本文
目次
議事日程
本日の会議に付した事件
出席議員
欠席議員
説明のため出席した者
議会事務局職員出席者
開議(午前10時00分)
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 一般質問
近藤司議員の質問(1)
1 別子山地域の再生について
2 新居浜駅周辺地区の整備について
(1) JR予讃線連続立体交差事業
(2) 駅南地区の整備計画
3 臨海部の埋め立てについて
(1) 荷内沖、菊本沖、東予港東港地区の埋め立て
(2) 港湾計画の見直し
4 災害に強いまちづくりについて
(1) 配水池の耐震化
5 地域コミュニティーの再生について
(1) 地域コミュニティー税の導入
(2) 自治会、老人クラブに対する支援策
石川市長の答弁
1 別子山地域の再生について
2 新居浜駅周辺地区の整備について
(1) JR予讃線連続立体交差事業
(2) 駅南地区の整備計画
3 臨海部の埋め立てについて
(1) 荷内沖、菊本沖、東予港東港地区の埋め立て
5 地域コミュニティーの再生について
(1) 地域コミュニティー税の導入
近藤副市長の答弁
3 臨海部の埋め立てについて
(2) 港湾計画の見直し
寺田企画部長の答弁
1 別子山地域の再生について
神野福祉部長の答弁
5 地域コミュニティーの再生について
(2) 自治会、老人クラブに対する支援策
関市民部長の答弁
5 地域コミュニティーの再生について
(2) 自治会、老人クラブに対する支援策
橋本水道局長の答弁
4 災害に強いまちづくりについて
(1) 配水池の耐震化
近藤司議員の質問(2)
5 地域コミュニティーの再生について
石川市長の答弁
5 地域コミュニティーの再生について
近藤司議員の質問(3)
5 地域コミュニティーの再生について
4 災害に強いまちづくりについて
3 臨海部の埋め立てについて
休憩(午前11時04分)
再開(午前11時16分)
仙波憲一議員の質問(1)
1 新居浜市の財政運営について
石川市長の答弁
1 新居浜市の財政運営について
仙波憲一議員の質問(2)
1 新居浜市の財政運営について
寺田企画部長の答弁
1 新居浜市の財政運営について
仙波憲一議員の質問(3)
1 新居浜市の財政運営について
寺田企画部長の答弁
1 新居浜市の財政運営について
仙波憲一議員の質問(4)
1 新居浜市の財政運営について
寺田企画部長の答弁
1 新居浜市の財政運営について
仙波憲一議員の質問(5)
1 新居浜市の財政運営について
2 成長戦略について
石川市長の答弁
2 成長戦略について
休憩(正午)
再開(午後 1時00分)
仙波憲一議員の質問(6)
3 就労支援について
寺村経済部長の答弁
3 就労支援について
仙波憲一議員の質問(7)
3 就労支援について
4 金融円滑化法について
寺村経済部長の答弁
4 金融円滑化法について
仙波憲一議員の質問(8)
4 金融円滑化法について
高塚広義議員の質問(1)
1 公共情報コモンズを活用した災害情報の発信について
石川市長の答弁
1 公共情報コモンズを活用した災害情報の発信について
高塚広義議員の質問(2)
1 公共情報コモンズを活用した災害情報の発信について
関市民部長の答弁
1 公共情報コモンズを活用した災害情報の発信について
高塚広義議員の質問(3)
2 障がい者の自立及び就労支援の取り組みについて
石川市長の答弁
2 障がい者の自立及び就労支援の取り組みについて
神野福祉部長の答弁
2 障がい者の自立及び就労支援の取り組みについて
高塚広義議員の質問(4)
2 障がい者の自立及び就労支援の取り組みについて
神野福祉部長の答弁
2 障がい者の自立及び就労支援の取り組みについて
高塚広義議員の質問(5)
2 障がい者の自立及び就労支援の取り組みについて
3 生活困窮者の自立支援について
神野福祉部長の答弁
3 生活困窮者の自立支援について
高塚広義議員の質問(6)
3 生活困窮者の自立支援について
神野福祉部長の答弁
3 生活困窮者の自立支援について
高塚広義議員の質問(7)
3 生活困窮者の自立支援について
4 高齢者の孤独死防止について
神野福祉部長の答弁
4 高齢者の孤独死防止について
高塚広義議員の質問(8)
4 高齢者の孤独死防止について
5 コミュニティーソーシャルワーカーについて
石川市長の答弁
5 コミュニティーソーシャルワーカーについて
高塚広義議員の質問(9)
5 コミュニティーソーシャルワーカーについて
6 ピロリ菌の除菌による胃がん撲滅について
神野福祉部長の答弁
6 ピロリ菌の除菌による胃がん撲滅について
高塚広義議員の質問(10)
6 ピロリ菌の除菌による胃がん撲滅について
神野福祉部長の答弁
6 ピロリ菌の除菌による胃がん撲滅について
高塚広義議員の質問(11)
7 学校の暑さ対策とミストシャワー設置について
阿部教育長の答弁
7 学校の暑さ対策とミストシャワー設置について
高塚広義議員の質問(12)
7 学校の暑さ対策とミストシャワー設置について
阿部教育長の答弁
7 学校の暑さ対策とミストシャワー設置について
高塚広義議員の質問(13)
8 食品ロスについて
寺村経済部長の答弁
8 食品ロスについて
高塚広義議員の質問(14)
8 食品ロスについて
散会(午後 2時12分)
本文
平成25年6月11日 (火曜日)
議事日程 第2号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
――――――――――――――――――――――
出席議員(26名)
1番 川崎 利生
2番 高塚 広義
3番 三浦 康司
4番 篠原 茂
5番 水田 史朗
6番 太田 嘉一
7番 岩本 和強
8番 藤原 雅彦
9番 佐々木 文義
10番 大石 豪
11番 大條 雅久
12番 永易 英寿
13番 伊藤 謙司
14番 藤田 豊治
15番 高橋 一郎
16番 岡崎 溥
17番 高須賀 順子
18番 伊藤 初美
19番 真木 増次郎
20番 藤田 幸正
21番 伊藤 優子
22番 仙波 憲一
23番 白籏 愛 一
24番 近藤 司
25番 加藤 喜三男
26番 山本 健十郎
――――――――――――――――――――――
欠席議員
なし
――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
市長 石川 勝行
副市長 近藤 清孝
企画部長 寺田 政則
総務部長 田中 洋次
福祉部長 神野 洋行
市民部長 関 福生
環境部長 横川 悦夫
経済部長 寺村 伸治
建設部長 曽我 忠
消防長 村上 秀
水道局長 橋本 桂一
教育長 阿部 義澄
教育委員会事務局長 藤田 佳之
監査委員 加藤 哲
港務局事務局長 大野 敏弘
――――――――――――――――――――――
議会事務局職員出席者
事務局長 岡 正士
議事課長 曽我部 信也
議事課副課長 伊藤 裕敏
議事課副課長 上野 壮行
議事課議事係長 徳永 易丈
議事課調査係長 鈴木 今日子
議事課主任 大田 理恵子
議事課主任 中島 康治
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前10時00分開議
○議長(藤田幸正) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第2号のとおりであります。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(藤田幸正) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において川崎利生議員及び高塚広義議員を指名いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第2 一般質問
○議長(藤田幸正) 次に、日程第2、一般質問を行います。
この際、申し上げます。一般質問における各議員の発言は、それぞれ通告の時間以内となっておりますので、御了承願います。
順次質問を許します。まず、近藤司議員。
○24番(近藤司)(登壇) 皆さんおはようございます。自民クラブの近藤司でございます。きょう多くの人が傍聴に来ていただいておりますので、気合いを入れて質問したいと思いますので、市長初め理事者の皆さん方も明快な御答弁をお願いいたします。
早速ですが、質問を始めたいと思います。
石川市政が誕生いたしまして早くも半年が経過いたしました。市長は、就任の挨拶の中で、地域経済の再生、地域コミュニティーの再生、市役所の再生の3つの再生を公約として掲げられ、公約実現に向けて粉骨砕身頑張っておられることと存じますが、大いに期待しているところでございます。
それではまず最初に、別子山地域の再生について質問をいたします。
新居浜市と旧別子山村が合併してから10年を迎え、5月6日には合併10周年記念式典が開催されました。合併を機に新市建設計画が作成され、地域住民の意見を政策に反映するため、別子山地域審議会も設置されましたが、産業振興、定住促進につなげることができませんでした。新市計画の期間も最終年度が平成25年度となっており、別子山地域審議会も、10年間の設置期間が満了し、今年3月で解散しました。別子山地区人口についても、合併時の262人から10年間で189人に減少、高齢化率が49.2%に上昇しています。また、本年度の別子小学校の児童は2人、中学校は休校となっており、このままでは別子山は人口の半数以上が65歳超の限界集落となり、近い将来、集落が消滅してしまうおそれがあるのではないかと危惧いたしております。長年の課題であります観光施設筏津山荘の改築、その運営者であった第三セクター悠楽技の清算、高齢者の足となる地域バス事業、市街地と別子山地区をつなぐ県道新居浜別子山線の整備など、別子山地区は合併10年の節目の年を迎え、大きな転換期に差しかかっています。別子銅山の開坑が本市発展の原点であり、新居浜市の源流が別子山地域と石川市長みずから考えられておりますが、今こそ別子山地域の再生を総合行政と位置づけ、縦割り行政ではなく、全庁挙げて集中的かつ重点的に取り組むべきと考えます。本庁に別子山地域開発室のようなプロジェクト室を設けていただきたいと思いますが、市長の答弁をお願いします。
先日、中村知事も、旧別子ゾーンを視察していますが、県や住友とのトップミーティングの場を持っていただき、例えば筏津山荘改築への参入、住友の新入社員研修施設としての利用、産業遺産ルートとしての旧別子ゾーンの整備などについて連携していただきたいと思いますが、この点についても御所見をお伺いしたいと思います。
また、平成23年度末現在で、別子山振興基金が約4億3,000万円、合併振興基金が約18億6,000万円積み立てられていますが、別子山地域の再生と振興に先ほど挙げさせていただいた事業などに思い切って集中的に投入してはいかがでしょうか。この点についても市長の答弁を伺いたいと思います。
次に、新居浜駅周辺地区の整備について質問いたします。
まず最初に、JR予讃線連続立体交差事業のこれまでの経緯、経過について振り返ってみますと、平成元年度に連続立体交差事業を念頭に計画を立案、平成10年度、駅南地区を含めた駅周辺整備構想を策定、駅前土地区画整理事業と並行して、愛媛県やJR四国に要望を行う、平成12年度に、新居浜駅高架促進期成同盟会を商工会議所内に設置、新居浜市議会も予讃線の高架に関する決議を採択し、県知事とJR四国に要望書を提出しています。その後、新居浜市に先行してJR松山駅付近連続立体交差事業が採択され、現在、工事中ですが、その完成時期が平成32年度と言われ、当初の計画よりおくれています。また、新居浜市においても、踏切遮断交通量など、国の補助採択条件を満たすことが非常に厳しくなってきております。
そうした状況の中で、新居浜駅周辺地区の整備については、JR予讃線連続立体交差事業の是非によって、駅周辺道路網の整備計画や駅南地区の整備手法が大きく変わってくることから、新居浜市にとって大変重要な課題となっております。今年4月24日には、総合文化施設の起工式が行われ、現在、建設中の南北自由通路も、平成25年度末には完成いたします。市としては、第五次長期総合計画期間の早い時期に結論を出したいとのことですが、第五次の計画も既に3年目に入っています。JR予讃線の高架の是非について判断すべき時期が来ていると考えますが、石川市長はこの問題についてどのように考え、決着をつけようとしているのかについて伺いたいと思います。
次に、駅南地区の整備計画について伺います。
駅南地区の駅裏中筋線より東側地区は、道路や公共下水道が未整備で、特定用途制限地域に据え置かれたままになっており、有効な土地利用ができない状況にあります。市は、アンケート結果の分析、市議会や地域住民の意向を聞いた上で整備方針を決めていくとのことでありますが、もっとスピード感を持って、駅南地区の土地利用計画や道路などの整備計画を作成していただきたいと考えます。この点についてもあわせて石川市長の見解を求めたいと思います。
次に、臨海部の埋め立てについて質問いたします。
本市の臨海部を荷内沖地区、菊本沖地区、東予港東港地区の3つのゾーンに分けて質問いたしますが、菊本沖地区の埋め立てについては、港湾区域内の本港地区にあり、次の港湾計画の改定にも大きくかかわってきますので、この後の港湾計画の見直しの中で一緒に質問いたします。
そこでまず、荷内沖地区の埋め立てについてでありますが、荷内沖開発については、第五次長期総合計画の中で、長期的展望に立ち、臨海性産業用地としての活用を検討するとの方針が出されています。昨年6月に庁内に設置された新規土地利用検討委員会において、荷内沖地区も含めて、企業用地の確保、建設残土、しゅんせつ土砂などの処分場の確保として、本市の総合的な新規土地利用の中で検討していくとのことであります。現在、荷内沖地区については、県の管轄でありますが、新規土地利用検討委員会では、埋立手法も含めてどのように取り組まれようとしているのか、伺います。
次に、東予港東港地区の埋め立てについてであります。
東予港地区については、大部分が西条市に含まれていますが、東予港東港地区は、新居浜港港域に含まれ、荷内沖地区と同じく、県の管轄区域になっています。現在、この区域では、住友化学愛媛工場内で港湾関連用地として3.9ヘクタールが土地造成中であります。この東予港東港地区も新たな工業用地造成の対象地区になっていますが、新規土地利用検討委員会では、現在どのような取り組みを行っているか、伺いたいと思います。
次に、港湾計画の見直しについて伺います。
