目次
議事日程
本日の会議に付した事件
出席議員
欠席議員
説明のため出席した者
議会事務局職員出席者
開議(午前10時00分)
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 一般質問
山本健十郎議員の質問(1)
1 市長の政治姿勢(12年間)について
(1) 佐々木市長3期の取り組み
(2) 市長の退任表明
(3) 市長の退職手当
(4) 瀬戸・寿上水道問題
(5) マイントピア別子端出場温泉保養センター
(6) 総合文化施設建設関連工事の入札
2 教育問題について
(1) いじめ・不登校
(2) 教育委員会の対応
(3) 学校施設の環境整備
3 秋祭りの日程と問題点について
4 石川副市長への市長選挙出馬要請について
佐々木市長の答弁
1 市長の政治姿勢(12年間)について
(1) 佐々木市長3期の取り組み
(2) 市長の退任表明
(3) 市長の退職手当
(4) 瀬戸・寿上水道問題
(5) マイントピア別子端出場温泉保養センター
(6) 総合文化施設建設関連工事の入札
休憩(午前10時57分)
再開(午前11時07分)
阿部教育長の答弁
2 教育問題について
(1) いじめ・不登校
(2) 教育委員会の対応
(3) 学校施設の環境整備
加藤監査委員の答弁
1 市長の政治姿勢(12年間)について
(4) 瀬戸・寿上水道問題
石川副市長の答弁
4 石川副市長への市長選挙出馬要請について
近藤総務部長の答弁
1 市長の政治姿勢(12年間)について
(6) 総合文化施設建設関連工事の入札
本田経済部長の答弁
3 秋祭りの日程と問題点について
山本健十郎議員の質問(2)
1 市長の政治姿勢(12年間)について
佐々木市長の答弁
1 市長の政治姿勢(12年間)について
近藤総務部長の答弁
1 市長の政治姿勢(12年間)について
山本健十郎議員の質問(3)
1 市長の政治姿勢(12年間)について
田中企画部長の答弁
1 市長の政治姿勢(12年間)について
近藤総務部長の答弁
1 市長の政治姿勢(12年間)について
山本健十郎議員の質問(4)
4 石川副市長への市長選挙出馬要請について
1 市長の政治姿勢(12年間)について
仙波憲一議員の質問(1)
1 財政について
佐々木市長の答弁
1 財政について
仙波憲一議員の質問(2)
1 財政について
佐々木市長の答弁
1 財政について
仙波憲一議員の質問(3)
2 オープンガバメントについて
休憩(午後 0時01分)
再開(午後 1時00分)
田中企画部長の答弁
2 オープンガバメントについて
仙波憲一議員の質問(4)
2 オープンガバメントについて
田中企画部長の答弁
2 オープンガバメントについて
仙波憲一議員の質問(5)
2 オープンガバメントについて
3 地域主権型道州制について
佐々木市長の答弁
3 地域主権型道州制について
仙波憲一議員の質問(6)
3 地域主権型道州制について
4 自治体経営について
佐々木市長の答弁
4 自治体経営について
仙波憲一議員の質問(7)
4 自治体経営について
5 介護保険について
神野福祉部長の答弁
5 介護保険について
仙波憲一議員の質問(8)
5 介護保険について
神野福祉部長の答弁
5 介護保険について
仙波憲一議員の質問(9)
5 介護保険について
神野福祉部長の答弁
5 介護保険について
仙波憲一議員の質問(10)
5 介護保険について
神野福祉部長の答弁
5 介護保険について
仙波憲一議員の質問(11)
5 介護保険について
神野福祉部長の答弁
5 介護保険について
仙波憲一議員の質問(12)
5 介護保険について
神野福祉部長の答弁
5 介護保険について
仙波憲一議員の質問(13)
5 介護保険について
休憩(午後 1時54分)
再開(午後 2時06分)
真木増次郎議員の質問(1)
1 東日本大震災の復興支援について
2 市民後見人について
3 不育症対策について
4 市営住宅について
5 医療費適正化事業について
6 居所不明児童生徒について
7 小中学校の空調機設置について
8 自転車の利用環境の整備について
9 市民要望について
佐々木市長の答弁
1 東日本大震災の復興支援について
2 市民後見人について
阿部教育長の答弁
6 居所不明児童生徒について
7 小中学校の空調機設置について
神野福祉部長の答弁
3 不育症対策について
5 医療費適正化事業について
工藤市民部長の答弁
8 自転車の利用環境の整備について
源代建設部長の答弁
4 市営住宅について
9 市民要望について
真木増次郎議員の質問(2)
5 医療費適正化事業について
神野福祉部長の答弁
5 医療費適正化事業について
真木増次郎議員の質問(3)
5 医療費適正化事業について
神野福祉部長の答弁
5 医療費適正化事業について
真木増次郎議員の質問(4)
5 医療費適正化事業について
神野福祉部長の答弁
5 医療費適正化事業について
真木増次郎議員の質問(5)
5 医療費適正化事業について
6 居所不明児童生徒について
阿部教育長の答弁
6 居所不明児童生徒について
真木増次郎議員の質問(6)
6 居所不明児童生徒について
阿部教育長の答弁
6 居所不明児童生徒について
真木増次郎議員の質問(7)
6 居所不明児童生徒について
神野福祉部長の答弁
6 居所不明児童生徒について
真木増次郎議員の質問(8)
6 居所不明児童生徒について
散会(午後 3時24分)
本文
平成24年9月11日 (火曜日)
議事日程 第2号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
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本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
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出席議員(26名)
1番 川崎 利生
2番 高塚 広義
3番 三浦 康司
4番 篠原 茂
5番 水田 史朗
6番 太田 嘉一
7番 岩本 和強
8番 藤原 雅彦
9番 佐々木 文義
10番 大石 豪
11番 大條 雅久
12番 永易 英寿
13番 伊藤 謙司
14番 藤田 豊治
15番 高橋 一郎
16番 岡崎 溥
17番 高須賀 順子
18番 伊藤 初美
19番 真木 増次郎
20番 藤田 幸正
21番 伊藤 優子
22番 仙波 憲一
23番 白籏 愛 一
24番 近藤 司
25番 加藤 喜三男
26番 山本 健十郎
――――――――――――――――――――――
欠席議員
なし
――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
市長 佐々木 龍
副市長 石川 勝行
企画部長 田中 洋次
総務部長 近藤 清孝
福祉部長 神野 洋行
市民部長 工藤 順
環境部長 曽我 忠
経済部長 本田 龍朗
建設部長 源代 俊夫
消防長 村上 秀
水道局長 橋本 桂一
教育長 阿部 義澄
教育委員会事務局長 寺田 政則
監査委員 加藤 哲
――――――――――――――――――――――
議会事務局職員出席者
事務局長 岡 正士
議事課長 粂野 誠二
議事課副課長 飯尾 誠二
議事課副課長 上野 壮行
議事課議事係長 徳永 易丈
議事課調査係長 鈴木 今日子
議事課主任 大田 理恵子
議事課主任 中島 康治
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前10時00分開議
○議長(藤田幸正) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第2号のとおりであります。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(藤田幸正) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において伊藤初美議員及び真木増次郎議員を指名いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第2 一般質問
○議長(藤田幸正) 次に、日程第2、一般質問を行います。
この際、申し上げます。
一般質問における各議員の発言は、それぞれ通告の時間以内となっておりますので、御了承願います。
これより会派代表質問に入ります。
順次質問を許します。まず、山本健十郎議員。
○26番(山本健十郎)(登壇) おはようございます。自民クラブの山本健十郎です。
ロンドンオリンピック、パラリンピックでの戦いが終わり、国内外の政治の戦いが秋に向けて始まろうとしています。自民、民主の代表選の顔ぶれもほぼ決まり、衆議院選挙の日程と市長選の11月11日投票日とが同日になるかどうかなど考えながら、自民クラブを代表して質問をいたします。
まず、佐々木市長の12年間の政治姿勢についてお伺いいたします。
佐々木市長の就任以来、私は市長の政治姿勢について会派の代表、また個人としてそのときの状況に対応し一貫して質問してまいりました。答弁をいただいた内容で理解ができないこと、理解が深まったこと、またいまだ実行できていないことや懸案事項などについて次の市長を中心とした体制の取り組みに役立たせ、新生新居浜に必ずつながることを期待し質問を進めます。
まず初めに、佐々木市長3期12年間の取り組みについて、経緯、成果、問題点、引き継ぐもの、数点についてお尋ねいたしますが、私なりに佐々木市長就任以来、これまでの議会で審議された事項などを中心に振り返ってみながら、その内容について御答弁いただきたいと思います。佐々木市長は、公約で市長の退職金制度を廃止すると平成12年11月の市長選挙において現職候補を破り当選を果たされました。平成13年3月議会で、特別職を含めて退職手当を廃止する条例を提案し、議会で賛否があり、激論の末、否決、同年6月議会で市長の手直しが一部ありました第四次新居浜市長期総合計画が策定されました。また、この年の8月にあってはならない公金、国民年金保険料横領事件が発生、この年の12月議会では、再び市長の退職手当を廃止する条例の提案があり大激論、そのほかまち美化条例の制定もあり、12月議会は1日延長、当時議長でありました私は、6月、9月、12月議会は緊迫感のある波乱議会であったことを覚えております。平成14年10月に環境基本条例を制定、そして12月にみんなでつくる福祉のまちづくり条例を制定、平成15年4月に別子山村と合併、7月には男女共同参画推進条例が制定され、12月議会で佐々木市長の任期に限り、特例により退職手当を支給しないこととする条例案が提出され、大激論の末、否決。同議会で議員提案により、それまで運用していた基準から約25%減額する内容の条例案が提出され、大激論の末、可決されました。平成16年度には4度の台風襲来により、激甚災害の指定を受ける大災害の中で、その年の11月の市長選挙は難しい選挙でありましたが、現職の強みで佐々木市長は再選を果たされました。平成17年度に補助金公募制度を導入、平成18年12月議会では、駅前土地区画整理事業に関する移転補償費問題で市長の関係が問われました。平成19年度には、市内の各校区に自主防災組織が結成され、同年の12月議会で、佐々木市長の任期に限り、特例により退職手当を支給しない条例案が提出されましたが、同議会中に撤回、平成15年12月議会で議員提案された退職手当条例に基づき、現市長の退職手当の額の算定には100分の35ではなく100分のゼロを乗じ退職手当を支給しないこととする条例案を新たに提出し、議会の議決を得ました。平成20年1月から就学前乳幼児の医療費全額公費負担を実施、4月に菊本沖最終処分場の供用開始、保育園の民間移管、地域主導型公民館への移行、泉川、金子、その後全館移管、平成20年11月の市長選挙では、佐々木市長が2回目出馬の強力な候補に474票の僅差で辛うじて3度目の当選をかち取られました。平成21年4月から内科・小児科急患センター24時間化を実施、6月からレジ袋無料配布中止の取り組みを開始、9月に安全安心のまちづくり条例制定、平成22年10月にこども発達支援センターを開設、平成22年度末に新居浜駅前土地区画整理事業が完了、平成23年4月に第五次新居浜市長期総合計画スタート、防災行政無線運用開始、6月に慈光園新築移転、10月にものづくり産業振興センター開所、11月に新造船おおしま7就航、平成23年12月議会では、議員提案された退職手当条例に基づき、特例の適用で、現市長の退職手当を支給しないことを議会で議決を得ております。平成24年に入り、1月28日に第三セクター有限会社悠楽技の不法投棄発覚の新聞報道があり、3月議会で総合文化施設建設関連、土地17億円を含む予算成立、5月に総合文化施設建設に対しての住民投票条例制定の直接請求があり、7月26日、27日の臨時議会に住民投票条例制定の議案が提出され、当議案に対して修正案が出されましたが、いずれも審議の末、否決。その後、8月3日の臨時議会で総合文化施設建設事業の補正予算6億3,900万円が提案され、可決されました。
私が独断と偏見で佐々木市長の12年間を振り返ってみましたが、この12年間で行った事業について、取り組みの思いや平成16年度の台風災害での苦悩された思い、数件の職員などの不祥事、駅前土地区画整理事業の取り組み、総合文化施設建設事業、住民投票条例制定の直接請求など、市長が取り組んだ意義や内容などについて申し送りなども含めてお伺いをいたします。
次に、市長の退任表明についてお伺いいたします。
佐々木市長は、本年5月28日の定例記者会見で、次期市長選挙に出馬しないと発表されましたが、その理由として、市長選に出馬した大きな理由を3つ挙げられております。1つ目は退職金廃止、2つ目は市役所を変えていきたいということ、3つ目は多選に対して批判的な立場にあったことがあり、そして12年間やってきてまだまだ道半ばのこともあるが、一人の人間が重い責任と権限を長期にわたって持ち続けることはよくないのではと思っていた。私も例外でないことから、11月の任期満了で退任することが私の結論でございますと含蓄のある言葉が記者会見で表明されました。市長はまだ57歳だと思いますが、進退については大変考え悩んだ末ではないかと推察いたします。
そこで、3つの理由についてですが、退職金廃止は後ほど伺うとして、市役所を変えていきたいということについて、市長就任前は市役所についてどう感じていましたか。そして、どのようにし、どのように変わったと思いますか。また、多選については、以前に杉並区長の在任3期の条例制定についてなど私は質問いたしましたが、3期で退任される市長として、首長の任期についてどのように考えますか。また、12年間で道半ばとの御発言もされておりますが、複雑なお気持ちと思いますが、次期市長にどんなことを伝えたいですか、お尋ねをいたします。
次に、市長の退職手当についてお伺いいたします。
平成12年11月の市長選挙において、佐々木市長は、現職候補を破り当選を果たされました。その一番の要因は、佐々木候補の選挙公報の大見出しに、新居浜市政を変える第一歩に市長の退職金制度を廃止します、が躍ったことだと有権者が言っていたことを思い出します。私は、それだけではなく、現職が5選目だったことなどや補欠選挙の問題、請負契約案件などで保守陣営が分裂したことなども大きな要因ではなかったかと思います。
さて、今は少し年齢を積み重ね、貫禄も出て、少し疲れた感じの佐々木市長ですが、この当時は若々しく、初々しく、にこにことうれしそうな顔が今でも鮮明に思い浮かびます。退職手当について、議会での経緯を改めて振り返りますと、佐々木市長は、当選の翌年の平成13年3月議会に、選挙公約に掲げていない特別職も含めた退職手当廃止の条例案を提出しましたが、否決されました。さらに、その年の12月議会に、市長自身の退職手当の廃止ではなかったのかとの声の中で、現行条例から市長のみ退職手当を廃止する条例案を提出しましたが、否決されました。その後、平成15年12月議会では、佐々木市長の任期に限り、特例により支給しないこととする内容の条例案を提出しましたが、3回目の否決となりました。このような経緯と厳しい地域経済の状況、一般職の退職手当が6%減額されることなどから、同日に自民クラブから議員提案で、市長、助役、収入役、監査委員と固定資産評価員、教育長を含み、退職手当をそれまでの運用基準から約25%減額し、またその基準は特別な事情があれば議会の議決を得て別に定めることができることなどを含む条例案が提出され、賛否両論の激論の中で可決されました。そして、平成19年12月議会で佐々木市長は、平成15年12月議会で提案し否決された条例案を再び議会に提出しましたが、他の議案などとの絡みから、12月議会半ばで撤回されました。しかし、この議会に改めて議案第90号として、平成15年12月議会で議員提案により改正された特別職の職員の退職手当に関する条例中の市長の退職手当の額の算定において、100分の35を100分のゼロとし、市長の退職手当をゼロ円とする内容の提案があり、企画総務委員会で多くの質疑、本会議での討論などがあり、賛成多数で可決されました。平成23年12月議会でも同じ内容の提案があり、市長の退職金はゼロ円とする内容で可決されました。これが今日まで長い長い市長の退職金制度を廃止することについての議会での廃止を了とする議員と制度をぜひ必要とする議員の大激論の経過です。この議論に参加したOB議員、現職議員は、恐らく佐々木市長のことは忘れようにも忘れられない存在になったと感じながら、以下お伺いをいたします。
まず1つ目は、この問題は、佐々木市長が市長選挙の公約により取り組まれた平成13年ごろは、日本の中で議会の中で大変珍しく、奇策とか禁じ手とかの問題がありましたが、出馬時の気持ちはどのような心境でありましたか。
2つ目は、私は佐々木市長は平成13年3月議会で特別職の退職手当の廃止を提案されましたが、選挙公約は市長の退職金制度の廃止であったので、市長の退職金の廃止の考え方で取り組んでいたら、議会においてこれほど深みに入らなかったのではないかと考えますが、振り返ってみて当時どのような心境でしたか。今の市長だったらどうでしょうか。
3つ目として、この問題で議会の議事録を何度も読み返しましたが、何と大変な議論をしたものだと今感心しておりますが、市長はどのような感想をお持ちでしょうか。
4つ目として、現在の特別職の退職手当条例は、当時の自民クラブが議論に議論を重ね、できればこの問題に終止符を打ちたいという気持ちの中で当時の運用基準から約25%減額と特例などを含め市長の思いが遂げられる内容で議員提案した条例でありますが、制度を廃止したい市長としての評価はいかがでしょうか。
次に、瀬戸・寿上水道問題についてお伺いします。
この問題は、決算、予算特別委員会で、また各年度の議会での各議員の質問の中で答弁をいただいておりますが、平成17年9月の自民クラブの代表質問で私が質問し、市長の明快な答弁では、瀬戸・寿上水道問題は、昭和30年3月に旧泉川町と旧高須上水道組合との間で締結した契約書を発端とする歴史的な経緯、経過のある問題であり、旧泉川町や新居浜市と取り交わした契約書、覚書が存在し、市の意向だけでは解決が難しい。法的な問題については、水道事業を経営するには、水道法の規定により、厚生労働大臣の認可を受けなければならないが、昭和40年4月に簡易水道高須上水道組合が経営廃止許可を受け、組合水道が廃止された以後、現在の瀬戸・寿上水道組合にあっても、水道事業の許可を受けてないこと、そして昭和39年5月に締結した覚書により、高須上水道組合にかわる現在の瀬戸・寿上水道組合に管理運営を委託しているが、行政財産の管理運営を委託し、これに一部地域の特別使用という私権を設定することや公の施設を条例に寄らず覚書などによって委託することは、いずれも地方自治法との関係で違法の疑いがある。また、負担の公平性の観点からは、市の上水道から水を供給しており、その対価として昭和30年3月に締結した契約書に基づき電気料金の支払いを受けているが、電気料金は実際の給水に要する費用に比べて少額であり、水道事業会計に負担が残り、公営企業の経済性、能率的経営が損なわれているなどの問題がある。これらの法的な問題の解決には、瀬戸・寿上水道問題を解決することが最も近道であると考えており、最も現実的な方法は、新居浜市の上水道に統合することである。そのためには、地元の御理解と御協力を得られるよう努力を積み重ね、一日も早く問題解決を図ってまいりますとの内容でした。このことから、以下お伺いいたします。
この問題は、昭和30年に新居郡泉川町、中萩町、船木村、大生院村が新居浜市に編入されたことから始まります。泉敬太郎市長、伊藤武志市長、佐々木龍市長の長期にわたって続き、市長の責任はもちろんですが、当時から議会の責任も問われるところだと考えております。昭和42年8月1日の監査意見で指摘されてから45年間、毎年監査で指摘されてきた中でも解決されないのは、行政運営上、大きな問題であり、市は契約書、覚書があり、地元の理解がなくては市の意向だけで解決は難しいといつも言っていますが、これまでの経緯と地元の組織はどう変化し、対応できる組織になっているのか、現在までの状況はどのようになっているのか、お伺いします。
また、佐々木市長は、2期目の任期中に解決をとの話をされたと思いますが、残任期間での取り組みについてお伺いをいたします。
