目次
議事日程 本日の会議に付した事件 出席議員 欠席議員 説明のため出席した者議会事務局職員出席者開議(午前10時00分)
日程第1 会議録署名議員の指名 日程第2 一般質問 藤田豊治議員の質問 1 市の公共施設における飲用水の安全性について
(1) 市内にある新居浜東高等学校の食中毒の原因
(2) 市の公共施設における飲用水の安全性の再点検
(3) 一般家庭の水道水の安全性の管理
2 新居浜駅にフリーゲージトレイン導入の取り組みについて
(1) 新居浜市としての取り組み
3 学校の黒板からホワイトボードへの活用推進について
(1) 学校でのホワイトボードの活用状況
(2) 活用していない場合、今後モデル的に導入
4 地域循環バスの導入について
(1) 市民要望の事前調査
(2) 導入時期(実験運行)
(3) 3・5・10年先の採算性の見通し
(4) 市の補助金
5 ISO14001認証取得の取り組みについて
(1) 認証取得のための費用
(2) 認証取得後の運用費用
(3) 環境保全、改善に関する市民への補助、助成制度
6 郷土芸能の掘り起こしと伝承について
(1) 郷土芸能の掘り起こしの取り組み
(2) 今ある郷土芸能伝承の取り組み
佐々木市長の答弁 2 新居浜駅にフリーゲージトレイン導入の取り組みについて
(1) 新居浜市としての取り組み
4 地域循環バスの導入について
(1) 市民要望の事前調査
(2) 導入時期(実験運行)
(3) 3・5・10年先の採算性の見通し
(4) 市の補助金
5 ISO14001認証取得の取り組みについて
(1) 認証取得のための費用
(2) 認証取得後の運用費用
(3) 環境保全、改善に関する市民への補助、助成制度
阿部教育長の答弁 6 郷土芸能の掘り起こしと伝承について
(1) 郷土芸能の掘り起こしの取り組み
(2) 今ある郷土芸能伝承の取り組み
鈴木教育委員会事務局長の答弁 3 学校の黒板からホワイトボードへの活用推進について
(1) 学校でのホワイトボードの活用状況
(2) 活用していない場合、今後モデル的に導入
山口水道局長の答弁 1 市の公共施設における飲用水の安全性について
(1) 市内にある新居浜東高等学校の食中毒の原因
(2) 市の公共施設における飲用水の安全性の再点検
(3) 一般家庭の水道水の安全性の管理
伊藤初美議員の質問(1) 1 ごみの減量化について
2 公文書等の性別記入と人権について
佐々木市長の答弁 2 公文書等の性別記入と人権について
神野総務部長の答弁 2 公文書等の性別記入と人権について
西原環境部長の答弁 1 ごみの減量化について
伊藤初美議員の質問(2) 1 ごみの減量化について
休憩(午前11時03分)
再開(午前11時13分)
藤田幸正議員の質問(1) 1 海外派遣について
2 廃棄物埋立護岸築造工事について
3 環境美化について
4 産業遺産について
5 農業振興について
6 消防行政について
7 市民サービスについて
(1) 体育施設
(2) 斎場
(3) 学校開放
佐々木市長の答弁 4 産業遺産について
5 農業振興について
6 消防行政について
阿部教育長の答弁 1 海外派遣について
7 市民サービスについて
(1) 体育施設
(3) 学校開放
休憩(午前11時57分)
再開(午後 1時00分)
鈴木助役の答弁 2 廃棄物埋立護岸築造工事について
神野市民部長の答弁 1 海外派遣について
西原環境部長の答弁 3 環境美化について
7 市民サービスについて
(2) 斎場
三浦消防長の答弁 6 消防行政について
藤田幸正議員の質問(2) 2 廃棄物埋立護岸築造工事について
3 環境美化について
7 市民サービスについて
鈴木港務局事務局長の答弁 2 廃棄物埋立護岸築造工事について
西原環境部長の答弁 3 環境美化について
阿部教育長の答弁 7 市民サービスについて
西本勉議員の質問 1 機構改革について
(1) 親しみが持てるものへの見直し
(2) 生き生きと働ける職場環境
2 使い切り予算について
3 福祉施設の老朽化について
(1) 慈光園、東新学園、清光寮の建てかえ
(2) 保育園の建てかえ計画、危険箇所の点検・修理
(3) 慈光園と東新学園の複合施設構想の見直し
4 鳥獣害駆除の費用負担について
5 学校給食について
(1) 小学校給食室の老朽化の点検と安全の確保
(2) 子供に喜ばれる中学校給食
ア 給食指導の徹底(栄養士)
イ リクエスト給食
ウ 完全給食
佐々木市長の答弁 1 機構改革について
(1) 親しみが持てるものへの見直し
4 鳥獣害駆除の費用負担について
阿部教育長の答弁 5 学校給食について
(2) 子供に喜ばれる中学校給食
ア 給食指導の徹底(栄養士)
イ リクエスト給食
泉水企画部長の答弁 2 使い切り予算について
神野総務部長の答弁 1 機構改革について
(2) 生き生きと働ける職場環境
井下福祉部長の答弁 3 福祉施設の老朽化について
(1) 慈光園、東新学園、清光寮の建てかえ
(2) 保育園の建てかえ計画、危険箇所の点検・修理
(3) 慈光園と東新学園の複合施設構想の見直し
鈴木教育委員会事務局長の答弁 5 学校給食について
(1) 小学校給食室の老朽化の点検と安全の確保
散会(午後 1時56分)
本文
平成15年12月11日 (木曜日)
議事日程 第4号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
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本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
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出席議員(31名)
1番 明 智 和 彦 2番 藤 田 豊 治
3番 太 田 嘉 一 4番 高 橋 一 郎
5番 岩 本 和 強 6番 西 本 勉
7番 藤 原 雅 彦 8番 真 鍋 光
9番 大 石 豪 10番 大 條 雅 久
11番 山 岡 美 美 12番 藤 田 幸 正
13番 伊 藤 優 子 14番 藤 田 統 惟
15番 二ノ宮 定 16番 仙 波 憲 一
17番 白 籏 愛 一 18番 伊 藤 初 美
19番 石 川 尚 志 20番 佐々木 文 義
21番 真 木 増次郎 22番 岡 崎 溥
23番 近 藤 司 24番 山 本 健十郎
25番 堀 田 正 忠 26番 井 上 清 美
27番 橋 本 朝 幸 28番 小 野 利 通
29番 田 坂 重 只 30番 村 上 悦 夫
31番 加 藤 喜三男
