目次
議事日程
本日の会議に付した事件
出席議員
欠席議員
説明のため出席した者
議会事務局職員出席者
開議(午前10時00分)
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 一般質問
大條雅久議員の質問(1)
1 快適な生活環境に関する条例について
(1) 新居浜市環境基本条例、きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例、新居浜市放置自
動車の発生の防止及び適正な処理に関する条例、新居浜市安全安心のまちづくり条例
など
工藤市民部長の答弁
1 快適な生活環境に関する条例について
(1) 新居浜市環境基本条例、きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例、新居浜市放置自
動車の発生の防止及び適正な処理に関する条例、新居浜市安全安心のまちづくり条例
など
源代建設部長の答弁
1 快適な生活環境に関する条例について
(1) 新居浜市環境基本条例、きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例、新居浜市放置自
動車の発生の防止及び適正な処理に関する条例、新居浜市安全安心のまちづくり条例
など
大條雅久議員の質問(2)
1 快適な生活環境に関する条例について
(1) 新居浜市環境基本条例、きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例、新居浜市放置自
動車の発生の防止及び適正な処理に関する条例、新居浜市安全安心のまちづくり条例
など
近藤総務部長の答弁
1 快適な生活環境に関する条例について
(1) 新居浜市環境基本条例、きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例、新居浜市放置自
動車の発生の防止及び適正な処理に関する条例、新居浜市安全安心のまちづくり条例
など
大條雅久議員の質問(3)
1 快適な生活環境に関する条例について
(1) 新居浜市環境基本条例、きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例、新居浜市放置自
動車の発生の防止及び適正な処理に関する条例、新居浜市安全安心のまちづくり条例
など
近藤総務部長の答弁
1 快適な生活環境に関する条例について
(1) 新居浜市環境基本条例、きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例、新居浜市放置自
動車の発生の防止及び適正な処理に関する条例、新居浜市安全安心のまちづくり条例
など
大條雅久議員の質問(4)
1 快適な生活環境に関する条例について
(1) 新居浜市環境基本条例、きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例、新居浜市放置自
動車の発生の防止及び適正な処理に関する条例、新居浜市安全安心のまちづくり条例
など
(2) 新居浜市環境基本条例の成果と現況
佐々木市長の答弁
1 快適な生活環境に関する条例について
(2) 新居浜市環境基本条例の成果と現況
大條雅久議員の質問(5)
1 快適な生活環境に関する条例について
(2) 新居浜市環境基本条例の成果と現況
(3) きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例の成果と現況
曽我環境部長の答弁
1 快適な生活環境に関する条例について
(3) きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例の成果と現況
佐々木経済部長の答弁
1 快適な生活環境に関する条例について
(3) きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例の成果と現況
大條雅久議員の質問(6)
1 快適な生活環境に関する条例について
(3) きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例の成果と現況
(4) 条例や施策による生活環境整備の課題と今後目指す目標
2 新居浜市の補助金・交付金について
(1) 補助金公募制度の成果と現況
佐々木市長の答弁
2 新居浜市の補助金・交付金について
(1) 補助金公募制度の成果と現況
田中企画部長の答弁
2 新居浜市の補助金・交付金について
(1) 補助金公募制度の成果と現況
大條雅久議員の質問(7)
2 新居浜市の補助金・交付金について
(2) 新居浜市の補助金・交付金の現況
田中企画部長の答弁
2 新居浜市の補助金・交付金について
(2) 新居浜市の補助金・交付金の現況
近藤総務部長の答弁
2 新居浜市の補助金・交付金について
(2) 新居浜市の補助金・交付金の現況
大條雅久議員の質問(8)
2 新居浜市の補助金・交付金について
(2) 新居浜市の補助金・交付金の現況
近藤総務部長の答弁
2 新居浜市の補助金・交付金について
(2) 新居浜市の補助金・交付金の現況
大條雅久議員の質問(9)
2 新居浜市の補助金・交付金について
(2) 新居浜市の補助金・交付金の現況
近藤総務部長の答弁
2 新居浜市の補助金・交付金について
(2) 新居浜市の補助金・交付金の現況
大條雅久議員の質問(10)
2 新居浜市の補助金・交付金について
(2) 新居浜市の補助金・交付金の現況
休憩(午前10時50分)
再開(午前11時00分)
篠原茂議員の質問(1)
1 ものづくりについて
(1) 企業留置
(2) ものづくり産業振興センター
2 総合文化施設について
3 廃棄物について
(1) 一般廃棄物の減量
(2) 災害廃棄物の受け入れ
佐々木市長の答弁
1 ものづくりについて
(1) 企業留置
2 総合文化施設について
曽我環境部長の答弁
3 廃棄物について
(1) 一般廃棄物の減量
(2) 災害廃棄物の受け入れ
佐々木経済部長の答弁
1 ものづくりについて
(2) ものづくり産業振興センター
篠原茂議員の質問(2)
1 ものづくりについて
佐々木市長の答弁
1 ものづくりについて
篠原茂議員の質問(3)
1 ものづくりについて
2 総合文化施設について
佐々木市長の答弁
2 総合文化施設について
篠原茂議員の質問(4)
2 総合文化施設について
佐々木市長の答弁
2 総合文化施設について
篠原茂議員の質問(5)
2 総合文化施設について
田中企画部長の答弁
2 総合文化施設について
篠原茂議員の質問(6)
2 総合文化施設について
田中企画部長の答弁
2 総合文化施設について
篠原茂議員の質問(7)
2 総合文化施設について
田中企画部長の答弁
2 総合文化施設について
篠原茂議員の質問(8)
2 総合文化施設について
佐々木市長の答弁
2 総合文化施設について
篠原茂議員の質問(9)
2 総合文化施設について
田中企画部長の答弁
2 総合文化施設について
篠原茂議員の質問(10)
2 総合文化施設について
田中企画部長の答弁
2 総合文化施設について
篠原茂議員の質問(11)
2 総合文化施設について
阿部教育長の答弁
2 総合文化施設について
篠原茂議員の質問(12)
2 総合文化施設について
3 廃棄物について
休憩(午前11時57分)
再開(午後 1時00分)
水田史朗議員の質問(1)
1 本市の医療について
神野福祉部長の答弁
1 本市の医療について
水田史朗議員の質問(2)
1 本市の医療について
神野福祉部長の答弁
1 本市の医療について
水田史朗議員の質問(3)
1 本市の医療について
神野福祉部長の答弁
1 本市の医療について
水田史朗議員の質問(4)
1 本市の医療について
2 芸術文化の振興と総合文化施設について
佐々木市長の答弁
2 芸術文化の振興と総合文化施設について
高橋教育委員会事務局長の答弁
2 芸術文化の振興と総合文化施設について
水田史朗議員の質問(5)
2 芸術文化の振興と総合文化施設について
佐々木市長の答弁
2 芸術文化の振興と総合文化施設について
水田史朗議員の質問(6)
2 芸術文化の振興と総合文化施設について
休憩(午後 1時40分)
再開(午後 1時43分)
佐々木市長の答弁
2 芸術文化の振興と総合文化施設について
田中企画部長の答弁
2 芸術文化の振興と総合文化施設について
水田史朗議員の質問(7)
2 芸術文化の振興と総合文化施設について
3 教育について
阿部教育長の答弁
3 教育について
水田史朗議員の質問(8)
3 教育について
休憩(午後 2時01分)
再開(午後 2時12分)
岡崎溥議員の質問(1)
1 消費税増税と社会保障の切り捨てについて
佐々木市長の答弁
1 消費税増税と社会保障の切り捨てについて
岡崎溥議員の質問(2)
1 消費税増税と社会保障の切り捨てについて
休憩(午後 2時25分)
再開(午後 2時27分)
佐々木市長の答弁
1 消費税増税と社会保障の切り捨てについて
岡崎溥議員の質問(3)
1 消費税増税と社会保障の切り捨てについて
佐々木市長の答弁
1 消費税増税と社会保障の切り捨てについて
岡崎溥議員の質問(4)
1 消費税増税と社会保障の切り捨てについて
2 中学校卒業までの医療費無料化について
神野福祉部長の答弁
2 中学校卒業までの医療費無料化について
岡崎溥議員の質問(5)
2 中学校卒業までの医療費無料化について
神野福祉部長の答弁
2 中学校卒業までの医療費無料化について
岡崎溥議員の質問(6)
2 中学校卒業までの医療費無料化について
神野福祉部長の答弁
2 中学校卒業までの医療費無料化について
岡崎溥議員の質問(7)
2 中学校卒業までの医療費無料化について
神野福祉部長の答弁
2 中学校卒業までの医療費無料化について
岡崎溥議員の質問(8)
2 中学校卒業までの医療費無料化について
太田嘉一議員の質問(1)
1 市民文化センターの耐震診断について
2 総合文化施設の建設計画について
3 マイントピア別子の温泉保養センターについて
佐々木市長の答弁
2 総合文化施設の建設計画について
3 マイントピア別子の温泉保養センターについて
太田嘉一議員の質問(2)
1 市民文化センターの耐震診断について
2 総合文化施設の建設計画について
3 マイントピア別子の温泉保養センターについて
佐々木市長の答弁
2 総合文化施設の建設計画について
3 マイントピア別子の温泉保養センターについて
太田嘉一議員の質問(3)
2 総合文化施設の建設計画について
3 マイントピア別子の温泉保養センターについて
高須賀順子議員の質問(1)
1 伊方原子力発電所の問題について
2 国民健康保険について
3 TPPと新居浜市の農業について
4 小中学校への太陽光パネルと冷暖房設備の設置について
休憩(午後 3時11分)
再開(午後 3時20分)
佐々木市長の答弁
1 伊方原子力発電所の問題について
神野福祉部長の答弁
2 国民健康保険について
佐々木経済部長の答弁
3 TPPと新居浜市の農業について
高須賀順子議員の質問(2)
1 伊方原子力発電所の問題について
佐々木市長の答弁
1 伊方原子力発電所の問題について
高須賀順子議員の質問(3)
3 TPPと新居浜市の農業について
佐々木経済部長の答弁
3 TPPと新居浜市の農業について
高須賀順子議員の質問(4)
1 伊方原子力発電所の問題について
佐々木市長の答弁
1 伊方原子力発電所の問題について
高須賀順子議員の質問(5)
1 伊方原子力発電所の問題について
予算特別委員会の設置及び委員会付託
表決
予算特別委員の選任
表決
散会(午後 3時37分)
本文
平成24年3月8日 (木曜日)
議事日程 第4号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
議案第24号 平成24年度新居浜市一般会計予算
議案第25号 平成24年度新居浜市貯木場事業特別会計予算
議案第26号 平成24年度新居浜市渡海船事業特別会計予算
議案第27号 平成24年度新居浜市住宅新築資金等貸付事業特別会計予算
議案第28号 平成24年度新居浜市平尾墓園事業特別会計予算
議案第29号 平成24年度新居浜市公共下水道事業特別会計予算
議案第30号 平成24年度新居浜市工業用地造成事業特別会計予算
議案第31号 平成24年度新居浜市国民健康保険事業特別会計予算
議案第32号 平成24年度新居浜市介護保険事業特別会計予算
議案第33号 平成24年度新居浜市後期高齢者医療事業特別会計予算
議案第34号 平成24年度新居浜市水道事業会計予算
議案第35号 平成24年度新居浜市工業用水道事業会計予算
議案第36号 平成23年度新居浜市一般会計補正予算(第5号)
(各常任委員会付託)
議案第37号 平成23年度新居浜市貯木場事業特別会計補正予算(第1号)
(市民経済委員会付託)
議案第38号 平成23年度新居浜市渡海船事業特別会計補正予算(第2号)
( 同 上 )
議案第39号 平成23年度新居浜市住宅新築資金等貸付事業特別会計補正予算(第1号)
( 同 上 )
議案第40号 平成23年度新居浜市公共下水道事業特別会計補正予算(第4号)
(環境建設委員会付託)
議案第41号 平成23年度新居浜市工業用地造成事業特別会計補正予算(第1号)
( 同 上 )
議案第42号 平成23年度新居浜市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)
(福祉教育委員会付託)
議案第43号 平成23年度新居浜市介護保険事業特別会計補正予算(第3号)
( 同 上 )
――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
――――――――――――――――――――――
出席議員(26名)
1番 川崎 利生
2番 高塚 広義
3番 三浦 康司
4番 篠原 茂
5番 水田 史朗
6番 太田 嘉一
7番 岩本 和強
8番 藤原 雅彦
9番 佐々木 文義
10番 大石 豪
11番 大條 雅久
12番 永易 英寿
13番 伊藤 謙司
14番 藤田 豊治
15番 高橋 一郎
16番 岡崎 溥
17番 高須賀 順子
18番 伊藤 初美
19番 真木 増次郎
20番 藤田 幸正
21番 伊藤 優子
22番 仙波 憲一
23番 白籏 愛一
24番 近藤 司
25番 加藤 喜三男
26番 山本 健十郎
――――――――――――――――――――――
欠席議員
なし
――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
市長 佐々木 龍
副市長 石川 勝行
企画部長 田中 洋次
総務部長 近藤 清孝
福祉部長 神野 洋行
市民部長 工藤 順
環境部長 曽我 忠
経済部長 佐々木 一英
建設部長 源代 俊夫
消防長 古川 和彦
水道局長 本田 龍朗
教育長 阿部 義澄
教育委員会事務局長 高橋 康文
監査委員 加藤 哲
――――――――――――――――――――――
議会事務局職員出席者
事務局長 岡 正士
議事課長 粂野 誠二
議事課副課長 和田 昌志
議事課副課長 飯尾 誠二
議事課議事係長 徳永 易丈
議事課調査係長 鈴木 今日子
議事課主任 大田 理恵子
議事課主任 高本 大介
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前10時00分開議
○議長(伊藤優子) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第4号のとおりであります。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(伊藤優子) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において伊藤初美議員及び真木増次郎議員を指名いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第2 一般質問
○議長(伊藤優子) 次に、日程第2、議案第24号ないし議案第43号を議題といたします。
昨日に引き続き、一般質問並びに質疑を行います。
順次質問を許します。まず、大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) いずみ会大條雅久です。
質問も3日目、8人目となりますと、内容が重なる点が多々ありまして、その分は先に事前の基礎知識が皆さんにできたというふうに受け取って、できればもう一歩踏み込んでの質問になればと期待をしております。
通告に従い質問させていただきます。
快適な生活環境に関する条例について、新居浜市環境基本条例、きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例、新居浜市放置自動車の発生の防止及び適正な処理に関する条例、新居浜市安全安心のまちづくり条例など、快適な市民生活の環境づくりについて質問させていただきます。
とりあえず、最近10年ほどの間に策定された条例の名前を挙げましたが、基本的には自治体が制定する条例、規則のすべては、住民の生活環境の向上と福祉を目的としていると言ってよいと思います。国民の生命と財産を守ることは、政治の基本的な責務です。それを実現するための手段として、各種の条例を整備するのは、自治体の責任と考えます。市民、住民の関心事や優先事は、時代とともに変化、変動していきます。昔なら考えられなかったような危険や不安要素が市民生活の中にあらわれることがあります。古くは自動車の普及に伴う交通事故、大量消費社会の到来と自然界では分解されないプラスチック類の大量発生といった事象がこういったことに当てはまるかと思います。地球環境の保護と私たちの生活スタイルとの関連について警鐘が鳴らされ出して優に30年はたったかと思います。環境汚染を取り上げたレイチェル・カーソンの沈黙の春の出版から数えると50年と言えます。平成13年に制定されたきれいなまち新居浜をみんなでつくる条例は、自治体みずからの取り組みとしては、当時、決して遅くない、いや先進的な取り組みの事例に入ると思います。同時に制定した新居浜市放置自動車の発生防止及び適正な処理に関する条例は、まさに自治体として進取の精神に基づいたものであり、引き続き新居浜市の行政が、環境対策に正面から取り組むものとして位置づけた環境基本条例によるにいはま環境市民会議の結成、市民、自治体一体となった今日的な環境対策の号令がスタートしたときと受けとめております。しかし、さきに申し上げましたとおり、住民生活に係る不安や危険は、時代や社会環境によって多種多様なものが生まれてまいります。1つには、さきの議会で取り上げました空き家や廃屋への不安です。さきの議会答弁では、新居浜市内の空き家、廃屋について実態調査を行い、その上での対応を検討するということだったと記憶しております。今回の議会でも、ほかの方が質問されておりますが、その後の対応と調査の内容について御答弁ください。
また、生活環境への不安、危険に対応する対策とは別に、積極的に新居浜の魅力的なまちづくりに貢献するような工夫も重要かと思います。駅前区画整理事業も、そういった目的を持って魅力的なまちづくりに臨んだ事例と評価したいものですが、いまだその評価は今後の周辺整備が負うところが多いと言わざるを得ません。そんな中で、ささいな事例ですが、新居浜駅前整備の入り口、玄関口と言える場所に高木交差点があります。高木交差点にかかる高木橋の欄干補修工事の予定はあるのでしょうか。所管が新居浜市ではないとのお答えが聞こえそうですが、何年もの間、塗装がはげて、さびもぐれになっておりますし、欄干の一部はコンクリートが外れてぐらぐらしています。また、同じ場所にある高木歩道橋も同様です。歩道橋の補修もどうされる予定なのでしょうか。新居浜中心部からJR新居浜駅への入り口、駅前地区のメーンストリートの南の起点として、現在の姿はいかがなものかと思います。
積極的なまちづくりの手法として、景観法の活用があります。歴史的な景観を人々に呼び起こさせる工夫は、古いものの保存活用だけでなく、公共施設や構造物をその町の歴史的景観を思い起こさせるようにアレンジをするといった配慮で生かすことができると思います。条例による景観規制や市が建設する施設や構造物の景観の統一を図る、またそれを考える、決める担当部署を置くといったお考えはございませんか。既にあるのなら、それも含めてお答えいただければと思いますが、市長の御答弁をお願いいたします。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。工藤市民部長。
○市民部長(工藤順)(登壇) 大條議員さんの御質問にお答えいたします。
快適な生活環境に関する条例についてのうち、新居浜市安全安心のまちづくり条例などについてでございます。
新居浜市内に散在する、適正な管理が行われず近隣住民や通行者の安全に悪影響を及ぼしていたり、またそのおそれのある空き家等の実態につきましては、平成23年6月から11月の間、県の緊急雇用創出事業を活用して現地調査を実施いたしました。調査は、市内全域のすべての家屋等について、独立した1つの建物を1棟として、その状態を危険度別に3段階に区分し、目視により実施いたしました。
調査結果といたしましては、調査棟数5万7,226棟のうち、柱や、はり等の主要構造部の損傷が激しく、住居等としての機能が喪失しているものが40棟、屋根や壁等の構造部の一部に損傷が確認でき、台風等の外圧によりその一部が飛散するなどのおそれがあるものが698棟、建物には損傷が認められないものの、電気メーターの取り外しなどの状況から空き家と判定されるものが2,590棟となっており、合計は3,328棟でございました。現在、この調査結果をもとに、関係課で情報共有と内容確認の作業を行っているところでございますが、このうちには解体工事を実施する際に必要となるリサイクル届が既に提出されているものもあるなど、一部には改善に向けた対応が見込まれております。しかしながら、現在は問題のない空き家等につきましても、適正な管理が行われないまま放置された場合には、防災上、防犯上、または近隣への生活環境上の問題が生じることが懸念され、また今回の調査により、早急な改善等が必要なものや周辺への悪影響が及ぶおそれのあるものなどの数や場所の実態が把握できましたことから、所有者や相続者等に対して、より効果的な指導と適正な対応が行えるよう、現在、空き家等の適正な管理に関する検討を実施するための庁内委員会の設置準備を進めているところでございます。今後は、できるだけ早期に委員会を設置し、他市の先進事例を参考にしながら、本市の対応について検討を進めてまいります。
