本文
目次
議事日程
本日の会議に付した事件
出席議員
欠席議員
説明のため出席した者
議会事務局職員出席者
開議(午前10時00分)
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 一般質問
西原司議員の質問(1)
1 多文化共生について
佐々木市長の答弁
1 多文化共生について
前垣市民部長の答弁
1 多文化共生について
西原司議員の質問(2)
1 多文化共生について
前垣市民部長の答弁
1 多文化共生について
西原司議員の質問(3)
1 多文化共生について
前垣市民部長の答弁
1 多文化共生について
西原司議員の質問(4)
1 多文化共生について
前垣市民部長の答弁
1 多文化共生について
西原司議員の質問(5)
2 要介護認定と介護認定審査会の運営について
近藤福祉部長の答弁
2 要介護認定と介護認定審査会の運営について
西原司議員の質問(6)
2 要介護認定と介護認定審査会の運営について
近藤福祉部長の答弁
2 要介護認定と介護認定審査会の運営について
西原司議員の質問(7)
2 要介護認定と介護認定審査会の運営について
近藤福祉部長の答弁
2 要介護認定と介護認定審査会の運営について
西原司議員の質問(8)
2 要介護認定と介護認定審査会の運営について
3 非常勤行政委員会委員について
堀田総務部長の答弁
3 非常勤行政委員会委員について
西原司議員の質問(9)
3 非常勤行政委員会委員について
大石豪議員の質問(1)
1 まちづくりと商店街再生について
佐々木市長の答弁
1 まちづくりと商店街再生について
佐々木経済部長の答弁
1 まちづくりと商店街再生について
大石豪議員の質問(2)
1 まちづくりと商店街再生について
佐々木経済部長の答弁
1 まちづくりと商店街再生について
大石豪議員の質問(3)
1 まちづくりと商店街再生について
佐々木経済部長の答弁
1 まちづくりと商店街再生について
大石豪議員の質問(4)
1 まちづくりと商店街再生について
休憩(午前11時03分)
再開(午前11時13分)
神野敬二議員の質問(1)
1 農業政策について
2 有機農業について
3 地産地消について
4 農地法改正案について
5 地域活性化・経済危機対策臨時交付金について
佐々木市長の答弁
1 農業政策について
高橋農業委員会会長の答弁
2 有機農業について
4 農地法改正案について
高橋企画部長の答弁
5 地域活性化・経済危機対策臨時交付金について
佐々木経済部長の答弁
3 地産地消について
神野敬二議員の質問(2)
5 地域活性化・経済危機対策臨時交付金について
休憩(午前11時41分)
再開(午後 0時59分)
真鍋光議員の質問(1)
1 定額給付金と子育て応援特別手当の取り組み状況について
2 高齢者等入居支援事業について
3 レジ袋削減とマイバッグの利用促進について
4 高齢者への肺炎球菌ワクチン予防接種について
5 がん対策について
6 特定健康診査と特定保健指導について
佐々木市長の答弁
1 定額給付金と子育て応援特別手当の取り組み状況について
3 レジ袋削減とマイバッグの利用促進について
近藤福祉部長の答弁
2 高齢者等入居支援事業について
4 高齢者への肺炎球菌ワクチン予防接種について
5 がん対策について
6 特定健康診査と特定保健指導について
佐々木経済部長の答弁
1 定額給付金と子育て応援特別手当の取り組み状況について
真鍋光議員の質問(2)
1 定額給付金と子育て応援特別手当の取り組み状況について
2 高齢者等入居支援事業について
5 がん対策について
6 特定健康診査と特定保健指導について
休憩(午後 1時53分)
再開(午後 2時03分)
仙波憲一議員の質問(1)
1 国の指針に基づく集中改革プランと行政改革について
佐々木市長の答弁
1 国の指針に基づく集中改革プランと行政改革について
仙波憲一議員の質問(2)
1 国の指針に基づく集中改革プランと行政改革について
佐々木市長の答弁
1 国の指針に基づく集中改革プランと行政改革について
仙波憲一議員の質問(3)
2 行政改革と公平性の担保について
高橋企画部長の答弁
2 行政改革と公平性の担保について
仙波憲一議員の質問(4)
2 行政改革と公平性の担保について
高橋企画部長の答弁
2 行政改革と公平性の担保について
仙波憲一議員の質問(5)
2 行政改革と公平性の担保について
3 農業問題と食の安全について
佐々木市長の答弁
3 農業問題と食の安全について
佐々木経済部長の答弁
3 農業問題と食の安全について
仙波憲一議員の質問(6)
3 農業問題と食の安全について
散会(午後 2時57分)
本文
平成21年6月10日 (水曜日)
議事日程 第3号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
――――――――――――――――――――――
本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
――――――――――――――――――――――
出席議員(28名)
1番 神 野 敬 二 2番 西 原 司
3番 永 易 英 寿 4番 古 川 拓 哉
5番 伊 藤 謙 司 6番 西 本 勉
7番 高須賀 順 子 8番 岩 本 和 強
9番 大 石 豪 10番 大 條 雅 久
11番 藤 原 雅 彦 12番 真 鍋 光
13番 藤 田 豊 治 14番 高 橋 一 郎
15番 藤 田 幸 正 16番 伊 藤 優 子
17番 藤 田 統 惟 18番 岡 崎 溥
19番 伊 藤 初 美 20番 石 川 尚 志
21番 村 上 悦 夫 22番 佐々木 文 義
23番 真 木 増次郎 24番 仙 波 憲 一
25番 白 籏 愛 一 26番 近 藤 司
27番 加 藤 喜三男 28番 山 本 健十郎
――――――――――――――――――――――
欠席議員
な し
――――――――――――――――――――――
説明のため出席した者
市長 佐々木 龍
副市長 石 川 勝 行
企画部長 高 橋 俊 夫
総務部長 堀 田 高 正
福祉部長 近 藤 清 孝
市民部長 前 垣 芳 郎
環境部長 加 藤 哲
経済部長 佐々木 一 英
建設部長 源 代 俊 夫
消防長 河 野 勉
水道局長 近 藤 日左臣
教育長 阿 部 義 澄
教育委員会事務局長 高 橋 康 文
監査委員 神 野 哲 男
農業委員会会長 高 橋 征 三
農業委員会事務局長 藤 田 理
――――――――――――――――――――――
議会事務局職員出席者
事務局長 藤 田 恭 一
議事課長 鴻 上 浩 宣
議事課副課長 青 木 隆 明
議事課副課長 飯 尾 誠 二
議事課調査係長 徳 永 易 丈
議事課議事係長 阿 部 広 昭
議事課主任 大 田 理恵子
議事課主事 高 本 大 介
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前10時00分開議
○議長(村上悦夫) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第3号のとおりであります。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(村上悦夫) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において佐々木文義議員及び真木増次郎議員を指名いたします。
―――――――――― ◇ ――――――――――
日程第2 一般質問
○議長(村上悦夫) 次に、日程第2、昨日に引き続き一般質問を行います。
順次質問を許します。まず、西原司議員。
○2番(西原司)(登壇) おはようございます。
協働ネット21の西原司です。
通告に従いまして順次質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
最初に、多文化共生についてお伺いいたします。
本市には、ことし5月末現在、884人の在住外国人がいます。このうち多い国籍から、中国360人、韓国298人、フィリピン86人とのことです。小中学校にも、小学校13名、中学校7名の外国人児童生徒が在学しているとお聞きしております。
平成4年に策定された新居浜市国際交流基本計画が改められ、新居浜市国際化基本計画が策定されました。この計画は、「~違いを認め、だれもが自分らしく共に暮らせる新居浜市~」を掲げ、多文化共生に重点を置いた計画であると認識しております。
国においても、平成18年3月、地域における多文化共生推進プランを策定し、地域における多文化共生に係る指針や計画の作成を地方自治体に求めてきました。
本市においては、この計画をもとに平成21年度から平成25年度までの5年間の計画期間の中で、計画の実施状況の把握、評価を行い、計画的に進めていくものと思います。
幾つかの点について質問をさせていただきます。
本市の人口は緩やかな減少傾向ですが、外国人登録者数はふえている状況です。今後、この推移はどのようになるのか、お伺いいたします。
次に、コミュニケーション支援及びネットワークづくりについてであります。
本市に住んでいる外国人の方、永住者、研修生あるいは実習生の方と一般市民の方と、さほど交流の機会がないように思います。外国人の方もまちづくりのパートナーとして、本市においてともに活躍できる環境を整備していく必要があると思いますが、具体的にどのように考えていますか、お伺いいたします。
新居浜市国際都市づくり委員会の中でも議論されていると思いますが、前回の計画では国際交流センターの設立を描いていたようですが、今回の計画ではどのような位置づけになっていますか、お伺いいたします。
建物をつくったりすることは困難だと思いますが、日本語を学習する機会の場や広く市民に対して多文化共生を広める講座の開催、外国人の相談窓口、外国人と一般市民との交流の場や情報発信など、いろいろとネットワークづくりに向けて発信ができる機関や居場所が必要かと思いますが、多文化共生社会を推進していく上で、国際交流センターの機能的な役割を今後どのように考えているのか、お伺いいたします。
計画の中でもうたっておりますが、本市のホームページ上における英語、中国語の表記、市役所内の表示の外国語併記、災害時の情報伝達方法について、今後どのような取り組みが行われるのか、お伺いをいたします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) おはようございます。
西原議員さんの御質問にお答えいたします。
多文化共生についてでございます。
本市外国人登録者数の今後の推移につきましては、中国人を中心に毎年増加しております。ここ数カ月は経済不況などの影響から若干減少の傾向が見られますものの、今後、少子化等により日本の人口が減少し、労働力人口が不足することからも、地方の外国人はふえてくるものと推測いたしております。
次に、外国人の方もまちづくりのパートナーとしてともに活躍できる環境の整備についてでございます。
本市における市民と外国人の方の交流の場といたしましては、毎年2月のグローバルパーティーや日本語スピーチコンテスト、七夕着物パーティーなど、市民活動団体が主催されている催しなどが幾つかあるものの、日常生活の中で、より多くの市民が外国人の方と交流する機会が十分にあるとは言えない現状でございます。
そこで今回、多文化共生を新たなキーワードとして追加し、「~違いを認め、だれもが自分らしく共に暮らせる新居浜市~」を基本理念とした新居浜市国際化基本計画を策定いたしました。今後、外国人の方に対する日本語と日本社会に関する学習支援や市民に対する多文化共生の意識啓発に取り組みながら、学校や自治会などの地域行事などへの参加を促すなど、外国人の方にも自然に本市のまちづくりに参加していただけるような環境整備を徐々に整えてまいりたいと考えております。
以上申し上げましたが、他の点につきましては補足いたさせます。
○議長(村上悦夫) 前垣市民部長。
○市民部長(前垣芳郎)(登壇) 多文化共生についてお答えいたします。
まず、国際交流センターの設置についてでございます。
前回、平成4年に策定した新居浜市国際交流基本計画におきましては、国際交流に関する情報交換や活動の拠点となる機能を持つセンターの設置が国際化をはぐくむ体制づくりの項目に掲げられておりましたが、今回、計画を見直すに当たり、市民活動団体や学識経験者等からなる国際都市づくり委員会において検討いただきました結果、外国人のための生活情報の提供や問題解決の橋渡し、イベントの紹介など、センター機能を果たす窓口は必要であることから、外国人窓口の設置を今回の新居浜市国際化基本計画の中に盛り込んだ次第でございます。
今後、地域や市民活動団体などと協働して、そのネットワークづくりを進めたいと考えております。
次に、市ホームページにおける各種外国語の表記等についてでございます。
まず、現在も新居浜市のホームページ上に観光や生活情報を英語で掲載しております。ホームページ上のすべての同じ情報を外国語表記にすることは困難ですが、市民活動団体の協力を得ながら、ごみの分別や生活ガイドブック、新居浜市の最新情報など、外国人の方に必要と思われる内容を優先的に充実し、また中国語版についても今後掲載していく予定にいたしております。
次に、市役所内の外国語標識につきましては、昨年度から、特に外国人の方が訪れる機会が多いと思われる学校教育課やごみ減量課などの標識を英語、中国語、韓国語の併記を行っているところでございます。
次に、外国人の方への災害時の情報伝達方法につきましては、外国人の所在を把握し、いざというときに連絡できる体制がとれるよう、地域の自主防災組織の協力を得ながら進めていきたいと考えております。
○議長(村上悦夫) 西原司議員。
○2番(西原司)(登壇) 御答弁ありがとうございました。
幾つか再質問をさせていただきたいんですが、外国人窓口の設置ということを基本計画の中にも明記されていることは見ました。そして、市民団体とともにネットワークをつくっていきながらやっていくというような御答弁がありましたが、他市の状況を見ますと、国際化協会というようなものを設置して、こういった事業もいろいろ行っているというのも見受けられますし、このネットワークというのは、当事者の支援、あるいはコーディネーター機能として、市民全体の国際活動を担う中核的な役割が必要かと思うのですが、このネットワークづくりというのは具体的にどういったコーディネーター役をしていくのか、あるいはその中核を担う機関というのはどこになるのかというのをお聞きしたいのですが。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。前垣市民部長。
○市民部長(前垣芳郎)(登壇) 西原議員さんの再質問に御答弁いたします。
ネットワークづくりに関して、コーディネーター役をどこで担うのかといった趣旨の御質問かと思います。
この計画の中ではそこまでは触れていないわけでございますが、現在のところ、市民部の市民活動推進課を中心として、各種民間団体等に対してコーディネーター役を果たしていくというような考え方でおります。
○議長(村上悦夫) 西原司議員。
○2番(西原司)(登壇) そうしますと、この26ページの中にも国際化ネットワーク図というところであるんですが、行政が中心となってこの中核機能を担っていくと、あくまでも第三者の機関ではないということなのでしょうか。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。前垣市民部長。
○市民部長(前垣芳郎)(登壇) 再質問に御答弁申し上げます。
国際都市づくり委員会の中で議論としても出ておりましたが、国際化協会とか、そういったようなことでも議論はいたしました。ただ、現状の中でそういうところまでの、今の準備といいますか、そういうものがないというようなことですので、先ほど言ったように、行政及び民間団体の方への協働ということで考えております。
○議長(村上悦夫) 西原司議員。
○2番(西原司)(登壇) ありがとうございました。
せっかく多文化共生に重点を置いた計画ができたわけですから、今までと違った本市独自の外国人とともに参加できる地域の行事、あるいはそういった日本語の教室とか、あるいは交流できる場というのはやっぱり中核的な、だれかコーディネーター的な役割の方が本来は必要と思いますので、今後、それをぜひ検討をしていっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
あと、多言語表記の推進なんですが、現在新居浜市は中国語も英語も表記としては出ないのですが、こういったホームページの中でも公共性の高い情報を多言語化していくというお考えはないのでしょうか。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。前垣市民部長。
○市民部長(前垣芳郎)(登壇) 再質問にお答えをいたします。
第1回目の答弁でも申し上げておりますけれども、ホームページ上では、主要な記事等につきましては現在も表記をしておるところはございます。すべてを網羅していくということにはならないというふうに考えております。
○議長(村上悦夫) 西原司議員。
○2番(西原司)(登壇) ありがとうございました。
そしたら、次の質問に移ります。
要介護認定と介護認定審査会の運営についてお伺いをいたします。
従来の認定制度では、認定にばらつきがあることや介護の手間を反映していないなどの課題から、要介護認定方法の見直しの議論が行われてきました。4月から新方式が導入されましたが、必要なサービスが受けられなくなるのではという不安の声や国会での議論が反映され、現在、新たな検証、検討機関が設置され、議論が行われていると思います。
