本文
目次
議事日程
本日の会議に付した事件
出席議員
欠席議員
説明のため出席した者
議会事務局職員出席者
開議(午前10時00分)
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 一般質問
仙波憲一議員の質問(1)
1 地方分権と地方主権の違いの認識について
佐々木市長の答弁
1 地方分権と地方主権の違いの認識について
仙波憲一議員の質問(2)
1 地方分権と地方主権の違いの認識について
佐々木市長の答弁
1 地方分権と地方主権の違いの認識について
仙波憲一議員の質問(3)
1 地方分権と地方主権の違いの認識について
佐々木市長の答弁
1 地方分権と地方主権の違いの認識について
仙波憲一議員の質問(4)
1 地方分権と地方主権の違いの認識について
2 食料の自給率について
佐々木経済部長の答弁
2 食料の自給率について
仙波憲一議員の質問(5)
2 食料の自給率について
佐々木経済部長の答弁
2 食料の自給率について
仙波憲一議員の質問(6)
2 食料の自給率について
佐々木経済部長の答弁
2 食料の自給率について
仙波憲一議員の質問(7)
2 食料の自給率について
3 観光行政について
佐々木市長の答弁
3 観光行政について
仙波憲一議員の質問(8)
3 観光行政について
佐々木市長の答弁
3 観光行政について
仙波憲一議員の質問(9)
3 観光行政について
休憩(午前10時54分)
再開(午前11時04分)
神野敬二議員の質問(1)
1 林業政策について
2 生物多様性について
(1) 森林における生物多様性
(2) レッドデータブック
3 木質バイオマスについて
佐々木市長の答弁
1 林業政策について
2 生物多様性について
(1) 森林における生物多様性
3 木質バイオマスについて
堀田総務部長の答弁
1 林業政策について
曽我環境部長の答弁
2 生物多様性について
(2) レッドデータブック
佐々木経済部長の答弁
1 林業政策について
休憩(午前11時49分)
再開(午後 0時59分)
真木増次郎議員の質問(1)
1 ハチアレルギーについて
阿部教育長の答弁
1 ハチアレルギーについて
近藤福祉部長の答弁
1 ハチアレルギーについて
真木増次郎議員の質問(2)
1 ハチアレルギーについて
2 空き家対策について
堀田総務部長の答弁
2 空き家対策について
源代建設部長の答弁
2 空き家対策について
真木増次郎議員の質問(3)
2 空き家対策について
3 デジタル教科書の普及について
阿部教育長の答弁
3 デジタル教科書の普及について
真木増次郎議員の質問(4)
3 デジタル教科書の普及について
4 観光戦略について
佐々木市長の答弁
4 観光戦略について
真木増次郎議員の質問(5)
4 観光戦略について
5 期日前投票について
岡選挙管理委員会事務局長の答弁
5 期日前投票について
真木増次郎議員の質問(6)
5 期日前投票について
散会(午後 1時45分)
本文
平成22年12月7日 (火曜日)
議事日程 第2号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
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本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
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出席議員(28名)
1番 神 野 敬 二 2番 西 原 司
3番 永 易 英 寿 4番 古 川 拓 哉
5番 伊 藤 謙 司 6番 西 本 勉
7番 高須賀 順 子 8番 岩 本 和 強
9番 大 石 豪 10番 大 條 雅 久
11番 藤 原 雅 彦 12番 真 鍋 光
13番 藤 田 豊 治 14番 高 橋 一 郎
15番 藤 田 幸 正 16番 伊 藤 優 子
17番 藤 田 統 惟 18番 岡 崎 溥
19番 伊 藤 初 美 20番 石 川 尚 志
21番 村 上 悦 夫 22番 佐々木 文 義
23番 真 木 増次郎 24番 仙 波 憲 一
25番 白 籏 愛 一 26番 近 藤 司
27番 加 藤 喜三男 28番 山 本 健十郎
――――――――――――――――――――――
欠席議員
な し
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説明のため出席した者
市長 佐々木 龍
副市長 石 川 勝 行
企画部長 田 中 洋 次
総務部長 堀 田 高 正
福祉部長 近 藤 清 孝
市民部長 工 藤 順
環境部長 曽 我 忠
経済部長 佐々木 一 英
建設部長 源 代 俊 夫
消防長 古 川 和 彦
水道局長 本 田 龍 朗
教育長 阿 部 義 澄
教育委員会事務局長 高 橋 康 文
監査委員 加 藤 哲
選挙管理委員会事務局長 岡 正 士
――――――――――――――――――――――
議会事務局職員出席者
事務局長 藤 田 恭 一
議事課長 粂 野 誠 二
議事課副課長 和 田 昌 志
議事課副課長 飯 尾 誠 二
議事課調査係長 徳 永 易 丈
議事課議事係長 阿 部 広 昭
議事課主任 大 田 理恵子
議事課主事 高 本 大 介
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前10時00分開議
○議長(村上悦夫) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第2号のとおりであります。
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日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(村上悦夫) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において西原司議員及び永易英寿議員を指名いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第2 一般質問
○議長(村上悦夫) 次に、日程第2、一般質問を行います。
この際、申し上げます。
一般質問における各議員の発言は、それぞれ通告の時間以内となっておりますので、御了承願います。
順次質問を許します。まず、仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) おはようございます。
自民クラブの仙波憲一です。本日のトップバッターとして質問をさせていただきます。
まず、先日、中学生の駅伝、愛媛県大会において、特に男子の場合は北中を初め、中萩、川東、泉川が1位、2位、3位、4位、女子の場合は新居浜東、新居浜北など、県大会で男女アベック優勝されましたことは大変おめでたい、新居浜市としてうれしいニュースではないかと思います。
それでは、通告に従いまして順次質問をいたします。
まず、地方分権と地方主権の違いの認識について。
先日、辞任に至った柳田法務大臣は、国会答弁は、「個別の事案については答えを差し控える」と「法と証拠に基づいて適切にやっている」の2つの言葉を覚えておけばいいと発言されたそうです。このニュースを聞いて、まるで新居浜市役所での声、金がない、コンサルに任せますという言葉を思い出しました。現在行われている駅前土地区画整理事業は、主たる構想の中のにぎわいを創出するとの考え方から整備を進めてきたと思います。私は、駅周辺整備の政策の流れとして、いつの間にか目的が手段になってしまっているのではないかと思います。一つの例で申し上げますと、芸術文化施設建設の構想では、芸術というキーワードで考えますと、シンボルロードのモニュメント製作なども視野に入れて考える、つまりモニュメントを芸術家に頼む、そうした政策を広げる考え方はないのかと思います。また、芸術家に頼めば高くつく。それなら芸術家の卵に頼むとか、方法は幾らでもあると思います。つまり、ニーズを掘り起こし、政策に魅力を持たすこと、事業に広がりを持たすことが重要だと思います。従来は、補助金や交付金のメニューから必要な政策を選ぶ、与えられたメニューで必要なものを確実に実施することが公務員の手腕でありました。行政は、一方では財源不足が生じるので余裕は全くなく、聖域なき歳出削減に取り組むと財政危機を強調しつつも、他方で健全化指標によれば健全であると説明している。この矛盾は何に起因しているのでしょうか。地方主権では、地方としてやらなければならない課題について創意工夫が必要で、当然、熱意も重要であります。政策に思いを込めて多くの果実を得るという考え方です。政策力アップへの指針を現場、実践の観点から具体的な効果が期待されています。つまり、新居浜市として政策力アップや立案にどう取り組んでいくのか、まずお伺いをします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) おはようございます。
仙波議員さんの御質問にお答えいたします。
新居浜市として政策力アップや立案にどう取り組んでいくのかということでございます。
現在、地域への権限、財源の移譲などの地方分権改革の動きというものが、平成18年の地方分権改革推進法、そして平成22年の地域主権戦略大綱の閣議決定などを踏まえて、現在非常に活性化、活発な議論が行われております。その中で、それを受けて、またそれに対応するため、新居浜市として政策力アップや立案能力を高めていくということは大変重要であると考えております。この地方主権改革は、地方自治体が国の政策のみに左右されず、それぞれに合ったやり方で地域を運営、経営し、地域のことは地域の住民が責任を持って決めていくということの気概と活気に満ちた地域社会をつくることであり、そのためには地域の創意と工夫に基づいた特性に合った政策が必要になります。地域の現状を把握しながら、地域課題を見つけ、分析を加え、継続的に成果を上げられるような目標を設定し、課題を解決する最適な方法を考え出し、これらどの過程においても行政だけがすべてを担うのではなく、異なる視点や立場の違いを生かしながら、市民、企業、地域、自治会、各種団体など民間の方々、市民の方々との協働による政策立案のスタイルが必要になっていると考えております。これがまさしく就任以来申し上げている自立・連携のまちづくりの実現であると思っております。今後も市民の皆様の知恵や民間で培われたノウハウなども示していただきながら、今回基本構想の提案をさせていただいております第五次長期総合計画における本市の将来都市像である-あかがねのまち、笑顔輝く-産業・環境共生都市を実現するため、さまざまな事業を実施してまいりたいと考えております。また、これらの実行につきましても、市民やあるいは議会の皆様からその立場での評価をしていただくということが必要であろうと思います。これからの地方自治は、みずからの地域のことはみずからの意思で決定し、その財源、権限、責任もみずから持つことが必要とされております。そのためには、職員の専門性や効率性、公平性といったスキルを確実に高めていく必要があり、今後とも従来の制度、前例、国が作成した模範例というもの、これらも参考にはなりますが、それに従属するということではなく、自分たちの力で考え出し、またそれを生かしていくという視線を持った市役所であり、職員の育成に取り組んでまいりたいと考えております。また、これまで取り組んできた情報発信、情報公開を進めることによりまして、職員の政策形成能力、説明能力の向上を図り、市民の市政への参加、参画、自治を促進をして自立・連携のまちづくりを目指してまいりたいと存じます。
○議長(村上悦夫) 仙波議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 市長の思いと職員の認識の差というのはどこにあるのかなというふうに思いますけれども、特にその中で、現在行われている数々の事業の中で、私は先ほど例示で一つを挙げましたけれども、そういうふうな政策の広がりというのが見られない。それについては創意工夫がないのではないかと思うんですけれども、その点についてはいかがですか。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) それぞれの事業に広がりが見られない、創意工夫が見られないというのは、先ほど例示された駅周辺整備のことが一つ具体的なことだというふうにお聞きをしております。地方自治を進めていく中で、一つの問題点というのは、大きな事業になればなるほど非常に年数がかかっていくということから、その構想、計画、実行段階において、時間の経過というものが出てまいります。そのために、当初に決めた計画が計画どおり進んでいかない、あるいは当初の案のとおり進めていこうとしたときに意識の変化とかあるいは財源の問題とか新たな気づきというものが出てくるということがございます。そういうずれが生じた場合、できるだけそれらも修正もしながら進めていくということであり、そういう観点での取り組みをしております。また、他の点につきましては、当然、さまざまな制約の中で事業を行ってますので、裁量の範囲というのは狭く見える場合もあろうかと思いますが、その中で最大限の創意や工夫をしていくということを心がけているところでございます。