○議長(伊藤優子) 源代建設部長。
○建設部長(源代俊夫)(登壇) 快適な生活環境に関する条例についてのうち、高木橋及び高木歩道橋の補修予定についてほか1点についてお答えいたします。
高木交差点にある橋及び歩道橋につきましては、どちらも愛媛県の施設でありますことから、管理いたします東予地方局に確認をいたしました。その結果、高木橋のさびた欄干につきましては、一部破損したコンクリートの補修を含めて、平成24年度に塗装予定であるとのことでございます。また、高木歩道橋につきましては、今年度補修の詳細設計を行っており、平成24年度に予算が確保できれば補修工事を実施する予定と伺っております。
次に、景観法の活用についてでございます。
御案内のとおり、まちづくりの手法として景観法の活用は有効な手段と考えております。また、景観法においては、古いものを保存活用する仕組みだけでなく、今後整備を行う公共施設等についても景観重要公共施設として景観に配慮した計画として定めることができます。景観行政に関しましては、都市計画課が担当部署となりますが、特に公共施設の計画に当たり、景観に配慮したものを統一的に実施するためには、関係する部署も多いことから、プロジェクトチームを立ち上げるなど、部局横断型の対応が必要と考えております。
○議長(伊藤優子) 大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) 高木橋、高木歩道橋への対応、答弁ありがとうございます。長い年月かかってあれだけのさびが出たように思いますので、今後も他の場所も含め、所管がどこということではなく、気がついたところを早急に積極的に対応していただければと思います。
それと、景観法の活用については、ぜひ次の機会にお聞きしたいと思いますので、プロジェクトチームのいい議論が実現する方向にいきますことを期待しております。
再質問になりますが、先ほど教えていただきました空き家、また廃屋に類する建物の中で、40戸という数字は、これは廃屋と判断してよろしいんでしょうか。既に解体の予定もあるとのことですが、固定資産税の課税はどのような扱いになっているのでしょうか。地方税法第349条の3の2にある住宅用地の税の軽減特例の有無についてお聞きします。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。近藤総務部長。
○総務部長(近藤清孝)(登壇) 大條議員さんの再質問にお答えいたします。
空き家、廃屋となっている40棟の固定資産の課税状況ということでございますが、家屋としての機能を喪失しているということでの調査結果が40棟ありましたけども、その内訳でございますが、専用住宅の棟数が24棟、それ以外の非住宅が16棟ございます。その中で、価値なしとして課税の対象から除外している家屋が27棟、そのうち専用住宅が14棟となっております。
○議長(伊藤優子) 大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) かつて住宅であった建物が24棟、そのうち既に課税の住居用の軽減の特例が14棟に関しては外してあるということなんですが、残りの10棟について今後の予定、現在考えていることについて何かございましたら。老朽家屋に対する問題は、さきの佐々木議員や藤原議員の質問の中でも出ましたように、所有者や管理者がはっきりしている場合はいいんですけども、はっきりしていない場合ということが多々ありますが、課税に関しては、それを負担されている方がいらっしゃる限り、それを管理者とみなしているわけですが、果たして優遇措置を続けることがいいことかどうかという点で言えば、撤去を促進する、管理を促進するという意味合いでは、課税の減免は外すことが妥当かと私は思います。また、それは同様に、他の二百何十棟かとおっしゃっていた危険建物に関しても準じてお考えをいただければと思うんですが、その点のお考えはいかがでしょうか。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。近藤総務部長。
○総務部長(近藤清孝)(登壇) 大條議員さんの再質問にお答えいたします。
今価値なし以外の家屋10棟についての今後の対応ということでございますが、現在、住宅用地の特例適用につきましては、住宅として認められる家屋が存在する敷地に対して、住宅特例を適用しております。市民生活の安全確保の面で問題となっている場合でありましても、税の基本原則であります公平公正の原則から、住宅としての構造と課税要件を満たしていれば、使用されているか否かを問わず課税の対象とさせていただいております。したがいまして、住宅用地の特例措置の適用は、あくまでも課税上のことでありまして、家屋としての要件を満たしている場合は、固定資産税は課税いたしております。この問題とやはり廃屋の問題とは、切り離して考えるべきというふうに思っております。
○議長(伊藤優子) 大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) 調査の結果、3段階のうちの一番危険なランクになった10棟について、まだ住宅の要件がそろっているというお答えだったかと理解しますが、平成9年4月1日に出されました自治省税務局固定資産税課の課長通知によれば、長期間人が住んでいない建物に関しては、新築のアパートとかマンションなどが例外的に認められるとしても、他の構造上住宅と認められない家屋に関しては、住宅要件を満たさないという判断が出されておりますので、重ねて御検討のほうお願いいたします。
次の質問に移ります。
平成15年4月から施行され丸9年を迎える新居浜市環境基本条例ですが、これまでを振り返ってどのような成果を上げたと評価されていますか。また、現時点の課題や今後何を第一の目標とされているのでしょうか、御答弁ください。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 新居浜市環境基本条例の成果と現況についてお答えいたします。
新居浜市環境基本条例は、環境先進都市新居浜を目指すため、基本理念や行政、市民、事業者の果たすべき役割あるいは本市の施策の策定及び実施する上での基本方針などについて定め、平成15年4月1日から施行いたしました。
新居浜市環境基本条例の成果についてでございますが、まず取り組みの指針となる計画などにつきましては、基本理念を実現するための施策をまとめた新居浜市環境基本計画と市民、事業者、行政の具体的な行動計画等をまとめた新居浜市環境保全行動計画の策定を行い、環境の状況や施策の実施状況等をまとめた年次報告書の公表などを行っております。また、平成16年度に環境施策の効率的な進行管理や環境への負荷を最小限にするため、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001を認証取得し、その後新居浜市独自のシステム、ニームスを確立し運営してまいりました。
次に、環境活動に関する市民組織といたしましては、平成19年度に市民、事業者、行政が協働して環境保全活動を推進する組織としてにいはま環境市民会議を設立し、日常生活においてさまざまな環境活動を実践することにより、市民の皆様の意識啓発を図っております。また、平成21年度には、地球温暖化防止に積極的に取り組むため、新居浜市地球高温化対策地域協議会を設立し、マイバッグの持参推進、エコドライブの普及推進、節電、節水等に取り組んでいるところでございます。このように、条例施行以降、必要な計画の策定や市民組織の設立など、環境問題に取り組むための体制づくりが整ったことにより、さまざまな環境施策を推進することにつながったことが大きな成果であると考えております。
次に、課題についてでございますが、地球温暖化対策、廃棄物の排出抑制、自然環境の保全などにつきましては、十分な成果が上がっていないため、今後重点的に取り組む必要があると考えております。
今申し上げました成果と課題につきましては、平成24年度から実施する予定の新居浜市環境基本計画及び新居浜市環境保全行動計画の見直し作業において、十分に検証を行い、新たな計画に反映させてまいります。
次に、今後の目標についてでございますが、次の世代を担う子供たちへかけがえのない地球環境を引き継ぐことが今の我々の責務であることから、豊かな自然を残すとともに、日常生活や事業活動で排出される二酸化炭素の削減による地球温暖化防止対策やごみ減量と3Rの推進などにより、環境への負荷が少ない社会づくりに努めてまいります。
○議長(伊藤優子) 大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) 市長の答弁の中にもあったと思いますが、次の見直しの前に、これまでの取り組みの中で市民と自治体、行政が協働し、協力し合って新居浜の環境行政を担ってきたと思います。まち美化条例で認定されるようになった各校区の美化推進員の方々の活動も非常に大きな役割を果たしたと思いますが、次の質問に移りますが、環境基本条例と理念を同じくする、きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例(まち美化条例)は、より具体的に新居浜の町を行政と市民が協力し合って美しくしていこう、美しいまち新居浜をつくろうとした取り組みで、子供から大人まで、市民だれもが理解でき、共感できるまちづくりの指針だと思います。この条例の第1条に、条例の目的として、行政、市民、事業者みんなが一体となってごみの散乱や不法投棄を防止すること、資源の有効利用を図り、清潔で美しいまち新居浜を目指すとしています。そして、その実現のために、市の責務、市民の責務、事業者の責務も各条項でうたっています。しかるに、今議会でも何人かの議員の方が取り上げられた別子山地区の不法投棄問題はなぜ起こったんでしょうか。また、この事件に対する佐々木市長の対応については、その内容と決定のスピードに対して私は疑問を感じております。きのう、おとといの答弁の中でも、やはり疑問です。新居浜市が深くその経営にかかわる第三セクターによる今回の不法投棄事例は、この10年間のまち美化条例への市民の取り組みに背を向ける振る舞いとしか思えません。また、その事件発覚後の佐々木市長の対応は、市民の期待に背くもののほか何物でもないと感じております。これまで10年に及ぶまち美化への行政全体の取り組みをゼロの評価におとしめたものと言える今回の事件への思いを含め、まち美化条例の成果と現況という形でお答えをいただければと思います。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。曽我環境部長。
○環境部長(曽我忠)(登壇) きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例の成果と現況についてお答えいたします。
平成14年4月の条例施行後、市民、事業者、行政が一丸となって、清潔で美しいまちづくりに励んでまいりました。地域における環境美化活動を行うボランティアを制度化いたしました環境美化推進員につきましては、現在、78名の方に登録をしていただいており、ごみステーションの適正管理、道路などの清掃活動、市内大型スーパー店頭におけるポイ捨て防止のための啓発活動などを実施しています。角野校区では、この環境美化推進員が中心となって、地元自治会、産業廃棄物協会、その他事業者と協力し、種子川や立川の山林、河川に不法投棄されたごみの回収を行っており、昨年11月に実施した撤去作業では、350袋のごみを回収しました。まち美化の目的に賛同する各種団体、事業所及び連合自治会の代表者等で組織されている環境美化推進協議会につきましては、現在126の団体に登録をいただいており、市民一斉清掃の実施、まち美化キャンペーン、環境美化推進運動作品コンクール等の活動を行っております。昨年7月に行われた市民一斉清掃では、約1万8,000人の方に参加をしていただき、海や川や道路、公園に散乱した28.8トンのごみを回収し処分することができました。雑草等が繁茂し、周辺の生活環境を損なうおそれのある空き地の相談があった場合、まち美化条例に基づき、現地調査及び所有者の調査を行い、空き地の所有者に対し除草等の適切な管理を指導しております。平成14年以降、2,205件の相談が寄せられ、1,917件について除草などの対応をしていただきました。また、希望される市民の方に、ポイ捨て禁止、犬のふん放置禁止、不法投棄禁止などのまち美化啓発用看板を無料で配布しており、ごみステーションや不法投棄現場に設置をいただくとともに、市においても不法投棄されやすい場所に設置をいたしております。
以上のような活動に、市民、事業者、行政が一体となって取り組んでおりまして、一定の成果をおさめていると考えております。しかしながら、今回の第三セクター職員による不法投棄問題が起こり、廃棄物処理に関する啓発や指導が十分でなかったことに対しまして、申しわけなく思っております。事後ではありますが、今後は法を遵守し、適正な廃棄物処理を行うよう、改善指導を行いました。
また、ごみステーションへの不適正排出やポイ捨て等はまだまだ多く見受けられる現状でありますことから、より一層のまち美化活動と意識啓発の取り組みを進め、美しい新居浜市を目指していく所存でございます。
○議長(伊藤優子) 佐々木経済部長。
○経済部長(佐々木一英)(登壇) きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例の成果と現況のうち、別子山地区での不法投棄はなぜ起こったのかについてお答えいたします。
今回の不法投棄等の問題の原因は、第三セクター有限会社悠楽技の従業員に対する教育や研修が十分でなかったことに加え、大株主であり、また指導的立場にある新居浜市の指導監督の甘さによるものではなかったかと深く反省をいたしております。このようなことから、今回の不法投棄問題を反省し、会社におきましてごみ処理マニュアルを定め、従業員に対し2月24日にその研修を行ったところであります。今後におきましても、第三セクターとして従業員等の研修を行うとともに、廃棄物の適正処理を初め、コンプライアンスの徹底指導に努めてまいります。
また、別子山地域におきましても、別子校区連合自治会の御協力をいただきながら、意識改革に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(伊藤優子) 大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) これまでの市長の記者会見なんかをお聞きしていて感じたのは、市民よりも新居浜市以外の15名の株主に対しての配慮がとても大きいなあという感想を持っております。それ以降のことにつきましては、既に通告もしたこともございますが、1の議題、多くの方が話題に取り上げましたので、また別の場所でと思います。
2の新居浜市補助金・交付金についての質問に移らせていただきます。
平成17年度に導入し、平成18年度予算から実施されている補助金公募制度について質問と意見を申し上げさせていただきます。
平成20年と昨年平成23年6月の2回、制度内容の見直しを行いながら、本年平成24年度の補助金審査で7年、7回の補助金審査が新居浜市補助事業公募審査会によって行われましたが、私は平成18年の3月議会と9月議会の2回、補助金公募制度に疑義を申し上げました。批判させていただいた仕組みの中で、新居浜市が義務的と認定した補助金と公募申請があった補助金を合算して市税の4%の中に押さえ込むという方式は、平成20年の見直しで多少の制度改善がされたようですが、まだまだ不十分ですし、そのほか平成18年に私が批判した状況から、何ら改善の姿が見えません。市長がお考えになっている補助金公募制度のこれまでの成果と現況について御答弁ください。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 補助金公募制度の成果と現況についてお答えいたします。
補助金公募制度につきましては、平成17年度に、限られた財源の中で、透明性と公平性を確保し、市民との協働による自立連携のまちづくりにつなげるための制度として導入し、平成20年度、平成23年度と2度の見直しを行い現在に至っております。補助金公募制度の成果といたしましては、統一基準に基づき審査委員が採点を行い、その合計点により採択、不採択を決定しており、審査会は全面公開し、結果につきましては、市政だより、市ホームページにて公表するなど、徹底した情報公開に努めましたことから、公金支出の透明性と公平性の確保について、一定の成果が得られたものと考えます。また、公開審査の補助金予算の財源枠を設定し、審査会における点数評価により事業の採択、不採択を決定しましたことから、限られた財源の有効活用も図られたと考えております。さらに、申請団体におかれましては、補助金という財政支援のあり方について考えていただく契機となり、補助金を受けるための十分な公益性等が必要であるなどの一定の御理解をいただけたものと考えますことから、市民と行政の協働による公益活動の促進についても、一定の成果があったものと考えております。
以上申し上げましたが、他の点については補足いたさせます。
○議長(伊藤優子) 田中企画部長。
○企画部長(田中洋次)(登壇) 補助金公募制度の成果と現況についてのうち、変更点についてお答えいたします。
平成18年度以降の変更点につきましては、平成20年度の見直しにおきまして、市が認定する補助金は、旧義務的補助金の6項目に2項目を追加し8項目としたこと、市が認定する補助金については、新規事業の区分確認等は審査会で行うが、継続事業の区分確認及び補助金の継続的な見直しは、市が主体的に行うこと、審査会が公開審査する補助金だけを対象とした定額の補助金枠を設定すること、一次審査の採点結果が30点未満であっても、二次審査の対象とするとともに、二次審査の結果により採択を決定すること、審査委員を7名から8名に増員し、学識経験者4名、市民代表委員2名、公募による委員2名としたことなど7点を変更いたしました。
また、平成23年度の見直しにおきまして、採点表に補助金額の削減の是非の項目を設け、その結果を予算査定へ反映させること、新規事業については、ゼロ点から3点の範囲で加点すること、1団体当たりの申請事業数は4事業を上限とすること、採点表の審査項目を整理し、一次審査と二次審査の点数配分を同じにすること、申請書実績報告書に成果指標欄を設けることなど6点について変更を行っております。
○議長(伊藤優子) 大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) 補助金公募制度の導入の目的に、公金の支出における透明性と公平性とありますが、公募制度っていうのは、補助金全体を指してらっしゃる。補助金全体っていうのは、平成22年度では約18億2,000万円、そのうち公募審査会で公開審査にかけられた補助金は約6,000万円、平成23年度は約14億2,200万円、そのうち公開審査が約6,100万円、これのどこが公開と公平性が保たれているのかなという金額だと感じております。そして、もっと申し上げれば、今言った平成23年度の14億2,200万円、平成22年度の18億2,000万円の中に入っていない補助金についてまずお聞きいたします。
具体的な事例で2点挙げれば、瀬戸・寿上水道組合の上水使用に対する対価の取り扱いです。これまで私以外の方も本当に多く取り上げてこられました。市の監査委員の指摘でも、3,000万円から4,000万円と見込まれる水道料金が、電気代名目の百数万円のみだということ。この差額は、この補助金制度の中の金額には入っていません。
もう一つ取り上げたいのは、お手元に資料で配付させていただきました飲料水の自動販売機に係る使用料の取り扱いです。このリストの中にある売り上げに対する10%以上の使用料が減免になっている台数が半分近くあります。それぞれの各団体ごとになぜ減免なのか。私は減免ですから、減かなあと思いましたら、各担当課にお聞きしましたら、全部免除ということで、ゼロということですね。ですから、売り上げに対する本来払うべき10%以上の手数料は、各団体に入っているわけで、この減免にした理由をそれぞれお教えいただけませんか。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。田中企画部長。
○企画部長(田中洋次)(登壇) 新居浜市の補助金・交付金の現況についてお答えいたします。
瀬戸・寿上水道組合の上水使用に対する対価の取り扱いにつきましては、民間等に対して交付される現金的給付である補助金ではないことから、市が補助金を交付する事業を対象とした補助金公募制度にはなじまないと考えております。瀬戸・寿上水道組合への給水と組合の電気代の負担は、昭和30年に旧泉川町と旧高須上水道組合との間で締結した契約書第2条及び第7条の規定に基づくものでございます。この取り扱いを含めまして、瀬戸・寿上水道問題は、早急に解決しなければならない問題であると認識しておりまして、本年1月には十数年ぶりに地元水道委員の方々との意見交換会を開催いたしました。今後におきましても、地元の御理解と御協力をいただきながら、問題解決に向けて鋭意取り組んでまいります。
○議長(伊藤優子) 近藤総務部長。
○総務部長(近藤清孝)(登壇) 新居浜市の補助金・交付金の現況についてお答えいたします。
新居浜市の行政財産に設置いたしております自動販売機124台につきましては、地方自治法第238条の4第7項の規定に基づき、設置願い出人へ行政財産の目的外使用の許可をいたしております。そのうち82台につきましては、新居浜市行政財産使用許可に係る自動販売機の設置に関する取扱要綱第6条の使用料の減免の規定に基づきまして、使用料のうち、売上金額の10%以上の率を乗じた額を設置願い出人からの減免申請に基づき免除いたしております。設置願い出人ごとの減免の理由でございますが、職員組合、労働組合につきましては、新居浜市行政財産使用許可に係る自動販売機の設置に関する取扱要綱第6条第1項第1号の市の職員の福利厚生のために設置する場合に、コットン、社会福祉協議会、体育協会、新居浜市肢体不自由児父母の会、母子寡婦福祉連合会及び武揚会につきましては、第6条第1項第2号の公共的団体が設置した自動販売機の売上収益全部を公益的な事業に使用するため設置する場合に、漁協及び漁港内の愛媛県水難救済会支援自販機につきましては、第6条第1項第1号の行政財産を利用する者の利便性のために設置する場合に該当いたしますことから減免いたしております。