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欠席議員
な し
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説明のため出席した者
市長 佐々木 龍
助役 鈴 木 暉三弘
収入役 稲 見 重 幸
企画部長 泉 水 克 規
総務部長 神 野 哲 男
福祉部長 井 下 文 夫
市民部長 神 野 師 算
環境部長 西 原 寛
経済部長 合 田 仁 千
建設部長 田 村 浩 志
消防長 三 浦 弘 二
水道局長 山 口 三七夫
教育長 阿 部 義 澄
教育委員会事務局長 鈴 木 嘉 明
監査委員 渡 邉 易 雅
港務局事務局長 鈴 木 雄 二
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議会事務局職員出席者
事務局長 原 敏 樹
議事課長 明 星 光
議事課副課長 岡 正 士
議事課副課長 伊 藤 聡
議事課議事係長 井 上 毅
議事課主任 中 沢 美由紀
議事課主事 岩 崎 美由紀
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午前10時00分開議
○議長(近藤司) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第4号のとおりであります。
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日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(近藤司) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において伊藤初美議員及び石川尚志議員を指名いたします。
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日程第2 一般質問
○議長(近藤司) 次に、日程第2、昨日に引き続き一般質問を行います。
順次質問を許します。まず、藤田豊治議員。
○2番(藤田豊治)(登壇) 皆様おはようございます。
4月の市議会議員選挙で、皆様方の心温まる御支援によりまして初当選させていただきました自民クラブの藤田豊治です。よろしくお願いいたします。
質問に先立ち、私の今の気持ちをお伝えいたします。
議員として議場に入ったときには、ここは新居浜市民の方々の幸せが論じられ、あすの新居浜市がいかにあるべきかを論じる場なのだということを考えましたとき、粛然として襟を正さなければという心境になりました。なれても、こうした心境は大事にしたいと思っております。
本日は、議員として初めての一般質問であり、いささか緊張いたしております。
それでは、通告に従いまして、質問をさせていただきます。
まず、市の公共施設における飲用水の安全性についてであります。
今年の9月5日から16日にかけて、新居浜東高等学校において、校内の冷水機の水を飲んだ生徒ら48人が腹痛、下痢、発熱などの食中毒症状を訴え、うち男子生徒2人が受診したと、県薬務衛生課から発表がありました。新居浜保健所が、患者の便からカンピロバクターを検出しております。カンピロバクターは、家畜などの動物の腸管内にいる菌であり、便により河川や井戸水の汚染が起こり、また牛や豚を解体する際に肉へ付着するなどして感染が拡大すると聞いております。食中毒の根本原因は何だったのでしょうか、お尋ねいたします。
私たち市民が安心して飲めるおいしい水を、日ごろ供給してくださっている方々には感謝いたしておりますが、市の公共施設における飲用水の安全性は、さきの食中毒の後再点検されたのでしょうか。
それと、一般家庭の水道水の安全性の管理について、市長はどのように考えられておられるか、お尋ねいたします。
次に、新居浜駅にフリーゲージトレイン導入の取り組みについてであります。
今、地方が企業や工場を誘致する際の三種の神器は、空港、新幹線、高速道路です。物流には高速道路ですが、人やサービスには空港及び新幹線が必要と言われております。昭和40年代の神器は、土地、水、電気でした。特に新居浜市は空港に遠いため、フリーゲージトレインの導入とともに、新居浜市への停車を前提に進める必要があると思います。
レール幅の異なる新幹線軌間1.435メートルと、いわゆる予讃線の在来線軌間1.067メートルを、車輪の幅を伸縮させることにより相互乗り入れが可能となるフリーゲージトレインの開発は、平成6年から始まり、平成10年に試験車両が完成しました。その後、各地で走行試験が行われ、JR四国予讃線、高松から松山間においても、平成15年5月12日から6月2日まで深夜走行試験が実施されました。JR四国としても、新幹線の走らない地域の一つである四国の人々に、フリーゲージトレインへの理解や関心を深めるため、愛媛においては松山駅3番ホームで6月1日にフリーゲージトレインの展示会が開催されております。
平成12年8月に、四国四県と経済界による四国フリーゲージトレイン導入期成会が設立され、一度に大量輸送が可能で、環境にやさしく、高齢化社会の公共交通機関としてますます重要性が増している四国へのフリーゲージトレイン導入の取り組みがされております。愛媛県では、フリーゲージトレイン導入を視野に入れた瀬戸大橋線の部分複線化に対し、県として支援を行うこととし、その初年度経費としての予算を9月議会に計上しております。
このような背景のもとで、新居浜市としてフリーゲージトレインの早期導入に対する取り組みはどのようにされているのか、市長にお尋ねいたします。
次に、学校の黒板からホワイトボードへの活用推進についてであります。
公開授業や学校公開をして、自校の特色や学校の様子を保護者や地域の人たち、教育関係者に理解してもらう機会にしようという一日オープンデー、一日参観に、10月6日、ある中学校に行きました。教育の現場で教師の方々が、知、徳、体をはぐくむために御苦労されている姿に感謝いたします。私も、その後教育関係についてさらに関心を持つようになりました。
現在、書いたり消したりしながら考える力が身につくとして利用されている学校の黒板を、環境や利便性のあるホワイトボードにかえる動きが広がっております。児童生徒やパソコンへの影響が心配なチョークの粉が飛ぶ黒板をなくして、ホワイトボードにかえた学校もあるようです。環境面や使い勝手がよく、便利という利点を生かしております。