○議長(村上悦夫) 仙波議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 特に事例を挙げたものに対しての答弁もあったわけですけれども、みんなが本当に自由な中で、自分たちの思いなり、住民の思いなりを外に伝えるのでなく、どうも見ていると内向いて何か仕事をしてるのかなと。どうも年数がたてばたつほど、何か内へ、内へ入っていくような感じがいたしております。確かに、総枠としての財源というのは、私も大切だと思います。しかし、計画してから10年以上たってきたときに、やはりそれぞれの思いも変わってくるし、つくっている人たちの中にもこれがいい、あれがいいという意見が出てくるのではないかと思います。しかし、その意見を、一番最初に述べたように、金がないで切ってしまう。もう少し知恵を出す、考えるっていうところが私は一番大切だと思うし、皆さんにとってもそのほうがいいものになるんではないかと思います。それが最後になってきて、とりあえずお金がない、いやいやもうそれはコンサルに任せとんですという言葉で区切られるというのは、非常に寂しいものを感じます。そういう意味で、市長を含め、皆さん方にお願いをしたいのは、やはりそこでどういう広がりを持たせて、どういうふうに住民参加を促し、またそれが結果として新居浜らしさが出るのか、そういう知恵や努力をしていただきたいと思いますが、その点に対しての思いがございましたら御答弁いただきたいと思います。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) もう基本的にはおっしゃるとおりだと思います。
○議長(村上悦夫) 仙波議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) ぜひ、次の第五次長期総合計画に向かうとき、特に笑顔輝くということでありますから、笑顔が輝けるように、小さくつくって大きく育てていただきたいというふうに思います。
それでは、次の質問に入ります。
食料の自給率について。
政府は、3月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画で、食料自給率を50%とする目標を掲げています。まえがきの一節に、「人が人らしく生きることを助け、子どもが自然に親しみ、豊かな人間性を育む土壌になる。我が国経済社会が成熟化し、人々の価値観・ライフスタイルが多様化している中で、農村で農業が営まれることにより発揮される多面的機能の恩恵は、都市部に住む人々を含め、すべての国民が広く享受しており、こうした価値に思いを致す必要がある。」とあります。このカロリーベースの食料自給率自身、そもそもカロリーベースの食料自給率という指標を国策に使っているのは世界で日本だけだそうであります。識者によれば、実は40%というカロリーベースの食料自給率の数字自体も、できるだけ低く見せようとする農林水産省によって操作されたものだという説もございます。現在、国では、TPPが問題になっていますが、農業の現実はGDPでは、1960年の約9%から約1%に減少、農地の改廃が進む中で、農業の規模拡大は遅々として進まないし、担い手は育っていません。農業者は著しく高齢化し、65歳以上の農業者の比率は、40年間で約1割から約6割へ上昇、さらにWTO交渉とかFTA交渉を云々する前に、今までどおりの高関税政策を続けても、農業の衰退傾向に歯どめがかからない状況であります。つまり、WTO、FTA交渉という農業の外からの要請というより、農業内部から農業の構造改革が必要になっていると思います。ちなみに、平成20年度では、1ポイント食料自給率が上昇しましたが、その主な要因は、分母である供給カロリーの乳製品が値上がりしたために輸入量が少なくなったためであります。だが、これはカロリーベースの数字であって、生産額ベースで見れば66%と他の国に見劣りしないという数値もあります。戸別所得補償制度の見直しは、EUをモデルにしていますが、運用は全く違います。本来は減反をやめて、自由に米をつくれるようにし、販売価格を下げることが目的でした。そうすれば、零細農家が退場し、専業農家に農地が集約され、生産費は下がってきます。そのように誘導した上で、生産費と価格の差額を補てんする、これが当初期待された制度設計でありました。つまり、食料・農業・農村基本計画は、我が国農業の構造改革を加速化するとともに、WTOにおける国際規律の強化にも対応し得るよう、現在品目別に講じられている経営安定化対策を見直し、政策の対象となる担い手を明確化した上で、その経営の安定化を図る対策に転換するとしています。アメリカやEUは、価格から財政による農家所得の維持に移行し、関税引き下げにも対応できるようになっています。基本計画は、財政から農家へ交付される補助金直接支払いの導入を決めただけであります。TPPは、将来的に関税撤廃を目指すもので、除外品目を認めない、民主党はその枠組みへの参加と日本農業を両立させたいようでありますが、ほとんど無理ではないかと思います。なぜなら、農業の体質を強化して競争力をつければ成り立つとの見方もありますが、交渉に参加している米国やオーストラリアに対抗することは困難であります。農産物輸出大国の両国の場合、何百ヘクタールもの広大な農地に飛行機で種や農薬を散布する新大陸型農業です。傾斜が急で険しい日本で100ヘクタールの農地確保は難しいのが現実であります。また、もう一方では、ベトナムは人件費や流通経費の経営コストが比較にならないほど安く、日本の10分の1、20分の1にすぎません。つまり、規模の問題と人件費の生産条件では勝ち目がないのであります。しかも、小麦や乳製品、砂糖などには品質格差がありません。完全に自由化されると、輸入物に簡単に置きかわり、日本の農業は壊滅的な状態に陥ると思われます。自国の農地を最大限活用し、安全で質の高い農産物を生産するとの意思表示で、内閣府の調査では9割以上の国民が食料自給率向上に期待をいたしました。政府は、その計画とTPPの整合性を考えるべきだと思いますが、現政権は、減反に応じた農家を所得補償の対象にしました。そのため専業農家に土地を貸していた零細農家までが土地を返してもらって米づくりに復帰する現象が起きているところもあります。専業農家は、規模拡大が難しく、所得は減少する。生産効率が上がらないため、農家の生産費は高どまりとなります。一方で、減反して生産調整し価格を維持しようとしても、国際標準から見て、高い価格がかえって消費を減らし、価格を下げる悪循環に陥っているという結果は明白であります。価格と生産費の差額分を補う所得補償額は、増加の一途をたどると思います。農業の国内生産額は、先進国中世界2位であります。実際、近年廃棄される食材は、年間900万トンに及びます。食料自給率の計算の分母となる供給カロリーは2,573キロカロリーでありますが、日本人が1日摂取する平均カロリーは1,805キロカロリーであり、それ以外の768キロカロリーは、食べられることなく廃棄されている計算になります。分母を摂取カロリーとして食料自給率を国民1人1日当たりの国産供給カロリー割る国民1人1日当たりの摂取カロリーとして計算し直すと、日本の食料自給率は56%であり、果たして日本の食料自給率が国際的に本当に低いのかという意味では疑問が残ります。また分子の計算は、畜産物については国産であっても飼料を自給している部分しかカロリーベースの食料自給率にカウントされません。しかし、畜産に飼料が必要なように、穀物、野菜、果物の生産に肥料が欠かせないのだが、この肥料の自給率は一切考慮されていないのが現実です。農家の経営を効率化させるために、稲作から果実や野菜などに転作した場合、自給可能な大根やキャベツ、トマト、キュウリなど園芸作物は一般にカロリーが低いため、農家総収入がふえる場合でもカロリー自給率は低下いたします。農産物の販売コストと販売金額の差、つまり赤字額を補てんする仕組みであるとした上で、農家にとっては赤字がふえればふえるほど国からもらえるお金がふえてまいります。頑張らない農家でも、手厚い補償を得られるのでは、健全な競争原理は働かず、日本は赤字農家だらけになってしまうのではないかと思います。
さて、この状況で新居浜市の食料の自給率の考え方は今後どうされるのでしょうか、お伺いをいたします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木経済部長。
○経済部長(佐々木一英)(登壇) 食料の自給率についてお答えいたします。
昨年、民主党政権となり、農業分野におきましても、国の政策が大きく転換されましたことは御案内のとおりでございます。国においては、農業の持続性を速やかに回復させ、食料自給率の向上と多面的機能の維持を図るためには、農業生産のコスト割れを防ぎ、兼業農家や小規模経営を含む意欲あるすべての農業者が将来にわたって農業を継続し、経営発展に取り組むことができる環境を整備する必要があるということから、販売農家を対象に、農産物の販売価格と生産費の差額を国から直接交付金として支払うことを基本とする戸別所得補償制度を平成23年度から本格的に導入すべく、現在、制度設計に基づく概算要求がなされてるところでございます。また、すべての関税撤廃が原則で、発効後は対象品目の関税率を徐々に下げ、一定期間後にゼロにするTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)につきましては、先般、政府が関係国と協議する方針を閣議決定いたしました。交渉参加という最終決定をすることができなかった要因は、当然のことながら、農業が抱える問題であります。すなわち、米や小麦など、現在関税率の高い農産物につきましては、国境措置撤廃による影響が大きいと危惧され、内外価格差や品質格差の観点から、輸入品と競合する国産品及び競合しない国産品に分けて試算をいたしますと、競合する国産品は、差別化されている品目を除き、基本的には輸入品に置きかわり、競合しない国産品は、安価な輸入品の流通に伴って価格が低下するものとされております。農林水産省におきましては、農産物の生産減少額が4兆1,000億円程度、カロリーベースでの食料自給率が現在の40%から14%程度まで下がるものと試算をされております。このことは、本年3月に策定されました食料・農業・農村基本計画に掲げているカロリーベースでの食料自給率50%の目標数値を大きく下回ることとなり、また戸別所得補償制度で恒常的なコスト割れが拡大することによる財政の大幅な負担増加が予想されますことから、仙波議員さん御指摘のとおり、今後食料・農業・農村基本計画とTPPへの参加との整合性を考えていくことが、国として必要不可欠なことであり、我が国の農業は、今後、生産性の向上等により国際競争力を強化するなど、攻める農業への転換が急がれるのではないかと考えております。食料の安定供給を将来にわたって確保しなければならないことは、国民に対する国家の最も基本的な責務でもあります。新居浜市といたしましても、国民に理解される適正な財政負担で、食料の安定供給を含めた農業の持続性が維持される施策が国により行われますことを期待いたしますとともに、国、県、さらには農業関係団体等と連携を図りながら、新居浜市における食料自給率の向上を初め、農業の振興に努めてまいります。食料自給率につきましては、農産物の生産活動を適切に反映する生産額ベースと生命と健康の維持に必要不可欠な食料についてエネルギーに着目したカロリーベース、さらには国内生産量、輸入量などその食料の重さを用いた重量ベースといった3種類の計算方法がございます。それぞれ計算方法が違いますことから、おのおの数値は異なりますが、国内の食料消費が国内のどの農業生産でどの程度賄えているかを示す指標としては、どれも一定の限界が指摘されているものの、いずれの方法も食料の安定供給や確保を検討する上で参考となる数字ではないかと認識をいたしております。新居浜市といたしましては、食料自給率はその時々や地域の実態に応じ、そのベースとして適切である手法を使用することが望ましいのではないかと考えております。いずれにいたしましても、食を生み出し、地域を支える農業は、命を支える基盤となるという認識に立ち、市民お一人お一人が食料自給率について関心を持っていただくことも農業を振興していく中で大切なことではないかと考えております。
以上でございます。
○議長(村上悦夫) 仙波議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 確かに、物によっては生産額であったり、カロリーベースであったり、重量ベースであったりするわけですけれども、現実問題を考えますと、国の場合は食料自給率をカロリーベースで行えと。しかし、一方では、米余り現象の中で減反をしなさいと。しかし、カロリーベースでやると、当然、乳製品とかそちらのほうが高いわけですけれども、野菜をつくるより当然米のほうが高いわけであります。そういう中で、新居浜市として、まずこの問題について、例えば本当にこの食料自給率の考え方からすると、米をつくるのをやめて、いわゆる減反に応じていくっていうことが、カロリーベースの食料自給率で考えたときにマイナスになるのではないかと。確かに、乳製品とか畜産をやればもう少しふえるのかもわかりません。しかし、先ほど畜産でも述べたように、畜産の飼料が自分のとこでつくってないとカウントされないというような問題もございますが、まずそういう意味で、販売農家で主に果実にしろ野菜にしてもそうですけれども、農業の経営から考えたら、当然、販売がふえるほうが経営として成り立つわけですが、私は食料自給率の中から考えたときには、この減反政策と食料自給率の考え方っていうのは相反するものではないかと思います。そういう意味で、新居浜市としては、確かに市単独で決断をするというのは非常に難しいかもわかりませんけれども、お伺いしたいのは、実際に食料自給率を大切にするのか、それともそれ以外を大切にするのか。お伺いしますと、昨年の生産調整に伴う産地づくり対策交付金額が、新居浜市で約1,300万円ぐらいの交付を行ったそうでございますけれども、もし仮に新居浜市が減反をやめた場合はどうなるのか。これは食料自給率の考え方からそういうことをお伺いをしたいんですが、その点はいかがですか。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木経済部長。