○議長(伊藤優子) 大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) 私は行政財産使用料条例のほうかと思ったんですが、違ったんで、また別な機会に細かく当たらせていただきますが、今の説明の中で、例えば職員組合に減免を認めていると。これは、職員組合って2つありますよね。また、私ども議員は、当然のごとく、労働組合に入ってないわけですが、福利厚生を享受するのは、それは2つの組合両方という意味ですか。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。近藤総務部長。
○総務部長(近藤清孝)(登壇) 大條議員さんの再質問にお答えいたします。
職員組合自体は、新居浜市に2つあります。そのうち、先ほども申しましたように、目的外使用の許可を与えるときに申請がありますので、その申請に基づいて、その職員組合からの申し出によって公共施設の使用に問題がないという形で目的外使用の許可を与えているということでございます。
○議長(伊藤優子) 大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) 聞き間違いならですが、福利厚生に利するという理由を聞いたんですが、どういう形の福利厚生が組合員の皆さんに反映しているのかをお答えいただきたいんですが。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。近藤総務部長。
○総務部長(近藤清孝)(登壇) 再質問にお答えいたします。
福利厚生というのは、いろいろな面があるかと思いますが、やはり今、職員組合が運営しております売店、それと食堂がありまして、その中の売店の中に自動販売機を会計上は所有しております。そういった意味で、やっぱり職員が飲み物の補充であったり、お弁当を購入することであったり、食堂においてのお弁当の注文であったり、そういったものがすべて福利厚生になっていると。いろいろ御指摘もあるんだろうと思うんですが、やはりその中で議員さんとか市役所に来られた一般市民の皆さん方が立ち寄って購入するっていうことも、当然、店があいている以上はお売りするということでございます。
○議長(伊藤優子) 大條雅久議員。
○11番(大條雅久)(登壇) 1つに絞ります。売り上げをどう活用するかという中で言えば、私は庁舎内の売店は10円でも20円でも安くしたほうがすべての組合員、また非組合員に還元ができるんじゃないかなと思います。また、他の免除している分に関しては、総額を把握すべきですし、補助金公募制度がすべての補助金と言っている以上、それを示して審査会の中で数字として知らせるべきだと思います。それをしなければ、公平な審査はできない。認定補助金ということをわざわざ言いながら、こうやって表に出ない補助金があるというのはおかしい、そう思います。(ブザー鳴る)
○議長(伊藤優子) この際、暫時休憩いたします。
午前10時50分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前11時00分再開
○議長(伊藤優子) 休憩前に引き続き会議を開きます。
篠原茂議員。
○4番(篠原茂)(登壇) いずみ会の篠原茂です。
私は、昨年市議会議員になり、約1年が経過いたします。先日は、九州に視察に行き、住民参加型の地域マネジメント、コミュニティースクールなどを見聞してきました。そこで見たこと、聞いたことを参考に質問させていただきます。
新居浜市では、昨年、技を磨き、人を育てる新居浜市ものづくり産業振興センターが開所いたしました。また、今議会では、総合文化施設建設の提案もあります。製造業と文化芸術の両方の施設が新居浜にできることになります。
まず、製造業、ものづくりについてお伺いします。
2011年、日本の貿易収支が31年ぶりに赤字に転落しました。日本の貿易収支が黒字基調になったのは、1960年代の半ばですから、それから考えると半世紀ぶりという歴史的な転換点です。貿易収支赤字への転落は、日本の成長の仕組みが崩れてきた象徴と思われます。歴史的な円高や東日本大震災などさまざまな要因がありますが、今後も赤字は続くと思われます。
新居浜市に目を向けますと、先日、住友各社の第四半期決算が公表されました。住友重機械工業、住友金属鉱山は黒字、住友化学は赤字でしたが、いずれも減益でした。今後このようなことが続けば、生産拠点の海外シフトも心配されます。新居浜市にとって、大変重要な局面を迎えていると思っています。市民の安全、安心を確保するための施策は、非常に重要な行政課題であることも私は十分認識いたしておりますが、それと同時に、安定した雇用の確保も忘れてはならない行政課題です。住友各社の本市への企業留置の取り組みが、今以上に必要になってくるのではないかと痛感いたしております。そんな中、市が今議会に上程した工場立地法改正に伴う条例制定は、緑地や環境施設の敷地面積に対する割合の緩和であり、敷地面積を有効に活用することができることから、企業にとりましても歓迎しているようです。また、住友各社の企業存続や設備投資、地元雇用を促進するためには、各種施策の展開も大事です。特に、市内中小企業では、住友化学の次のメチオニン工場増設を期待する声をよく聞きます。その期待にこたえるためにも、市長の熱い思いが伝わるようなトップセールスが非常に重要だと思います。この点について市長の考えをお伺いします。
次に、ものづくり産業振興センターについてお伺いします。
新居浜ものづくり人材育成協会が運営する公設民営のものづくり産業振興センターには何を期待していますか。技能の伝承でしょうか、教育でしょうか、それとも新居浜にしかできない産業の育成でしょうか。例えば、愛媛県は、炭素繊維の加工や食品機械の進出を重点項目に掲げています。新居浜は、蓄積されたものづくりの技術は高水準で、高いスキルを持つ研究者、技術者も数多くいます。新居浜市にしかできない高付加価値のものづくりこそが、中小企業の生き残り策だと思いますが、お考えをお伺いします。
ものづくり産業振興センターも見せていただきましたが、苦戦しているようですが、今後どのように進めていきますか。私はこのことを実現するためには、東予産業創造センター、新居浜高等技術専門校、新居浜工業高等専門学校との協力体制が必要不可欠と思いますが、いかが思われますか、お伺いします。
次に、総合文化施設についてお伺いします。
私は、文化の見える町とは、住んでいることが誇りに思える町のことだと思います。確かに、美術館の新設は、文化協会の皆さんの長年の夢であります。しかし、市からの説明には、納得できない点が多々あります。大きな要因は、こんな箱物をつくりたい、それには幾ら必要だと非常に短絡的な情報しか聞こえてこないからです。役所と違い、私たちなら、個人が家を建てるときを考えてみてください。建てる前に、まずどうしたら快適に暮らせるか、どうすれば来客者に喜んでもらえるか、そのためにはどんな機能が必要なのかという手順で建物を考えていきます。しかし、今回は、箱物を建てながら、建ててから運営を考えるというもので、手順は違うんではないんでしょうか。私自身は、市議会議員として、途中からこの施設にかかわったため、解決済みとされる問題もあるかもしれませんが、先日、九州国立博物館の学芸員に最前線の現場の声を聞く機会があり、その中でさまざまな疑問が浮かび上がりました。
そこで、以下の点についてお伺いします。
1点目、総合文化施設、とりわけ美術館のコンセプトはどのようになっているんでしょうか。例えば、市民の学習の成果の発表の場なんですか。郷土作家の作品を収集、展示するのですか。現時点では明確なコンセプトが見えてこないのですが、お考えをお伺いします。
2点目、コンセプトと直接にかかわりますが、常設展示に頼るやり方でよいのでしょうか、私には疑問が残ります。常設展示には、多くの作品の収集と多額の管理費用が必要とされるのに対し、集客力が限定的です。例えば、国立美術館は、収蔵品は全くありません。貸し館として運営しています。他県で見られるような特定作家の高価な作品を収集するのは再検討すべきだと考えますが、お考えをお伺いします。
3点目、市長が言うにぎわい創出のためには、常設展ではなく、企画展、特別展にこそ力を入れ、人に集まってもらうべきではないでしょうか。バブル崩壊以後、現在の美術館、博物館では、これは常識です。施設建設、施設運営の評価は、子供も含めた市民をどれだけ巻き込めたか、入り込み者数だと思います。市長は、開館後5年間あるいは10年間で1年間の入場者数平均何人を想定していますか、お伺いします。
4点目、魅力ある企画展、特別展を継続して実施していくためには、学芸員の能力や資質が重要であると考えます。もし常設展をやらずに企画展で人を集め続けるならば、年に何回も企画展をやらねばならず、そのためには、人脈、ネットワークが求められることは素人目にも明らかです。現在の市の計画では、この施設の運営に当たり、学芸員を初め、専門的職員の配置についてどのように検討されているのでしょうか、お伺いします。
5点目、作品を仮に保全するための空調や最低限の機能さえしっかりしていれば、建物本体は30億円もかかる豪華なものでなくてもよいと思います。むしろ、箱物のお金を節約して、ファンドを創設するとか、開館後の運営の自由度に反映させていきたいと私は考えます。この点についてはいかがお考えですか、お伺いします。
ざっと挙げただけでも以上のようなことが考えられます。今回の建物ができると、本当に新居浜駅前がにぎわいのある町になるのでしょうか。豪華な建物ができると、一度は見ておこうという人が集まるかもしれません。しかし、それは一時のブームにしかすぎず、本当のにぎわいは建物ではなく中身であって、充実した内容と市民の主体的な運営を確保することこそが何より大切であり、そうでなければ人は集まらないと思います。この施設が単独で黒字になることまでは私も期待しません。しかし、今想定している管理運営費用1億6,000万円を少しでも下げようという努力が見えてきません。かつての行政は、箱物さえつくれば市民から感謝されました。しかし、今は行政も議会もつくった後責任を持てないのであれば、市民からは絶対信頼されません。長期総合計画において、市民と行政の協働をうたっておりますが、信頼関係こそがその基本ではないでしょうか。この施設の運営を通して、市民と行政が協働で取り組むモデルを示すべきだと考えますが、いかが思われますか、お伺いします。
次に、家庭ごみの削減についてお伺いします。
先日、志布志市の生涯学習センターへ視察に行ってきました。志布志市は、生涯学習への取り組みは全国的にも有名な自治体でした。その説明の中で特に印象に残ったのは、何でも日本一のまちづくりに挑戦ということでした。その達成されたものの一つがごみの再資源化率、これは全国の市の中では5年連続日本一とのことでありました。志布志市の人口は約3万4,000人、ここはごみの焼却施設はありません。すべて埋立処分をしているそうです。平成2年に完成した処分場は、平成16年には満杯になると推測されていたそうです。それを延命するために、平成12年から徹底したごみの分別を行い、資源化に取り組みました。平成10年に1万4,000トン発生したごみの量が、平成22年には1万140トンになりました。うち再資源化された量は7,646トン、何と再資源化率は75.4%です。ですから、4分の3が資源になったのです。再資源化率の全国平均は20.3%ですから、すごい数字です。その結果、1人当たりのごみ処理費用は6,313円、本市のごみ処理費用は年間約15億円、1人当たりのごみ処理費用は約1万2,000円、ですから本市は2倍の税金を使っていることになります。そして、満杯になる予定だった埋立処分場は、分別、再資源化の結果、あと50年以上も大丈夫だそうです。これは、市民一人一人ができることに真剣に取り組んだ成果にほかなりません。ごみ問題に積極的にかかわり、市民意識の高揚が町を変えたのだと思います。新居浜市も最終処分場が菊本沖になり、ごみの分別方法や処理方法の変更を行うことにより、ごみ量がすごく減ったと聞いています。しかし、まだまだ取り組むことは多いと思います。ごみ減量に何か仕掛けが必要なのではないでしょうか。新居浜市でも、志布志市のような減量化にチャレンジできないのでしょうか。新居浜市でも、過去にごみ減量化の手段として有料化の検討も行いましたが、見送りになりました。しかし、レジ袋の削減、つまりマイバッグ持参運動は、スーパーマーケットや環境団体などと新居浜市が取り組み、持参率が85%以上という意識の変化がありました。しかし、これでは志布志市のような再資源化率の向上には結びつきません。より幅広い市民活動が必要です。
そこで、提案です。私の考えるごみ減量削減方策は、生ごみの削減と資源ごみ回収に的を絞ったものです。家庭での焼却処分ができない今日、市民みずからが処分できるごみは生ごみしかありません。家庭ごみの生ごみ量は、30%を占めています。もし、各家庭で生ごみを堆肥化できれば、家庭ごみの30%のごみが削減できます。生ごみは、週2回収集していますが、自家処理すればごみ収集車を待たなくてもいつでも処理することができます。できた堆肥を家庭菜園や園芸に利用するなど、生ごみ削減の意義を市民に呼びかけます。三重県では、コンポストマイスターの制度を創設していますが、新居浜市でも家庭での正しい堆肥化の方法を出前講座などで積極的に広報し、堆肥化を普及できないものでしょうか。そして、校区ごとの生ごみを計量集計し、削減成果に基づき、校区に褒美を出すようなシステムがとれないでしょうか。その褒美が、新たな地域活動を生むと期待します。全市一斉に始めることは困難だと思いますが、モデル校区を選定して行ってはどうでしょうか、お考えをお伺いします。
削減可能なもう一つのごみは資源ごみです。新居浜市には、資源ごみ集団回収という補助金制度があります。現在、この制度で回収される資源ごみは、資源ごみ全体の約4割です。自治会や市民団体などが行っている資源ごみ回収と、市役所が集める資源ごみ収集の違いは、清掃センターに持っていくとごみ量にカウントされ、ごみ減量にならないということです。この方法は、私には理解できません。資源ごみとして安心して市民が出せるように改善すべきと考えます。また、違いを市民に説明して、資源ごみ集団回収に登録し、資源化を図ることを啓発すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
家庭での生ごみ堆肥化と自治会や市民団体による資源ごみ集団回収が普及すれば、ごみ量全体の数割のごみを減量することも決して不可能でないと思います。仮の計算ですが、現在の排出量、1日1人当たり1,035グラムを900グラムの目標にして削減できれば、ごみ処理費用は単純に計算することはできませんが、大幅に削減できます。どのように考えますか。
最後に、震災で発生した廃棄物の受け入れについてお伺いします。
連合愛媛は、東日本大震災で発生した瓦れきを、住民の理解、放射線数値の公開を条件に、県、市町に受け入れ要請を行うことを決め、中村知事にも要望したとの報道がありました。連合愛媛では、瓦れき処理のおくれが、被災地復興の妨げになっていると言っています。新居浜市の廃棄物受け入れの考え方は、昨年10月の発表時には受け入れ困難と聞きました。今も同じですか、市長の考えをお聞かせください。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 篠原議員さんの御質問にお答えいたします。
まず、ものづくりについてのうち、企業留置についてでございます。
御案内のように、新居浜市は、住友関連企業とともに栄えてまいりました。時代背景やそれに呼応した企業戦略により、住友諸企業の従業員数も、昭和50年代住友3社(鉱山、化学、重機)で約1万人と言われておりましたが、現在は約3,500人程度と聞き及んでおります。従業員数は減少傾向とはいえ、新居浜市の製造業全体に占める従業員の割合は4割を超えており、依然として働く場の確保としての重責を担っていただいているものと考えます。また、経済指標としての製造品出荷額におきましても、住友関連企業の占める割合が新居浜市全体のおよそ8割と、本市経済発展の重要な地位を占めており、住友各社の経営動向には注視しているところであります。また、住友諸企業におかれましては、産業構造の変化や円高等、さまざまな経済状況の中でも計画的に、特にこの新居浜の地において設備投資を行っていただき、税収面におきましても、多大な貢献をいただいております。先ほど申し上げました雇用の面におきましても、地元高校生や高専生の新規採用やあるいは経験者採用など、多大な貢献、配慮をしていただいており、今後におきましても、持続的発展には住友各社との共存共栄が欠かせないことであると十分認識しております。また、昨今の全国的な動きとして、急激な円高を受けて、自動車産業を初めとするものづくり産業において、製造拠点を海外へ移転する等の報道を聞くにつけ、私自身危機感を募らせているところでございます。このようなことから、より積極的に中小企業も含め、住友関連企業、そして新居浜の製造業の留置策として、昨年3月には企業立地奨励金の限度額の引き上げ等設備投資の促進を図るための条例を改正し、留置の環境整備に努めてきたところであります。また、住友各社の本社を訪問した際には、各社の新規設備投資、安定した雇用の確保について、引き続き強く要請を行っております。今後におきましても、住友各社の情報収集に努めるとともに、私みずからが先頭に立ち、企業留置に全力で取り組んでまいります。
次に、総合文化施設についてでございます。
総合文化施設の建設に当たりましては、施設の建設はもとより、建設後どのように運営していくのかということに重点を置き、市民の皆さんあるいは専門家の方々、議会の議論も踏まえながら協働作業によって計画の具体化に取り組んでまいりました。現在、建設費のことについての議論が数多くございますけど、篠原議員さんの御指摘のとおり、どう使っていくか、どう役立てていくかということが基本であり、それらの議論を重ねながら、約2年前からは基本設計に移っていくということで、事業費についてもより明らかにしながらの議論が進んできたという、そういう過程がございます。しかし、篠原議員さんもおっしゃったように、昨年4月から議員になられ、他の市民の方も含めてやはりまだ初めて聞くとかというお話もあるのも事実でございます。改めて申し上げますと、施設全体での理念というのは、新居浜の文化創造、つくり、学び、はぐくんでいくというのが基本理念であります。そして、この施設は、言うまでもなく、美術館、小劇場、地域文化という一体的な総合文化施設となっております。その中の美術館スペースのコンセプトにつきましては、収集評価委員会などでも検討いただき、地域に根差した活動、20年、30年後、日本の芸術史の一翼を担う活動、子供たちの豊かな心をはぐくむ活動という3つの柱を設定いたしております。
次に、常設展示やそれに伴う作品の収集やにぎわいづくりのための企画展についてでございます。
これも篠原議員さん御指摘のように、魅力ある美術館とするためには、どのような作品を集め、集客力のある展覧会、企画展をどう行っていくかということを先進地でも大変苦慮しており、本市においてもこれまで大きな課題として議論し、取り組んでおりました。昭和59年12月からは、美術館建設の準備のため、専任の学芸員を配置し、美術館運営の専門家を特別相談役としてお招きして以来、市民文化団体や専門家ほか、さまざまな方々とともに収集計画の素案を作成してまいりました。その計画に基づき、芸術界に広範なネットワークを持ち、あわせて作品の御提供をいただける方々の中でも、子供たちの豊かな心の育成に御尽力いただき、集客力等の面でも少ない経費の中で最大の効果が得られるような方をリストアップし、調査を重ねながら、支援の御依頼を申し上げたところでございます。
そのような中、基本構想から基本設計へ進む中で、その中身を固めていかなければならないという時期を迎えておりました。そういう中、寺坂公雄先生から作品提供についてのお話があり、記念室を設け、美術館の活動の一つの柱とさせていただく計画を立てたものでございます。寺坂記念室では、先生や先生と親交の深い日本的な作家の諸先生方の作品を展示させていただき、あわせて隣接する企画展示室では、さまざまな企画展を適宜開催するものでございます。また、寺坂先生は、画家としてのお立場はもちろんのこと、教員という御経験をお持ちであり、子供たちに対する御指導、また一般の市民に対するお話など、大変すぐれた御経験をお持ちであるということも期待をしているところでございます。企画展との関係につきましては、一昨日白籏議員さんの御質問にもお答えいたしましたが、美術館全体にだれだれ美術館という冠をつけるわけではございません。仮称でございますが、あかがねミュージアムの中の美術館であり、その中に寺坂記念室があるということでございます。また、面積的にも、美術館全体の面積の4分の1が寺坂記念室と、あと4分の3は企画展や市民ギャラリーであり、さまざまな創作の場として活用できます。また、大型企画展、大型展覧会を開催する場合には、この美術館スペース全体を使った活用なども考えていきたい、つまりスペース全体を有効に活用できるそういうイメージで取り組んでいるところでございます。また、これを実現するためには、学芸員が必要不可欠でございます。計画的に配置し、ネットワークが構築できるよう、専門的な知識、経験、人脈を持つ専門家の協力を得るため、愛媛大学名誉教授の松久勝利先生、女子美術大学教授の橋本弘安先生、京都教育大学教授の谷口淳一先生、橋本先生、谷口先生は郷土美術館での企画展なども開催していただいている先生方でございます。こういう皆さん方にもアドバイザーをお願いし、具体的な計画づくりを行っております。これら事業を通じまして、総合文化施設全体の入り込み予想といたしましては、年間11万5,000人を想定いたしております。この数字は、郷土美術館及び市民文化センター中ホールの現在の利用実績というものに加えて、地域交流やあるいは市民参加の新たな機能による増員を考慮したものでございます。やはり、増員要素としては、複合施設であるということ、最初に訪れる目的が小劇場の催し物であっても、その方々が美術館部門へ足を運ばれる、地域文化から美術館へという、そういうお互いの相乗機能をもたらしたいという、そういう要素がございます。