監査についても、一番最初の指摘から45年間、同じ内容での指摘、また水道法、地方自治法抵触の疑いも指摘されております。解決のためには、監査としても方向性を出す必要があるのではないかと思いますが、お伺いをいたします。
次に、マイントピア別子端出場温泉保養センターについてお伺いをいたします。
この問題は、ことし6月議会で、加藤産業・観光振興対策特別委員長より委員会の中間報告があり、委員会としては一つのまとまった方向性が出ていないが、どのような方向性が出されても、雇用への影響、同じ端出場ゾーンの観光施設への影響について事前に十分考えておく必要がある。再生を考える上で4階部分だけ切り離して考えることは限界がある。913万5,000万円もの経費をかけて出された検討結果報告書は、分析されているが、重大な判断をするには余りにも乏しい提案内容であったなどの報告があった中で、佐々木市長は、その6月議会で、新たな観光施設として再生する方策と、温泉施設として再生し存続する方策の両案とも運営には今後も一般財源を投入する必要があることを考え合わせると、改めて温泉施設として再生するのではなく、マイントピア別子の当初の設立目的である観光施設として再生したい。産業・観光振興対策特別委員会の意見も参考にしながら、具体案を提案させていただきたいと答弁されていますが、その後、具体的な事業内容などの提案はない状況であります。この9月議会が最後の佐々木市長としてどのように市民の幸せのために処理をされますか、お伺いをいたします。
次に、総合文化施設建設関連工事の入札についてお伺いをいたします。
この問題は、総合文化施設の建設について、PFI事業での提案、撤回、市単独での建設を17億円の土地代も含む事業費50億円の提案があり、その後総額70億円になるというような話もあり、最終的には63億5,000万円となったことから、予算特別委員会、常任委員会、議会での大激論があり、平成24年3月議会で建設に関する当初予算は、修正案の提出などもありましたが、原案で可決され、その後7月26、27日の臨時議会で建設の賛否を問う住民投票条例制定について審議し、修正案の提出などありましたが、条例案は否決されました。その後、8月3日の臨時議会で、建設に係る当初予算での不足分6億3,900万円の補正予算の提案があり、審議の末、補正予算可決により、総合文化施設建設の工事発注が可能となり、建設関連工事の工事請負契約議案は、本9月議会で提案予定との説明が議会前からあったところでありますが、開札日の9月3日の翌日に、新聞紙上で、「新居浜・総合文化施設」の見出しで「主体工事入札不調」、「参加全業者が辞退」と躍りました。総合文化施設建設建築主体工事において、入札応募の3つのJV業者が辞退されたようですが、この問題は、当初のPFI方式建設から市の単独方式に変更した中で、議会での大激論、経費が多額、不透明などで住民投票条例制定の直接請求、一方では建設推進の署名活動と、市民を巻き込んだ事業となりました。佐々木市長が9月議会に思いをかけた議案だったと思いますが、入札が不調となったことについて、私たち議員といたしましても驚きを隠せません。この問題について、以下お伺いをいたします。
まず1つ目は、総合文化施設建設関連工事4件の入札結果について、詳細に御説明をいただきたい。
次に、新聞コメントで、契約課だと思いますが、金額、予定価格27億100万円で折り合わなかったのだろうとありますが、入札金額の問題だけなのか、参加業者が3者と少なく、入札の公告から開札日までの日程が窮屈ではなかったのか、また建設工期の平成26年2月28日が窮屈ではなかったのか、予定価格や仕様書は3者が辞退するような内容だったのか、お伺いをいたします。
3つ目として、今後の工事発注については、予定価格と10億円前後の差があるようにうわさされておりますが、そのようなことであれば、建設仕様の大幅変更、例えば小ホールの削除などや入札条件、建築主体工事のJV方式の変更も視野に入れて取り組む必要が生じるのか、お伺いをいたします。
4つ目として、佐々木市長の執念に近い総合文化施設の建設が、この9月議会を経て実現に向けて進むと想定されていたと思います。残念でならないと思いますが、市長の任期中には入札行為の進展は難しいとも思われます。私は、同じことは二度と許されないと考えます。市長として、この問題をどのように総括いたしますか、お伺いをいたします。
次に、教育問題についてのうち、まず、いじめ・不登校についてお伺いいたします。
昨年10月、大津市でいじめを受けた中学2年の男子生徒が自殺した問題に関して、去る7月4日に自殺の練習をさせられていたと大きく報道されましたが、それ以降、警察へ学校などでのいじめを内容とした傷害、暴行など、被害届が多数出されていると報道されています。また、最近、毎日のように、このいじめの問題が報道されておりますが、いじめは決して許されないことなんですが、どの学校でも起こり得るもので、その兆候をいち早く把握し、迅速に対応する必要があります。このことは、学校だけでなく、学校、地域、家庭が一体となって取り組む必要があると考えます。今、子供たちを取り巻く状況は、大変深刻であります。本来、子供たちにとって楽しいはずの学校生活で、いじめが原因と見られる耐えがたい事件が後を絶たず、市民、とりわけ保護者の方々は不安が募るばかりです。また、近年、いじめの形態は、インターネットや携帯電話のメールや掲示板を使ったいじめが急増しており、社会問題となり、深刻なのはインターネット上でのいじめが巧妙、悪質化し、我が子への悪口を書き連ねてあっても親が知る由もない状況が存在しています。また、不登校についても社会問題となっていますが、友人や教師などの対人関係の問題、学習上の問題、心身の問題、家庭内の問題など、さまざまな事項が引き金となって、学校に行こうと思ってもなかなか行けない子供たちがふえているように思います。現在、新居浜市では、教育委員会が、いじめ、不登校について最重要課題として位置づけ取り組まれているとのことでありますが、今日のような問題を発生させないため、以下お尋ねをいたします。
本市における過去3年間のいじめの認知件数、現在の状況、学校における認知の方法、またいじめが起きる要因とその対策と過去3年間の不登校児童生徒の推移、不登校の要因とその対応についてお伺いします。
次に、教育委員会の対応についてお伺いいたします。
一連の大津市の問題ですが、教育委員会の対応が問題視されていますが、学校現場と教育委員会との関係はうまく機能していたのか、学校の実態を教育委員会が本当に情報共有できていたのかなどなど、教育委員会が主体的にその役割を果たしていたのか疑問に思うことばかりです。
そこで、当市の教育委員会は、大津市のようではないと信じますが、学校との連携などいじめ問題についてどのように対応しているのか、お尋ねをいたします。
また、本年7月3日に中萩中学校校区の教育懇談会に参加いたしましたが、その中で、義務教育9年間を見通したグランドデザインを作成し、小中の連携を図るとの説明がありました。懇談会のテーマは、子供たちの学力向上の定着と向上でしたが、この仕組みをいじめ、不登校などの解決の取り組みにも生かし、相談体制の強化なども含み、グランドデザインの事業展開についてお伺いをいたします。
次に、学校施設の環境整備についてお伺いいたします。
いじめ、不登校などこの問題で子供たちの学校生活での環境整備も重要だと考えます。今まで市長を初め、教育長、関係者の御努力で、小中学校でのトイレを初め、校舎の耐震化の対応については本年度全ての学校が完了し、県内では一番素早い対応ができているように感じます。私は、本年度の教育懇談会に参加し、分科会の中で特別教室に扇風機がない問題、各学校の教室の後ろにあるかばん入れは、現在の子供たちの持参物、B判からA判に変更したようですが、それに対応し切れないなどの問題が出ていましたが、現況と今後の対応策についてお伺いいたします。
次に、小中学校の冷暖房についてお伺いいたしますが、現在、小学校の教室は、夏は扇風機で冬は灯油ストーブで授業を行い、中学校の教室は、夏は扇風機で、冬は暖房がない状態で授業を行っている状況のようですが、今日、このような状況での授業環境は、大変劣悪で、特に中学校などは特別室の音楽室など5教室は扇風機も暖房もない状況のようです。県立高校では、既に冷暖房設備が導入されていると聞いています。子供たちが精神的に安定した学校生活が行えるように、来年度に向け、小中学校への冷暖房の導入の取り組みについてお伺いをいたします。
次に、秋祭りの日程と問題点についてお伺いします。
本年度の市内の秋祭りは、3年ぶりに10月16日、17日、18日に決定したようですが、どのような背景、経過で統一されたのか、お伺いいたします。また、昨年の9月議会で、日程についての私の質問で、答弁として、地域住民の祭りであり、神社、氏子総代、自治会などが中心となった各太鼓台運営委員会が集まった地区太鼓台運営委員会や協議会の関係者の中で協議、決定されるべきものと考えていると。また、市民生活全体に与える影響が大きいことから、統一した日程での開催が望ましいと答弁をいただきました。このことは、行政の取り組む姿勢が大変弱く、統一してほしいという気持ちが言葉だけのようでなりません。運営委員会は、上部地区の解散により現在9地区で、大生院地区は神社の関係で日程は固定しており、残り8地区は市の答弁の考えでいくと、秋祭りの日程は毎年不安定であり、運営委員会が日程を決定するのは太鼓台運営関係者の組織でありますので問題があると考えます。私は、議長が会長である太鼓祭り推進委員会が、祭りの全ての関係者が委員であり、適当ではないかと考えますが、市民のために観光を売り物にする行政も真剣に取り組まなくてはなりません。どう取り組まれますか。また、上部地区では、週末開催の日程の中で、昨年、中萩の2台が除名を受け、統一行動に参加できなく、本年も上部地区の運営委員会が解散しているにもかかわらず、規約の中で2台が入っていないとのことから、統一行動への参加が難しいような話ですが、これは大津市のいじめの問題のような気がしてなりません。太鼓祭り推進委員会の目的にも抵触すると考えますが、委員会の昨年からの取り組みと解決に向けての取り組みについてお伺いいたします。
次に、太鼓祭り補助金の問題ですが、平成21年度までは太鼓祭り推進委員会が直接手配し、支出する費用と各地区運営委員会、協議会へ交付する費用、平成21年度予算では504万円で取り組まれていましたが、この年の鉢合わせの認定で、補助金の支出に疑義が生じ、市民に不信を招くことになり、補助金の見直しを行ったわけですが、平成21年度までの取り組み内容と予算額、平成22年度、平成23年度、平成24年度の取り組み内容と予算額及び問題点についてお伺いいたします。
各地区運営委員会は、統一寄せなど費用の問題、各太鼓台は民俗文化行事を守るため、費用の増大などで平成21年度までの方式に戻してはとの声が大変強いのですが、運営委員会の増加問題などのお考えも含みお伺いをいたします。
最後になりますが、石川副市長への市長選挙出馬要請についてお伺いをいたします。
このことは、先ほど申し上げたとおり、佐々木市長が、5月28日の定例記者会見で次期市長選挙に出馬されないと表明され、後継者の指名についても特にされないとの発言からもう3カ月半になりますが、正式に出馬表明をされる人があらわれていないのは、いまだかつてなかったことだと思います。この間、出馬の意思を持たれた方もいたように思いますが、現在の新居浜市の行政運営状況の中で、できれば一本化できる候補者でまとめたいとの声が各界各層に多くある中で、佐々木市長退任表明直後、自民クラブとしても石川副市長に出馬の御要請に参りました。その後、石川副市長への出馬要請は、市議会各会派を中心に、経済界、各種団体で声が高まり、8月17日には青野正元商工会議所会頭を初め、9名の連名で書面で出馬要請がなされ、9月3日に私たち市議会4会派、自民クラブ、いずみ会、公明党議員団、市民の会も会派の意思をまとめ、代表4名が出馬要請をいたしました。選挙管理委員会が発表した選挙日程は、11月4日告示、11月11日投票と告示まで2カ月を切っている状況で、石川副市長には慎重に検討し、適切な時期に判断したいといまだ公式に出馬の意思が示されておりませんが、関係者、市民の皆さんから、副市長への出馬の声が輪になって広がっていると考えます。私たちは、出馬の意思は固めていると感じておりますが、このような支援体制と日程の中で、副市長という職責から慎重にされていると思いますが、広く市民に意思を表明する時期ではないかと考えますが、出馬についてどのように考えておられますか。ぜひともこの議会で表明していただくようお願いをいたします。
以上で第1回の質問を終わります。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) おはようございます。
自民クラブ代表の山本議員さんの御質問にお答えいたします。
まず、これまでの3期の取り組みについてでございます。
6月議会の際にも申し上げましたが、現在もまだお別れを申し上げるには少し早いという気持ちで、任期まで全力で取り組み、重点事業や懸案事項等を一つでも解決したい、何とか前進させていきたいという気持ちで取り組んでおります。私は、12年前の就任以来、市民の皆様と情報を共有し、一体となって市政をつくり上げていく自立・連携のまちづくりを市政運営の基本理念として捉えてまいりました。これまでの取り組みとして心に残っている事業、たくさんございますが、市民合意が大切な清掃センターや最終処分場の建設、さまざまな問題を克服し取り組んできた新居浜市の顔となる駅前土地区画整理事業の完成、慈光園の建設、河川敷などの公園整備、産業基盤としての企業立地、別子銅山を初めとする近代化産業遺産の保存活用、小中学校の耐震化、全ての子供が尊重される発達支援教育の構築、行財政改革として保育園の民営化、補助金公募制度、まちづくり協働オフィスなどに代表される市民協働の取り組みなどさまざまな事業が浮かんでまいります。そして、何よりも記憶に残っているのは、多くの市民の方が犠牲になった平成16年災害です。迅速な復旧、復興に市民の皆様、全国から駆けつけていただいたボランティアの皆様とともに全力を注いだ体験は、その後の市政運営の柱となりました。市民の安全、安心を第一に、そしてさきの東日本大震災などの災害時には、決して他人事ではなく、我が事として助け合うことの大切さを教えられたものです。自助、共助こそが基本であり、その上に市民との信頼関係の上に立った公助の仕組みを構築していくことが重要だと思い知らされたものです。
また、私の最初からの選挙公約の柱であった総合文化施設建設につきましては、ことし7月の臨時議会にて御審議いただきましたように、総合文化施設の建設の賛否を問う住民投票条例制定の直接請求があり、私も意見書の中でも述べさせていただきましたが、行政として意思決定を行う際に、市民の意見を反映させることの難しさを再認識いたしました。私は、これまで市の重要な施策については、情報公開に努め、説明責任を果たすことを心がけてきたつもりでしたが、署名活動が総合文化施設建設に対する市民の皆様の関心と理解を広げていただく大きな役割を果たしたことで、情報共有の大切さやまた困難さも感じました。残念ながら、今回入札は不調となりましたが、新居浜市の誇りを未来へと継承し、次世代を担う子供や若者たちにすぐれた文化の継承と芸術に触れることのできる施設として、できるだけ早く着工に向け努力をしたいと思っております。
また、有限会社悠楽技の問題、不法投棄問題を初め、市職員の不祥事などもあり、市民の皆様の信用を失墜させたことは、私の不徳のいたすところであり、まことに申しわけのない事件だと思っております。
私の任期中、第四次長期総合計画については、策定から完遂までを担当し、目指す都市像~共に創ろう~心と技と自然が調和した誇れる新居浜の実現に向けて取り組み、現在の第五次長期総合計画策定では、その成果を検証し、市民、各種団体、企業などのニーズを取りまとめていただきました。その目指す都市像である-あかがねのまち、笑顔輝く-産業・環境共生都市の実現に向け取り組みを実施しておりますが、まだまだ未着手の問題や新たに取り組む必要のある問題もございます。ちょうどことしは市制施行75周年という記念すべき年であり、本日までにジブリの動画家近藤勝也展、四国地区高校生溶接技術競技会、夏期巡回ラジオ体操や第2回目の笑顔甲子園などが開催され、新居浜市が目指す都市像を市内外に情報発信することができました。多くの市民の皆様に支えられていることを本当に実感をいたしました。残りの任期は2カ月ございますので、全力を傾注して市政の推進に取り組んでまいります。
次に、市長の退任表明について、就任前は市役所についてどう感じていたのか、そしてどのようにし、どのよう変わったと思うのかということにつきましては、市長就任前は、議員という立場で見ておりましたが、情報公開と市民参加については十分ではない。特に市民参加という点に関しましては、市民の方の意識と市役所職員の意識に少なからず乖離があると感じておりました。そのため初めて市長として登壇いたしました平成12年12月議会の開会に際して、私の基本的な政治姿勢は、市民参加と情報公開を進めて、新居浜市は一つだと実感できるまちづくりを行うと所信の一端を申し上げました。それ以来、12年間、自立・連携のまちづくりを市政運営の基本理念とし、まちづくり校区集会、市長への手紙やメール、出前講座、審議会委員の市民公募など、市民の皆様との対話や御意見を大事にし、情報公開と市民参加、連携のまちづくりに努めてまいりました。まだまだ不十分な点もございますが、少なからず市民の皆様と協働しながら、市政の運営が行えたものと考えております。
次に、首長の任期についてでございます。
言うまでもなく、首長は、立候補する意思を持つ方がいらっしゃり、選挙によって有権者から支持をされてその職につくものであり、何期でなければならないというようなことは基本的にはないというふうに思っております。しかし、そういう中でも、やはり多選批判というものも常に起こってまいります。何期からが多選なのかということに関しましては、それぞれの解釈も異なるものでございますから断定することはできませんが、私の感覚では3期目からは多選という部類に入るのではないかというふうに思っております。
次期市長に伝えたいことにつきましては、市長は市長選挙で公約を掲げ、市民の信任、信頼を得て公約の実現に向け全力をささげるのは当然でありますが、その政策実現のプロセスにおきましては、市民参加や情報公開を進め、議会での議論、承認を得ることが大前提となりますことから、これまでの市民参加、情報公開の取り組みにつきましては、どなたが市長になろうとも後退させるべきではなく、むしろさらに進化させてほしいと願うところでございます。
また、市政運営には時には大きくかじを切るということも必要ではないかと思いますが、同時に継続性というものも大事な要素でございます。第五次長期総合計画につきましては、市長の個人的な計画では決してなく、市民参加や議会の議論を経て策定されたものでありますから、計画の考え方というものを市政の変わらない基本として取り組んでいっていただきたいと思っております。
次に、市長の退職手当についてでございます。
まず、特別職の退職手当につきましては、地方自治法第204条第2項の定めによりまして、条例で定めることにより支給することができるとされております。一般的に退職手当の性格といたしましては、賃金の後払い的、退職後の生活保障的、功労報奨的な性格があり、これらの要素が混在していると言われております。これまでもたびたび御答弁申し上げてまいりましたが、平成12年当時、市民の皆様の大方は、市長等特別職の退職手当について、当時市長であれば約2,200万円が4年ごとにその都度支払われているという事実をほとんど御存じなく、現状をお話しすると皆様は大変驚かれ、それは退職金ではなく報奨金ではないかというようなお話を多くいただきました。任期ごとに支払われている市長等特別職の退職手当という公費の使われ方につきましては、納税者である市民の方々に現状をお話しし、客観的な判断を聞くにつけ、決して市長に限定されるわけでなく、特別職の退職金については、功労報奨的な性格が大変強く、その職責に対する報酬としては、毎月の報酬、または期末手当で十分ではないかとの思いを強く抱くようになりました。出馬時は、座談会等を通じてさまざまな市民の御意見をお聞きし、強い共感をいただいた事項である市民参加と情報公開、市長を初め特別職の退職手当の廃止、困ったときに頼りになる市役所づくりを主要な公約として掲げ、慣例にとらわれない断固たる市政改革を目指し、平成12年の市長選挙に臨んだというのが当時の率直な気持ちであり、それに対して、多くの市民の皆様から私の政治姿勢として評価いただいたものと受けとめております。それだけに自分の任期中はその約束を守ることが私の使命であり、市長退任後も顔を上げて歩けるようにしたいというふうに常日ごろから思っておりました。これまでも提案の都度、さまざまな議論を重ね、大変熱心に御審議をいただいてまいりましたが、平成19年12月及び昨年12月市議会定例会におきまして、議員提案により可決された条例の規定に基づき、特別の事情といたしまして、私の退職手当をゼロ円とする提案を可決いただきました。制度の廃止には至らないものの、結果的には私の考え方について十分御理解いただけたものと思っております。特別職の退職手当につきましては、制度の廃止が平成12年時の選挙公約でありましたが、それ以来、議論を重ねる中で、現在では選挙で選ばれる首長と首長に要請されて就任する他の特別職では立場の違いがあるのではないかというふうに思っております。議員提案で改正されております現在の条例につきましては、尊重すべきものと考えますが、議員並びに市民の皆様の声を聞き、今後も不断の見直し等が必要ではないかというふうに思っております。