また、ある小学校の5年生の授業では、机よりも大き目の縦45センチメートル、横60センチメートルのホワイトボードを、全児童の半数近くに当たる約120枚そろえており、児童が1人1枚ずつ使って算数や国語、生活科などの学習に、児童の考える力や解き方の工夫などを引き出すねらいで利用されているようです。磁石がついたブロックを張って計算を考えるなど、活用方法はさまざまです。その担任の教師は、間違うのは嫌でノートに書けない児童でも、すぐに消して修正できるので書きやすい。大きな字で書け、教師側もどこまでできているかが一目でわかると、ホワイトボードの利点を話しております。粉もなく、空気がきれいに感じ、また授業でプロジェクターの映像をボード上に映せ、さらにその映像に文字を書き添えることができると、授業面での効果があると話しております。
市内の学校でのホワイトボードの活用状況はどうなのか、お尋ねいたします。
また、活用がないのであれば、モデル的に導入を図り、その効果を確認すればと思います。
その2点について教育長にお尋ねします。
次に、地域循環バスの導入についてであります。
市長は、高齢者や障害者、子供など自動車などの交通手段を持たない方が、安全で安心して低料金で公共施設や病院、商店街などに出かけることのできる手段として、円状の路線を走るバス路線をつくるというお考えのもとに協議会を発足し検討されておりますが、来年4月から2路線で2年間実験運行を行うという、導入時期や導入内容について疑問を感じます。
数多くの新居浜市民からの意見を、アンケート等で事前に十分調査されたのか。
人口12万8,000人のうち、1%、1,253のアンケートの結果でいいのか。
利用者は、どこにどれくらいおられるのか。
必要とされている大生院、多喜浜、船木、別子山のように、市街地から離れている遠くの方、市内全域の不便な方が対象になっているのか。
路線を決めるにも十分時間をかけられたのか。
3年、5年、10年先の見通しも含め、採算性はどうなのか。
市からの補助金は、年間どのくらいなのかであります。
参考ですが、NHKでも放送されましたが、他市町で実施されている事例がありますので、御紹介したいと思います。
1つ目は、自動車学校の送迎バス、幼稚園バス、結婚式場のバス、スイミングスクールのバス等、あいている席へ便乗する方法です。2つ目は、乗りたい人を集め、配車センターへ申し込み、便を割り振り、住民の生活パターンに合わせて、戸口から戸口まで利用できるタクシーの格安利用方法です。3つ目は、地元商店、病院、市でバス運行を負担し合い、地域の生活バスにしていき、地域、商店街の活性化にもつながりのある方法等、日本の各地で導入事例があります。
また、基本路線だけでは対応し切れない需要に応じるため、利用者からの呼び出しや要望により、基本路線から迂回して運行するデマンド運行方式もあります。
私たち市民の利便性、快適性、福祉など、利用者の視点に立った採算性のある地域循環交通になるように取り組まれるよう、市長に前段の質問をお尋ねいたします。
次に、ISO14001認証取得の取り組みについてであります。
ISO14001の審査登録状況は、平成15年9月末現在で、地方自治体は631件であり、四国では高知県6件、徳島県2件、香川県5件、愛媛県1件であり、新居浜市が認証取得しますと、愛媛県では愛媛県庁に次いで2番目になります。新居浜市は、今環境保全、改善への取り組みを具体的に推進するため、来年国際的な環境マネジメントシステムであるISO14001の認証取得しようとしていると伺っておりますが、このISO14001の認証取得のため費用をどれくらいとお考えなのか、お尋ねいたします。
また、認証取得後の毎年実施する内部監査――サーベイランス等を含めた環境保全、改善費用はどのくらいと見込まれているのか、お尋ねいたします。
ISO14001では、環境方針を定め、計画――プラン、実行――ドゥー、点検――チェック、見直し――アクションという過程からなるPDCAサイクルが基本となります。このようなPDCAサイクルの考え方を、市民、事業者、市が一体となって継続的、発展的に環境保全への取り組みをします。私たち市民として、この豊かな環境を大切に守り育て、次の世代に継承していくことは、私たちの責務だと思います。庁舎内における省エネ、省資源、廃棄物の削減、環境関連法規制の遵守等も大切と思います。
提案の一例として、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出抑制のためと、このままエネルギーを使い続けると、石油や石炭などの化石燃料がなくなってしまいます。それらを防ぐため、新エネルギーの普及を図り、住宅用太陽光発電システム設置費や低公害車購入費の一部を補助する制度等です。特に太陽光発電については、新居浜地方は以前多喜浜塩田があったように日射量に恵まれており、普及促進が必要と思います。そのようなことから、環境保全、改善に関する市民への補助、助成制度はどのようなことをお考えでしょうか、市長にお尋ねいたします。
次に、郷土芸能の掘り起こしと伝承についてであります。
日本の各地には、多くの民謡や踊りが残されております。我々の生活の歴史には、先人の生活体験と知恵、多くの人たちから受け継いだ伝統的行事や文化、伝説、民話などがありますが、私たちはこの先人の伝統芸能を後世に伝える責務があります。特に芸能は、人間性を高め、郷土愛を深めてくれるとうとい存在だと思います。今、新居浜市には16の郷土芸能があると伺っておりますが、16以外にもたくさんの歌や踊りがありますが、残念ながら時代の移り変わりとともに消えつつあるものも少なくありません。
そういう中で、3つの事例ですが、1つ目は、ことしの6月に金子小校区で小女郎狸踊りの保存会が発足し、記念の祭りで子供からお年寄りまで約500人が訪れ、輪になって踊るなど楽しいひとときを過ごしたようです。
2つ目は、船木校区の雨ごいのかぶと踊りですが、50年前に一たん消えかけていたのを、30年前に地元青年団によって掘り起こされ、昭和49年に東京の目黒区公会堂で開催された全国青年大会で優秀賞、いわゆる日本一を獲得しました。その後、かぶと踊り保存会が結成され、郷土の誇りとして、住民運動会や盆踊り、文化祭等で披露し、船木小学校児童への伝承など、地道な伝承、保存活動を続けております。また、平成2年8月9日には40日間ひでりが続き、雨不足で農家の方が困っているとき、実際に船木神社で雨ごいをしております。そして、次の日に小雨が降ったそうです。
3つ目は、先日11月15日、別子山合併記念第3回新居浜市郷土芸能発表会が、新居浜市郷土芸能保存連絡協議会の主催、新居浜市教育委員会が共催で開催され、何か別子山の方々との心の触れ合いを自然に感じました。