平成11年7月に新居浜港港湾計画が改定され、その中で、本港地区の菊本沖を埋め立てして、水深12メートルの岸壁を擁する多目的国際ターミナルを整備する計画案が示されております。そして、そのプログラムでは、平成25年度までに事業着手、平成30年度には完成する計画となっています。この計画については、平成21年9月議会で質問し、その中で西条市では平成21年度から国土交通省の出向者を迎え、東予港の港湾計画の推進を図ろうとしており、先を越されると大幅に事業着手がおくれる可能性を指摘しています。平成22年8月、民主党政権下で全国103港の重要港湾のうち43港を重点港湾として選定、愛媛県では松山港、東予港が指定され、新居浜港は指定から外されました。この点について、平成22年9月議会の山本議員の質問に対して、当時副市長であった石川市長は、今回の重点港湾の選定により、多目的国際ターミナルの国の直轄での事業実施は、現段階では非常に難しくなったが、国土交通大臣の会見でも、選定から外れた港湾においても、地域が重要だと考えるのであれば、それに対する補助については地域と相談しながら考えていくとの発言を引用して、再度多目的国際ターミナルの必要性を確認し、補助事業での整備も視野に入れ、整備方針を検討してまいりたいと答弁されています。平成22年9月議会から3年近く経過し、港湾計画の見直しの時期にも差しかかっておりますが、この3年間、どのような整備方策を検討してきたのでしょうか。石川市長が誕生し、国の政権もかわった今、本市の将来についても重要な時期を迎えていると考えますが、菊本沖の第2期工事も含めて、市長はこの問題に対してどのように取り組まれようとしているのか、伺いたいと思います。
次に、災害に強いまちづくりについて質問いたします。
政府の地震調査委員会は、東海、東南海、南海を震源域とするマグニチュード8以上の南海トラフ巨大地震が、今後30年以内に起こる確率を60%から70%としています。また、5月28日、内閣府の作業部会は、南海トラフ巨大地震対策の最終報告をまとめております。その報告書では、発生1週間後の避難者は950万人に上るとして、被災が比較的軽かった人には帰宅を促し、交通網の寸断や燃料不足により遠隔地からの支援が期待できないことから、家庭には1週間分以上の水や食料の備蓄が必要としています。
そこで、今回の内閣府の最終報告書を踏まえ、配水池の耐震化について伺いたいと思います。
このような巨大地震が発生しても、安定して安心できる水を供給するためにも、配水施設や管路の耐震化が急がれます。特に配水施設が被災した場合、配水できなくなるばかりではなく、給水車による応急給水もできなくなります。さらに、新居浜市の配水池貯留能力は0.49日分しかなく、同規模の事業体平均値の0.86日分を大きく下回っています。しかも、配水池耐震施設率は16.6%でしかなく、現在築造中の新山根配水池、船木配水池が供用開始しても、平成27年度31%、現在建設準備中の金子山配水池が完成しても、平成32年度の計画値は43.7%となっています。平成22年度に策定された新居浜市水道ビジョンによると、配水池や送水場などの施設の耐震化は、平成22年度から平成41年度までの20年間となっており、平成31年度までの前期10年間でも50%に満たない耐震施設率となっています。しかも、川東給水区は、清住配水池で全て給水しており、施設の耐震化は、平成41年度までの後期10年間の築造計画になっています。清住配水池には、平成13年までに取得した約1万1,000平米の用地が残っています。被災すれば川東地区の配水が全てストップしてしまいます。清住配水池施設の耐震化を前期に前倒しすべきと考えますが、この点についての所見を伺いたいと思います。
あわせて、川東地区の給水人口についても示していただきたいと思います。
本市の水道事業については、平成24年度決算時においても、16年連続の黒字見込みであり、貸借対照表を見ても、起債しないで使える流動資産が約30億円計上され、健全財政となっています。そう遠くない時期に来るとされている巨大地震に備えて、配水池施設の耐震化率や貯留能力の向上を図るために、水道ビジョンを見直しして、市全体としても5年ぐらいは計画を繰り上げる必要があると考えますが、この点についても理事者の見解を求めたいと思います。
次に、地域コミュニティーの再生について質問いたします。
まず、地域コミュニティー税の導入について伺います。
近年、少子高齢化、核家族化、地域コミュニティーの希薄化などの要因により、本市におきましても、自治会の加入率は毎年1%近く減少しており、平成25年1月現在の自治会の加入率は、67.7%になっています。市や連合自治会でも、加入促進キャンペーンなど、地道な啓発活動を行っていますが、なかなか加入率アップにつながらないのが現状であります。
そこで、提案したいのですが、自治会員と非自治会員との不公平感を解決する一つの方策として、また住民みずからがお金を出して地域コミュニティーに参画するという自覚を持っていただくことからも、地域コミュニティー税を導入してはいかがでしょうか。そして、地域住民が、防犯、防災、地域福祉、環境などの地域課題を自主的に解決する資金に充てることも必要ではないかと考えます。庁内に地域コミュニティー税導入の調査委員会を設置して、その具体的な方策や税導入によって賄える資金の使途についても検討してみてはと考えますが、この点についても理事者の見解を伺います。
次に、自治会、老人クラブに対する支援策について伺います。
石川市長は、昨年12月議会の就任の挨拶の中で、3つの再生を図ることを所信表明していますが、その一つが、地域コミュニティーの再生であります。自治会は、協働のまちづくりにとりまして、本市最大のパートナーであり、自治会加入率の低下により自治会活動が弱体化しないよう、行政としても実効性のある支援策を進めていかなければなりません。
そこでまず、自治会に対する支援策について伺います。
石川市長は、今年度の施政方針の中で、地域コミュニティーの再生については、地域が主体となり、環境、福祉など地域社会のさまざまな課題解決に取り組む地域コミュニティー再生支援事業を新たに実施すると述べていますが、自治会に対する支援策について具体的に示していただきたいと思います。
また、別子校区連合自治会では、平成23年4月から市施設の別子山ふるさと館とそのお隣の別子山市民プールの指定管理者となり、住民参加の運営に取り組んでいます。市としてもそろそろボランティアの有償化について検討すべき時期に来ていると思いますが、自治会や老人クラブへの財政支援策の一つとして前向きに検討してはどうかと考えますが、その点についてもお伺いいたしたいと思います。
次に、老人クラブについてでありますが、平成7年度に162クラブ、1万1,000人いた会員数が、平成24年度末には111クラブ、6,465人と大幅に減少しており、自治会同様、会員減少が大きな課題となっています。高齢者への支援策として、今年度の施政方針の中で、老人クラブなど高齢者活動をサポートするために、高齢者の社会参加促進と高齢者がともに高齢者を支える仕組みづくりを構築いたしますと述べていますが、老人クラブへの具体的な支援内容について伺いたいと思います。
また、市老人クラブ連合会の所管は、介護福祉課となっていますが、窓口の強化を図るとか、所管の変更も含めて検討されてはいかがかと考えますが、この点についても見解を伺いたいと思います。
以上で第1回目の質問を終わります。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 改めましておはようございます。
近藤議員さんの御質問にお答えいたします。
まず、別子山地域の再生についてでございます。
平成15年の合併から10周年という節目を迎え、合併に至る経緯の中で、当時別子山村の方々が特に不安に感じていることとして、消防救急体制の確保、公共交通機関の確保、小中学校の存続、無医村対策、ライフラインの確保がございました。この10年を振り返りますと、この大きな5つの不安を解消することが合併に当たっての最優先課題でありました。まず、別子山地域内の消防救急業務について、四国中央市消防本部へ業務委託を行ったことを初め、新居浜市街地などへの地域バスの運行による公共交通の確保、新居浜市医師会の協力による別子山診療所の開設に伴う無医村の解消、電気供給事業や給油所の事業継続など、5つの不安解消に向けた取り組みを精力的に実施し、安心して暮らせる地域づくりが着実に進展したのではないかと考えております。また、5月6日に開催いたしました新居浜市・別子山村合併10周年記念シンポジウムでは、これまでの10年を振り返るとともに、これからの別子山地域のまちづくりについて、会場にお越しの市民の皆様と一緒に考えていただきました。パネリストからは、別子山は歴史的だけでなく、現代的にも新居浜の宝であるということをもう一度考えてみよう、時間がかかるからこそ、小さなことでもできることから取り組もうなどの5つのメッセージが発信され、私もこのシンポジウムの中で、別子山は新居浜市にとって原点でもあり、源流でもあるということ、またこの別子山を何とか守っていかなければならないとの決意を述べさせていただき、このシンポジウムを別子山再生の次のステップにつながるものにしなければならないと強く感じました。また、高齢化、過疎化が進展する別子山にあっては、地域外からの新しい人材も必要であり、パネリストとして参加していただいた伊予市双海地域事務所の冨田さんのように、地域づくり、仲間づくりを真剣に考え、未来を開く力となっていただける地域おこし協力隊の導入も図らなければならないとの強い思いを持ちました。
まず、別子山地域の再生について御提案いただきました、別子山地域開発室の設置につきましては、より地域に密着した、頼れる別子山支所機能の充実を図ることが第一義であると考えており、新市建設計画を引き継ぐことになる過疎地域自立促進計画などの推進については、引き続き企画部と経済部を中心に関係部局との連携を図ってまいることが基本になるのではないかと考えております。しかしながら、別子山地域再生のために、総合的な対応や部局横断的な取り組みが必要なときは、プロジェクトチームなどの設置も考えてまいります。
次に、愛媛県や住友企業との連携についてでございます。
去る5月13日、中村知事が旧別子ゾーンの視察にお越しになられ、私も市職員とともに知事、地元県議会議員、県職員に同行いたしました。当日早朝より、日浦登山口から旧別子を通り、西赤石までのコースを1日かけて歩かれた中村知事は、前半の産業遺産群と後半のアケボノツツジの群生を称賛され、県職員に対し、新居浜市と十分連携をするよう指示をされました。本市といたしましても、愛媛県と連携し、今後の取り組みについて十分協議を行ってまいりたいと考えております。
次に、住友企業との連携についてでございます。
別子山地区は、住友企業にとりましては発祥の地であり、新居浜市にとりましても礎であるという認識をいたしております。しかしながら、これまで別子銅山産業遺産については、共通の認識として、マイントピア別子に見られる端出場地区や東平地区を主体としてその活用が行われてきました。今後も別子銅山産業遺産を未来へ継承していくという取り組みに関しては、ルーツとしての旧別子も含めた住友企業との包括的な協議が必要であると考えております。私は、住友各社との連携強化を政策の重点項目の一つに挙げております。今後、別子山地区が、住友発祥の地であり、住友企業の聖地であるということを十分踏まえ、お互いの立場を尊重していく中で、住友企業とのトップミーティングにおいても、企業にとっても、別子山にとってもメリットがあり、またそれが別子山地区の再生につながっていくようなものができるよう協議してまいりたいと考えております。
次に、新居浜駅周辺地区の整備についてのうち、JR予讃線連続立体交差事業についてでございます。
新居浜駅周辺地区の整備は、中心市街地都市拠点と位置づけ、高次な都市施設の集積した快適な都市空間の形成を図ることを目標に計画立案し、駅南北地区の一体的な拠点形成を図る観点から、駅前土地区画整理事業の実施と駅南の面的整備及びJR予讃線の高架化に向けた取り組みを推進してまいりました。近藤議員さんお話のとおり、平成12年に商工会議所内に新居浜駅高架促進期成同盟会が結成され、市議会におかれましては、予讃線の高架化に関する議決がなされ、官民一体で事業化に向け関係機関へ働きかけを行ってきた経緯がございます。しかしながら、JR予讃線連続立体交差の構想から長期間経過するとともに、事業化の目途が立たない中、都市計画道路西町中村線と郷桧の端線がそれぞれアンダーパス、オーバーパスで整備中であり、この2路線が完成いたしますと、幹線道路で踏切による遮断が問題になっている箇所は、新居浜駅東側、県道国領高木線の新居浜第1踏切のみになります。また、南北自由通路が平成25年度の完成を目指す中、国においては、選択と集中の考え方によりまして、開かずの踏切やボトルネック踏切の対策に重点が置かれていることを考慮いたしますと、連立事業の採択基準や費用対効果の点からも実施は大変厳しい状況になってきております。近藤議員さん御指摘のとおり、連続立体交差事業を実施するか否かは、新居浜駅周辺の道路網や駅南地区の整備計画と密接な関係にありますことから、今後進めてまいります駅南地区の整備方針を立てていく中で、期成同盟会や市議会への現状説明を行うとともに、御意見を伺いながら、方針決定してまいりたいと考えております。
次に、駅南地区の整備計画についてでございます。
駅前地区は、土地区画整理事業が完了し、新たに整備した大街区を中心に、森の駅をテーマとした各種整備を行っておりまして、平成23年度から今後駅南地区へと広がる形で駅周辺地区の整備を進めていくに当たり、駅周辺地区が一体となった拠点形成を図るため、交通体系や土地利用体系を検討してまいりました。しかしながら、整備には多額の事業費を要しますことから、関係権利者を初め、多方面からの意見や議論をいただき、事業手法や整備の範囲、時期など、具体的な方針を決定する必要があると考えております。このようなことから、まず駅前土地区画整理事業の事後評価を行い、その結果を反映させることが重要と認識いたしておりまして、今後その評価を参考に、駅前土地区画整理事業で培った技術等も継承しながら、市議会や市民の皆様の幅広い議論を踏まえた上で、早期整備の方向性を決定してまいりたいと考えております。
次に、荷内沖、菊本沖及び東予港東港地区の埋め立てについてでございます。
本市における企業用地は、阿島、黒島地区における多極型産業推進事業用地、貯木場事業用地及び観音原地区における内陸型企業用地をそれぞれ造成、分譲いたしてまいりましたが、その大部分が売却済みとなり、企業誘致のためには、新たな企業用地の確保が喫緊の課題となっております。また、公共工事に伴い発生する建設残土や河川や海のしゅんせつ土の適切かつ安価な処理場の確保についても近年深刻化しております。これらの課題の解消を検討するため、昨年度新居浜市新規土地利用検討委員会を設置し、本市の総合的土地利用のための調査研究を行ってまいりました。その中で、臨海部の候補地としては荷内沖、新居浜港本港地区の菊本沖及び東予港東港地区の住友共同電力西火力沖等を選定し、住友各社とのヒアリングも実施し、検討を重ねた結果、住友共同電力西火力沖が最も有力な候補であるとの報告を受けております。しかしながら、事業化には住友各社の協力が欠かせないことから、今後その意向を十分に踏まえ、取り組んでまいります。
また、荷内沖につきましては、新居浜市新規土地利用検討委員会においては、中長期的に検討するとの方針が示されておりますが、今年度は、現在までの検討結果や瀬戸内法等の問題を含む埋立事業実施に関する要件を整理した上で、平成26年度以降の取り組み方針を決定したいと考えております。