○経済部長(佐々木一英)(登壇) 仙波議員さんの再質問にお答えいたします。
まず、食料自給率と減反政策の関係でありますが、私個人の考え方といたしましては、いずれも大切なことであると、このように認識をいたしております。それをどのように整合性をとっていくかという、いわゆる農政の問題であろうと思います。米の減反政策につきましては、やっぱりいわゆる米余り現象の中で、いわゆる食管法から食糧法にかわって、財政的な負担を軽減していくという財政問題と、いわゆる日本の食料自給率の低さからそれにかわる、高いものから低いものへ移していくと、こういった流れがあったものと思います。したがいまして、どちらも問題が違いますが、農政にとっては非常に大切なものであろうというふうに思ってます。
また、少し余談になりますが、食料自給率につきましては、どのような形で計算をするのか、いわゆるカロリーベース、品目別重量ベース、生産額ベースについての議論というよりも、それぞれの目的に応じてそのできた計算に基づいて農業政策を展開していく、その資料とすべきであると、私はそのように理解をいたしております。
また、新居浜市として仮に減反をやめた場合、どれぐらいの国の交付金が減少するのかということにつきましては、本年度恐らく4,200万円ほどの奨励金があろうかと思いますが、今現在、減反政策が基本となっておりますので、もしやらないで米をつくれば、農家の方々につきましては4,200万円ほどの国庫の交付金が入ってこないというふうには試算をいたしております。
以上でございます。
○議長(村上悦夫) 仙波議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 確かに、どちらをとるかというのは行政にとっては非常に難しい問題かもわかりません。しかし、農業を守るという観点からすると、どちらにしても政策として提言をしていかなければならない重要な問題だというふうに思います。そういう意味で、新居浜市の場合、例えば減反をしなくても、新居浜市内の米を食べていただけるとするならば、それでも米の自給率は100%にならないという現実もございます。そういう意味で、確かに私は食管法の時代、それから今回のTPPを含めて高関税率で守ろうという時代はもう終わったのではないかと。だから、その中でどういうふうにしていくのかという中では、確かにカロリーベースで考えると、今言ったように、カロリーの高いものをつくったほうが食料自給率が上がると。しかし、それは、市民が食べるものと合致するかということは、必ずしも一致をしない。また、農家のほうからすると、どうしても販売価格が上がらないと事業として成り立たない、そういう問題がこの中には点在をしているんだろうと思います。そういう意味で、行政としても声を上げていただいて、例えば国に対しても、県に対してでもですが、この大きな転換の中で、こういう農業に対する地域の思いというのを現実をもう少し認識をしていただいて、政策に励んでいただきたいというふうに思います。そういう意味で、例えば仮に食料自給率50%と言っておりますけれども、県はどういう企画をするのかわかりませんけれども、その中で新居浜市としての枠組みというのも当然決まってくるんだろうと思うわけですけれども、片一方を通せば片一方がならないという現象も生まれるかもわかりません。そのときにはぜひ市民をとっていただきたいというふうに思いますので、あえて申し上げておきます。この点について答弁がございましたらお願いをいたします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木経済部長。
○経済部長(佐々木一英)(登壇) 仙波議員さんの再質問にお答えいたします。
今現在、大きな流れとしては、いわゆる自由貿易という中で食料自給率の低い国家、もしくは農産物を輸入する国家との間での駆け引きっていうのは大変なものがあろうと思います。全国的、日本で考えてみましても、自給率が100%以上の都道府県につきましては、47都道府県のうち、たしか6道県ぐらいあります。東京都はたしか1%で、愛媛県は39%だと思います。このように、日本におきましても、かなりのいわゆる農業に対する重さといいますか、経済政策の違いがあります。したがいまして、国の政策、新居浜の政策につきましても、やはり私は地域に応じた政策を、国の一定の方針のもとでありますが、独自の政策を打っていくべきだろうと思います。そういった中で、日本の農業政策も道は開けていくのではないかというふうに思っています。新居浜市におきましても、不耕作地が大体130ヘクタール、恐らく新居浜市の農地の2割程度になります。これで、耕地利用率を計算しますと、恐らく100を切る、70%か80%ぐらいだと思います。そういった中で、この耕地利用率をどう上げていくかという農業政策というのを確実に打っていくということが、日本の農業の残された選択ではないかというふうに、大きいことを申し上げますが、そういった方策が必要ではないかというふうに私は思っています。
以上でございます。
○議長(村上悦夫) 仙波議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) ぜひ、部長の思いが通じて、耕作放棄地がなくなることを期待をいたしておるわけですけれども、実際申し上げますと、日本の場合は、確かに平米当たりの収穫率っていうのは世界第1位でございますが、そのことをとってしても、諸外国の大陸型農業であるとか、人件費の安いところには販売として勝てないという現実でございます。しかし、農業の持っている大きな役割というのはございます。最近では、環境も含めて、多様な面に農業というのは出ているということも改めて認識をしていきたいと思います。
次に、観光行政についてお伺いをいたします。
欧米の国々においては、既に新しいライフスタイルを求めて、一部ではアメニティー・ムーバーに総称されるツーリズムイノベーション、いわゆる大地に根差した生きがいのあるライフスタイル、生活の快適性を求めて田園へ移住する、人が動いていくという現象もあります。そういう意味で、次世代ツーリズムの研究の一つの重要なテーマは、ツーリズムイノベーションよりむしろライフスタイルイノベーションになってきています。観光だけが勝手に変わるはずではありません。ライフスタイルが変わることによって、観光のあり方も変わっていくと思います。一つの例として、大人数で一緒に旅行するのが変わりつつあります。少人数や個人の趣味による観光です。そういう中で、新居浜市の産業遺産も多様なニーズを反映するものと考えられます。本市としての観光行政の役割というのは、どこにあるのでしょう。特に、東平が東洋のマチュピチュとして人気が出た原因については、どのような検証がなされ、今後の観光行政にどうつなげていくのかが重要だと思いますが、成果とその原因の分析についての取り組みはどうなっておられますか、御説明をいただきたいと思います。
次に、太鼓祭りについて、一方では有効な観光資源であると答え、一方では宗教行事として行政が踏み込めないとの姿勢であります。高知県のよさこい祭り、徳島の阿波踊り、岸和田のだんじり祭などと比べ、本市の観光行政のあり方としてどう評価され、今後どう取り組むのか、お伺いをいたします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 観光行政についてお答えいたします。
近年の観光のスタイルにつきましては、団体旅行に総称されるような旅行代理店等を通じて名所や旧跡をめぐるといった発地型と呼ばれる従来の観光スタイルに加えて、ニューツーリズムとして位置づけられる旅行先での人や自然との触れ合いが重視された新しいスタイルの着地型とも呼ばれる観光がふえてきております。このことは、仙波議員さんがおっしゃられたとおり、ライフスタイルの変化ということが背景となっておりまして、ゆとりや心の豊かさを重視する成熟した社会生活におけるスローライフ、スローフードといった行動様式も観光のあり方に大きく影響しているところであります。生産や消費生活面でのライフスタイルが、大量生産による安い価格というものに加えて、品質や個人の生活スタイルに合わせた感性にも比重が置かれるようになってきていることと同様に、観光のスタイルにおきましても、パッケージし、規格化されたものから、個人の多様なニーズに対応するものへと変化してきております。国土交通省の観光立国推進基本計画の中では、このようなニーズの変化に対応する具体的な観光のスタイルとしまして、エコツーリズム、グリーンツーリズム、文化観光、産業観光、ヘルスツーリズムなどがニューツーリズムとして取り上げられております。このような時代の変化に対応した観光スタイルの変化に対し、行政といたしましても、観光施策やその推進方策について柔軟に適応していく必要があり、今後ますます観光を企画し、宣伝する力量というものが、地域の活性化を左右する大きな要因になるものと考えております。
このような中、幸いにも、本市には別子銅山開坑以来の近代化産業遺産という固有の財産があり、これらの保存と活用を図りながら、観光資源としての付加価値を高めていくとともに、近代化産業遺産とその他の自然環境、歴史的風景、文化、風土、料理、特産品などの観光資源との組み合わせによる地域ブランドの創出など、個人のさまざまなニーズに対応できる魅力的な観光地づくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、太鼓祭りについてでございます。
新居浜の太鼓祭りにつきまして、よく比較される高知県のよさこい祭りあるいは徳島の阿波踊りあるいは岸和田のだんじり祭というものがございます。これらはいずれも全国に知られる催事であり、期間中は全国から訪れる大勢の観光客を受け入れております。これらに共通するものは、行政は後方支援に回り、商工会議所や観光協会などが運営主体として参画しており、地域全体が催事を通じた観光振興という同じ方向に向いているという印象を強く受けているところであります。これらの点で、新居浜太鼓祭りを生かした観光振興は、運営の面でも、また観光として取り上げることについての理解についても、まだまだ発展途上の段階であると考えております。本市の新居浜太鼓祭りを、市民にとって平和で楽しい親しみのある祭典とするとともに、観光面に寄与させ、また伝統ある民俗文化行事として発展させるために、新居浜市太鼓祭り推進委員会への補助金につきましては、ことしの祭りから市民や観光客が安全、便利に参加できるような環境整備や機能の充実を目的とした事業を対象とすることに改めたところであります。今後もよりよい新居浜太鼓祭りのあり方を目指して、新居浜太鼓祭りに対する市民意識の改革や、さらには太鼓祭り推進委員会のあり方についても検討してまいりたいと考えております。
○議長(村上悦夫) 再質問はありませんか。仙波議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 特に、観光行政で、例えば役所の運輸観光課の後ろを見るとポスターが3つ張ってあるわけですけれども、その中で産業遺産があったり、天空があったりするわけですけれども、確かにライフスタイルが変わると観光行政も変わってまいります。その中で、ことし1年、特に行政から東平の話をお伺いをしたわけですけれども、それではなぜそんなに東平が人気が出て、そのことに対して今後新居浜市としてはどういう広がりを持たせるのか、まず最初にそちらのほうからお伺いをしたいと思います。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 御質問にお答えします。
東平を中心として人気が出たということでございますが、一番の要因というのは、もう素材のすばらしさということがございます。それとそれをアピールしていくのに民間旅行会社あるいは新居浜市のマイントピア別子やリーガロイヤルホテルなど、民間の協働、コラボレーションによって非常にいい情報発信をしていただいたということが大きな要因であり、また訪れた人が、先ほど申し上げた本物であるということに対する感動があり、それがまた口コミとしてのリピーターにもつながるということでございますし、それによって逆に新居浜市民を含めて、近隣の人たちがまた訪れてみようかというような個人客もふえていったというような効果であり、要因であろうかというふうに思います。今後におきましても、もちろん行政として情報発信をしていくということやあるいは懸念されている進入道路の改良等についての取り組みはもちろんしていかなければならないというふうには思っております。また、これは所有者である住友企業とも協議をしながら、その観光の範囲あるいは目的、内容というものを十分精査した上で進めていくということも重要であろうというふうに思っております。
○議長(村上悦夫) 再質問はありませんか。仙波議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 確かに、民間がコラボレーションしたというか、頑張ったわけですけれども、ただ私は思うのには、じゃあ一体行政の役割ってどこにあるんだろうと、それはどういうことかというと、別にそれで特に営業をするとか、しないとかっていう方法、いわゆる観光宣伝というのもございますけれども、集客に対して例えば道路だけをやるのか、それとも看板まではやるとか、トイレまではやるとか、どういうサポートアップの基準というかマニュアルというのをつくるのか、つくらないのか、それともその時々に応じて変わるから見方も変わるんだというのか、それが一番私にとっては不可解な部分がございます。それはなぜかと申し上げますと、確かにあそこの管理委託は、市から直接やっておるわけですけれども、現地に行きますと、例えば夏の暑いときに行くと、自動販売機は空でありますし、ほかに何もございません。民間であれば、そこに行って例えばアイスクリームでも売ればもうかるのかなという感じがいたします。だから、私が言いたいのは、せっかくそういう要素ができた後に、どういうふうに新居浜市の企業なり何なりがそれに対して営業に貪欲に動くような形、また第三者に広がるようになるのかということについて、私は東平も含めて、産業遺産も含めて、太鼓祭りについても同じ感覚を持っております。だから、行政としてどこまでやる、例えば民間との話はここまでやる、あとは皆さんもうけると思えばやってくださいというのか(ブザー鳴る)ということだと思います。