次に、運営の経費や資金についても御心配をいただいているところでございます。平成12年3月の新居浜市美術館建設市民懇談会におきましても、作品の収集経費を自主企画や体験学習の充実に充てる、余り多額の収集経費というよりも、自主企画や体験学習に充て、柔軟な対応ができる資金運用も必要という提言も受けております。この考え方は、踏襲をしているところでございます。1億6,000万円という数字につきましては、これも一昨日申し上げましたが、一般的な管理費の積算を根拠とした1億1,000万円と、あと人件費、企画費等で5,000万円という想定をしておりますし、これにつきましても、昨年でございますが、一度全体的な運営計画の中で、資料としてはお示しをしているところでございます。また、1億6,000万円という試算の中には、現実には収入を見込むわけですが、その差し引きは現在いたしておりません。さらに、現在、郷土美術館におきまして、予算上の経費というのが平成24年度で約2,500万円、企画展の打ち方によりましたら年間3,000万円程度ということもあります。それは、市全体としては、そこの予算は不要になってくるわけでございますが、そこまでのいわゆる差し引きはしない、1億6,000万円という数字を御提示しております。それは、現実には、具体的な実施設計による積算あるいはやはり企画展というのは、打ち方によって当然予算が違ってまいります。現在お示ししている計画では、現在の郷土美術館が年2回程度というのを年4回から5回という想定をしたものにしておりますが、開館段階では大きな企画展をやろうとか、節目ではやるとか、そこの幅は出てこようかというふうに思っております。いずれにしても、総合文化施設は、創る、学ぶ、育むをキーワードとして、文化によるまちづくりや人づくりを進めていく上で中心的な役割を担う施設と考えております。建設はもとより、運営におきましても、これまで積み重ねてきた経験、ネットワーク、そして市民の皆様方のすばらしい力を生かしていけるような市民協働型の総合文化施設として運営をしていきたい、そう思っております。
以上申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足いたさせます。
○議長(伊藤優子) 補足答弁を求めます。曽我環境部長。
○環境部長(曽我忠)(登壇) 廃棄物について補足を申し上げます。
一般廃棄物の減量についてでございます。
まず、志布志市のようなごみの減量化が図れないかについてでございます。
本市と志布志市では、地域性と人口、産業構造が大きく異なるため、そのまま志布志市のごみ処理体制を新居浜市で行うことは困難でありますが、地域の特性を生かした取り組みには見習うべき点が多々ありますので、今後の新居浜市のごみ処理施策の参考にしたいと考えております。
次に、生ごみ堆肥化方法の普及とモデル校区の選定についてでございます。
生ごみの堆肥化方法の普及につきましては、にいはま環境市民会議との協働による公民館での出前講座、産直市など各種イベントにおける生ごみ処理容器補助の申請受け付けなど、普及に努めております。しかしながら、生ごみ処理容器の補助基数は、横ばいの状況でございますので、抜本的な普及施策を講ずる必要を感じております。
御提案いただきました生ごみの堆肥化に校区として取り組んでいただけるということであれば、市民と行政が知恵を出し合い協働することにより、生ごみの減量を一層進めていくことが可能ではないかと考えております。
次に、資源ごみの集団回収についてでございます。
国のごみ量統計は、現在、家庭から出すごみそのものを少なくしましょうという排出抑制の観点から、資源ごみを含めたごみ総量を基本に集計をいたしており、そのごみ総量からリサイクル率を算出いたしております。しかし、従前は、資源ごみの集団回収分を集計から除いておりましたので、本市の場合、経年比較が継続してできるよう、従前のままといたしております。資源ごみの集団回収につきましては、排出抑制の面からも必要と考えておりまして、集団回収を利用していただくことにより、市が直接処理するごみ量が減り、経費の削減も図れますので、ごみ量の統計上の取り扱いも含め、市民への啓発に努めてまいります。
次に、生ごみの堆肥化と資源ごみ回収の普及によるごみ量と処理費用の削減目標についてでございます。
平成32年度を目標年度とする新居浜市ごみ処理基本計画では、市民1人1日当たりのごみ量を、現在の1,035グラムから844グラムにする目標を掲げております。減量の主なものは、家庭ごみでは生ごみ、衣類、古紙が中心となっております。ごみ処理経費の削減につきましては、ごみ量に比例して削減できる経費、すぐには削減できない固定的経費など、さまざまな要素があり、事前に算出することは大変困難ですが、今後、ごみ処理基本計画に沿って、減量施策を推進し、リサイクル率を増加させることなどにより、経費の削減を図ってまいります。
次に、災害廃棄物の受け入れについてでございます。
東日本大震災により生じた災害廃棄物につきましては、膨大な量であり、被災県のみでの処理は長期間を要し、災害復旧の大きな支障となることから、他の自治体の支援による広域処理の必要性については認識いたしております。しかしながら、災害廃棄物は、放射性物質による汚染が危惧されることから、昨年10月に愛媛県を経由して国が行った受け入れ調査につきましては、国の責任において、放射性物質により汚染されていないことが証明され、市民の理解が得られる状況でない限り、受け入れは困難であると判断いたしました。その後の検討において、市の焼却施設は、能力としては焼却可能でありますが、焼却灰の最終処分場を保有していないことから、愛媛県等との連携が必要不可欠であります。いずれにいたしましても、現時点でも受け入れは困難であると考えておりますが、今後とも広域処理について情報収集に努めてまいります。
○議長(伊藤優子) 佐々木経済部長。
○経済部長(佐々木一英)(登壇) ものづくりについてのうち、ものづくり産業振興センターについて補足を申し上げます。
新居浜市ものづくり産業振興センターにつきましては、技能、技術の伝承と若手人材の育成確保、技術力向上、新分野進出という課題に対応するため、公設民営方式で整備したところでございます。同センターが、これらの課題解決に向けた研修による人材育成に取り組んでいくことが、本市ものづくり産業の活性化につながるものと期待いたしております。昨年10月の開設以来、今年度は機械加工や溶接等の基礎となる初級者向け中心の研修を行っておりますが、平成24年度は、初級者向けに加え、中級者、上級者向けの研修を行う予定と伺っております。また、地域のものづくり企業が、グローバル社会を勝ち抜く競争力を持ち、新たな経済環境に対応するためには、技術力の向上、高付加価値事業の創出、オンリーワン企業の育成を含めた競争力のある企業集積を図っていくためにも、産業支援機関である東予産業創造センターや新居浜高専等と連携し、新しい産業等の創出に向けた人材育成プログラム等への取り組みが重要であると考えております。今後の研修の運営につきましては、企業のニーズを把握して研修プログラムに取り入れていくこと等、受講者にとってより効果的な研修内容に努め、広く受講者の募集を行うとともに、研修講師につきましては、ものづくり産業の人材育成についての必要性、重要性を理解していただき、企業OBや企業からの派遣について協力を求めていく等実効性のある研修体制となるよう進めていくことが必要であると考えております。また、全国のものづくり産業の集積地からも、人材育成は新居浜でと言われ、同センターに派遣してもらえるような特徴を発揮することができれば、人と人のネットワークが形成され、そのことを契機として、技能技術の向上や新産業創出につながることを期待しているところであり、今後におきましても、同センターの取り組みに対し、支援をしてまいります。
以上で補足を終わります。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。篠原茂議員。
○4番(篠原茂)(登壇) ものづくりについてお伺いします。
私は、佐々木部長の答弁もよいのですが、もう少し具体的なことを言って、抽象的なことばっかり言われたって全然わからない。ですから、提案しよんですわ。炭素繊維の加工等に、そういうところに特化するのかとか、それから食料品機械に特化するのかとか、そういうようなところを目指していくとかということを聞いとんですから、もう少し具体的に答えてくれなかったら困ります。
それから、佐々木市長、トップセールスを頼みますよ。ですから、今行っとる以上に住友各社、本社にお伺いして、トップセールスをお願いいたします。答弁願います。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) トップセールスということでございます。もちろんそのつもりでございますけど、これからも取り組んでまいります。
また、ものづくりも、立ったついででございますから申し上げますけど、基本的な人材育成というところでは、我々より篠原議員さんとか議員の方々のほうが経験あると思いますが、基本的な人材育成としては、安全の問題とか、基本的な技能を身につけるという、そういうものが基本的なコンセプトにあって、その中でオプションとして特別なメニュー、今おっしゃったようなメニューもあるだろうという、そういうことでございますので、そこは現場の声、そういうものも聞きながら組み立てていくという、そういう意味で、今じゃあ炭素繊維をやれといって、わかりました、やりましょうという、そういう意味ではないということです。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。篠原茂議員。
○4番(篠原茂)(登壇) よろしくお願いいたします。
総合文化施設について少しお尋ねします。
美術館のコンセプトはわかりました。確認なんですけど、この施設は、観光客を意識したものか、市民のものか、それとも教育のものでしょうか。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) お答えいたします。
この施設は何を意識しているかということでございますが、もちろん基本的には、新居浜の市民の皆さん方ということでございます。そして、駅という立地のメリットがございますので、駅、新居浜を訪れる方が、駅へおりて、足を向けていただくとか、逆に駅を利用される方が待ち時間等があったら行ってみようかとか、そういうことと、あと小劇場、美術館、ともに我々が今目指しているものは、他の近隣市にはございません。美術館で言えば、丸亀、そして県美術館、今治にもございますけど、新居浜にあると。小劇場についても同様だと思いますので、地域として他市からも人を呼んでくれるような、そんな地域にも、施設にもなるという、順番は1番が市民でございます。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。篠原茂議員。
○4番(篠原茂)(登壇) そしたら年間の有料観客数は幾らでしょうか。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 先ほどの数字は、現在の郷土美術館あるいは市民文化センターの利用者からの推計でございます。美術館部門につきましては、現在の郷土美術館は、昨年の平山郁夫先生の展覧会は有料でございましたが、企画展についてはお金をいただかない企画展のほうが多かったということで、もちろん市民団体やいろいろな市展とか、そういうものはもちろんいただかないというようなことでしたので、美術館部門の有料入場数というのは、今のところ余り計算には入れてないということです。中ホールやホール機能については、今の使用状況、半分ぐらいが減免対応というような形になってますので、ちなみにいうと、中ホール、大ホール合わせて今現在1,000万円ぐらいが年間の今の中ホール、大ホールの使用料収入というようなことでございますので、幾らに設定するかということは別でございますが、半分ぐらいじゃないかというのが推計です。(4番篠原茂「そんなこと聞いとるわけじゃない。そんなこと聞いてないんよ」と呼ぶ)
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。篠原茂議員。
○4番(篠原茂)(登壇) 私が言うたのは、年間の有料の客数を何人に想定していますか。そしてもう一つ、無料も含めた利用者数は何人ですか。無料も含めた利用者数というたら11万5,000人でしょう。それで、年間の有料観客数は何人を想定していますかということを聞いたんです。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。田中企画部長。
○企画部長(田中洋次)(登壇) 篠原議員さんの再質問にお答えいたします。
全体の利用者見込み数11万5,000人というふうなことを想定しておりますけれども、それぞれの施設によって利用者数が違いますので、具体的に、例えば美術館部門でありますと、現在の郷土美術館等の利用者が、これ少しデータ古いんですけれども、平均で年間約3万5,000人という数字がございます。ですが、この数字をもとに有料の来館者数を想定いたしますと、現実問題といたしまして、郷土美術館の収入につきましては、先ほど市長も答弁いたしましたけれども、減免の割合がかなり高うございます。ですので、現在の郷土美術館からその使用料を算定することは非常に難しい状況でございますので、この辺につきましては、文化センターの大ホール、美術館機能とは違いますけれども、ホールにつきましては、大ホール、中ホールにつきましても、先ほど市長答弁で申しましたような半分ぐらいが減免対象ということになりますので、それぞれの使用料の想定というのは、現在ではまだそこまでの計算根拠を持っていないということでございます。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。篠原茂議員。
○4番(篠原茂)(登壇) きのうの永易議員さんの質問への市長の答弁にもありましたが、幅広い全市民に利用と言うとりましたが、今田中部長が正直だから言いましたから、今のところそういう計算はしてないということです。再度聞きますが、開館後5年間、10年間の入り込み数は幾らでしょうか。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。田中企画部長。
○企画部長(田中洋次)(登壇) 再質問にお答えいたします。
11万5,000人という利用者見込みを立てておりますけれども、この施設につきましては、さまざまな機能を持っており、また幅広い各界各層の方に御利用していただきたいというふうな施設を目指しておりまして、一言で言いますと、新居浜市の芸術文化の創造拠点というふうな位置づけをしておりますので、11万5,000人を基本に、少しでもいい事業、いい企画運営をして、入り込み客といいますか、利用者の方々の人数をふやしていきたいというふうな思いで取り組んでまいります。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。篠原茂議員。
○4番(篠原茂)(登壇) 大変不安を感じます。白籏議員への答弁で、管理費1億1,000万円、企画、人件費5,000万円と聞きましたが、この施設の人件費はほんなら幾らでしょうか。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。田中企画部長。
○企画部長(田中洋次)(登壇) 再質問にお答えいたします。
これまで御答弁させていただきましたように、管理運営費、維持管理費含めまして1億6,000万円のうち、5,000万円が人件費と事業費というふうに今想定をいたしております。人件費、企画運営費につきましては、その事業の内容によりまして、金額の増減がございますけれども、人件費と企画運営費合わせまして5,000万円ということでございますので、その割合の状況によっては違ってくるとは思いますけれども、例えば人件費が3,000万円、事業費が2,000万円といったような想定も一例としてはいたしております。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。篠原茂議員。
○4番(篠原茂)(登壇) 余り詳しく詰めてやってないみたいですね、残念ながら。ほんなら何人の職員でやるんでしょうか。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 部長もわかっておるんですが、どこまで言っていいか判断が難しいようですので。
(仮称)あかがねミュージアムの管理運営費というものをもちろん試算をいたしておりまして、大きな額としては先ほど申し上げたようなところでございます。人件費3,000万円というふうな想定をいたしましたのは、管理責任者が1名、各部門の責任者が4名、各部門の補助者が6名という、11名という想定をして、そこから計算して3,000万円という、そういうことでございます。これらについては、費用は運営形態、直営あるいは指定管理とか、さまざまな分野によって変動はあるだろうということですが、根拠としてはそういう根拠でございます。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。篠原茂議員。
○4番(篠原茂)(登壇) そしたら、学芸員は何名でしょうか。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。田中企画部長。
○企画部長(田中洋次)(登壇) 再質問にお答えいたします。
専門職の学芸員の数につきましては、オープン当初とそれ以降では人数は当然違ってこようかと思いますけれども、今現在想定しておりますオープン当時の学芸員といたしましては2名から3名を想定いたしております。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。篠原茂議員。
○4番(篠原茂)(登壇) そしたら、学芸員の専門は何かやかいうことはわからんでしょうね。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。田中企画部長。
○企画部長(田中洋次)(登壇) 再質問にお答えいたします。
現在、新居浜市に在職しております学芸員については、美術が専門という学芸員がおりますけれども、そのほかの専門分野を持つ人材が必要ということになれば、その対応についても現在は検討いたしております。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。篠原茂議員。
○4番(篠原茂)(登壇) 田中部長を責めたくはないんですけど、ありがとうございました。しかし、美術館ができたら、何が市民にプラスになるかはわかりません。私は、美術館があれば、市民一人一人の芸術や文化に対する興味、関心が育っていくことが重要だと思います。しかし、今の答弁では、具体的なものが見えてきません。
あえて教育長にお尋ねします。
教育の観点から、具体的な取り組みはないでしょうか。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 教育の観点での具体的なものと言われました。先ほど市長の答弁の中で、コンセプトとして3つ挙げられたと思います。特に、その中の子供たちの豊かな心をはぐくむ活動というのが教育委員会に当たると思っています。昨日、永易議員さんから、新居浜の子供たちの体育活動についてというふうな話がありました。土曜や日曜になると、河川敷に随分子供たちが出て活動しています。しかし、新居浜には、スポーツをするだけじゃなくて、例えば合唱コンクールであるとか、アンサンブルでNHKの分であるとか、また全国大会、また先日はハーモニカの全日本1位になるとか、また民謡フェスティバルとかそういう音楽関係、また文章、読書感想文で高津小学校の子供が毎日新聞社賞の受賞であるとか、またはポスターコンクールとか書道、そういうふうな学芸的な面でも随分子供たちは活動してくれております。そういうふうな子供たちの土曜日や日曜日の居場所としてできないものか、また芸能に関しても、子供たちがいろんなサークルや団体をつくって活動しています。そういうふうなものの子供たちの活動の場所としてつくりたい、活動をしていきたい。また、それは月曜日から金曜日までは大人の活動の場所としてというふうな思いも持っています。また、地域に根差した活動である、また20年、30年後のっていう話もありましたが、例えば先ほどこの仮称という形であかがねミュージアムというふうなこともありました。新居浜は、別子銅山をもとにしての銅というものがあります。例えば、そういう長期的な目で見るんであれば、銅をもとにしてのビエンナーレであるとかトリエンナーレであるとか、そういう隔年、3年置きのコンテストを例えば開いて、そこに製作過程に子供たちを参加させる、中学生、高校生を参加させる、そういうふうな活動、またそれを市民が投票権を持って選ぶとか、いろんなやり方によっては随分違う活動に向いていくんじゃないか。その中で、子供たち、または市民、次の市民が育っていくんじゃないかと私は思っています。そういうふうなものにこの芸術文化施設がなればなあという、教育委員会としての思いです。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。篠原茂議員。
○4番(篠原茂)(登壇) 教育長、ありがとうございました。私、美術館のことを調べよりましたら、おもしろい新聞記事が出てきました。これ平成2年6月24日の新聞なんですよ。新居浜のことを書いとんですよ。このときに何を書いとるかというたら、もう長く言うたら時間かかりますから、箱より中身のほうが大事ですよということを書いとんですよ。そのときから、もう22年前から言われとる。困った、ちょっと困りました。
最後にもう一つ、震災瓦れきのことなんですけど、これ3月4日の愛媛新聞のこだまの投稿欄ですよ。今治の中学生が書いとんですよ。「震災がれき知識深め対応を」というて。私たちも中学生に恥ずかしくないような行動をしなければならないと思います。ありがとうございました。
○議長(伊藤優子) この際、暫時休憩いたします。