次に、地域コミュニティーの再生についてのうち、地域コミュニティー税の導入についてでございます。
地域コミュニティー税は、住民自治の推進のため、地域自治区、合併特例区を単位とした地域活動の安定的な資金を確保するため、宮崎市において平成21年4月に全国で初めて導入されましたが、その後、市長選での争点の一つとなり、結果として導入後2年で廃止された経緯があると伺っております。この税は、市民みずからが地域コミュニティー活動に参画するという自覚を促し、安定的な財源を確保するという点では有効な手段でございますが、増税につながること、また自治会費との二重取りになるなど市民の負担がふえますことから、市民の理解こそが大前提になるものと考えております。私は、現状の一般財源の中で対応することが望ましいと考えてはおりますが、近藤議員さんの御提案につきまして、今後税制や財政面のほか、自治会の加入促進といった観点から調査研究する必要があると考えております。
次に、住民が地域課題を自主解決する住民の自治への参加を促す仕組みづくりについてでございます。
私は、地域コミュニティーの再生に向け、新たな仕組みづくりが必要であると考えております。ことし6月1日から募集を始めた職員地域活動ボランティア制度もその取り組みの一環であり、職員が地域の諸活動にまずは参加し、できることから1つずつ取り組んでまいりたいと考えております。また、平成25年度は、自治会交付金の見直しの年でありますことから、地域コミュニティーの再生へ向け、現行の交付金の見直しを行う予定でございます。平成26年度からの実施に向けて、コミュニティーの再生のためのワーキンググループでも議論していただき、行政と地域の皆さんが協働で取り組むための新たな交付金の仕組みを検討してまいりたいと考えております。今後におきましても、地域の皆さんが常日ごろ考えておられる地域課題解決のためのさまざまなアイデアについて十分に耳を傾け、地域が主体的に取り組む活動を支援してまいります。
以上申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足いたさせます。
○議長(藤田幸正) 補足答弁を求めます。近藤副市長。
○副市長(近藤清孝)(登壇) 港湾計画の見直しについて補足を申し上げます。
近藤議員さん御案内のとおり、現港湾計画は、平成11年7月に改定され、目標年次を平成20年代半ばとし、その目標年次における取扱貨物量を940万トンと計画いたしております。これに対しまして、取扱貨物実績は、港湾計画上の取扱貨物量940万トンを既に上回っており、平成24年には約1,195万トンに達しておりますこと、また港湾に求められる新しいニーズに応えるため、港湾計画の見直しに向けた検討を進めているところでございます。また、この3年間の具体的な取り組みといたしましては、臨海部に集積いたしております住友グループ系企業へのヒアリングを行い、その要望や意見の集約を行うとともに、新居浜市新規土地利用検討委員会での工業用地の確保に関する検討結果等を踏まえながら、関係機関等との協議を行い、具体化のための検討を進めてまいったところでございます。
次に、菊本沖の第2期工事を含む今後の取り組みについてでございます。
菊本沖の第2期工事につきましては、新居浜港が重点港湾の選定から外れたことにより、国による直轄での事業実施は非常に難しい状況ではございますが、多目的国際ターミナルの必要性は十分認識いたしており、その実現に向けて引き続き調査検討を行ってまいりますとともに、地域の特性及び経済状況等を勘案の上、重点港湾の見直しについて関係機関とも連携しながら、国に働きかけてまいりたいと考えております。
また、港湾計画の見直しにつきましては、第五次新居浜市長期総合計画に基づき、社会経済情勢の変化や企業及び関係団体の意見、貨物の動向、さらには市の財政状況等も勘案しながら、今年度末を目途に、その方向性を決定するよう努めてまいりたいと考えております。
○議長(藤田幸正) 寺田企画部長。
○企画部長(寺田政則)(登壇) 別子山地域の再生についてのうち、別子山振興基金及び合併振興基金について補足を申し上げます。
まず、別子山振興基金につきましては、平成24年度に筏津山荘解体工事事業、別子山飲料水供給施設整備事業、別子山地域バス運行費に約3,400万円を充当し、現在の残額は約3億9,600万円となっております。平成25年度は、別子山地域バス運行費や別子山飲料水供給施設整備事業に充当を予定いたしております。
次に、合併振興基金につきましては、合併後の市民の連帯強化及び地域振興を目的として設置され、平成25年度は合併10周年記念交流事業、別子山水道給水事業等に充当をいたしております。これらの基金につきましては、今後は従来から充当いたしております事業に加えまして、別子山の豊かな自然や別子銅山産業遺産などの地域資源を生かすことで、地域内外の交流を促進し、別子山の再生につながる新たな事業に対しましても、効果的に充当をいたしてまいりたいと考えております。
○議長(藤田幸正) 神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 地域コミュニティーの再生についてのうち、自治会、老人クラブに対する支援策について補足を申し上げます。
老人クラブへの具体的な支援策といたしましては、これまで実施してまいりました人的な支援と財政的な支援を継続するものでございまして、人的支援といたしましては、市老人クラブ連合会に専属の事務局職員を配置するほか、定例会に市の担当者が出席いたしまして、ともに活性化のための改善策を検討してまいります。特に、今年度におきましては、老人クラブに加入していない高齢者も含めまして、参加できる方向での地域における行事を企画するなど、新たな取り組みを進めてまいります。また、競技大会などに職員を派遣し、運営支援を行うことといたしております。
また、財政的支援では、国、県と協調した認定補助金のほか、市単独補助金の申請に協力することや、単位老人クラブ活性化のための委託事業を実施してまいります。これら人的、財政的支援を効果的に進めることで、老人クラブ活動の活性化を図り、高齢者の生きがいづくり、健康づくりを促進するとともに、高齢者が地域活動の中で大いに能力を発揮していただき、高齢者が生きがいを持って暮らせる地域社会の実現と地域高齢者への声かけなど、地域内で相互に支え合う関係の構築を目指してまいります。
また、新居浜市老人クラブ連合会を所管いたします窓口等につきましては、今後の老人クラブ活動への支援のあり方を考える中で、庁内協議を進めてまいりたいと考えております。
○議長(藤田幸正) 関市民部長。
○市民部長(関福生)(登壇) 地域コミュニティー再生についてのうち、自治会、老人会に対する支援策について補足を申し上げます。
平成25年度の施政方針にございます地域コミュニティー再生支援事業につきましては、文部科学省の公民館等を中心とした社会教育活性化プログラムを活用し、公民館等が地域社会におけるさまざまな課題解決に取り組む事業でございまして、自治会を初め、地域住民の連携、協力によって、よりよい地域づくりを推進しようとするものと伺っております。これからの自治会に対する支援策につきましては、現在設置に向けて準備いたしております政策懇談会及びコミュニティー再生ワーキンググループにおきまして、現在の本市の実態を調査分析し、コミュニティーをいかにして再生すべきか、先進事例の調査研究も行う中で、その方向性を御審議いただく予定でございます。それらの中で、自治会に対する具体的な支援策を御提案いただき、次年度の自治会交付金の見直しにも反映させてまいりたいと考えております。
次に、ボランティアの有償化についてでございます。
近藤議員さんに御紹介いただきました別子校区連合自治会の取り組みは、身近なコミュニティーができることに主体的に取り組んでいただいております先進的な事例であると認識いたしております。自治会などの地域団体が、公の施設の指定管理者になったり、公園などトイレ清掃や管理業務を受託することは、契約関係のもとに責任を伴うことでございますので、地域内での合意形成が必要とは思われますが、今後自治会等が有償活動の一つの方法として採用を検討すべき領域であると考えております。
その一方、公共施設愛護事業、いわゆるアダプトプログラムにつきましては、市が管理する身近な公共空間である道路、河川、公園等を継続して清掃、除草活動等をしていただけるボランティアの登録制度でございます。市と合意書を交わすことによって、保険加入や用具の貸与などを行っております。このような無償のボランティア活動によって、自分たちのまちは自分たちできれいにしていくこともまた大切なことであると考えております。今後の方向性といたしましては、市民の皆さんの意見を十分に伺いながら、ボランティアでお願いするもの、委託などにより行政との協働でお願いするもの、そのすみ分けを図り、別子校区に見られるような住民の皆さんがかいた汗が新しい活動につながる支援策について検討いたしたいと考えております。住民みずからが当事者意識を持って行う地域の活動こそが、地域コミュニティー再生の引き金であり、よりよい地域づくりのために地域の皆さんの声に耳を澄ませ、ともに知恵を出し合うコミュニティー行政を進めてまいりたいと考えております。
○議長(藤田幸正) 橋本水道局長。
○水道局長(橋本桂一)(登壇) 災害に強いまちづくりについてのうち、配水池の耐震化について補足を申し上げます。
水道施設の中で配水池は、皆様の御家庭に水道水を安定して供給する根幹の施設であるとともに、大地震等の発生により、大規模な区域で断水事故が発生した場合に必要となる応急給水を確保するための重要な防災拠点となる施設です。このように、配水池は、防災上大変重要な水道施設でありますが、本市における配水池耐震化率は、現状において16.6%と低く、またその容量も不足している状況であることは、近藤議員さん御案内のとおりであります。また、御質問の清住配水池は、現状において、川東地区における唯一の配水池であり、計画給水人口の約25%に当たる約2万9,800人への給水を行っており、ほかの配水池と同様、耐震化の急がれる重要な水道施設であることは十分認識をしております。しかしながら、既存の配水池や送水場などの水道施設を耐震化、更新工事を行うためには、多額な費用が必要であり、また既存施設を併用しながら施工する必要があるため、短期間に全ての施設を耐震化することは困難であり、効果効率的な施設整備の計画を策定し、順次施工していく必要があります。このようなことから、新居浜市の水道事業の経営基本計画である新居浜市水道ビジョンにおいて、施策方針や具体的な主要な施設の耐震化計画を定めており、その計画に基づき、現在は新山根配水池及び船木配水池の耐震化工事を施工中であり、引き続き平成31年度までに金子山配水池の整備を予定し、その後、継続して清住配水池及び瑞応寺配水池等の耐震化工事を計画しております。このように、水道ビジョンにより計画的に進めている配水池の耐震化でございますが、高い確率で発生が予想される南海トラフによる巨大地震に対して十分な計画とは言えず、ハードの対策として耐震化対策事業のスピード向上に向けて努力するとともに、ソフト対策として応急給水方法やバックアップ体制についても具体的に検討してまいります。
次に、水道ビジョンの見直しと財政計画についてでございますが、近藤議員さん御指摘のとおり、平成24年度決算においても、16年連続の黒字の見込みであり、内部留保している金額についても多額となっておりますが、平成24年度から継続事業として着手しております新山根、船木配水池の築造並びに水道施設監視システムの更新事業により、平成25年度末には約10億円を超える内部留保資金を取り崩す見込みとなっております。また、電気料金の値上げや消費税の改定など、経済情勢も変化してきておりますことから、清住配水池も含めた建設計画も含めて、適宜水道ビジョン並びに財政計画についても見直しに取り組んでまいりたいと考えております。
以上で補足を終わります。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。近藤司議員。
○24番(近藤司)(登壇) 地域コミュニティー税の導入について再質問をいたします。
先ほどの答弁では、地域コミュニティー税は、市民みずからがコミュニティー活動に参画するという自覚を促し、安定的な財源を確保するという点では有効だが、増税につながること、また自治会費との二重取りになるなどの市民の負担がふえることから、市民の理解こそが大前提になるという答弁だったと思いますが、非自治会員から徴収されるコミュニティー税が約30%入りますので、この分も含めて、自治会に補助をしてメリットが出るような使い方をすれば、自治会員の負担も少なくなり、市民の3分の2に当たる自治会員の理解も得られるのではないかと思いますが、市民の理解度をどのようにして判断するのかも含めて、もう一度伺いたいと思います。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 近藤議員さんの再質問にお答えいたします。
地域コミュニティー税分を自治会に補助し、自治会員にメリットが出るような使い方をすればどうかということでございますが、現在、自治会を取り巻いている事業において、自治会員と非自治会員との不公平感が生じていることをお聞きいたしております。こういった点を解消するために、近藤議員さんが御提案のコミュニティー税を導入する方法も有効な一つの解決方法でありますが、税によらない方法で不公平感を解消することもございますことから、答弁でも申しましたように、今後どういった方法がよいのかなどにつきまして、コミュニティー再生のためのワーキンググループでも十分協議をしていただいて研究してみたいと、こんなふうに思っております。
また、市民の理解度をどのようにして判断するのかにつきましては、一般的に新たに税金を導入するに当たっては、事前に市民の皆さんや議員の皆様の御意見をいただきながら制度設計をすることが必要と考えております。また、導入するという方針が決まりましても、導入までに説明会を開催するなど、市民の皆様に御理解をいただくため周知を行うこととなります。その際、市民の方の御意見をお聞きして判断してまいりたいと、こんなふうに考えております。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。近藤司議員。
○24番(近藤司)(登壇) 今のコミュニティー税の使途なんですけど、例えば具体的にちょっと例を挙げてみますと、今現在、新居浜市の防犯灯はLEDにだんだん切りかわってきておりますが、これ全部切りかえるとしたら約2億円余りかかると。ほんで、例えば今新居浜市の納税者が約5万人余りおると思うんですが、1,000円、コミュニティー税でいただくということになりますと、約5,000万円余り入ってきます。そしたら、4年間で全部LED化もできますし、電気代も半分ということは、今半分自治会に補助しておりますので、その半分の補助で電気代も全額賄えるというふうなことになりますから、そういうようなことも検討していただきたいと思います。