○議長(村上悦夫) この際、暫時休憩いたします。
午前10時54分休憩
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午前11時04分再開
○議長(村上悦夫) 休会前に引き続き会議を開きます。
神野敬二議員。
○1番(神野敬二)(登壇) 協働ネット21の神野敬二です。
ことしも平成22年の狩猟が、11月15日から解禁になりました。当日、河北山林道、テレビ塔あたりで4頭のイノシシを見ました。2頭は成獣で、2頭は子供でした。猟が始まりましたので、市民の方が山に入るときは、目立つ色の服装をしていただけたらと思います。またイノシシは手負いになると人に向かってくることがありますので、気をつけていただきたいと思います。
それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。誠意ある回答をお願いします。
まず、林業政策についてであります。
今回、国の施策森林・林業再生プランは、10年後に木材自給率50%を掲げています。これは地球温暖化防止や地域林業再生への道でもあります。この再生プランは、2003年の森林再生とバイオマスエネルギー利用促進のための21世紀グリーンプランをきっかけに、2007年、提案型集約化施業の森林施業プランナー育成研修が実施され、その中で、機械を中心にした作業システム、コスト分析、道づくりなどとともに目標林型、間伐について行われ、2009年、現政権は、資源、エネルギー、環境政策を重視し、それらすべてに通じる森林を重点施策の一つとして、2010年度から森林・林業再生プランを推進するものです。これは、戦後の拡大造林でふえた人工林を、将来木材生産の基盤としてどれだけ利用できるかだと思います。経済林を目的とする地域の林業配置をしっかり考え、多様な森林生態系で、木材生産や生物多様性、水土保全といった中で、人工林、天然生林、天然林と向き合い、どのような目標林型にするのか、管理施業をどのように進めていくのかが問われていると思います。地形が複雑、急峻で、気象状況の複雑な四国山地で、林地を集約化、団地化、大規模化して利用間伐をしなければなりません。その森林をつくるためには、目標林型、施業体系をうまくリンクさせる必要があり、結果として木材自給率が50%になればと考えますが、いかがでしょうか。
その中で、森林区分と機能をどう整理するか、林業が成立するところ、成立しないところを分ける必要があります。欧州では、傾斜角度20度を基準にして、それ以下であれば車両系、それ以上であれば架線系が一般的でありますが、本市の場合は適合されにくい。35度以上のインフラをどのように考えるのかもお伺いします。
また、林業は25度から30度以下のところを中心に木材を生産し、奥山のアクセスの悪いところ、急峻なところは天然林、もしくは天然生林に持っていくことが環境面からも大事であると思いますが、いかがでしょうか。
次に、別子山地区の市有林についてであります。
昭和30年代、戦後の拡大造林で植栽され約55年がたっている一斉単純林です。本来であれば、10年前に短伐期施業、45年から50年で方向性を出さなければならないが、結果として現在に至っています。とすれば、長伐期施業が現実的であると思います。その場合、径級伐採を中心にするのか、年数伐採なのか、径であれば80センチメートルを目標林型に、年数であれば80年から100年伐期の長伐期に誘導し、利用間伐に持っていく。この場合、森林配置として、複層林化を考えなければなりません。複層林にする場合、40年から50年生で、強度な間伐をしても再閉鎖して、下層に光が当たらなくなります。これが60年生以上であれば林内に光が入ってきます。そういうところで長く択伐を進めていけば、つまり長伐期、多間伐施業をすれば複層林になります。この場合、針広混合林化が望ましいと思います。
そこで、長伐期施業の評価ですが、経営上の利点や環境保全面が好ましく、施業体系の中に占める植栽と下刈り、切り捨て間伐などの保育作業の比率を下げ、その分、低コスト化が図られ、大径材の生産に結びつき、集材工程の労働生産性を高め、年輪構成の上からも材質においてもすぐれており、採材の歩どまりがよい評価を望めます。択伐施業であれば、当然、主要林道、作業道が必要です。別子に関しては6路線が完成し、残り3路線が新居浜市過疎地域自立促進計画(平成22年度~平成27年度)で林道を開設、保土野線、豊後線、床鍋線で約2,900メートル計画されています。また、広域基幹林道加茂角野線では、西条側が進捗度87%、新居浜側が45%、なぜこの違いがあるのか、全線開通はいつごろなのか、お伺いします。
また、森づくりの中長期の目標像が見えてきません。
そこで、新居浜別子の森をどのように育てていくのか、また人工林、全面積の間伐を何年までにするのか、骨格となる方針、コンセプトについて、2番目に、地域のコンセプトに合わせた作業システムについて、3番目に、選んだ作業システムを入れていくための課題や条件の整理について、4番目に、地元企業による消化の促進について、木材市場や有限会社別子木材センター、4点についてのお考えをお伺いします。
例えば、林業振興地、愛媛県久万高原町の久万林業活性化プロジェクトの例があります。このプロジェクトは、管理と施業の分離、専門化で間伐を行い、地域の雇用を創出しています。久万高原町では、森林組合の中に久万林業活性化センターを設置し、県、町と密接に連携を図ることで施業集約化に著しい成果を上げています。間伐施業の担い手として、地域の林業事業体へ競争入札で安定的に事業発注を実施し、この間伐事業で800名の雇用創出を目指しています。面積5万2,450ヘクタール、8割が民有林、民有林人工林率86%、杉を主体とする拡大造林地で、今まで林家の高経営意欲が中心の経営だったが、この地方の上浮穴地方の育林技術体系により、1ヘクタール当たり5,500本の植栽が徹底された結果、間伐のおくれが即、手入れ不足林となっている。原因として、材価の低迷、不在地主の増加、高齢化、後継者、労働力不足で自力で間伐ができない所有者がふえました。そこで、活性化プロジェクトの柱では、搬出間伐が困難な森林は、町の補助金を活用し所有者は負担なしで切り捨て間伐をする。搬出可能な森林では、プラン書を作成し、搬出間伐で収益を上げる。3番目に、集約化した搬出間伐事業地を安定的に確保し、入札制度で地域事業体に事業を安定供給をする。また入札制度では、県や町が直接参画することで、公正性、信頼性が担保されています。平成17年から平成20年までの4カ年で累計1万6,931ヘクタール、人工林の43%を長期管理委託の面積が5,575ヘクタールができ、できた理由が、全域国土調査の終了、森林情報の一元管理、活性化センターで集約化に取り組んだ結果です。
同様に、石川県のかが森林組合でも、境界線データ化、森林情報一元管理で実績を上げています。そこで、境界線では、立ち会いで写真撮影をし、異存のないことを一筆添える工夫をしています。懸案事項については急激な事業拡大から、認定事業体の仕事の質、維持向上が問われています。行政が発注する公共事業とは異なり、間伐事業の発注元は、あくまで地元の所有者であるため、一度信頼を失えば、次回から間伐の依頼が途絶えるおそれがあると指摘されています。
そこで、現在、新居浜市別子山地区において、境界線の確定や森林情報の一元管理、懸案事項などどのようになっているのかお尋ねします。
また、山の仕事は、昔と違い、高性能林業機械を使用するため、事故の内容も変わってきています。昭和から平成にかけて災害のデータを調べると、チェーンソーによる事故が7割あります。一本一本の木の形態は異なるし、条件の同じところに立っていません。かかり木があったり、風雨などの気象条件も違います。そして今のチェーンソーは、手を放してもエンジンがかかったままですから、一番危険です。技術の伝承や安全指導に力を入れるべきだと思います。この安全教育についてどのように取り組んでいるのか、お伺いします。
そして、少し話が変わりますが、各校区に自主防災組織が所有をするチェーンソーが何台か整備されていると思います。何の知識もないまま使用していると思います。安全上、取り扱いの講習など実施すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。
次に、川上から川下に移ります。今日本が動こうとしている方向は、大規模化してコストを下げて、外材製品にも勝てる物づくりをしていこうとしています。そのためには、木材の付加価値をつける認証制度、ブランド化を考え、流通体制を整える必要があると思います。市場が求めているのは、狂いのない、品質が安定しているもの、納期に間に合うこと、最終的には含水率や寸法精度についてきちっと確保できる仕組みや地域で中核になるところが必ず乾燥、低温乾燥と完全な仕上げができる加工システムをつくる必要があり、また注文を受ける窓口が必要です。本年10月に実施した決算特別委員会で、地域交流センターを見学しましたが、館内の木材製品の大部分が集成材でした。集成材事業、プレカット加工事業、住宅事業とが一つの流れで経営できる体制、商品がどれだけそろえられ、つくられる中核となるところがあって、初めて水平の連携ができます。そんな中で、新居浜市の木材加工業、工務店など専門性といった技術集団を結集して、一つの物づくりの集団にし、本当の意味での林業の付加価値を高めていく仕組みが必要ですが、この点についてのお考えをお聞かせください。
また、今から林業には、いろんな産業としての投資がなされていくと思います。投資が進めば、地域社会、地域林業が空洞化する可能性があります。多角経営の一部門として林業を位置づける主体が出現すれば、林業部門のみで活動を続けているところは太刀打ちできません。現実に農業分野では、流通大手、外食産業大手が、国産野菜を自社商品とすることを目的に、農業経営への参入を果たしています。また、流通業界では、大規模小売店舗立地法の緩和により大型店舗が建ち、新居浜でも地域の商店街がシャッター通りと化しています。自然が相手の林業では、経済的メリットを犠牲にしても、森林の適切な取り扱いを一義的に考えなければならないことが往々にしてありますが、いかがでしょうか。
また、別子の森のように市有林があり、林道及び作業道が整備されつつある中で木材の間伐を有効利用し、別子木材のブランド化を図ることが大切であると思います。毎年市として管理費を出している。その中で例えば利用間伐で間伐材を出した際に経費で相殺したら、所有者(新居浜市)へ収益を返さなかったのに森林整備ができたという場合、立木の価格はゼロですが、作業道を開設したり、集約をしたり、木材生産で雇用した人はきちっと経費を計上しながら仕事をできています。現実的に補助金なしで立木の価値がきちっと山で回収される仕組みをつくることが重要ではないかと思います。林業が持続的に成り立ち、100年後も支えていくのは、その地域に住む人だと思います。100年後にも生産、加工して販売する仕組みをしっかりつくる。そうしないと、山はあっても生活の場がなくなるということですから、100年後にはない世界だと思います。
ここで長野県根羽村の取り組みを紹介します。
根羽村の基本戦略は、村内の資源をいかに付加価値をつけて売るか、丸太のまま村外に出すことは基本的にはない。できるだけ村内で製材加工して付加価値を高め、さらに住宅用材として施主に直接届ける邸宅管理システムとしています。村では、第1次産業、第2次産業、第3次産業を循環させています。
そこで、別子は歴史のある山もあり、観光も大事ですが、地域再生の道は地場産業です。そこで、有限会社別子木材センターがどのような受け皿をするかだと思います。住友林業より外材を仕入れ、建築資材、造作用集成材を生産しています。近年、各住宅メーカーにおいて、地球温暖化対策の一環として、再生可能な国産材針葉樹に着目し、杉、ヒノキなどを集成加工した住宅建材に力を入れています。有限会社別子木材センターにおいても、国産材を利用した高付加価値の製品を開発し、売り上げの拡大を目指すとあります。どのような取り組みを考えているのか、また別子の木材を使った製品のブランド化などを考えていないのかもお伺いします。
次に、生物多様性について、森林における生物多様性についてであります。
森林には、生物多様性のほか、水土保全、保健文化といった多様な機能があります。その中で生物多様性の保全や水源涵養機能を第一に求める森林、環境林の目標林型は天然林であり、この天然林を一定比率配置することが生物多様性の面からも重要であります。以前、森の回廊の話を一般質問でしましたが、谷筋、川筋は、杉の人工林では一等地でありますが、そこの一定割合を天然林に戻していくことが、生物多様性の観点から大事であると思います。森林区分の中で生物多様性と水源涵養はほぼ同じことではないかと考えます。生物多様性が高いということは、土壌生物が豊かということ、土壌構造が発達すれば、水の透水性、保水性もよく、生物多様性の保全を重視することは、水源涵養機能にもよいと思います。人工林の中でできるだけ生物多様性を配置していくことが、土壌生産性の維持にもつながり、生態的な視点で、森林を見ることが健全性の高い森林になると思います。そして、人工林において間伐層をしっかり進めていく。それによって、低木層や草本層が豊かになり、それに伴う動物層も豊かになります。伐期を長くするほど、その機能が高まりあるいは維持することができると思います。また、林分が過密だと、個々の木の成長が落ち、病虫害に対する耐性が落ちやすい。また、生態系が単純になり、生物多様性が乏しくなると特定の病虫害が広がりやすい。したがって、個々の木の成長がよくて、下層植生の豊かな森を目指すことが必要であると思いますが、いかがでしょうか。