次に、瀬戸・寿上水道問題についてでございます。
瀬戸・寿上水道問題は、これまで申し上げておりますが、歴史的な経緯、経過のある問題でございまして、市水道との統合に向け、地元の御理解、御協力を得ながら、円満に、また早急に解決を図ることが市の基本的な姿勢でございます。
まず、平成17年度以降の経緯についてでございますが、引き続き瀬戸・寿上水道組合の組合長、連合自治会長との説明会開催に向けた協議を重ねるとともに、平成21年度からは庁内に関係部課による瀬戸・寿上水道問題検討委員会を設置し、この問題に対する庁内の体制をさらに強化し、統合における課題と対応策等について協議を行っております。その結果、平成23年度には、組合の水道委員の方々と私以下関係者の意見交換会を開催することができました。その中でこれまでの経緯、問題点、配水管の状況と今後の更新費用等について説明を行い、本年度に入りましても組合との意見交換の場を持てるよう、組合役員との協議を行っております。
次に、地元の組織についてでございますが、平成20年度に瀬戸・寿上水道組合が、瀬戸・寿連合自治会の一つの部会として位置づけられ、定期的に水道委員会が開催され、水道管の更新や指名業者の選定などについて協議を行っており、また本年7月には、組合の総会等の情報を組合だよりという形で組合員に情報提供するなどの新たな取り組みを行っていると伺っております。
次に、在任期間での取り組みについてでございますが、私といたしましても、この問題の解決を最優先課題として取り組んでまいりましたので、任期残りわずかとなった現時点において解決に至っていないということは大変残念であると同時に、また力不足を感じ、申しわけなく思っております。しかし、残された任期中、解決に向けた取り組みが前進するように努力をしてまいります。
次に、マイントピア別子端出場温泉保養センターについてでございます。
端出場温泉保養センターは、平成3年の開設から20年以上が経過し、施設の老朽化が進む中、平成23年6月市議会の議員全員協議会において、温泉施設を廃止したいという私の考えを説明いたしました。また、さきの6月市議会では、その後の施設検討業務の報告や市議会産業・観光振興対策特別委員会の中間報告などを踏まえ、マイントピア別子という施設全体を観光施設としてより効果的、一体的に利活用できる方策を再度検討したいとの考えを申し上げました。この間、温泉施設の存続と廃止を求める市民団体が設立され、それぞれの立場での御意見もいただきましたことから、本年5月には施設検討結果市民報告会を開催し、マイントピア別子設立からの経緯や私の考えを説明いたしました。また、市民の皆様への周知が十分でないとの御意見もありましたことから、市政だより8月号での特集やまちづくり校区集会を通じて再度周知を図ってまいりました。あわせて、市議会特別委員会の中間報告における施設再生を考える上で、4階部分だけを切り離して考えることは限界があることや、マイントピア別子関係者の経営者としての視点も参考にした一体的な考察も必要であるとの御指摘を踏まえまして、株式会社マイントピア別子と空調設備の更新やレストラン部門を含めた施設全体のあり方を協議してまいりました。しかしながら、新たな観光施設として再生するための投資リスクと将来の財政負担やさらには株式会社マイントピア別子の今後の経営において、責任の持てる具体的な提案をお示しするまでには至っておりません。結論を出すべきであったこの定例市議会において、関連議案を提案できなかったことに関しましては、申しわけないとの思いがございます。しかしながら、端出場温泉保養センターを現状のままでこれからも運営をしていくことは困難であるということについては大方の御理解を得られてきたものと考えております。今後、マイントピア別子が本市の観光拠点施設として、また観光客にも市民にも愛され、多くの人が集い、交流する魅力的な施設としてさらに発展するように、次につながるよう努力をしてまいりたいと考えております。
次に、総合文化施設関連工事の入札についてでございます。
総合文化施設建設建築主体工事につきまして入札参加資格のある3者が全て入札を辞退したため不調になりましたことは、建設工事の入札により総合文化施設建設に向けての具体的な第一歩となると考えておりましたので、大変残念な結果でございます。今後におきましては、さまざまな事項の確認を行いながら、できるだけ速やかに再入札を行うよう準備をしてまいります。
また、残された任期もあとわずかとなりましたが、今後も市民の皆様や議会に対して、丁寧に御説明をしながら、総合文化施設の建設に向けて鋭意取り組んでまいります。
以上申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足いたさせます。
○議長(藤田幸正) この際、暫時休憩いたします。
午前10時57分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前11時07分再開
○議長(藤田幸正) 休憩前に引き続き会議を開きます。
阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 自民クラブ代表の山本議員さんの御質問にお答えいたします。
教育問題についてでございます。
いじめ、不登校のうち、いじめ問題でございます。
いじめは、時にして生命の危険さえ生じる問題でございます。学校生活におきましては、児童生徒の人間関係に起因して起きているもので、これは第1に学校が責任を持って真剣に取り組まなければならない問題であると認識いたしております。
まず、本市の過去の3年間のいじめ認知件数と現在の状況でございます。平成21年度は、小学校24件、中学校20件の計44件、平成22年度は、小学校16件、中学校15件の計31件、平成23年度は、小学校18件、中学校5件の計23件と減少傾向にあり、今年度は7月末において、小学校6件、中学校4件の計10件となっております。
次に、学校におけるいじめの認知方法についてでございます。
各学校において、アンケートや心のノート、日記、また児童生徒や保護者等からの訴えなどによりいじめを認知しております。また、教育委員会のホームページに、いじめを早期発見し予防するため、保護者向けにいじめチェックリストを提供しております。
次に、いじめが起きる要因とその対策についてでございます。
今日の児童生徒に見られるいじめの問題につきましては、その原因や背景等に児童生徒の心の問題が深く介在していること、また社会的風潮の影響や家庭のしつけの問題、学校における友人関係のあり方等さまざまな要因が複合的に絡んでいると考えられます。いじめは表面化することなく進行する場合も多く、またその実態の把握や解決も難しい場合もございます。特に、いじめが学校生活とのかかわりの中で発生していること、人権を侵害し、子供たちの心や体を深く傷つけていることを考えますと、教育委員会を初め、それぞれの学校がこの事実を真剣に受けとめ、解決していくという強い決意を持たなければならないと考えております。そのためには、校長を中心に、全教職員がいじめ問題の重要性を認識し、自校にもいじめがある、発生するおそれがあるとの共通認識を持って取り組む体制を確立するとともに、日ごろから子供の心や体の変化を見逃さない、また直接指導に当たる教師には、特に専門的な知識、幅広い視野、子供の考えに共感し、受容できる豊かな人間性や感受性を身につけることが大切であると考えております。
次に、過去3年間の不登校児童生徒の推移ですが、平成21年度は、小学校は20名、中学校では95名の計115名、平成22年度は、小学校16名、中学校85名の計101名、平成23年度は、小学校27名、中学校88名の計115名と年度により多少の増減はありますが、横ばい傾向となっております。本年度は、7月末において、小学校12名、中学校52名の計64名となっております。
次に、不登校の要因とその対応についてでございます。
不登校の要因は、さまざまな要因が絡まっており、断定はできませんが、不登校となったきっかけと考えられる要因は、小学校では、本人に係る問題によるものが56%、家庭に係る問題によるものが14%、学校に係る問題によるものが16%、中学校では、本人に係る問題によるものが73%、家庭に係る問題によるものが9%、学校に係る問題によるものが15%となっております。さらに、不登校が継続している主な要因でございますが、小学校では不安などの情緒的な混乱や無気力等が複合していて、いずれが主であるか決めがたい複合が56%、不安などの情緒的な混乱が22%、中学校では複合が41%、不安などの情緒的な混乱が16%、無気力が27%、遊び、非行が8%となっております。
次に、不登校問題への対応についてでございます。
何よりも不登校児童生徒を出さない取り組みが重要であると考えております。そのため各学校では、魅力あるよりよい学校づくりあるいはわかる授業で基礎、基本の確実な定着を図り、学ぶ意欲を育み、楽しく安心できる学校づくり、仲間づくり等の取り組みを進めているところでございます。また、不登校児童生徒への指導といたしましては、個々のケースに応じて保護者や関係機関と連携し、積極的な登校刺激を与えながら学校復帰を促したり、生活習慣の改善を図ったりする等の取り組みを進めているところでございます。また、学校だけでは対応できない場合もありますことから、家庭や地域はもとより、適応指導教室、教育センター、医療機関等の関係機関との連携を密にして、多様な対応を進めております。
次に、教育委員会の対応についてでございます。
教育委員会では、教育行政における基本方針や重要事項を決定し、この決定に基づき具体的な取り組みを進めており、いじめや不登校を生まない楽しい学校づくりを最重要課題に掲げ、各学校への取り組みの支援、職員研修の実施、関係機関との連携等を推進しております。また、毎月開催しております教育委員会定例会におきましても、各学校におけるいじめ、不登校、生徒指導関係に係る事項を会議事項とし、報告内容について審議しております。
次に、相談体制の強化を含めた今後の事業展開についてでございます。
中学校には、臨床心理士、またはこれに準ずる資格を有したスクールカウンセラーを5校に配置し、配置していない中学校には、教職員経験者や地域の人材を活用したハートなんでも相談員を配置し、また小学校には、学校規模や実態に応じてハートなんでも相談員を10校に配置し、不登校児童生徒のケアに努めております。さらに、家庭環境に起因する不登校児童生徒については、スクールソーシャルワーカーを派遣し、家庭訪問等を通じて支援を行っているところでございます。そのほか相談員による教育相談やいじめに関する電話相談、いじめ110番をあすなろ教室に、また土曜日教育相談、親と子のふれあい相談室を総合福祉センターふれあいプラザ1階相談室に設け、専門の相談員を配置し、相談事業を実施しております。また、小中連携の観点から、不登校の未然防止を目的に、全校区において9カ年を見通した教育計画、いわゆるグランドデザインを作成し、これに基づき、各校区の学校が具体的な取り組みを実施しております。
なお、本年度から2カ年、国立教育政策研究所生徒指導センターの委嘱事業として、魅力ある学校づくり調査研究事業を南中学校を拠点校として、金子、金栄小学校と連携し、不登校を未然に防止し、児童生徒の将来の社会的自立を促すため、豊かな人間関係づくり、学習指導の充実、児童会、生徒会活動の充実、家庭教育との連携など、各学校の創意工夫を生かし、魅力ある学校づくりを推進することといたしております。
今後におきましても、いじめ、不登校対策への取り組みをしっかり進めてまいりたいと考えております。
次に、学校施設の環境整備についてでございます。
まず、特別教室に扇風機がない問題についてでございます。
本市におきましては、児童生徒のより安全で快適な教育環境を実現するため、平成16年度には中学校の、平成20年度には小学校の全ての普通教室に天井型扇風機を設置しております。特別教室につきましても、順次設置を進めており、現在、約6割の小中学校については設置が完了しておりますが、全校への設置を目標に、今後も計画的に整備を進めていく予定でございます。
次に、教室のかばん入れ、ロッカーのサイズの問題でございます。
教科書などのA判化に伴い、ランドセルのサイズが大きくなりつつあることから、既設のロッカーではおさまりにくくなっているのが現状です。しかしながら、既設のロッカーは、窓枠や壁面の掲示板などの制約の中で最大のサイズに設置しており、大きくすることは困難な状態であり、現実的には廊下などに別途設置しているロッカーを併用する形での対応となっております。大規模改修を実施した学校につきましては、可能な範囲でロッカーのサイズを大きくしており、今後も大規模改修を実施する際には、ロッカーの大きさについて留意し、改修を検討していきたいと考えております。
次に、小中学校への冷暖房の導入についてでございます。
扇風機の設置につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございまして、御質問にありました学校につきましては、今後整備する学校の一つとなっております。
教室への冷暖房設備、エアコンの設置につきましては、市内の小中学校の普通教室、特別教室を合わせますと約700室ございますことから、その設置及び維持管理には多額の費用が必要となります。愛媛県教育委員会に確認いたしましたところ、県立高校のうち、約6割の学校でエアコンが整備されているとのことです。これは、生徒のよりよい学習環境等を確保するために、PTAからの要望を学校長が承認する形であることから、その設置及び維持管理費用につきましては、PTA会費などによる保護者負担となっており、年間の負担金額は、市内の県立高校のケースでは、1人当たり約8,000円、全体で約670万円程度と伺っております。児童生徒のよりよい教育環境の整備を実現する上で、教室へのエアコンの設置につきましては、今後の検討事項の一つであることは認識しております。しかしながら、まず学校はすばらしいと言われるためには、設備などハード面の整備だけでなく、児童生徒にとって楽しいところであり、夢を育てるところであるという認識のもと、魅力ある学校づくりに努めることも大切であると考えております。今後につきましては、既にエアコンを設置している県立高校などの事例を参考にしながら、空調設備の必要性を含め調査研究をするとともに、国庫補助制度の動向も注視しつつ、財政状況を勘案し検討してまいります。
○議長(藤田幸正) 加藤監査委員。
○監査委員(加藤哲)(登壇) 瀬戸・寿上水道問題についてお答えいたします。
この問題は、歴史的な経緯もあり、市としても関係者と協議を重ねるなど取り組まれているところでございます。監査といたしましても、積極的な取り組みにより、適正な処理と解決を望みますことから、毎年指摘や意見を述べてきたところでございますが、いまだ解決には至っておらず、危惧するところでございます。この問題は、円満解決されることが最も望ましいものと考えますが、違法な状態や公平性が損なわれるような状況が長期にわたって継続されることは、行政秩序や水道事業の健全性を損なわせる要因ともなりますことから、早期に解決されることを望みます。解決に当たっては、客観的事実を十分説明する中で、新たな切り口とスピード感のある対応により解決されることを望みます。
○議長(藤田幸正) 補足答弁を求めます。石川副市長。
○副市長(石川勝行)(登壇) 市長選挙出馬要請についてお答えいたします。
お話のとおり、先般、商工会議所を初め、地元経済界、連合自治会の有志の方々、食生活改善推進協議会の皆様方、さらには市議会各会派の代表の皆様方から出馬要請をいただき、身に余る光栄であり、大変ありがたく思っております。私といたしましては、皆様方の要請を重く受けとめ、これまでお世話になった方々と相談し、慎重に熟慮を重ねているところでございまして、今議会終了後に適切な判断をいたしたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
○議長(藤田幸正) 近藤総務部長。
○総務部長(近藤清孝)(登壇) 総合文化施設建設関連工事の入札について補足を申し上げます。
総合文化施設建設に係る4件の入札の詳細についてでございます。
まず、新居浜市総合文化施設建設建築主体工事につきましては、消費税及び地方消費税を除いた予定価格は27億100万円、開札日は平成24年9月3日、主な参加資格要件として、類似工事の公共工事の施工実績を有する代表者と地元建設業者2社による共同企業体とし、平成24年8月6日に公告いたしました。しかし、入札参加資格のある3つの共同企業体全てが入札を辞退したため不調となりました。電子入札時の辞退の理由といたしましては、見積もり検討の結果、予定価格の制限範囲内で応札することが不可能なため、入札金額が予定価格を超える金額となったため辞退いたします、都合により辞退いたしますとなっております。
次に、新居浜市総合文化施設建設電気設備工事につきましては、消費税及び地方消費税を除いた予定価格は5億5,400万円、開札日は平成24年9月3日、主な参加資格要件として、電気設備工事で、請負金額1億5,000万円以上の公共工事の施工実績を有する代表者と地元業者1社による共同企業体とし、平成24年8月6日に公告いたしました。
次に、新居浜市総合文化施設建設空調設備工事につきましては、消費税及び地方消費税を除いた予定価格は6億1,240万円、開札日は平成24年9月3日、主な参加資格要件として、空調設備工事で、請負金額1億5,000万円以上の公共工事の施工実績を有する代表者と地元業者1社による共同企業体とし、平成24年8月6日に公告いたしました。
次に、新居浜市総合文化施設建設衛生設備工事につきましては、消費税及び地方消費税を除いた予定価格は2億510万円、開札日は平成24年9月3日、主な参加資格要件として、地元業者2社による共同企業体とし、平成24年8月6日に公告いたしました。
建築主体工事を除く工事3件につきましては、建築主体工事の入札が不調となり、設計書等の見直しの可能性があるため、現在、開札を延期している状況でございます。
次に、公告から開札日まで日程、工事期間及び予定価格や仕様書の内容についてでございます。
まず、公告から開札日までの日程についてでございます。
一般競争入札に係る案件につきましては、公告から開札日までの期間は30日から40日を目安に設定しております。本件につきましては、若干短い期間となっておりますが、工期等全体の日程を考慮した中で、可能な限り期間をとっており、法的にも建設業法施行令に規定されている15日以上は確保されております。
次に、工事期間及び予定価格や仕様書の内容についてでございます。
工事期間は、予定建築物の規模及び用途などから算出したものであり、今回の設定工事期間は、適正な期間と考えております。予定価格及び仕様書につきましても、適正なものと考えておりますが、再入札の場合は再度検討してまいります。
次に、入札条件の変更についてでございます。
入札条件の変更につきましては、今回の入札が不調に終わりましたため、入札参加資格要件の見直しを行います。
○議長(藤田幸正) 本田経済部長。
○経済部長(本田龍朗)(登壇) 秋祭りの日程と問題点について補足を申し上げます。
ことしの秋祭りの日程につきましては、大生院地区が例年どおりの10月15日から17日、他の地区につきましても、従来どおりの10月16日から18日の日程で開催される予定でございます。平成20年には川西地区、平成22年、平成23年には上部地区が週末開催を行い、日程が不統一となっておりましたが、このたびの統一日程は、市民の皆様はもとより、観光客の皆様にとっても好ましいことであると考えております。
まず、日程が統一された背景につきましては、上部地区以外の地区につきましては、既に昨年から本年の日程を従来どおりと決定しておりましたが、上部地区につきましては、本年2月下旬に開催しました上部地区太鼓台運営委員会臨時総会において、思ったよりかき夫が集まらなかった、毎年日程が変わり、観光客も混乱する等の理由から、全会一致で本年の日程を決定したと伺っております。以前から申し上げておりますとおり、日程の不統一については、新居浜市としての一体感の喪失、事業所、学校、児童福祉施設、道路交通、近隣自治体など、市民生活全体に与える影響が大きいことから、好ましくないと考えております。
なお、太鼓祭りの日程につきましては、地域住民の祭りでありますことから、神社、氏子総代、自治会などが中心となった各太鼓台運営委員会が集まった地区太鼓台運営委員会や協議会などの関係者の中で協議、決定されるべきものと考えておりますが、今後も引き続き各太鼓台運営委員会や協議会などの関係者に対しまして、日程の統一について働きかけを行ってまいりたいと考えております。