午前11時57分休憩 ―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 1時00分再開
○議長(伊藤優子) 休憩前に引き続き会議を開きます。
水田史朗議員。
○5番(水田史朗)(登壇) 自民クラブの水田史朗です。
私が4月の統一地方選挙で市議会議員になってから、早くも1年を迎えようとしています。その中で、今年度は東日本大震災に明け暮れ、防災に対する関心が新居浜市でも一層高まってまいりました。震災直後から、新居浜市の消防職員が、現地救済に向かわれ活躍された雄々しい姿に、新居浜市民も大変な誇りを感じております。さらに、被災地である陸前高田市においては、本市から2名の職員が常駐されて現地支援に当たられ、本市市民が自発的に被災地を訪れるときなど手配するなどして敬意を表するものです。また、老人ホーム入所者が債務で困っているときに、任意整理の適切な方法を教えてあげたり、付き添ってあげるなど、本市の職員の方々が一生懸命努力されていることに対して感謝を申し上げるものです。
さて、前述のように、本市職員の頑張りに対しては敬意を表するものの、より大切と思われる本市の方向性について急務あるいは市民の皆さんが疑問に思っておられる事項3点、通告に従い質問いたします。
まず、本市の医療についてです。
新しい医師臨床研修制度、いわゆる新臨床研修制度が2004年4月開始しました。旧制度と大きく変わるところは、研修生が研修先を自由に選べるようになったことです。結果、研修医は、都市部へ集中し、地方の医師数は不足するようになりました。さらに、研修医にはアルバイトが禁止されることで、夜間及び休日の当直業務を行う医師の確保が非常に困難となり、研修医を多く抱えることのできなくなった大学病院が、人手確保のため、関連病院へ派遣した医師を引き揚げるなどの事態が発生しております。人口過疎地では、医療そのものが成り立たたなくなる問題などが発生しています。本市では、2月、救急医療体制維持確保検討事業の第1回検討委員会がありました。本市でも医師不足が進行していることは間違いなく、その中で一例について紹介いたします。
小学生が交通事故に遭い、救急車で受け入れ先に連絡しましたが、専従医が治療中で、受け入れがなされませんでした。そこで、校長先生が直接病院に電話して、受け入れていただいて、やっと治療を受けることができるようになったということでした。我々、通常の市民感覚としては、交通事故に遭ったということならば、当然にすぐに救急車で運んでもらって、適切な治療をしてもらえるものと認識しています。これが当たり前です。また、交通事故の場合、脳外科と整形外科の両医師がそろっていないと対応できないそうです。本市の上部地区には、県立新居浜病院がありますけれども、そこでも両医師はそろっていないそうです。
以上のような問題に対応するために、救急医療体制維持確保検討事業が国の方針で始まったものです。そもそも医学部で6年間修学し、その後研修を新居浜で修める研修医が少なくなっており、新居浜市の各病院も研修生を募るために苦労しているそうです。つい先日、広島県では、中山間地域などで医療を担う医師確保に向け、広島県、広島大学など5団体と、地域医療を担う医師の確保に係る協定を結びました。これは、広島県全体の医師数は増加しているものの、中山間地域の医師数は減少しており、これに対処するため広島大学大学院生による中山間地域への医療体制を構築するなど、地域医療の確保に努めることを目的としております。
さて、新臨床研修制度を実施された後、地元や中四国の医学部卒業者が、都会の病院で研修を受けているので、市内の病院で研修を受け入れる人数が格段に減ったこと、病院の担当者は嘆いていました。
そこで、伺います。
現在、市内の病院で研修医を受け入れることができる病院は幾つあり、研修医受け入れ数の過去の実績を教えてください。
また、研修は、前期2年、後期2年に分かれていますが、前期を新居浜でおさめ、後期もそのまま新居浜に残ってくれているのは何名ぐらいいますか。また、後期の研修を終え、新居浜に残っている医師は何人いますか。また、麻酔医、小児科医が不足していると聞きましたが、それらも含めて、今後の対策を伺います。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 水田議員さんの御質問にお答えをいたします。
本市の医療についてでございます。
平成16年度に導入されました新臨床研修制度では、それまでは必ず出身大学医学部で研修していたことを改めまして、任意の医療機関で研修ができるようになりました。その結果、大学医局に所属する医師が減少したことで、これまで地方の関連病院に派遣いたしておりました医師を引き揚げなければならなくなったということで、地方の病院の医師が不足するという事態になっております。現在、市内で研修医受け入れのできる基幹型臨床研修病院でございますけれども、3病院ございます。ただ、平成23年度は1病院のみで5人の初期研修医を受け入れているという状況でございます。この病院では、毎年1人から3人程度の初期研修医を受け入れておりましたが、後期臨床研修、つまり専修医制度による研修に進むことはなく、市外の病院に行くケースが多いとのことでございます。他の1病院では、平成17年度から受け入れを開始いたしましたが、今までに3人を受け入れし、そのうちの1人は関連病院で後期研修を受け、現在も関連病院に勤務しておられるそうでございます。また、1人は、後期研修は県内の他の病院で受けられ、現在この病院に勤務しておられるとのことでございます。また、もう1病院でございますけれども、平成16年度から受け入れを開始いたしまして、今までに4人を受け入れ、そのうちの1人は後期研修も受けられ、現在もなおこの病院に勤務しておられると伺っております。
次に、不足している麻酔医、小児科医についてでございます。
全国的に地域医療が危機に直面していると言われております。愛媛県におきましても、救急医療体制の維持が困難になってきているあるいは医師の偏在など地域医療における課題に取り組むことから、愛媛県地域医療再生計画を策定いたしております。その中で、本市におきましては、先ほどお話のございました新居浜市救急医療体制維持確保検討事業を実施いたしております。これは、救急医療体制の維持強化を目指して、市民、医療、行政が一体となって、市民の安全、安心な生活が実感できる体制整備に取り組もうということを目的といたしております。
今後でございますけれども、救急勤務医あるいは市民の救急医療に対する意識調査を行い、調査結果を分析した上で、医療機関あるいは救急車を適正に利用するための実効性のある対策を講じることができるよう取り組みを進めたいと考えております。このことが、医師に対する負担を軽減し、地域医療への再生につながるのではないかと考えております。それぞれの医療機関におきましては、麻酔科、小児科を初めとした医師確保に努めておられますが、本市におきましても、地域医療における課題に取り組むことで、地域医療を担う幅広い人材の確保を支援してまいりたいというふうに考えております。
○議長(伊藤優子) 水田史朗議員。
○5番(水田史朗)(登壇) 今お聞きのとおり、研修医の数が非常に少ないという現状を以前から新居浜市としては把握していたものと思われます。福祉部長さんの御答弁の中にもあったように、実効性のある施策を今後検討していきたいということでございましたので、お願いいたします。
続けて聞きます。
現状を見ていると、対策を講じてからその結果、新居浜市の医師不足対策の結果が出るまで数年はかかるようです。前述の救急医療体制維持確保検討事業は、実質平成24年度、平成25年度の2年間実施されますが、今年度、初年度はアンケートを作成、データ分析、評価などを行います。それをもとに次年度どうするかということを考えるみたいです。これは、あくまでも国の事業です。これとは別に、これまで新居浜市独自で取り組みをなされてこられたか、あるいは今後何らかの予定はあるか、伺います。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 水田議員さんの再質問にお答えをいたします。
まず、これまでの取り組みでございますけれども、救急医療の対策っていうのは、これまで急務でございました。それを受けまして、毎年でございますけれども、新居浜市救急医療対策協議会を設置いたしております。この中で、関係者、消防でありますとか、医療機関の関係者でありますとか、新居浜市、それとか保健所、そういった関係機関が集まりまして協議を行って、よりよい救急医療に対する対策を講じていくという目的の協議会を開催いたしております。
それと、日常的な、特に保健センターの業務になりますけれども、医療機関あるいは救急車の適正利用というふうなことに取り組んでおります。これが地域医療を守るということにつながってまいりますので、日常的に行っております。まず、かかりつけ医を持ち早目に受診しましょうということが1点、それと健康診断で病気予防と早期発見に努める、通常の診療時間内に受診をする、それから休日あるいは夜間で症状の軽いときは、休日夜間急患センターあるいは在宅の当番医に受診をしていただいて、すぐに二次救急医療機関には行かないというふうなことで勤務医の負担軽減を図るということで、最終的には医師の確保にもつながってくるというふうに考えております。
○議長(伊藤優子) 水田史朗議員。
○5番(水田史朗)(登壇) 医師不足問題を解決するために、愛南町では、町独自の奨学金制度を創設するため、この3月の定例議会に条例を提案します。奨学金は月額20万円、入学金50万円を上限として、対象は県内の高校から医学部に進学した学生で、卒業後は愛南町の指定医療機関等に勤務すれば返済を免除されるというものです。愛南町の取り組み同様、奨学金について新居浜市も検討すべきだと私は思いますが、これまで検討されたことはありますか、伺います。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 再質問にお答えをいたします。
奨学金の検討をしたことがあるのかということでございますけれども、具体的には、これまで検討したことはございません。ただ、答弁の中で先ほど申し上げました愛媛県地域医療再生計画の中に「地域医療を担う幅広い人材の確保・育成」というのがあります。その中で、臨床研修医確保対策事業というのがありまして、大都市圏で開催される臨床研修病院の合同説明会に参加をいたしまして、県外医学生へのPR活動を実施するというものがあります。県の事業ではございますけれども、こういったものにももし参画ができれば、新居浜市としても参画した上で確保に努めてまいりたいというふうには考えております。
○議長(伊藤優子) 水田史朗議員。
○5番(水田史朗)(登壇) この奨学金の件は、教育とも大きなかかわりがあると思います。この件に関して、現場の病院、医師の方、それから事務をされている方に聞いたところ、統一して言われるのは、今後大変なことになるというふうに言われます。真実のところの心情の吐露だと思います。これらについて、奨学金も含めて、いろいろな検討を今後深めていただきたいと、要望いたしまして、次の質問に移ります。
芸術文化の振興と総合文化施設について伺います。
芸術文化の振興が、これからの町をつくります。エコノミックアニマルと批判された戦後の高度成長期、1980年代、1990年代のバブル期、その後の失われた10年間、頑張れば評価され、実績がついてきた時代から、頑張らなくても成長できた時代を経て、頑張っても何ら評価されない時代になりました。それに加えて、災害や社会の将来に対する不安から、現在に生きる人間は多大なストレスの中にほうり込まれていると言えます。
本市の第五次長期総合計画、フィールド5、教育文化の現状と課題では、芸術文化は、人が文化的な生活をする上で欠くことのできないものであり、すぐれた芸術文化や伝統文化に触れる機会を拡充する必要がありますと明記されています。全く同感です。音楽でも、美術でも、ほかの芸術でも、芸術に触れているときあるいは芸術をみずから楽しんでいるときは、ふだんのストレスを忘れて心が無の状態に近づきます。そういう時間と空間を持たなければ、真に豊かな生活はできないどころか、現在の社会情勢の中では、ストレスに負けて健康を損なうことになるでしょう。芸術文化施設の整備、拡充のところでは、総合文化施設の建設と運営整備、市民文化センター大ホールなどの改修と改築実現化方策の検討と記されております。私が読み取るところ、総合文化施設をまず建てて、その後に大ホールを検討するというように理解しております。本当にこの順番でよろしいんでしょうか。昨年来疑問が解消されないまま、市民の意見を聞きつつ、今ではより大きな問題として私の中では位置づけられるようになりました。特に、小劇場、または小ホールの収容観客数は250席です。確かに、市民文化センターの中ホールは489席、大ホールが1,181席、数字的に200席ぐらいの小ホールがないから必要だと言われればそうかなあと、短絡的には納得します。しかし、市内の文化芸術サークルの方々に聞いてみると、何かの催し物をする場合、250席では採算が合わないとのことでした。
そこで、第1番目の質問は、なぜ小劇場が必要なのか、だれが利用するのか、小劇場を借りる場合の使用料は幾らを想定しているのか、第2番目に、総合文化施設のランニングコストについて、開館後、どのように推移すると想定しているのか、これについては、先ほど来、質問がありましたので、割愛します。第3番目に、芸術文化の拠点は、市民文化センターです。50年前にできた建物ですから、半世紀前の新居浜市民のライフスタイルを前提に設計されています。特に現在と異なるのは交通手段である自家用車です。現在、市民文化センターの駐車場は何台ありますか、お答えください。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 芸術文化の振興と総合文化施設についてお答えします。
総合文化施設において、なぜ小劇場が必要なのか、また整備することで何を目標にしているかということでございます。
総合文化施設に計画しております小劇場は、約250席のホールということでございます。このホールの大きさにつきましては、今、水田議員さんからお話があったような議論あるいはさまざまな問いかけなどを受けながら今日まで来ておりますので、250席と聞いたときにお感じになるのは、多くの市民の皆さんの中にもいらっしゃったというふうには私も思っております。ただ、ここに至ります経緯につきましては、この総合文化施設の中で劇場を整備する場合、今までの新居浜市の今御紹介いただいた大ホールや中ホールを担い、また市内には200から300人ぐらいが入れるというさまざまな施設がございますけど、そういうところにもない、つまり音楽や演劇あるいは高校生のワークショップや落語とか、そういう表現活動を通じて、人の気配が感じられるような空間、そういうものが必要だということもずっと聞いておりました。そういう創作活動をしていらっしゃる皆様方からの声、そして今ある大ホール、中ホール、そういうものにないものを備えていきたいということでございます。したがいまして、大ホールに対する考え方は、第五次長期総合計画のときに整理をさせていただき、現在の大ホールの中で欠けている楽屋の機能、そういうものを改修して、大ホールとしては使いながら、長期総合計画の中で次に向けた検討をさせていただくという、そういう整理をさせていただいたところでございます。また、特徴として、舞台面積として、きちんとした舞台面積を確保するということが基本にございます。演者と観客相互が息遣いを感じられる、そういうホールであります。また、セットバックをして、すべてのスペースを使うことで、さまざまな講演のスタイルに対応できますしあるいは大がかりなリハーサルとか、そういうものも大ホールの事業と関連して実現することも可能ではないかというふうに思っております。さらに、総合文化施設の中の劇場ということは、美術館やアートギャラリー、地域文化の中で行う美術館やテーマ展示、企画展示、そういうものに関連した講演会とかパネルディスカッションとか、そういうものあるいはフルフラットにすることによってレセプションとか、そういうものもこの劇場のスペースを使ってできるという、そういうメリットを考えております。この小劇場、そしてこの施設全体を通じて、文化の担い手として創作活動や発表の場として活用していただくということから、文化の創造を目指していきたいというふうに思っております。
また、使い方としては、自主事業の実施、そして自主事業でない期間については、施設をお貸しして、そのそれぞれの主催者や皆様方によって活用をしていただきたいということでございます。
コストについては、もう答弁はよろしいということでございますけど、先ほど申し上げました。ただ、段階によって御説明しておりまして、現在は基本設計が固まった段階でございますので、今後実施設計をしながら、さらに詳細なところを詰めていくという段階でございますので、御理解をいただきたいと思います。
利用者の想定につきましては、自主事業としての取り組み、子供を中心とした取り組みやさまざまな世代、世代交流を促進するということでございます。また、乳児と一緒に観覧していただけるような親子席も設置を予定しておりますので、すべての世代に使っていただける施設といたしたいというふうに思っております。
最後に、小劇場の利用料金についてでございますが、これも詳細設計が完成してないということと、まだ具体的な設定はしてないということでございますが、市民懇談会とか説明会の中で、利用団体からは、やはりできるだけ利用しやすい制度にというふうな御要望もいただいております。これらの設定というのは、政策的な判断もあろうかと思いますが、現在の利用料金あるいは近隣の施設の例なども参考にしながら決定してまいりたいと思います。
○議長(伊藤優子) 高橋教育委員会事務局長。
○教育委員会事務局長(高橋康文)(登壇) 芸術文化の振興と総合文化施設についてお答えをいたします。
市民文化センターの駐車台数についてでございますが、市民文化センター利用者の駐車スペースは、大ホール東側、西側、別館東側、西側及び中央の5カ所に分かれており、総数として162台の駐車が可能となっております。
○議長(伊藤優子) 水田史朗議員。
○5番(水田史朗)(登壇) 市長の答弁など聞きながら、市長が聞かれているお話と、我々に入ってくる話というのは大分違うんじゃないかなという印象が大きいです。小劇場を利用したいとします。すると、250席、大入り満員としてチケットを3,000円ぐらいで売ったとします。収入は75万円です。プロの芸術家であれば、1日2回公演とか、2日間ずっと公演するとか、そういうことで賄えることもあるのかなあと思います。しかし、市民が使う場合については、常に満員とかというわけにもいきませんし、何カ月もずっと準備してやってくるもんですからコストがかかります。我々市民が使うのであれば、土、日に1回だけ公演するのが通常です。ピアノコンサートなどでも相当な費用がかかります。使用料を大ホール並みに3万円ぐらいに設定したとしても、採算が合わないと言われます。ちなみに、川崎市の小ホールの使用料は、終日で15万4,000円です。
小劇場のコンセプトとして、出演者と観客相互の表情が読み取れる、息遣いが伝わるという小劇場を設計しているとのことですが、それはそれでいいのですけれども、都会の小劇場と同じようなものをつくったとしても、新居浜市民のニーズにこたえるものでなければ、何ら意味のないものとなります。また、利用者は、高校生の演劇とかあるいはリハーサルなどにも使っていただくということであれば、これはただということを考えてよろしいんでしょうか。まだ想定はしてないと言われますけれども、実際予算委員会のほうではこれらを審議しなければならないわけですから、ある程度の想定はいただかないといけないと思います。
また、美術館に関しては、一昨日の白籏議員の質問及び市長の答弁にもあったように、寺坂記念室を常設する予定とのことですが、絵画購入費は維持管理費に算入するのか、最終的にどれぐらいの費用になるのかとか、甚だ疑問に思っております。新居浜市出身の芸術家は、世界的にも評価されている矢原繁長さんやほかにもたくさんいるはずですが、その方らも収集委員会で意見を述べられたんでしょうか。それらについても疑問が残ります。当初の構想は、美術収集に関しては市民ギャラリー的な美術館を予算をつけずに実現するものだったのではないでしょうか。午前中の篠原議員の質問でもありましたが、人件費3,000万円、これは想定でしょうけれども、11名分で、この中には学芸員の人件費やあるいは市職員が当然出向されると思いますけれども、それらも算入しての想定なのでしょうか、伺います。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 水田議員さんの再質問にお答えいたします。
劇場の想定ということでございまして、今おっしゃったようないろいろな御意見というのは確かにございました。したがいまして、大ホール、中ホールのかわりということではなくて、大ホール、中ホールは使い続けながら、この小劇場も整備をしていくというプラスワンとオンリーワンという考え方でございますので、大人数を必要とする場合には、また中ホールや大ホールも使っていただくと。中ホールを壊してこれをつくるということになると、できなくなるということはあろうかと思いますが、中ホールは使わせていただきながら、この劇場をやるということで、そこのすみ分けをしていただきたいというふうに思っております。また、その種類によって確かに資金も違うと思いますが、統計的に言いますと、中ホールの平均利用人数が、平均すると150人、音楽関係で260人程度、これは利用者の平均ですけど、演劇関係は、プロの演劇になるとやはり満員ぐらいにならないとペイはしないということには確かになっております。回数的にはそれほど多くはないんですけど、その場合は大ホールにも使えるという、そういう考え方でございます。
また、人件費のことについては、先ほどの答弁で申し上げまして、管理責任者や各部門の責任者というものと補助の人間が要るだろうということを想定した設定をしております。当然、各部門の責任者、美術館であればその学芸員が責任者になっていくということでございますし、地域文化などについても、新居浜市の仕事の中で担当してきた職員もおりますので、そういう者が担当をしていくというふうにイメージをしております。