また、第五次長期総合計画基本計画(案)に、環境保全とふれ合いの森林づくり、学習を目的とするのであれば市民の森でいいですが、環境林的発想を目的とするのであれば、自然のままのよさが評価される別子の森であると思います。天然林があり、いろんな林齢の樹種で構成されている複層林があり、保健、休養林的機能、生活にゆとりを持たす森林レクリエーション、森林セラピー、花や実、紅葉が美しい森林景観的多様性があります。本来の自然的発想の中で、環境保全とふれあいの森林、森林公園ゆらぎの森、ゆらぎ館、作楽工房の果たす役割が機能していないように思います。市の考え方をお伺いします。
次に、レッドデータブックについてであります。
地球上には、膨大な生物種が生息しており、その数は1,000万から1億種とも言われています。それらのうちで人間に直接恩恵をもたらしてくれる種は少なくありませんが、ほとんどの種は食べられるわけではなく、見てくれもよくなく、我々に直接害を及ぼす種もいます。そして、そのような生物が絶滅したところで、人間には関係なく、それよりも海を埋め立てて工場をつくったり、水路や川をコンクリート化したり、ため池を埋め立てて宅地化などで我々にとって快適な環境をつくり出すほうが役に立つという人もいます。しかし、これらの膨大な種は、それぞれ独立して存在しているわけではなく、お互いに深く関係した一体のものとして存在しており、その欠落は生態系全体の安定性、持続性にとって重大な悪影響を及ぼす可能性があります。これは46億年に及ぶ地球の歴史とそこに繰り広げられてきた生物進化の結果であり、我々人類もこれらの生物同様、地球の生態系の一員として生きてきました。しかし、人類の活動が盛んになるにつれて、地球全域で絶滅種がふえており、その数は毎年4万種に及ぶとも言われています。ある生物種の絶滅が、周りのいろんな種に影響し、生態系に不安定をもたらし始めています。その身近な例に明治時代に組織的にオオカミ駆除を行い絶滅させてきたことがあります。そのため、イノシシやシカ、猿の天敵がいなくなり、現在深刻な農作物被害に見舞われています。そのオオカミの役割を人間が担おうとしていますが、狩猟者をふやす取り組みがうまくいっていません。生態系を構成する種が、互いに直接的、間接的に影響し合って生活しています。したがって、生態系を構成している種の絶滅が起きると、その影響が生態系全体に及び、人の生活に予測できない影響が出る可能性があります。このように、絶滅した野生生物のかわりを人がすることは不可能であると考えると、種の絶滅を防止し、多様で豊かな野生生物種をその生息地とともに次の世代に引き継いでいくことは、我々が一致して取り組んでいかなければならない緊急の課題と言えます。そのために、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律により、国において、野生動植物の種の保存のための各種施策が推進されていますが、野生動植物の生息や分布の状況は、地域により大きく異なることから、生息、生育レベルで分析検討し、保全していくことが必要であり、地方公共団体においてもその区域内の自然的、社会的諸条件に応じて、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存のための施策を策定、実施するよう努めることがその責務としてうたわれています。
愛媛県では、これらの動植物を人為的に絶滅させないよう自然保護、自然との共生意識を高め、種の保存への理解を広く県民に求めることを目的として、平成11年度から平成14年度までの4カ年間計画で絶滅のおそれのある県内野生動植物をリストアップし、その希少性の評価、生息、生育状況並びに分布状況を明らかにする愛媛県レッドデータブックが作成されました。愛媛県レッドデータブックには、1,342種がリストアップされており、この総数のうち約1割に当たる数が新居浜市に生息していた、また生息している種が含まれています。
そこで、この県でつくられて8年間経過する愛媛県レッドデータブックの目的に対して、新居浜市における動植物について、1番目に、この程度の種の数でよいのか、2番目に、レッドデータブック新居浜の作成をするべきではないのか、松山市はレッドデータブックまつやま2002を作成しております。動植物を人為的に絶滅させないよう、自然保護、自然との共生意識を高め、種の保存のための具体的実施計画や活動状況をどう推進されているのか、お伺いします。
次に、木質バイオマスについてであります。
バイオマスエネルギーは、化石燃料依存による地球温暖化防止対策やエネルギー自給率の向上など、いろんな観点から取り組まれています。林業の観点から見ると、林地残材、間伐材、未利用樹などがあります。また、廃棄物系には、建設廃材、製材廃材があります。循環再生資源である木質バイオマスの利用は、身近な問題です。日本は、良質の針広葉樹が産出されます。国土の4分の1を人工林が占めていますが、祖先が残してくれたこの貴重な資源をこれからも大事に管理し、利用していかなければなりません。林野庁によれば、年間約2,000万立米の林地残材があり、ほとんどが未利用で放置されていると推測されています。これから人口が減少し、建築用材の需要の減少が予測されています。
一方、成長量分の伐採を行い、若年林の間伐を着実に行っていくとすると、温熱や発電のための木質エネルギー利用を開拓する余地があります。木材チップには、製紙用と燃料用がありますが、広葉樹チップも利用し、チップビジネスが確立されれば、針広一体の集約化施業として、針葉樹、人工林がモザイク状に配置された地域でも団地化形成が進み、今までにない新しい林業形態を創生することができると思います。日本では、バイオマス利用の有用性が叫ばれて久しいですが、市民レベルではスポット的利用です。この流れを変え、特に地方において市民生活に普及、定着させることが必要です。そのためには、条件整備が必要です。まず、燃料チップの統一基準をつくり標準化する。そしてチップ取引単位の統一化を図ることが必要条件であると考えられます。日本では、木質バイオマスは、製材所などの熱電用ボイラーや火力発電所の混焼原料のイメージが強いですが、ヒーティングプラントで燃料チップを専焼して湯を沸かし、給湯によって暖房に利用したり、蒸気タービンを回して発電することもできます。一例ですが、デンマークでは、チップを燃料とする地域熱工場が50カ所、ペレットを燃料とするところが20カ所あり、バイオマス利用が国民生活に根づいています。そして、快適な、健康的な低炭素社会が実現しています。化石燃料を使わない低炭素社会を構築し、環境あるいは資源保護を国策として実現を図ることです。バイオマス先進国のデンマークも、国の政策、指導が大きいようです。石炭とチップの混焼は、熱効率がよく、既存の設備が使えるなどのメリットはありますが、チップの燃料としての割合はわずかであり、エネルギーの需要に対する貢献は、現段階では少ないようです。できれば環境面から混燃ではなく、森林チップのみを専焼し、灰を肥料などに利用してはいかがでしょうか。住友共同電力が、粉砕した木質バイオマスを火力発電に利用しています。また、本市としてどのような取り組みをされるのか、お伺いします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 神野議員さんの御質問に答えします。
林業政策についてでございます。
国におきましては、森林・林業再生プランの実現に向けた具体的な方策を明らかにするため、森林・林業基本政策検討委員会が取りまとめた森林・林業の再生に向けた改革の姿が、先般11月30日に公表されたところでございます。その中におきまして、森林計画制度の見直しや適切な森林施業が確実に行われる仕組みの整備など、10年以内に木材自給率を50%とする政府目標の達成に向けた方向性が示されております。これにより、森林、林業政策は、大きな転換期を迎えることとなり、今後森林法の改正を初め、国の森林・林業基本計画及び全国森林計画の見直し、また県の地域森林計画の見直しが行われることとなり、本市におきましても、これらの計画に準じて、新居浜市森林整備計画の見直しを行うことになると思われます。本市における計画の見直しに際しましては、森林が発揮する機能ごとのゾーニングや施業体系等について、愛媛県を初め、森林組合などの林業関係機関、森林所有者等から意見をお聞きし、森林・林業再生プランの実現に向け、新たな新居浜市森林整備計画の作成に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、生物多様性についてのうち、森林における生物多様性についてでございます。
個々の木の成長がよくて、下層植生の豊かな森林を目指すことが必要ではないかということについてでございます。
森林は、地球温暖化の防止、水源の涵養、生物多様性の保全、土砂災害防止、木材やキノコなどの林産物の生産、さらには人の心をいやしてくれるなど、人が生きる環境を守るためさまざまな役割を果たしております。これらの機能を持続的に発揮するためには、無秩序な伐採を防止するとともに、的確な間伐など適正な森林整備が必要であると認識しております。
次に、森林公園ゆらぎの森、ゆらぎ館、作楽工房の果たす役割についてでございます。
森林公園ゆらぎの森は、旧別子山村において、定住人口の回復、就労の場の確保による村の活性化を基本方針とし、自然、文化、生活資源を最大限に活用し、自然に親しむことで自然生態系への理解促進や自然保護への意識啓発を図れるような高原リゾートを形成するため整備された施設でございます。施設内には、宿泊とレストランという機能を備えたゆらぎ館、木工体験などができる作楽工房は、別子山地域外から来られた方を受け入れるための観光施設であり、別子山地域の雇用の確保や過疎対策の場としての意味合いをあわせ持つ施設となっています。
一方で、別子山地域全体が、まさに自然を体感できる豊かな自然環境のフィールドとなっておりまして、森林公園ゆらぎの森におきましても、園地内遊歩道による森を知る、体感するといった要素のほかに、観光施設という役割に通じた自然に対する理解を深めていただくとともに、自然のすばらしさを体感していただいてるところであります。今後におきましても、森林公園ゆらぎの森の魅力は、別子山地域の豊かな自然環境でありますことから、その情報を発信するとともに、別子山地域の四季折々の豊かな自然や地域特産品を生かした取り組みを通じて、交流人口の拡大や就労の確保など、別子山地域の活性化につなげてまいります。
次に、木質バイオマスについてでございます。
木質バイオマスの代表的なものとしましては、木材チップ、木質ペレットなどでございますが、本市の木材加工業者におきましても、木材チップや工場で発生するおがくずなどを木質バイオマスエネルギーとして住友共同電力の火力発電用に利用したり、製紙工場で利用している実態がございます。国の森林・林業再生プランの中におきましても、川上から川下までの安定的な取引ができるよう、製材、合板用材からチップ用材までのトータル的な流通体制の確立が方向性として示されております。チップに関するビジネスが確立されれば、貴重な国産エネルギー源となるほか、廃棄物の減少など循環型社会の確立、森林整備の推進や林業経営、さらには林地残材の減少による防災にも寄与するものであると認識しております。
森林チップのみを専焼し灰を肥料に利用してはとの御提案の件に関しましては、安定かつ効率的な供給体制を整えるには、まず木材チップの需要者を確保することが重要であると考えております。
また、木質バイオマスに関する本市の取り組みについてでございますが、現在、市の公共施設等に木質ペレットを利用するペレットストーブの導入を検討しており、木質バイオマスの取り組みの第一歩として市民への啓発に取り組んでまいります。
以上申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足いたさせます。
○議長(村上悦夫) 補足答弁を求めます。堀田総務部長。
○総務部長(堀田高正)(登壇) 林業政策についてのうち、自主防災組織に対するチェーンソー取扱訓練の実施について補足を申し上げます。
神野議員さん御指摘のとおり、チェーンソーは使用に危険を伴う資機材であり、また災害発生時には、地域住民のだれが使用することになるかわからないため、より多くの住民が安全に使用できるよう、安全教育や資機材取扱訓練を繰り返し実施していくことは必要であると認識いたしております。これまで本市の自主防災組織のうち、4組織が防災訓練などで地元林業関係者、消防職員、消防団員の指導のもと訓練を実施しております。今後におきましても、防災訓練等さまざまな機会において、消防職員、消防団員に協力を依頼し、自主防災組織に対する資機材取扱訓練等を積極的に実施してまいります。
○議長(村上悦夫) 曽我環境部長。
○環境部長(曽我忠)(登壇) 生物多様性についてのうち、レッドデータブックについて補足を申し上げます。
まず、種の数についてでございます。
愛媛県は、愛媛県レッドデータブックを作成するために、動植物の専門家で構成する愛媛県貴重野生動物検討委員会を設置し、哺乳類、鳥類、昆虫類など9つの部門について専門的知識を有する学識経験者で構成する専門分科会を設け、調査研究を行っております。この検討委員会において、貴重種を選定する基準について検討が行われ、絶滅、野生絶滅、絶滅危惧1A類などの10段階を設定し、それぞれについて要件定義を行い、調査結果に基づいて分類しております。このようなことから、当時の実態を把握して、レッドデータブックが作成されており、適正な種の数と考えております。