新居浜市として、より郷土愛が持てるまちづくりの取り組みとして、この貴重な郷土芸能の掘り起こしと、今ある郷土芸能を伝承していくために、どのような取り組みをされているのか、教育長にお尋ねいたします。
これで第1回目の質問を終わります。
○議長(近藤司) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) おはようございます。
藤田豊治議員さんの御質問にお答えをいたします。
まず、新居浜駅にフリーゲージトレイン導入の取り組みについてでございます。
フリーゲージトレインが導入されることにより、観光、企業活動、人的交流等に与える影響ははかり知れないものがあり、本市にとっても大変重要な課題であると認識をしております。このため、重要施策の要望の中でも、特に重点要望項目として早期導入の働きかけをいたしております。
愛媛県におきましては、予讃線へのフリーゲージトレイン導入促進のため、県、市町村等が会員となって、来年度愛媛県フリーゲージトレイン導入促進期成同盟会を設立することとしており、新居浜市といたしましても趣旨に賛同して早速加盟することを決定いたしました。
また、平成15年度愛媛県市長会春期会議において、フリーゲージトレインの早期導入が議題となり、市長会においても取り組んでいくこととしております。本市で開催されました秋期会議では、県からフリーゲージトレインの現状と今後の課題について御説明いただいたところであります。
フリーゲージトレインの四国への導入につきましては、今後とも国、県等の動向に注視しながら、積極的な情報収集に努めるとともに、実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、地域循環バスの導入についてでございます。
まず、市民要望の事前調査でございますが、地域循環バスにつきましては、現在地域循環バス導入検討協議会において熱心な御協議をいただいている最中でございます。この会に諮る事前調査といたしまして、ことし5月、6月にアンケートを行いました。このアンケートは、この事業の主な対象となり主たる利用者層と考えております、いわゆる交通弱者と呼ばれる交通手段を持たない方々を想定して、高齢者団体と障害者団体等に絞り実施をいたしました。その意味では、十分な事前調査を行えているものと考えております。
利用者は、どこにどのぐらいおられるのかということでございますが、現在考えております試案の中では、バス路線沿線上の対象人口は、全人口の45%程度の方を網羅いたしております。また、私も出張の機会などをとらえて、大都市圏、地方都市、また新居浜市より小さい規模の市など4都市で実際に運行されているバスに乗車をいたしましたが、場所にかかわらず、先ほど申し上げたような高齢、高齢と申しましても60歳前後ぐらいから、そして女性、少しお体が御不自由な方、そういう方々が主な利用者でございました。
今回、バス路線から外れた地域の方についてどうするのかということにつきましては、その必要性は十分に認識をいたしております。今後、現在補助を行っております生活路線バスとの整合性を図りながら、御提言いただいた各地などの事例も参考にいたしまして、総合的な交通体系の整備を検討してまいりたいと考えております。
次に、路線を決めるのに十分な時間をかけたのかとのお尋ねでございますが、バス路線案の設定は、一定の潜在的な需要が見込まれる人口集中地区で、既存路線と競合しない交通空白地帯の中で、アンケート調査などに基づき、希望の多かった行き先を最短距離でつなぐという基本的な考え方で設定をいたしております。しかしながら、現在までに4回開催いたしました協議会では、路線につきましてはまだ委員の共通認識を得るところまで至っていないのが現状でございます。委員の皆様方には、早急に結論を出すことを避け、納得のいくまで十分な議論を尽くしていただくよう、時間をかけた検討をお願いしております。今後とも回を重ねまして、積極的な論議をいただき、市民に愛される公共交通機関として市民合意が得られるよう努めてまいります。
次に、導入時期(実験運行)についてでございますが、2年間の実験運行と申しておりますのは、2年で取りやめるという意味ではなく、責任を持った事業評価を行っていきたいという意思表明でございます。2年目の利用状況等を分析し、その段階で必要な見直し、検討を必ず行うことを前提としてスタートしたいという考え方であります。
次に、3年、5年、10年先の採算性の見通し及び市の補助金についてでございますが、必要経費につきましては、現在協議会で協議しておりますルートや回り方、便数などによりまして大きく異なりますことから、現段階ではまだ確定することができません。この事業は、実施目的からして金銭的な利益を生み出すことを目標に置いたものではございませんが、最少の費用で最大の効果を上げることが、行政全般において求められていることは十分認識をしております。
このバスを走らせることにより、外出が少なくなりがちな、また御不便な高齢者や障害がある方など、多くの市民の皆様の外出を喚起し、町ににぎわいをもたらせることで、かけた費用に見合う成果が上がると、そしてそれを市民の皆様に評価いただけることが重要であると考えております。まず、実験運行を行い、2年後の検証を経て、その後の見通しを立ててまいりたいと考えております。
次に、ISO14001認証取得の取り組みについてでございます。
環境先進都市新居浜を目指し、環境基本条例を平成15年4月1日より施行いたしました。現在、条例を具体化するため、環境基本計画の策定に取り組んでいるところでございます。また、環境マネジメントシステムを構築し、継続的な環境改善を図っていくことが重要でありますので、国際規格ISO14001の認証取得について、平成16年10月末を目指して取り組んでいるところでございます。
認証取得のための費用につきましては、原則として職員がみずから取り組むこととしておりますが、職員での対応が難しい研修や、的確な助言を得るための支援業務、内部環境監査員養成研修、審査登録機関の審査業務につきましては業務委託を予定しており、約610万円の経費が必要であると考えております。
次に、認証取得後の環境保全、改善費用でございますが、現在初期環境調査を実施しており、その結果を受けて目的、目標等を設定し、環境マネジメントプログラムを作成することとしておりますことから、現段階では実際に取り組んでいく環境保全、改善内容が決定しておりませんので、費用につきましても未定でございます。
しかし、システムの運用費用といたしましては、認証取得後1年目と2年目には内部環境監査員養成研修とサーベイランス、いわゆる定期審査の委託料として約115万円、また大きな更新審査があります3年目には約150万円の経費が必要と考えております。