そして、館蔵品の購入予算等の関係につきまして、その考え方として、館蔵品を一切持たないというようなことは今までもございませんでした。その持ち方として、一時、1点数億円とか、もうそういうような美術品を買うような時代ではないだろうということです。今回もこの総合文化施設の構想が始まった時点で、購入予算として1億円という設定は、これは当初からしておりますし、説明をしてきているところです。ただ、その中でどういう作品を購入するかは、今立ち上げた収集委員会の中できちんと評価もしていただこうというようなことでございます。したがいまして、開館時までにすべてをそろえるか、少し開館年次も重ねていくかというところは少しまだ議論の余地はありますが、新しい美術館建設に当たり、館蔵品の収集予算として1億円というものを今予定をしていると。維持費の中は、企画展の費用というものを想定してます。したがいまして、経常的にやはり維持管理費というのがまず固定的にかかり、次に人件費がある程度固定的になると。しかし、将来にわたると外部の活用とか、いろいろな要素があります。企画については当然、どれだけの企画展を何回やるか、どのレベルのものをやるかによって、正直予算も違います。それは政策の中で予算として我々も計画をして、また毎年御審議もいただきながら進めていくべきものというふうに思いますので、より固定的なものを少し幅があるけど経常的なもの、それと政策的に進めるべきものという、そういう分け方で考えているところでございます。
○議長(伊藤優子) 水田史朗議員。
○5番(水田史朗)(登壇) 会派説明などで、詳細に建物を3Dなどの映像で我々見せていただいて、非常によくイメージ化できるんです。ところが、実際にその中にどういうものを置くのか、お金がどういうふうにかかっていくのかというのが全く、全くとは言えませんけれども、今聞かなければならないような形で我々にはまだ伝わってきてないというところがあります。
次の質問に移ります。
平成23年度のまちづくり校区集会で、市長は、総合文化施設の事業コストについて、全体で50億円と説明されました。これは各校区で説明されたものです。昨年9月の議員に対する会派説明で初めて、総事業費が70億円になったということが説明されました。その後、修正を加えて63.5億円となりました。それを受けて、本年1月15日に文化センター中ホールで総合文化施設に関する市民説明会を市長がなされました。そのときに、事業費が50億円から63.5億円になった原因は、平成17年度から検討してきたPFI方式の平米当たりの建設コスト、すなわち建設単価をPFI方式を断念したにもかかわらず、そのままの建設単価を使ってしまったことが原因であり甘かったというふうな趣旨の説明であり、それについてはおわび申し上げますとのことでした。PFI方式から市単独方式に変更となったのは、平成22年3月4日の古川拓哉議員の質問のときに明らかになったということです。もし本当にそれが原因ならば、平成22年3月から平成23年秋、10月までの1年半以上、その建設単価が変わったということに気づかずにずっとそれで続けてきて、前の会派説明などでもそれをずっと使ってきたということになります。ミスと言ってもあるいは思い違いと言っても、建設単価となる最も大きな大切な係数ですよね、係数があります。イメージしてもらうならば、中学校1年生で関数習いますよね、y=axというこのaに当たるところですね。単価が何ぼかというところが変わったということです。もともとホテル併設によるPFI方式の導入というのは、建設単価、これaを低く抑えるためにそれを考えたわけですよね。それを断念した時点で、一番先に変更しなければならないのは、この建設単価aのところなんですね。平成23年10月まで、その期間、1年半、何も考えずに放置しておられたということは考えることはできません。平成22年12月には、公募型プロポーザルの実施設計公募を議会で承認を受けて、実際にその後、建設設計選定公募型プロポーザル実施がなされています。当然に、参加者も指摘したであろうことは想像するにかたくありません。市民への説明にどうしてPFI方式から市単独事業に転換したときの計算間違いでしたと説明したのでしょうか、納得のいく答弁をお願いします。
○議長(伊藤優子) この際、暫時休憩いたします。
午後 1時40分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 1時43分再開
○議長(伊藤優子) 休憩前に引き続き会議を開きます。
答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 再質問にお答えいたします。
単価の問題については、今まで申し上げたとおり、PFI方式のときに設定していた、確かにおっしゃるようにこれが一番基本的な単価で、それに想定している面積というものを掛けておりました。そこがもう何度も申し上げておりますが、PFI方式のときの単価というものを前提にした計算をしていたということでございます。ただ、説明としては、いつも申し上げてたのは、全体の事業費の中では、駐車場や外構についてはまだ詳細はできていないということと、一昨日も申し上げましたが、要望、提案、その仕様によっては変わり得るということをもっと明確に申し上げておくべきだったということは申し上げているとおりでございます。したがいまして、現在、変化がございましたが、50億円と63億円のその差のすべてが単価ということでは確かにございません。プロポーザルのときの内容については補足いたさせます。
○議長(伊藤優子) 田中企画部長。
○企画部長(田中洋次)(登壇) プロポーザル時におけます市からの提案の説明でございますが、市のほうの提案といたしましては、施設面積が7,000平米、事業費、建物の事業費30億円ということと、この経費30億円につきましては、駐車場、外構も含んでおりましたが、具体的な駐車場、外構につきましては、その建物によって変化もあるということでございますので、駐車場については提案もお願いしたいというふうなことで説明をいたしております。
○議長(伊藤優子) 水田史朗議員。
○5番(水田史朗)(登壇) 教育についてに移る前に、質問ではないんですけれども、述べておきたいことがあるので申し上げます。
冒頭に申し上げました文化センター、以下文センと言いますけれども、文センは築50年、耐震など安全性に関する不安について太田議員が専門的な立場と調査結果から議会ごとに質問されています。利用する市民からすれば、昨年来、地震に関する不安が増大する中で、もし子供たちが文セン利用中に地震が起きたらぞっとするなど、災害対策のみならず、市民の精神衛生上の問題もあります。建設から50年、半世紀の間に市民のライフスタイルは全く変化しました。特に、交通手段は、現在では自家用車が1人1台となりました。半世紀前に自家用車を保有していた家庭が一体どれだけあったでしょうか。昨年の5月から今まで、何度かスタッフとして大ホール、中ホールを使用しましたけれども、全く駐車場が足らない状況です。その意味で冒頭に申し上げました第五次長期総合計画記載の順位、総合文化施設の建設と運営設備、文化センター大ホールなどの改修と改築の具体的検討が後でいいのかということについて申し上げます。
総合文化施設の予算について今後審議しなければならないわけですけれども、まだまだ残された課題というのはたくさんあります。利用料金の予定もしてない、小劇場だってどうなるかわからない、端出場温泉保養センターとの関係に対する市民感情もあります。美術館の問題もあり、竣工後の維持管理費の問題もあり、市民文化センターとの相互関係、東日本大震災の中、国の交付金を使うことに対する市民感情の問題、これだけ論議するテーマが残っており、これだけ市民に理解を得なければならない課題が残っているにもかかわらず、現時点で総合文化施設の建設を今年度中に着工するようなことを今判断するわけにはいきません。1月15日に端出場温泉保養センターの赤字垂れ流しの責任を市民から問われて、市長はその時々の政治判断によるものですという趣旨のお答えをされました。二元代表制であるから、議会にも責任があるという発言ともとらえることができます。議論すべき課題がこれだけ山積しているのにもかかわらず、判断するわけにはいきません。
次の教育についてに移ります。
先月、泉川小学校で、トイレが汚いという地域からの声があり、即座に地域、PTA、学校、生徒が自主的に対応し、鍵山秀三郎さんで有名な掃除に学ぶ会の手法を取り入れたトイレ掃除が実行されました。教育委員会事務局の職員の方も参加したと聞いています。学校の環境整備及び美化に関して、教育委員会としてできることはもっとあるのではないかということをお尋ねいたします。
2番目に、平成24年2月20日、光市母子殺害事件で、最高裁の上告棄却がなされました。事件の内容や裁判の経緯については釈迦に説法ですので触れませんが、当時18歳だった犯人の父親について少し触れます。事件から7年後、テレビの取材に犯人の父親が応じました。親としての責任はと問われて、僕にできることは何もない、責任、責任って、ほなおれにどうせえちゅうんじゃ。被害者に謝罪の一言もしてないが、理由はと聞かれて、時間がなかったと答えています。しかし、レポーターが加害者の父親のふだんの生活を聞いて、時間は十分にあるじゃないかというふうに聞かれると、いや正直気まずいというか、被害者を下手に刺激しないほうがいいやろうと。事件の晩には、子供におまえがやったんじゃないかと聞いたなど、こういう発言がありました。本市の第五次長期総合計画でも、家庭教育の重要性がうたわれていますが、具体的にどのようにしようとされているのか、教育基本法でも、この教育の第一義的責任は親にあるとされています。しかし、我が国でそれを認識して子育てをしている人は意外に少ないのかもしれません。新居浜市のPTAも、保護者、ここではあえて親と言いますけれども、親の啓発には苦慮しているところがあります。しかし、家庭教育の重要性を近年訴える人も多くなってきました。
そこで、行政として、今後家庭教育を中心として、親やPTAとどのような連携を図り、家庭教育に係る成果を上げようとされているのか、お伺いします。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 教育についてお答えいたします。
まず、トイレ清掃に見られる学校支援の取り組みについてでございます。
学校支援地域本部は、平成20年度から平成22年度の3カ年、国の委託事業として設置が進められ、本市におきましても、事業の実施により、学社融合の実践が定着してまいりました。御指摘いただきました泉川小学校のトイレ清掃も、この学校支援の一環として行われたものでございます。この取り組みの発端は、昨年夏に行われた教育懇談会での保護者からの要望にさかのぼります。子供たちが学ぶ学校の環境を整えることについて、改善要望に終わらせるのではなく、自分たちでできることは自分たちでやろうという声が会員の中から上がり、今回4年生の全児童と地域住民、保護者、教職員が一体となって取り組んだものと聞いております。その内容は、単にトイレを清掃するという日常的なレベルのものではなく、汚れた便器を磨き、悪臭のもとを絶つ徹底したものであったと聞いております。児童も積極的に取り組み、教育上の成果も多大なものがあったと理解しております。今回のような活動は、学校と地域の相互信頼関係の上に成り立つものであり、行政といたしましては、地域の善意に甘えるのではなく、よりよい関係づくりが継続されるよう支援していかなければならないと考えております。平成23年度は取り組まなかった学校支援地域本部事業につきましても、平成24年度は国の補助事業として新たに4校区を加え13校区において取り組みたいと考えております。しかしながら、地域住民のボランティアの力でできることには限度があるのは御指摘のとおりでございます。また、地域においてできることにも違いがあります。本来、学校環境として整備しなければならない修繕等につきましては、公費によって行われなければなりません。整備すべきものは、学校と十分に協議する中で、適切に対応してまいります。
次に、保護者の教育についてでございます。
家庭、地域の教育力の向上を図り、社会全体で子供を育てる体制を整備することは、現在の教育の最重要のテーマであると考えております。現在の学校現場では、以前には想像もできなかったさまざまな事例が生まれています。その背景には、少子化、核家族化などの環境変化によってしつけや子育て、家庭教育全般に対して意識が薄い保護者の増加もあるものと考えています。第五次長期総合計画策定に当たっての市民意識調査でも、家庭教育の充実という項目が、教育文化フィールドにおいて最も重要度が高く、満足度は低いものに位置づけられております。今後も積極的な施策を展開すべき分野であると認識いたしております。現在、公民館では、PTAと連携して家庭教育講座を実施しておりますが、本来の家庭教育という目的とは離れ、趣味や教養に流れがちになっております。各学校のPTA会員の親睦も大切ですが、保護者として学習しなければならない課題について、今こそPTAの皆さん方と協議し、積極的に家庭教育に関する学習の機会を提供すべきであると考え、平成24年度の公民館で行われる地域教育力向上プロジェクト推進事業において、必須課題に位置づけ、取り組んでまいりたいと考えております。現在、新居浜市PTA連合会の皆さん方との協議中ですが、家庭教育の中でもとりわけ子供たちの安全、安心を確保すること、命の大切さを学ぶ教育を東日本大震災の教訓を生かしながら進めていく必要があるとの観点で計画いたしております。命の教育を通じて、きずなを大切にすること、人を思いやることを学びたいと考えております。また、教職員の積極的な家庭教育への関与も重要であると考えます。個人のプライバシーの問題もありますが、学校生活における児童生徒の実態を踏まえ、保護者の皆さんと一緒になって基本的な生活習慣、家庭でのしつけについて学ぶ場をつくっていくことが求められていると思います。子供にとって一番大事な教育の場は家庭です。家庭における教育の方向性が不明確な状況では、子供たちの将来にも不安を抱えてしまいます。そのような状況を少しでも改善していくことが、私ども教育行政の責務であり、保護者、教職員、そして地域住民の方々と十分話し合い、力を結集して、子供たちをしっかりと支えていくことができるよう努めてまいります。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。水田史朗議員。
○5番(水田史朗)(登壇) 家庭教育についての御答弁ありがとうございました。家庭教育講座を平成24年度、地域教育力向上の施策として行っていただけるということで、ぜひともPTAと協働体制を組んで進めていただきたいというふうに考えております。すなわち、常にPTAなどでもお話差し上げるのが、親になるための資格というのは何なんだろうかということなんです。市長になるにも選挙に勝たなければならないとか、あるいは大学に行くにも試験を通らなければならないとか、いろいろな試験というのが我々の社会にはあるんですけれども、親になるときに試験があるかというと、これはないんですね。非常に特異なものなんですけれども、親になってからいろいろ勉強していかなければならないことがたくさんあります。やっぱり勉強って案外みずから進んでやらないものですから、行政としてもやれることが多分にあるだろうというふうに考えておりますので、今後学校、それから地域、PTAが協働して進めていただければ幸いかと思います。
第1番目に質問申し上げた環境についてなんですけれども、相互信頼関係ができ上がったからこそ、こういうトイレ掃除とかというのができたというところの御答弁だったんですが、私が申し上げたいのは、そういうことが今できつつあるんですけれども、そうではなくして、予算をつけて、トイレの改修などをもう少し積極的にやってもらえないかということなんです。いや、耐震工事などで教育には相当お金がかかってますよと言われるのかもわかりません。でもそれは当たり前のことであって、よく市民から要望があるのは、総合文化施設で六十数億円もかけるのであれば、そういうお金をより教育のほうに回してもらえないだろうかと。子供が小学校に入りました。そのときに便所に入りました。気分が悪くなって、もう学校のトイレには行きたくないというふうな事象もあったわけです。それから、いまだに小学校のトイレで男女の間をカーテンで仕切っておるようなトイレもあります。また、生徒のことじゃないんですけれども、教職員用トイレであっても、上側が男性、女性、もうあいたままで、女性教員などは、やっぱり恥ずかしい気持ちがあるんじゃないんだろうかということを感じたりします。本当に税金を使うということは難しい問題なのかもわかりませんけれども、私の目から見て、教育にかかわる費用というものに関して、もう少し考えていただけないかということを申し添えて、質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(伊藤優子) この際、暫時休憩いたします。
午後 2時01分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 2時12分再開
○議長(伊藤優子) 休憩前に引き続き会議を開きます。
岡崎溥議員。
○16番(岡崎溥)(登壇) 日本共産党の岡崎溥です。早速入りたいと思います。
今回取り上げました消費税問題は、年金、医療、介護、保育など、社会保障の一体改悪で、市民の皆さんの福祉、暮らしを直撃するものであり、あわせて地域経済や市政へも深刻な打撃を与えるものとなると。さらに、低迷する日本経済をどん底に突き落とし、財政破綻を一層ひどくするものであるために取り上げさせていただきました。あれだけ全国民を塗炭の苦しみに追い込むあの犯罪的な事故を起こして、なお引き続き財界言いなりに4,000億円を超える原発推進予算、不要不急の大型開発など、その一方で、財政危機だと言いながら、富裕層や大企業には年間1兆7,000億円もの新たなばらまき減税、無駄遣いを続けながら、国民には大増税と福祉切り捨てのやり方です。とても許すことはできません。
まず、パネル1をごらんください。(パネルを示す)
消費税はどこへ消えたのか、これまで消費税は、導入するときも、5%へ引き上げるときも、福祉のため、社会保障のためと説明されてきたわけであります。ところが、福祉、暮らしは悪くなるばかり。一体集められた消費税はどこに消えたのか、これがそのグラフでございます。青い部分が集められた消費税総額224兆円、赤色の部分が法人税の引き下げで減収となった分でありまして総額208兆円、そのほとんどが法人税の減税に消えていきました。頭隠してしり隠さず、消費税増税と法人税の減税が一体になって進められていることがよくわかります。これが、上側に消費税の導入引き上げ、そして下側に法人税の減税が一体になって進んでいるということが明らかでございます。
次に、パネル2をごらんください。(パネルを示す)
勤労者世帯の可処分所得と消費支出でございます。折れ線グラフのピークになっている部分が、橋本内閣によって消費税5%への増税、これがされたときでございます。9兆円の負担増が強行されました。ところが、これまでは、可処分所得はずっとふえてきていたわけでございますが、これを起点にどんどん下がっていく、こういう実態でございます。それを上回る負担増によりまして、家計の底が抜け、消費が冷え込み、景気はどん底に落ち込みました。消費税5%への引き上げや労働者派遣法の改悪、これもあわせてされまして、働く者の3人に1人、若者では2人に1人が不安定雇用、民間平均賃金も約55万円下がりました。ワーキングプアが1,000万人を大きく上回る実態です。結婚できない、子供がつくれない、少子化、人口減少という深刻な社会問題となってきていること、それから50年先には日本の人口が何と4,000万人減るという予測も出されているところであります。逆に、大企業は、世界金融危機のときでさえ、内部留保を大幅に積み増ししまして、現在、266兆円、国家予算の3倍近い金をため込んでいるわけであります。金余りが伝えられるほどであるわけでございます。
次に、これは日本経済の成長率の推移でございます。(パネルを示す)3%への消費税導入とバブルの崩壊で、最初は高度成長だったわけですが、オイルショックで落ち込み、そしてまあ4%程度の中成長、そして消費税3%、バブル崩壊でがくんと落ち込んで、そして1%程度の低成長になったということでございます。その中で、1997年、これが先ほど言いましたあのピークのところだったんですが、景気が回復しつつあったというときに9兆円の負担増をかけて5%の増税です。で、最悪の事態に陥ったと。いろいろこのときに手を打ったということでございますが、野田首相の言葉をかりますと、橋本政権によって行われたこの増税政策は、最も愚かで最も無意味で破壊的な経済政策と言われることになるだろう。惨たんたる日本の経済の状況を身を持って感じたと、こういうふうに野田首相自身が語っているわけでございます。この言ったとおり、税収の落ち込みと景気対策のための財政支出で、国と地方の借金はわずか4年間で約200兆円も膨れ上がる、税収もマイナス14兆円も落ち込む、こういう実態になったわけでございます。驚くべきことに、この消費税5%への導入、引き上げ、このときからグラフの一番下に黒いバーで示しましたけれども、3万人を超える自殺者がこれを起点にしてずっと続いている、13年連続でございます。
さて、こうした中で、20兆円の負担が国民にかぶせられたらどうなるか、国民の暮らしに大きな打撃を与えることはもちろんでございますが、日本経済の底が抜け、財政破綻を一層ひどくすることは明らかでございます。
そこで、市長に伺います。
この無謀な消費税増税についてどう考えますでしょうか。市民の暮らしへの影響、地域経済への影響、あわせてお答えいただきたいと思います。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 岡崎議員さんの御質問にお答えいたします。
消費税増税と社会保障の切り捨てについてどう思うかということでございます。
まず、消費税につきましては、高い財源調達力を有しており、税収が経済の動向や人口構造の変化に左右されにくく安定していること、勤労世代など特定の者への負担が集中せず、経済活動に与えるひずみが小さいという特徴を持っております。