それでは最後に、2点要望して終わりたいと思います。
まず1点目は、配水池の耐震化についてでありますが、先ほど配水池の耐震化に対しては、十分な計画とは言えないので、耐震化のスピードアップに努力したいとの答弁がありましたが、繰り返し申し上げますが、清住の配水池が被災しますと、市民の約25%に当たる約3万人の家庭への供給ができなくなります。停電で自家用ポンプも使えなくなると、事態はさらに深刻になってまいります。そんなことから、建設用地ももう既に確保されておりますし、既存の施設も使用しながら建設もできますので、ぜひ前期内での着工をお願いしたいと思います。
2点目は、菊本沖の第2期工事についてでありますが、答弁では、新居浜港が重点港湾の選定から外れたことによって、国による直轄の事業実施は非常に難しい状況になっていると。重点港湾の見直しについて、関係機関と連携をとりながら、国に働きかけていきたいというような答弁をいただいておりますが、国内で唯一であります新居浜港務局は、以前から直接国に予算要望できる港湾区域を管理しております。従来の港湾法に基づいて、水深12メートルの岸壁を国の直轄による施工ということで国に働きかけていただきたいと思います。
また、荷内沖の埋め立てについても、将来的には港湾区域を拡張して整備するという方法も検討していただきたいと、このように思います。2点要望しておきます。
今回の質問では、新居浜市にとって対策が急がれる諸課題について大きく5項目質問してまいりましたが、その時々の政治経済、社会状況、また財政状況の中で難しい判断を迫られることが多いと思います。石川市長の目指す市民が安全、安心を実感でき、郷土に誇りと愛着を持ち、子供たちの未来に責任が持てる新居浜市を構築するために、率先垂範して的確でタイムリーな決断、さらにスピーディーな実行力を発揮されますことを期待いたしまして、私の質問を終えたいと思います。
○議長(藤田幸正) この際、暫時休憩いたします。
午前11時04分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前11時16分再開
○議長(藤田幸正) 休憩前に引き続き会議を開きます。
仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) いずみ会の仙波でございます。けさ愛媛新聞で、南海トラフ沖地震の想定っていうのが新たに発表をされたわけですけれども、特に新居浜市においても、安全、安心ということが非常に大切ではないかと思います。そのことと直接関係はないんですけれども、将来的には関係があるかなという部分がございます。
それでは、通告に従いまして質問を始めたいと思います。
まず、新居浜市の財政運営について。
安倍政権発足以来、株価の値上がり、最近は若干乱高下をいたしておりますけれども、財務省によると、国の借金は1,107兆1,000億円と発表がされております。また、6月に閣議決定する経済財政運営の指針、骨太の方針では、停滞の20年から回復の10年へと掲げ、先進国では最悪の水準にある公的債務残高の削減と持続的な経済成長を政府は打ち出すことにしております。安倍晋三政権は、財政再建の手綱を緩めれば、国債への信頼が揺らいで、過度な金利上昇を招きかねないと判断をしています。2020年までの財政健全化目標を重視する姿勢です。公的債務残高とは、国と地方の借金の合計で、2013年で対国内総生産比245.4%になると見込まれています。また、医療や年金、公共事業など、政策に必要なお金を国債発行に頼らず、税収などでどれだけ賄えるかを示す数値を基礎的財政収支といいます。政府は、菅政権が掲げた財政健全化目標が変わっていないことと、安倍政権の新たな目標とともに、今月17、18日に英国北アイルランドで開かれる主要8カ国首脳会議で、財政再建に向けた具体的な本気度をアピールすることが重要と考えています。安倍政権の経済政策、いわゆるアベノミクスによる経済成長や消費税増税、社会保障改革に伴う歳出削減などで、今回の目標である基礎的財政収支でこの数値を黒字化することを目指す考えです。骨太の方針で、歳出の抑制と国債の発行額もできるだけ抑制し、中期的な持続可能な財政構造を目指します。日本の財政の現状を歳出に対する歳入の規模が他の先進国に比べて極めて小さく、経済成長だけで財政健全化を図っていくことは極めて困難です。つまり、財政の持続可能性への信用が揺らげば、日銀の国債購入が財政ファイナンスの疑念を持たれますし、そして金利の急騰を招き、金融緩和の効果がなくなってしまいます。財政健全化をめぐり、政府は、2015年までに国と地方の基礎的財政収支が国内総生産費の赤字を2010年に比べて半減させる目標を立てています。基礎的財政収支の赤字を埋めるには、今後2年間で17兆円程度の財政収支の改善が必要になります。つまり、2013年度の基礎的財政収支の赤字額は6.9%、お金にして約33.9兆円で、税金だけで賄おうとすれば、消費税に換算すると12%を超えることになります。財政審議会は、この目標が日本の財政への国際的な信用を保持する基礎なので、目標達成には2015年までの消費税率10%への値上げが大前提で、一方では社会保障や地方財政など5つの分野で歳出抑制への具体策も提言することとしています。また、国民健康保険の運営主体の市町村から都道府県への移管についても、早急な制度化を促していくと考えています。現在、地方交付税や地方税収など合わせた地方一般財源、2013年度では約59.8兆円で、前年度と同水準に据え置くいわゆる2013年度と同じ水準に据え置くルールの継続も要望するとしています。今後、経済財政諮問会議で、財政健全化と経済再生を実現するための道筋について検討を進め、今年8月ころには中期財政計画に盛り込み、各歳出分野の取り組みなど、財政健全化の基本方針を示すとの考えを示しています。また、国債の暴落を防ぐためには、国内総生産における収支を明確にする必要があります。国の2013年度の基礎的財政収支の赤字は、国内総生産費で6.9%に達しています。昨年8月の発表では、国内総生産費5.2%で25.4兆円だったが、随分悪化をしています。この数値をもとに、政府の目標どおり、2020年度までに赤字をゼロにするなら、単純計算でも今後7年間、国内総生産比で最低毎年1%ずつ改善していかなければなりません。中長期財政再建のシナリオの中身が完全に示されていない中で、住民税、所得税、消費税と来年度に向けて増税が続きます。つまり、住民の負担がふえてまいります。
そこで、新居浜市の財政運営について次の3点についてお伺いをいたします。
エコノミストの中には、アベノミクス効果で国債金利が上昇し、2%以上アップすると交付税財源がなくなるのではないかと言われています。現在、日本は、国債の9割を国民が持っています。貿易収支は、円高の影響で、10カ月以上の連続赤字が続いています。このまま赤字が続けば、お金が足りなくなってまいります。そうすると、国は海外から資金を調達しなければなりません。そうすると、国債が売られ、国債の信用が落ちてきて、金利の急騰や長期金利も上昇してまいります。実際、そのようなことが起こった場合の対応について、新居浜市の対策はどうなっているか、お伺いしたいと思います。
2点目は、今回の大幅な金融緩和は、財政調整機能が極めて弱い自治体には、財政運営に大きく影響すると言われています。新居浜市では、平成16年の災害において、財政調整基金が大幅に減少する事態に見舞われました。そして、政策の変更を余儀なくされました。今回の大幅な金融緩和による影響について、分析と対応についてお伺いします。
3点目は、今後の予想として、現在の自治体運営が税収の伸びで金利上昇分の地方債償還財源を確保できるかどうかという点が問題になってまいります。新居浜市独自の対策も必要と思いますが、御所見をお伺いします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 仙波議員さんの御質問にお答えをいたします。
まず、長期金利が上昇した場合の対策についてでございます。
国の経済政策が、デフレからの脱却を目指しておりますため、金融緩和により長期金利が上昇することはある程度避けられないことと認識をいたしておりますが、財務大臣の諮問機関であります財政制度審議会からは、国と地方の基礎的財政収支の黒字化など、政府の健全財政化への取り組みが着実に進み、具体的な成果を上げなければ、金利高騰を招き、金融緩和の成果を減殺されることになりかねないとの報告書が提出されておりますため、懸念いたしているところでございます。この長期金利の上昇は、市債の借入利率の上昇につながりますので、当然ながら、市債の発行に影響を与えるものでございます。平成25年度の起債計画額55億9,260万円に対し、仮に利率が1%上昇いたしますと、年間5,592万6,000円の利子負担の増となるものでございます。ただ、本市の中長期の財政計画では、市債の借入利率を2%として策定をいたしておりますので、この範囲内であれば、金利上昇分を吸収できる柔軟な財政運営が可能でございますが、想定を上回る金利上昇が生じた場合には、新規事業の見直し等歳出抑制による借り入れの縮減など、起債計画の見直しを迫られる可能性もあると考えております。
次に、今回の大幅な金融緩和が、自治体財政運営に与える影響についてでございます。
経済情勢の著しい変動などにより、財源不足が生じた場合の補填など、自治体みずからの財政調整機能を果たすものといたしましては、仙波議員さん御指摘の財政調整基金がございますが、その効果は一時的、限定的でございますので、現在の地方財政制度におきまして、財政調整機能の中心的役割を果たしておりますのは、地方交付税でございます。地方交付税の原資は、所得税、法人税など国税5税でございますので、金融緩和などいわゆるアベノミクスによって企業業績が回復し、物価上昇をカバーできる賃金上昇が実現すれば、日本経済の再生とともに、国税収入や地方税収入の伸びによって財政の健全化が加速すると期待をいたしておりますが、一方では、日銀は国債の金利が1%上がれば、政府の利子負担は1兆5,500億円増加すると予想いたしておりますので、経済の回復が十分でない中で、こうした金利上昇が起これば、国の財政再建や地方財政にも深刻な影響を与えるところとなりますので、懸念をいたしております。いずれにいたしましても、地方財政への影響は避けることはできず、その規模や実態について、正直申し上げまして、はかりがたいところでございますが、基金等の効果的な活用はもとより、さらなる歳入の確保、歳出の削減等に取り組んでいく必要があろうかと考えております。
次に、税収の伸びで、金利上昇分の地方債償還財源を確保できないということについてでございますが、国の経済対策により、デフレスパイラルから脱却することができ、日本経済が回復に向かうことができましたならば、税収の伸びも期待できますところでございますので、地方債償還財源の確保を初め、弾力的、安定的な財政運営に資するものと期待しているところでございます。
○議長(藤田幸正) 仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) 特にそういう中で、地方財政では国民経済の中で重要な位置を占めており、行政の投資の多くが地方公共団体に資されていることなどから、地方を通じて実施される建設事業などの財源になる地方債は、その発行量の増減によって事業量を調整することが可能であり、また景気対策においても、重要な機能を果たしていると思います。特に、地方債の元利償還金の支払い財源を後年度の税収入等を充てることにより、将来便益を受けることになる後世代の住民と現世代の住民との間で負担を分かつことができます。
なお、世代間の公平の観点から、地方債の償還期限は、当該地方債の財源として建設した施設の耐用年数を超えることは基本的にはできないということになっています。そういう中で、市債の中長期財政計画では、借入率を2%としているということでありますが、現段階で長期金利上昇に対応できるという意味では、新居浜市としてどの程度の弾力性が考えられるのか、我々に御説明のときは基本的に4%以下というふうになっているわけでございますが、その点について御所見をお願いいたします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。寺田企画部長。
○企画部長(寺田政則)(登壇) 仙波議員さんの再質問にお答えいたします。
長期債の金利の上昇に対するいわゆる弾力性ということでございますが、その観点で申し上げますと、先ほど答弁の中でもございましたが、中長期の財政計画におきましては、今から10年間に新規に借り入れする、発行する起債の利率を現在、2%というふうに想定をいたしております。これに対しまして、実際今現在の金利は、縁故債、いわゆる銀行引受資金の一番高いものでも1%、0.9%を切っております。そういうことから、いわゆる1%余りは余裕があるという状況になっております。これがいわゆるゆとり、調整しろということにはなりますが、わかりやすく金額に直しますと、今から10年間に見込んでおります利子負担の総額、これ今まで借りているのも含めまして計画額が約150億円要るというふうに見込んでおります。これに対して、先ほどの現行金利で借り入れた場合の利息の総額は約120億円ということでございますので、差し引き30億円は調整額があるというふうになっております。また、先ほど仙波議員さんもおっしゃられておりましたが、財政運営上の調整機能という面では、特に公債費については、減債基金あるいは財政調整基金というのがございます。これらの基金の平成24年度末の残高は、合わせまして57億円ということでございます。こういったことで、現時点では我々が金利の上昇に対応できる調整部分があるということになろうかと思います。予算上、先ほど4%ということがございましたが、予算上の上限金利は4%ということで議決をいただいております。そういうことで、ある程度は弾力性があるというふうに判断しておりますが、今後特に金利の動向には十分注意をいたしまして、こういった調整財源を効果的に使うことで、健全な財政運営、これを図っていきたいと、維持していきたいというふうに考えております。
○議長(藤田幸正) 仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) 部長のほうから、基本的には今後2%、現在は1%前後というような御返答をいただいたわけでございますけれども、先般、日銀の発表では、1.09%とかという、そういう数値も出ておりまして、0.94%ぐらい現実的にはもう既に上がっているというふうなこともございます。そういう中で、アベノミクス自身は、金融緩和と成長戦略は、経済市場であったわけでございますし、今後もそれは続けていかれるものというふうに思っております。自治体運営は税収の伸びで金利の上昇分、地方財源確保ができるかどうかという点を先ほどお伺いをしたわけでございますが、そこで税収の伸びに必要なことは、企業の売り上げや財務内容の改善でありますし、住民の所得が上がるということになろうかと思います。特に、補正予算を含めて今年度の公共事業の発注状況は、新居浜市はいかがでしょうか。愛媛県では、4月に人件費の値上げ等に連動した作業を行っているということによって、若干発注がおくれているというふうに伺っておりますけれども、本市の取り組み状況と中身についてもお知らせをいただいたらというふうに思います。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。寺田企画部長。