次に、環境保全、改善に関する市民への補助、助成制度についてでございます。先ほど申し上げましたとおり、環境マネジメントプログラムが確定していないことから、具体的なことはまだ申せませんが、従来から実施しておりますコンポストや電気式生ごみ処理機、合併処理浄化槽等の設置に対する助成のほか、現在策定しております環境基本計画におきまして環境保全、改善施策を検討しており、太陽光発電システム設置や低公害車の普及等についても検討いたすこととしております。
なお、環境基本計画につきましては、ISO14001により進行管理し、継続的な環境改善を図っていきたいと考えております。
藤田豊治議員さんには、民間企業においてISOの実務に携わられた経験がおありですので、今後ともぜひ御指導いただきたいと存じます。
以上申し上げましたが、他の点につきましては、それぞれ補足いたさせます。
○議長(近藤司) 阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 藤田豊治議員さんの御質問にお答えします。
郷土芸能の掘り起こしと伝承についてでございますが、郷土の伝統文化を守り支え発展させていくことは、将来の文化の向上、発展の基礎をなすものであり、重要な課題であると認識しております。このことから、郷土を学び愛する教育を進めるため、新居浜の郷土芸能を紹介する冊子を発行するとともに、新居浜市郷土芸能保存連絡協議会による郷土芸能発表会の開催を初め、各地域や公民館活動、さらには小中学校を対象にした総合的な学習の時間での取り組みなど、伝統芸能の保存、伝承のための諸事業を展開しております。
また、本年度は文化庁の支援をいただき、復活とうどおくり教室として、伝統文化こども教室の開催なども実施しているところでございます。
今後におきましても、郷土芸能を大切に保存し、本市の歴史と文化を次世代に伝承するため、郷土芸能保存連絡協議会等の関係団体との連携を深めながら、地域における伝統文化の調査研究など伝統文化の掘り起こしを行い、あわせて積極的な公開、活用を行いながら、新たな伝統芸能の創作を含め、より一層多くの市民が親しみ参画できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
以上申し上げましたが、他の点につきましては、教育委員会事務局長が補足いたします。
○議長(近藤司) 補足答弁を求めます。鈴木教育委員会事務局長。
○教育委員会事務局長(鈴木嘉明)(登壇) 学校の黒板からホワイトボードへの活用推進について補足を申し上げます。
まず、学校でのホワイトボードの活用状況でございますが、市内の小中学校の普通教室の前面はすべて黒板を使用しております。ホワイトボードは、ほこりなどに影響があるパソコン教室や一部の特別教室に設置をいたしております。また、移動式のホワイトボードを黒板の補助として、体育館での授業、学校行事などで使用しております。
ホワイトボードの活用については、普通教室の背面黒板にホワイトボードを設置し、学級活動の発表の場としている事例、また、藤田豊治議員さんからの御提言もございましたように、小学校において小型ホワイトボードにより、個人の考え方や意見の発表、算数の計算などに、また特別支援を要する学級において、持ちやすいマーカーによって、児童が思いを膨らませた絵を描くなどの活用をしているところでございます。
黒板とホワイトボードの利活用につきましては、それぞれ利点、欠点があるかと思います。黒板は、教師が文字を正確にきれいに書くことができます。文字を書くとき、はねたりとめたり、筆圧がはっきりできるということです。また、目にやさしく、黒板自体が湾曲しているため見やすいという利点がございます。しかし、チョークの粉が飛び散り、周囲を汚し、手も汚れてしまう、また、パソコン等にも悪影響を与えるといった欠点がございます。ホワイトボードは、手を汚さず書きやすく、粉が飛び散らない利点がある反面、マーカーでは字が滑りやすく、はねたりとめたり、筆圧により字がぞんざいになりやすいという意見もあります。また光って見づらい欠点もございます。
このことから、今後ホワイトボードのモデル的導入につきましては、衛生面、使いやすさ、学習指導の面、学校の改修計画など、さまざまな点を考慮して検討してまいります。
○議長(近藤司) 山口水道局長。
○水道局長(山口三七夫)(登壇) 市の公共施設における飲用水の安全性について、補足を申し上げます。
まず、市内にある新居浜東高等学校の食中毒の原因についてでございますが、おいしくて安全な飲用水は市民生活の根幹であり、産業活動の基礎をなす貴重な資源と認識いたしております。
今回の県立新居浜東高等学校で起きました食中毒の原因につきましては、新居浜保健所が検査した結果、カンピロバクター菌が検出され、患者全員が県条例で認可され取水した自己水源の飲用水が原因と断定されております。しかし、発生直後に新居浜保健所が実施した原水の水質検査においては、水道施設から食中毒菌などは検出されず、汚染原因まで特定するに至らなかったと伺っております。
なお、施設の安全性と衛生上の観点から、年1回の立入調査を行っており、事故後の対応としまして、特に飲用水として使用する給水箇所については、市の上水道への切りかえを指導、助言いたしまして、早速改善していただいております。
次に、市の公共施設における飲用水の安全性の再点検についてでございますが、現在市の公共施設で水道法の適用を受けて使用している施設が80施設ございます。そのうち、簡易専用水道が49施設、貯水槽水道が31施設、また水道法非適用の施設としては、県条例水道が4施設、飲用井戸等の施設が3施設となっております。水道法の適用施設につきましては、水道法に基づき定期的な水質検査等を実施し、安全性を確認しております。
なお、県条例水道につきましても、2カ月に1回の水質検査が義務づけられており、その都度指導し安全性を確認いたしております。
そのほか飲用井戸等につきましても、関係機関において水質検査を実施し、安全性を確認しております。
次に、一般家庭の水道水の安全性の確認についてでございますが、水道事業では、水道法第20条第1項の規定及び厚生労働省の通達に基づき、定期及び臨時の水質検査を行い、供給水が水質基準に適合するものでなければならないことから、安全性確保のため、各送水場において水温、水素イオン濃度、濁度、残留塩素の連続自動測定による監視、さらに残留塩素について各給水区の管末14カ所で定期検査を実施しております。また、基準項目46項目の検査を浄水及び給水栓において毎月1回、各水源地の原水を年2回、監視項目35項目の検査を各送水場の原水と給水栓で年2回、侵食性遊離炭素の検査を浄水、給水栓及び各水源地の原水について年1回、ゴルフ場使用農薬の検査を年1回、クリプトスポリジウム対策として大腸菌及び嫌気性芽胞菌の検査を各水源地の原水について毎月1回、それぞれ実施しております。