次に、レッドデータブック新居浜の作成についてでございます。
生物多様性の保全に取り組む上で、希少な動植物の現状を取りまとめたレッドデータブックは、重要な役割を果たす資料であると認識いたしております。しかしながら、レッドデータブックの作成時期や予算の確保など、今後検討協議しなければならない諸課題がございますので、当面は現在実施している自然共生事業を継続してまいります。自然共生事業では、平成21年度から平成25年度にかけて、市内に生息する動植物のうち、野鳥、水生生物、海辺の生物及び外来生物の4分類について調査し、リスト及びマップの作成を行ってまいります。
次に、種の保存のための具体的実施計画や活動についてでございます。
本年度は、野鳥や水生生物の自然観察会を開催し、身近な動植物や自然と触れ合う機会を設けて、自然保護に対する関心や自然との共生意識を高めております。さらに、平成23年度は海辺の生物、平成24年度は外来生物の自然観察会を計画しております。そのほか赤石山系に生息している希少な高山植物のツガザクラにつきましては、平成8年にツガザクラ自然保護協議会を関係事業所と組織し、生息地への立ち入りを防ぐためのロープの設置、定点観察などを継続実施しております。今後におきましても、機会あるごとに市民の皆様の自然に関する意識啓発を図り、生物多様性の保全に努めてまいります。
○議長(村上悦夫) 佐々木経済部長。
○経済部長(佐々木一英)(登壇) 林業政策について補足を申し上げます。
まず、傾斜角度35度以上のインフラについてでございます。
搬出間伐を行うには、林道や作業道を利用する方法と索道架線を利用する方法があります。いしづち森林組合においては、索道架線を利用した場合、近年の材価の低迷により、森林所有者への大きな負担が生じますことから、森林施業用に限定した必要最小限の作業道を開設して、森林整備を推進しているところでございます。
次に、環境面から奥山のアクセスの悪いところ、急峻なところは、天然林、もしくは天然生林にすることにつきましては、森林資源の持続的かつ循環的な利用を確保するためには、無秩序な伐採を抑制し、確実な更新を確保することが一層重要になりますことから、新居浜市森林整備計画の見直しの中で、伐採後の更新につきまして、天然更新を含めましたルールの明確化など検討してまいりたいと考えております。
次に、森林基幹道加茂角野線開設事業についてでございます。
新居浜市と西条市の進捗率の違いにつきましては、角野工区の計画変更及び平成16年災害により、長年大野山工区への進入路が確保できなかったためおくれております。また、全線開通につきましては、当初計画では、昭和62年度から平成28年度までの30年間でございましたが、県におきましては、平成26年度ころに国に対しまして全体計画の変更協議を行う必要があると伺っております。
次に、森づくり、中長期の計画、目標像についてでございます。
新居浜別子の森林整備の方針、作業システムの確立並びにその課題につきましては、現在、愛媛県が策定する地域森林計画及び新居浜市森林整備計画における森林整備及び保全の基本方針に基づきまして、森林の状況に応じた長伐期施業への誘導など、森林整備の推進を図っているところでございます。今後におきましては、森林・林業再生プランに基づく施策を実施していく中におきまして、整理すべき事項であると認識をいたしております。
また、意欲と能力を有する森林所有者等が、路網や施業の集約化に関する事項を含めた計画を作成する、仮称でありますが、森林経営計画制度が創設されますことから、この制度による計画の作成や新居浜市森林整備計画の見直しの中で方向性を明確にしてまいりたいと考えております。
新居浜市の人工林すべての間伐を何年で行うのかとの御質問につきましては、森林・林業再生プラン中におきましても、担い手となる林業事業体の育成が改革の方向性として示されており、担い手の確保とあわせた作業システムの構築が必要であると考えております。
また、地元企業による消化の促進につきましては、先般、公共建築物等における木材の利用の推進に関する法律が制定されるなど、木材利用に関する追い風となるべく施策が展開されることが考えられますので、関係機関とも連携し、地元産木材の利用促進につきましても方向性を定めてまいりたいと考えております。
次に、境界線の確定や森林情報の一元管理等についてでございます。
森林整備を推進する上で、山林の境界明確化は基本でございますが、最も困難な作業であります。現在、別子山地区におきましては、地籍調査事業により、個人所有の山林境界の明確化も順次なされております。新居浜市地区におきましては、森林組合が、国や県等の補助事業を活用しながら、森林所有者や地区の山林に精通した方の協力により境界確定を行いまして施業等を行っております。森林情報につきましては、市におきましては、愛媛県の森林情報システムを活用しております。また、森林組合におきましても、独自に開発されたGIS森林情報システムにて管理をいたしております。
次に、安全教育への取り組みについてでございます。
森林組合作業員に対しましては、必ず月1回の安全講習会を実施しているとのことでございます。
なお、個人で使用されている方につきましては、何らかの啓発の必要性を感じております。
次に、林業の高付加価値化についてでございます。
新居浜市の木材加工業、工務店など専門性といった技術集団を、一つの物づくり集団として高付加価値化を行うことは、本市林業の発展、地域産材の活用の見地からいたしますと大変貴重な御提案であると認識をいたしております。今後、森林・林業再生プランに基づく施策が展開されますが、川下が充実されてこそ川上の整備推進が図られるものと考えております。
次に、経済的メリットを犠牲にしても森林の適切な取り扱いを一義的に考えなければならない点についてでございます。
森林は、水源涵養、地球温暖化防止といった公益的機能を有しており、これら機能の持続的発揮が望まれております。これを踏まえ、集約化に向けた努力やコスト縮減意欲を引き出しつつ、必要な経費を支払う新たな森林管理・環境保全直接支払制度が創設されますことから、それらの制度を活用した支援体制を整えたいと考えております。
次に、有限会社別子木材センターについてでございます。
有限会社別子木材センターの事業方針といたしましては、国産材を利用した高付加価値の製品を開発し、売上拡大を目指しております。別子木材センターの生産性の向上及び増収増益、別子山の木は別子山で加工し、流通できる体制づくりが望ましい姿と考えておりますが、別子木材センターにおいてすべてを行うことは、現状においては設備上困難であります。
以上で補足を終わります。
○議長(村上悦夫) 再質問はありませんか。(1番神野敬二「ありません」と呼ぶ)
この際、暫時休憩いたします。
午前11時49分休憩
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午後 0時59分再開
○議長(村上悦夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。
真木増次郎議員。
○23番(真木増次郎)(登壇) それでは、通告に従いまして質問させていただきます。
初めに、夏から秋にかけてよく話題となるハチアレルギーについてお伺いいたします。
ある御婦人からの相談で、夏になるとスズメバチが盛んに飛ぶようになるので、小学生のお子様を家の外に出して遊ばせない、遊ばせることができないと言われました。その児童は、以前にスズメバチに刺され、そのとき診断医から、今度ハチ刺されたら命にかかわると言われたからだそうです。我が国では、年間30人から40人がハチ刺されて亡くなっているようです。特に、一度ハチに刺された経験のある人が、同じ種類のハチに2度目、3度目に刺された場合、最初に刺されたときに体の中にハチの毒に対する抗体ができ、2度目に刺されたときにそれによって体内で激しいアレルギー反応を起こす現象が起こります。これがアナフィラキシーショックと言われているものであります。通常のアレルギー反応は、熱感、発疹などの局所の不快症状で済む場合がほとんどですが、しかし特殊な体質を持った人の体内に特定のアレルギー物質であるハチの毒素が入ると、急激なアレルギー反応を起こし、呼吸困難、血圧低下、意識障害など命にかかわる全身症状を引き起こすことがあります。これらは数分後に発症し、急速に全身に広がり、著しく重いアレルギー反応が生じた場合、生命にかかわります。その場合、30分以内のアドレナリン製剤の注射が必要になると言われております。近年、屋外でも緊急の注射が可能な商品名エピペンと呼ばれる自己注射が可能なアドレナリン製剤が開発されました。これは、簡単な操作で、患者みずからが自分に注射できるように設計されております。しかも携帯が可能であります。
そこで、まずお伺いするのは、この自己注射が可能なアドレナリン製剤の市民への周知に関してであります。この自己注射薬が必要となるのは、以前にハチに刺された経験がある人や、以前にピーナッツ、そばなどの食物アレルギーなどで著しく重い反応があった人など、アナフィラキシーショックのリスクがある人になります。入手方法は、まず専門の医師の診断を受け、アレルギー検査後、処方せんの交付を受けることで、この自己注射薬を購入、携帯することができ、緊急時に備えることができます。しかし、この自己注射薬は、我が国では2003年8月に初めて認可され、2006年からは食物アレルギーによるアナフィラキシーショックにも使えるようになった新しい注射薬であります。そのためか一般の市民もこういった自己注射薬の存在やどこで処方をしてもらえるのか知らない方が多いのが現状であります。
そこで、広く市民にこの自己注射が可能なアドレナリン製剤の効用や入手方法、対応できる医療機関などを周知していただけるような施策が必要と思いますが、理事者の御所見をお伺いいたします。
次に、小中学校での運動や野外活動をする場合のハチアレルギー疾患を持つ児童生徒への対応に関してであります。
2008年4月、文部科学省より、学校がアレルギー疾患の児童生徒にどう対応すべきかをまとめた初のガイドラインが発表され、その中でアナフィラキシーショックに対処する自己注射が可能なアドレナリン製剤を本人にかわって教職員らが打つことは、医師法に違反しないとする初めての見解が示されました。また、教職員が発見者になった場合、必要に応じてこの自己注射薬を打つなどの対応がとれるよう、教職員全員が情報を共有し、緊急時の準備をしておくことを求めております。
そこで、お伺いする第1点目は、教職員がハチアレルギーなど多種のアレルギー疾患の特性について正しい知識を持つこと、そして児童生徒のアレルギー疾患などについて実態を知っておくことが重要かと思いますが、どのような対応をされているのか、お伺いいたします。
また、2点目は、児童生徒の屋外での活動が多い夏場から秋にかけてハチの数がふえる時期となりますが、ハチアレルギー疾患を持つ児童生徒に対して、どのような取り組みをなされているのかお伺いいたします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 真木議員さんの御質問にお答えいたします。
まず、教職員がアレルギー疾患の特性について正しい認識を持つこと、そして児童生徒のアレルギー疾患などについて実態を知るためにどのような対応をしているかについてでございます。
教職員がアレルギーについて正しい認識を持つための対応といたしましては、文部科学省からのアレルギー疾患に関する調査研究報告書、学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン等が示されていますので、これらの資料を活用しながら、食物アレルギー、アナフィラキシーについて、またエピペンの使用方法などの職員研修を行っており、今後におきましても、資料の有効活用と校内研修の充実を呼びかけてまいります。
また、児童生徒の実態把握につきましては、すべての学校において、年度当初に全教職員が情報を共有できるように話し合いの場が持たれています。さらに、アレルギーのみならず、健康面で配慮をしなければならない事実が新たに発生したときは、速やかに情報交換がなされています。
次に、ハチアレルギー疾患を持つ児童生徒に対しての取り組みについてでございます。
まずは、保護者からの情報収集に努めます。学級担任が窓口となり、養護教諭が情報を集約します。その上で該当児童生徒がいる場合には、すべての教職員で情報の共有を図り、事故の未然防止のための対応や事故発生時に適切な対応がとれる体制づくりを行います。具体的には、子供の活動場所の確認、ハチの巣の除去、児童生徒への事故防止のための指導、事故発生時の応急処置の準備、校内の緊急連絡体制や保護者への連絡体制の整備、救急搬送手順の確立など、事故が起きた場合を想定して適切な対応のための体制を整えています。
○議長(村上悦夫) 近藤福祉部長。
○福祉部長(近藤清孝)(登壇) ハチアレルギーについてお答えいたします。
ハチアレルギーは、御案内のとおり、ハチに刺されたときにハチ毒が体内に入って起こるアレルギー反応のことで、ハチ毒にアレルギーのない人は、ハチに刺されても痛み、かゆみ、はれといった局所症状があらわれるだけですが、アレルギーのある人は、極めて強い反応が起こり、嘔吐、寒気、全身のじんま疹といった全身症状から呼吸困難や意識障害などのアナフィラキシーショックを起こすことがあります。時には死に至るなど、重篤な症状に陥る場合がございますので、その予防法や対処法及び応急時の自己注射が可能なアドレナリン製剤についての情報を市民に周知することは重要なことと認識いたしております。現段階では、ハチアレルギーについての特別な広報は行っておりませんが、すこやかダイヤル相談や健康相談等の保健事業の中で随時対応をしている状況でございます。今後におきましては、市政だよりやホームページ等におきまして、ハチアレルギーに関する症状や対処方法、対応可能な医療機関等につきまして医師会等とも連携し、積極的な周知啓発に努めてまいります。