一方で、消費税引き上げによる景気への影響や低所得者の負担が大きくなるという逆進性の問題も懸念されるところであります。市民の暮らしの影響につきましては、一般家計への影響は、当然出てくるものと思われますが、社会保障制度との一体改革である、あるいは将来の少子高齢化や国の財政状況から、一定の理解というものは得られているのではないかというふうに考えております。国におきましては、低所得者へのきめ細かな対策を講じるとともに、今回の改革の必要性、具体的な内容など、国民への説明責任を果たし、国会で十分審議していただくことを望んでおります。
次に、地域経済への影響でございますが、消費税増税のマクロ経済に与える影響としては、やはり一般的には引き上げのタイミングと引き上げ方が重要であると言われております。景気の動向や段階的な引き上げなどを十分考慮し、地域経済への影響が少ない改革でなければならないと思います。
次に、本市の財政への影響でございますが、政府案では、消費税を5%引き上げた場合、地方消費税分として、市町村への配分は現行の0.5%から1.1%になることが示されております。消費者の買い控え等も考えられますことから、具体的な税収等については現在のところ不透明であります。ただ、引き上げられる場合には、地方消費税分、市町村への配分というのをよりふやしていき、地域主権につながるものであってほしいと思っております。
次に、消費税増税に市民の立場から反対すべきという御意見についてでございますが、先ほど申し上げたように、国民の世論としては、半分半分みたいなところではないかというふうに受けとめております。私自身は、安定した社会保障財源の確保やあるいは財政の健全化を進めるためには、税制のあり方として消費税の引き上げを検討するということはやむを得ないのではないかと考えております。ただ、その時期、またそれを提案する政府や国会、そこへの信頼なくしては国民にとっては受け入れがたいものがあろうかというふうに思っております。
○議長(伊藤優子) 岡崎溥議員。(16番岡崎溥「質問してないところまで答えていただきました。これから質問しようかと思いよったところ。わかりました」と呼ぶ)
○16番(岡崎溥)(登壇) それでは、財政にどう影響を与えるかということは、既に答えていただきましたけれども、実はこの5%への引き上げのときから、法人税、住民税、市民税ですね、個人市民税、合わせてこの2004年までのデータで見ますと、地方消費税交付金、これとの差し引きで25億円のマイナスになっているということでございますが、これはどういうふうに考えますか。
○議長(伊藤優子) この際、暫時休憩いたします。
午後 2時25分休憩 ―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 2時27分再開
○議長(伊藤優子) 休憩前に引き続き会議を開きます。
答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 税制改正によりまして、さまざまな影響がございますし、地方交付税等も含めまして、いろいろなプラス・マイナスがございますので、よく分析をしていきたいと思います。
○議長(伊藤優子) 岡崎溥議員。
○16番(岡崎溥)(登壇) ひとつよろしくお願いします。
市民への影響ですけれども、これ計算してみますと、この5%で現在かかっている負担が108億円。新たに108億円かかるということであれば、地方経済、市民の暮らし、大打撃を受けるんじゃないか思いますが、そういう点ではどうですか。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) おっしゃるとおり、消費税が5%上がれば、当然、各家計においてはその負担が上がるというのはもうそのとおりだと思います。ただそれと引きかえに何を得られるかということだろうと思いますので、社会保障に対する安心感、そういうものが得られれば、それはある程度理解はされるものだというふうに思います。
○議長(伊藤優子) 岡崎溥議員。
○16番(岡崎溥)(登壇) また後でいろいろやったらと思います。肩車どうとか、騎馬戦がただとか、いろいろ言よりますけども、おどしをかけて消費税を引き上げるというような動きに出てきておりますけれども、それに乗っかったら負けだというふうに思いますがね。
次に移らさせていただきます、時間がありませんので。
市政で子育て支援を重視していくことは言うまでもございません。特に、その大事な柱の一つでございます中学校卒業までの医療費無料化について伺いたい。既に県内では75%、15市町で実施されております。まず最初にお聞きしたいのは、小学校3年生、小学校卒業、中学校卒業、そして入院、通院の分割実施しますと、幾らそれぞれの段階でかかるかという点を伺いたいと思います。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 中学校卒業までの医療費無料化についてお答えいたします。
現在、県内の全市町では、就学前までの入院、通院について無料化を実施しておりまして、近年、助成対象を小学校、中学校卒業までと段階的に拡大する市町が見られるようになりました。
新居浜市において、助成対象を段階的に拡大した場合でございますけれども、小学校3年生まで拡大した場合、入院分が1,800万円程度、通院分では5,100万円程度、小学校卒業まで拡大した場合、入院分が2,800万円程度、通院分が8,600万円程度、中学校卒業まで拡大した場合、入院分が3,200万円程度、通院分が1億2,800万円程度の助成額が必要であると試算をいたしております。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。岡崎溥議員。
○16番(岡崎溥)(登壇) 段階的に実施していくということではどうですかね。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 段階的に実施をしていくのではどうかということでございますけれども、医療費無料化を検討するに当たり、特に考えなければならないのは、地域医療、特に医師不足でございます。小児科医に関して申し上げますと、平成14年、平成20年、比較いたしますと10人減少いたしております。そして、平成22年の小児科専門医師は14人となっております。
次に、救急医療が抱える問題がございます。症状の程度として特に軽症、軽症を合わせると、これ二次救急医療機関の患者さんですけれども、73%が特に軽症と軽症という結果になっております。加えて、119番通報から病院着までにかかる時間というのは、年を追うごとに増しているということでございます。これらの状況を踏まえますと、医療費が無料になれば、受診者は確実にふえることは想像にかたくないと思います。その結果、必要な医療が必要なときに受けられなくなりかねない、つまり医療費は無料だけれども、受診できないという事態になります。つまり、医療崩壊の危機であります。したがいまして、外来医療費の無料化というのは、子育て支援と地域医療にとって、いわゆるもろ刃の剣というふうなものと言えます。したがいまして、医療費の無料化については、慎重に判断していかなければならないというふうに考えております。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。岡崎溥議員。
○16番(岡崎溥)(登壇) 今までは金を理由にしてましたけども、今度はやる気はあるんだけど医者が足らないというような感じでしたが、ぜひいろいろ手を尽くして実施していただきたい。その理由は、民主党の目玉でありました子ども手当が、この3党合意によりまして10月から実質上廃止されたと。かなり負担がふえたと。年少扶養控除などを廃止したために、これも2億7,000万円の負担がふえたということでございますが、実態は幾らになってますでしょうか。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 再質問にお答えをいたします。
子ども手当でございますけれども、平成23年度の子ども手当につきましては、平成23年4月から9月までのつなぎ法分と10月からの特別措置法分について、仮に1年間支給されたと試算いたしますと、つなぎ法分が25億8,000万円程度でございます。特別措置法分が22億5,000万円程度という試算になりますことから、今回の特別措置法に基づく改正による減額は3億3,000万円程度となります。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。岡崎溥議員。
○16番(岡崎溥)(登壇) 合わせて6億円の負担がふえとると、子育て世帯に。この点、どう考えますか。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 再質問にお答えをいたします。
6億円ふえているというふうなことでございますが、その6億円の中身が少しわからないので、詳しくは申し上げられないんですけれども、総論として、子育て支援施策として現金給付、現物給付がございますけれども、ともにそれは現物も現金もふやせば理想であるというふうには思いますけれども、その6億円のその中身はわかりませんが、子育て支援施策として現物給付なり有効な施策に使えるのが望みといいますか、理想的だろうなというふうには思います。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。岡崎溥議員。
○16番(岡崎溥)(登壇) ぜひ医療費無料化等いろんな形でやはりこの負担増の見返りあるいは代替的な対応を考えるということでひとつ対応していただきたいというふうに思います。要望いたしまして質問を終わります。ありがとうございました。(ブザー鳴る)
○議長(伊藤優子) 太田嘉一議員。
○6番(太田嘉一)(登壇) 無会派の太田嘉一です。よろしくお願いいたします。
昨年より強く要望していました市民文化センターの耐震診断が、平成24年度に事業化されることになり、まずお礼を申し上げておきます。築50年を迎え、耐震診断が受けられるこの機会を、今後更新に向けたきっかけになるよう努力したいと考えていますが、市には、建物の法定耐用年数の50年をいつの間にやらまた65年にすることのないようによくお願いをしておきます。この文化センターに限らず、新居浜市では、他の公共施設やインフラの老朽化が進み、今後これらの更新が財政的にも大きな問題となってくるものと思われます。
そこで、これらの施設を市民の生命、財産を守ることの重要度からとか、市民の利用頻度とか、その古さの度合い等を考慮して優先順位をつけ、効率よく補修、補強をして延命化を図るものとあるいは改築しなければならないものとに分けるなど、めり張りのついた施策が必要になってきます。人口の減少が予測される次世代への財政負担を軽減することが今重要で、必要なものに必要な分だけ予算化し、効果効率的な自治体運営に取り組むことを強く望むものであります。
そこで、市は、アセットマネジメントの推進を位置づけ、予防保全の実施による施設の長寿命化やライフサイクルコストの縮減、将来更新費用の平準化等による財政負担の軽減に取り組むことを計画していますが、この計画では、やらなければならないことを、大した対策もせず、ただ先送りしているだけのように見えます。中身の伴った計画を期待しております。ただ、基本理念には大いに賛同いたします。基本理念の次世代への財政負担を軽減することは重要で、賛成いたしますが、それならば、なぜ今、63億5,000万円もかけて、目的のはっきりしない建物、総合文化施設を建設しようとしているのか、私にはとても整合性のある施策とは思えません。今なぜその建物が必要なのか、市長にお答えをいただきたいと思います。
この総合文化施設の建設計画については、担当課から説明を何度も受けました。何度も受けましたが、何度説明を聞いても、今なぜその施設が必要なのかは今まだ理解できません。その個々の説明もごまかしっぽく聞こえるだけで、心に響くものは何もありません。議員なんてものは適当にごまかしておけば何てことはないと考えているとしか思えません。少々の反対はあるけれども、どうってことはないと考えておられるのでしょうか。
市長にお尋ねいたします。
市長になって11年余り、この間、新しい箱物は一個もつくっていません。改築はしても、新築はなかったと思っています。ものづくり産業振興センターとか自治会館は、補助のこともあり例外です。新しい箱物をつくらないのは、あなたの信念だと思っておりました。それがなぜ今、63億5,000万円もかけて、目的のはっきりしない新しい施設を建設しようとしているのか、私には理解できないし、そう思っておられる市民も多いのではないかと思います。
そこで、建設をされるのだろうとは思いますが、お尋ねします。市民の心に響くような答弁をお願いいたします。
続いて、マイントピア別子についてお尋ねいたします。
マイントピア別子の温泉保養センターについて、存続か廃止かの議論は尽くされていて、質問が重なるかもわかりませんが、よろしくお願いいたします。
マイントピア別子及びその関連施設は、平成3年6月にオープンしましたが、その創業理念は、1つ、住友企業の産業遺産を利用した観光開発及び観光事業、1つ、温泉保養施設を利用し、市民に保養と憩いを与える、私はこの2つだったと認識しております。だとしたら、ある程度の財政負担は想定の範囲だったと思われます。費用負担が想定を超えていたと言われるなら、それ以上の営業努力、経営努力でカバーすべきだと思います。一度つくり上げたものを廃止することは、大変な損失で、温泉保養センターは廃止すべきでなく、存続を前提に検討すべきだと考えます。市長は、市長になる前から、マイントピア別子の経営状況には危機感を持っておられたはずです。それが市長になり、株式会社マイントピア別子の社長に就任後、大した指導もせず、経営努力もさせてこなかったのですから、累積赤字が多くなった原因の大半は、あなたに責任があるのです。ここは、みんなで知恵を出し合い、抜本的な経営改革を断行し、温泉保養センターを期限を切ってでも存続させるべきと思いますが、市長には廃止を決めておられるようですが、再考の余地はないのか、お尋ねいたします。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 太田議員さんの御質問にお答えいたします。
まず、総合文化施設の建設計画についてのうち、アセットマネジメントという考え方からいくと、目的意識のはっきりしない文化施設に63億5,000万円もの金額を投入するのは相反するのではないかということについてでございます。
今回、新居浜駅前地区の大街区に建設予定いたしております総合文化施設につきましては、新居浜駅前のにぎわいづくりの核施設、また新しい新居浜市の玄関口の顔として創る、学ぶ、育むというコンセプトで建設しようと考えております。これまでも市議会や市民説明会などでも御説明申し上げてまいりました。施設を複合的に整備することで、違う分野の方々が交流や連携をして、新しい文化の創造や発信ができるものと考えております。建設後については、アセットマネジメントの手法により、施設管理を図ってまいりたいと考えております。
次に、総合文化施設の必要性について、市民への説明が不足しているのではないかということでございます。
本施設につきましては、昭和49年の市議会における美術館建設の請願採択を契機に、第二次長期総合計画から現在の第五次長期総合計画に至るまで、文化振興の柱として位置づけ、先人の皆様の思いを受け継いでまいりました。それだけ長い時間をかけながら、まだ実現をしてなかったということは、今も起こっているような、なぜ必要なのか、中身はどうするのか、お金はどうするのかという議論が繰り返し繰り返し行われてきたということでございます。議論をしているうちに、議員の皆様方も交代をして、また一から議論が起こるということの繰り返しをこれまで私は続けてきたというふうに思っております。逆に申し上げますと、そういう公共施設をつくるときには、それだけより慎重に新居浜市としてはトータルとして対応してきたということかもわかりません。そういう経過を経て、今申し上げたような約40年にわたる経過、そして単独美術館から複合型の文化施設、さらに駅前の土地区画整理事業も、これも私の記憶している限りでは20年以上にわたり、駅周辺整備ということで取り組み、これもさまざまな議論がありながら今日まで来ております。私としては、駅前土地区画整理事業によって生み出した大街区に、そして総合文化施設を建設して、その基本的なことは今私たちが定めていかなければなりませんが、その大きな使い方について、これから後の世代の皆さん方も十分工夫をしたり、活用できる、そういう場所を未来への継承として残していきたい、そういう気持ちでございます。個人的な気持ちというよりも、長年の取り組みを踏まえて、完結をしたいという思いでございます。太田議員さんから御紹介いただいてお褒めいただいたのかもわかりませんが、確かに箱物と言われるような公共施設はつくっておりませんし、私の最初の市長選挙の公約は、総合体育館建設の反対でございまして、市長就任後、基本構想の予算を執行しないということからスタートいたしました。その私が、今、公共施設の建設を推進して、また議会から反対もいただいているという、11年の経過の中で自分が変わったのかあるいは周りの環境が変わったのか、そんなことを思いながら聞いておりましたが、議会を軽視ということではなくて、権限として公共施設の建設をあるいはストップすることができるのも議会でございます。また、住民の立場からいえば、住民投票条例などというものもございます。意見が合わない場合にあるいは大型施設を建設する場合に、住民の声を聞いてみるというのも一つの方法ではないかと思いますが、私としては、ぜひ行政と市民、そして議会の皆さんとで一致した考えを得て進めていきたいと、それを願って御説明をしているところでございます。したがいまして、これまでの説明が足らないと言われればそうなのかもわかりませんが、私の持つ時間と能力は、フルにこの問題についてこの11年間、区画整理や文化施設について説明をしてきております。しかし、中身において、種々指摘をされているような変更があったりあるいはまだ不確かなところがあるということは事実でございますけど、今の段階で確定的に申し上げられることとあるいはまだある一定の範囲の中でしか申し上げられないこともございますので、そういうことも十分説明をしながら、これからの取り組みを進めてまいりたいと、そう思っております。
次に、マイントピア別子の温泉保養センターについてでございます。
これも御指摘のとおり、11年前のときに、マイントピア別子のトータルの経営形態として、市直営の温泉保養センターと第三セクターとさらにはテナントという、そういう三元体制になっているマイントピア別子の管理体制というものについて問題提起をいたしてまいりました。ただ、逆に申し上げますと、市の直営、第三セクターという仕組みの中で続けてこれたという一面もあろうかというふうに思っております。創業当時の理念や設置目的は、それまで、そして今もそうでございますけど、製造業を中心とした工業だけの産業構造から、観光による新しい産業おこしも図っていき、瀬戸内の中核都市として、魅力あるまちづくりを進めていくということであり、新居浜固有の文化、歴史財産である別子銅山の産業遺産、すぐれた自然環境を、当初南部観光開発というふうに申し上げておりましたが、南部地域の山岳資源を生かした観光レクリエーション開発により設置されたものでございます。また、端出場温泉保養センターについては、高山観光のみでは目的性も弱く、滞在時間も短い、またリピート性も低いということで、温泉施設を組み合わせることで、誘客面での相乗効果を発揮させたいというのがねらいでございました。マイントピア別子の経営につきましては、私が市長となって以来といいますか、それ以前の民間社長の皆様方も努力をしていただいておりましたが、経営努力として、温泉と食事のセット券、使用料の見直しや高齢者福祉センターの送迎バスの運行など、これは条例に定める市民の保養、健康というものを目的としておりました。さらに、営業時間の延長による利便性の向上、温泉施設の休息コーナー、またグラウンドゴルフ場をオープンさせて集客に努めますし、シャクヤクやフユザクラの花観光というものにも取り組んでまいりました。さらには、株式会社による観光坑道のリニューアルということもございまして、この面につきましては、現場の専務以下、従業員も非常に努力をしてきたというふうに私は思っております。しかし、温泉施設そのものは、観光施設へのプラス要素が少ない、そして大型、大きな機器の改修時期ももう近づいてくるという中で、あるべき姿として考えた場合に、選択として引き続いて運営していくことはこの際断念をしたいという判断をしたところでございます。しかし、今もいろいろな御意見がございますように、温泉存続、また温泉利用の立場からの御意見もございましたので、三菱UFJリサーチコンサルティングに委託をして、温泉施設の存続案と観光施設としての再生案の検討を行っている段階でございます。したがいまして、現在の温泉施設の形態、体系で運営をしていくということについては、考えていないということでございます。いずれにしろ、両案を含めて、これからも検討していきたいというふうに思っております。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。太田嘉一議員。
○6番(太田嘉一)(登壇) 再質問いたします。
まず、市民文化センターについてですけれども、市民文化センターは、ことしで築50年になります。築50年を迎えて耐震診断をしてないということについては、遅きに失した感もありますけれども、これからそれなりの対策をしていただいて、耐震診断をする、耐震診断を受ければ、対策を必要とするわけですから、着々と前進していっていただきたいと思っております。私自身もできる協力をしたいと考えております。
それと、総合文化施設の建設計画についてでございますが、市長は、先ほど、土地区画整理事業の中のことで話をされたんですけども、市長はそれがプラスになって、プラスの面でのお話をされたかと思いますけれども、市民の多くは、駅前の土地区画整理については、よかったと思っている市民のほうが少ないと思っているんです。その中で、さらに63億5,000万円もかけて目的のはっきりしない施設をつくろうとしているから、ちょっと待ってほしいということになっているんだろうと思っておりますし、私もそう思っております。なぜ必要なのかをもうちょっと本音の説明で、市民の胸に響くような説明を市長がされたらいかがかなと思っております。