結果につきましては、すべて水質基準を満たしておりまして、市のホームページ等で公表いたしております。
そのほか、安心して飲用していただくため、一般家庭からの依頼により臨時検査も行っております。
なお、平成16年4月から新水質基準施行に合わせまして、機器と検査体制の整備を進めており、今後におきましても市民の健康と安全を守る観点から、水質管理になお一層努力してまいります。
以上で補足を終わります。
○議長(近藤司) 再質問はありませんか。(2番藤田豊治「なし」と呼ぶ)
伊藤初美議員。
○18番(伊藤初美)(登壇) 市民の会の伊藤初美です。
何かと慌ただしい1年で、選挙が遠い日のことのようなのですが、この1年、扶桑社のつくる会の歴史教科書の採択をめぐる裁判が何度か松山の裁判所で行われ、私も1度傍聴に行き、行かなくては見えないおかしいことだらけの裁判は、いろいろなことの気づきの場でした。公平、公正ではないことを感じました。
また、自衛隊のイラク派遣の基本計画が閣議決定されました。ことしの3月、世界の人々の心配をよそにイラク戦争が始まり、今に至っています。戦争で傷つくのは、子供や障害者、そして高齢者の人たちです。軍隊を出さない日本だからできる復興支援があるはずで、今こそ毅然とした態度でアメリカの言いなりになることなく、唯一の核被爆国である国民の意見に耳を傾けるべきときだと思うのです。自衛隊のイラク派遣は反対です。
では、質問に移ります。
ごみの減量化についてですが、6月議会で1度お聞きしました。そのとき、いろいろな取り組みについて御答弁いただきました。また、ごみの量も、平成12年度から比べると増加率は鈍化していると言われています。でも、鈍化しているだけで、ふえていることには違いありません。先日行われたえひめ循環型社会推進フォーラムでの基調講演で、新居浜市の1日1人当たりのごみの量が愛媛県一多いということ、また新居浜市と同じくらいの人口の他市と比べてもごみの量が多いということを聞いて、何でだろうと思わずにはいられませんでした。あの数字がどういうものなのか、どのような根拠から算出されたものなのか、説明をしていただきたいと思います。
フォーラムのときにいただいた資料を見ても、ごみの排出量は増加傾向にあり、反対にリサイクル量の推移を見ると減少傾向にあります。リサイクル率は10%と、県内12市中10番目の低さということです。今行っている生ごみの減量化や、古紙や缶の集団回収では、まだまだ足りていないということです。新居浜市では、今工事中の最終処分場が最後になるようにしたいと言われていますが、それを受けて、ごみ減量化にもっと前向きに取り組まなければいけないのではないでしょうか。
私もごみを出している市民の一人として、そういったことへの取り組みはなかなか聞こえてこないです。自宅では、水切りバケツ2個とボカシを使って、生ごみの減量化と堆肥化に挑戦していますが、これがまたいろいろな問題があることに気づきます。1個のバケツがいっぱいになって、2週間寝かせた生ごみを埋める場所が要るのです。もし、どこかの市で試みられているように、これを収集していただけるといいのですが、埋める場所がない方は、生ごみも可燃ごみのときに出さざるを得ないという状況です。また、手づくりのボカシも、どこででも手に入るというものでもなく、日曜市とか決まった公民館に行かないと手に入らないといった面倒さもあります。ですから、バケツは買ってみたものの、そのままになっているという方もおられます。これでは広がらないし、広めたいんだけど広められません。市民側がもう少しやってみようという気になるような取り組みが必要ではないでしょうか。
集団回収もなかなかふえないようですが、古紙や缶の回収の状況はどうなのでしょうか。自治体や子供会などで行っているところはどれくらいあるのか、これからの取り組みはどう考えられているのでしょうか。
古紙の回収が行われていないところでは、燃えるごみに出しているようです。これもごみの量が多くなる原因ではないかと思いますし、リサイクル率も上がらないと思います。
また、スーパーなどでトレーやペットボトルの回収をしているところは多いのですが、市のプラスチックごみに出すと、これらは圧縮され燃やされているだけのようです。ペットボトルなどのリサイクルへの取り組みはいかがでしょうか。
また、講演会のお話の中で、空き缶や生ごみを持参すると商品券が当たるという、東京の早稲田商店街の取り組みも例に出され、空き店舗などを利用した拠点をつくり、リサイクルによるまちづくりを進めることなど提案されました。そこに行けば、ごみのことがわかるという拠点があるといいかもしれません。
いろいろ申しましたが、ごみの減量化にどういう取り組みをされているか、これからの取り組みなどお聞かせください。
立派な焼却施設ができたから、何でも燃やしていいということになってはいけないので、いかにごみを減らしていくか、本気で市民に訴えてほしいものだと思います。そして、市民がその気になるような施策も進めてほしいものだと思います。
次に、公文書等の性別記入と人権についてお伺いします。
9月議会で質問がありました公文書などでの性別記入の見直しで、今回の衆議院議員選挙のときの投票所入場券には男女記載がなかったようで、素早い取り組みは評価されます。そのほかの公文書などでの性別記入の見直しについても進んでいるようで、非常にいいことだと思いますが、先日の佐々木議員の質問と同じなのですが、どれくらいどう進んでいるのか、いま一度お答えください。
この性別記載のことは、性同一性障害の方やセクシュアル・マイノリテイーの方たちへの配慮ということと、9月議会で市長の答弁にもありましたように、男女共同参画社会を進める中で、ジェンダーフリー、固定的な男女の概念をなくしていく意味からも、その意識改革の一策となる重要なことだと思います。性同一性障害の人やセクシュアル・マイノリティーの人たちへの配慮を、市としてはどう取り組まれるのか。例えば、市民や社会への啓発はどうされるのか、お伺いします。