○企画部長(寺田政則)(登壇) 仙波議員さんの再質問にお答えいたします。
公共事業の発注状況でございますが、6月10日時点での建設工事の入札の状況につきましては、件数で71件、金額で7億6,300万円というふうになっております。先ほど県のお話もございましたが、これを昨年と比較いたしますと、件数で25件、金額で5億9,000万円それぞれ低くなっておるという状況でございます。公共事業につきましては、3月補正で前倒しいたしました国の補正予算、これの補助事業も含めまして、昨年と同規模以上の事業量は確保いたしております。ただ、申し上げましたように、現時点で件数、金額ともに昨年度より低くなっているというふうな状況でございます。この理由でございますが、その一つの大きな要素といたしましては、通常規模の大きい事業の場合は、前年度、設計、測量して、次年度で建設工事をやり上げるという工程が一般的でございますが、今年度につきましては、例えば教育委員会のプールの改築事業、それとか運動場の排水設備といった工事が国の補正予算でついております。その関係で、設計と建設工事を1年で実施するというスケジュールになっております。補正の時期も成立日が3月ということでございますので、現時点での状況は、設計の仕上がりを待っているという段階でございまして、工事の発注には至っておりません。こういったことが発注率が上がってない一つの要素となっておると考えております。これに対しまして、昨年度は、若宮保育園の新築工事あるいは雨水幹線の築造工事、約5億円の大規模工事が発注できていたという状況がございました。ただ、今後は6月から7月にかけまして大規模工事の入札がございます。例えば、消防救急無線のデジタル化工事あるいは別子山地区の飲料水の給水工事、こういったいわゆる大型工事の入札がございます。契約状況も改善していくものではないかというふうには考えております。
○議長(藤田幸正) 仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) ただいまの状態では、なかなか国の政策が地方まで行ってないのではないかと言わざるを得ないのではないかというふうに思います。そういう中で、回復の10年っていうことにつながってこないと、来年度はその住民生活にもろに影響が出てくる。また公共料金ではないですけども、電気料金も当然値上がりということもあります。そういう中で、地方としてできることっていうのはどういうことかっていうことになってくるわけですけれども、部長は今ああいうふうにおっしゃいましたけれども、新居浜市としては早目に早期発注をするなり、それなりの工夫という考え方はございませんか。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。寺田企画部長。
○企画部長(寺田政則)(登壇) 入札の早期発注に向けての新居浜市の取り組みをどういうふうに考えておるのかという再質問にお答えいたします。
仙波議員さん御指摘のとおり、地域経済に配慮した公共事業の早期発注ということは、いわゆる税財源の増収に結びつき、経済効果をもたらすという意味で大変重要でございます。そういったことから、先ほど申し上げましたが、設計業務の早期の実施、それから工事の発注率が上がるよう、庁内の推進体制の強化を図ってまいりたいというふうに考えております。具体的には、今、四半期ごとに入札の発注率を把握しておりますが、この四半期ごとの目標入札率の設定、それと進行管理については一元的に企画部のほうで行うということで、目標入札率に達してない課所につきましては、個別にヒアリングあるいは指導を行って、早期の発注の推進に向けまして全庁的な体制の強化を図ってまいりたいというふうに考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
○議長(藤田幸正) 仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) 中身としては、もう少し踏み込んでお伺いすると、例えば県の発注の状況である、50万円以下についてはどういうふうにするかとか、そういうことも当然あるわけでございますし、市長は特に県のほうで財政も非常にお詳しいと思いますので、発注に対して例えば新居浜市と県と基本的なそういう低額発注の違いとか、それをどうやれば早期に出せて、もう少し効率よく出せるのか、ふだん我々がよく行きますと、どうしてできないのって言うと、いやいやコンサルからまだ書類が来てないんですっていうのが担当部局でよく聞くわけですけれども、確かにその小さい金額でも実際にコンサルタントが要るのかどうかということについては、非常に疑問に常日ごろ感じておるわけでございます。発注だけの話をしてもいたし方ないんですけれども、その辺、市長さんに十分考えていただきたいというふうに思います。特に、日銀の金融システムレポートによると、金利が1%上がると国債価格の下落で銀行、信用金庫には6兆6,000億円の損失が出る、また大手銀行は3.2兆円に対して地域金融機関は3.4兆円であるという。つまり、小さいところのほうが痛むということがもう既に言われておるわけです。その中で、本当に新居浜市の例えば市債の借り入れ等について、本当に金利が変わらないのかどうかっていうことについても若干疑問に思うわけですけれども、その辺はもう少し日常から細かく報告をしていただきたいなというふうに思います。
次に、新居浜市として経済再生についてお伺いをします。
本市を支える産業振興のためには、ビジネスコーディネートの推進と新たな成長分野の取り組みが重要と思います。市長は、工業の振興では、新居浜市のものづくり産業振興ビジョンに基づくと言われております。内容としては、経営戦略は、人材の確保、育成、製造工程のコスト削減が多く、技術の開発力の強化、新産業への進出、販路開拓、営業の強化の課題も示されています。私的には、新居浜市ものづくり産業振興ビジョンを見ると、プラントメンテナンス、人材育成についてのみが目立っていると思いますが、その中で、中小企業、零細にとって、具体的にはその次の投資や経営の方向性が見えてこないのではないか、また保有する得意技術を活用する分野の見きわめができない状況ではないかと思いますが、その点についての対策はいかがお考えですか。適切な企業活動が行われないと成長はありません。そこで、一つの考え方ですが、新居浜市の目指す都市像は産業・環境共生都市とあります。先進地の飯田市再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくりに関する条例を策定しているところもございます。この条例の制定に、ワーキンググループのメンバーでもあった講師が、条例の内容、法的な位置づけ、政策的な可能性、他自治体での応用可能かどうかなどについて解説をしてくれるということも言っておられます。この飯田市は、東日本の大震災が起きる以前から、公共の屋根を利用した太陽光発電に取り組んでいます。飯田市と中部電力の共同事業として、行政が主導して、地域事業者の信用補完、屋根貸し等の施設貸与支援、住民参加型ファンドの事務事業のあり方、総合特区事業の実施における再生エネルギー関連事業の位置づけなどを考えています。現在では、エネルギー問題も地産地消で環境負荷が低減できる分野やさらに進めてスマートシティー構想などがあると思います。電力の話になると、新居浜市では、住友共同電力が、川崎市でバイオマス発電を行っています。壬生川では太陽光発電も行っています。水力発電所も営業しています。そういう要素をどう生かしていくのかということも、新居浜版の成長戦略を進めていくには参考になるのではないかと思いますが、こういう先進地事例を参考に、経済政策を進められたらと思いますが、いかがお考えですか。
経済の再生では、強い部分をより強く、弱い部分をより少なくすることが大切だと思います。昨今の円安による原材料の値上げに伴い、電気料金の値上げも迫っています。東日本大震災以降で特にエネルギー問題と環境問題が大きく取り上げられています。これまでは、木材をガス化して、電力分野に利用することや、液体燃料にして石油の代替燃料としていました。この植物を燃料資源として燃焼した際、放出される二酸化炭素の量は、光合成で吸収された二酸化炭素の量と変わらない。よって、光合成をする植物由来のバイオマスが原料である固形燃料のバイオコークスは、二酸化炭素を排出しない、環境に優しい、クリーンな燃料です。しかし、二酸化炭素の発生原因の半分が、現在、石炭が占めているのに対し、石炭は開発が余り進んでいないのが現実です。また、石炭の輸入価格は、当面、安定しているので、石炭火力発電所が多いというふうに聞いております。
一方、大阪TLOの市川さんは、より多くの人たちに環境エネルギーを進めるために、大阪府の特許流通アドバイザーとともに連携を図り、日々奔走していました。その中で、毎年大量に生えてくる淀川のヨシを利用しようという試みが始まりました。このバイオコークスを開発したのは、平成12年から生物エネルギーについて研究を進めてきた近畿大学の井田教授です。コーヒーやお茶のかす、もみがらなど農産系廃棄物、流木や河川敷の草、間伐材やおからなど食品廃棄物など、全てのバイオマスが原料になるそうです。そもそも植物は、光合成の際、大気中の二酸化炭素を吸収します。また、ほかにも全国の自治体には、使用済みの紙おむつをペレット化して温泉施設のボイラーの燃料にしているまちもございます。また、長野県のように、自然エネルギープロジェクト登録制度を行っているところもあります。先進地の取り組み例は、さきの飯田市も含めていろいろあります。例えば、新居浜市のマイントピア別子の温泉施設のボイラーに利用するなど、地域の資源とそれから地域の業者が一緒になってやるというような積極的な取り組みを考えられたらいかがと思いますが、いかがですか。現在の新居浜版の成長戦略を考えていく中で、取り組み状況についてお伺いをしたいと思います。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 成長戦略についてお答えいたします。
まず、中小零細企業の経営の方向性や技術活用分野の見きわめに関する対策についてでございます。
御質問にもございますように、ビジネスコーディネートの推進や新たな成長分野への対応は、本市産業の発展に欠かせない要素の一つであると認識をいたしております。新居浜市ものづくり産業振興ビジョンにおいても、今後のアクションプランとして、関係機関の連携強化を含む支援体制の充実とともに、新事業展開の促進等に取り組むことを掲げております。
こうした中、えひめ東予産業創造センターでは、地域の新産業創出を目的に、今後成長が期待される分野での次世代技術に関する研究会を平成21年度から開催しており、平成24年度末からは、これをさらにステップアップし、参加企業の意見を反映した小規模勉強会をスタートしております。現在、炭素繊維と溶接技術の2つのテーマに絞り、開催をいたしておりますが、今後もこうした取り組みを通じ、地域企業の新たな事業展開や保有技術の活用の見きわめにつながる機会の創出を図ってまいります。
次に、新居浜市の目指す都市像産業・環境共生都市や全国の先進事例、地域の関連事業を生かした環境関連政策の推進についてでございます。
先日閣議決定されました2013年版環境白書では、地球規模での環境問題が深刻化する中、今後は環境負荷の軽減を図りながら経済成長を達成する、いわゆるグリーン経済が世界的な潮流になるとされております。将来にわたる持続可能な社会の実現に向け、産業と環境の共生は、もはや切り離すことのできない重要な命題であると考えております。
こうした中、本市といたしましては、新居浜市ものづくり産業振興ビジョンにおいて、環境負荷低減に向けた事業活動への支援をアクションプランとして盛り込んでおり、現在の取り組みといたしましては、低炭素型事業への展開に伴う企業立地に対する助成のほか、事業活動中に発生する廃棄物等を再利用した高付加価値型製品の生産、販売等における市内企業への支援を検討しているところでございます。また、行政による取り組みといたしましては、下水処理場で発生する消化ガスの有効利用に係る市内企業との共同事業や愛媛県との連携による下水汚泥の資源化に関する研究を実施しているほか、し尿、生ごみ等の廃棄物系バイオマスの利活用について環境部内で検討をしている状況でございます。
次に、マイントピア別子の温泉施設への紙おむつペレットの利用についてでございます。
使用済み紙おむつの燃料化事業は、紙おむつを分別収集し、加工処理した後、ペレット化することにより、温泉施設のボイラー燃料として使用するものでございまして、環境負荷の低減と経費削減につながる画期的な取り組みであると認識をいたしております。紙おむつの燃料化を導入するに当たっては、分別収集の見直し、ペレットをつくる処理機や専用ボイラーの設置などが必要となりますことから、マイントピア別子の温泉施設への利用につきまして、今後施設の再生方策を検討する中で検証してまいります。
いずれにいたしましても、経済活動における環境効率への指向を図ることにより、廃棄物やエネルギー消費の抑制を促進することはもちろんですが、本市経済の成長戦略といたしましては、こうした事業への取り組みを通じ、環境分野における新たな技術革新や環境技術に裏打ちされた市場の創造を推進していくこと等により、地域のものづくり産業の活性化と実需を創出してまいります。
○議長(藤田幸正) この際、暫時休憩いたします。
正午 休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 1時00分再開
○議長(藤田幸正) 休憩前に引き続き会議を開きます。
仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) それでは、就労支援について御質問いたします。
先般、いよぎん地域経済研究センターにおいて、2040年には愛媛は5万人の労働者不足との発表もあり、ますます危惧するところであります。先日、中学校の校長先生と話をさせていただきました。中学生の就職問題でありますが、職業安定所にも中学生の就職支援をするところがないということです。現在は確かに中学卒業生の高校進学率は95%を超えている現状でありますし、その中で中学生の就職支援は、想像できないことかもしれません。しかし、地域にとって必要不可欠な人材であることは間違いありません。こういうところの細かな部分での対応、中学生の就職支援などを含めて対応していかなければならないと思います。新居浜市として今後の人材確保と就職支援の問題についてどのように対処するつもりですか、お伺いします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。寺村経済部長。