次に、中萩地区の2台が上部地区統一行動への参加が難しいという問題についてでございます。
この問題につきましては、日程の問題と同様に、地区太鼓台運営委員会などの関係者で協議し、円満に解決しなければならないものと考えております。太鼓祭り推進委員会としても、各運営委員会での統一行動が望ましいとの考えから、上部地区山根グラウンド統一寄せ実行委員会関係者と中萩地区2台の参加について協議の場を設けましたが、ことしは現状において2台の参加は難しいとの考えと伺っております。
次に、太鼓祭り推進委員会の補助金についてでございます。
まず、平成21年度の取り組み内容と予算額につきましては、推進委員会が直接手配しております事業といたしまして、仮設トイレの設置、道路標識、放送設備の設置、平和運行等の横断幕の設置、警備員の派遣等で予算額254万2,000円、各地区太鼓台運営委員会、協議会へ交付する費用で予算額504万円で、合計758万2,000円でございます。
次に、平成22年度につきましては、仮設トイレの設置、平和運行等の横断幕の設置、ポスター設置、放送設備の設置、警備員の派遣等で予算額571万7,000円でございます。
次に、平成23年度につきましては、前年度事業に加えまして、案内パンフレットの作成、のぼりの作成、シャトルバスの運行、フォーラムの開催等で予算額807万円でございます。
次に、平成24年度につきましては、前年度同様の事業で、予算額700万円でございます。
現在の補助金の対象経費につきましては、周辺環境整備に対する支出となっており、太鼓台の運営に係る経費は対象外となっておりますことから、運営委員会によっては、太鼓台の実際の運営に支障を来しているといった御意見も伺っております。
次に、補助金について、平成21年度の取り組み方式に戻してはどうかについてでございます。
本年度の補助金支出につきましては、昨年までと同様の考え方で支出したいと考えております。しかし、本年度で補助金の見直しを行いまして3年が経過いたしましたことや、運営委員会の組織変更等の問題もございますので、太鼓台関係者の意見等も踏まえまして、これまでの取り組みの検証を行ってまいりたいと考えております。
以上で補足を終わります。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。山本健十郎議員。
○26番(山本健十郎)(登壇) 総合文化施設建設関連工事の入札について、まず先ほど市長のほうからできるだけ速やかに再入札すると。この件について、具体的にどういう、市長の任期中にやるんかどうかということ、それから近藤部長から入札要件の見直しを行う、これについては、かなりの金額の差があるということですから、もう少し詳しくお答えいただきたい。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 山本議員さんの再質問にお答えいたします。
任期中にやるのかという御質問でございますが、この事業はもう新居浜市の事業として取り組み、今年度継続費の補正予算の議決もいただき入札をしたものでございますから、任期というものを特に意識することなく、市として速やかにこの工事を発注していく体制を整えていくということで考えております。
○議長(藤田幸正) 近藤総務部長。
○総務部長(近藤清孝)(登壇) 山本議員さんの再質問にお答えいたします。
入札参加要件の見直しについてでございますが、この件につきましては、第1回目の入札が不調に終わっているという事実もありますので、今後設計業者、設計担当課の意見を参考に、新居浜市の競争入札参加資格審査委員会のほうで決定をしていきたいと、そのように思っております。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。山本健十郎議員。
○26番(山本健十郎)(登壇) 今、はっきりしませんが、速やかに再入札するということですから、多分市長の任期中に再入札、そういうことだろうと信じて、そのことは終わります。
あと2つだけ、社会資本整備総合交付金14億円ということですが、これは3月末までであればこの交付金がいけるのかどうかということと、それからきのうまでいろいろと聞き取り調査をやったと思いますが、そこからどういうことがわかったかお知らせいただきたい。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。田中企画部長。
○企画部長(田中洋次)(登壇) 山本議員さんの再質問にお答えいたします。
社会資本整備総合交付金の件でございますが、当然、今年度分は議決を経た国費については活用できるということでございます。
○議長(藤田幸正) 近藤総務部長。
○総務部長(近藤清孝)(登壇) 山本議員さんの再質問にお答えいたします。
業者からの聞き取り調査の結果はということでございますが、現在、業者の聞き取りについては行いましたけども、やはり契約内容の詳細について業者からの詳細な部分というのははっきり言っていただけないという状況ですので、今後、期間的な問題とか、そういったものがあったのかどうか、そういったものを設計業者と協議した中で、再度協議していきたいというふうに思っております。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。山本健十郎議員。
○26番(山本健十郎)(登壇) あとのことにつきましては、また自民クラブの水田議員に委ねます。
副市長のほうから、先ほど議会終了後速やかにというお話がありましたので、できるだけ速やかにきちっとした表明をしていただきたいと思います。
それでは、最後になりますが、佐々木市長には12年間大変御苦労さまでございました。まだ少し残りがあろうかと思いますが、私たち議会の論戦の中でとはいえ、議論をいろいろしましたが、いろいろ失礼なこともあったと思いますが、お許しをいただきたいと思います。残り2カ月ぐらいの残任期間ですが、悔いのない時間を過ごしてください。そして、佐々木市長におかれましても、土、日なく家庭をおろそかにして奥さん孝行ができなかったと思います。これからは少し家庭に軸足を置き取り組まれると思いますが、佐々木市長にはくれぐれもお体御自愛なされるよう念じまして、これからも新居浜市政に対しましても御指導、御鞭撻よろしくお願いをいたしますと同時に、最後になりますが、佐々木市長、お世話になりありがとうございました。
以上で質問を終わります。
○議長(藤田幸正) 仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) 会派いずみ会の仙波です。
それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。
本日、9月11日といいますのは、昨年の3・11の東日本大震災からちょうど1年半がたち、いまだ避難生活を余儀なくされている皆さんもたくさんおられます。この災害ということを教訓にして、以下質問をいたしたいと思います。
まず、新居浜市の財政について。
我が国のいわゆる失われた20年の間、地方自治はもとより、金融市場においてもさまざまな制度改革が行われ、また従前の常識を超える重大な事件も多数発生いたしました。特に、2007年の夕張ショックによる、自治体は絶対に潰れないという安全神話の崩壊から2011年の東日本大震災までの5年間には、現行地方行財政制度の重大かつ新たな脆弱性が明らかになりました。不適正な財務処理を主因とする夕張市の破綻は、何をおいても大きな影響があり、1994年に起きた米国カリフォルニア州オレンジ郡の連邦破産法第9章による破綻を注意しなかった日本に、地方自治の世界だけでなく、金融市場にとっても地方自治体を注意する主体であることを改めて認識させました。さらに、サブプライムショックを初め、欧州債務危機に伴う国家に対する信用リスクやシリアの内紛など、そして日本を襲った天変地異や大規模災害、風水害のリスクによって、世界の経済は大きく減退しています。つまり、経済の世界では、ICT及び確率微分方程式を応用した金融工学など、高度な専門性に基づく金融商品は、商品説明上の外部構造が単純化されても、内部構造の複雑さはうかがい知れないブラックボックス状態にあります。つまり、自治体、経済も役所の論理と市場の論理が切っても切れない異質異種な要素の混在する関係であります。つまり、自治体の財政は、安全だという保証はありません。地方自治体は、金融市場にとって、さまざまな条件要素の一つにしかすぎないのです。従来の起債制限比率、地方財政健全化法による健全化判断比率など、地方行財政制度が持つ機能などに故障が起きた場合は、波及して事故に発展することのないよう、性善説前提で制度設計をしています。しかしながら、地方債制度や地方交付税制度の護送船団方式的な地方行財政システムも、夕張市の例のように正しい基礎数値が人為的に隠蔽された状況では有効に機能しないことが判明しました。法令にのっとらないケースには、対症療法的に補完措置がとられてきていますが、近年、こういった性善説によって立つ現行地方行財政制度に対する挑戦とも思われる事件が相次いでいます。
そこで、伺いますが、新居浜市の財政は、佐々木市長のもと、健全であるとの認識に立っています。本当に財政の状況は大丈夫なのか、種々述べてきたことを含めてお伺いをしたいと思います。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) いずみ会代表の仙波議員さんの御質問にお答えいたします。
地方自治体が健全財政を維持するための指標として、平成19年6月に地方公共団体の財政の健全化に関する法律(財政健全化法)が成立し、地方公共団体の新しい財政再建制度が確立されました。これは、従来の地方財政再建促進特別措置法が、財政の早期是正機能や情報開示、また連結会計による評価などの仕組みを持っていなかったことを踏まえて改正されたものです。この財政健全化法に基づき、財政運営、経営の健全性を示すものとして、一般会計等は4つ、企業会計は1つの指標を算定し、それらの算定経過を含めて監査を受けた上で公表することとなりました。
このように、算定の結果だけでなく、その算定内容についても監査の審査を受けますことから、これらの指標についての透明性、信頼性は担保されているものと考えております。
平成19年度以降、新居浜市におけるこれらの健全化判断比率に関する指標についてでございますが、実質赤字比率、連結実質赤字比率につきましては、5期連続で黒字でございます。資金不足比率につきましても、5期連続で資金不足は生じておりません。また、実質公債費比率及び将来負担比率につきましては、5期連続で前年を下回る数値となっており、良好に推移いたしております。これらの指標が全てではございませんが、国の定める指針という意味におきましては、現状での当市の財政状況は健全であると判断いたしております。しかしながら、金融市場を初めとする日本を含む世界経済の情勢は、当然ながら、当市の企業業績、税収などにも影響いたします上、不安定な政局の中で、地方交付税制度を初めとする地方財政制度についての変動要素も見込まれます。このようなことから、今後とも中長期的な収支見通しを基本に、予期せぬ収入の減少や支出の増加に対しても弾力的、安定的な財政運営を可能とするため、これらの健全化判断比率を初めとする財政指標の推移にも十分留意しながら、健全財政の維持に努めてまいります。
○議長(藤田幸正) 仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) 特に、ここ近年は、新居浜市は財政は非常にいいというお話があるわけですけれど、そういう中で特に佐々木市長におかれましては、10カ年実施計画についても財政の裏づけということについて十分留意をしていただいて、その中で今日の結果が得られたんではないかと思います。しかしながら、一方では、非常に財政自身が使いたくても使えないというか、何となく硬直化しているんではないかという印象もあるわけですけれども、そういう中で、この12年間を振り返って、当初市長が12年前にお受けしたときと今の新居浜市の財政状況を考えて、何か御意見はございますか。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 再質問にお答えします。
12年前と比べるということでございます。当時、就任時は、それまでの公共施設建設などの償還あるいはその当時から取り組んだ駅前土地区画整理事業、中間処理施設、最終処分場、中央雨水ポンプ場、そのような大きな都市基盤整備の事業が予想されておりましたので、それらの事業を進めながら、健全財政を維持していくということについて大変気を配ったという記憶がございます。そのために10カ年実施計画を策定して、できるだけ財政の健全化あるいはある一定の根拠に基づく健全化を進めていこうということで進めてまいりました。この間、議員や市民の皆さんの協力、さらには今、優良な起債と申しますか、そういうものを多く活用することあるいはこの間、新居浜市内の大手企業、中小企業を中心に、法人税の伸び、そのようなこともありまして、現在の状況に至ったというふうには思っております。しかし、先ほど申し上げたように、これから先のさまざまな事業もございますし、今までどおりの市税収入がほぼ確保できるという前提での計画になっておりますので、それを維持するためには、逆にさまざまな経済政策を含めた政策が必要ではないかというふうに思っております。
○議長(藤田幸正) 仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) それでは、続いてオープンガバメントについてお伺いします。
オープンガバメントとは、透明性、市民参画、官民の連携の3原則が重要で、自治体は公共サービスを直接供給するだけでなく、市民が自発的に公共を支える仕組みをつくることであります。オープンガバメントの推進に当たっては、アメリカではオバマ大統領が非常に唱えられていて、今進んでいるということでありますが、国内では、公共データは国民共有の財産であるという認識のもと、公共データの活用を促進するための取り組みに速やかに着手し、それを広く展開することにより、国民生活の向上、企業活動の活性化を図り、我が国の社会経済の発展に寄与することが重要であるというふうに言っております。また、公共データの活用、促進のための基本戦略として、次の趣旨に沿った電子行政オープンデータ戦略を政府において策定することといたしておりますが、政府においては、行政情報の電子的提供に関する基本的な考え方を平成16年、各府省情報化統括者責任者連絡会議で決定し、それに基づき各府省ウエブサイト等で電子的な情報提供を推進しています。これにより、利用者が各府省ウエブサイトを直接閲覧するための情報提供について、提供内容及び方法、一定の共通化が図られてきました。また、公共データの2次利用に関しては、新たな情報通信技術戦略や電子行政推進に関する基本方針に係るIT戦略本部決定の対処方針において、行政が保有する情報を2次利用可能な形で公開し、原則として全てインターネットで容易に入手できるようにすることや統計情報、測定情報、防災情報等について2次利用可能な標準的な形式での情報提供を推進する必要があること、統計調査票情報の2次利用の目的範囲を学術的目的以外にも拡大することを検討することなどが挙げられています。さらに、先般の東日本大震災に際しては、例として、被災した宮城県で実行されています。通常の公共事業は、市町村が工事の調査、設計、施工を別々に発注しています。震災復興は、防災集団移転促進事業や土地区画整理事業など同時に進行させる必要があり、個別発注では時間がかかることから、国土交通省は、本年6月、一括発注方式を提示しました。宮城県の女川町の場合、都市再生機構が協定に基づき事業主体を代行し、統括役の民間業者に事業を発注、統括業者が建設会社やコンサルタント会社などに調査や設計、施工を発注する。統括業者の公募は、プロポーザル方式で選定し、9月末に契約を締結。事業の先行地区となる荒立地区の住宅移転先の高台造成や宮ケ崎、石浜地区の水産加工団地の基盤整備などに着手するとなっています。協定調印式は、町内の仮設商店街で行い、須田善明町長は、町全体をつくりかえなくてはならない、全国でまちづくりを進めてきた都市再生機構の力をかり、一日も早く復興を実現したいと述べています。都市再生機構の小山潤二震災復興推進役は、過去の経験やノウハウに頼るだけでなく、新たな知恵を結集して、女川町の復興をサポートしたいと言っています。
そこで、新居浜市もオープンガバメントを推進する取り組みとして、民間との情報共有と信頼が重要であります。先ほどの例は、町が別々にするんではなくて、都市再生機構に全てを任せて、その中で都市再生機構が町の役目をするというようなことでありますが、そういう意味で、新居浜市では、提案ですが、キュレーターを説明すると、学芸員で、学芸員の中でも企画を担当する権限を有する人を指します。博物館ではキュレーターが館内の展示物を整理して見やすくするのと同時に、インターネット上のあらゆる情報をキュレーター独自の価値判断で整理するのがキュレーションであり、キュレーションされたものがプログラムなどで自動的に収集する従来の検索サービスの検索結果と比べて不要なものが少ない、センスがよいなどといったことが挙げられます。新居浜市で行政情報を出すに当たって、このキュレーターのシステムが必要ではないかと思いますが、いかがお考えですか、お伺いをいたします。
○議長(藤田幸正) この際、暫時休憩いたします。
午後 0時01分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 1時00分再開
○議長(藤田幸正) 休憩前に引き続き会議を開きます。
答弁を求めます。田中企画部長。
○企画部長(田中洋次)(登壇) オープンガバメントについてお答えいたします。
オープンガバメントとは、インターネットなど送受信可能な双方向の機能を持つ情報通信技術を活用することにより、積極的に行政情報を提供し、行政への市民参画を促進する仕組み、制度であると認識いたしております。近年、情報の送受信が可能な高速インターネットが急激に浸透している一方、ホームページをほとんど利用されない市民も少なくないという事実もございますが、市といたしましては、老若男女を問わず、全ての市民に市政への参画を促すことが重要であると考えております。
御提案いただきました行政情報キュレーターのシステムにつきましては、市民の負託に応え、今後情報共有機能の充実を図っていくためにはますます必要になるものと考えておりますが、本市の現行制度におきましては、広報担当職員の制度がございます。市が実施している事業や調査等は、極めて広範囲に及んでおり、毎年各課所において市民ニーズの把握や分析、効果分析を行い、検討を重ねながら方針決定を行っております。そのような中で、市が行う各業務の目的や内容、進捗状況等の必要な事項を市民にわかりやすくより積極的に情報発信するとともに、市民の意見等を受信し、市民と行政が互いに情報を共有し、協働するまちづくり、ともに自立したまちづくりを推進することを目的に設置しているのが広報担当職員制度でございまして、各課長職等を広報担当職員に発令いたしております。本市の情報送信手段といたしましては、市政だより、ホームページ、メールマガジン、ツイッター、CATV等があり、また受信手段といたしましてはパブリックコメント、市長へのメール、手紙等がございます。地道ではありますが、着実に一人でも多くの市民に情報が届くよう、各種広報媒体を複合活用して情報発信しております。また、発信したい情報の緊急性あるいは周知をしたい方の年齢層等を考え、一人でも多くの市民に情報が確実に届き、またそれを見て一人でも多くの市民が市政に参画していただけるよう、各種広報媒体の有効活用に努めているところでございます。しかしながら、市民参画を促すためには、仙波議員さんから常々御指摘をいただいておりますとおり、広報担当職員のみならず、課内での係や各担当間の連携、さらに関係する各課との連携、また発信する情報の優先順位等々、まだまだ配慮が十分行き届いていない点も多々あるものと反省をいたしております。今後とも広報担当職員を中心とした庁内連携や調整機能のさらなる充実を図り、より積極的な情報共有の推進に努めてまいります。
○議長(藤田幸正) 仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) キュレーターの話ですが、特に最近、CATV、インターネット等を見てまして、一番先に感じるのは、時期が終わった番組がいまだに流れているとか、それから本来このときに出さなきゃいけないのをということをよく感じます。特に、ことし75周年記念事業での情報提供の中で、やはり一番感じるのは、どうやったら新居浜市が発信力を持って市民の参画を促せるのかっていう、そういう思いの中でどうも情報の優先順位が整理されて出されてないのではないかと。特に、今こういう地方分権と叫ばれてる中で、そういう情報の出し方、発信力というのが大きく影響するんではないかという意味で取り上げております。先ほど部長が述べたように、オープンガバメントまでいくっていうのは、まだまだ道は遠いかと思います。しかしながら、東北の女川町みたいに、行政が単独でやっているとなかなか事業が進まない。それを進めるために、行政の持っている情報というのをどういうふうにして出していくのか、それをまとめて処理をしていただける民間の力っていうものを利用するっていうのは、今後ますます求められるというふうに私は思っております。そういう意味で、いま一度お伺いしますが、このキュレーターという職にはこだわりませんけれども、そのあたりについて、例えば今、秘書広報課と例えば違う部分については市民課が行ったり、市民部が担当したりというような部分もあるようでございますので、そのあたりの整理についてどういうふうにお考えか、改めてお伺いいたします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。田中企画部長。