その間において、厚生労働省が4月17日に要介護認定について、認定が下がっても希望者には従来どおり認定する旨の経過的措置を行うと通知されました。要介護認定は、認定を受けようとする被保険者が本市に対し要介護認定申請を行い、本市が被保険者宅に調査員を派遣し、訪問調査を行います。訪問調査による調査項目をコンピューター処理した一次判定結果と主治医意見書、訪問調査による特記事項などをもとに、介護認定審査会において介護の必要性を審査、判断し、要介護度及び認定有効期間が最終的に判定されます。
今回の経過措置の対象は、引き続き介護保険を利用する方のみであり、新たに介護保険を利用する方は新方式によって要介護度が決まります。
まず、経過的措置の対応について質問させていただきます。
更新申請時の対応についてであります。
認定申請受付から認定までの間に希望調書を確認することになっていますが、4月17日以降、引き続き利用される方で、今回認定される要介護度でよい、または従来の要介護度のままを希望する方の割合はどのようになっていますか、お伺いいたします。
また、従来の要介護度をそのまま希望する方に対し、従来の要介護度の認定結果通知とあわせて、新方式での審査結果について通知しているのか、お伺いいたします。
今回の経過的措置によって、これまでと同じ要介護度で認定するのに、なぜ調査をするのかという疑問の声があります。これまでと同じ要介護度でよい方に対しては、通常の更新手続と同じように、訪問調査、主治医意見書の提出を求めることになります。国に対しては、一日も早く被保険者、保険者に対し混乱が生じないよう、今後の方向性を示すべきと思います。
次に、新方式における要介護認定に対する取り組みについて、2点について質問させていただきます。
まず1点目は、訪問調査時の対応についてであります。
新方式によって認定調査員テキストが改訂されました。調査基準の抜本的な見直しが行われました。新しく改訂された調査員テキストの特徴と課題箇所について整理をしておく必要があると思いますが、本市における訪問調査員の研修体制、その内容はどのようになっておりますか。調査員の質の確保は今後どのように行っていくのか、あわせてお伺いいたします。
私は一次判定の訪問調査項目については問題点を多く含んでいると思います。新方式における認定調査において、調査員に対し、調査項目に従って形式的な選択をする余地しかないようにも思います。その方の生活状況、身体状況について、どのように反映されているのか、お伺いいたします。
要介護認定の訪問調査に当たり、本人、家族に対し、訪問調査時における対応方法をまず丁寧に説明すべきと思いますが、現在はどのように行われていますか、今後の取り組みについてもお伺いいたします。
2点目は、介護認定審査会の運営についてであります。
介護認定審査会は、要介護認定の審査、判定を行う機関であり、委員は保健、福祉、医療に関する学識経験者によって構成され、市長が任命をされます。3月議会において、新居浜市介護保険条例の一部が改正され、介護認定審査会の委員の定数が30人から35人以内に改められました。現在、介護認定審査会委員を5つのグループに分け審査を行っていると思いますが、1つの認定事例に対し、介護認定審査会ごとに大きく介護認定が変わらないように、グループの平準化が一定のレベルに保たれているのか、お伺いをいたします。
1件当たりの審査時間はわずかな時間であります。新方式の調査によって、介護認定審査会で審査される内容が大幅に変わっていると思います。介護認定審査会の機能を形骸化するおそれがあると思いますが、変更前と比べてどのような箇所が審査に影響を及ぼすのか、お伺いいたします。
今回の介護認定審査会委員テキストを見ますと、介護認定審査会事務局の機能として、要介護認定の平準化の観点から、介護認定審査会事務局は審査判定の手順や基準が各合議体、グループで共有、遵守されるよう積極的に関与することが求められる旨を明記されています。介護認定審査会事務局が介護認定審査会の議論に介入を進めているのでしょうか。本市の介護認定審査会事務局の対応はどのようにされているのか、あわせてお伺いいたします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。近藤福祉部長。
○福祉部長(近藤清孝)(登壇) 要介護認定と介護認定審査会の運営についてお答えいたします。
4月17日以降の要介護認定において、更新申請される方に対する経過的措置についてでございます。
今回認定される要介護でよいとする方と、従来の要介護度のままを希望する方との割合は、認定のとおりが12%、従来のとおりが88%となっております。
次に、認定結果通知についてでございますが、従来の要介護度とする措置を選択される方につきましては、混乱を避けるため、新方式での審査結果は通知いたしておりません。
次に、認定調査員の研修体制と、その内容についてでございます。
年度当初には、県で開催されます認定調査員新任研修に参加をいたします。あわせて、本年は新方式に変更されましたため、現任調査員2名と事務局職員1名も参加いたしました。
また、新方式での認定調査を行うに当たり、変更内容を簡潔にまとめた市販の冊子を購入し、市内の居宅介護支援事業所の全調査員に配布いたしました。さらに、7月28日には県主催による認定調査員現任研修が愛媛県総合科学博物館で行われ、140人が参加する予定となっております。
これら認定調査員の質を確保、あるいは向上させるためには、積極的な研修への参加や自主的な研さんとあわせ、調査員に対し、改善点などについて、随時文書により通知を行っております。
次に、訪問調査項目についてでございます。
今回の見直しにより、調査時に確認できた内容で項目を選択することとなっておりますが、体調不良などで確認できなかった項目は、日ごろの状況について聞き取った内容を選択することとなっており、その根拠について、具体的に特記事項へ記載することとなっております。
同様に、生活状況、身体状況でマークシートの調査項目以外については特記事項へ記載することとなります。この特記事項の内容は、介護認定審査会において、コンピューターによる一次判定が適切かどうかを判断する上で重要になってまいります。
次に、訪問調査時の家族、本人への対応方法についてでございます。
4月からは、調査内容が変わったことにつきましては丁寧にわかりやすくお伝えするよう心がけておりますが、今後におきましても、家族や御本人の理解が得られるよう努めてまいります。
次に、介護認定審査会の5つのグループ間の平準化についてでございます。
すべてのグループで審査のレベルが保たれることは極めて重要で、県からの指導もあり、平成20年4月にすべてのグループで委員の入れかえを行ったところでございます。今後におきましても、随時委員の入れかえにより審査レベルの平準化に努めてまいります。
次に、新方式での調査により、介護認定審査会での審査に及ぼす影響についてでございます。
変更前は、一次判定を変更するときは、審査資料で打ち出されているデータから、その理由づけを行うことができておりましたが、新方式では調査員による特記事項や主治医による意見書の特記すべき事項に記載されている内容から理由づけをする必要が生じましたことから、審査にかかる時間や労力が増加いたしました。
次に、介護認定審査会事務局の機能についてでございます。
4月以降の要介護認定申請分については、4月下旬から審査を行っておりますが、事前に5つのグループの介護認定審査会委員を対象とした合同研修会を開催いたしました。
研修会では、事務局から改定内容の説明及び今後の審査に当たって共通認識すべきことを周知いたしました。また、事務局では介護認定審査会以外でも随時各委員からの質問に対応したり、各グループでの共通認識が必要な場合は周知を図るなど、審査判定の手順や基準に各グループにばらつきがないよう積極的な関与を図っております。
○議長(村上悦夫) 西原司議員。
○2番(西原司)(登壇) 御答弁ありがとうございました。
幾つかの点について再質問させていただきます。
調査員の質の確保というところで研修も行って、文書の通知等を行っているというふうにお聞きをしたのですが、委託をしている居宅の調査員さんもおられます。このあたりについても、文書の通知等でいろいろされているのだと思いますが、今後、一緒に随行して行って、調査に対する研修というのはどうなのか。介護保険導入当時は、そういうふうにいろいろやった自治体もあるとお聞きをしていますが、その辺についてはどうなのかという点と、訪問調査時についての対応なんですが、家族や本人さんに御理解していただくようにされているというふうにお伺いましたが、細かいことになるんですが、訪問調査時における訪問調査票というのは、現在どういう取り扱いになっているのか、控え等は家族や御本人にお渡ししているのか。それによって、これはおかしいと思ったら、変更の申し入れ、あるいは調査のやり直し等を求めているのかという点をお聞きしたいと思います。
3点目は、介護認定審査会の平準化について、委員の入れかえ等を行っていると。そして、事務局の機能としての関与というところでも御答弁をいただいたのですが、この平準化の観点というところでは、例えば認定事例に対して各5つのグループ、34名で構成されていると思うのですが、1つの事例をやりながら、どういう判定が出るのか、あるいはそれに対して市は見て評価を行っているのかという点、この3点をお聞きしたいのですが。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。近藤福祉部長。
○福祉部長(近藤清孝)(登壇) 西原議員さんの再質問にお答えいたします。
まず1点目の調査員の質の確保、委託事業者に対する確保ですが、このことについては先ほど答弁申し上げましたように、3月に、まずそのテキストとなります認定調査員テキストを全調査員にお配りをして研修をしていただくということがまず1点と、あとことしの7月に総合科学博物館において行われる研修会に今のところ調査員の方全員が参加をする予定ということで、そういった意味で調査員の質の向上が保たれるというふうに思っています。
今後においても、そういったあらゆる研修の機会に参加をしていただいて質の向上を図っていきたいと、そのように考えております。
次に、訪問調査員の調査票でございますが、調査票につきましては、認定調査票のマークシートという形で、それぞれの項目において調査員がマークシートに記入するということになっています。今回の改正によりまして、そのときに体調不良であったり、そういったものが聞き取れないとか、そういったものについては、介護保険認定調査票の特記事項という形で記述をするということになっています。その特記事項に基づいて、あとの審査会において、その審査会の委員さんが介護認定の判定を行うというシステムになっています。
あと、3点目の平準化、委員の入れかえでございますが、入れかえによって平準化が保たれているのかということですが、この介護認定審査会の性質といたしまして、5人の介護認定審査会の委員さんがおいでになるわけですが、それの合議制によって決めております。事務局として関与をしていくということにつきましては、その委員会の主体性がありますので、そういった関与については非常に難しいと。特別な場合には、助言とか、そういったものは可能ではありますが、ある一定の枠を超えての指導というのはできないと、このように認識いたしております。
○議長(村上悦夫) 西原司議員。
○2番(西原司)(登壇) ちょっと僕もこんがらがるんですが、訪問調査員さんのことについては、新しく介護保険を利用された方の家族の方からよく言われるのですが、非常に早いと、いろいろもっと聞いてほしいことがあるのにというふうなお話も伺いますので、特に新しく介護保険を利用される方の調査票ですね、一次判定のところというのは、ちょっとばらつきがあるように思いますので、やはりもっとしっかり丁寧に行っていただきたいと思います。多分、市の調査員さんが行かれているのだと思います。
そして、調査員の訪問調査に当たってのことなのですが、特記事項については多分書いてくださっているとは思うのですが、そのマークシートですよね、これについてあの場でつけていくわけですから、そして新方式に変わったという点もありますので、そのマークシートをつけた調査票について、本人や家族さんにそのシートを控えとしてお渡しして、もしそれで何か変更がある場合には申し出ができるようになっているのですかというふうにお聞きをしたのですが。その1点だけお伺いします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。近藤福祉部長。
○福祉部長(近藤清孝)(登壇) 再質問にお答えいたします。
訪問時のマークシートの調査結果を本人に言う、家族にお渡しするのかということでございますが、このマークシートにつきましては、第一次判定の基礎資料となるということで、最終段階で介護認定審査会において判定された場合に、その結果について通知をするわけですが、その中でやはり本人さんがその介護認定において不服等がある場合には不服の申し立てができるということで、そういった内容について、もし理解が得られないということであれば、そういった形での対応になろうかと思います。
○議長(村上悦夫) 西原司議員。
○2番(西原司)(登壇) 不服までと大きなことまではいかないと思うのですが、ただその一次判定の基礎的なデータのところですよね、これは認定を受ける人というのはやっぱり知る権利があるし、やっぱりチェックされた項目について知っておくことというのは僕は大事なように思います。
今回の市長のメールの中にも要介護の見直しについて、義理の母が要介護3から要介護2になって困惑しているというような市民の声がありました。その中で、やっぱり調査員は市の訓練を受けたケアマネジャーの方だと思いますが、短時間で症状の認定は難しいのではないでしょうかと、毎日生活をしている同居人、デイサービスの実態、毎日世話をしてくれるヘルパーさんなど、客観的な立場で正しく査定をお願いしますと、中身の事例はわかりませんが、こういった声もありますので、やはり私は新方式になって、よりそういうところをきちっと情報開示をしていただきたいと思います。
二次判定において、最終的には要介護度が出るわけですが、その点で不服があるならば申し立てをしていくというところは必要かと思いますが、まずこの一番初めの段階でやっぱりそういった項目について情報を提供していただきたいというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
それでは、最後の質問に移りたいと思います。
非常勤行政委員会委員についてお伺いいたします。
ことし1月、滋賀県の労働、収用、選挙管理の3委員会への報酬について、県の支出差しとめを求めた訴訟で、大津地裁は月額報酬は違法とし、支出差しとめを命じた判決を出しました。
地方自治法には、委員会の委員、非常勤の監査委員、そのほかの委員などの報酬は、その勤務日数に応じてこれを支給する。ただし、条例で特別の定めをした場合はこの限りでないと定めてあります。
新居浜市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例では、教育委員会委員、監査委員、選挙管理委員、農業委員会委員などが月額報酬であり、公平委員会委員、固定資産評価審査委員会委員などが日額報酬となっております。今回の大津地裁の判決を受けて、どのように考えておられますか、お伺いいたします。
日額及び月額報酬が支払われている行政委員会の委員の報酬が勤務に見合っているのか、また日額、月額の違いはどのような基準で行われているのか、あわせてお伺いいたします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。堀田総務部長。
○総務部長(堀田高正)(登壇) 非常勤行政委員会委員についてお答えいたします。
本市における各行政委員会の非常勤の委員等に対して支給する報酬額及び支給方法につきましては、地方自治法第203条の2第4項の規定に基づき、新居浜市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例において定められております。
非常勤の委員等の報酬につきましては、それぞれの職の勤務形態、勤務内容、業務量などを考慮して、月額または日額により報酬額を決定しております。
したがいまして、教育委員会、選挙管理委員会や農業委員会などにつきましては、定例的な業務として委員会の定例会及び臨時会へ出席するほか、定例外の業務として、教育委員会委員については学校訪問や関係式典への出席、選挙管理委員については関係団体が開催する会への出席、農業委員会委員については各地域における農家からの農業相談などを行っているため、それぞれの勤務実態や活動状況などを考慮すると、勤務実態のすべてを把握することが困難であるため月額報酬とし、また固定資産評価審査委員会や公平委員会などのように、必要の都度開催される委員会に出席する委員等につきましては、日額報酬としております。
西原議員さん御案内の滋賀県の場合ですが、大津地裁の判決後、滋賀県が大阪高裁に控訴して、引き続き審議されておりますので、今後、裁判の経緯を見守っていきたいと考えております。
○議長(村上悦夫) 再質問はありませんか。
西原司議員。
○2番(西原司)(登壇) 御答弁ありがとうございました。
現在、これは控訴中というふうに伺っております。
