の中でも、その議論を深め、対応してまいりたいと思っております。
○議長(藤田豊治) 高塚広義議員。
○12番(高塚広義)(登壇) それでは次に、マイナンバー制度についてお伺いいたします。
社会保障給付や納税に関する情報を一元的に把握するため、全国民に番号を割り当てるマイナンバー(共通番号)制度の関連法が5月24日成立しました。新制度は、2016年1月に運用が開始されます。番号の用途は、当面、年金、介護といった社会保障や税、災害対策などの公的分野に限られます。制度導入により、市町村や税務署、日本年金機構などに分散管理されている情報を、一つの番号で集約できるようになります。徴税や社会保障給付の事務が、効率化され、行政コストの削減につながるほか、自力で出歩くことが難しい要介護者などの名簿を作成しておけば、災害時の避難支援にも生かせることができます。2015年10月には、国民に対して番号が通知され、希望者には市町村が顔写真入りの個人番号カードが交付されます。年金受給申請といった行政手続の際にカードを提示すれば、住民票などが不要になります。2017年にはインターネット上で自己情報や行政からの通知を閲覧できるマイポータルが開設される予定です。
一方、個人情報流出などの懸念があることから、第三者機関を新設し、番号を扱う国や自治体などの管理体制を監視する必要があることも事実です。
そこで、自治体として、準備や検討が必要な事項についてお伺いします。
1点目、マイナンバーの円滑な導入に向けて、まず市民への周知が重要になってまいりますが、どのように周知されますか。また、このマイナンバーが、市民生活にとって、どのようなメリットがあるかなどをどのように啓発されますか。2点目、今後マイナンバーには、多くの個人情報なども付加されていくようですが、個人情報のセキュリティー漏えい対策についてどのように取り組もうとされていますか、お伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) マイナンバー制度についてお答えいたします。
まず、市民へのマイナンバー制度の周知とメリットの啓発についてでございます。
マイナンバー制度の導入により、国や地方公共団体で分散管理する情報の連携がスムーズになり、市民生活にさまざまなメリットをもたらします。例えば、所得や他の行政サービスの受給状況が把握しやすくなり、税や社会保障の負担を不当に免れることや不正受給の防止に役立ち、本当に困っている方へのきめ細やかな支援が可能となります。また、年金や福祉などの申請時に課税証明書などの添付資料が省略できるケースも出てくるなど、市民の負担軽減、利便性の向上が実現します。さらには、被災者台帳の作成などにマイナンバーを活用することで、迅速な行政支援が期待できるなど、市民の行政ニーズにこれまで以上に対応できるようになります。マイナンバー制度の周知、啓発につきましては、国や県ではテレビやラジオなどの広報番組等を通じて広報を行うほか、本市におきましても、引き続きマイナンバー特集記事の市政だよりへの掲載や出前講座の開催等を通じ、マイナンバー制度の趣旨や内容、メリットを市民の皆さんにわかりやすく説明し、制度の周知、啓発に努めてまいります。
次に、個人情報のセキュリティー漏えい対策についてでございます。
マイナンバー制度では、制度、システムの両面からさまざまな安全策を講じております。制度面では、マイナンバーを用いた手続では、厳格な本人確認を義務づけるとともに、マイナンバー法の規定に定められる事務以外での特定個人情報ファイルの取り扱いが禁止されております。また、マイナンバーの取り扱いに関しましては、第三者委員会である特定個人情報保護委員会による監視、監督が行われ、故意にマイナンバーつきの個人情報ファイルを提供した場合などは、重い罰則も適用される仕組みとなっております。システム面では、個人情報は国が一元管理するのではなく、各機関で分散して管理することで、大量の情報が漏えいする等の重大な問題が発生しない仕組みとなっております。本市におきましても、マイナンバー法の規定を遵守するとともに、改めましてセキュリティー対策の再確認やセキュリティー研修等の教育を行い、個人情報のセキュリティー漏えい対策を徹底し、安全な運用を進めてまいります。
○議長(藤田豊治) 高塚広義議員。
○12番(高塚広義)(登壇) 1点お伺いします。