○経済部長(寺村伸治)(登壇) 就労支援についてお答えいたします。
中学生の人材確保と就職支援についてでございますが、ハローワーク新居浜では、毎年5月から7月にかけて、市内企業への中学生の求人依頼、7月1日以降、中学校への企業情報の提供を行っており、翌年の1月1日以降、学校から求職者の企業への書類送付、1月10日以降、企業の選考、就職内定という手順で就職支援を行っております。また、1月以降、ハローワーク新居浜へ中学生の就職希望の相談があった場合には、ハローワーク新居浜、学校、保護者、就職希望学生の4者による面談を行い、進学の可能性の有無についての話し合いをした後、求職の登録をするといった方法で就職支援を行っているとのことでございます。昨年は、数件の相談はあったものの、最終的に就職希望者はいなかったとのことでございます。本市といたしましても、今後、中学生の就職希望者の有無について、ハローワーク新居浜との情報共有に努めるとともに、必要に応じて新居浜市雇用対策協議会において、中学生の面接指導等の就職支援について検討し、人材確保に努めてまいりたいと考えております。
○議長(藤田幸正) 仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) 御答弁はそのようにおっしゃっておられるんですが、私が現実に2人ほどの校長先生とお話をしたときには、今のようなお答えはございませんでした。そういう意味で、十分連絡調整を図りながら、中学生といえども重要な人材ですから、注意をしていただきたいということを申し上げておきます。
次に、金融円滑化法について。
政府金融庁は、モラトリアム法の期限切れに伴う激変緩和措置として、中小企業向けの融資などを調査しました。金融円滑化法とは無関係の企業も含めた全体の倒産件数は低水準で、4月は前年同月比10.4%減の899件と22年ぶりに900件を割り込んだと報告されています。中小企業金融円滑化法の適用を受けた企業の倒産件数は、5月は前年同月比9割増の44件と単月で過去最多になりました。つまり、4カ月連続で最多を更新しています。結果として、融資条件を変更しても、業績不振から抜け出せず、事業継続を断念する企業がふえているということになります。円滑化法は、3月末に期限切れを迎えました。実際は、円滑化法で資金繰りが改善された間に売り上げを回復できた企業と、延命にすぎなかった企業との間で二極化の傾向が出てきたのではないかと思います。新居浜市としても、金融機関の支援状況に目を光らせていくことが重要だと思います。金融庁監督局でも、中小企業だけでなく、住宅ローン借入者に対しても、金融機関が貸付条件の変更など、円滑な資金供給に努める、今後も何ら変わりなく、金融機関に対しても監督指針を改正して促していくと言っています。新居浜市の現状と対策はどうなっているでしょうか、お伺いをいたします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。寺村経済部長。
○経済部長(寺村伸治)(登壇) 金融円滑化法についてお答えいたします。
ことし3月末で中小企業金融円滑化法が期限切れを迎えましたが、期限切れを前に、多くの事業者がその影響を懸念いたしておりましたことは御案内のとおりでございます。そのため、国におきましては、中小企業等金融円滑化相談窓口の開設や経営支援型セーフティネット貸付制度などの資金繰り支援を行うなど、その影響を最小限にとどめるよう努めているところでございます。本市におきましても、中小企業を取り巻く厳しい経営環境を考慮し、緊急経営資金融資及び利子補給制度を来年3月末まで延長し、資金繰り支援を継続して行っているところでございます。本市での現状についてでございますが、新居浜商工会議所や愛媛県信用保証協会などから状況をお伺いしたところ、中小企業金融円滑化法終了に伴う市内中小企業への影響は、今のところほとんどないのではないかとのことでございました。現在のところ、中小企業金融円滑化法に基づき、融資実行の変更を受けた企業が策定した経営改善計画について、計画の目標を達成した企業が二、三割ではないかとも言われており、今後におきましては、実効性ある経営改善計画の策定と目標達成に向けてのモニタリング等の支援が必要ではないかと考えております。国におきましては、本年4月から、中小企業が経営改善計画を策定する際の認定支援機関である金融機関から支援や策定後の定期的なフォローアップにかかる費用に対する補助制度も創設されましたことから、新居浜商工会議所等と連携し、セーフティネット貸付も含めたこれら制度のPRに努めてまいりますとともに、金融機関とともに連携を図り、中小企業の経営改善に対する支援を引き続き行ってまいります。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) どうもありがとうございました。どちらにしても、新居浜市の経済がよくならないと税収もよくならないということで、国の財政についても新居浜市に対する影響、新居浜市としてその影響をどういうふうにするのかということを含めて、きめ細かく対応していただきたいというふうに思います。
以上で終わります。
○議長(藤田幸正) 高塚広義議員。
○2番(高塚広義)(登壇) 公明党議員団の高塚広義です。通告に従い質問させていただきます。
初めに、公共情報コモンズを活用した災害情報の発信についてお伺いします。
公共情報コモンズは、災害発生時やその復旧、復興に至るさまざまな局面において、住民の安全、安心にかかわる公共情報を発信する自治体とそれを伝える放送事業者、通信事業者を結ぶ共通情報基盤です。一般財団法人のマルチメディア振興センターが運営しており、地方自治体やライフライン関連事業者ら発信側と、マスコミや通信関連事業者ら受信側が公共情報コモンズを利用することで、効率的かつ迅速な情報伝達が可能になります。現在、8県65の市町村が既に運用を開始し、10府県と53の市町村が、準備、試験中という状況です。将来的には、自治体以外にも、交通関連事業者(運行情報)、ライフライン事業者(復旧見通し情報)への進展が見込まれ、ことしの夏には大手ポータルサイト、ヤフージャパンが公共情報コモンズと連携して情報配信するということが予定されております。今後、公共情報を共有する基盤整備の必要性が一層求められていることから、平成24年度補正予算で、公共情報コモンズの活用に向けての支援策、防災情報通信基盤整備事業として30億円が予算措置されています。また、公共情報コモンズが求められる背景として、1、地方自治体による災害情報の発信は、市町村から都道府県、そして国へと一方向の報告になってしまうことが多く、住民への提供や自治体間での共有という点ではまだおくれているのが実情で、改善が求められていること、2、大規模災害時には、公的支援だけでは限界があることから、住民に対して迅速かつ正確に情報を提供できるシステムへのニーズが高まっていること、3、独自に放送事業者等への災害関連情報を配信するシステムに取り組む地方自治体もありますが、データ形式やシステム間の接続方式などに独自性が強く、実際の運用面で課題となるケースも出ており、トータルシステムとして標準化の必要性が認識され始めていること、以上の3点があります。導入効果による地域住民のメリットとして、1、緊急事態発生時には、身近なメディアを通じて、迅速に正確な情報の取得が可能になる、2、誰もが外出先や移動中であっても、緊急情報をリアルタイムに受信できるようになる、以上の2点であります。また、地方公共団体等の情報発信者のメリットとして、1、住民の居場所にかかわらず、テレビ、ラジオ、公共機関など、各種メディアを通じて、緊急性の高い情報を迅速、確実に伝えることができる、2、公共情報コモンズへの送信のみで、多様なメディアへの情報伝達が可能となる、3、情報発信者は、公共情報コモンズからの情報を取得することもできるので、隣接する自治体等、ほかの地域の災害状況等を即時に把握できるようになる、以上の3点があります。本市においても、公共情報コモンズの導入を検討すべきと考えますが、本市の現在の取り組み状況をお伺いいたします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 高塚議員さんの御質問にお答えをいたします。
公共情報コモンズを活用した災害情報の発信についてでございます。
公共情報コモンズは、平成19年7月の新潟県中越沖地震の経験をもとに、災害時の避難情報など、行政が発信する情報をテレビ、ラジオなどのさまざまなメディアを通じて、地域住民に迅速かつ効率的に提供することを目的に、一般財団法人マルチメディア振興センターが整備したシステムで、平成23年6月から全国での運用を開始しております。愛媛県におきましては、四国総合通信局、愛媛県、県内市町、放送機関など29機関が参加した愛媛県公共情報コモンズ連絡会を昨年度立ち上げ、8月に第1回連絡会を開催いたしました。連絡会では、システムの効果的な利用方法、運用方法などについて検討を行い、現在県内全市町で運用開始に向けた情報発信試験を実施しております。当システムにおいて発信する情報は、運用ルールで避難勧告、避難指示などの避難情報と避難所の開設、閉鎖などの避難所情報の2種類となっております。また、放送機関から住民への情報伝達につきましては、準備のできた放送機関から順次対応することとなっており、当面、NHKテレビのデータ放送に反映される予定となっております。
なお、県内での当システムの運用は、今後関係機関が参加する公共情報コモンズ合同訓練及び住民への事前周知を経て開始することとなっており、連絡会事務局からの情報では、開始時期は現在のところ未定であるとのことでございますが、高塚議員さん御案内のように、本システムは、地域住民にとっても、また地方公共団体や情報伝達事業者にとってもメリットの多いシステムであると認識いたしておりますので、導入に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(藤田幸正) 高塚広義議員。
○2番(高塚広義)(登壇) 実際に、全国ではそんなには進んでないとは思うんですけど、もしも先進市の事例等があればお聞かせください。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。関市民部長。
○市民部長(関福生)(登壇) 高塚議員さんの御質問にお答えいたします。
先進的な市町村の事例というのは、余り聞き及んでございません。兵庫県が阪神・淡路大震災の経験も踏まえて、既にみずからの防災情報システム、フェニックス防災システムというものを県独自で導入して、このコモンズの活用に類似した対応に既に取り組んでおると、そのように伺っております。
以上でございます。
○議長(藤田幸正) 高塚広義議員。
○2番(高塚広義)(登壇) どうもありがとうございました。
続きまして、障がい者の自立及び就労支援の取り組みについてお伺いいたします。
障害者優先調達推進法が本年4月から施行されました。同法は、国と独立行政法人等に対して、障害者が就労施設でつくった製品の購入や清掃などの業務委託を優先的に行うよう義務づけるとともに、地方公共団体に対しても、障害者施設の受注機会の増大を図るよう努めることを求めています。現在、国などが商品の購入や業務委託をする際は、競争入札による契約が原則になっており、民間企業に比べ競争力の弱い障害者就労施設が契約するのは難しいのが実情です。また、施設や自宅で働く障害者がふえる一方、景気の低迷により、民間企業からの仕事の依頼は減少しており、さらに障害者施設への発注が不安定のため、国からの安定した仕事を求める声が高まっていました。
こうした状況を踏まえて、障害者の就労機会を増加させ、自立を促進することを目的として、本法律が制定されております。本法律によって、自治体には、障害者就労施設等の受注機会の増大を図るための必要な措置を講ずる努力義務が課せられています。それを実効あるものとするために、物品の調達目標を定めた調達方針を策定し、公表しなければならず、その方針に即して調達を実施し、調達実績は取りまとめて公表することが求められています。特例措置を講じている都道府県及び市は60に上っております。岐阜県では、県内の障害者雇用努力企業等及び母子福祉団体へ優先的に発注を行うことにしております。また、滋賀県では、県内の障害者の雇用及び福祉的就労の促進を図ることを目的に、障害者支援施設、障害福祉サービス事業所等から優先的に物品等の調達を行う滋賀県ナイスハート物品購入制度を実施しております。愛媛県も平成17年度より物品購入における障害者雇用企業の優遇措置及び建設工事入札参加資格審査における障害者雇用企業への加点評価措置を実施しております。障害者の方々の自立及び就労支援の観点から、本市においても、障害者就労施設等の受注機会増大を図る積極的な取り組みが必要であると思われます。
そこで、質問いたします。
1点目は、本市の障害者施設の受注機会の拡大の取り組み状況についてお伺いします。
もう一点、2点目に、障害者の自立及び就労支援の取り組みについて、現状の課題と今後の取り組みについてお伺いします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) 障がい者の自立及び就労支援の取り組みについてお答えいたします。
本市では、障害者の就労支援を強化するために、障がい者就業・生活支援センターエールを中心に、市内の就労関係の機関が、障害者の就労に関する情報提供等を行う就労支援ネットワーク会議を月例で開催しております。平成24年度は、当該会議に参加している機関の連携等によりまして、18人の障害者が一般就労いたしております。現在、会議に参加している事業所を一般就労グループと福祉的就労グループに再編し、今後一般就労グループにおいて、障害者雇用を推進している企業への見学等を通して、障害者の就労につながるためのノウハウを学ぶとともに、それらの企業と連携して、施設実習を行う等一般就労支援を促進していく試みを行うことといたしております。障害者が就労することは、障害者の自立と社会参加を促進する上で大変重要でありますことから、今後も能力や特性に応じた多様な就労の形態が確保されていることや就労した後の職場定着のための支援策など、きめ細かで多様な支援の体制が確保され、少しでも多くの障害者が就労できるよう、就労関係の事業所と連携しながら、引き続き支援を行ってまいります。
以上申し上げましたが、他の点につきましては補足いたさせます。
○議長(藤田幸正) 神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 障がい者の自立及び就労支援の取り組みについてのうち、本市の障害者施設の受注機会の拡大の取り組み状況についてお答えをいたします。