例えば、休職中でハローワークに通っていて、性同一性障害だと説明して、女性として紹介する理解が得られたのに、後日電話で女性限定の仕事を紹介することはできないと告げられるということが高松市で起こりました。また、あの有名な黒川温泉での出来事も、皆さんの記憶に新しいと思うのですが、元ハンセン病患者の方たちが宿泊拒否された事件がありました。1996年に法律が改正され、やっと差別的な隔離に終止符が打たれたのですが、これまでの長い隔離政策で、社会復帰ができる場がなかなかないことも事実です。どのような差別についても、みんなに知らせるということが大事だし、私たちの意識が変わるにも時間がかかると思います。ですから、ハンセン病のことと同じように、セクシュアル・マイノリティーのことにしても、本当に正しい知識を学べるように、市は努力してほしいと思うのです。
人は生まれたときに、外見的なことで簡単に男女を決められています。でも、今では安易に男と女だけに分けられないことは、皆さん御存じのことだと思います。これは、大人だけの問題ではありません。子供のときから悩み、混乱しているのです。今の大人社会の中では、性の多様性を認めつつあると思うのですが、まだまだマイナーで、興味本位で取り上げられると、かえって偏見を生み出すかもしれません。正しい知識と人権意識を伝えたいと思うのです。
市内の若いお母さんたちのグループが、キャップおとなワークショップや性教育講座の勉強会を持たれました。その講座を受けた方は、自分が自分の体について知っているようで、実はほとんど知らなかったことに気づいて驚いておられたということです。でも、このお母さんたちはきっと、子供たちに人権や性についてきちっと教えてあげることができるようになるでしょう。
今は、常に多くのことが性別により区別され、子供たちが常に2つの集団に分けられているように思うのです。本人の気持ちとは関係なく、どちらかに決められている。わかりやすい例で言うと、色による男女の区別、例えば男の子は青い上履きで女の子は赤い上履きといったふうに。また、幼稚園や学校で、男の子はズボン、女の子はスカートといった決めつけがされている。こういった押しつけも、人権の侵害ではないかということになると思います。
それでも、女子体育着のブルマが、保護者側からの働きかけで、最近やっと小中学校では両性共用のハーフパンツにかわってきています。男女共同参画推進条例が10月より施行されましたが、その中には、教育関係者の責務もあったかと思います。これまで慣例で決まっているようなものでも、今回の条例に合わないものは、積極的に学校関係者の方から保護者や子供たちに伝え、変えていくべきではないのでしょうか。
大人の社会では、服装や髪型のユニセックス化がかなり以前から一般化している中、幼稚園や学校側の対応のおくれが目立っていると思うのですが、こういった子供のときからのジェンダー意識や、男の子、女の子の決まりある服装について、人権という視点から市長はどう思われますか、お聞かせください。
以上で1回目の質問を終わります。
○議長(近藤司) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 伊藤初美議員さんの御質問にお答えします。
まず、公文書等の性別記入と人権についてでございます。性同一性障害の人たち等への配慮を、市としてどう取り組まれているかにつきましては、性同一障害者やセクシュアル・マイノリテイーの人たちへの配慮の取り組みでは、人権強調月間の啓発広報として、市政だより11月号で強調12項目のうちの一つ、「性的指向を理由とする差別をなくそう」として周知をいたしております。性的指向を理由とする差別が不当であるとの認識が、世界的にも広がりを見ており、21世紀を人権の世紀として実現するためには、一人一人が自分の問題として人権意識を高めていくことが求められております。
次に、子供のときからのジェンダー意識等についての御質問でございますが、本年10月に施行いたしました新居浜市男女共同参画推進条例において、性別による差別的取扱いを受けることがないように、また社会における制度又は慣行が、男女の社会における活動の自由な選択に対して影響を及ぼすことのないように配慮されること、学校教育及び生涯にわたる社会教育の分野において、自立の精神と男女平等の意識が育まれる教育が確保されることを基本理念として明記をいたしております。
そのようなことから、行政としてもあらゆる場面において、男は仕事、女は家庭といった固定的性別分担意識の解消に向けた行動が求められているところであります。まず市役所からということで、現在庁内のお知らせ掲示板において、市職員の意識改革をねらいとした男女共同参画特集を掲載いたしております。その中で、テレビ、新聞、雑誌、市の刊行物等において、野球やサッカーをしている青い服を着た男の子、お人形を持ったピンクの服の女の子、男性は強くたくましく、女性は弱くやさしく表現していませんか、またおもちゃやスポーツ、洋服の色などを性別で分けていませんかという記事を発信しております。イラストを見ることによって、知らず知らずの間に無意識に固定的な性別役割分担意識がつくり上げられてきたことがわかる、示唆に富んだ内容となっております。
今後とも、条例の基本理念に基づきまして、子供のときから無意識に植えつけられたジェンダー意識を払拭するよう、また子供の人権に配慮した事業の推進に向けて努めてまいります。
服装のことについての御質問がございましたが、日本には着物という非常にすばらしい文化がございまして、着物は男性も女性も基本的には同じ、前が違うだけで同じであるし、男性のはかまというのは、今でいうスカートの一種のようなものだと思います。そういう日本古来の考え方から申し上げましても、これからの子供の人権に配慮した、そして当たり前にいろんな選択ができるような社会が必要であり、学校教育の中でも当然取り組んでいただけるものと思っております。
以上申し上げましたが、他の点につきましては、それぞれ補足いたさせます。
○議長(近藤司) 補足答弁を求めます。神野総務部長。
○総務部長(神野哲男)(登壇) 公文書等の性別記入に関しまして、本年9月議会での質問後の取り組み状況について補足を申し上げます。
全庁的に、申請書、届け出書等の様式の見直しを実施いたしました。その結果、対象130件中、既に男女の記載の見直しを行ったのは2件、平成16年から平成18年にかけて68件の改正を予定しているところでございます。
なお、今回省略が困難な残り60件につきましては、今後関係法令や制度の改正に合わせまして、随時見直しを図ってまいります。
○議長(近藤司) 西原環境部長。
○環境部長(西原寛)(登壇) ごみの減量化について補足を申し上げます。
まず、平成14年度の新居浜市の1人1日当たりのごみ量1,521グラムにつきましては、年間ごみ処理総量7万1,120トンを、人口12万8,134人で割り算出したものでございます。他市との比較につきましては、比較対照したごみの範囲など、データを吟味する必要があると考えているところでございます。