本市の月額報酬の委員を見ますと、教育委員会や農業委員会などは、各定例会というのはホームページ上に記載、あるいは議事録等も公開されておりますし、監査委員については定期監査等の結果がホームページ上にも公開されておりますが、その月額報酬である選挙管理委員会についての活動というのが正直見えてこない。ふだんどんな活動をしているのかなというのを疑問に思っておりましたので、年間12回の会議と、選挙前になると20回ぐらい会を行っているとお聞きしており、活動しておりますので、ぜひ公開をしていただきたいというふうに思います。きょうは選挙管理委員会の方がお見えになっておりませんので、要望として終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(村上悦夫) 大石豪議員。
○9番(大石豪)(登壇) 会派みどりの風、大石豪です。
まず初めに、前回の質問では時間の関係もありまして、聞きづらい点も多分にありましたことを反省いたしまして、今質問ではなるべくゆっくりとした口調にて質問をさせていただければと思っております。
まちづくりと商店街再生についてお聞きします。
前回、3月議会にてお聞きいたしましたものは、私の思いを通じて現状での商店街に対する市のお考えを主とするものでしたので、今回は一歩踏み込んだものをお聞きできればと思っております。
まず、継続的に行われておられる商店街関係者との意見交換や商店街連盟、商工会議所との協議なのでありますが、その場での御意見やそのお答えとする市のお考えの中で、継続中であるものや実施に当たったものなどがございましたらお聞かせください。
また、全国の先進事例や、国、県の施策を見ての協議もされておられますが、その中には海外での事例なども含まれているのでしょうか。私は日本における商店街再生として挙げられる事例には、持続性や環境面を見ても、いまだ疑問符が残り、ならば新居浜市に当てはまるものを見つけるのではなく、つくることによって新たな事例として導き出せればと考えるのであります。
3月議会の部長の御答弁の中にもありました全国的な問題である中心商店街の空洞化、対策としてにぎわいを創出する上での暖かな空間整備や市民の快適性向上の御同意に私は力強さを感じております。現代社会において伸展したモータリゼーションが悪いとは決して言えませんが、モータリゼーションを今後も見ていくからこそ、運転と同じで、ゆとり、遊びを私たちの日常のエリアに望むことは、もはや必然ではないでしょうか。
私は、新居浜市におきましては、施策を見ましても、他県、他市に決して劣るものはなく、近隣におきましては先端を進むものと誇りにも思っております。それは佐々木市長を初め、多く職員のやる気がもたらした結果であり、先輩議員の御指摘があったからこその現実であります。もちろんまだまだ若輩ではありますが、私もそうあらんと続く一人であります。
しかしながら、惜しむらくはその事実を多く市民が聞き及ぶには至っていないということではないでしょうか。私はそれが口惜しくてなりません。確かに、情報公開も進み、知りたいと思えば知ることのできる新居浜市ではありますが、知りたくなくとも自然と目に入るものとしての情報源の充実を図っていただきたくも思うのであります。
少々話がずれてしまいましたが、通ずるものとして、先端を進み、目に見える施策としてここに提案いたしますのは、商店街の区画整理であります。
私の商店街に対する構想は、前回、森の中の商店街として、地球温暖化対策にも通じるよう、商店街省エネルギー促進にも考慮できるものを質問させていただいたとおりでありますが、それを置きましても、現在、商店街の状況は知れば知るほど先の見通しに暗さを感じざるを得ません。今こそ小手先でない一手を打ち、商店街というまちのかなめとなる居場所の修繕を行わなければ、コミュニティー形成に深手を負うものと身近に感じるばかりであります。
こういった状況下であり、だからこそと信じるものでありますが、可能性といった中におきまして、今回の市の緊急雇用創出事業に挙げておられる商店街訪問調査事業では、商店街の空き店舗状況、後継者の有無などの項目についての調査を実施し、高齢化社会に対応した商店街づくりをされるとお聞きしております。それは商店街に対する行政としての本気度としてうれしく思い、御期待するばかりでありますが、一つ気にかかりますのが、この調査結果に一体どこまで行政からのお力を御考慮いただけるものなのかであります。
これを踏まえまして、現段階で市として考えておられることなどがございましたら、ぜひともお聞かせください。
また、確認の意味として、現段階での調査項目内容と時期、調査時期内での項目の追加調査は許されるものなのかをお聞かせください。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 大石議員さんの御質問にお答えいたします。
まちづくりと商店街再生についてのうち、商店街連盟、商工会議所との協議の中で実施したものと、また海外の事例を見てはどうかということでございます。
協議の中で実施した代表的なものとして、平成16年度に実施いたしました空き店舗を活用した工業高等専門学校生のチャレンジショップ実施と、エコステーションの設置がございます。また、現在取り組んでおりますものといたしましては、地域再生マネージャー事業の実証イベントとして始まり、ことしで6回目を迎えます「はまさい」の開催や県の新ふるさとづくり総合支援事業の採択を受け、商工会議所が主体となって実施しております花のあるまちとして商店街のイメージアップを図る「まちなか花・花大作戦」、イベントの開催により商店街のにぎわいを創出するふれあい日曜市開催事業等がございます。
また、先般発行いたしましたプレミアム商品券につきましても、先行して商工会議所における商品券発行という実績や、商店街連盟の皆さん方とのこれまでの話の中で、そういう商品券発行による活性化というようなお話が頭の中にあったというのも一因でございます。
また、海外の事例の協議につきまして、具体的な実績と言えるものはまだございませんけど、今後は海外の商店街活性化に関する先進事例などがあれば、積極的な情報提供を行ったり、また情報を提供していただきたいというふうに考えております。
以上申しましたが、他の点につきましては補足いたさせます。
○議長(村上悦夫) 補足答弁を求めます。佐々木経済部長。
○経済部長(佐々木一英)(登壇) まちづくりと商店街再生についてのうち、商店街訪問調査事業の調査結果を受けた行政の支援に対する現段階での考え方及び調査内容について補足を申し上げます。
まず、行政の支援に対する現段階での考え方につきましては、調査結果を踏まえ、商店街連盟や商工会議所と連携を図りながら、空き店舗対策や高齢化社会に対応した商店街づくりを含め、商店街の活性化に向け、行政として可能な支援方策をハード、ソフトの両面から検討してまいりたいと考えております。
次に、調査時期と内容についてでございます。
調査時期につきましては、6月中旬にアンケート内容の決定を行い、6月下旬からアンケート用紙の配布を開始したいと考えております。
また、調査内容につきましては、基本的には、空き店舗では面積や築年数、賃借の意思の有無と、営業している店舗では、現在の経営状況と今後の見込み、事業展開の方針、販売促進策、活性化方策等の設問を考えております。
実際の調査に当たりましては、委託先である商店街連盟と詳細を詰めて実施したいと考えております。
以上で補足を終わります。
○議長(村上悦夫) 再質問はありませんか。
大石豪議員。
○9番(大石豪)(登壇) 御答弁ありがとうございます。
今後、海外の事例も視野に入れていくとお聞きしてうれしく思います。よろしくお願いいたします。
数点再質問をさせていただきます。
まず、商店街訪問調査事業についてでありますが、これにより市内の空き店舗情報がわかったとして、新居浜市ではどういった対応を考えておられるのでしょうか。
参考として、京都府舞鶴市では、空き店舗情報構築事業として、利用可能な空き店舗の各情報、これは家賃、間取りなどを商店街エリアマップで紹介するとともに、創業、空き店舗活用に対する各種支援策などを紹介するデータベースを作成し、ネット上で広く情報提供、発信を行うことで、空き店舗活用の促進を図っているそうであります。
我が市では、市のホームページであります新居浜物語はもちろん、運用されている携帯でのメールマガジンによる活用も考えられると思うのですが、こうしたデータベース化を含め、お考えをお聞かせください。
また、空き土地に対する上地、底地の名義確認や、それら所有者の所在、相続などにより複数人となった所有者に対する対応など、各種対処法はどのように考えておられるのかをあわせてお聞かせください。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木経済部長。
○経済部長(佐々木一英)(登壇) 大石議員さんの再質問にお答えします。
1点目、空き店舗情報についてでありますが、本年度実施いたします商店街訪問調査の結果を受けまして、店舗を貸したいという希望があった場合、インターネットの活用を含めて情報提供を考えていくこととしております。また、希望件数に応じまして、データベース化についても検討してまいりたいと、このように考えております。
次に、商店街の上地、底地の名義の確認とか所在地等でありますが、この件につきましても今のところ本調査に盛り込み、可能な範囲で回答をいただくこととしております。
また、新居浜市に所在していない人への対応につきましては、今のところ郵送や電話を活用した調査を行う予定といたしております。
以上でございます。
○議長(村上悦夫) 再質問はありませんか。
大石豪議員。
○9番(大石豪)(登壇) ありがとうございます。
例えば、商店街エリアの空き地を公共で買って、ゆとりある空間としてショッピングもできるし、簡易保育所や高齢者の休憩所にもなるオープンテラス、病院、診療所といった総合的なものをそこにつくるためには、どういった手法があり、どういったことが考えられるのでしょうか。新居浜市ではそういったことを御検討されているのかを含め、お答えください。
少し未来を見たとき、市内の生活道路には、高齢化社会になり車の運転をされない方が多くおられることと思います。ならば、パーク・アンド・ライドで車は駐車場で、あとは車の心配もなく、子供も安心でき、高齢者も手押し車などを押していくといったものを主役とした空間形成が必然に迫られた主流になってくるのではないでしょうか。
バリアフリーが当然として受け入れられている今においてさえ、例に昭和通りの歩道との段差では横断にも弱っている現状があるのです。だからこそ商店街再生エリアとして、空き土地の買い上げなどをしての癒しの空間形成づくりをとも考えるのです。
今、道を散歩して休もうと思えば、公園に行かなければいけません。そうでなくて、身近な商店街の中にくつろげる空間を置けばいいのではないかと思うのです。こういった商店街再生の総合プロデュースを支援する体制づくりを今回の調査の中で検討してみてはと考えますが、いかがでしょうか。
また、こういった事業をするのに、公共事業として果たして可能なのでしょうか、お聞かせください。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木経済部長。
○経済部長(佐々木一英)(登壇) 大石議員さんの再質問にお答えします。
1点目は、公共で空き地を買い上げし、病院、診療所といった総合的なものをつくるためにはどういった手法があるのか。2点目が、総合プロデュースを支援する体制づくり。3点目が、公共工事だったと思います。
まず、1点目からお答えをいたします。
どういった手法があるのかということでありますが、現在、新居浜市として取り組める事業といたしましては、国の事業として中心市街地再活性化特別対策事業、これが事業主体は市町でやれる事業であります。これは一般単独事業債ということでありまして、いわゆる借金をして事業を実施するというふうなことでありますが、少し情報が古いので、現在の国の状況を再度調べ直してはみたい、このように思っています。
そういったことで、今現在、子供や高齢者が安心して足を運ぶことができるとか、くつろぐことのできる商店街につきましては、私も前回の答弁の中で、商店街活性化のためには欠かせない視点であるということで答弁をさせていただきました。同様でございまして、こういったことをするために、市としてはこういった事業があると思っています。
また、今回実施いたします商店街訪問調査におきましても、駐車場やバリアフリーに関する設問も盛り込む予定といたしております。
総合プロデュースを支援する体制づくりの検討につきましては、今回の調査結果を踏まえまして、その内容に応じて対応できるのかどうかを検討してまいりたいというふうに考えております。
また、商店街エリアの施設整備につきましては、経済産業省に商業活性化支援策として中小商業活力向上事業というものがあります。また、今国会で地域商店街活性化法、これが検討、審議されております。これが通りますと、事業主体は商店街であったり商工会議所であったりしますが、ハード、ソフト両面の事業が実施できるのではないかというふうに思っています。
したがいまして、市がやる公共事業と当事者であります団体等がやる事業、こういったものを総合的に活用しながら、商店街のエリアを活性化させていくという必要性があるのではなかろうかというふうに思っています。
いずれにいたしましても、基本的には商店街の再生、活性化というのは、商店街みずからがどのような商店街をつくっていくのか、主体的に取り組む必要があるものと、このようには考えております。
以上でございます。
○議長(村上悦夫) 再質問はありませんか。
大石豪議員。
○9番(大石豪)(登壇) 御答弁ありがとうございます。
検討していただけるということでうれしく思っております。次回、具体的な手法について御答弁していただくことを御期待いたしております。
まちづくりとして見た場合、エリア区分した中での住居部の人口増を目指すことによる商店街の活性策も重要なポイントとしてとらえていただきたいと思っております。人の働き、努力によって人の流れを導き出せることこそ、もちろんベストではあるんですが、今までの経緯を見て、だからこそ今すべきは、そこで何かやってみたいと、単にブロックとしてではなく、魅力を感じる空間をエリアとしてつくることこそが必要と感じます。それには、通行手段を見ても南北線が弱い新居浜市でもあります。例として、登り道の車道化など、いろいろ考えられることはあるはずです。こちらも検討をしていただきたいと思っております。
次回は、まちづくりにおいての商店街と道についてを総括したものとして質問をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(村上悦夫) この際、暫時休憩いたします。
午前11時03分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前11時13分再開
○議長(村上悦夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。
神野敬二議員。
○1番(神野敬二)(登壇) 協働ネット21の神野敬二です。
通告に従って質問をさせていただきます。
100年に1度という世界的な金融危機による経済危機とあわせて、待ったなしで進行している地球の温暖化などの環境問題に直面している社会不安のもとで、去る4月20日に斉藤環境大臣としての緊急事態に備えた具体的な日本の取り組むべき方向として、「緑の経済と社会の変革」と題する政策課題が打ち出され、全国民が共有して取り組む基本方向を人類の存亡をかけた緊急課題として表明しております。表題は、低炭素革命の実現に向けて取り組むという内容のものです。
具体的には、現在直面している経済問題と環境問題は、ともに緊急の対応が求められているということ。したがって、経済対策を実現するための施策は速やかに実行しなければなりません。同時に、そのための施策は低炭素社会を実現し、未来にわたって我々人類の活動基盤、生活基盤を守る極めて長期的な課題のためにも不可欠なものとなっております。
したがって、こうした環境対策は、現在の経済危機を解決する側面だけではなく、将来に向けての長期的な観点からも非常に効果的なものと考えます。
本市が昨年1年を要して取り組んできた農業政策推進会議でまとめられた中間報告書並びに提言書も大筋、環境大臣が提言している環境と経済がともに向上、発展していく社会づくりに向けての低炭素革命の方向に沿ったものになっていると思います。
本市の農業政策に基づく企画書も作成され、ことしから実行に移されることになってございますので、提言書の概要を示しながら、緊急を要する課題について、数点お伺いしたいと思います。
まず、農業政策に関する提言でございますが、この提言書は7項目について言及しております。冒頭には、地球温暖化に対応した農業にシフトして取り組もうということで、現在の地球の気温が2℃上昇すれば、気象災害、食料難、水不足など、あらゆる面で悪影響を及ぼすとされており、本市の農業の推進に当たっては、地球温暖化に配慮した取り組みが必要であり、温暖化に備えた農業を総合的に進めることを強調しております。
取り組むべき課題としては、担い手の確保、育成の問題、農業の維持発展のために、後継者には食料に対する危機意識とあわせて、農業の重要性を理解してもらう指導の機会を強化し、団塊の世代の新規就農者の算入を積極的に推進すること、また県や農協などとも連携し、きめ細かい農業指導や新品種などの開発に取り組むことを挙げております。
そして、本市には約130ヘクタールの遊休農地があり、年々増加傾向にあります。この遊休農地を解消することが必要です。
また、環境保全の面からも、休耕地、遊休地、荒廃地などを含め、農地の有効活用を図るために、農業機械共同利用組織の強化を図るための支援体制も急がれます。