庁内各課所が物品やサービスを調達しようとする際に、随意契約が可能な17の障害者支援施設等の提供可能なサービス等の内容について通知し、発注を促しているほか、市のホームページにその情報を掲載し広報することで受注機会の拡大を図っております。また、本市が行う競争入札の参加基準となる建設業者の格付事務におきまして、障害者雇用企業への加点評価を行う特例措置を講ずるなど、障害者の多様な就業機会の確保を図っているところでございます。障害者の経済面の自立を促進する上で、雇用、就業は重要な柱であり、障害者が能力に応じて適切な職業に従事できるよう、多様な就業機会の確保を図ることが重要でございます。障害者優先調達推進法の施行によりまして、さらに本市における障害者の就労支援が推進されるよう、障害者支援施設等からの物品等の調達方針の策定に向けまして、現在、準備を進めているところでございます。
○議長(藤田幸正) 高塚広義議員。
○2番(高塚広義)(登壇) どうもありがとうございました。
1点だけ、就労関係の事業所と連携しながら支援を行っていきますというふうに述べられたんですけど、今現在の事業所の数とあと連携は定期的にミーティング等を行っていくんかどうか、その辺のことをお伺いします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 高塚議員さんの再質問にお答えをいたします。
まず、市内の障害者関係の就労支援事業所の状況でございますが、就労移行支援事業所、これは就労に必要な知識や能力向上などの訓練に取り組む事業所でございますが、5事業所ございまして、定員が38人でございます。それから、就労継続支援A型と申しまして、これは雇用契約を結んでいる事業所でございますけれども、4事業所ございます。これが定員が75人ございます。それから、就労継続支援B型、これは雇用契約を結んでない事業所でございますが、この事業所が6事業所ございまして、定員が108人ということになっております。それから、障害者の自立支援に向けた協議でございますけれども、これら福祉的就労に携わる事業所、それから一般的な就労に携わる事業所がそれぞれ、一般就労につきましては、月例というふうなことで行っております。ともに合同で行うこともございます。そういった状況でございます。
○議長(藤田幸正) 高塚広義議員。
○2番(高塚広義)(登壇) どうもありがとうございました。今後とも障害者就労施設等の受注機会増大を図る積極的な取り組みをよろしくお願いします。
続きまして、生活困窮者の自立支援についてお伺いします。
厚生労働省の直近の調査によれば、昨年11月時点で全国の生活保護受給者は約214万にも上り、過去最多を記録しました。要因の一つとして挙げられるのが、高齢化の進展です。さきの調査でも、生活保護受給世帯で最も多いのが、高齢者世帯となっています。
一方、近年、いわゆる働ける世代の生活保護受給が急速に増加していることが大きな問題となっています。景気の影響で雇用が減少する中、失業者や非正規雇用で働く人が増加し、そのまま生活保護になってしまうケースが多いことが指摘されています。特に、貧困や格差の固定化は、さらなる貧困の連鎖につながりかねず、虐待や孤立、教育格差など、さまざまな問題へと波及する課題であり、政治の責任で具体的かつ戦略的な解決策を講じる必要があります。生活困窮者対策、とりわけ生活保護受給者の就労、自立を促すための支援策を強化していかなければなりません。生活保護に至る前の段階の自立支援策の強化を図るため、生活困窮者に対し、自立相談支援事業の実施、住居確保給付金の支給、その他の支援を行うための所要の措置を講ずるとの生活困窮者自立支援法案が平成27年4月1日より施行予定と伺いました。法案の概要として、1、自立相談支援事業の実施及び住居確保給付金の支給、これは必須事業です、については、(1)福祉事務所設置自治体は、就労、その他の自立に関する相談支援、事業利用のためのプラン作成等の自立相談支援事業を実施する、(2)福祉事務所設置自治体は、離職により住宅を失った生活困窮者に対し、家賃相当の住居確保給付金、これは期限つきですけど、を支給する。2、就労準備支援事業、一時生活支援事業及び家計相談支援事業等の実施について、福祉事務所設置自治体は、以下の事業を行うことができるとして、(1)就労準備支援事業として、就労に必要な訓練を日常生活での自立、社会生活での自立段階から有期で実施する、(2)一時生活支援事業として、住居のない生活困窮者に対して、一定期間、宿泊場所や衣食の提供等を行う、(3)家計相談支援事業として、家計に関する相談、家計管理に関する指導、貸し付けのあっせん等を行う、(4)学習支援事業として、生活困窮家庭の子供への学習支援を行う、3、都道府県知事等による就労訓練事業(中間的就労)の認定があります。ただし、全ての事業で自治体直営のほか、社会福祉協議会や社会福祉法人、NPO等への委託も可能となっております。
以上が生活困窮者自立支援法案の中身ですが、厚生労働省は、平成27年4月の法の施行に向けての準備を兼ねて、平成25年度、平成26年度に生活困窮者自立促進支援モデル事業の予算化を行い、各自治体に募集をかけているのが現状です。この生活困窮者自立促進支援モデル事業を活用して、本市においても、平成27年4月の施行開始に向けた準備を行うべきであると考えます。御見解をお伺いいたします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 生活困窮者の自立支援についてお答えいたします。
生活困窮者自立支援法案につきましては、生活保護に至る前の段階の自立支援策の強化を図るため、生活困窮者に対し、自立相談支援事業の実施、住居確保給付金の支給、その他支援を行うための所要の措置を講ずるものとして現在国会で審議中でございます。法案の概要といたしましては、必須事業としての、状況に応じて最適な支援策を早期に提供する自立相談支援事業や、平成21年10月から実施してまいりました住宅支援給付事業を引き継ぎ、離職により住宅を失った人などに対し、住居確保給付金を支給する事業、また任意事業としての生活訓練や社会訓練等を含む就労準備支援事業や生活困窮家庭の子供への学習支援事業等がございます。厚生労働省は、平成27年4月の法の施行に向けての準備を兼ねて、平成25年度、平成26年度に生活困窮者モデル事業の予算化を行い、平成25年4月から各自治体に募集をかけております。自立支援事業の実施には、原則として専任の職員を置く必要がありますほか、就労準備支援事業等を実施するためには、そのためのノウハウを持った社会福祉法人あるいはNPOなどの民間団体への委託が想定されておりますが、現時点において、愛媛県内で応募する自治体はないと伺っております。本市といたしましても、他市の福祉事務所と同様に、増加する生活保護世帯に対応するケースワーカーの定数を整える、このために苦慮している状況にございますけれども、単年度実施も含め、県と協議をしながら検討をしてまいります。
○議長(藤田幸正) 高塚広義議員。
○2番(高塚広義)(登壇) どうもありがとうございました。先ほど部長の答弁の中に、ケースワーカーの定数を整えるというのが一応今現状ネックになっていると思うんですけど、その辺打開していく方策等、今考えてらっしゃるんであればちょっとお聞かせください。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 高塚議員さんの再質問にお答えいたします。
先ほど答弁申し上げました各自治体、福祉事務所におきましては、急増する生活保護世帯に対応するということで、ケースワーカーの数、80世帯に1人という人数が定数となっておりますので、その数を整えるのに苦慮をしているというふうな現状がございます。本市におきましても、年度途中で足りなくなるという状況も生まれる年もございますけれども、翌年度には定員の中で整えていただいているという状況でございます。
○議長(藤田幸正) 高塚広義議員。
○2番(高塚広義)(登壇) どうもありがとうございました。平成27年4月の施行開始に向けて、また前向きな検討をしていただき、御準備をお願いいたします。
次に、高齢者の孤独死防止についてお伺いいたします。
群馬県高崎市では、全国的に問題となっている高齢者の孤独死を防ぐため、ひとり暮らしで65歳以上の高齢者らを対象にした高齢者等あんしん見守りシステム事業を行っております。この事業は、緊急時に近隣住民や民生委員に連絡が届くように、緊急通報装置と安否確認(人感)センサーを併用し、地域ぐるみで高齢者を見守る体制を強化しております。設置式とペンダント式の2種類ある緊急通報装置や利用者が体調不良などで救助が必要になった場合に本人が非常ボタンを押すと24時間対応の受信センターに通報され、センターは、必要に応じて救急車の出動要請を行う仕組みになっています。また、人感センサーは、トイレなど屋内の壁面に設置します。利用者の動きを12時間以上感知できなかった場合、受信センターに安否を確認してくださいというメールが自動で送られます。メールを受けた同センターの職員は、利用者宅に電話を入れ、それでも反応がない場合は、事前に通報連絡先として登録している近隣住民や民生委員などに安否確認を要請するようになっております。
そこで、質問いたします。
1点目は、本市の高齢者福祉の充実の取り組みの中で、見守りの必要のあるひとり暮らし高齢者に対して、見守り推進員活動や緊急通報装置の設置を実施しておりますが、現状と課題をお伺いします。
2点目に、本市においても、日常生活に不安があるひとり暮らし高齢者の新たな緊急時の対策として、高齢者等あんしん見守りシステムを推進すべきと思われますが、御見解をお伺いします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 高齢者の孤独死防止についてお答えをいたします。
まず、本市の見守り推進員活動につきましては、独居高齢者の増加に対応するとともに、見守り推進員の負担軽減を図る観点から、平成23年度に見直しを行いました。内容といたしましては、目的を安否確認とすることや対象者を原則70歳以上とした上で、70歳未満の方については、実情により地域で判断していただくこと、また1人当たりの見守り対象者数を20人から10人に変更することなどでございます。今年度の状況は、見守り対象者数3,376人、見守り推進員数273人でございます。課題といたしましては、退任希望がありながら後任者が決まらないなど、人材不足の問題がございます。
次に、緊急通報装置につきましては、設置台数は325台でございまして、携帯電話の普及などもあり、徐々に利用者が減少しているという状況でございます。課題といたしましては、誤報や停電などによる誤操作が多いこと、御近所に連絡先となる協力者が少ないことなどでございます。
次に、独居高齢者の新たな緊急時の対策としての高齢者等あんしん見守りシステムについてでございます。
本市におきましては、現在、民生委員や見守り推進員による見守り活動、緊急通報システムの設置、また郵便局及び警察署との3者協定による高齢者宅への郵便物配達時などの声かけや緊急時通報などがございます。加えて、現在、見守り活動の重層化を図ることから、電気、ガスなどのライフライン事業者との協力体制について検討しているところでございます。御提案のとおり、先進地においては、人感センサーなどの最新機器を利用した安否確認のシステムが導入されている例もございますため、今後先進地における取り組みについて調査研究してまいります。
○議長(藤田幸正) 高塚広義議員。
○2番(高塚広義)(登壇) 人感センサーを利用した安否確認システムの導入、非常にいい試みだと思うんで、また先進地への視察等も含めて検討していただき、前向きに取り組んでいただけますようよろしくお願いします。
次に、コミュニティーソーシャルワーカーについてお伺いします。
生活上のさまざまな問題で困っていても、既存の福祉の枠組みでは支援を受けられない制度のはざまで苦しむ人たちがいます。そうした方々に親身に寄り添い、ボランティアらとともに、一緒に問題解決に取り組むのがコミュニティーソーシャルワーカー、CSWです。以下、CSWと述べます。いわば地域福祉の相談役、調整役に当たります。生活困窮者への支援が、社会全体で大きな課題となる中、大阪府豊中市の取り組みを紹介します。豊中市の場合、CSWは、大阪府の地域福祉支援計画に基づき、中学校区に1人の割合で配置され、活動されております。ごみ屋敷、若年性認知症の親の徘回、リストラによる生活の破綻と孤立、あと発達障害を抱えながらの就労など、多岐にわたる相談に当たっておられるようです。CSWの役割は、個別の相談に対応するだけではなく、携わった事例を通じて、市全体の課題を把握し、地域で支え合う解決の仕組みを考案しています。いわば、CSWは、地域福祉のセーフティーネットづくりの担い手になっているのです。例えば、ごみ屋敷問題では、ごみ処理プロジェクトとして、関係機関で一定のルールを決定し、本人が支援を求める場合と拒否する場合を想定した上で、ごみの分別、運搬、焼却について役割分担と対応の流れを決定したことで、多くの相談が寄せられるようになったそうです。また、若年性認知症の人が、孫を連れて行方不明になる事態が起きたことをきっかけに、携帯電話のメール機能を利用した徘回SOSメールプロジェクトを立ち上げました。家族や介護者から連絡を受けた市社協などが、捜してほしい人の情報を地域のメール受信登録者に一斉送信します。そこで発見した人が、警察署などに連絡する仕組みのようです。このように、制度のはざまで苦しむ方々に、親身に寄り添い、問題解決に取り組むCSWの導入が必要であると考えます。
そこで、質問いたします。
1点目は、本市における地域福祉の相談役や調整役の現状及び活動状況、そして課題について、2点目に、CSWの導入に対する本市の御見解をお伺いします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。石川市長。
○市長(石川勝行)(登壇) コミュニティーソーシャルワーカーについてお答えいたします。
地域における多様な生活ニーズへの的確な対応を図るためには、成熟した社会における自立した個人や団体が主体的にかかわり支え合う、地域における共助の領域を拡大、強化することが重要となっております。このため平成22年度には、新居浜市地域福祉推進計画2011を策定し、地域福祉団体や自治会、NPOなど多様な主体が機能的で重層的なセーフティーネットを構築するためのネットワークづくりなどを推進いたしております。
お尋ねの本市における地域福祉の相談役や調整役の現状及び活動状況、課題についてでございますが、地域包括支援センターでの高齢者の生活課題解決のための総合相談業務や障害者相談支援事業所、新居浜市社会福祉協議会が実施主体であります、ふれあい総合相談など、個別組織による相談活動や調整活動は行われておりますが、多岐にわたる地域課題解決のための専門職を配置するには至っておりません。
御提案のコミュニティーソーシャルワーカーの導入につきましては、課題となっておりますネットワークの強化にあわせ、地域福祉課題をコーディネートする専門職員の配置は重要となっておりますことから、豊中市など先進市の事例状況を踏まえ、調査研究してまいりたいと考えております。