○企画部長(田中洋次)(登壇) 仙波議員さんの再質問にお答えいたします。
市の公共データの情報の発信方法、仕方ということについてでございますけれども、おっしゃるとおり、情報につきましては、有効に活用されてこそ意義があるということでございまして、具体的にはホームページを作成する職員が、さまざまな情報あるいは事業内容等にも全て精通した職員がいれば一番ベストであるということにはなりますけれども、現在はそういった体制あるいは職員がいないという状況でございますので、先ほど御答弁申し上げましたけれども、課長職を中心とした広報担当職員が中心になりまして、そういった行政情報の庁内の連携あるいは調整の充実を図りまして、よりよい行政情報の提供に努めたいというふうに思っております。
○議長(藤田幸正) 仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) ぜひそういうふうに考えていただきたいと思います。戦略として、データがございますが、具体的な戦略の実施、検討に至っている地方自治体は約3割となっている一方、そのような戦略の必要性は認識しているが、具体的な検討に至っていない地方自治体が約6割に及んでいる。また、これらの地域経営戦略の実施、検討を行っている地方自治体におけるデータの活用有無については、既に利用しているという回答があったのが約21%であり、約65%においては活用には至ってないが、その必要性が認識されている。そして、データの活用におけるICT利用についても、約7%が既に利用しており、そして約86%は利用に至っていないが、その必要性は認識されていると言われています。そういう意味で、特に新居浜市においても、その一歩となるように努力をしていただきたいというふうに思います。
次に、地域主権型道州制についてお伺いをします。
国は、目指す形として、広域自治体の役割を明確にしていないため、地域主権を掲げながらも、中央政府の規模が肥大化したままとなっています。そこで、順番として、まず国が広域自治体に任せる役割を明確にする必要があるのではないかと思います。
そこで、国と地方の新たな役割分担を検討し、補完性の原理に沿ってその結果を地域主権型道州制としています。道州制基本法、税財政区割りについて独自に検討を重ね、地域主権型道州制~国民への報告書を地域主権型道州制国民協議会が発表しています。国において2010年の地域主権戦略大綱には、地域主権改革は、明治以来の中央集権体質から脱却し、この国のあり方を大きく転換する改革であるとあります。もともと税源の乏しい地域では、税源を移譲されても税収増にはつながらない可能性があります。その意味で、自治体間の格差を恐れぬこと、その決意こそがこの改革には重要です。たとえ財源総額が減っても、自主財源の割合が高まれば工夫の余地がふえ、従来よりも少ない財源で済むというのがこの場合の模範回答であると思います。つまり、公会計の改革やICTの進展によって、従来の年度単位のマネジメントサイクルから四半期単位、さらに月時、日時、リアルタイムへとスピード化が進んでいます。これに対する事務は、事務プロセスの簡素化、合理化が必須であり、地域のことを地域で速やかに完結できる仕組みが求められています。そのためには、地域におけるさまざまなリスクについても能率の原則を踏まえつつ、地域で最大限解決することが必要です。国では地域主権改革を進めるために、義務づけ、枠づけの見直しと条例制定権の拡大を第1次一括法から第2次一括法へと改正してまいりました。つまり、地域主権を実現するためには、地方の側が相当な覚悟で知恵を絞らなければなりません。まして今後、少子高齢化が進むほど、その対応のハードルは高くなります。新居浜市として、地域主権改革に対する認識はどのように考えておられますか、お伺いします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 地域主権型道州制についてお答えいたします。
我が国を取り巻く社会経済環境は、人口減少、少子高齢社会の本格化、経済のグローバル化や地域経済の低迷、人々の価値観やライフスタイルの多様化など、大きく変化しています。
このような中、平成12年の地方分権改革一括法の施行により、国と地方は上下、主従から対等、協力の関係へと転換するとともに、地方は自己決定、自己責任の原則のもと、地域特性や住民ニーズを的確に見きわめた施策を展開することが求められています。2010年に閣議決定された地域主権戦略大綱の中で、地域主権改革とは、日本国憲法の理念の下に、住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにするとともに、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むことができるようにするための改革と定義されており、この改革においては、近接性の原則及び補完性の原則にのっとり、住民により身近な行政主体である基礎自治体が、地域における行政の中心的役割を担うものと位置づけております。地域主権型道州制の導入により、一般的には二重行政の解消による意思決定や事務処理の迅速化、国によるさまざまな規制や関与、干渉の緩和、撤廃による独自の地域づくりの展開や身の丈に合った施設、基盤整備、産業、企業活動の拡大や観光の広域化による地域経済の活性化、拠点都市における魅力的な都市機能、商業機能の拡充など、地方の権限拡大を背景として、地方行政の自由度の増大や地域の活性化につながるものと期待されます。ただ一方で、地方行政として相当な責任と覚悟を伴うことになるものと理解しており、ますます地域間競争が激化することも想定されます。今後、地域主権改革が具現化する中で、本市としては、このような動きを追い風と捉え、自主的かつ総合的な行政主体として広範な役割を担っていく一方、住民の方々にも自立した市民として自助、共助に努めていただき、ともに信頼し合いながら、魅力ある新居浜市をつくり上げていくことが大切であると考えております。
○議長(藤田幸正) 仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) 地域主権改革っていうのは、大綱は決められたが、まだ具体的に例えばこれとこれっていう形にはなってないというのが現実ではありますが、条例の制定権の拡大等がうたわれる中で、本市においても条例制定を求められているものがあると思います。具体的には、財源のすみ分けがはっきりしてないということもございまして、例えば、今まで国が6、地方が4っていう財源を、地方が5で国か幾つというお話も出ておりますけれども、地域主権改革の中で次の自治体経営というのが変わってくる場合もあるんではないかと、そういうふうに思っておりますので、ぜひ当市としてもそれに向かって努力をしていただきたいと思います。
次に、自治体経営についてお伺いします。
地方自治の制度設計では、平成24年4月の熊本市で政令指定都市が20都市になり、国民の5人に1人が該当する大都市制度となりました。都道府県制度が規模によらない画一的なフルセット主義を採用し、人口60万人弱の鳥取県にも警察を初めとする広域行政機能を付与し続ける一方、政令指定都市の人口要件を超える約84万人の世田谷区が特別区にとどまるなど、制度創設時からの人口動態等に対してアンバランスな自治体になっています。つまり、制度疲労をしているということであります。地方自治の行政責任を明確化させる前提として、行財政や都市経営に関する基礎的情報を明らかにする必要があり、不確実性の高いリスクに対する最大のリスクヘッジとしては、多様化と分散化が有効であると考えられますが、現行の考え方は、生物の進化の歴史では、多様性を担保することが勝因であったように、システムの中の多様性を包含することが、持続可能と進化、発展の前提であると思います。従来の考え方では、成長、発展フェーズは、均衡ある国土の発展など、ナショナルミニマムを早期に達成するため、全体最適を目指す制度設計が有効に機能してきました。そこで、現在では、マネジメントの主眼が年度単位の時代最適からリアルタイムの時間最適へ、そして地方分権の進展によって全体最適から地域最適へと移行する中、新しい形の制度設計では、こうした地域最適と時間最適を統合した時代最適志向の観点が重要となると思います。つまり、今までの全体主義から地方分権への延長として、地方の特性と多様化を生かした地域最適が重要になり、市町村優先の原則が達成されなければならないと思います。地域特性を生かした地域最適と全体最適の両立が、ある意味大切でありますが、都市自身による目の前の事業と将来のまちづくりを調整することが最も重要と思いますが、いかがお考えですか、お答えください。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 自治体経営についてお答えいたします。
我が国では、高度経済成長を背景として、長らく護送船団方式と言われるフルセット型の行政運営が行われてきましたが、平成12年の地方分権一括法を契機として機関委任事務が廃止され、中央集権から地方分権へと大きくかじが切られることとなりました。地方分権時代となった今、我々は、住民に最も身近な行政主体である基礎自治体は、絶えず自己責任を意識しながら、複雑多岐にわたる行政需要に的確に対応していかなければなりません。また、将来にわたる権限や税財源の移譲の動向が不透明な状況にある中で、住民に対する説明責任を果たし、限られた財源を有効かつ最適に配分し、住民満足度の最大化を図ることが必要です。そのためには、職員一人一人が事務の効率化、合理化などに努めるとともに、前例踏襲主義に陥ることなく、スピード感を持ち、絶えず新たな視点や発想を打ち出すことにより、次代を切り開いていく意欲や気概が求められています。また一方で、多様な市民サービスを初めとした公的機能を行政が全て担っていくことには限界があり、専門的かつ柔軟な対応が可能な民間団体、法人、市民との信頼関係の上に構築される連携、協働に努めていくことなしには、これからの行政経営は成り立たないものと考えております。地域防災や救急医療、エネルギー問題など、地域の安全、安心や活力にかかわる地域課題が山積する中で、ナショナルミニマムやセーフティーネットなど国民が健康で文化的な生活を維持する上で不可欠な政策については、引き続き国が担っていく必要がありますが、市としては不確実、不透明な社会情勢を見きわめながら、さまざまなリスクの可視化に努め、想定外の事態に的確に対応できる行政体質への転換が求められています。私は、市長就任以来、一貫して自立と連携によるまちづくりを市政推進の基本に掲げてまいりましたが、その考え方は、あらゆる施策の血脈の中を流れるものと考えております。今後とも市民との協働、連携の視点を重視しながら、即時対応力の向上に努め、さらなるスピード感を持って難局に対応する姿勢を貫き、本市独自の魅力である、ものづくり産業の振興、近代化産業遺産の保存活用など、個性を伸ばしながら次代を担う若者を初め、多くの市民が住んでよかったと思えるようなまちづくりを推進していくことこそ、本市の発展につながるものと信じております。
○議長(藤田幸正) 仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) ぜひ最適なまちづくりに頑張っていただきたいというふうに思います。
次に、介護保険についてお伺いします。
新居浜市の介護保険料が話題になりました。そこで、現在の保険料の原因はどこにあるのかお伺いをしたいと思います。
また、地域包括支援センターの役割は、主に居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスと伺っています。重要な事業として、一次予防事業とは、第1号被保険者の全ての人を対象にした生活機能の維持、または向上を図るための事業であります。1、介護予防普及啓発事業、2、地域介護予防活動支援事業、3、一次予防事業評価事業、次に、二次予防事業の対象者把握事業、通所型介護予防事業、訪問型介護予防事業、二次予防事業評価事業となっています。それぞれ具体的な取り組みと問題点についてお伺いします。
また、先日、日経新聞では、認知症の高齢者が300万人を超えたことが8月24日、厚生労働省の推計でわかったと報じています。149万人だった2002年から10年間で倍増しており、65歳以上人口に占める割合は約10%になったそうです。そういう意味で、従来の予測を上回って急増しており、厚生労働省は来年度から5カ年計画で新たな認知症対策に乗り出すとしています。また、調査は2010年時点の介護保険要介護認定のデータから、日常生活で何らかの介護や支援が必要な認知症の高齢者の現時点の人数を推計しており、2010年時点の人数は280万人だったが、現在は305万人に達した。さらに、2015年に345万人、2020年に410万人、2025年に470万人と人数、割合ともに今後も上昇が続くと見込んでいるようです。また、2002年のデータに基づく前回推計では、2010年に208万人、2025年に323万人としていましたが、この数値を大幅に上回ったものとなっているようです。
そこで、厚生労働省は、6月、新たな認知症対策を発表し、初期段階から専門家でつくる支援チームが家庭訪問をしたり、全国300カ所に早期診断できる診療所を新たに整備したりするとしていました。その実態、中身についてお伺いします。また、新居浜市の対応策はどうなっていますか。また、今回の介護保険制度の改正は、地域包括ケアシステムの構築を目指し、在宅で重度者や医療が必要な人への対応のための医療介護の連携加算、軽度の人の在宅適応能力を一層高めるための機能改善にかかわる加算、そして一方で、重度のみとりを視野に、介護施設等でのみとり介護加算が積極的に展開されています。新居浜市として改めてどんな対応と対策、解決策を持っていますか、お伺いをいたします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 介護保険についてお答えをいたします。
現在の介護保険料の原因についてでございます。
現行の介護保険制度では、介護給付費の21%を65歳以上の第1号被保険者の保険料で賄っていただく仕組みとなっておりますことから、本市において介護サービスの利用が伸び、介護給付費が増加したことにより保険料が高くなったものでございます。このため、保険料を抑制するため、介護予防、介護給付適正化に取り組んでいるところでございます。
次に、介護予防事業の具体的取り組みのうち、一次予防事業といたしましては、公民館、自治会館等で実施いたしております介護予防事業、高齢者福祉センターでの健康・介護相談の開催、介護予防に関する意識啓発を目的とした各種パンフレットの作成、市政だよりによる周知などに取り組んでおります。また、介護予防に関するボランティア等の人材を育成するための講座の開催やふれあい・いきいきサロン等へ希望する講師を派遣し、介護予防に資する地域活動の支援を行っております。これら介護予防普及啓発事業と地域介護予防活動支援事業において、介護予防に関する講演会や教室、講座を延べ91回開催いたしまして、2,833人の高齢者の方に参加をいただきました。また、一次予防事業評価事業といたしましては、参加者の意見、感想等を参考に、派遣講師の人選や講座のメニューの見直しを行いまして、ニーズに即した事業展開をお願いしております。さらに、免疫力の向上、脳血管性認知症予防に効果のある笑いの健康増進事業におきましては、血圧測定、唾液検査、認知機能検査により、笑いの健康効果評価事業を実施いたしております。
次に、二次予防事業の取り組みでございます。
市政だよりによる周知や生活機能評価による対象者のリストアップを行う対象者把握事業、通所系サービスの事業所やスポーツジムに通い、運動機能、口腔機能の向上や栄養改善のためのプログラムを行う通所型介護予防事業、また、特に閉じこもり、認知機能の低下のおそれがあるなど、心身の状況などにより通所による事業への参加が困難な高齢者につきましては、看護師が訪問をいたしまして、生活機能に関する問題を総合的に把握し、必要な相談、指導をする訪問型介護予防事業を実施いたしております。二次予防事業評価事業につきましては、二次予防事業への参加者が昨年度実績で56人と少なく、十分な介護予防の評価を実施するには至っておりません。二次予防事業の参加者数の伸び悩みにつきましては、今後、事業参加者が増加するよう、市政だよりでの周知のほかに、高齢者福祉センターでの健康相談、保健センターや各公民館での集団健診等、高齢者が集うさまざまな機会を通じて、今まで以上に市民の皆様に介護予防事業の意義や効用を周知するなど、事業参加への意欲促進と意識啓発に努めてまいります。
次に、認知症対策についてでございます。
厚生労働省は、6月に早期診断・対応を柱とした認知症対策の新しい方針を発表いたしました。内容といたしましては、認知症を学んだ看護師等の専門家が、発症初期の段階から、進行状況に沿って介護上の相談支援などを行う認知症初期集中支援チームを全国の地域包括支援センターに順次設置し、認知症の人や家族の自立生活の支援を行う体制を整備するため、今後早期に専門家による研究事業を立ち上げ、モデル事業に着手するとともに、具体的な取り組みについて検討するというものでございます。さらに、その支援チームと連携し、地域の認知症治療の拠点となる身近型認知症疾患医療センターを5年間で全国300カ所整備するという内容でございます。認知症疾患医療センターにつきましては、現在、愛媛県が第5次地域保健医療計画に定める二次保健医療圏の区域ごとに1カ所、計6カ所の医療機関を募集中でございます。募集要領では、地域包括支援センター等からの医療相談への対応、地域包括支援センター等が構成員となる地域連携協議会の開催等が業務委託に盛り込まれております。今後におきましては、これら国、県の動向を注視し、対応等を検討してまいりたいと考えております。
次に、地域包括ケアシステムの構築に向けての取り組みについてでございます。
平成24年度介護報酬改定に当たりましては、地域包括ケアシステムの基盤強化、医療と介護の役割分担、連携強化、認知症にふさわしいサービスの提供を基本的な考え方といたしまして、その上で各サービスの報酬や基準の見直しが行われました。本市におきましても、地域包括支援センターをコーディネーターとして、地域の協力機関9カ所と連携を図りながら、高齢者福祉サービスや介護サービス、医療サービス等が連続性、一貫性を持って提供される地域包括ケアシステムの構築を目指しているところでございます。また、要介護者の在宅生活を支援する対策といたしまして、介護保険制度の利用のほか、介護者への慰労金支給や衛生品支給などにより、介護者の身体的、精神的、経済的負担を軽減することや食事の準備が困難な独居高齢者等に対しては、定期的に食事を提供する配食サービスの実施により栄養改善を行うとともに、住みなれた地域で安心した生活を送ることが可能となるよう努めております。さらに、地域包括支援センターおいて、高齢者の状況調査を継続的に実施いたしておりますことから、軽度の要支援者への支援が行き届かず重度化してしまうことを防ぐ取り組みとしての効果を期待しているところでございます。今後におきましても、要支援者、要介護者に対しまして、可能な限り居宅においてそれぞれの能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう、地域包括ケアシステムの構築に努めてまいります。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) それではまず、一次予防の啓発と予防支援事業で91回で2,833人、公民館、自治会館等っていうふうなんがあるんですが、まず新居浜市の第1号被保険者の対象者は幾らいて、割合として何%なんですか。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 仙波議員さんの再質問にお答えいたします。
新居浜市の高齢者人口は、65歳以上の人口、これが第1号被保険者の人口でありますけれども、3万3,481人でございます。