また、産地の偽装や汚染米の混入など、食の安全が根本的に問われている中で、安全でおいしい地元有機農産物やエコ栽培、特別栽培を行い地産地消で自給率の向上を図ることが大切であります。
特に、本市は生ごみの減量が課題となっております中で、環境保全型を進めるために、えひめAI-2を使用した生ごみ堆肥化などによる有機栽培に取り組み、有機農業を推進することが必要です。そして、地元産を普及するための直売所や加工施設の設置、特に米の消費拡大のため、米粉パンの加工についても考えること。そして、地元産による学校給食への生産確保と食育、関係者が検討会を持ち、献立予定表から必要数量を導き出し、年間を通じた食材の供給に向けた取り組みも必要であるということ。そして、締めくくりとして、これらの課題を解決するための行政、消費者、農家の関係者による協議の場を組織して取り組む内容になっております。
どれもすぐ取り組まなければならない課題ばかりですので、政策提言を円滑に進めるためにも、農業政策推進会議を政策実行委員会に切りかえ、再開すべきと思いますが、お考えをお伺いします。
2点目は、この提言書の中で有機農業の推進を図るということですが、現在、本市で有機農業をやりたいという30歳代の女性がいます。この方は山間の周辺で10アール程度の農地を模索しておりますが、本市の場合、農地法では下限面積が30アール以上ないと手に入れることができないことになっています。
そこで、農地法の下限面積変更に向けた取り組みが必要であると思います。地域の実情を踏まえ、農家の担い手不足や遊休農地が目立った地域においては、新規就農を促進するため、国は平成17年に特区制度によらず、規制緩和を可能にする農地法施行規則が改正されています。本市も新規就農や遊休農地の解消を目的として、農振農用地区域外で下限面積について考えてはいかがでしょうか。
現実に、有機農業をしたいという人がいるにもかかわらず、法的にはできないということで処理すれば、有機農業の推進は進まないと思います。御承知のように、本市は小規模零細、兼業、混住化という最悪の農業地域であります。この際、下限面積を10アールに下げ、本市にあった取り組みができないのかどうか。この点についてはかなり多くの市町村で県知事に申請して、下限面積を10アールに下げている先進地があります。その気になれば、このような問題は解決できるのではないでしょうか。
この問題を一つ一つ解決していくためにも、農業政策実行委員会を開催して取り組むべきだと思います。有機農業をしたいというこの方は急いでいますので、前向きな検討を急いでほしいと思います。
3点目は、地産地消による自給率向上の問題です。
既に、本市のある事業所では、安全、安心な農産物を生産するため、遊休農地を直接農家から借りて有機農業を始めており、事業組合を組織して、計画を立て、本格的な取り組みをしております。
このように、その気になって取り組めば道は開けると思います。提言書にも書かれているように、急がれるのは耕作放棄地、遊休農地の解消ではないかと思います。そのために、新居浜らしい対策を立て、実践する仕組みが必要ではないかと思います。
基本構想は、対策地の把握と要活用農地か他の用途地なのかを仕分けし、受け皿となる組織の設置、形態、法人の組織化などをする。そして、要活用農地の所有者への調査確認を行い、内容的には、耕作の意思、管理方法の確認、管理委託か売却希望なのかを確認し、受け皿として実施する事項を設定します。そして、就農者の募集、人材育成や農産物の加工、販売を目的とする仕組みをつくることが就農者の参入の近道であると思います。
しかし、提言書による農業法人の組織化について、市の企画書では平成23年度以降で実施することになっております。このような計画のテンポでは、地球温暖化にシフトした自給率の向上と災害に強い循環型農業への取り組みがかなりおくれるのではないかと思います。変革にはスピードが求められておりますので、長期展望を踏まえた上で、急がれるべきものはできるだけ早く取り組むことができないのかどうか、お考えをお示しいただきたいと思います。
4点目は、農地法改正案についてであります。
平成21年5月8日、通常国会において、農地の借り入れ制限を緩和する農地法改正案が衆議院を通過し、成立の見通しになりました。今回の改正は、高齢化や後継者による農地の減少を食いとめるため、企業や意欲のある農家が農地を借りやすくするなど、企業の農業参入の要件が追加されております。
現行では、借りられる農地は市町村が指定した耕作放棄地に限られていましたが、改正案では、市町村の仲介なしに、企業が優良農地を借りることができ、期間も大幅に延長されております。そして、企業が農地を保有する場合も含め、農業を効率的に進める考えの方なら、農地の権利を促進すると定めております。また、農地はその耕作者みずからが所有することを適当であると認めていた規定が削除されております。この改正案について、市はどのようにとらえているのか、お考えをお示しいただきたいと思います。
最後にもう1点お尋ねします。
平成21年度分の地域活性化・経済危機対策臨時交付金が内閣府地域活性化推進担当室のほうから緊急対策として、地方自治体の活性化事業として各自治体に対して割当額が内定され、実施する場合は5月18日までに頭出しをして、5月25日までにそれを裏づける資料などを含め提出せよといった通達が来ていると思いますが、各部局はこれをどのように受けとめ処理されておられるのか、お伺いいたします。
聞くところによりますと、新居浜市に対する割り当て内定額は、地球温暖化対策を初め、少子化、高齢化社会への対応、安全、安心の実現なども含め、4億5,500万円となっております。地方財源が落ち込んでいる本市にとって、こんなにおいしい予算はないと思います。ただ、緊急対策だけに十分検討する日程が少ないことが問題ですが、一応頭出しをして取り組んでおられることがあれば、どのような事業内容で提出されておられるのか、教えていただきたいと思います。
答弁のほど、よろしくお願いします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 神野議員さんの御質問にお答えいたします。
農業政策についてでございます。
新居浜市農業政策推進会議は、平成19年12月17日に第1回推進会議を開催し、延べ11回にわたる推進会議を経て、平成20年10月24日に推進会議で議論された内容を新居浜市農業政策推進会議提言書にまとめて提出していただきました。この提言をもとに事務企画提案を行い、市民に対し、安全、安心な地元農産物をPRするマスコットキャラクターの作製等を実施する地産地消推進事業等の新規予算に反映させたところであります。
また、御提案をいただきました農業政策推進会議の政策実行委員会の切りかえにつきましては、行政、消費者、農家による協議の場については、本市農業について学び、意見交換することにより、農業に対する理解が深まることが農業の維持発展のための有効な手段ととらえておりますことから、JA新居浜市等の農業関係機関とも協議しながら、設置について検討してまいりたいと考えております。
また同時に、既存の農業関係の協議会における活動の活性化や拡充、見直しに努めること、地元農産物消費拡大への取り組み、食育推進運動、地産地消推進担当の配置等をするといった個々の取り組みにつきましても、積極的に対応してまいります。
以上申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足いたさせます。
○議長(村上悦夫) 高橋農業委員会会長。
○農業委員会会長(高橋征三)(登壇) 神野議員さんの御質問にお答えいたします。
まず、有機農業についてでございますが、農地法第3条では、農地の権利を取得する際、下限面積に達しない場合は許可することができないと規定されております。愛媛県におきましても、農林水産省令で定める基準に従い、県の区域内農地の全部または一部について、下限面積を定めております。
下限面積の設定基準といたしましては、まず自然的、経済的条件から見て、営農条件がおおむね同一の区域であること、次に10アールの整数倍の面積で設定すること、そして定めようとする面積より小さい面積で営農をする農業者が区域全体の農業者のおおむね4割を下回らないようにすることと規定されております。さらに、遊休農地対策として、その指定区域内において当該区域内に遊休農地が相当程度存在すること、及び下限面積未満の農地の耕作者の増加により、区域内及び周辺の農地等の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれのない場合は、10アール以上の面積を定めることができると規定されております。
最近の県内の事例では、平成16年10月及び平成18年12月に、市町村合併に伴う2件の下限面積の統一が行われましたが、遊休農地の増加による下限面積の変更は行われておりません。
また、今回の農地法改正案の中で、下限面積につきましては農業委員会が地域の実情に応じて弾力的に定めることができるようにするとされておりますが、現在、具体的な基準である農林水産省令等が制定されておりません。優良農地を守り、農地乱開発を防止し、真の農業を行う上で不用意に下限面積を下げることは慎重に考えなければなりません。
このようなことから、下限面積につきましては、今後の法令等の制定状況などを見きわめながら、本市の実情に応じた取り組みを行ってまいりたいと考えております。
次に、農地法改正案についてでございますが、昭和27年に施行されました農地法の基本理念である農地をみずから所有するという自作農主義から農地の効率的な利用を促進するという利用農主義へ制度を再構築するため、農地法等の一部を改正する法案が今国会において審議されております。今回の一部改正案では、農地転用規制の見直しや神野議員さん御案内のとおり、条件つきではございますが、農業生産法人以外の法人の貸借による農業参入の拡大、または先ほどの下限面積の弾力化や20年を超える農地の賃貸借の創設等が盛り込まれております。農業委員会の果たす役割は大変重要になると考えております。
農業者の高齢化や担い手不足による耕作放棄地が増加する中、今回の法改正によりまして、団塊の世代を含めた意欲ある個人や企業等、新しい担い手を確保できることになると、農業委員会といたしましても、耕作放棄地の解消や農地の有効利用の促進、また本市農業の活性化にとって大いに歓迎し、期待するところでございます。
その反面、認定農業者等、本市農業の中核的担い手による農地の面的集積への弊害や農地の乱開発による優良農地の減少も懸念されるところでございます。
今後におきましては、一部改正案が成立した場合、政令、省令、運用等、より具体的な実施内容が示されることになりますが、農家の公的代表機関として、その役割と責任を深く受けとめ、運用の透明性と公平、公正の確保に努めてまいるとともに、本市農業の持続的な発展に向けた取り組みを推進いたしたいと考えております。
○議長(村上悦夫) 補足答弁を求めます。高橋企画部長。
○企画部長(高橋俊夫)(登壇) 地域活性化・経済危機対策臨時交付金について補足を申し上げます。
この交付金は、国の経済危機対策のうち、地方公共団体への助成支援として措置されるもので、財源として活用することにより、特に地球温暖化対策、少子高齢化社会への対応、安全、安心の実現、その他将来に向けたきめ細やかな事業を積極的に実施し、地方単独事業の事業量を確保することにより地域経済の活性化につなげようとするもので、本市においては4億5,579万7,000円が交付される予定となっております。
その趣旨に基づき、事業の選択を行った結果、主なものといたしましては、保育園、幼稚園、公民館など、公共施設へのAED設置、住宅用火災警報器の設置、公園の遊具更新等の市民の安全、安心の実現にかかわる事業や放課後児童クラブ施設整備事業、高齢者生きがい創造学園整備事業等の少子高齢化への対応、また小中学校情報通信技術整備事業や公民館環境整備事業のほか、道路、下水、農道整備等の市民生活に密着した事業等を地元中小企業への受注機会にも配慮しながら実施することといたしております。
○議長(村上悦夫) 佐々木経済部長。
○経済部長(佐々木一英)(登壇) 地産地消について補足を申し上げます。
農業法人の組織化につきまして、今日の地域の農業を取り巻く状況は高齢化や担い手不足が深刻な問題となっており、地域農業を維持、発展させるための農作業の作業受託や機械の共同利用等を行う集落営農組織の育成が緊急の課題となっております。
このため、地域農業を支える集落営農組織の育成を加速させ、国が担い手と位置づけ、重点的な支援を行う特定営農団体や農業生産法人に発展させることが大変重要なことであると認識をいたしております。
農林水産省が実施いたしました平成21年2月1日現在の集落営農実態調査の結果を見てみますと、集落営農数は全国に1万3,436団体で、愛媛県においては114団体となっております。そのうち法人化されているのは全国に1,802団体、全体の約13%であります。愛媛県におきましては12団体、約11%となっております。現況では、法人化が進んでいない状況にあります。
この理由として考えられますのが、集落営農の必要性、方向性の明確化、リーダーとサポートメンバーの確保、関係機関、団体等の連携等がございます。本市におきましては、東予地方局産業振興課地域農業室が中心となり、平成18年に大生院営農推進会を組織し、本市もそのメンバーとなり会合等を重ねております。
集落営農組織となるためには、集落のお一人お一人の合意形成が不可欠であり、そのためには、時には本音で話し合い、ねばり強く納得のいくまで話し合いを重ねることが重要でありますことから時間が必要となります。
本市における農業法人の組織化につきましては、まずは集落営農の組織化を図ることが課題でありますことから、これらの動向を見守りながら対応していくことが望ましいものと考えておりますが、新居浜市農業政策推進会議からいただきました提言書の内容につきましては、できるだけ早く取り組めるように努めてまいりたいと考えております。
以上で補足を終わります。
○議長(村上悦夫) 再質問はありませんか。
神野敬二議員。
○1番(神野敬二)(登壇) ありがとうございました。
今回の国の補正予算は、多額の国費を使って地方の活性化対策を図るための貴重な国民の税金でございます。今回の答弁を聞き、未来の子供たちのために地球温暖化防止につながる事業等いろいろありましたが、またこのような話があれば、今度は林業や森林の再生、さらには地球温暖化対策への貢献に資するバイオマス事業などのための調査事業並びに生ごみのリサイクルによる減量化と有機農業を推進する事業など、緑の経済と社会の変革につながるような事業を期待して質問を終わります。どうもありがとうございました。
○議長(村上悦夫) この際、暫時休憩いたします。
午前11時41分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 0時59分再開
○議長(村上悦夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。
真鍋光議員。
○12番(真鍋光)(登壇) 公明党の真鍋光です。
通告に従い質問させていただきます。御答弁よろしくお願いいたします。
まず、定額給付金と子育て応援特別手当の取り組み状況についてお伺いいたします。
昨日の白籏議員さんの質問と重なる点がありますが、よろしくお願いいたします。
市民の皆さんの生活支援と本市経済の活性化につなげるため、支給に当たり、庁内では関係課の職員の兼務や臨時職員、業務委託など、各課連携を図りながら、準備から支給に至るまでの事務を遂行するため、現在も作業が続いていますが、大変だったかと想像します。
子育て応援特別手当1,663人分、総額約6,000万円と、給付金の該当者、約12万7,000人分、約19億6,000万円分、それぞれの該当者から現在までの申請者と辞退した人の件数、給付が終了した人の比率をお伺いします。
新聞報道にありましたが、所在不明で返送されてきた件数と、その後の扱いをどうされているのか、お伺いします。
次に、DV被害者など暴力から逃れるために、別居しても住民票を移せない人への対応についてお尋ねします。
国の交付金は規定により住民基本台帳の2月1日付の住所が基準となるため、被害者への支給をどのように対応されたのか、お伺いします。
すべての人に給付をという趣旨から、これまでDV被害者からの申請はスムーズに運んでいるのでしょうか。こうした被害者は慎重になり、あきらめて手を挙げないということがありますが、関係機関との連携についてもお伺いします。
また、独居高齢者や認知症の方などの申請漏れがないよう努力していただいたと思います。現時点で問題はどうでしょうか。
次に、相談窓口の設置では、電話を含め、どのような相談が多かったでしょうか。プレミアムつき商品券は全国で6割の自治体が発行し、景気刺激に一役買っているそうです。本市も実施し、早々に売り切れたようで、手に入れた人は好評であったように思います。市民からの反応はどうだったでしょうか。これによる本市への経済効果をどう見られますか、以上お伺いします。
次に、高齢者等入居支援事業についてお伺いします。
住宅困窮者などへの支援をこれまで何度か質問させていただきました。今回、東京都杉並区のひとり暮らしの人を応援する高齢者等入居支援事業について、担当者に説明を受けてきました。その中身は、高齢者世帯の場合、保証人がいなくても入居、更新が可能、その上利用できるサービスとして、家賃等の債務保証や見守りサービス、死亡後の葬儀、さらに残存家財等の撤去などがあります。
この事業は、保証人がいないために民間住宅の賃貸契約を結べない高齢者の債務保証を区が仲介することが柱になっています。高齢者世帯に加え障害者世帯、ひとり親家庭、災害被災者、犯罪被害者、DV被害者などにも対象を広げたそうです。