○議長(藤田幸正) 高塚広義議員。
○2番(高塚広義)(登壇) CSWの導入に対してお答えいただきましたが、先進地への研修等、また前向きに取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
次に、ピロリ菌の除菌による胃がん撲滅についてお伺いします。
この件は、平成23年12月に胃がんリスク検診(ABC検診)の導入について質問いたしました。福祉部長より、「本市の胃がん検診は、集団検診に適しかつがん発見の有効性が高いとされております胃バリウム検診を実施いたしております。胃がんリスク検診として、ピロリ菌検査の導入を御提案いただきましたが、御指摘のとおり、ピロリ菌の保菌者は50代以上では70%から80%と言われておりまして、その大半の人が健康保菌者でございます。現在、ピロリ菌治療につきましては、一部の医療保険適用が認められておりますものの、健康保菌者の除菌治療等につきましては、認められておりません。このように、発見後の医療制度が整備できていない状況の中で、市の検診として位置づけることは難しいものと考えております。しかし、胃がんの原因の多くがピロリ菌であることを踏まえまして、今後さらに胃がん検診の受診率向上に努めますとともに、ピロリ菌の周知啓発に取り組んでまいります。」との御答弁をいただきました。ことしの2月21日よりヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染による慢性胃炎を治療するため、胃の中のピロリ菌を取り除く除菌を行う場合も健康保険が適用となりました。ピロリ菌は、胃がんの大きな原因であり、胃がん予防にもつながると期待されております。これまでは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気に限って保険が適用されていました。今回、それよりも症状の軽い胃のもたれや不快感などの慢性胃炎であっても、呼気検査などでピロリ菌の感染が確認され、内視鏡で慢性胃炎だと診断されれば、除菌に保険が適用されます。具体的には、製薬企業12社が販売する抗生物質と胃酸を抑える薬への保険適用が認められました。除菌は、それらの薬を組み合わせ、1週間ほど服用するだけです。除菌が成功すれば、再感染の可能性は低いということです。日本では、毎年約12万人が胃がんと診断され、約5万人が亡くなっています。ピロリ菌を除菌することで、胃がんの発生を抑えることができます。今回の保険適用拡大により、胃がんの原因そのものを取り除くことになり、胃がん予防が大きく前進すると期待されております。また、若年者でピロリ菌に感染している人は5%前後で、推計では男女とも30代までに除菌をするとほぼ100%胃がんになりません。中学、または高校の身体検査などにあわせて、全員に無料でピロリ菌検査を実施し、感染者がその段階で除菌すれば、この世代以降の人は、将来、胃炎はもとより、胃がんになることはほとんどないとのことです。医療費の大幅な削減にもつながります。本市においても、ピロリ菌検査の積極的な周知啓発と導入に向けての取り組みを検討すべきと考えます。御見解をお伺いします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) ピロリ菌の除菌による胃がん撲滅についてお答えをいたします。
ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療につきましては、これに使用する医薬品の効能、効果が追加されたことに伴いまして、保険適用の対象患者の範囲が一部拡大されました。しかし、いまだに健康な保菌者が予防のために除菌する場合につきましては、保険適用が認められておりません。また、胃がん検診ガイドラインの中では、ピロリ菌検査は、死亡率減少効果の有無を判断する科学的根拠が十分でないため、集団を対象として実施することは勧められないとされております。御提案いただきました中学校でのピロリ菌検査の実施につきましては、中学校で実施しております検診である尿検査と心臓検診、モアレ検査が学校保健安全法に基づき実施されているのに対しまして、ピロリ菌については実施する法的な根拠がございません。また、学校での集団検診を実施する場合には、実施業者、検診を実施した後の治療、再検査に対する保護者負担などの問題点がございます。このようなことから、本市におきましては、ピロリ菌検査の導入について、国の調査研究の検証結果を見きわめるとともに、国の指針に基づいて検討してまいりたいと考えております。今後は、胃がん撲滅を目指しまして、さらに胃がん検診の受診率向上に努めますとともに、市民の皆様へピロリ菌検査についての正しい情報の周知啓発に取り組んでまいります。
○議長(藤田幸正) 高塚広義議員。
○2番(高塚広義)(登壇) 御答弁ありがとうございました。御答弁の中で、受診率が今現状も目標値よりもかなり低く推移していると思われるんですが、その辺、向上に向けての具体的な取り組み等ありましたらお聞かせ願います。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 胃がん検診の受診率向上に向けての取り組みということでございます。
現在、がん検診につきましては、胃がん検診を含め、全体的に受診率が低いという状況がございます。そういった課題に対応いたしますために、広報紙はもちろん、ホームページあるいは国保事業、保健センターの事業の中で、がん検診の受診についての呼びかけを行っているという状況でございます。
○議長(藤田幸正) 高塚広義議員。
○2番(高塚広義)(登壇) どうもありがとうございました。
次に、学校の暑さ対策とミストシャワー設置についてお伺いします。
本市の学校の暑さ対策についてお聞きしたところ、小中学校の扇風機の設置状況については、各普通教室では、平成22年度に整備完了、各特別教室では、平成25年度に整備完了したとのこと。そしてゴーヤやフウセンカズラなどのグリーンカーテンについては、平成24年度では、小学校7校、中学校1校が取り組みをしておりますとのことでした。
そこで、質問いたします。
1点目は、扇風機を設置した効果について、2点目は、暑さ対策への課題についてお伺いします。
また、扇風機以外の暑さ対策として、ミストシャワーが注目されています。ミストシャワーは、打ち水と同じ原理で、水道水を霧状に噴射し、気化熱で周囲の温度を下げる効果だけではなく、費用の安さが挙げられます。茨城県取手市では、市内の全小中学校25校にミストシャワーを設置、ランニングコストは、1時間3.5円、設置費用も1カ所2,500円から4,500円で済むそうです。霧になって噴射されると、水の粒子はとても細かいので、ミストシャワーの下を通り抜けても、すぐに気化してぬれることがなく、むしろ体感温度を下げて涼しく感じさせるようです。子供たちは、涼しいと大喜びだそうです。例えば、本市の全小中学校に設置した場合でも、初期費用が仮に1校当たり4,500円かかったとしても、29校ですから、13万500円で済むわけです。
そこで、質問いたします。
1点目は、大切な子供の健康維持、暑さ対策として、本市の全小中学校へのミストシャワーの導入について、2点目は、屋外の公共施設、公園等の施設へのミストシャワーの導入について、以上2点について本市の御見解をお伺いします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 高塚議員さんの御質問にお答えいたします。
学校の暑さ対策とミストシャワー設置についてでございます。
まず、扇風機を設置した効果につきましては、設置した学校の児童生徒から、以前より涼しくなり、勉学に集中できるなどといった意見があり、おおむね好評であると伺っておりますので、快適な教育環境の整備に一定の効果を上げていると考えております。
次に、暑さ対策への課題についてでございます。
暑さ対策につきましては、これまで扇風機の設置や小中学校に対する熱中症の予防対策の周知徹底などにより、児童生徒の健康管理に努めております。他の方法といたしましては、空調設備の導入がございますが、現在、空調設備につきましては、一部の部屋に導入しているだけであり、普通教室に拡大する場合、多額の設置費用や維持管理費を要することが課題となっております。引き続き導入している他市の事例や財政状況なども勘案しながら、空調設備の必要性について調査研究を行ってまいります。
次に、全小中学校へのミストシャワーの導入についてでございます。
ミストシャワーは、高塚議員さん御案内のとおり、細かい水の粒子を噴射することで、気化熱を利用して気温を下げるとともに、霧になって噴射される水の粒子はとても細かく、服などについてもすぐ気化してほとんどぬれず、体感温度を下げて涼しく感じることから、屋外での運動後などにおける有効な熱中症予防対策の一つと考えられております。しかしながら、設置にかかる経費や管理面などの検討もございますので、既に導入している先進事例も参考にしながら、小中学校の体育館等の出入り口へのミストシャワーの導入について調査してまいります。
次に、屋外の公共施設、公園等の施設へのミストシャワーの導入についてでございます。
屋外の公共施設、公園等へのミストシャワーの設置につきましては、小中学校内の設置と異なり、不特定多数の人たちが対象となりますので、設備の強度や水道の水圧などの安全面、いたずらや盗難などに対する管理面のほか、衛生面での検討が必要と考えております。このようなことから、直ちにミストシャワーを導入することは考えておりませんが、引き続き市民の方が快適に施設を利用できるような環境づくりに努めてまいります。
○議長(藤田幸正) 高塚広義議員。
○2番(高塚広義)(登壇) 答弁ありがとうございます。
聞いた話なんですけど、平成23年度に惣開小学校と神郷小学校にミスト発生扇風機が設置されたと伺いました。この効果とこれがもしもいいのであれば、他の小学校への水平展開というか、設置等考えてましたらお伺いします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 高塚議員さんの再質問にお答えいたします。
効果につきましては、学校に確認したところ、運動後などの子供たちに好評であるとお聞きしております。また、固定する必要がないことから、用途に応じて移動をして使用することがメリットとして上げられます。デメリットとしては、使用時間の電力料金と、導入費用が高額になってしまうことが上げられます。また、他の学校への設置につきましては、既に設置をしている学校の状況などを参考にしながら検討してまいりたいと考えております。
○議長(藤田幸正) 高塚広義議員。
○2番(高塚広義)(登壇) どうもありがとうございました。
続いて、食品ロスについてお伺いします。
本来、まだ食べられるにもかかわらず、食べ残しなどで廃棄される食品ロスが問題になっています。新しい食品ロス対策として注目されているのがフードバンクです。フードバンクとは、メーカーや小売業者から規格外品など売れない商品を引き取って、児童養護施設など生活困窮者に無料で提供する民間非営利団体NPOやボランティア団体が行う事業のことです。この件は、平成24年6月に質問して、経済部長より、「我が国の食料自給率は、主要先進国の中で最低の水準となっておりますが、まだ食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう食品、いわゆる食品ロスが多いのも事実であります。そのような中、フードバンクにつきましては、食品ロスを削減し、食に関する諸問題の改善及び福祉への貢献が期待できる有効なシステムと認識いたしております。現在、全国では、高知市内の1カ所を含む約20のNPO法人等がフードバンク活動を行っておりますが、愛媛県内にはフードバンクは設立されておりません。そのようなことから、平成24年2月に松山市において認知度向上を図るためシンポジウムが開催されております。本市におきましても、生活をする上で欠かすことができない食の大切さを啓発するためにも、農林水産省を初め、関係機関、団体の動向などについて情報収集に努め、フードバンク活動を注視してまいりたいと考えております。」との御答弁でした。
そこで、質問いたします。
1点目に、食品ロス対策について、本市の取り組み状況、課題及び対策についてお伺いします。
2点目に、昨年12月より、新居浜市内のNPO法人が呼びかけを行い、県内で初のフードバンク事業が開始され、現在、法人設立の準備を行っているとのことです。活動資金やボランティア人材の確保など、フードバンク活動の課題が指摘されていますが、もったいないの心やボランティア精神に支えられ、食品ロス削減や福祉への貢献だけではなく、食育、企業コスト低減などにも効果があるとされるフードバンクの活動が大きく広がることが期待されます。フードバンクの活動に対する本市の御見解をお伺いします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。寺村経済部長。
○経済部長(寺村伸治)(登壇) 食品ロスについてお答えいたします。
まず、食品ロス対策についての本市の取り組み状況、課題及び対策についてでございます。
食料自給率など食に関する諸問題解決のためには、食品、食材を無駄なく大切に使っていく、いわゆる食品ロス対策を行うことが重要であると認識いたしております。本市におきましては、平成23年11月に策定いたしました新居浜市食育推進計画に基づき、食を大切にする心を育て、望ましい食習慣を身につける中で、残さず食べる、感謝の心を持つことを関係機関、団体と連携して啓発いたしております。また、食品ロスを削減するには、食品メーカー、小売店、飲食店、各家庭で積極的に取り組んでいただくことが課題であると考えておりますが、今後におきましては、食品取扱事業者や消費者団体にも情報提供を行い、食品ロスの削減拡大が図られるよう取り組んでまいります。
次に、フードバンクにつきましては、平成24年12月に愛媛県内で初めて設立され、新居浜市内にも事務所を設置し、平成25年3月に活動を開始いたしました。現在は、御自身が運営する産直市で売れ残った商品、野菜などを福祉団体等に配布していると伺っております。フードバンクの役割は、食品廃棄物の発生抑制という環境面や福祉への貢献が考えられますことから、今後事業者が事業を拡大していく中で、市として可能な支援策を検討してまいります。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。高塚広義議員。
○2番(高塚広義)(登壇) どうも御答弁ありがとうございました。
フードバンク事業に対して、市としても……。(ブザー鳴る)
○議長(藤田幸正) 以上で本日の一般質問は終わりました。
これをもって本日の日程は全部終了いたしました。
明12日は午前10時から会議を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後 2時12分散会