○議長(村上悦夫) 真木議員。
○23番(真木増次郎)(登壇) ハチの一刺しと言いますけれども、私以前、スポーツ少年団、ソフトボールの代表をしてたときに、子供たちを連れて松山でソフトボールの試合をして、帰りに石鎚山サービスエリアで休憩していたところ、車からおりた途端に、そのチームの監督をしている人、コーチをしている人がばたばたっと一遍に倒れてしまって、何事が起こったのかと思ったら、結局ハチに刺されてそういうような昏睡状態になってしまったということがありまして、本当に怖いもんだなと思ってますんで、特に小中学校、そういったところでの対応を素早くできるようにこれからも注意していただきたいと思います。
次に、空き家、廃屋対策に関してお伺いいたします。
市内でも古い住宅密集地域を歩くと、明らかに空き家であると思われる家や雑草が生い茂り、天井が抜けて窓ガラスが割れ、崩壊寸前の住宅などを見かけます。このような空き家や廃屋は、核家族化と高齢化、また県外へ出た子供が帰ってこないなどの理由で、本市においても増加傾向にあるのではないかと思います。こうした空き家や廃屋は、長年放置されたことによって、地域でさまざまな問題を引き起こしております。こういった空き家、廃屋の問題としては、まず放火による火災や自然崩壊の危険、台風や強風時の木片やかわらの飛散によるけがなどの災害、ごみの不法投棄、不審者や非行少年のたまり場になりやすい防犯上の問題、飼い主のいない犬、猫のねぐら、またシロアリの繁殖地になるなどの衛生上の問題、周辺地域の景観上の悪影響などが挙げられます。しかし、土地、建物が個人の所有している財産であるがゆえに、地域から苦情があっても、行政の打つ手が限られているのが実態であります。
そこで、以下4点についてお伺いいたします。
まず1点目は、本市には倒壊のおそれがある危険な家屋がどのくらいあるのか、一定の基準に基づいて市内全域の実態調査が必要と思いますが、理事者の御所見をお伺いいたします。
2点目は、建築基準法第10条には、保安上、危険な建築物等に対する措置として、著しく保安上危険であり、または著しく衛生上有害であると認める建築物に関しては、除却等を含めた改善指導を行うことができるとあります。しかしながら、一般住宅においても、市民に危害が及びそうな極めて危険な建物に対しては、この条文でうたわれております改善指導よりも一歩踏み込んだ対応が必要かと思うのであります。
そこで、本市における著しく危険な家屋に対する改善指導の状況とその成果についてお伺いいたします。
3点目は、危険な家屋を解体したくてもお金がないという人もおります。また、お金をかけて解体して更地にした場合は、今度は固定資産税が高くなります。こうした要因が、危険な家屋の解体の大きな障害となっております。その結果、行政から度重なる指導をしても前に進まないのが現状であります。国土交通省には、新たに創設された社会資本整備総合交付金事業という支援制度があります。これは地域における住宅政策を自主性と創意工夫を生かしながら総合的かつ計画的に推進することを目的とした制度であり、空き家となっている住宅などの活用や解体撤去などの費用についても国からの支援が可能になるというものであります。このような国の支援制度の活用も視野に入れ、行政として所有者の背中を後押しできるような本市独自の助成制度の創設ができないものか、お伺いいたします。
最後に、更地の寄贈については、一定の条件さえ整えば可能であろうかと思うのですが、仮に空き家や廃屋について寄贈の申し出があった場合、市が譲り受けて公費で解体撤去し、公園や緊急車両も通れないような細い路地が多い地域での避難場所や防災用具の置き場など、公共的な用途に利用ができないものでしょうか。長崎市では、2006年から昨年度までの4年間で、約1億円の予算で危険な空き家の解体に取り組んでいます。条件としては、土地、建物を市に寄贈することだそうですが、それでも208件もの申し込みがあり、市は既に28棟を解体したとのことであります。解体後の土地は、貴重な公共のスペースとなり、公共的な用途に有効活用されていると聞き及んでおります。本市でもこういった制度を創設してはどうかと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。堀田総務部長。
○総務部長(堀田高正)(登壇) 空き家、廃屋対策についてお答えいたします。
まず、倒壊のおそれがある危険な家屋の実態調査についてでございます。
真木議員さん御指摘のとおり、今後の市としての空き家、老朽危険家屋への指導、効果的な対応を具体的に検討する上において、現状を把握する実態調査が必要であると考えており、平成23年度から市内全域の空き家、廃屋の実態調査を実施したいと考えております。現在、調査方法や対象物などについて具体的に検討中でございますが、その調査対象は、倒壊の危険性のある家屋のみではなく、防災、防犯、生活環境等の観点から、危険性、問題のある家屋すべてを対象としなければならないものと考えております。
次に、御提案いただきました社会資本整備総合交付金事業等を活用した本市独自の助成制度の創設についてですが、社会資本整備総合交付金においては、老朽建築物の除却についても補助対象となっておりますが、区画整理事業のような社会資本整備を伴う公共事業であることが前提であり、対象区域の住宅戸数密度や老朽住宅戸数の割合が定められております。したがって、市内全域への対応に活用することについては制度的な制約がありますことから、有効に活用できる補助制度や本市独自の制度創設につきましては、今後の実態調査の結果も踏まえて、関係各課とも連携を図りながら検討いたしてまいります。
次に、空き家や廃屋を所有者から市が譲り受けて公費で解体撤去し、公共用地として利用する制度についてでございます。
本市では、道路や公園など行政財産となるべき財産もしくは既に無償で使用させていただいている財産等は寄附していただいておりますが、現在のところ、取得の目的のない財産については寄附を受け入れておりません。私有財産の寄贈及び撤去等に公費を負担することについては、対象とする家屋等の基準を初め、市民の理解を得られる制度設計には多くの解決すべき問題がございますことから、当市として何らかの有効な制度を設けられないか、先進地の取り組み事例等の情報収集を行いながら検討に努めてまいります。
○議長(村上悦夫) 源代建設部長。
○建設部長(源代俊夫)(登壇) 空き家対策についてのうち、本市における著しく危険な家屋に対する改善指導の状況とその成果についてお答えいたします。
老朽家屋への対応につきましては、従来から通報などにより職員が現地を確認し、通行者や近隣の方々に危険が及ぶと判断したものは、必要に応じて、ロードコーンの設置などで注意喚起を行うとともに、所有者が判明したものにつきましては、現状が危険であることをお伝えし、適正な改善をお願いしております。
お尋ねの改善指導の状況とその成果につきましては、平成20年度は、6件の改善依頼に対して改善されたものは3件でございます。平成21年度は、12件に対して改善されたものはゼロ件でございます。平成22年度は、11月末の時点で7件に対して改善されたものは2件となっております。
○議長(村上悦夫) 真木議員。
○23番(真木増次郎)(登壇) 御答弁ありがとうございました。平成23年度から実態調査に入られるということなんですけれども、確かに目的のないものをぽつんと1つずつ寄贈されても、後々の管理とかも含めて非常に困る問題も出てくると思うんですけれども、平成23年度からの実態調査、それと同時並行というふうな形で速やかに対応策、そういったものを検討していただいて、メニューを提示していただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、デジタル教科書の普及についてお伺いいたします。
文部科学省から教育委員会あてに障害のある児童生徒が使用する音声読み上げのコンピューターソフトを利用した教材、デイジー教科書というそうですが、学校現場での普及がおくれていることに対して、利用を後押しする通知が出ていることを仄聞いたしましたが、本市の状況はいかがでしょうか。
あわせて、校長先生等管理職に、デイジー教科書の理解をしていただくことが、スムーズな活用につながると思いますが、本市における各学校への普及はどのようになっていますでしょうか。
また、発達障害のある児童生徒の学習を支援するツールとして積極的に活用推進していただきたいと思いますが、御所見をお聞かせください。
また、これと関連して申し上げれば、このデイジー教科書ではなく、正規の教科書としてのデジタル教科書を文部科学省は2015年までにすべての小中学校に配備するつもりのようであります。本市においてはまだ導入されていないと思いますが、大型デジタルテレビを最大限に活用できるすぐれものですので、先生の研修でのモニタリングをし、試験的な導入からでも始めてみてはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) デジタル教科書の普及についてお答えいたします。
まず、障害のある児童生徒が使用する音声読み上げのコンピューターソフトを利用した教材の利用についてでございます。
平成20年9月17日付で、文部科学省初等中等教育局長から、障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律等の施行についての通知がありました。これは、教育の機会均等の趣旨にのっとり、障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の発行の促進を図るとともに、その使用の支援について必要な措置を講ずることにより、教科用特定図書等の普及の促進等を図り、もって障害、その他の特性の有無にかかわらず、児童及び生徒が十分な教育を受けることができる学校教育の推進に資することを目的とするものでございます。この教科用特定図書とは、教科用拡大教科書、教科用点字図書、その他障害のある児童及び生徒の学習の用に供するため作成された教材であって、検定教科用図書等にかえて使用し得るものでございます。この中で、発達障害等のある児童生徒であって、検定教科用図書において使用をする文字、図形等を認識をすることが困難な者が使用する教科用特定図書等の整備及び充実を図るため、必要な調査研究等を推進することとなっており、文部科学省におきましては、その有用性等について調査研究が進められている状況でございます。このため現時点ではデイジー教科書は、拡大教科書のように、無償で給付することはできません。このようなことから、学校において必要と判断した場合においては、有償で購入し、補助教材として使用することは可能であるということになっております。県内では、松山盲学校の専攻科での利用があると聞いております。本市の状況ですが、デイジー教科書について導入している学校はございません。読むことに困難を覚えている児童生徒が、デイジー教科書を使用することにより、教科書の内容の理解を促す効果があるということから、今後教育委員会といたしましては、文部科学省の調査研究の状況も見据え、普及啓発に努めてまいります。
次に、デジタル教科書についてでございます。
文部科学省は、最先端の情報通信技術(ICT)を応用した電子教材、デジタル教科書の学校現場での導入に向け、本年4月から学校教育の情報化に関する懇談会を設置し、検討しているところでございます。これは、映像や音声などを駆使した新たな教育手法の開発やきめ細かい個別指導につながることがねらいとされております。大画面に教科用図書を映し出したり、注目部分を拡大したり、画面に線を引くことなどで授業に一体感が出るとされています。また、持ち運び可能で、画面上の表示を押して操作するタッチパネル式の情報端末の使用等も検討していると聞き及んでございます。本市では、本年、簡易的に電子黒板と同様の機能を使えるスクリーンとプロジェクターをすべての小中学校に2セットずつ配置し、教材用ソフトの使用により、映像や音声等を利用した学習を行っています。視覚と聴覚の複数の感覚を使う学習であり、教育効果が期待されるところであります。ただ、デジタル教科書につきましては、総務省主導によるフューチャースクール推進事業として進められてきた経緯がありますが、事業仕分けで廃止とされるなど不透明感もございますので、今後国の動向を注視いたしたいと考えております。
○議長(村上悦夫) 真木議員。
○23番(真木増次郎)(登壇) 御答弁ありがとうございました。デイジー教科書、デジタル教科書にしても、新居浜市においてはまだ今からという状態だと思うんですけれども、先月11月29日、新聞にデイジー教科書の記事が一部載ってまして、日本の中では京都、奈良、そういったところが先進的な取り組みということで普及が進んでいるようでございます。記事には、学習障害の児童は、文章の行を飛ばしたり、左右を反転させた文字、鏡文字に見えるなど、通常の読み書きを行うことが難しい。教科書の内容を電子化したデイジー教科書では、パソコン画面に大きさを変えられる文字で文章を表示、音声で再生したり、音声に対応する箇所を違う色で目立たたせ、児童の読む負担を軽くし、理解を助けるということでいろんな面で役立っている場面があると思いますんで、これからもさらに研修を積んでいただき、導入に向けて取り組んでいただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、観光戦略、集客についてお伺いいたします。