認知症などで施設に入所している高齢者、あとDVやストーカーの被害者など、住民票を残したまま、この新居浜市以外に避難している市民もおられると思います。このような状況の方に対して、どのようにマイナンバー制度の周知をされるのか、お伺いいたします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 高塚議員さんの再質問にお答えいたします。
認知症等で施設等に入られている方に対しましては、もちろんその施設を通しまして、その方にあるいは御家族の方に十分説明する以外にはないんじゃないかと考えております。
○議長(藤田豊治) 高塚広義議員。
○12番(高塚広義)(登壇) あと要望としてですけど、マイナンバー制度を周知されるときに、あわせて先ほど言われたようなセキュリティー漏えい対策を具体的にこう実施しているんだということも明記していただきたいと思います。
それでは次に、新公会計制度の導入についてお伺いします。
総務省は、全国の自治体に、2017年度までの3年間でICT、情報通信技術を活用した固定資産台帳の整備と複式簿記の導入を求める通知を出しました。あわせて、財務書類の作成手順や活用方法を統一的基準で示した、地方公会計マニュアルも公表しました。今後、多くの自治体が採用している現金の増減のみを記録する現金主義、単式簿記が、取引の発生ごとに記録する発生主義、複式簿記に移行することが期待されております。公会計制度の改革は、財政運営の透明化を実現し、行財政に対する住民の信頼感を高めることにもつながるとされております。
そこで、1点目、新居浜市における公会計の現状と新公会計に移行することで今後どのような効果があると認識されているのか。2点目、今後の対応について。3点目、国からは検証機能が十分生かされるよう、使える公会計を目指して随時応用編が示されると伺っております。また、固定資産台帳を公開することで、民間企業からPPP、官民パートナーシップに関する積極的な提案がなされることも期待されております。
そこで、職員への十分な研修が必要となってまいります。本市の現状と課題についてお伺いします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。寺田企画部長。
○企画部長(寺田政則)(登壇) 新公会計制度の導入についてお答えいたします。
地方公会計の整備につきましては、平成18年度に総務省から基準モデルと総務省方式改訂モデルが示され、本市では現在多くの自治体が採用しております総務省方式改訂モデルによって財務書類を作成しているところでございます。しかしながら、全国的に見て、固定資産台帳の整備につながっていないことや複数の作成方式があることによって、他団体との比較ができないなど、作成基準のあり方が課題となっておりましたことから、本年1月に総務大臣から統一的な基準による地方公会計の整備促進についての通知がございました。平成29年度までに固定資産台帳の整備と複式簿記の導入を前提とした統一的な基準による財務書類の作成を要請されたところであり、あわせてマニュアルが公表され、地方公会計の推進に関する方向性が示されたところでございます。現在の予算、決算に基づく単式簿記による現金主義会計におきましては、現金の収支という客観的な事実に基づいて会計処理を行いますので、公金の適切な出納管理に資する会計となっております。しかしながら、減価償却費といった現金収支を伴わないコスト情報の把握ができないため、現金主義会計に加えて、複式簿記による発生主義会計を取り入れることにより、今まで把握できなかったコスト情報の見える化を進めるものであり、事業別、施設別に分析を行うなど、財務書類を活用することで、限られた財源を賢く使うことにもつながるものと期待をいたしております。今後、9月をめどに総務省から標準的なシステムが提供される予定であり、庁内において推進組織を設置し、公有財産台帳や道路台帳等の法定台帳をもとに固定資産台帳の整備を行い、平成29年度中の統一的な財務書類の公表に向けて取り組みを進めてまいります。
また、財務書類の作成過程を通じまして、職員全体に発生主義会計の考え方を啓発し、これまで余り意識することのなかった減価償却などの考え方も取り入れることで、コスト意識の向上につなげるとともに、高塚議員さん御指摘の職員研修につきましても、予算編成や行政評価への活用につながる研修の実施により、使える公会計を目指し、今後適切に対応してまいりたいと考えております。
○議長(藤田豊治) 高塚広義議員。