杉並区の高齢者等入居支援事業は、民間保証会社の保証を取りつけることで賃貸契約をスムーズに結べるようにしており、保証料は、条件を満たせば初回のみ区が3万円までの助成を行います。このほか、委託先、NPO法人が週1回アパートでひとり暮らしの高齢者の安否を電話で確認する見守りサービスを初め、預託金7万円で亡くなった際の葬儀の執行、さらに預託金5万円で残存家財等の撤去支援などを行っています。さらに、制度拡充で身体障害者手帳などの交付を受けている単身世帯も利用できるようにしたそうです。これまでは新しく家を探す人に限定していたが、制度拡充で、現在住んでいる家の契約更新にも適用範囲を広げています。
住宅困窮者と言われる高齢者の住宅問題は、超高齢化社会を迎えた今、緊急の問題です。民間住宅を利用する場合の問題点は、賃貸物件の契約時や更新時に保証人が見つかりにくいこと、また高齢者ということで緊急時の対応を家主や管理会社が嫌い、貸し渋りがあります。保証人は年とともに少なくなり、やがてだれにも頼めなくなっています。仮に、お年寄りの親戚、友人がなってくれても、その方の収入が少ない場合、該当しないケースもあり、不安定な住宅環境が置き去りにされています。現在の世帯状況を見ると、ますます身寄りの少ないひとり暮らしのお年寄りがふえていることからも懸念されます。
そこで、多くが公営住宅を望まれますが、希望がかなわない人が多くいます。これまで住宅問題についてのアプローチは民間住宅を利用していくようにと答弁されていますが、生活の基本である住宅問題に直面して困っている方たちはふえています。
他の自治体の担当者の多くも、今後、こうした制度を取り入れ、住宅問題に取り組んでいこうとしているようです。杉並区の制度の説明を受け、新居浜市も安心の制度が必要と考えました。保証人がなく、住む家に困っている人への支援について、お考えをお聞かせください。
次に、レジ袋削減とマイバッグの利用促進についてお伺いします。
本市はいよいよ今月6月1日から市内の事業者のうちで6事業者19店舗がレジ袋の無料配布を中止しております。レジ袋の削減に向けて、事業者と自治体が協定を結ぶのは、県内では初めてとのこと。これまでレジ袋を辞退する人に事業者がポイントをつけるなど、努力をしてきました。また、マイバッグフォーラムの開催や環境推進に努めているグループなどがさまざまな機会に啓蒙推進してきたにもかかわらず、残念ながら本市のマイバッグ持参率が10%から20%と低迷しているのが現状のようです。
しかし、石油製品の浪費は地球環境に与える負荷が高いと言われて久しいわけであり、マイバッグ持参は、地球温暖化対策のために私たちにできる身近な取り組みです。レジ袋が普及する以前は、買い物に行くときは当たり前に買い物かごを持っていったものです。生活に便利さを求めてきた結果、石油資源を無駄に使い、地球温暖化に拍車をかけてきてしまいました。主婦の立場から私自身、レジ袋を減らすことの必要性を強く感じてから、数種類のマイバッグを携帯しています。店員さんから、御協力ありがとうございますと快く対応していただくとうれしいものです。
今回、レジ袋無料配布中止に協力した事業者においては、今後、マイバッグの持参率やレジ袋削減の取り組みを市に定期的に報告が必要ですし、何よりレジ袋の無料配布をやめれば、袋代5円程度を買い物客からいただくことになります。消費者の流れへの不安もあることでしょう。実施により、万引きなど、これまで以上に注意が必要かもしれません。これら協定に参加の事業者の声に、市としてどのような支援を考えておられるのでしょうか。また、今回協定に参加されていない店舗はどのような事情、理由があったのでしょうか。今後、それらの事業者に協定への参加をどう働きかけていかれるのか、お伺いします。
私は店舗が協力し合い、面的に同時に展開していくことが本来理想だと思います。マイバッグ持参は、滋賀県や京都府で早くから定着しており、仙台市も他の都市からも注目され、環境省や事業者などからも高い評価を得ているようです。それら先進地はレジ袋辞退率がおおむね8割台となっており、環境問題への関心の高さを証明しているようです。本市の今後の目標をどう掲げて取り組みをされるのか、市民にはどのようにマイバッグ利用を推進していかれるのか、お伺いします。
新居浜市が先進地のように協力事業者を広げ、地球に優しい行動をとれば得をすると感じる市民の輪が、大きく広がることを期待したいと思います。
次に、高齢者への肺炎球菌ワクチン予防接種についてお伺いします。
かつて、死亡原因の第1位だった肺炎は、抗生物質の登場で死亡者数は急激に低下しましたが、1980年以降、再び増加傾向にあるようです。特に、高齢者の肺炎が急増しているのが特徴で、高齢者がインフルエンザにかかると、4人に1人が肺炎に進むと言われ、一昨年は国内で9万5,000人が死亡したそうです。ほとんどが高齢者で、原因は肺炎球菌が一番多く、慢性肺疾患の高齢患者にインフルエンザと肺炎球菌の両ワクチンを打つと、入院は63%、死亡は81%減少させるとの海外の報告もあり、肺炎球菌ワクチンの予防接種の有効性が見直されています。
肺炎球菌ワクチンは、生涯に1回のみの注射で5年以上効果が持続し、世界保健機関が推奨しており、アメリカでは高齢者の半数が接種しているようです。
このワクチンは新薬ではなく、日本でも容易に手に入りますが、残念ながら余り周知されていないのと、保険適用外のため、費用が6,000円から9,000円程度かかり、負担が大きいと考えられます。2000年に接種したのは全国で4,700人だけだったようです。
平成13年に国内で初めて肺炎球菌ワクチン接種への公費助成を始めた北海道せたな町は、人口の29%が高齢者、肺炎になれば治療に1人約25万円かかり、財政負担が大きく、ワクチン補助で高齢者の肺炎予防ができれば採算が合うと考え、町は接種料5,530円のうち2,030円を負担し、普及を目指したそうです。同時に、全町民にインフルエンザワクチンを1回1,000円で接種できるようにし、肺炎は予防できると住民に説明して回ったそうです。
疾病予防対策を進めた結果、国保の1人当たりの医療費が平成3年に北海道内で1位だったのが、平成16年には182位と改善し、肺炎は激減し、今では年に数人がかかる程度のようです。さまざまな予防医療が功を奏し、まちの老人医療費が半減し、大幅な医療費削減につながったようです。それから4年、高齢者の接種率は肺炎球菌ワクチン60%、インフルエンザワクチン90%と、アメリカをも上回る接種率のようです。
全国でも徐々に肺炎球菌ワクチン接種の公費補助がふえてきて、接種できる医療機関も約2万6,000カ所に広がっているそうです。本市はインフルエンザ予防接種の助成制度があり、医療機関も身近に充実していますが、肺炎球菌ワクチン接種を実施している医療機関はどのぐらいあるのでしょうか。また、本市の高齢者の肺疾患患者数及び肺炎罹患数の実態と、その場合の1人当たりの平均的な医療費の実態、肺炎による年間の死亡者数をお伺いします。その上で、本市での肺炎球菌ワクチン予防接種の助成の、高齢者の健康保持と医療費削減効果への影響をお聞かせください。
次に、がん対策についてお伺いします。
我が国では、がんは50年前には10万人以内だった死亡者が2007年には34万人、毎日1,000人近くが死亡しています。反面、先進諸国ではがんによる死亡が減っています。理由は、生活習慣の改善、治療薬の進歩、検診での早期発見があるようです。日本の検診率はOECD23カ国の中で、残念ながら最下位です。
「がんのひみつ」という本で、その著者、東京大学医学部附属病院の准教授中川先生も、がんは日本人の死因第1位となり、2人に1人ががんになり、3人に1人はがんで死ぬという世界一のがん大国だと述べています。多くの日本人は自分ががんになるとは思っていないようで、それはがんが秘密のままであるからとのことです。
国はがん対策推進基本計画において、10年後に死亡率を20%減らし、検診率を50%にすることを目指しています。検診率を上げるには、がんという病気を伝える教育が大切と中川先生は言っています。
保健の授業では、喫煙などの生活習慣でのリスクなどは教えていますが、子供たちにがんそのものを教えることが重要であると言っています。環境教育も子供への教育が効果的と言われていますが、がん教育を受けた中学生の半分が、将来がんになるだろうが、自分を含め、親や家族の健康が気になり、あのとき聞いたということが必ず生きてくるそうです。現在、中学生は学校でがんそのものを学ぶ機会があるでしょうか。また、どんな取り組みが可能でしょうか。
早期発見のため、健康づくり教室を繰り返し行い、日曜検診や早朝検診などで市民が受診しやすいよう工夫し、検診率を上げているところもあるようです。本市にあっては、がんの検診率を上げるための取り組み、対策はいかがでしょうか。近年の検診状況の推移と今後の検診率の目標と課題点をお伺いします。
このがん検診率については、職場や人間ドッグなどの個人ベースの検診を計測するシステムができていないので、肝心の実態がわかっていないのも問題だと思いますが、難しいことなのでしょうか。アメリカでは州レベルのモニタリングにより、1年おくれで計測できる仕組みが確立されているようです。受診率の低さとともに、肝炎ウイルスや大腸がんでは検診で指摘されても、精密検査や治療を受けない人が多いことも課題です。要精密検査と診断されながら検査を受けられない方へ、どのようにフォローアップされているのか、お尋ねします。それでも検査されない人の比率もお伺いします。
次に、がんのうち近年女性に増加傾向のある乳がんと、若い人に増加している子宮頸がんについてお伺いします。
まず初めに、乳がんについてですが、日本では乳がんに関する関心も検診率も低く、そのため、乳がんで毎年1万人以上が死亡しております。そこで、乳がん検診の状況についてお伺いします。
これまで本市では40歳から60歳までの5歳刻みの節目年齢の人が検診を1,000円で受けられ、節目以外の希望者は4,100円の費用で受けられます。近年受診した方たちの年代別人数と受診率、検診で異常があった人数、節目以外の受診者はどうかもお伺いします。
乳がんはマンモグラフィーにより検診を行いますが、検診が痛みを伴い恥ずかしかったなど、感想を寄せる人の声を聞いておりますが、受診者の反応はどうでしょうか。
最近は、ピンクリボン活動やメディアを通じて、乳がんへの関心が少しずつ高まってきているようです。タレントの山田邦子さんは、毎年受けていた検診を忙しくて3年受けなかった間に乳がんを発症していたそうで、自分の体験を通し、乳がん撲滅の活動をしているようです。自分で行う自己検査や乳がん検診を受けることが早期発見、早期治療につながります。
本市としても、受診率アップを目指していると思いますが、どのように啓発を強化しているのか、お聞かせください。
次に、女性のがん、子宮がんのうちで子宮頸がんは、日本では年間約7,000人の女性が発症し、約3,000人が死亡しています。子宮頸がんの原因は、そのほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)というありふれたウイルスで、女性のほとんどが一度は感染しますが、本人の免疫力で体外に排出されるそうです。原因が特定され、病気が解明されているがんはほかにはないようです。原因がわかった現在、1次予防にはワクチンの投与、2次予防として検診が有効であることが世界的に認識されています。
子宮頸がんによる死亡が多いのは、日本の検診率が約20%と、欧米に比べはるかに低い検診率だからです。その理由は、面倒くさい、恥ずかしいということのようです。最近では、出産も高齢化の傾向にあり、若い女性が婦人科に足を運ぶ機会がますます減っているのも、子宮頸がんの若年化の原因とも言われております。そこで、本市での子宮頸がんの年代別検診状況と頸がん発症数をお伺いします。
多くの女性が10代から20代初期にHPVに感染し、20代と30代に発症することが多いそうです。海外の先進国では、早い段階で啓発のため学校において教育されています。諸外国のように、正しい知識が持てるよう、学校や市民に向けて一層の積極的な教育と啓発活動が必要と考えますが、本市の状況はいかがでしょうか。
ウイルスを予防するワクチンは、世界では既に100カ国以上で使用され、使われていないのは、アジアでは日本と北朝鮮だけです。ワクチン投与と検診で子宮頸がんがゼロになることも可能と言われています。
公明党の浜四津敏子参議院議員を中心に、ワクチンの承認を国に求め続けており、この秋にも承認がおりる模様です。
さらに、今年度、新経済対策として、子宮がんと乳がん検診の無料パスポート券の発行が行われます。子宮がん検診は20歳から40歳までを5歳刻みで、乳がん検診は40歳から60歳までの5歳刻みで、全国760万人の女性が全国どこででも無料で受けられます。女性の健康を守る上でも、また少子化対策の上からも大切なことと思います。単年度だけでは、他の年齢の人に不公平ですし、今後も継続して行えるよう、新居浜市として継続した取り組みができることを願います。
がんは依然として国民の生命及び健康にとって重要な問題です。日本人にとって脅威であるという意識を共有し、県や医師会と協議してがん対策を講じていきたいものです。
以上、御所見をお伺いします。
最後に、特定健康診査と特定保健指導についてお伺いします。
近年、糖尿病など、生活習慣が原因で起こる疾患により亡くなる人が3分の1に上ります。昨年、平成20年度から始まった特定健診は、メタボリックシンドロームに着目した健診で、結果に基づき生活習慣の改善を支援するためのものでありますが、受診率の低さが気になるところです。40歳から74歳までの受診対象者のうち、本市での昨年の健診の受診者の比率はどうだったでしょうか。そのうちメタボリックシンドロームに該当すると診断された比率、特定保健指導の必要な人が指導を受けた比率をお伺いします。
受診率の低さはどこにあると考えますか。特定健診、特定保健指導は保険者ごとに受診率の目標を定め、その達成状況により、国が定めた後期高齢者支援金、すなわち若い世代が支払う保険料に加算・減算の措置がとられ、国保の保険料が安くなったり高くなったりします。目標が達成されると、最大で10%安くなるそうで、そのことからも健診を受けることが大切と思われます。
平成24年度までに65%を目指しているようですが、今年度は目標を幾らに定めておられるのでしょうか。新居浜市の国保の医療費は増加の一途であります。これを抑制するためにも、一人一人が自分の健康のため健診を受け、予防に努めることが肝心です。今年度も対象者には受診券が届いています。今月の市政だよりには健診の記事が掲載されていますが、多くの人が受診するために、どう周知、啓蒙されるのでしょうか、お伺いします。
以上で1回目の質問を終わります。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 真鍋光議員さんの御質問にお答えいたします。
まず、定額給付金と子育て応援特別手当の取り組み状況についてでございます。
定額給付金の給付状況につきましては、6月2日までの口座振込件数が5万130件、6月1日までの現金給付決定件数が262件、合計5万392件で、支給合計額は17億9,605万6,000円でございまして、全支給対象件数5万6,446件に対しての割合は89.27%でございます。また、支給を辞退された方は7名いらっしゃいます。
所在不明で返送されてきた申請書は510件でございましたが、そのうち217件については、対象者が定額給付金窓口に来られ、直接手渡しいたしたもの、電話によるお問い合わせにより、実際の居住地へ送付いたしましたもの、また所在不明で返送されているものについて5月末に現地調査を行った結果、所在が判明したものでございます。
子育て応援特別手当につきましては、6月2日までの口座振込件数が1,464件、支給合計額が5,547万6,000円でございまして、支給対象件数1,578件に対しての割合は92.78%となっております。
所在不明分につきましては1件ございましたが、対象者からの申し出により、既に実際の居住地へ送付いたしております。
次に、DV被害者への対応についてでございますが、DV加害者と同一世帯であるために定額給付金の申請ができない事例も見受けられますことから、DV保護命令や警察署等の公的機関の証明があるなど、DV被害者であるという証明書を有する被害者に対して、新居浜市独自の事業として実施してまいりたいと考えております。
なお、具体的な内容につきましては、先進地の制度も参考にしながら、今後、早急に検討してまいります。
次に、独居高齢者や認知症の方などの申請漏れ防止についてですが、申請書を発送する際に高齢者が利用されている施設や地域の民生委員さんに対しまして、申請書の提出について御助言や御指導をいただけるよう御協力をお願いいたしております。
また、窓口や電話での相談内容については、定額給付金の制度全般についての御質問、申請書を提出するに当たっての申請書の書き方や添付書類についての確認、また振り込みがいつごろになるのかというお問い合わせを多数いただきました。
いずれにいたしましても、申請書をいまだ提出されていない方が多数いらっしゃいますことから、市政だよりやホームページで広報するとともに、御案内の文書を送付したり、また所在不明で申請書が届いていない方につきましては、再度詳細な調査を重ねまして、すべての市民が給付を受けられるよう努めてまいります。
次に、レジ袋削減とマイバッグの利用促進についてでございます。
今、私たちは地球温暖化問題に直面しており、待ったなしの対策が求められております中で、新居浜市ではその対策の一つとして、だれもが身近にすぐに取り組めるマイバッグ運動を推進しております。