二次予防事業において、事業に最終的に参加いたしましたのは56人ということでございます。割合にいたしますと0.167%という結果になっております。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) 特に介護保険料が四国一とか全国何位とかって言われている中で、地域包括支援センターの役割っていうのは非常に大きいだろうと。今改めて実際に二次でこれだけ、じゃあ一次は一体何人だったのかなという感じがいたします。理由は、予防をするためには、まず参加をしてもらわないと予防はできないというふうに思います。その中で今お伺いすると、二次は0.167%、アンケートは本当に第1号被保険者対象に全てには行っているんですか、まずそこからお伺いします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 再質問にお答えをいたします。
まず、一番初めに基本チェックリストに記入をしていただくわけですけれども、そのチェックリストの実施状況でございますけれども、まず市政だよりの4月号で全戸配布いたしますが、その中にチェックリストと裏面には返送されるようになったものを印刷いたしておりまして、それを返送していただくということ、それと74歳になった方全員に発送をいたしております。また、国保課で行っておりますミニ健康まつりでありますとか、高齢者福祉センターで行っております介護健康相談、そういったところでチェックリストの配布を行っているということでございます。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) 市政だよりの裏のチェックリストですね。しかし、その実態というのが、65歳以上の方の中の例えばチェックリストなり、例えば二次予防の方の正確な把握なりっていう部分がまず一番最初に欠けているんではないかと。チェックリストの中身は別として、普通に申し上げますと、じゃああなたは要介護以上になったら例えば入所しますかとか、居宅にしますかとかっていう、そういうデータもとるんだろうというふうに思うんですが、通所にするか、それを居宅にするか、そういう部分についてもお伺いをするんだろうと思います。しかしながら、まず一次予防っていうその元気な人、65歳以上の第1号被保険者に該当する方の状態っていうのが正確に把握をされないと、次の要支援なり要介護になった皆さんの把握も難しいのではないかと。次に、要支援なり要介護者のチェックリストについてどの程度把握をしているのか、その結果が現在新居浜市にそういう施設をつくったりすることに関係があるんではないかというふうに思うんですが、そのあたりについて今回出せる数字というのはどれだけあるのか。例えば健康相談で配った、その中にダブりはないのか、例えば市政だよりの返送率はどうであったのかっていう、そういう部分の検証はまずされているのかどうかということについてお伺いをします。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 再質問にお答えをいたします。
チェックリストの実施状況が非常に低迷していると、そういったあたりの検証をしているのかということであろうかと思います。何分あくまで我々として思いますのは、介護予防に対する市民の意識を啓発するというのがまず1番であろうかと思います。元気であるときは介護になるというふうなことも余り想定しておりませんし、健康なときは病気になるといったようなことも余り考えないというふうになります。したがいまして、その介護予防に関しましては、あくまで市民の参加促進と意識啓発を図るということが一番であると思います。そうしたことからいいますと、一番の入り口になりますチェックリストが返ってきてないというのは、やはり我々としてももっと努力するべきであるというふうには考えております。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) リストが返ってきてないということが問題だというふうなことを今おっしゃっておりましたけれども、我々がいつも介護でお伺いをするのは、例えば施設に入る方が何千人待っている。しかし、施設はこれだけしか入れない。幾らつくっても待っている人には足りないというのが基礎データなのかどうなのかっていうことが私はまず第1点目の問題だというふうに思います。
次に、今年度、基盤強化と言いつつ、要は認定を厳しくしたんだろうというふうに思いますが、それによって当初予定していた事業量がどういうふうに変化をしたのか、これは多分4月時点でされていると思うんですが、計画を組んだときと厳しくしたときとの差をお示しいただきたいというふうに思います。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 再質問にお答えをいたします。
介護給付の適正化計画の中でやっております主要5事業というのがありまして、その中に認定調査のチェックというのがあります。認定調査が適正に行われているのかどうかということのチェックでございますけれども、新居浜市では本年4月から専任職員を配置いたしましてそのチェックを開始いたしました。ただ、今現在半年たちました時点で、どれだけ結果が出ているのかという数字については、今のところ持ち合わせておりません。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) しかし、現実的に要支援2の人が要支援1になったり、要介護2の人が要支援1になったりしたはずだと思うんです。その部分についていろんなところからお話もあったりどしたりしたわけですけれども、それによって、具体的に介護認定が下がった方、それは一体数字として幾らいるんですか。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 再質問にお答えをいたします。
確かに介護度が更新において下がったという数字については調べれば出るとは思いますけれども、そのことが適正化のチェックによるものなのか、その辺の原因については定かではないというふうには判断をいたします。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。仙波憲一議員。
○22番(仙波憲一)(登壇) 基本的には適正化というか、一般にわかりやすく言えば、要は認定を厳しくしたと。今まで新居浜市の認定は甘かったから厳しくしたとしかとれない話なんですけれども、状況がよくわからない、それで例えば介護保険料が下がるかどうかわかんない。いやいや非常に簡単な話は、要は要介護5の人を少なくしていけば、介護保険料は下がるわけですが、それと実際の施設の状況というのがどうなのかと。要は、介護認定を厳しくすることによってサービスは低下する、施設はあいている、じゃあ当初の施設の整備計画は合っていたのかという、そういうお話になっちゃいますので、その辺は担当部として、特に地域包括支援センターもそうですけれども、65歳以上の方全てが対象でありますから、もう少し真摯にやっていただきたいし、数値的にも進んでないのを放置しておくようなことはやめていただきたいし、その結果が介護保険料に反映するんであれば、市民にとって大きな迷惑だというふうに思いますが、その辺を特に今回の改正の中にも認知症とかそういうものもふえています。しかし、例えば認定だけじゃなくて、通所介護の時間帯の変更、6時間から7時間に変えれば収入がふえるとか、積極的に7時間への移行を行う事業者が本当にいるのかどうかとか、どれほど利用者の意向やプログラムの検討が行われたのか、単に収支改善のみをもって変更した事例はないのかとかっていう問題もあるわけですけれども、特に市として推計も含めて現実的な対応をしていただかないといけないというふうに思います。介護保険については、うちの三浦議員さんも質問されるそうですから、そのときまでにきちっと数値を並べてお答えをしていただきたいというふうに思います。終わります。
○議長(藤田幸正) この際、暫時休憩いたします。
午後 1時54分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 2時06分再開
○議長(藤田幸正) 休憩前に引き続き会議を開きます。
真木増次郎議員。
○19番(真木増次郎)(登壇) 公明党議員団を代表して質問いたします。
佐々木市長に対する質問が、本会議、今回で最後ということもあって非常に感慨深いものがありますけれども、平成12年に初当選されての12月議会で、当時話題となってました長野県知事と比較しながら、佐々木市長の政治姿勢を質問したことが懐かしく思い返されます。ただ、何となくクリスタルに消えていったあの知事と比較すること自体、佐々木市長に失礼であったなあと、今もって自分の不明を恥じております。
それでは、通告に従いまして質問いたします。
それともう一つ、忘れておりました。佐々木市長の任期満了に当たって、いろいろ振り返りたいんですけれども、あすの朝、代表質問で岩本議員さんのほうから格調高く評価する質問があると思います。自分とも気持ちの上ではシンクロしている部分があると思いますので、岩本議員さんにお任せいたしたいと思っております。
日中は雨が降らなかったら相変わらずの残暑が残っております。それでも朝晩には虫の声が届くようになりました。日本中を感動に包んだロンドンオリンピックも終わり、数々の名場面、そして名文句が感慨深い中、日本国内に目を向けると、ソニー、パナソニック、シャープの家電3社が深刻な経営不振に陥っています。自動車と並び日本の輸出産業を支える大黒柱だった家電。その大手3社の急激な業績悪化の最大の原因は、テレビ事業を家電の王様と位置づけた経営判断の失敗ですが、急激な円高に伴う競争力低下も見逃すことはできません。経営を継続できるかどうかの瀬戸際まで追い込まれているシャープの生き残りをかけた戦いを報道でかいま見ると、平成の初期、亀山に小さな陸運の営業所を持ち悪戦苦闘していた会社員の時代、シャープの隆盛を目に焼きつけていただけに隔世の感がいたします。
また、政界に目をやると、民主党を離党して新党を結成した小沢氏や野田総理を攻め立てる鳩山元総理を見ているとき、悪さをして仲間たちと一緒に叱られていたはずなのに、しばらくして顔を上げると、首謀者だった一人が先生の横に回り、罰する側に立っていた小学校時代の光景を思い出します。
それでは、通告に従い質問いたします。
東日本大震災の復興支援についてお尋ねいたします。
昨年、3・11の東日本大震災。あのとき起こった大津波は、そこに生活する人々からかけがえのないものを全て奪い取ってしまいました。いまだ震災の傷跡が深く残る中、住む場所や仕事の変更を余儀なくされた人たちが、全てを失ってもなお立ち上がろうと決意したきっかけは、多くのボランティアの人々が励まし、支え続けてくれたおかげで、もう一度頑張ってみようという気持ちになったとのお話を伺いました。被災地の人々が心の落ちつく場所を確保し、生活の復興をなし遂げることができるようになるまで支え続けていくことが求められていると思います。突然襲い来る震災や津波といった自然の猛威に対し、いかに対応すべきか、ハード面での防災対策はもちろん重要ですが、一方では社会のネットワークをいかに強固にするかということではないでしょうか。そのためには、同苦し、ともに歩もうとする気風を常日ごろから社会全体で高めつつ、地域で生活する人々とのきずなを深く、市民とともに汗を流す姿勢を保ち続けることが大切であると思います。佐々木市長の御所見をお示しください。
市長は、これまでにも本市として被災地に対しどのように応えていくか、本市独自の取り組みをされてまいりました。被災地に調査チームを派遣し、ニーズを把握し、それに応えるため職員を派遣し、対応してまいりました。総力を挙げて的確なニーズの把握と迅速な対応で、被災地から大変喜ばれたとお伺いしております。改めてこれまでの取り組みと今後の対応についてお聞かせください。
次に、市民後見人養成についてお尋ねいたします。
成年後見制度は、認知症の高齢者などが遺産分割の協議などをする際、本人に判断能力が不十分なため、不利益をこうむることがないよう、親族のほか、弁護士や司法書士、社会福祉士などが成年後見人などとして本人の財産を管理するものであります。高齢者などを狙った悪徳商法が横行しておりますが、この制度を使えば、一旦交わした契約を取り消す権利を持つため、こうした被害を未然に防ぐことも可能になります。2000年4月にスタートしたこの制度も12年以上が経過し、現在さまざまな問題点が指摘されております。その一つに、財産を守る立場の後見人によって、本人の財産が使い込まれる被害がふえていることであります。最高裁判所の調査では、一昨年の6月から昨年3月までに被害の報告が184件あり、被害総額はおよそ18億6,000万円にも上り、このうち182件は親族によるものであるとしております。こうしたことから、不正を防止するには、第三者の後見人の選任をふやすことも重要な視点であります。また、弁護士などは数が限られることから、専門職以外の市民後見人の養成なども不可欠と考えますが、市長の認識をお示しください。
厚生労働省は、本年4月から、後見活動が適正にできる人材育成などを市町村や都道府県の努力義務とする規定を老人福祉法に設け、制度利用の促進を図るとしております。研修の実施等本市の養成への取り組みについてお聞かせください。
また、認知症高齢者などに身内がいない場合などは、市町村長が家庭裁判所に後見人を立てるよう申し立てを行うことができますが、本市における市長申し立ての実績についてもお示しください。
次に、不育症対策についてお尋ねいたします。
不育症は、妊娠が困難な不妊症とは異なり、妊娠はするが、流産や死産を繰り返す症状で、厚生労働省は2回連続した流産、死産があれば不育症と診断すると定義しております。また、患者数は、全国で140万人に上ると推計されており、本市においても、こうした悩みを抱える方は少なくないと思います。原因については、染色体の異常、子宮形態の異常、血液が固まりやすく、胎児に栄養が行き届かないことなどが上げられますが、多くは不明とされております。しかし、一方で、適正な検査や治療を行えば、8割程度の患者が出産可能となることもわかっているようです。ヘパリン注射というのがありますが、血液凝固を防ぐ自己注射薬も有効な治療法とされておりますが、これまでは保険適用外のため、月額6万円程度の負担となり、治療に踏み切れない患者が多くいましたが、このたびの保険適用による負担軽減は、不育症に悩む女性にとって朗報であります。今後の課題は、不育症についてのカウンセリング、相談窓口の開設、不育症治療助成等であると考えますが、これらについての所見をお伺いいたします。
次に、市営住宅についてお尋ねいたします。
公営住宅法等の一部改正が行われました。中でも単身及び同居親族要件の廃止について、本市においては若年単身者等のさらなる受け入れは、高齢者、障害者など民間借家で入居を拒まれることが多い住宅困窮者への供給が減る、寄り合い世帯については、入退去管理が一層困難なことなどの理由により、現行どおり運用すると仄聞しております。高齢者は確実に増加しており、高齢者の単身世帯の割合もふえております。入居に対する柔軟な対応や取り組みも求められております。新居浜市の市営住宅入居者の家族人数、世帯主年齢、高齢者のいる世帯等についての現状と課題について明らかにしてください。中でも市営住宅の管理における高齢者、障害者などに配慮した募集、選定方法の見直し、入居専用枠の設定については詳しくお示しください。
単身及び同居親族要件の廃止など、今回の公営住宅法等の改正は、最近の社会事情のニーズに合わせたものであると思いますが、市営住宅でも人気が高いところとそうでないところさまざまあります。高齢者などにとってバリアフリーの施設があるとかないとか、そばに公共交通の施設があるか、買い物など利便性がよいか、小中学校などの公共施設が近くにあるかといったさまざまな要因がある模様です。こうしたことを考慮して、単に住宅施設をよくするだけではなく、例えば本市の重点政策にある買い物支援事業と連動させることで、より利便性の高い市営住宅環境をつくるといった取り組みも大切ではないかと思います。これからの市営住宅に求められるのは、福祉部局と連携をとり、福祉政策を活用しながら、より住民ニーズに応えることができる福祉型の市営住宅の取り組みが必要でないかと思いますが、お考えをお聞かせください。
次に、医療費適正化事業についてお尋ねいたします。
医薬品には、同じ成分、同じ効き目でも値段の高い薬、先発医薬品と安い薬、後発医薬品があります。この後発医薬品が一般的にジェネリック医薬品と呼ばれております。どのような画期的な発明の医薬品でも、その発売からおよそ20年後、または特定年月で特許が切れると、その有効成分や製法等は共有の財産になり、医薬品製造業者は自由に医薬品を製造できるようになるため、同じ成分の先発医薬品より安く、安全に患者に提供できるようになります。平成22年、岩本議員さんも9月議会で紹介されておりますが、広島県呉市では、医療費増大による新たな財政負担を避けるため、また患者自身の医薬品代の負担を減らすために、2008年7月から安価なジェネリック医薬品情報を国民健康保険の加入者約6万人を対象に通知するジェネリック医薬品促進通知サービスを行っております。それが可能になったのは、膨大な紙レセプトの電子データベース化でありました。それは、データベースから特別なシステムを利用し、紙ベースではできなかった複雑な抽出、分析が可能になったからであります。ジェネリック医薬品を使うことで、患者の薬代は平均で2分の1から3分の1程度に抑えられ、国民健康保険を運営する自治体の負担軽減につながっております。呉市では通知を出した人の約6割がジェネリック医薬品に切りかえ、医療費の削減効果額は、昨年度8,800万円とのことでした。そして呉市では、このレセプトデータベースの活用で、医薬品額の削減にとどまらず、複数の医療機関への重複受診者の抽出、また同じ種類の薬を併用している患者の抽出、また生活習慣病予備群のリストアップなどが可能になり、その抽出された患者などに対して医療訪問指導で過度の病院受診や薬の飲み合わせなどの改善を推進しております。さらに、今年度から広島大学と連携し、高額な治療費がかかる糖尿病性腎症の重症化を予防する食事、運動療法プログラムを実施しております。このように、さまざまな市民の健康づくりの取り組みをすることで、一層の医療費の削減につなげています。
そこで、お伺いするのは、新居浜市でも今年度から予定されているジェネリック医薬品差額通知事業について、全容を詳しくお示しください。
また、先ほど紹介いたしました呉市との差異についても説明願います。
次に、居所不明児童生徒についてお尋ねいたします。
学校や教育委員会が、1年以上も居場所をつかめないでいる小中学生が全国で1,183人にも上るという報告が文部科学省の学校基本調査により明らかになりました。ことし前半から新聞、テレビ等のマスコミも多く取り上げ、居所不明児童生徒というらしいんですが、居所不明児童生徒の問題が注目され始めています。通常、小学校への入学を控えた子供たちには、各教育委員会から入学通知書や健康診断通知書が入学前年の10月1日時点での住民基本台帳をもとに送付されます。ところが、子供の家庭と全く連絡がとれないまま4月を迎えるケースがあり、住民として登録されているのに、地域の学校や教育委員会では居場所がわからなくなってしまった児童生徒、また入学後、行方がわからずに除籍した児童生徒は過去何人ぐらい新居浜市にはいるのでしょうか、お尋ねいたします。
1年間で1,183人もの行方不明者がいるにもかかわらず、文部科学省がやったことと言えば、2011年4月に全国の教育委員会と都道府県知事などに義務教育諸学校における居所不明の児童生徒への対応についてという通知を出したことだけで、しかもこの通知の内容は、居所不明の児童生徒については、民生委員や児童相談所と連携して情報を共有すること等により適切に対応していただきますようお願いしますと学校や教育委員会に問題を丸投げしているだけの状態です。こういう中で、新居浜市としてはどのような対応をなされるのでしょうか、お尋ねいたします。
次に、小中学校の空調機設置について質問いたします。
ことしの夏は、御承知のとおり、節電の取り組みが行われた一方で、記録的猛暑の中、学校でも熱中症対策が求められました。その一つが空調機の設置でございます。しかし、小中学校の普通教室全てに空調機を設置するとなると相当な費用を要することや、設置時期が数年単位でずれ、この間、教育環境における学校間格差が続くという課題の発生も予想されます。こうした課題の改善、克服に向け、京都市や長岡京市では、民間活力を活用するPFI手法を用いて小中学校の普通教室に空調機が既に整備されております。PFI手法とは、民間事業者の資金、経営、技術等のノウハウを活用し、設備の設計、施工、維持管理を一括して行う公共事業手法の一つで、整備コストの削減と財政負担の平準化を図るとともに、一括して対象校を整備することにより、学校間の公平性も確保できます。民間の技術的能力等を最大限に活用することにより、空調機を早期かつ同時期に整備することのほか、事業経費の削減及び財政負担の平準化を図ることも可能であり、効果的な手法と考えております。当市におきましても、小中学校に空調機器を設置し稼働するには、数多くの普通教室に対して一定期間に集中して設置工事を行う必要があり、市の直接施工方式で全対象校への設置工事を行うのは、本市の財政状況では非常に困難なことではないかと懸念しております。
そこで、新居浜市におきましても、PFI手法を活用して空調機設備の整備を行うことについて見解をお伺いいたします。