○12番(高塚広義)(登壇) この制度を導入することがゴールではなく、今後の行政にどう生かしていくのかが問われておると思います。職員一人一人のコスト意識が高まるよう、新たな視点で改革に取り組むべきであると考えますが、何か御所見ありましたらお願いいたします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。寺田企画部長。
○企画部長(寺田政則)(登壇) 高塚議員さんの再質問にお答えいたします。
先ほど答弁でも申し上げましたが、現在まで現金主義会計、これは一定の基準の成果があったというふうに考えておりますが、今後人口減少社会を迎えまして、例えば公共施設の再配置、複合化と、そういったものを考える場合に、こういう公会計を取り入れた複式簿記の考え方の中でいわゆるコスト意識を捉えて、そういった問題に対応していくという職員の意識改革が非常に重要であるというふうに考えておりますので、積極的にその職員研修についても取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○議長(藤田豊治) 高塚広義議員。
○12番(高塚広義)(登壇) 次に、生活困窮者対策についてお伺いいたします。
公明党が成立に全力で取り組んできた生活困窮者自立支援法が4月から施行されました。さまざまな理由で生活に窮する人たちの相談を自治体が幅広く受け入れ、就労など生活保護に至る前の段階で早期に自立に必要なサービスにつなげていくのが生活困窮者自立支援制度です。本当に困っている人ほど社会的に孤立し、窓口を訪れないケースが少なくありません。この支援制度では、総合相談窓口を設置し、生活困窮者ごとの支援計画を策定することが必須事業として自治体に義務づけられています。ほかに任意事業として、家計に関する相談、指導を独自に行っている自治体や、ひきこもりの人などを対象に就労訓練の場を地域のNPOなどと協力して提供している自治体もあります。また、貧困の連鎖を防ぐためには、生活困窮家庭の子供への学習支援なども行えるなど、きめ細かく対応できる多様な支援メニューの準備が必要です。NPOなども含めた既存の仕組みや福祉サービスをつなぎ、生活困窮者の支援にかかわっている人たちを結びつけるコーディネート機能が制度の核心部分になり、その役割を担う人材の育成が鍵になります。この支援制度は、生活保護に陥る手前のセーフティーネットとして、本市としても全庁的に推進していく必要があります。
そこで、本市の生活困窮者自立支援制度について、相談体制や各課との連携、また市民への周知の取り組みについてお聞かせください。先進地の滋賀県野洲市では、市役所に設置された窓口が、生活相談を一手に引き受け、住民税の滞納状況などの行政情報をもとに、生活困窮者の早期発見につなげております。また、秋田県藤里町では、社会福祉協議会が住民に対し戸別訪問したところ、ひきこもりの人が113人に上ることが判明。そこから一般就労につなげる取り組みを推進しているとのことです。このように、相談者が窓口に来るのを待つだけでなく、アウトリーチ、すなわち訪問支援を推進していくことが重要だと考えます。この点について御見解をお伺いいたします。
○議長(藤田豊治) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 生活困窮者対策についてお答えいたします。
まず、本市の相談体制についてでございます。
生活困窮者自立支援事業は、相談者の就労を初めとするさまざまな生活に関する問題の解決に向けた調整等を行う業務で、高い公益性や専門性が必要とされますことから、市の生活福祉課に自立支援係を設置するとともに、相談支援業務を新居浜市社会福祉協議会に委託し、市と社会福祉協議会が一体となった体制で事業を推進していくこととしております。社会福祉協議会では、権利擁護課を新設し、配置要件となっている主任相談支援員、相談支援員、就労支援員を配置し、これまでの権利擁護事業や貸付事業と連携した取り組みを行っております。各課との連携につきましては、相談者が抱いている問題に対し、最も有効な支援ができるよう、生活福祉課が中心となって、市の関係各課との連携を行うことといたしております。
また、市の関係各課と、ハローワーク等の外部の関係機関や団体で構成する支援調整会議を設置し、情報の提供、共有を行うなど、連携強化とネットワークの拡大を図っていくことといたしております。