それと、市長、温泉保養施設を今後10年間営業し続けたら12億幾ら赤字が出るから廃止をするというふうなことも一つの理由にされておりますけれども、この駅前の総合文化施設を建設して10年間運営したら、恐らく80億円以上の負担にはなろうかと思います。温泉保養センターを10年営業して十何億円、駅前の総合文化施設を建てて、10年間で80億円以上、恐らくもっとかかろうかと思います。それとの整合性についての説明を、恐らく比較対象にはならないものだと思っておりますけれども、費用がかかるということについては同じことなので、市長にちょっと説明いただきたいと思います。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) マイントピア別子の温泉保養センターの維持費と新しい総合文化施設の維持費、80億円というのは、63億円と1億6,000万円の10年で16億円で合わせて80億円ということですかね。(6番太田嘉一「そうです」と呼ぶ)
そういう意味ですよね。マイントピア別子温泉保養センターのほうは、一定の施設改修と年間の分を合わせて12億円ということなんで、ちょっと12億円と80億円というちょっと比較にはならないんじゃないかというふうに思います。しかし、12億円と16億円ということであれば、単純な話で言えば比較というようなお話だと思います。確かに一つ一つをどう比較をしていくかということはありますし、単年度での比較とこのように通算した比較ということがあると思います。一番違いますのは、温泉保養センターの場合、最初の御質問で、一定の負担は覚悟ということでございましたが、設備投資は別にしても、入浴料で維持費は賄えるという考え方であり、実際にそれが何年かはなされてきた過程がございますし、その持ち出しが少しずつふえる中で、少しずつふえていって5,000万円なり6,000万円なりになってきた、その過程では、余り議論にはなりませんでした。しかし、今の時代、先ほど申し上げたような大規模改修と、もともととにかくお金がかかるということがきっかけですが、スタートである観光施設としていきたいというほうが主な考え方でございますので、まずその考え方が違うという、そういうところがございます。予算については、もう最終的に、全体の予算の中でどう賄っていくかということになりますので、単年度で言えば、支出できる予算の上限がありますし、今のやり方では10カ年で上限を定めながら、その中でやりくりをしていこうと。優先的に充てるべき予算が決まれば、あと段階を追って必然的に廃止をしたりあるいは少し縮小したりというものは出てきます。これは、予算編成上、そういう方針を持ってないと、膨れ上がり、膨れ続けるというようなことからそう取り組んでいるところでございます。ですから、一つ一つの事業とその費用に対する効果、全体の市の予算の中でおさめていけるものかどうかということを主に考えているところです。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。太田嘉一議員。
○6番(太田嘉一)(登壇) 総合文化施設の建設計画については、ほかで議論する場もあろうかと思いますので、改めます。
マイントピア別子の温泉保養センターについて、市長は観光事業としては向いてないけれどもというようなことがありましたが、その分、利用者もたくさんおられることです。利用者のことも考えれば、存続という道も探してもいいんじゃないかというふうな気がいたします。まずは大規模改修を実施し、財政負担の少ない施設に改造し、運営面では組織変更をも含むような経営改革、改善を行って、みんなで経営努力すれば施設の存続への道も開けてくるもんじゃなかろうかと思っております。市長さんには耳の痛い話だと思いますけど、市長は選挙のときに、市長として経営感覚を持って、新居浜市のトップセールスを行いますと言わなかったですか。こういう際ですから、マイントピア別子についてトップセールスマンとして営業努力をしていただきたいと思っております。協力はいたします。温泉保養施設の存続について再考を望みます。強く要望しておきたいと思います。これで終わります。
○議長(伊藤優子) 高須賀順子議員。
○17番(高須賀順子)(登壇) 日本共産党の高須賀順子です。
伊方原子力発電所の問題についてお尋ねします。
まず、伊方原発の再稼働を許さず、反対の声を県に要請してください。伊方原発は、唯一稼働していた2号機が停止することにより、3号機が運転を開始した1994年以降、初めて全基停止することになりました。これにより、四国では原発由来の電力はゼロとなり、原発なしで四国の電気は確保できることが証明されました。全国54基の原発のうち、運転中は2基となり、4月には残り2基も運転停止となります。再稼働反対の世論と国民的な運動の広がりがもたらした結果であります。原発ゼロを目指す戦いは、ことしが正念場となっています。最悪の人災、福島原発事故から1年がたちました。ここ新居浜市でも、3・11とめよう伊方原発新居浜パレードが行われます。原発ゼロを目指すこの一点で協働する市民のパレードです。この機会に、原発エネルギーの見直しをせよと地方自治体から声として上げるべきと思いますが、市長の見解を求めます。
伊方原発再稼働を許すな。
福島原発事故が収束せず、原因も解明されていない現在、国の判断を待つのではなく、他県の先進例、被災した福島県は、すべての原発を廃炉にせよと、静岡県は浜岡原発はやめる、新潟県は福島原発の収束と解明以前には再稼働はないと県独自の態度を明確にしています。伊方原発は、必ず来ると言われている南海大地震、間近の大活断層によるマグニチュード8クラスの地震があるとされています。再びこうした事故が起きれば、今度は西日本が壊滅的な状況になります。原発からの撤退を明確に政治が決断すべきだと考えます。答弁を求めます。
原発の安全神話が崩壊した今、伊方原発の万一に備えて、市長として市民の安全、安心をどのように確保しようと考えておられるのか、沃素剤の確保を初め、放射能の危険から市民の安全を守るために、避難方法や対処の仕方などについて具体的にお考えをお聞きしたいと思います。
ドイツでは、国として脱原発へかじを切りました。その背景には、地方自治体の再生可能エネルギー開発があります。四国でも、高知県梼原町が、全国の先進自治体として注目を集め、小水力、太陽光、風力を生かしています。幾つかの自治体が、特性を生かした開発を始めています。山にも海にも恵まれた新居浜市も、産業振興もにらんで対策課を設置して、積極的に取り組むべきと思いますが、御所見をお伺いします。
国民健康保険料について。
新居浜市は、2010年の9.6%、7,753円の値上げを行い、3年連続値上げの方針でした。市民から悲鳴が上がり、日本共産党は対市交渉や署名を行ってきました。また、議会ごとに値上げを中止するよう要求してまいりました。その後、佐々木市政は、2011年度も据え置き、2012年度は法定外繰り入れ約2億円、基金2億5,864万2,000円の繰り入れなどを実施して値上げ抑制、据え置きなどに努力したことを高く評価します。神戸市は、単年度赤字が発生した場合には、赤字回避のため、即一般会計から繰り入れて、収支がゼロになるように、財政当局と申し合わせているという、こんな制度が実現すれば、安全、安心な新居浜国保に生まれ変わることは間違いありません。市長が決断すれば、財政の余裕もある新居浜市でこそ実現可能であり、これからも当局の英断を求めます、お考えをお聞かせください。
1つ、国保料1世帯1万円の引き下げをしてください。
2つ、一般会計からの繰り入れのない介護保険料の大幅値上げに見られるように、国保の広域化はやめるべきだと思いますが、御見解をお尋ねします。
TPPと新居浜市の農業について。
野田政権は、環太平洋連携協定TPPへの参加に足を踏み出しました。例外なき関税撤廃が前提のTPPへの参加は、農業に壊滅的な打撃を与えるとともに、農業再生の展望を大もとから破壊するものです。野田政権の一挙手一投足に国民の批判が起こることは間違いありません。
そこで、新居浜市の農林水産業費は、平成24年度、5億3,500万円で、前年度比較で2,253万8,000円減額されました。予算全体の構成比は、わずか1.1%であり、まことに少額です。その中でも、土木関連費等を除くと約2,000万円、これでは既に農業は捨てられています。命をはぐくむ農業がこれでいいのでしょうか。農業従事者のほとんどが高齢で、担い手がおらず、いつ農業をやめるか、時間の問題となっています。新居浜市の農業について、市はどのような方針を持っているのか、答弁を求めます。
新居浜市農業委員会は、市長への建議書を提出しました。その一つに、持続可能な農業経営を行う上で、集落営農の組織化は重要な方策である。各地域で活動している共同機械利用者部会を中心に、集落営農組織として活性化し、発展するよう関係機関、団体が連携して推進に努めることを要望しています。約18年前、共同機械利用者部会へ、新居浜市が約5,000万円、農協が5,000万円、農家が約1億円出資して、合計約2億円でスタートしました。それ以降、2台目、3台目の買いかえをいたしましたが、市の援助は一切ありません。オペレーターは、集落の農地を守るために、ボランティアに近い形で頑張っています。新居浜市は、共同機械利用者部会に予算をつけて、集落営農組織として活性化し、発展させるよう、市として支援すべきと思うが、答弁を求めます。
○議長(伊藤優子) この際、暫時休憩いたします。
午後 3時11分休憩
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午後 3時20分再開
○議長(伊藤優子) 休憩前に引き続き会議を開きます。
答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 高須賀議員さんの御質問にお答えします。
伊方原子力発電所の問題についてでございます。
まず、伊方原子力発電所の再稼働反対の要請についてでございます。
現在、伊方原発3号機は、四国電力が実施したストレステスト1次評価の結果について、原子力安全・保安院による審査を受けておりますが、再稼働に当たっては、今後さらに原子力安全委員会、国際原子力機関の検証を経て、首相や経済産業大臣ら3閣僚が判断し、かつ愛媛県と地元自治体が了承することが条件となっております。愛媛県においては、国の方針や四国電力の姿勢、地元自治体の意向を総合的に判断し対応していただけるものと考えており、直ちに県に対して要請を行うことは考えておりません。
次に、原発エネルギー見直しについてでございます。
四国電力によりますと、冬場の電力需給状況につきましては、個人や企業の節電協力もあり、何とか乗り切れる見通しでありますが、このまま伊方原発3号機が再稼働できない場合、延期している火力発電所の定期検査も必要であり、夏の需給見通しについては、供給力の余裕を示す予備率がマイナスになる可能性が強いとし、節電要請の実施を示唆しております。
このようなことから、原発に依存しないエネルギー政策の見直しが必要であると考えておりますが、電力不安の長期化による市民生活や経済活動への影響を考えますと、原発廃止の議論とあわせて、完全に原子力発電に依存しない社会の実現というのをいつまでに目指すのかというスケジュールを定めて、それに対して代替エネルギーの開発、省エネの推進、原子力消費量の抑制というものをやっていかなければならないと考えております。
次に、伊方原発に万一の事故があった場合の市民の安全確保についてでございますが、国や関係機関から、原発周辺地域等での放射線量の情報を収集し、正確な情報を必要に応じて防災行政無線や広報車、ホームページ等のあらゆる情報伝達手段を用いて適切かつ迅速に伝達し、市民の皆様がより適切な防災行動がとれるよう、確実な情報提供を行います。また、沃素剤の保管につきましては、愛媛県地域防災計画(原子力災害対策編)等に基づき、原子力施設を中心としたおおむね半径20キロメートル以内の地域に保管されております。現在、本市では、沃素剤を保管しておりませんが、今後国、県の新たな方針及び他市町の動向にも注視しながら対応してまいりたいと考えております。
次に、再生可能エネルギー開発についての対策課の設置についてでございます。
再生可能エネルギーのうち、太陽光発電につきましては、平成21年7月より、住宅用太陽光発電システム設置補助を開始し、公共施設においても、市内小中学校や慈光園等に太陽光発電システムを導入しており、バイオマスの利用については、現在、下水処理場で発生するメタンガスの売却を行っております。また、産業振興をもたらす対策といたしましては、市内企業の事業活動においても、低炭素型事業の企業立地やエネルギーの有効利用等の設備投資に対する奨励金制度を設け、企業の取り組みを支援しております。このようなことから、今後も庁内関係部署での連携を図ることによりまして、再生可能エネルギーの促進に努めてまいりたいと考えております。
以上申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足いたさせます。
○議長(伊藤優子) 補足答弁を求めます。神野福祉部長。
○福祉部長(神野洋行)(登壇) 国民健康保険について補足を申し上げます。
まず、一般会計からの繰り入れによる1世帯当たり1万円の保険料引き下げについてでございます。
保険料負担を軽減するための繰入金は、あくまで法定外の政策的な繰り入れでございまして、一般会計の財政状況等を勘案した上で、総合的に判断することとなります。平成24年度の保険料率につきましては、本年2月に新居浜市国民健康保険運営協議会から据え置きとの答申を受けているところでございますが、国民健康保険の財政運営は、より厳しくなることが予想されますことから、引き下げは困難な状況でございます。今後におきましても、国民健康保険制度を堅持していくために、将来にわたり健全な財政運営を図ってまいりたいと考えております。
次に、国保の広域化についてでございます。
平成22年12月に発表されました国の高齢者医療制度改革会議の最終取りまとめによりますと、平成25年度から75歳以上の高齢者は、市町村国保、または被用者保険に加入した上で、国保については平成25年度から75歳以上の財政運営を都道府県単位とし、さらに平成30年度からは、全年齢で都道府県化とすることとなっております。しかし、国保財政への支援強化についての全国知事会からの要請などもあり、平成25年度からの新制度移行は、不透明な状況になっております。国保の広域化は、国保財政の安定化あるいは被保険者の年齢分布、所得分布、医療給付費の格差の平準化等につながることが考えられ、構造的な問題を抱えた国保が、将来にわたり安定した運営を維持し続けるためには、市町村単位からこれを広域化した都道府県単位で行うことが必要であると考えております。今後におきましても、社会保障と税の一体改革など、国の制度改革の動向を注視してまいりたいと考えております。
○議長(伊藤優子) 佐々木経済部長。
○経済部長(佐々木一英)(登壇) TPPと新居浜市の農業について補足を申し上げます。
TPPにつきましては、現在、交渉参加国との協議が順次行われているところでございます。外務省の発表よりますと、これまでベトナム、ブルネイ、ペルー、チリの4カ国からは、全体として我が国のTPP交渉参加への支持の表明があったとのことでございます。しかし、我が国がTPP交渉に参加するためには、現在交渉に参加している9カ国すべての同意が必要となっておりますことから、今後残る各国の動向にも注意していくことが必要となっております。このように、現在は、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入った段階でありますことから、TPP交渉参加への影響につきましては、不透明な状況に変わりはございません。今後、TPPにつきましては、国レベルにおいて、正確な情報収集が行われ、国民への情報公開と徹底した議論がなされた上で、国益を重視した判断がなされるものと思っております。
お尋ねの日本の農業を守るため、TPPに関する市としての方針につきましては、判断材料となる情報が公開された段階において判断すべきものと考えております。
次に、集落営農組織への支援についてでございます。
集落営農は、経営の効率化、農業、農村の維持発展が図られるほか、法人化することにより、継続的な運営が可能となるといった利点がございます。現在、新居浜市では、JA新居浜市の10の共同機械利用者部会が、集落営農の機能を果たしており、本市における農業の維持と生産農地の保全に大いに貢献していただいているところでございます。市といたしましても、本市農業は、農業従事者の高齢化や担い手不足といった諸問題を抱えておりますことから、共同機械利用者部会のような集落営農組織の果たす役割は大きく、必要性も高いものと認識をいたしております。それらのことから、集落営農の安定化を図るため、JA新居浜市に対し、法人化への検討を視野に入れた取り組みについて先般、再度お願いしたところでございます。集落営農に対する市の支援につきましては、愛媛県から調査のありました平成24年度愛媛県集落営農組織確保推進事業について、農業用機械の更新について実施要望を提出いたしております。今後、この結果を見守りつつ、集落営農に対する支援策につきまして検討いたしてまいりたいと考えております。
以上で補足を終わります。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。高須賀順子議員。
○17番(高須賀順子)(登壇) まず、原発についてですが、知事や地元市町長は、法律を超えた権限を持っています。市長会は、原発ゼロに向けてどんな話し合いがされているのか、市長にお尋ねします。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 市長会ではどういう話し合いがされているかということでございます。
まず、市長会あるいはトップミーティングの場におきまして、中村知事から、愛媛県の考え方、つまり先ほど申し上げたような国の方針をきちんと定めること、また四国電力に対して情報連絡等を含めたさまざまな要求をしていると。実地自治体の意向というものも総合的に判断をしたいというような考え方を聞かせていただいております。また、原発立地に近い市からのその安全性に対する要望なども出ているということであり、近々で言えば、4月、5月に市長会もございますので、また改めて対応を協議するということにもなろうかと思います。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。高須賀順子議員。
○17番(高須賀順子)(登壇) 先ほど農業費は「約2,000万円」と言いましたが、「約1,000万円」です。まことに少ないです。それで、もう一度確認しますが、市のほうから法人化を要求しておるんですね。そういうふうに聞こえたんですが。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木経済部長。
○経済部長(佐々木一英)(登壇) 高須賀議員さんの再質問にお答えいたします。
いわゆる法人化することによりまして、いろいろ農業、生産上のメリットがございますので、そういったことについて検討していただくようお願いをしているというようなことであります。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。高須賀順子議員。
○17番(高須賀順子)(登壇) 私、先ほど自然エネルギー対策課を設置してほしいと言いましたが、各課連携して努力はするという話ですが、先頭を切ってやる課をお願いしたいんですが、市長、答弁をお願いします。
○議長(伊藤優子) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 先ほども申し上げましたように、各課連携をしてということで、直ちに対策課を設置するというところまではまだ至っていないということでございます。御要望としてはお聞きをいたしますが。
○議長(伊藤優子) 再質問はありませんか。高須賀順子議員。
○17番(高須賀順子)(登壇) 原発のことについて、市長が先ほど適切な対応とおっしゃいましたが、原発事故にはもう適切な対応などありません。もうそれは福島が証明しておりますので、市長も先頭に立って、原発ゼロに向けて、国民が生き残るための努力をしてほしいと要望申し上げまして、終わりにします。ありがとうございました。
○議長(伊藤優子) これにて一般質問並びに議案第24号ないし議案第43号に対する質疑を終結いたします。
お諮りいたします。議案第24号ないし議案第35号の12件については、24人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤優子)
御異議なしと認めます。よって、議案第24号ないし議案第35号の12件については、いずれも24人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決しました。
議案第36号ないし議案第43号の8件は、いずれも議事日程に記載のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
お諮りいたします。ただいま設置されました予算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第8条第1項の規定により、正副議長を除く24人を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤優子)
御異議なしと認めます。よって、正副議長を除く24人の議員を予算特別委員に選任することに決しました。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
お諮りいたします。議事の都合により、3月9日から3月22日までの14日間、休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊藤優子) 御異議なしと認めます。よって、3月9日から3月22日までの14日間、休会することに決しました。
3月23日は午前10時から会議を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後 3時37分散会