次に、自転車の利用環境の整備についてお伺いいたします。
地球環境に優しいエコへの関心や健康志向の高まりなどから自転車を利用する人がふえております。しかし、一方で、自転車が関係する交通事故の割合も増加傾向であり、専用道路などの対策が急がれています。交通事故全体の事故発生件数は減少傾向であるのに対して、全事故に占める自転車関連事故の割合は増加傾向にあり、注目すべきは自転車が加害者となる自転車対歩行者の事故が急増していることであります。警察庁によれば、1997年に発生した自転車と歩行者の事故は633件でしたが、2000年から増加し、2006年以降は2,700件から3,000件の間を推移しています。そして今、歩行者との事故で自転車側が高額な賠償を請求されるケースがふえています。例えば、夜間に携帯電話を見ながら無灯火で自転車に乗っていた女子高生が歩行者と衝突し、歩行者に後遺症が残った事故では、横浜地裁が自転車に乗っていた女子高生に対し、約5,000万円の支払い命令を出しています。また、自転車で信号を無視して歩行者をはねて死亡させた事故でも、自転車の女性に5,400万円の支払い命令が出されました。自転車の対人事故での賠償が高額化する中、事故に備えた保険が広まり始めています。自転車の購入時や点検時に1,000円程度の手数料を払って自転車に張る日本交通管理技術協会のTSマークは、対人死傷で最高2,000万円まで補償する保険がついているため、昨年の春以降、加入者数が大きく伸びています。一方、民間保険会社の自転車保険商品も続々発売されています。大手コンビニチェーン店は、昨年秋から全国で大手損害保険会社の自転車向け保険を販売しています。また、携帯電話会社も月100円の保険料で1,000万円までの個人賠償をカバーする100円自転車プランの損害保険を販売しています。いずれもコンビニの店頭や携帯電話で契約ができる手軽さを売りにしています。このほかの自転車保険に入るには、既存の自動車保険や個人賠償責任保険に特約として加入する方法などがありますが、意外と知られていません。また、アンケートでは、自転車の保険に加入しているが16.5%に対し、自転車保険自体を知らないが54.9%に上っているデータもあります。
そこで、1点目は、本市において自転車の事故に備えた各種の保険などへの加入について、市民に対してさらなる啓発が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、TSマーク張りつけに対する全国の自治体の補助金交付制度等の支援では、武蔵野市、三鷹市、大和市で安全な自転車の利用と交通事故防止を図るため、自転車安全利用講習会を開催し、講習会受講者にはTSマーク張りつけに1,000円の補助金を出す制度を創設し、自転車の安全対策を進めています。
そこで、2点目は、本市においても各種講習会などの開催により継続的にTSマークを更新していただくための啓発、加入活動、また費用補助などを実施してはどうか、理事者の御所見をお伺いいたします。
次に、電動アシスト自転車の普及環境の整備についてお伺いいたします。
今、電動アシスト自転車の売れ行きが好調です。国内出荷台数が2008年に原付バイクの国内出荷台数を大きく上回り、2009年には5年前の約1.5倍に増加するなど、市場は大きく拡大しています。利用者からも、坂道をこれまで以上に楽に走行でき、さらに走行開始直後のふらつきも大幅に低減され、より楽に、また安全に、しかも環境に優しく走行できると好評であります。
そこで、電動アシスト自転車の普及及び行動範囲拡大のために市役所及び市内主要地点に充電ステーションを設置するお考えはないか、お伺いいたします。
最後に、市民要望について何点かお聞きいたします。
市営住宅の屋上に上がる扉ですが、特に防犯上の観点から鍵がかかっており出入りすることができなくなっていますが、何年か前に南小松原町の市営住宅で下の階から火災が発生したとき、上部階の住人が屋上に避難できずに、非常に恐怖感が募ったお話をお聞きいたしました。津波のときの心配もされる方がいます。防災上の観点から、予備キーの自治会館への常駐とか、いざというとき現場で速やかに対処できるよう、現行の体制を改善する対応はできないでしょうか、お尋ねいたします。
次に、西条方面から新田松神子線を通り、別子銅山記念図書館の交差点を左折し、西原町方面に車で入る際、青信号で入ってもちょうど横断歩道を左折する瞬間に歩行者用信号が青に変わるため、ローソンから図書館方面に渡る歩行者を巻き込みそうになるそうです。信号時間の調整とか歩車分離型の信号等を考えてみてはいかがでしょうか。
最後に、本年、高津校区まちづくり校区集会におきまして、国領川右岸河川敷駐車場出入り口の改修要望に対し、新居浜市は大型バス専用のおり口等と上り下りを別々に設置するには、河川堤防を大きく削り込んだり、河川側に盛り土する必要があり、河川占用許可を受けることは非常に困難であると答弁されておりましたが、中学校駅伝の会場として整備されている今、来年度以降も継続的に開催してもらうためにも、現行左岸側、新須賀町側に駐車してもらい、交通誘導員を配置するよりも、出入り口の広い労災病院西口等を活用して、可能な限り安全で混雑のない環境整備を実施するチャンスではないかとの声がありますが、方策はないのでしょうか、お尋ねいたします。
以上で1回目の質問を終わります。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 公明党議員団代表の真木議員さんの御質問にお答えいたします。
東日本大震災の復興支援についてでございます。
昨年3月11日に発生いたしました東日本大震災から、きょうでちょうど1年半が経過いたしました。改めてお亡くなりになった方々並びに御家族の皆様に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。被災地では復旧が進む中、一部では復興への動きも始まっておりますが、仮設住宅や避難先で不自由な生活をされている被災者の皆様がもとの生活に戻れるよう、一日も早い復興を願うものであります。
まず、災害への備えとしての社会のネットワークの必要性についてでございます。
近年、社会環境の変化などにより、地域住民同士の交流やつながりが弱まり、高齢者の孤独死など、地域コミュニティーの衰退が懸念される一方、昨年の東日本大震災において、地域のきずな、ネットワークの必要性が再認識されたところでございます。東日本大震災や阪神・淡路大震災に見られますように、大規模災害発生時に被害を最小限に抑制することができるのは、いわゆる自助、共助によるところが大きく、地域のネットワークが市民の生命、財産を守る上で大変重要であると認識しております。このネットワークを強固なものにするためには、行政だけでなく、市民、企業、自治会、各種団体など、民間の方にもそれぞれの役割を果たしていただくことが重要であると考えております。その中でも自治会は、地域コミュニティーの中心的役割を果たしており、それぞれの地域の実情に合った活動が展開されることにより、地域が活性化し、それが災害発生時にともに助け合ういわゆる共助につながるものと確信しております。市としてもともに支え合い、助け合う共助の充実を図るため、防災対策では防災士の養成、要援護者避難支援プランの作成、自主防災組織への防災資機材の整備、地域防災に関する出前講座の実施などに取り組んでおります。今後におきましても、市民の防災意識の高揚を図り、大規模災害発生時に地域住民が連携して人命救助や初期消火活動などに最善を尽くせるよう、引き続き地域の防災力の向上に取り組んでまいります。
次に、被災地支援のこれまでの取り組みと今後の対応についてでございます。
これまでの取り組みといたしましては、震災発生直後から消防職員による緊急消防援助隊、水道局職員による応急給水班、保健師などによる避難者の健康管理チーム、税務事務の支援などの職員派遣を行ってまいりました。また、市民有志や民間企業、団体の方もボランティアとして被災地に赴き、積極的に支援活動を行っております。この中には、ボランティアとして参加した市職員も含まれております。これらの人的支援以外にも、市の備蓄物資や市民の皆様から寄せられた支援物資の提供、市民の皆様からの義援金や市からの支援金の贈呈、被災者の受け入れ、生活支援なども行ってまいりました。このうち本市独自の取り組みといたしましては、全国青年市長会の会員市であります岩手県陸前高田市に、昨年8月に支援拠点として設立された陸前高田市復幸応援センターに、本市を含む会員市が職員を派遣し、独自に被災地のニーズを探りながら支援を続けております。また、復興支援グッズの販売支援や本年3月と8月に延べ43人の市職員ボランティアが陸前高田市民の復興活動やイベントに参加、協力いたしました。また、津波により保有する船舶が被災した宮城県気仙沼市の大島汽船に対し、旧渡海船おおしまを気仙沼市を通じて無償譲渡し、気仙沼大島の復興のため活用していただき、現在も気仙沼市に土木職員2人を派遣しております。今後におきましても、被災地域への息の長い継続的な支援が必要であると認識しております。支援の内容も震災直後の生活支援から復興支援へと変わってきておりますが、引き続き被災地の要望に応じた、できる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。
次に、市民後見人についてでございます。
高齢化が急速に進行する中、認知症高齢者の権利擁護は、大変重要なことと考えております。国の推計によれば、現在、認知症高齢者数は300万人を超え、これらの権利擁護を必要とする方々を支える体制の整備が急務となっております。本市におきましても、成年後見制度の利用を検討しなければならない事例は増加しておりまして、親族の不在や高齢化によるかかわりの困難を理由として、市長申し立てによる審判請求を行っているところでございますが、弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職だけでは今後増加が見込まれる成年後見申し立てへの対応は困難になるものと考えております。本年4月から社会福祉法人ふたば会による成年後見センターが設置され、これにより成年後見20件程度の受け皿が確保されるとともに、平成25年度には社会福祉協議会が実施する予定と伺っております。今後予想される申し立て事案の増加に対応するためには、市民後見人の養成や社会福祉法人などの法人後見への支援が重要であると考えております。また、不正の防止のみならず、成年後見申し立ての増加に対応するためには、市民後見人等の第三者後見人の養成、確保が必要と考えております。
次に、本年、老人福祉法に規定されました後見等に係る体制の整備等についてでございますが、本市においては、現在のところ、人材育成のための研修は実施しておりませんが、申し立ての際に家庭裁判所への後見人候補者の推薦を行うなど、審判の請求が円滑に進むよう努めております。今後におきましては、法人後見による体制整備を行い、そのもとで安定的な市民後見人の支援体制が構築されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、本市における市長申し立ての実績でございますが、平成18年度から平成23年度の15件の申し立てを実施しており、平成24年度におきましても、8月1日現在で2件の申し立てを行っております。今後とも高齢化の進行に伴い、認知症など判断能力の不十分な高齢者の増加は避けられない状況でありますことから、成年後見制度の周知や後見人候補者の養成、確保を進め、制度の活用が円滑に進むよう努めてまいりたいと考えております。
以上申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足いたさせます。
○議長(藤田幸正) 阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 公明党議員団代表の真木議員さんの御質問にお答えいたします。
まず、居所不明児童生徒についてでございます。
小学校入学予定者については、入学前年の10月1日時点における住民基本台帳に基づき、学齢簿を作成し、10月下旬に実施する就学時健康診断についての案内文書を各保護者に郵送しております。また、各小学校へも入学予定者名簿を送付し、全ての対象者がこの健康診断を受診したかを確認しております。その後も住所の異動等を常時把握しながら、1月中旬に就学通知書を送付、また2月ごろに各小学校で実施される入学説明会を通じて、入学予定者の把握に努めております。
御質問にあります住民登録されているのに居所が不明のまま入学日を迎えた児童につきましては、過去5年間において該当者はございません。学校や教育委員会から送付した文書等が、返送されるケースはございましたが、関係機関と連携して調査した結果、居所が確認され、全ての児童が就学に至っております。また、入学後、居所が不明のため除籍した児童につきましても、過去5年間において該当者はございません。
次に、教育委員会における居所不明児童生徒への対応についてですが、入学前に連絡がとれなくなった場合については、まず住所地に赴き、その実態を把握するとともに、民生委員や児童相談所との連携を図り、児童生徒の入学に向けた対応を図ることとなります。また、入学後に連絡がとれなくなった場合については、まず学校から電話連絡や家庭訪問を繰り返し行うとともに、必要に応じて民生委員や児童相談所などと連携し、状況によっては警察に協力を仰ぐこともございます。
なお、現在のところ、市内の小中学校において、居所が不明である児童生徒はございません。
教育委員会といたしましては、今後も関係機関との連携を密にしながら、義務教育の完全就学の維持に努めてまいります。
次に、小中学校の空調機設置についてでございます。
近年の夏季における記録的猛暑が続く中で、学校での児童生徒の健康管理や良好な学習環境に配慮した施設整備は、行政として当然必要と考えております。本市におきましては、児童生徒のより安全で快適な教育環境を実現するため、小中学校の全ての普通教室に天井型扇風機を設置しており、特別教室についても、順次その設置を進めているところでございます。
真木議員さんの御質問の空調機、つまりエアコンのことと存じますが、現在、職員室のほか保健室、パソコン教室、教育相談室などに設置しております。また、在籍する児童生徒の状況に応じて、一部の学校には特別支援学級にもエアコンを設置しておりますが、それ以外の教室には設置しておりません。児童生徒が学校生活の大半を過ごす普通教室は、現在、小中学校で約400室ございますが、当然、エアコンの設置には多額の費用が必要となりますし、設置後の電気代や機器の修繕費などランニングコストも必要となります。しかしながら、猛暑が今後も続くことが予想されますことから、児童生徒のよりよい教育環境の整備を実現する上で、普通教室へのエアコン設置については、今後の検討事項の一つであると認識しております。
またその一方で、日本の四季に対応した夏季休業を設けていることや冷房環境に置かれることにより、児童生徒の体温調整能力の低下による熱中症等のリスクも考える必要があるものと感じております。いずれにいたしましても、空調設備、エアコンの設置に当たりましては、真木議員さんから御提案がありましたPFI手法の活用は有効な手段であると考えております。今後につきましては、京都市、長岡京市などの事例を参考にしながら、空調設備の必要性を含め調査研究するとともに、国庫補助制度の動向も注視しつつ、財政状況を勘案し検討してまいります。
○議長(藤田幸正) 補足答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 不育症対策についてほか1点について補足を申し上げます。
厚生労働省研究班が行いました不育症治療に関する再評価と新たなる治療法の開発に関する研究によりますと、不育症につきましては、原因が不明で、偶発的に流産を繰り返す症例が半数以上を占めていることから、このような妊婦に対しましては、正確な情報提供と相談支援が重要であるとしております。厚生労働省は、この研究などの結果から、相談対応マニュアルを作成いたしまして、平成24年度から各都道府県に設置されております不妊専門相談センターにおける相談対応を図っております。愛媛県におきましても、愛媛県心と体の健康センター内に設置されております不妊専門相談センターにおいて、不育症の相談にも取り組んでいると伺っております。本市におきましては、専門的な相談窓口は設置してはおりませんが、妊娠、出産に関する母子保健相談の中で、不育症に関する情報提供や周知に努めてまいりたいと考えております。
不育症治療費の助成につきましては、ほとんどの検査や治療について、医療保険が適用されておりますが、研究段階にある検査や治療については適用外であるため、保険外の治療費に対する公費助成制度を設けている自治体も一部あるようでございます。今後におきましては、このような自治体の施策や国、県からの情報を参考にしながら研究してまいりたいと考えております。
次に、医療費適正化対策についてでございます。
後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品の使用促進につきましては、厚生労働省が平成19年のアクションプランで平成24年度までにジェネリック医薬品の数量シェアを16.8%から30%以上に増加させる目標数値を掲げ、調剤点数の整備や各保険者への積極的な対策を呼びかけております。この間、本市におきましても、被保険者に対して、ジェネリック医薬品の利用促進について周知啓発に努めてまいりました。平成23年8月、愛媛県国保連合会が、国保中央会開発の国保総合システムを導入し、レセプトの電子データベース化が可能となりましたことから、本年5月、愛媛県国保連合会と県内各自治体国保との共同事業によるジェネリック医薬品利用差額通知書に関する業務委託を結びまして、現在、本年12月に予定しております利用差額通知書の発送に向けての準備を進めているところでございます。今回の利用差額通知書の対象者は、ジェネリック医薬品に切りかえることによる削減金額が100円以上見込まれる約5,500件の通知を予定いたしておりまして、通知内容といたしましては、現在処方されている先発医薬品とその薬に対する自己負担額、ジェネリック医薬品に切りかえることで削減できる金額、この2つをお知らせいたします。また、業者委託によるコールセンターを設置いたしまして、医薬品に関する専門知識を有する薬剤師等がフリーダイヤルによる電話相談を実施いたします。また、利用差額通知書には、ジェネリック医薬品希望カードつきパンフレットを同封し、ジェネリック医薬品の利用促進を図ります。
次に、呉市との差異についてでございます。
現在、業務委託を締結したシステムには、レセプトデータベースを活用した重症化予防、重複受診対策、頻回受診対策などの健康づくりへの取り組みプログラムは設定されておりませんことから、本市において独自にレセプトデータから点検調査を行い、保健師や管理栄養士が対象者を訪問して、過度な病院受診、薬の重複などの改善を推進いたしております。平成23年度は29件を訪問いたしまして、8人の方に改善が見られました。約130万円が削減されております。今回実施いたします利用差額通知書におきましても、通知書を送付した対象者のその後のレセプトデータを突合するなど効果の分析を実施し、さらにジェネリック医薬品の利用促進、医療費適正化に向けての対策を講じてまいりたいと考えております。
○議長(藤田幸正) 工藤市民部長。
○市民部長(工藤順)(登壇) 自転車の利用環境の整備について補足を申し上げます。
まず、自転車の事故に備えた各種の保険などへの加入についてでございます。
真木議員さん御指摘のとおり、平成13年から平成23年までの全国の対歩行者の自転車事故の件数は、約1.5倍とふえております。新居浜市では、年間を通じて、保育園児、幼稚園児から高齢者までを対象にした交通安全教室を実施し、自転車の正しい安全な乗り方を含む交通安全教育を推進しております。特に、初めて自転車に乗り始める小学3年生と自転車通学を始める中学1年生に対しては、自転車の利用者として必要な技能と知識の習得を重点とした交通安全教室を開催いたしております。また、自転車と歩行者との事故が発生した場合、自転車側が高額な損害賠償を請求されるケースが増加しており、中には数千万円といった賠償命令が出されたケースもあり、各種保険などへの加入の必要性を啓発することが大切であると認識しております。このようなことから、本市におきましては、交通安全教室の際には、自転車保険への加入の必要性について説明し、周知啓発いたしております。今後におきましても、市政だよりやホームページへの掲載などさまざまな機会を捉えて呼びかけを行い、啓発に努めてまいります。
次に、TSマークの啓発、加入活動及び費用補助の実施についてでございます。
TSマークは、自転車の定期的な点検、整備を促進し、自転車の安全な利用と自転車事故の防止に寄与するとともに、附帯した保険により、被害者の救済を図ることを目的にできた制度であり、附帯保険の有効期間が1年となっておりますことから、自転車の定期的な点検を促進する意味でも有効な制度であると思っております。新居浜市交通安全協会においては、チラシの配布などを通じて、TSマークの周知に努められておりますが、本市におきましても、関係機関や団体との連携を図りながら、安全に自転車利用をするため、定期的な点検、整備に努めるよう、継続的なTSマークの更新の必要性を啓発してまいりたいと考えております。補助制度の創設につきましては、他市の先進事例や費用対効果などについて研究をしてまいります。