昨年10月に、市内のスーパーマーケットを初め、コンビニエンスストア、市民団体、商工会議所などの方々に参加いただき、新居浜市レジ袋削減推進協議会を設立し、11月には「マイバッグフォーラムin新居浜」を開催し、多くの市民の方に参加いただきました。
その後、協議会で協議を重ね、ことし3月に新居浜市内スーパーマーケット6事業者、市民団体、新居浜商工会議所との間でレジ袋削減に関する協定を締結し、6月1日から市内スーパーマーケット19店舗におきましてレジ袋の無料配布中止がスタートいたしました。
6月1日当日は、私も6店舗においてキャンペーンへ参加させていただき、お買い物をされる市民の方々、事業者の方々に直接お話を伺いましたが、多くの方々に賛同を得ていることが確認でき、順調に進んでいるものと考えております。
まず、協定いただいた事業者の声についてでございますが、行政からの支援は欠かせない、行政、事業者、市民団体が協力して、市全体の取り組みとしなければ成功しないなどの御意見をいただきました。
次に、今後、市としてどのような支援を考えているかにつきましては、各事業者の方々から報告いただくレジ袋辞退率を整理した上で、定期的に協議会を開催し、御意見、御要望をまとめていく中で、広報活動、各種イベントで啓発するなど、できる限りの支援を続けてまいります。
次に、今回協定に参加されない店舗はどのような事情、理由があったのかについてですが、レジ袋がごみ袋に使える、新居浜市はマイバッグの持参率が低い、顧客に理解が得られないのではないかなどの意見がございました。
今後は、これらの御意見をいただいた事業者の方々に対しましても、機会あるごとに協定締結の参加を呼びかけてまいります。
次に、新居浜市の今後の目標、市民の方々へのマイバッグ推進についてでございます。
本協定書におきましては、各事業者は食品レジでのレジ袋辞退率を80%以上にすることを目標とし、以降も継続的に辞退率の向上に努めますと規定しておりますが、開始後の状況はおおむね80%を達成できているのではないかと伺っております。
新居浜市といたしましては、その結果を市民の方々へ公表し、レジ袋削減について啓発するとともに、事業者、市民団体の方々の声を聞きながら、未参加のスーパーマーケット、その他の業種の方々にも参加を呼びかけ、また県内全域に広がることも期待しております。
いずれにいたしましても、市民、事業者、市の協働によりまして、マイバッグ運動を推進してまいりますとともに、地球温暖化対策に積極的に取り組んでまいります。
以上申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足いたさせます。
○議長(村上悦夫) 補足答弁を求めます。近藤福祉部長。
○福祉部長(近藤清孝)(登壇) 高齢者等入居支援事業についてほか数点補足を申し上げます。
高齢者が住みなれた自宅や地域において、24時間安心して暮らせるようにするためには、住まいの確保と質の向上、さらには多様な見守りサービスが提供される必要があります。
しかしながら、高齢者の単身、夫婦世帯が増加する中で、高齢者が民間の賃貸住宅を利用する場合、賃貸物件の契約時や更新時に保証人が見つかりにくいなどの問題に直面することが少なくありません。
現在実施されております高齢者に対する居住支援といたしましては、高齢者の入居を拒まない住宅である高齢者円滑入居賃貸住宅の登録制度やあんしん賃貸支援事業の普及啓発、高齢者居住支援センターの家賃債務保証制度の活用促進などがございます。また、見守りサービスにつきましては、見守り推進員などによる安否確認、緊急通報装置による緊急時の対応、配食サービスによる栄養改善と安否確認などを実施しております。
御提案の高齢者等入居支援事業につきましては、高齢者の生活を支える医療、介護、住まい等の総合的な体制整備を図る上で、極めて有用な事例と考えております。今後におきましては、施策の地域性なども考慮しながら、実施可能かどうか判断してまいります。
次に、高齢者への肺炎球菌ワクチン予防接種についてでございます。
まず、本市における肺炎球菌ワクチン接種を実施している医療機関は40カ所でございます。
次に、呼吸器系疾患罹患数は、平成20年度愛媛県国民健康保険統計によりますと3,391件。1件当たりの医療費は3万3,774円となっております。
また、肺炎による年間死亡者数につきましては、県の保健統計年報では、平成17年は155人、平成18年は132人となっております。
肺炎球菌は、体力や免疫力の低下により、肺炎、気管支炎等の呼吸器感染症や髄膜炎などの疾患を引き起こす要因と言われており、特に高齢者では肺炎による死亡率が高くなっております。
そのようなことから、一部の自治体では公費助成による肺炎球菌ワクチン予防接種が実施されておりますが、現段階では肺炎発病防止効果を認めるデータの蓄積がなく、現行の予防接種法では定期の予防接種に位置づけられていない状況でございます。
次に、がん対策についてでございます。
まず、中学校におけるがんについての学習は、文部科学省の学習指導要領に基づいて行われており、主に3年生の保健体育での健康な生活と病気の予防という単元で取り扱われております。
具体的には、がんという病気を知り、喫煙や過度の飲酒によるがん死亡率の高さを学んだり、動物性脂肪や塩分の取り過ぎ、食物繊維や緑黄色野菜の不足などに注意し、将来がんにかからないようにするためのがん予防の学習を行ったりすることで、日々の生活習慣の改善がいかに大切かを自覚させるようにしております。
次に、がんの検診率を上げるための取り組みや対策についてであります。
まず、検診の実施については市民に広く啓発するため、昨年から5月号の市政だよりに集団検診カレンダーを折り込み、事前に日程確認できるようにしております。
また、受診者の利便性を考慮し、公民館での検診や、平日だけではなく、土曜日、日曜日の検診、国保課との連携による特定健診とがん検診の同日受診などを計画しております。
また、健康教育事業の一環として、がん予防をテーマとした健康教室の開催やがん対策推進員を新たに設置し、がん予防のための知識の普及啓発を行っております。
次に、がん検診の受診状況についてであります。
新居浜市全体のがん検診の受診者数については、各職域による受診者の確認ができないため、保健センターによる受診状況となっております。平成20年度のがん検診の受診者数は、胃がん検診805人、子宮頸部がん検診819人、肺がん検診913人、大腸がん検診1,303人、乳がん検診530人となっており、平成19年度のがん検診受診者に比べて、胃がん検診が186人、子宮頸部がん検診が300人、肺がん検診が280人、乳がん検診が135人増加しております。また、大腸がん検診につきましては、個別検診から集団検診への実施形態の変更があったため、5,724人の減少となっております。
次に、平成21年度の受診目標人数は、胃がん検診が1,000人、子宮頸部がん検診が1,000人、肺がん検診が1,100人、大腸がん検診が2,900人、乳がん検診が720人となっております。
また、検診における課題点としては、実施形態の変更で減少した大腸がん検診の受診者拡大を図ってまいりたいと考えております。
また、大腸がん検診では、要精密検査となった人が平成20年度は78人で、そのうち45%に当たる35人が未受診となっております。肝炎ウイルス検診では、要精密検査となった人が平成20年度は7人で、そのうち29%に当たる2人が未受診となっております。
フォローアップの方法は、平成19年度ははがきによる受診勧奨、平成20年度は訪問による受診勧奨を行っております。
未受診の原因として、精密検査が苦痛を伴う検査と認識している人が多いため、精密検査の必要性をさらに指導してまいりたいと考えております。
次に、平成20年度の乳がん検診受診状況についてであります。
乳がん検診の年代別受診者数、受診率、要精密検査者数については、40歳代受診者数143人、受診率12.3%、要精密検査者数4人。50歳代受診者数179人、受診率7.9%、要精密検査者数17人。60歳代受診者数208人、受診率5.5%、要精密検査者数15人となっております。
また、節目年齢と節目以外の年齢につきましては、節目年齢受診者数373人のうち要精密検査者数は5.4%に当たる20人。節目以外の年齢受診者数157人のうち、要精密検査者数は10.2%に当たる16人となっております。
次に、マンモグラフィーによる乳がん検診を受診した人の反応についてであります。
真鍋議員さん御指摘のように、少し痛みを伴う、恥ずかしかったという声をお伺いしております。その対策といたしましては、啓発時の説明を十分行うこと、また検診機関につきましては、女性の放射線技師に対応していただいておりますので、受診者からは大変喜ばれております。
次に、乳がん検診に関する啓発につきましては、女性が自分で発見できる唯一のがんであることを踏まえ、検診会場での自己検診法の普及や9月のがん征圧月間には、乳がんに関する医師講演会やマンモグラフィー検診車の見学、愛媛がん患者・家族会「おれんじの会」との懇談会などを予定いたしております。
次に、子宮頸部がん検診の受診状況についてであります。
平成20年度の受診者数は819人で、そのうち20歳代受診者数31人、受診率2.9%、要精密検査者数ゼロ人。30歳代受診者数130人、受診率6.5%、要精密検査者数1人。40歳代受診者数102人、受診率8.5%、要精密検査者数がゼロ人。50歳代受診者数156人、受診率6.6%、要精密検査者数2人。60歳代受診者数270人、受診率6.6%、要精密検査者数ゼロ人。70歳代受診者数123人、受診率2.7%、要精密検査者数ゼロ人。80歳以上受診者数7人、受診率0.4%、要精密検査者数ゼロ人となっております。
次に、子宮頸部がん検診に関する啓発についてであります。
受診対象者が20歳からの女性となっているため、乳幼児健診や予防接種の案内に子宮がん予防に関するチラシを同封し、受診勧奨を行ったり、若い女性を多く雇用する企業への受診啓発を行っております。
今後の対策として、検診の利便性をより高めるため、各地域での検診回数をふやす取り組みや中小企業との連携による受診啓発の促進、がん対策推進員の養成など、がん検診の必要性を身近なところから広め、その活動を通して受診率のアップに努めてまいりたいと考えております。
次に、特定健康診査と特定保健指導についてでございます。
まず、昨年度の実績については、現時点で確定したものではございませんが、対象者数2万950人のうち、受診者数4,914人、受診率23.5%となっております。そのうちメタボリックシンドローム、またはその予備軍であった者は1,280人、出現率としては26.0%でございます。また、特定保健指導対象者数は793人、そのうち初回指導利用者は292人、利用率36.8%でございます。
本事業は初年度ということもあり、広報や出前講座等を通じて周知啓発に努めてまいりましたが、平成20年度の目標としていた受診率50%に対し、半分を下回る結果となっております。
受診率が低くなった原因といたしましては、行政の周知啓発不足による制度に対する被保険者の理解不足、受診券に対する認知度の低さとともに、健診や健康に対する意識の薄さなどから、健診が市民の皆さんの日常生活に定着していないことが考えられます。
平成21年度は、受診率55%を目指しておりまして、受診率向上のために昨年度の反省を踏まえ、大きくわかりやすい受診券を作成し、5月中旬に対象者全員に送付いたしております。
個別健診については、実施期間を昨年度より3カ月間延長して健診機会を拡大し、集団健診については校区単位の実施回数をふやすとともに、がん検診等の項目もふやして、利便性の向上、内容の充実を図っております。
また、「365分の1、たった1日自分のために」をロゴマークにした啓発ポスターを400枚作成し、市内各所に掲示するとともに、国保課職員があらゆる機会、場所でロゴマーク入りポロシャツを着用し、歩く広告塔となって健診の周知啓発に努めております。
さらに、公民館や自治会単位で生活習慣病予防に関する講座を設けていただき、健康意識の向上に努めておりますが、国保の被保険者のみということではなく、市全体で健康意識の高いまちづくりを進めていくことが重要でありますので、関係課所との連携を図りながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(村上悦夫) 佐々木経済部長。
○経済部長(佐々木一英)(登壇) 定額給付金と子育て応援特別手当の取り組み状況についてのうち、プレミアム商品券の市民からの反応と経済効果について補足を申し上げます。
まず、プレミアム商品券の市民からの反応についてでございます。
プレミアム商品券につきましては、市民の生活を支援することに加え、消費を喚起し、本市経済の活性化を図ることを目的として2万冊、2億2,000万円分を発行し、5月8日から販売を開始いたしましたが、予想をはるかに上回る反響があり、わずか3日間で完売いたしました。
その売れ行きを見ましても、多くの市民の方々がこの事業に興味、関心を持っていただいた結果であり、市民の方の反応はおおむね好評であったものと考えております。
また一方では、商品券を購入できなかった方から追加の商品券発行についての御要望や販売体制に対する御指摘もいただいたところでございます。
次に、経済効果についてでございます。
まだ商品券発売から1カ月しか経過していない段階でありますことから、その具体的な効果を測定することはできませんが、10%分のプレミアムは消費者の購買意欲を刺激し、事業所の売り上げ増にもつながり、また商品券は市外ではなく新居浜市内の事業所で、発行から6カ月の有効期限内に確実に消費に使われますことから、景気、消費の低迷が続いております本市経済の活性化に一定の効果が期待できるものと考えております。
なお、使用された商品券が金融機関で換金された金額は、6月2日現在で7,214万5,000円、換金率は32.8%となっています。
以上で補足を終わります。
○議長(村上悦夫) 再質問はありませんか。
真鍋光議員。
○12番(真鍋光)(登壇) 御答弁ありがとうございました。
二、三要望させていただいて、さわやかに終わりたいと思います。
定額給付金と子育て応援特別手当の給付が89%、またそれ以上ということで、順調に進んでいるようで安心いたしました。DV被害者への対応もしていただけるようで、申請が6カ月以内ということですので、できる限り早く支給できるように頑張っていただけたらと思います。
高齢者等入居支援事業なんですけれども、杉並区で私も勉強させていただきまして、担当者は住宅課高齢者住宅係の女性の係長さんでした。お一人が担当されて、福祉部の方たちとの連携で、もう各課と連携しながら奮闘している様子が本当によくわかりました。1日に五、六人ぐらいの相談を受けることもあるということで、まるでそれは不動産業者のように一生懸命働いてくれているということを上司の課長さんがおっしゃっていました。
杉並区は高齢化率が現在20%らしいんですけれども、20年ほど前に、もう既にアパートあっせん事業というのも取り組んでやっておられるようでした。またさらにこのような区民に対して手厚い支援を取り入れて、その姿を見て、本当にいいなと実感して帰ったんですけれども、全国どこでも保証人は、親族でも最近では敬遠しがちな実態じゃないかと思うんです。そこを民間保証会社と提携して、また見守りはNPO法人、そして葬儀など、また後片づけは社会福祉協議会との連携で事業を進めているということをお聞きしたんですけれども、新居浜市もあと5年もすれば高齢化率が30%ということですので、どんどん住宅困窮者はふえてくるんじゃないかと私は想像します。
私自身が最近相談を受けた90歳を超える女性の方ですけれども、自分の死んだ後のことを非常に心配されまして、夜も眠れないというようなことでした。その内容といえば、やはり死んだ後の葬儀のこと、そして借りている家のこと、そして家財道具の始末、そういうことがありました。私もこの杉並区の支援体制を見て、それこそこの人たちにはぴったりの事業だなと実感して帰ってきました。できれば本当にこのような事業を検討していただいて、前向きに進むとありがたいなと思いました。
今回は、がん対策とか検診の推進など、市民の健康にかかわる問題を主体に、福祉部長さんには御苦労かけたんですけれども、本当に私の周辺には、この数年ですけれども、身近なそれも比較的若い方ががんを発症して、苦しい治療を経験したり、残念ながら亡くなった方も少なくありません。そういうことで、今回この質問を入れさせていただいたんですけれども、そのことから見ても、検診の大切さ、早期発見、早期治療、そういうことを実感いたしました。
福祉部、特に保健センターの皆さんが前向きに取り組んでいただいているようですので安心なんですけれども、新居浜市自体のその現状を見ますと、目標とする健診率の達成には本当に厳しいものがあると思います。今後、そういったことでいろんな、大変な病気で苦しむ人が少しでも減りますように、それを願いまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(村上悦夫) この際、暫時休憩いたします。
午後 1時53分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 2時03分再開
○議長(村上悦夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。
仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 雨も降っておりますので、なるべくたくさん雨が降るように頑張りたいと思いますけれども、本日最後の質問でございますけれども、よろしくお願いをいたします。