長い間、本市には、国内外からお客様を呼び込むだけの圧倒的な目玉がないと私自身思い込んででいましたが、東洋のマチュピチュのネーミングが人の心をとらえ、一大観光に成長しつつあります。今後プレゼン力を磨き、体験コンテンツの整備やおもてなしなどソフト面も強化していっていただきたいと思いますが、今後の取り組み計画についてお伺いいたします。
次に、売りをはっきりする必要があるんじゃないかと思います。もちろん売りは、四季折々の東平の美しさ、どの季節に行けば写真やポスターと同じ景色に出会えるのかという情報、カメラアイと同じ眺望スポットの整備や出会いたい景色に合わせた朝、昼、夕の情報、感動は時と場所も選ぶのだと思います。御所見をお伺いいたします。
また、観光戦略を成功へと導くためには、必死な一人がいるのかどうかが重要なポイントだと思います。北海道旭川市の旭山動物園は、その典型的な例であります。本市においても、観光スポットごとに集客数やリピーターの増加をねらった知恵と工夫を生み出すための観光戦略責任者を立てて取り組むべきだと考えますが、いかがでしょうか。
さて、よい観光地、行きたい観光地の条件を検索してみますと、いかにも観光地といった大都市、大手資本系観光施設、行き届いた接客よりも少し不便な地方都市近郊、自然のままのところ、人情味のある接待といったニーズが高くなっているようです。そして、もう一つは、食べ物がうまいということです。新居浜のことを言われているようでとってもうれしくなりましたが、問題はどうやって多くの人に知らしめるかです。今はやっているB級グルメやゆるキャラなど、やったもの勝ち、言ったもの勝ちの傾向があります。ことしグランプリをとった甲府鳥もつ煮なんか、全国どこに行っても食べられるものですが、早くもブランド化しています。
そこで、提案ですが、一切ジャンルは問いませんので、新居浜、別子、東平を舞台にした小説、エッセー、ポエム、歌等を募集してみてはいかがでしょうか。新居浜には多くの観光大使がいます。その方々にも審査に加わってもらえれば、そのことにマスコミの人たちも反応するように思います。観光大使も、使ってあげてこそ価値が上がると思います。著作権はすべて新居浜市がいただき、小説に脚本ができればドラマ化も現実味が出てきます。新居浜の企業でスポンサーを募れば、そんなに予算がかかることはないんじゃないでしょうか。松山市にはドラマと連動させた坂の上の雲、トワ・エ・モア等が歌う「この街で」があります。私は、個人的には、会員番号17番の城之内早苗さんのほうがしっとりして好きなんですが、間違って紅白にでも出れば大もうけです。先月末、民放で、日本食研バンドが日経おとなのバンド大賞に出場することが大々的に放映されていました。何度も言うようですが、受ければ勝ちなのです。おもしろかったら人の心に残ります。新居浜市役所には、音楽的にセンスがある方もたくさんいらっしゃいます。公務員がCDデビューすることがニュースになります。佐々木市長、来年度は大胆にやってみませんか、御所見をお伺いします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 観光戦略についてお答えします。
まず、東平の今後の取り組みについてでございます。
本年は、東平が東洋のマチュピチュとしてクローズアップされ、4月から11月までに市内外から昨年の2.4倍に当たる約6万5,000人と多くの観光客の方に訪れていただきました。株式会社マイントピア別子と旅行会社のタイアップによる東平を組み入れたツアー、天空の歴史遺産が昨年の7月末から始まり、これ以降、新たな旅行会社による魅力的なツアーも企画されております。さらに、来シーズンにおきましても、新たなツアーによる集客が見込まれておりまして、ことしを上回る多くの観光客の方にお越しいただけることを期待いたしているところであります。
さて、東平での観光につきましては、これまでガイド事業によるアンケート等を通じましていろいろな御意見や御感想をいただいております。何と申しましても筆頭は、狭隘な道路に対するものでありましたが、このことにつきましては、地形上、抜本的な改良は困難でありますが、平成23年度から順次離合箇所の確保に向けた工事に取り組む予定となっております。また、そのほかには来年度も引き続き土、日や祝日の繁忙期に市道河又東平線や東平の駐車場等の渋滞を緩和するための交通整理や交通誘導を行い、円滑な通行と安全の確保に努めてまいりますとともに、個人観光客向けの観光ガイドもあわせて行うことといたしております。さらに、来年度は、東平エリア内の観光案内板、説明板、誘導標識を集中して整備し、また東平エリア内のガイドマップも作成するなど、東平にお越しになられた観光客の方が、お一人で回っても安心して東平の魅力に触れていただくことができるよう、受け入れ体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、東平の売りということにつきましては、東平のイメージを象徴する貯鉱庫をパンフレット等で見られ、東洋のマチュピチュ何ぞやということが観光の一つのきっかけとなっておりますが、実際に現地を訪れ、本物を見て歩く中で、かつての別子銅山の繁栄、歴史の面影、そして自然に返しつつもなお威容を誇る遺産群が醸し出す雰囲気を雄大な自然と清涼な空気の中でじかに感じていただくことが最高の感動を生み出すものと思っております。つまり、東平の売りとは、まさにそれら全体であると考えております。このようなことから、せっかく東平まで足を運んでいただいた方、お一人でも多くの方にそうした感動を持って帰っていただけるよう受け入れ環境を充実してまいります。
次に、観光戦略のために観光スポットごとに観光戦略責任者を立ててはどうかとの御提案でございます。
観光戦略というものは、各観光スポットがそれぞれに活性化を図っていくことが重要なことでありますが、このことに加え、いろいろな観光施設やスポットをつなぎ、地域全体で一体となった観光振興をマネジメントできる人、組織というものが必要ではないかと考えております。そのためには、まず観光戦略として、官民一体となって取り組むことができるいわゆる新居浜市の観光振興の指針となるものが最も重要であると考えておりまして、このことにつきましては、今後、新居浜市観光振興計画を策定してまいりますので、その中で位置づけをしてまいりたいと考えております。
また、観光戦略となる観光振興計画を受けて、具体的な取り組みを進めていくために、各主体や各種事業をマネジメントし、コーディネートできる体制づくりも必要となります。行政主導も一つではありますが、観光協会等を中心に、地域一丸となった観光振興体制を構築するということも一つの方法ではないかと考えているところでございます。
次に、新居浜、別子、東平を舞台にした小説や歌あるいはエッセーなど、大胆にやってみてはどうかという御提案についてでございます。
新居浜市には、別子銅山の近代化産業遺産や新居浜太鼓祭りという全国に誇り得る観光資源があります。また、そのほかにも七福芋を初め、全国区になる可能性を秘めた潜在能力のあるさまざまな観光資源がまだまだあると考えております。観光大使についても触れていただきましたが、そうした新居浜の観光資源というものをうまく活用し、仕掛けていくためには、何よりも積極性というものが観光振興には求められているところであります。10月には、御紹介もありました新居浜青年会議所によりまして、B級グルメのイベント、こんかいや~新居浜B級グルメショッ喰が黒島海浜公園で開催され、市内外から家族連れなど1万人の方が詰めかけております。今後におきましても、このような地域のマンパワーなどもうまく生かしながら、また真木議員さん御提案の募集への取り組みも含めまして、多種多様なアイデアの掘り起こしや仕掛け、情報発信に努め、魅力ある観光振興に取り組んでまいります。
○議長(村上悦夫) 真木議員。
○23番(真木増次郎)(登壇) 御答弁ありがとうございました。この質問を書くきっかけになったのが、毎朝、新居浜市役所に出勤してくると、エレベーターの中に1万人が暮らした天空の村という、今はないんですが、そういうすばらしいポスターが以前ありまして、それを見るたびに、やっぱり1万人の人生のドラマがここで繰り広げられたんだろうなという思いが毎日していました。やっぱりドラマがあるところには歌はあるし、そういったものが新居浜市にもあればいいなという願望からこういう質問をさせていただきました。やっぱり私自身は凡人ですので、小説と言うても、マチュピチュのポスターから思い浮かぶものというたら、マチュピチュ殺人事件、そんな題名しか思い浮かばないし、公明党議員団の人に聞くと、やっぱり霧にむせぶマチュピチュとか、振り向けば新居浜とか、要するに全部ぱくり物みたいな言葉しか返ってきませんでしたけれども、やはりすばらしいセンスを持った方がたくさんおられると思いますので、そういったものをどんどん募集していって、新居浜市の財産にしていければいいなと思っております。そういう中で、本当にこの市議会ですとか県議会、そういったところにも協力していただいて、新居浜をとにかく盛り上げていければいいなと思います。以前、世界じゅうのトップアーチストたちが集まってウイアーザワールドを歌い、日本でも坂本九さんの明日があるさというのがリメーク版で本当に大ヒットしたんですけれども、やっぱり戦後日本の復興の中には青い山脈とか、そういうふうな歌があって、新居浜もそういう歌が生まれれば本当にすばらしい町だと、日本じゅうの人が思っていただけるんじゃないかと、そういう気持ちからこういう質問をさせていただきましたので、ぜひ具体的な取り組みになることを望んでおります。
次に行きます。
次に、期日前投票についてお伺いいたします。
投票率の低下に伴い実施されている期日前投票は、一人でも多くの人が投票できるようにすることが重要だと思いますが、衆院選、参院選、統一地方選、それぞれ選挙制度が異なり、困惑する高齢者が多いのが実情ではないでしょうか。前回の質問でもお尋ねいたしましたが、基本的には有権者が利用しやすい制度に変えていくことが重要だと思います。
そこで、一番嫌な思いをする、投票所で期日前投票の理由を選んで提出する宣誓書に関して、投票所入場券の裏に宣誓書の様式を印刷する方法を導入している自治体もあると仄聞しましたが、新居浜市で実施したときに何か問題はあるでしょうか。また、統一地方選での実施は可能でしょうか、お伺いいたします。
また、あわせて障害者の投票率向上のためにも、投票所での介添え人の配置改善等投票環境の向上についても必要だと思いますが、御所見をお伺いいたします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。岡選挙管理委員会事務局長。
○選挙管理委員会事務局長(岡正士)(登壇) 期日前投票についてお答えいたします。
まず、期日前投票での宣誓書につきましては、現在、期日前投票所において、住所、氏名、生年月日に加え、期日前投票事由に該当する理由に丸印を記入し、提出していただいております。この宣誓書の様式は、公職選挙法に定められておりますが、可能な範囲で記入欄を大きくしたり、期日前投票事由欄の表現をわかりやすくするなどの工夫を行ってきております。この宣誓書を投票所入場券の裏面に印刷することによりまして、現在、1枚のはがきに2人分の投票所入場券を印刷し郵送しておりますが、宣誓書の様式を印刷する場合、はがきのスペースが限られており、投票所入場券は、1枚につき1人分のみ印刷することとなります。このため投票所入場券のレイアウトを変更するためのシステム改修費用や投票所入場券の郵送料についての経費増加が見込まれます。しかしながら、投票所入場券に宣誓書の様式を印刷しておけば、御自宅などで必要事項をあらかじめ記入することができ、期日前投票所における受け付けが早くなりますことから、投票がスムーズに行えるという利点がございます。また、文字を書くことに時間がかかる、手が不自由であるといったことで、高齢者や障害を持った方にとっては精神的な負担が少なく投票できるのではないかとも思われます。これらのことから、今後、投票所入場券のレイアウトや選挙執行経費全体での経費の精査を行い、可能であれば来年4月に執行予定の統一地方選挙からの導入を検討してまいりたいと考えております。
次に、投票所での介添え人の配置改善等投票環境の向上についてでございます。
公職選挙法では、投票所に出入りし得る者として選挙人、投票者の事務に従事する者、投票所を監視する職権を有する者、または当該警察官となっており、これら以外では、投票管理者が認めた場合に限り、選挙人の同伴する幼児、その他のやむを得ない者について投票所への出入りを認めております。投票所での介添え人につきましては、これらの投票所に出入りする者に該当するかどうか、公職選挙法上において検討すべき課題でもありますことから、現時点においては総務省が設置しております障がい者に係る投票環境向上に関する検討会の動向を注視しながら対応していくべきものと考えております。したがいまして、投票所及び期日前投票所におきましては、現状の投票事務従事者が、来場された選挙人の方に必要な補助を行い、介添えの役割を果たすことで、高齢者や障害をお持ちの方が気兼ねなく投票に来ることができるよう、今後とも努めてまいりたいと考えております。
○議長(村上悦夫) 再質問はありませんか。真木議員。
○23番(真木増次郎)(登壇) 具体的な答弁ありがとうございました。
以上で質問を終わります。
○議長(村上悦夫) 以上で本日の一般質問は終わりました。
これをもって本日の日程は全部終了いたしました。
明8日は午前10時から会議を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後 1時45分散会