次に、電動アシスト自転車の普及環境の整備についてでございます。
電動アシスト自転車は、平成5年に登場して以来、その後のバッテリー性能などの向上により、使用者も高齢者中心から子育て世代の女性やサラリーマンなどにも広がっており、本市におきましても、平成23年11月に、2台の電動アシスト自転車を導入いたしております。また、従来の自転車や徒歩に比べると行動範囲が広がり、買い物や通勤、通学などにも使用が拡大することにより、CO2の削減にもつながるものと期待されております。
御提案の充電ステーション設置につきましては、乗りながら充電できる電動アシスト自転車も発売され、バッテリー性能の向上も図られている状況もありますことから、自転車の充電性能や本市の普及状況等も見きわめながら、ステーションの必要性について研究してまいりたいと考えております。
○議長(藤田幸正) 源代建設部長。
○建設部長(源代俊夫)(登壇) 市営住宅についてほか1点につきまして補足を申し上げます。
まず、市営住宅入居者の家族人数、世帯主の年齢、高齢者のいる世帯の数でございますが、平成24年9月3日現在、市営住宅全体では家族人数の平均は2.04人、世帯主の平均年齢は60.8歳となっております。高齢者のいる世帯数は941戸で、全体の50.5%、独居老人の世帯数も479世帯、全体の25.7%を占めております。数字が示しますように、入居者の高齢化が進行しており、この傾向は今後も続くものと思われます。特に、独居老人対策は、今後の課題と考えており、現在は地域包括支援センターと連携し、必要な場合には管理人や自治会の協力を得ながら家庭訪問を行っております。
高齢者、障害者などに配慮した募集、選定方法の見直しや入居専用枠の設定につきましては、既に公営住宅法で高齢者、障害者などの世帯には、特に居住の安定を図る必要があるとして入居収入基準が優遇されておりますことから、現在のところ、これに加えて募集、選定方法や入居専用枠の設定などの優遇措置を行う予定はございません。
また、住宅に困窮する高齢者、障害者などを対象とした福祉住宅につきましては、既存住宅で対応するには設備的に困難な部分もございますことから、現在は個々の入居者の状況に応じて、福祉部局と連携をとりながら、市営住宅等を提供しております。今後は市営住宅の計画的な建てかえを行う中で、高齢者などに配慮した計画とすることで需要に対応してまいります。
次に、市民要望についてでございます。
まず、市営住宅の屋上扉の取り扱いについてでございます。
市営住宅の火災発生の際の避難路は、階段以外の経路として、避難はしごによる下の階への避難、ベランダの間仕切り板の破壊による隣の部屋への避難と複数の避難経路を確保しております。また、津波につきましては、これまでの地震による津波予想では、市営住宅屋上への避難は想定しておりません。屋上扉につきましては、建設当初は施錠しておりませんでしたが、防犯や安全管理の面から施錠した経緯がございます。しかしながら、今回発表されました地震、津波の被害想定を踏まえ、一時的な避難場所としての機能の有無や市全体の防災体制の中での必要性などを勘案し、鍵の管理や非常時の体制についても検討し、必要と判断されたものについては対応を検討してまいります。
次に、別子銅山記念図書館前交差点についてでございます。
信号機の制御につきましては、警察の管轄となりますことから、現地の状況を調査、確認の上、新居浜警察署交通課に問い合わせましたところ、歩車分離式の信号につきましては、現在の横断歩道の利用状況では、歩行者の数も少ないなど、現地にはなじまないため大変難しいとの回答がございました。また、信号機の時間調整につきましては、現地調査の上、愛媛県警察本部に上申し、検討した上で改良の必要があると判断すれば対策を講じますとの回答がありましたので、新居浜市からの要望として受理していただき、現在、信号機の時間調整についての検討をお願いしております。
次に、国領川右岸河川敷の環境整備についてでございます。
国領川右岸河川敷のうち、労災病院西の出入り口周辺につきましては、国領川緑地再生整備事業により、既存の交通公園を撤去し、また軟式テニスコートの移設、改修を行い、新たに芝生の多目的広場約7,300平方メートルと真砂土の多目的広場9,000平方メートルに再整備いたしております。労災病院西の出入り口は、大型バスの通行も可能な広さがありますことから、今後予定されております愛媛中学駅伝大会などのイベントの際には、主催者や河川敷利用団体など関係者と協議し、交通誘導員の配置や多目的広場を駐車場に利用することなどによりまして、可能な限り安全で混雑なく利用していただくよう努めてまいります。
以上で補足を終わります。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。真木増次郎議員。
○19番(真木増次郎)(登壇) 医療費適正化事業について再質問いたします。
先ほどの部長の答弁の中で、若干私の認識と違っていたところだけまず確認させてください。先月でしたか、常任委員会を開催した際に、国民健康保険医療費適正化事業の推進についてというこういったものを(資料を示す)福祉部局からいただきまして勉強させていただきました。その中で、国保加入者全戸にジェネリック医薬品希望カードを配布するという説明があったんですけど、先ほどの答弁の中では、差額通知を出した家庭に送るみたいなことがあったんですが、これは5,500件ということなんで、どちらが正しいのかちょっと教えていただきたいと思います。
それと、前回の常任委員会の中では、この差額通知に関しまして、がんとか精神疾患とか、そういったものは除いて5,000件から6,000件という答弁をされてたんですけれども、今回はそういった病名を除外するという答弁がなかったんですが、どちらが正しいのか、まず確認させてください。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 真木議員さんの再質問にお答えをいたします。
まず、差額通知の送付先でございますけれども、答弁で申し上げましたとおり、削減金額が100円以上見込まれる5,500件という対象者でございます。
それと、2点目のがん、精神疾患でございますが、委託業者との契約内容の中で、がん、精神疾患などで服用する被保険者については除外をするということでございます。
カードについては全戸配布ということでございますけれども、差額通知につきましては、先ほど申し上げましたとおり5,500件と見込んでおります。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。真木増次郎議員。
○19番(真木増次郎)(登壇) 先ほど厚生労働省として目標16.8%から30%まで高めていこうというふうな数字を教えていただきましたけれども、それだけジェネリック医薬品、テレビとかでは非常にいいことばっかり言っているんですけれども、インターネットとかも調べますと、不信感を持っているドクターとか薬剤師の記事なんかもかなり出てきております。一般的に昭和50年代の話なんですけど、製薬会社に勤務していた際に、ちょうど岡山県を担当して回っていた時代、岡山大学病院とか倉敷中央病院を回った際に、先発医薬品のメーカー、ブランド品と言われるメーカーの方は医局にも入れるけど、後発医薬品のメーカーの方は医局にも入れなくって、非常に差別的な扱いをされてた時代とは、平成になってもう20年代ですので、大分変わってきたんだと思います。薬価自体も当時は同じ量を注文しても、後発医薬品だったら倍ぐらいついてくるということで、ちょうど勤務医と開業医を比較した場合、開業医のほうは病院経営もありますので、非常にジェネリック医薬品の浸透が早かったと認識しているんですけれども、新居浜市においては、一般的に開業医と勤務医でジェネリック医薬品の使用頻度が違うとか、そういうふうな実態はあるんでしょうか。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 再質問にお答えをいたします。
当市においてジェネリック医薬品の使用頻度の違い、開業医と勤務医ではどうなのかということであると思います。現在、新居浜市においてジェネリック医薬品の使用数量といったものは把握できておりません。全国的には22.4%、愛媛県では22.2%という数字まではわかっておりますけれども、新居浜市、市町ごとでの調査結果は把握をいたしておりません。
それと、お尋ねの勤務医、開業医の使用頻度の違いといった点につきましても、不明でございます。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。真木増次郎議員。
○19番(真木増次郎)(登壇) 質問でも申しましたとおり、呉市なんかでは年間8,800万円、そういった薬代が削減されたということで、新居浜市においても100円以上の差額のある方5,500件に送られるわけですので、ある程度の削減目標というか、そういったものも決めて取り組んでいっていただけたらと思います。
それと、先ほどの答弁の中で、国保連合会との共同事業で業務委託をしていくということなんですけれども、ちょっと心配するのが、差額通知書を委託する先は民間会社だと思うんですけれども、作成とか印刷とか封筒に入れるとか、いろんな作業が出てくるんだと思うんですけれども、その過程の中で個人情報を保護する体制については、国保連合会とは議論されて、厳正にチェックできる体制というのは整っているのかどうかということを心配しております。特に患者さんのレセプトデータとか、そういったものは個人情報が漏れた場合に非常に大変な問題になりますので、その辺のところに関しては、国保連合会とのお話というのは済んでいるんでしょうか。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 再質問にお答えをいたします。
患者さんの個人情報の保護ということでございます。当然のことながら、このレセプトデータというのは、非常に重要な情報でございます。国保連合会が民間の委託業者と契約するに当たっては、十分な、厳正なチェック体制を整えるというふうには伺っております。さらに、改めて国保連合会のほうには、この点については厳正にするようにというふうには協議は当然してまいります。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。真木増次郎議員。
○19番(真木増次郎)(登壇) この医療費適正化の質問をするに当たって、知り合いのドクターであるとか薬剤師、いろんな方のお話をお聞かせいただいたんですけれども、私の身内のめいであるとか義理の姉とかはドクターだったり薬剤師だったりするんですけど、100%ジェネリックは服用しないんですよね、非常に不信感を持っていて。いろいろ話を聞く中で、やはり効き目が違うと、やっぱりブランド品しか飲まないというふうな状態で、考えてみたら、私たち患者、処方される側の立場になったときに、一般薬でわかりやすい例えを使うと、正露丸という薬があって、おなかの調子が悪いときに飲むんですけど、正露丸糖衣錠Aとかという包まれた甘い薬になったときに効くかと言われたら、何か効き目がないような気が私個人としてはするんです。患者さんもやっぱり薬の錠剤の形態によって、今まで錠剤で飲んでいる分がカプセルにかわったりとかしたときに、やはり効果を不安がるのはどうしても拭えないんだとは思うんですけれども、薬剤師に聞くと、先発メーカーなんかは、今とにかく後発医薬品に対抗しようということで、適応症の拡大ということで臨んでいるみたいなんですね。今まで降圧剤だけだったのが、とにかく適用範囲を超えたらジェネリック医薬品が処方できなくなるんでということで、今まで降圧剤だけだったのが利尿剤も入っているよというか、降圧剤と抗ステロイド剤が複合的に入っているよというふうなことで、適用拡大を図っていって、後発医薬品を追い出そうという動きもあるそうです。ことしの4月からですか、処方箋が製品名じゃなくて成分で出すと、お医者さんは処方箋1枚につき20円いただけるということで、20円といってもばかにすることなかれで、ちりも積もれば山となるで、日々患者さんを見てますので、1枚処方箋に成分表を書くだけで20円もらえるから、ジェネリック医薬品が普及、拡大していくにはちょうどいい契機だと思っておりますので、今回、差額通知書を出して、現実に新居浜市においても医療費というかそういったものが減額されるように望んでおります。
それと、新居浜市においては、国保連合会との共同のシステムの中でさまざまな健康の取り組みというのがない中で、訪問していろんな重複診療であるとか、そういったことをやっていただくということですので、もっとどんどんデータを分析してやっていただけたらと思っております。
次に、居所不明児童生徒に移らせていただきます。
先ほど教育長の答弁でも、過去5年間、そういった数字というのは新居浜市の中ではなかったということで安心しておりますけれども、ちょうどこの形骸化されていた調査が昨年ようやっと始まったという段階で、横浜市の話をお聞きしましたら、ちょうどことし4月、近畿地方のある町で、居所不明の男子児童をめぐって警察が捜査に乗り出したということで、やはり自分のところも同じ都市部なので、それだけの人数がいるんじゃないかということで調査を始めると、やはり100人前後の方がいたということで、プロジェクトチームを立ち上げて、そういったものに対応していこうという体制になったそうです。現実にこれは14歳以下の子供たちの居所不明ということなんで、今までのここ何年かさかのぼるともう14歳を過ぎて居所不明児童生徒の対象から離れた過去の数とかといったものを見ていったら、やっぱり日本全国では数千人単位になっているんだと思いますので、都会にいる友人の教師に話を聞いたら、やはり一、二カ月の不登校というのはもう日常茶飯事にあるもんで、そういったところから1年以上ということになると数は少ないんだけど、不登校から居所不明というか、そういうのに移行する場合も多々あったということで、その辺の不登校になれてしまって、危機管理が足りなかった部分もあるというふうな反省の言葉も述べておられました。二、三カ月程度なら、都市部だったらよくある話なんだと思っております。ただ、私自身が気になるのは、居所不明児童とか行方不明とかといったときに、虐待との関係とか、そういったものがあるんだと思うんですけれども、今のような住民票の有無だけで子供の生活実態を把握するシステムというのは限界があるんじゃないかと思いますが、教育長はどういうふうにお考えでしょうか。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 真木議員さんの居所不明児童生徒についての再質問にお答えいたします。
新居浜市にも居所不明というよりも、不登校で学校を休んでいると。そして、学級担任が何回行っても会えない。教育委員会としては、不登校の生徒については、生死の状況を必ず確認してほしい。そして、毎週1度は担任が必ず顔を見るということを伝えています。そういうふうな場合、地域の民生委員さん、または東予児童相談所の職員のほうへ通知をして、一緒に行ってもらうとか、または保護者を呼び出して、児童相談所にはその権限がありますので、連携した形で対応をしております。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。真木増次郎議員。
○19番(真木増次郎)(登壇) 昔の単なる家出と違って、今回調査して明らかになったこの千何百人とかという方は、大半がやっぱり都市部に集中しているということで、子供の問題というよりは親、家庭の問題で、DVであったりとか、多重債務であったりとか、そういったことが影響しているんだと思います。大人の事情に翻弄されて子供が巻き込まれているというケースだと思うんですけれども、何年か前に非常に話題になった実話をもとにした映画があったんです。私はDVDで見たんですけど、七、八年前だったと思うんですけど、タレントのYOUさんがお母さん役で登場してまして、もとから住民票のない4人の子供たちの話なんですけれども、それぞれお父さんが違う子供たちの話で、誰も知らないという映画がありました。これは、最初から住民票がなかったんですけれども、今回のこの1,183人の子供たちというのは、最初は住民票もあって、学校にも当然通っていたのに、突如として誰も知らないというふうな状況下に日本社会全体が追いやってしまったんじゃないかと思っております。こうした子供の貧困、親の都合、多重債務とかで子供さんたちもやっぱり貧困に陥っていると。そういったものを断ち切る意味でも、ことしの夏、常任委員会で札幌市に視察に行ったときに、札幌市の場合は、生活保護世帯の学習支援というか、子供たちに負の連鎖を断ち切るためにそういったことをやってたんですけれども、教育長はこういうふうな事業に関してはどういうふうに思われますか。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 居所不明の児童についての、また保護家庭への、児童の支援についてですが、居所不明の児童で気になる件は、DVとかで他市へ避難する場合、やはり加害者の追及を逃れるということで、学校現場にも教育委員会にも次へ行くところについては知らされません。そういうことに陥った児童生徒が、次の場所でどういう生活をしているかについては、やはり気にはなりますが、教育委員会のほうに追求する手だてがないのが現実です。
また、多重債務等で逃れてきても、学校へそういうふうな形でそっちへ行っとんでないのかというふうな電話が業者からかかってくるときもありますが、それは全部拒否して答えません。しかし、それを今度は学校に在籍して、書類を残しますと、また発見のことにもつながってきます。そういうふうな形で、特別に出入りさせるっていう手続はします。そういうふうな子供については、積もり重なっていくと、地方では確実に抑えられまして、そういう事例は余りにも少ないんですが、今後DVでのことについては、要注意をする必要があると思っています。
次に、生活困窮している子供の学力保障ということで、教育委員会としても気にはなっておりますが、学校現場でそういう児童に対しては、夏休み中、学校の教職員は勤務が命じられておりますので、学校へ来て教えるということはできています。それは、小学校でも中学校でもできるだけ先生が学校へ来ている間に児童が来る場合は指導するようにというふうな形で進めております。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。真木増次郎議員。
○19番(真木増次郎)(登壇) 他市の事例を見てみると、生活保護世帯であったりとか母子家庭であったりとか、そういったくくりの中でそういった負の連鎖を断ち切ろうと中学生の子供たちに地域の大学生とかを巻き込んで、NPO法人とかも絡んで学習支援をしている例が多々あると思うんで、ちょっと教育委員会が答弁するのは苦しいかと思うんですが、福祉部長としてはこういうふうな取り組みに関してはどう考えられますか。
○議長(藤田幸正) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 再質問にお答えをいたします。
貧困の連鎖を断ち切るということで、貧困世帯の高校進学あるいは中退防止に向けての支援についてでございます。
貧困世帯の中で、進学意欲はあっても学力が低いということで、高校進学を諦めざるを得ない貧困家庭の子供たちに対して、学力を向上させる学習支援の仕組みづくりにつきましては、後々貧困の連鎖を防止することになり、そのことがその世帯の経済的自立を助長し、再び生活保護世帯にならないということになろうかと思います。既に実施されている市というのは、大学があるところというのが多くのケースであるというふうに聞き及んでおります。そうした先進自治体の事例などを研究してまいりたいというふうには思っております。
○議長(藤田幸正) 再質問はありませんか。真木増次郎議員。
○19番(真木増次郎)(登壇) 新居浜市には、新居浜高専という立派な学校もあって、先生、生徒もそろっておられますので、そういった方々とも協議して、そういった取り組みに関しても検討していっていただきたいと思います。
最後になりましたけど、佐々木市長におかれましては、民間会社も経験されて、市議会議員もされて、首長ということで理事者のトップも経験されて、新居浜市におきましては、この3つも全部経験している優位な人材でございますので、今後も新居浜市を見守って適切なアドバイスをしていっていただけたらと思います。本当に御苦労さまでした。
以上で終わります。
○議長(藤田幸正) 以上で本日の会派代表質問は終わりました。
これをもって本日の日程は全部終了いたしました。
明12日は午前10時から会議を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後 3時24分散会