では、通告に従いまして質問いたします。
国の指針に基づく集中改革プランと行政改革について。
国における行政改革については、中央省庁再編後の5年間を集中改革期間として、国、地方に通ずる行政の組織、制度のあり方や行政と国民の関係などを抜本的に見直し、新たな行政システムを構築することを基本理念とした行政改革大綱が平成12年12月1日に閣議決定され、特殊法人改革、行政委託型公益法人等改革、政策評価制度の導入などを進め成果を上げてきたが、引き続き構造改革の重要な柱の一つとして、民間にできることは民間に、地方にできることは地方に等の観点から強力に推進していく必要があることから、今後の行政改革の方針を決定し、政策改革の手綱を緩めることなく、さらに積極的に推進することにより、簡素で効率的な政府を構築し、財政の立て直しに資するとともに、行財政運営の改善、透明化、国民生活の利便性の向上を図るため、今後の行政改革の方針が平成16年12月24日、閣議決定されました。
今後の行政改革の方針には、政府及び政府関係法人のスリム化、行政効率化の推進、行財政の制度及び運営の改善、透明化、規制改革の推進、電子政府・電子自治体の推進、公務員制度改革の推進及び地方分権の推進等の方針が示されており、地方分権推進において、市町村合併の推進と地方行政改革の推進が示されております。
地方行政改革の推進では、地方公共団体の行政改革については、これまでも平成9年の地方自治・新時代に対応した地方公共団体の行政改革推進のための指針等に基づき、地方公共団体に積極的な推進を要請し、各地方公共団体において真摯に取り組みが行われてきたところであるが、社会経済情勢の変化を踏まえ、さらに積極的な取り組みを推進するため、行政改革推進のための新たな指針を平成16年末までに策定するとあり、これに基づき、平成17年3月、総務省から地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針が示されました。
その指針では、行政改革に向けた新たな取り組みを平成17年度から21年度までの5カ年間の計画で集中改革プランとして策定、公表することが要請され、新居浜市では平成18年3月に新居浜市集中改革プランを策定しております。また、平成19年4月には、平成14年4月策定の新居浜市新行政改革大綱が平成18年で終了することから、平成19年度を初年度とする新居浜市行革大綱2007が策定されております。
このように新居浜市は国の指針に基づいた新居浜市集中改革プランと新居浜市行政改革大綱2007を策定しておりますが、市民には違いがわかりづらいと思われますことから、それぞれの中身について具体的にどう違うのかをお伺いしたいと思います。
新居浜市集中改革プラン及び新居浜市行政改革大綱2007の目標は、確実に実施できるハードルの低いものを設定しているように思われるが、それぞれの取り組みの内容はどのような目標を設定し、現在の進捗状況はどうなっているのか、お伺いをいたします。
また、新居浜市行政改革大綱2007にあります44の実施項目が達成できれば、市長の目指す、困ったときには頼りになる市役所づくりが本当に実現できるのか、その点についても御所見をお伺いしたいと思います。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 仙波議員さんの御質問にお答えいたします。
国の指針に基づく集中改革プランと行政改革についてでございます。
まず、新居浜市集中改革プランと新居浜市行政改革大綱2007の中身について、どう違うのかということでございます。
新居浜市集中改革プランにつきましては、先ほど御紹介いただいたように、地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針に基づき、事務・事業の再編・整理、廃止・統合、民間委託等の推進、定員管理の適正化、手当の総点検を初めとする給与の適正化、第三セクターの見直し、経費節減等の財政効果及び、その他といたしまして、地方公営企業の経営健全化の項目を中心に、平成17年度を起点として、平成21年度までの取り組みを示した計画となっております。
新居浜市行政改革大綱2007につきましては、平成19年度を初年度として、第四次長期総合計画の目標年次に合わせ、平成22年度までの4年間を計画期間といたしております。
この大綱の基本理念である行政の質が高まったと実感できる効果、効率的な行政運営システムの確立を実現していくための具体的な方策として、44項目の実施計画を策定し、前大綱に引き続き、簡素・効率、迅速・丁寧、公開・参画、意欲・満々の4つの視点に基づいて整理しております。
新居浜市集中改革プランと新居浜市行政改革大綱2007では、開始年度と最終年度が異なっておりますが、新居浜市集中改革プランの項目のうち事務・事業の再編・整理、廃止・統合につきましては、行政評価を活用して取り組んでおり、その他の項目につきましては、新居浜市行政改革大綱2007の簡素・効率部門の実施計画として取り組んでおります。
次に、それぞれの取り組み内容の目標設定と現在の進捗状況についてでございます。
まず、新居浜市集中改革プランの主なものといたしまして、定員管理の適正化につきましては、国の指針に沿い、計画期間内に平成17年4月1日の職員数から5%に当たる49人を削減するという目標数値に対し、現在57人削減となっております。
民間委託等の推進といたしましては、新たに37施設について指定管理者制度を導入し、保育所2園を民間移管いたしました。
また、地方公営企業の経営健全化につきましては、未収金の早期回収、縮減を図るため、平成19年3月から水道料金等の滞納整理業務を民間委託いたしました。
新居浜市行政改革大綱2007の実施計画につきましては、毎年度目標設定を行っており、平成20年度の進捗状況は、目標に対して一定達成できたものが給与の適正化など23項目、取り組みは行ったものの目標の水準まで達成できなかったものが、民間委託、民間移管及びPFIの推進など10項目、未実施であったものが、郵便局、コンビニエンスストアの活用など11項目となっております。
次に、新居浜市行政改革大綱にある44の実施計画の目標を達成できれば、市民が困ったときには頼りになる市役所づくりが実現できると考えているかについてでございますが、我が国の社会環境というのは、地球規模での環境問題を初め、少子化、超高齢化、あらゆる面において従来のシステムだけでは対応できない状況となっており、また昨年秋の世界的な金融危機を契機に、企業活動の停滞、消費の低迷など、地域社会全体の活力低下を招き、社会不安を増大させております。
このような社会経済状況が急激に変化し、市民ニーズが多様化する中、行政改革とは絶えず行政のあり方を見直し、改善、改革を続け、住民福祉の増進を図ることであり、不断に努力すべき永遠の課題でありますので、時代の変化に対応した行政改革を継続することによって、組織目標である困ったときには頼りになる市役所づくりの実現に近づけるものと考えております。
○議長(村上悦夫) 仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 御答弁ありがとうございました。
1点だけお伺いをしたいと思うのですけれども、先ほど市長も言われましたけど、今日の社会情勢の中には、当然財政的なこともございますけれども、そういう意味で新居浜市の行政改革大綱並びに集中改革プランの中で市民と一緒にやるという部分については、一番欲しいのがもう少し透明性の高い財政指標の考え方だろうというふうに思います。
そういう意味で、その財政指標について、新しいものを考えるお考えはあるのかないのか、お聞かせをいただいたらというふうに思います。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) お答えします。
市民にわかりやすい財政指標ということと、新居浜市の状況が他市に比べてどうであるかという比較も重要であり、他市との比較においては、やはり国が定める一定の基準の中で相対的な比較をするということが必要ではないかというふうに思います。
また、昨年から将来負担比率というような新しい指標も出てきており、そういうものを使いながら説明をしていくということと、あと言葉の使い方として、私どもが財政用語で使っている、例えば民生費という言葉がございますけど、これは市民の感覚で言うと、高齢者の方には生活保護というようなイメージが強かったりいたします。これは福祉関係の予算であるとか、従来使っていた言葉というのを市民に対してわかりやすい言葉として置きかえて説明をしていくという、そういう努力も必要ではないかというふうに思っております。
指標については、今まで用いている指標と、また1人当たりの御負担であるとか、さまざまなわかりやすいものに工夫をしていきたいというふうには思っております。
○議長(村上悦夫) 仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) それでは、続いて行政改革と公平性の担保についてに移りたいと思います。
現在、新居浜市ではマイクロソフト社という一私企業の製品が文書作成に使われております。マイクロソフト社の製品は、いわゆるオフィススイートと呼ばれる同分野で大きなシェアを誇っておりますが、2007年モデル以前の旧モデルでは、国際標準規格に準拠しておらず、しかも同製品は同分野の他製品と比較して非常に高額である。また、新しいモデルでは旧製品との互換性が著しく低く、市民との互換性も保たれないということが現実ではないかと思います。
特定の製品ばかりを購入するのは公的機関としていかがなものかと思いますが、まず市役所のパソコンの台数のうち、同製品が何台導入され、その費用は幾らかかっているか、お答えをいただきたいと思います。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。高橋企画部長。
○企画部長(高橋俊夫)(登壇) 行政改革と公平性の担保について、新居浜市に導入されているマイクロソフトオフィスのソフトの台数というお尋ねでございます。
現在、新居浜市では職員用パソコンとして、基幹業務用パソコンが266台、庁内LAN用パソコンが1,057台、各学校に設置しております教育用パソコンが1,270台ございます。そのうちマイクロソフト社のオフィスを導入しているパソコン台数は、基幹業務用パソコンが238台、庁内LAN用パソコンが988台、教育用パソコンが1,237台導入しており、そのライセンス料についてでございますが、基幹業務用が約1,074万円、庁内LAN用が約4,533万円、教育用が約1,818万円でございます。
○議長(村上悦夫) 仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 先日、四国中央市に行ってまいりましたが、経費削減と国際標準規格準拠のために、先ほど申し上げたマイクロソフト社のオフィスではなくて、オープンソースソフトウエア、オープンオフィスを導入しました。
一般的にオープンオフィスと呼ばれるこのソフトウエアは、マイクロソフト社製のマイクロソフトオフィスと同程度の機能を持っており、世界じゅうの有志が開発、協力をして無償提供されているソフトウエアであります。マイクロソフト社製品とも高い互換性を備えており、文書ファイル形式の国際標準規格であるオープン・ドキュメント・フォーマット(ODF)にも対応しております。
同市はマイクロソフトにかえてオープンオフィスを導入することにより大きな経費削減を達成しており、またマイクロソフトオフィス2007からの大きなインターフェイスの変化から生じた操作面での不利益もオープンオフィスではオフィス2007モデル以前と似通ったインターフェイスを採用しているので、従来の操作効率を大きく損なうことなく移行できます。また、国際標準規格に準拠することによって、一私企業に独占されたファイル形式を利用することによる不利益、IT環境の変化に伴う互換性の欠如にも対応することができます。
また、四国中央市以外に会津若松市や中央省庁でも、情報システムに係る政府調達の基本指針において、原則として独自の機能、独自のデータフォーマット及び独自の方式を使用せず、国際規格、日本工業規格等のオープンな標準に基づく要求要件の記載を優先するとしています。
以上のような点から、新居浜市の現状や考え方についてお聞かせください。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。高橋企画部長。
○企画部長(高橋俊夫)(登壇) オープンオフィスとの関係で、現在の状態ということでのお尋ねだったと思います。
四国中央市との関係で、経費節減という視点のお尋ねもあったかのように思いますので、本来、庁内LANの導入時のアプリケーションの選定ということで考えた場合に、PDFの作成ソフトであるとかCADソフトであるとか、CD作成ソフトなどは、オープンオフィスと同じように無料で利用ができる、いわゆるフリーソフトといったようなものを利用いたしております。
そういう中で経費節減に努めるといった意味で、そういったことをさせていただいておりますが、現在の基幹業務システムにつきましては、マイクロソフト社のオフィスを用いて構築しておるといったようなことから、これをすぐに置きかえるというのは、現時点では難しい状況であるということでございます。
また、庁内LANあるいは教育用パソコンにつきましては、国、県等の特定ユーザーとの文書ファイルのやりとりということもございます。また、職員が職場研修及び自主学習で技能を高めまして、事務改善のためにアクセス、これはデータベースソフトでございますが、これを現在さまざまな業務で使っております。
したがいまして、そのアクセスにつきましてはオープンソフトと互換性がなかなかないというふうなお話も聞いておりますので、そのあたりも考慮するという必要があろうかというふうに考えております。
それと、国際標準規格のファイル形式ということでの御指摘もございました。そういった意味で、オープンオフィスの場合には国際標準規格のファイル形式を使っておるというふうなことでございまして、マイクロソフトの場合はそれではないということでございます。
ただし、先ほども申し上げましたが、オープンオフィスソフトとマイクロソフト社のオフィスの間では完全互換という形にはなっておりませんので、そういった意味で、オープンオフィスの利用者はまだまだ少ないということもございますので、いろんな課題もあるというふうなことで考えております。
そういった意味で、一企業の製品という御指摘がございましたけれども、多くの方が使われておるといったような意味で、公益性が損なわれているというところまでは言えないのではないかなというふうに思っております。
○議長(村上悦夫) 仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 多分、中身を本当に御存じじゃないんだなという御答弁でございましたけれども、結果として私が予算の特別委員会でお伺いした答弁とは若干違うように思いますけれども、特にそういう取り組みもしているところもあるということも含めて、広く考えていただきたいということだけをお話を申し上げまして、次の質問に行きます。
農業問題と食の安全についてということで、1950年、全国総農家数618万戸のちょうど半分の300万戸が専業農家でした。これが農業基本法を制定した1961年ごろには第1種兼業農家、農業外所得の比重が多い第2種兼業農家がそれぞれ3分の1ずつになり、1970年には専業農家16%、第1種兼業農家34%、第2種兼業農家51%と、第2種兼業農家が半数を超えるようになりました。2005年では専業農家23%、第1種兼業農家16%、第2種兼業農家62%となっています。しかも、専業農家の大半が農業以外で所得のない第2種兼業農家を卒業した高齢農家であり、65歳未満の男子生産年齢人口のいる専業農家は9.5%しかありません。
以上の事実から、農業の抱える問題点が見えてまいりますが、その中でも農地の荒廃と施策の関係は大きな問題であります。
また、農業総産出額に占める米のシェアは2割しかありません。しかし、販売農家の7割が稲作農家であります。これは稲作が非効率的であるということを示すと同時に、他の農業部門と比較して、稲作部門ではいかに多くの兼業、零細農家が維持されてきたかを物語っています。この統計結果を踏まえると、新居浜市の現在の状況はどうなっていますか。
国の方針といたしましては、平成11年7月に21世紀における食料、農業、農村に関する施策の基本的指針として策定されました食料・農業・農村基本法に基づき、平成17年3月に閣議決定されました新しい食料・農業・農村基本計画で、カロリーベースで現在40%の食料自給率を平成27年には45%まで引き上げる目標が掲げられております。
この件に関しまして、当時市長に御答弁をいただいております。その中で、本市の自給率は米で30%、野菜で36%、自給率向上対策としての施策、担い手育成や集落営農を重点に置いた取り組みをなお一層推進していく必要があると考えております。目標設定や工程につきましては、愛媛県及び農業団体と連携して云々というような御答弁をいただいております。
しかし、あれから随分時もたち、先般、米穀加工会社三笠フーズを初めとして、3つの企業が農林水産省から工業用ののりに使用することを目的として売却を受けた事故米をしょうちゅう、あられ、せんべい、菓子などの加工用途、また保育園の給食用、弁当などに不正転売されていました。今回問題になった米は、ミニマムアクセス米と呼ばれる輸入米です。この輸入米は1993年のウルグアイラウンド合意で米について関税化の特例措置をとり、輸入制限量を維持してきた代償として、またその後、1999年に関税化し、778%の高い関税を設定することの代償として、日本が消費量の8%に当たる77万トンを低い関税で輸入するよう義務づけられています。そのことがミニマムアクセス米ということでありますが、国全体の減反政策における補助金の額は、1982年の目標面積63万ヘクタールに対する3,611億円から、今日では目標面積が110万ヘクタールに増加しているにもかかわらず、1,801億円へと半減をしているのが現実であります。