市民への周知については、市ホームページへの掲載のほか、市政だより、社会福祉協議会が発行しております社協だよりで広報を行い、周知に努めているところでございます。また、今年度に民生児童委員協議会において、生活困窮者自立支援法の研修会を開催していただくことになっており、地域での生活困窮者の実態把握や市民への周知にもつながるものと考えております。
次に、アウトリーチ、訪問支援の推進についてでございます。
生活保護に至る前の段階で早期に支援が必要であるにもかかわらず、相談窓口に出向いてこられない生活困窮者の存在もありますことから、アウトリーチ、訪問支援は大変重要であると認識をいたしております。4月に事業を開始したところで、実績はございませんが、今後におきましては、支援調整会議等での情報収集や民生児童委員の協力などにより、生活困窮者の早期発見に取り組むとともに、御紹介のありました先進事例なども調査研究し、効果的な訪問支援を実施してまいります。
○議長(藤田豊治) 高塚広義議員。
○12番(高塚広義)(登壇) 先ほどちょっと述べたんですけど、生活困窮者の相談された方のその後の支援ということが大事になってくるんですけど、就労準備事業とか家計相談事業など、きめ細かく対応できる多様な支援メニューの準備が必要だと思います。本市においてもすき間のない充実した支援が今後とも行えるよう、御検討をお願いいたします。
続きまして、聴覚障害児に関する助成金についてお伺いいたします。
厚生労働省の身体障害児・者等実態調査によると、全国の聴覚障害児は1万5,800人とされています。乳幼児の健康診断における聴力検査で、軽度難聴や片耳難聴などが早い段階で発見できるようになりましたが、その後の進学対策など聴力を補うための支援は十分とは言えません。補聴器の値段は、数万円程度で、高額なものになると数十万円にもなります。また、居住地域の学校に難聴児を受け入れる学級がない場合、受け入れが可能な地域に転居する判断を迫られる場合もあります。このように、難聴児を抱える家庭にとっては、経済的に大きな負担となっている実態があります。近年、地方自治体では、障害者手帳の有無にかかわらず、補聴器が必要な聴覚障害児には、補聴器購入費の補助を受けることができるようになっています。また、軽度、中等度の難聴児は、周りの人からは聞こえているように見られますが、音として聞こえていても、言葉として明瞭に聞こえていないのが現状です。そのままにしておくと、言葉のおくれや発音の誤りなど、言語発達に支障を来すと言われています。対策として早期に補聴器を装用することで、言語発達やコミュニケーション能力を高めることができます。そのためにも、補聴器の助成金制度は、重要な支援策と言えます。新居浜市では、平成25年4月より補聴器を購入する経費の一部を助成しております。対象者は、障害者支援法から外れている軽度、中度の18歳未満の難聴児で、補聴器を新たに購入する経費や耐用年数が経過した後の補聴器を更新する経費について県、市合わせて3分の2を助成する制度です。しかし、県、市の助成制度の対象者は、国の制度の基準以下で、日常会話ができないか聞き取りにくい環境にある、聴力レベルが30デシベル以上70デシベル以下の障害者自立支援法の基準に該当しない子供たちが対象になっております。支援制度では、補聴器の装用を必要とする耳鼻咽喉科医の意見書を持った18歳以下の難聴児が補聴器を装用する場合、補聴器の作製とその修理費用が公費で助成が受けられるようになります。しかし、県、市の助成制度は、補聴器購入費の3分の2は助成されますが、それでも3分の1は自己負担であり、負担額は軽いものではありません。教育基本法の第4条に、国及び地方公共団体は、障害のある者がその障害の状態に応じ十分な教育を受けられるような教育上必要な支援を講じなければならないと定めております。
そこで、この法律を遵守するならば、軽度、中等度難聴児に対しても、障害者自立支援法と同等の制度で救済していくべきであります。既に先進自治体としては、大阪府や大阪市、川崎市、新潟市、堺市、魚沼市、浜田市、三条市など自治体独自でも補聴器購入助成費を9割助成しております。障害者自立支援法と同じく、1割負担で購入できるよう制度を定め実施しております。本市においても、先進地を見習い、前向きに取り組むべきであると考えますが、御見解をお伺いします。
○議長(藤田豊治) この際、暫時休憩いたします。
正午 休憩
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