このような現実を踏まえて、減反政策を推進している新居浜市といたしましては、食の安全と農業を守る政策をどう進めるのか、国の政策に対してどのように評価しているのか、改めて市長にお伺いをしたいというふうに思います。
私は汚染米の問題の核心は、高い関税で農業を守るという農政の根幹にあったと思います。汚染米のほとんどは、高い米の関税を維持する代償として輸入しているミニマムアクセス米であり、輸入しても、基本的には国内の米の市場では売却しないという政策をとっているため、長期間保存される在庫がふえ、カビに汚染されやすくなると思います。
政府は現在の消費量の8%に相当するこのミニマムアクセス米をさらに消費量の5%上乗せして120万トン以上に拡大する方向で交渉を進めているようですが、その代償としてミニマムアクセス米の拡大が要求されるというふうにも思います。
では、なぜ高い関税が必要なのかということになりますと、国内の高い米価を維持したいからではないかと思います。高い米価は何で維持されているのかということになりますと、水田の4割に米をつくらないという供給制限、いわゆる減反政策であります。
実際、米、麦、砂糖、乳製品などの国際価格は近年上昇をしていますが、日本米と品質的に一番近い中国産短粒種米の実際の輸入価格は、平成10年当時の3,000円から、現在1万円まで上昇しています。国内の米価からすれば、関税は100%も要らないというふうに思います。現に農林水産省が徴収しているマークアップと言われる関税見合い額はここ3年間50%から80%にしかすぎません。
政策として、EUのように生産調整を廃止して価格を下げ、影響を受ける農家に直接支払いをしてはどうか。そうすることによって、中国から輸入される米よりも国内価格は下がるのではないか。今まで日本を苦しめてきた77万トンのミニマムアクセス米のほとんどは輸入されなくなるのではないかというふうに思います。
そうすると、当然関税も要らなくなり、EUが穀物価格の引き下げでアメリカから輸入した飼料穀物を地域内穀物で代替したように、価格低下は日本にとって新しい輸出という需要も取り込むことができると考えられます。また、関税引き下げによる価格の低下に対しては、直接支払いで対抗することがいいのではないかと。
しかし、内外価格差を残した中で、関税引き下げ特例の代償として関税割当相当分が拡大されれば、国内生産縮小という対応しかないわけでありますが、食料自給率の向上を考えるのであれば、関税引き下げか関税割当等の拡大のいずれかを選択しなければならないと思いますが、そのときには必ず関税引き下げを選ぶべきだと私は思います。
米の問題は、このように農業の象徴であり、新居浜市にとっても重要な課題であります。その点、市長はどのように思われますか。
客観的に考えると、日本で重要品目に指定して関税の大幅引き下げを回避するメリットがあるのは、関税収入を畜産振興に充てている牛肉だけであります。米を含め他の品目については、食料自給率低下というデメリットしかないのではないかと思います。
次に、1996年の調査でも農地の利用調整の組織があり、一地域でも一地域一農場的な取り組みがなされている組織は15.1%にしかすぎませんでした。その後、担い手育成、集落営農実現も思ったほど進んでいないのが現実であります。
2007年から導入された直接支払い政策についても、対象農家は都道府県では4ヘクタール以上とする農林水産省の提案に、兼業農家も地域農業に重要な役割を果たしているとして反対することによって、兼業農家主体の集落営農も20ヘクタール以上あれば認めるといたしました。この規模要件を満たすために、農地を貸していた兼業農家が反対に農地を返してもらうと。そうすれば、直接支払いを受けれるというようなところも全国的には出ているようであります。
さらに、2007年末、市町村による特例を認めて4ヘクタール以上にすると、対象農家の規模の要件を結果的には緩和をいたしたわけであります。
今、この中で減反面積を消化するために、都道府県や市町村の担当者は大変苦労をいたしております。本来ならば、地域農政の先頭に立って農業振興を図るべき優秀な人材が、減反消化という最も後ろ向きの行政に振り分けられているのではないかというふうに思います。これはアメリカやEUが価格支持から直接支払いへと農業の保護の仕方を変更しているにもかかわらず、依然として高い米価格で農家を保護しようとしてきたからではないかというふうに思います。
減反をやめれば米価は低下する、現在、受け手の主業農家も2000年以降、米価低下で地代の負担能力が低下し、農地が引き取られずに耕作放棄されているが、主業農業に直接支払いを行い、地代負担能力を高めれば、地主は主業農家に集積し、規模が拡大し、コストは低下することが考えられます。こうして日本の米作の価格競争力が高まれば、アジア市場に米を輸出することが可能になります。
この50年間で現在の水田面積に相当する250万ヘクタールの農地が消滅いたしましたが、その半分は宅地や工業用地などへの転用であります。農地の転用が認められない農業振興地域の整備に関する法律の農用地域の見直しは5年に1度が原則でありますが、農家から転用計画が出されると、毎年のように見直される結果、農用地域の指定は容易に解除されてしまうという現実もあります。実際、国内の平均を見ますと、平均は1.6年に1度見直されているようであります。
そういう中で、地域振興の名の下に、各市町村長を含め、土地を生産性の低い農地にするより、宅地や工業用地にしたほうが地域振興に役立つ。結果として、虫食いのように農地が転用され、田んぼの真ん中に市役所やマンション、スーパーマーケットが建っています。こうなると、農地をまとめてコストを下げるどころか、周りの農地に日が差さなくなっています。
最後に、週末片手間にしか農業を行えない兼業農家より規模の大きい農家のほうが、肥料や農薬の投入を減らし、環境に優しい農業を行うことができると思いますが、御所見をお伺いします。また、現在の新居浜市の政策で市民の安全と食料自給率が40%を維持できるか、カロリーベースとは何の作物を基本とするのかと。
フランスでは、ゾーニングにより都市地域と農業地域を明確に区分し、農地資源を確保するとともに、農政の対象を、所得の半分を農業から、かつ労働の半分を農業に投下する主業農家に限定し、農地をこれに積極的に集積した結果、食料自給率は99%から122%へ、農場規模は17ヘクタールから52ヘクタールへ拡大をいたしております。
フランスの成功例はともかく、現在の新居浜市はどのようになっていますか。このことの問題点について、どのように精査され、施策に実行されるか、お伺いをいたします。
○議長(村上悦夫) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 農業問題と食の安全についてのうち、国の減反政策を推進している新居浜市として、食の安全と農業を守る政策になっているのか、国の減反政策をどう評価しているのかということについて、まず申し上げます。
食の安全につきましては、農林水産省が工業用のりに用途を限って売却した事故米を食用に不正転売していた三笠フーズ問題や、食品への毒物混入、偽装表示問題などもあり、市民の皆様の関心も高くなったことは御案内のとおりでございます。
生活をしていく上で欠かすことのできない食に対する信頼は揺るぎないもので、なくてはならないものでございますことから、行政といたしましても、安全、安心な農畜産物の生産、流通に真剣に取り組んでまいらなければいけないと認識しております。
米政策につきましては、安全な食糧を安定的に供給するという政府の責務を明らかにした上で、自給力向上を図る政策が示されることが肝要ではないかと考えております。
国の減反政策につきましては、食糧管理法のもと、政府米として全量固定価格で買い上げていた時代には農家の収入が保証されており、生産意欲も旺盛であったと思っておりますが、減反政策は国民の主食である米の需給バランスの均衡と米価の調整、農家の手取り維持という点では一定の効果が期待できる反面、凶作や飢饉が発生した場合の食糧確保の問題を生じさせ、また一粒でも多くの米を収穫しようと努められてきた農家の誇りや意欲を減退させる要因にもなったと考えております。
現在、国におきましては、農政改革の中で米の生産調整制度の見直しが行われておりますが、世界の食料需給が中長期的には靫迫が予想される中、食料の安定供給において、数少ない国内需給可能な食料である米の生産をふやすことの是非、我が国の伝統である農業文化と田園がある日本の原風景の維持、そして自然環境や生態系を守るといった観点についても視野に入れた議論が十分になされ、農業経営が成り立ち、国民にとっては米価は安く、国の財政負担が軽減される政策がなされることを期待しております。
次に食糧の自給率の向上と関税についてでございます。
先般、農林水産省が試算した生産調整見直しのシナリオでは、生産調整を廃止した場合、主食用米の作付面積が60万ヘクタール増加すると想定し、市場米価は2007年産市場価格60キロ当たり1万5,075円が1年目に7,506円に暴落、その後も1万円前後までしか回復せず、10年目は9,721円になるとされております。
このような状況が想定される中、米の生産調整の廃止により影響を受ける農家に、諸外国との生産コストの格差是正のための対策や、農家の収入、所得が下がったときの影響緩和のための対策として、一定の所得を補てんする施策、つまりこれまでの価格政策から所得政策への転換を図ることができれば、仙波議員さんもおっしゃったとおり、米の関税引き下げによる農家の影響は少ないものと思っております。
関税割り当てによって国家貿易で輸入したミニマムアクセス米につきましては、加工食品原料用に販売するほか、食糧援助用、飼料用に利用するにいたしましても、売買損失、在庫に伴う保管料など、相当額の国の財政負担によって運用されている実態を考慮いたしますと、必ずしも継続しなければならないものとは思っておりません。
現在、WTO(世界貿易機関)、ドーハ・ラウンドの交渉におきましても、我が国の米の輸入についても大幅な関税削減か、あるいはミニマムアクセス米数量の拡大が求められておりますが、いずれにいたしましても、国際的に合意したルールに従い、国策として国民全体で考えていくことが重要であると認識しております。
我が国の農業においては、集約性を高め、国際競争力を持った農畜産物の生産性向上を図ることが食料自給率向上につながるものと考えております。
以上申し上げましたが、他の点につきましては補足いたさせます。
○議長(村上悦夫) 補足答弁を求めます。佐々木経済部長。
○経済部長(佐々木一英)(登壇) 農業問題と食の安全についてお答えいたします。
2005年、平成17年農林業センサスによりますと、経営耕地面積30アール以上、または農産物販売金額が50万円以上の農家、これがいわゆる販売農家でありますが、販売農家の農家数が新居浜市内では771戸、うち専業農家が239戸、第1種兼業農家が39戸、第2種兼業農家が493戸となっております。その割合は、専業農家が約31%、第1種兼業農家が約5%、第2種兼業農家が約64%となっております。
なお、販売農家のうち専業農家で男子生産年齢人口がいるのは38戸で、その割合は5%となっております。
また、販売農家で農産物を販売した市内の農家数474戸のうち、稲作の単一経営農家数は282戸で、その割合は約59%となっております。
なお、本市の農業産出額に占める米の割合につきましては、平成18年の数値となりますが、約28%となっております。
以上のことから、新居浜市の農家の現況につきましては、専業、兼業別農家数の割合については、国全体の数値と比較しますと、新居浜市では第1種兼業農家の割合約5%と、国全体の16%より低く、その分専業農家の割合が若干高くなっております。
次に、専業農家に占める男子生産年齢人口につきましては、国全体では、仙波議員さんがおっしゃったように9.5%でありますが、本市が5%でありますことから、新居浜市はより高齢者に依存した農業実態であると言えると思います。
次に、農業生産額に占める米の割合で見ますと、国全体では20%、本市が28%となっておりますことから、米への依存度につきましては、国全体の割合より高いと言えるのではないかと分析をいたしております。
次に、農地の荒廃と施策の関係についてでございます。
耕作放棄地について、農林業センサスの1995年と2005年の10年間の数値で比較しますと、国全体の耕作放棄地は、1995年が約24万ヘクタールから、2005年は39万ヘクタールであります。対1995年は増加率63%、一方、本市は1995年が約58ヘクタール、2005年度では約204ヘクタールと、増加率約252%となっております。
なお、2005年農林業センサスにおける本市の数値は平成16年災害直後の数値でありますことから、昨年に実施いたしました調査の結果では、耕作放棄地は約131ヘクタールでありますことから、1995年の数値と比較いたしますと、約126%増となっております。
いずれにいたしましても、耕作放棄地の増大が見受けられるところでありますが、これらの原因といたしましては、農業従事者の高齢化による労働力不足、生産性の低下、農地の受け手がいない、土地条件が悪い等のほか、米の生産調整も少なからず影響をしているものと考えております。
次に、価格支持と直接支払いへの方式変更についてでございます。
現在、国におきましては米の生産調整に関するアンケート調査の実施や、生産調整の強化から廃止までを含めた検討がなされているところでありますが、農政改革における価格支持から直接支払いへの変更は、生産者に対する農業所得政策が消費者負担から財政を通じた納税者負担へと転換されるということになります。また、域内の支持価格を国際価格に近づけることで、域内の需要を喚起することが期待できるものでもあります。
御指摘のように、EU農政は1992年の改革により、価格支持から直接支払いによる所得政策へとかじを切り、以降、幾度かの改革が実施されておりますが、支払い制度や財政面等での課題も抱えているようであります。
しかしながら、直接支払いによる所得政策は、低価格の農産物を供給でき、飼料穀物やバイオ燃料の原料供給が可能になり、環境保全の取り組みや立地条件による所得格差の是正、地域の実態に即した給付要件が設定できるなど、数々の利点も考えられるところであります。
価格支持から直接支払い方式への変更につきましては、遵守要件等が不明である現時点におきましては、どちらの方式が望ましいかの判断はいたしかねますが、直接支払い方式へ変更する場合、納税者負担となる政策となりますことから、国におきましては、先進地域でありますEUの経験を踏まえ、我が国の農業の実態に合った直接支払い方式の検討を行っていただきたい。また、国民にわかりやすく説明し、理解していただくことが重要であると考えております。
次に、現在の新居浜市の政策で、食料の自給率40%が維持できるのかというお尋ねについてでございます。
現在、本市の自給率は平成19年度における品目別重量ベースでの計算になりますが、米で約27%となっております。本市といたしましては、食料自給率40%を目指すには、農業経営の安定化はもちろんのことでありますが、まずは適地適作、つまり風土に合った農作物の生産と地産地消の推進に取り組む必要があろうかと考えております。
そのためには、ありきたりでありますが、学校給食の地元農産物の使用率の向上、農家総生産量の増加、食育に関心のある市民の増加に努めるなど、本市の実情に合った施策を行い、自給率が向上するよう努めてまいる必要があるものと考えております。
最後に、集落営農実現の可能性でありますが、現在、本市におきましては平成18年度から大生院集落をモデルとして、県の指導のもと集落営農の可能性を探っているところでございます。特に、本市のように小規模零細、兼業農家の多い農業実態を考えますと、共同して地域農業を守り育てていく集落営農は欠かせないものと認識をいたしております。
今後も大生院集落の動向を注視しながら、新居浜市の全地区において集落営農が定着するよう取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(村上悦夫) 再質問はありませんか。
仙波憲一議員。
○24番(仙波憲一)(登壇) 御答弁ありがとうございました。
確かに、国を批判せえというのは非常に難しいかと思いますし、その中で新居浜市らしさというのはどこにあるのかということでは、先ほど部長が言われた中にもあるのかなと思います。
しかし、今日、環境問題を含めて、今議会でも農業の質問が多々ございましたけれども、それを守るというのは、先ほど言ったような方策と、もう一つは農地制度の問題であろうというふうに思います。
その中で、特に農地分割による零細化を防止しようとした相続税猶予の制度というのは、もう一つ大きな問題があるように思います。
そのあたりも含めて、今後とも十分市の行政といたしましても、後ろ向きでなく、前向きに取り組んでいただきたいということをお願いして質問を終わります。
○議長(村上悦夫) 以上で本日の一般質問は終わりました。
これをもって本日の日程は全部終了いたしました。
明11日は午前10時から会議を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後 2時57分散会