次に、ごみ減量化のこれまでの取り組みについてでございますが、平成13年度からコンポスト、平成7年度から水切り容器、平成12年度から電気式生ごみ処理機の購入者に対し補助金を交付し、それぞれの生ごみ処理容器の普及拡大を図ってまいりました。
また、平成2年度から古紙、古布、アルミ缶などの集団回収に対し、補助金を交付いたしております。
県下12市の古紙回収状況についてでございますが、集団回収をしているのは、当市を含めまして9市、資源ごみとして定期収集しておりますのは8市でございます。
次に、今後のごみ減量化の取り組みについてでございますが、平成16年度からペットボトルを分別収集して資源化すべく、現在予算の確保に努めているところでございます。
また、古紙の集団回収につきましても、市民のコミュニティーの育成や環境意識の啓発という観点を重視し、制度のPRや自治会などを通じ、より多くの団体に働きかけてまいります。
なお、集団回収の参加団体につきましては、多いときは200を超えておりましたが、平成14年度につきましては188団体というふうになっております。
集団回収に参加している主な団体とその内訳を申し上げますと、自治会については60団体、老人会等は23団体、婦人会が7団体、愛護班が21団体、子供会が16団体などでございます。
なお、今後につきましても、より一層ごみの減量化を推進してまいります。
以上で補足を終わります。
ただいま申し上げました中で、コンポストを平成3年度からと言うべきところを平成13年度からと申し上げましたので、平成3年度と訂正させていただきます。
○議長(近藤司) 再質問はありませんか。伊藤初美議員。
○18番(伊藤初美)(登壇) 要望だけ言わせていただきます。
コンポストとかにお金をね、補助金出してくださったのはすごくいいことだと思うんですけれども、それが本当に普及されるような対応をこれからお願いしたいと思います。市民の方も頑張りたいと思いますけれども、そういったことへの取り組みもよろしくお願いいたします。
以上です。
○議長(近藤司) この際、暫時休憩いたします。
午前11時03分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前11時13分再開
○議長(近藤司) 休憩前に引き続き会議を開きます。
藤田幸正議員。
○12番(藤田幸正)(登壇) 自民クラブの藤田幸正です。一般質問も終わりが近づきますと、重複する部分もありますが、よろしくお願いをいたします。
それでは、通告に従い質問に移らさせていただきますが、質問の最初に皆様方に一言お礼を申し上げます。
高橋一郎議員と私の2名が、去る10月28日から11月7日までの11日間、平成15年度豪州・ニュージーランド都市行政調査団の一員として、メルボルン市、オークランド市、シドニー市の3市の視察研修に参加をしてまいりました。このような機会を与えていただきましたことに対し、心からお礼を申し上げます。
国土の広さや人口に大きな隔たりや、行政の仕組みに違いがあるとは申せ、それぞれの分野において取り組んでおられる施策について調査研究をさせていただき、大いに学ぶべきものがありました。訪問先の関係者との交流や意見交換を通じて、お互いの理解と認識を深めることができたことは、私にとりましても大きな財産となりました。今回の研修において、学んだり身につけた貴重な経験を、これからの新居浜のまちづくりを進める中に大いに生かしてまいりたいと考えております。
近ごろ、議員間において、海外行政調査の自粛や中止の声も聞かれます。「百聞は一見にしかず」のことわざにありますように、実際にこの目でしっかりと見詰め、肌で感じ身についた経験が大切なのではないでしょうか。中高生の海外派遣研修も同じです。次の世代を担うこれからの中高生たちに、国際交流を通じて見聞を広め、国際感覚を磨き、大きな心を持った人となるように、これも立派な教育と思います。人づくりです。今以上に、中高生が参加できるような方法を考えてはいかがでしょうか。女性団体の海外派遣も同じく、人材育成の面からも、従来のように取り組んでいただきたいものです。御所見をお伺いいたします。
次に、廃棄物埋立護岸築造工事についてでございますが、9月議会でいろいろと議論をされておりました。その後、説明もありました。しかし、理解に苦しむところがありますので、お伺いをいたします。
自然の力は、時として想像をはるかに超える力になるとは言われておりますが、今回のケーソン転倒は、台風10号の想像をはるかに超える力の自然条件だけでしょうか。幾ら1個が1,000トンを超える大きさであるとはいえ、今回のケーソンは消波用ケーソンで、横からの波の影響を大きく受けるものです。箱型ケーソンに比べ、波に接する面積が倍以上もあり、そのケーソンをもともと東西に波の高い場所に、びょうぶのように南北に230メートルも基礎捨て石の上に立てて並べていただけで、裏込め石を入れてなかった。それも半年近くも放置したままだった。このことが、少なからず転倒の要因の一つではないでしょうか。
担当者の説明や議会答弁では、すべて台風10号による、過去に例を見ない北東からの大きな波の発生など、設計基準をはるかに上回る大きな力がもたらした結果であるとのことです。今回の転倒は、台風による不可抗力として処理されるのでしょうか。被災原因等に対する学識経験者などへの照会の結果、5団体ともすべて妥当であるとの報告であります。余りにも整い過ぎているような気がします。
しかも、復旧工事に4億8,300万円の数字が示されておりました。会派説明や現地説明のとき、2億5,000万円ぐらいかかるだろう、潜水調査をして損傷があるともう少しかかるかもしれないとの説明がなされておりましたが、11月17日の会派説明では、4億8,300万円という数字です。手戻り事業としても、半分は一般財源です。このようなことで、市民に理解してもらえることができますか。余りにも話が違い過ぎると思います。復旧工法により、少しでも減額できる工法など研究すべきではないでしょうか。例えば、引き上げに費用がかかり過ぎたり、損傷の激しいケーソンがあれば、それだけを廃棄物として処理するなど研究をしてください。ケーソン転倒の責任を追求するものではありません。しかし、転倒の要因は、あらゆる角度からもっと明確にすべきものと考えます。平成18年度完成という時間的制約もありますが、要因調査や転倒要因、復旧工法や費用など、市民が納得できる説明をすべきではないでしょうか。このことについてどのようにお考えか、お伺いをいたします。
続いて、環境美化についてお尋ねいたします。
地域環境の美化及び資源の有効利用を図り、もって環境に配慮した市民の自発的な活動を促すとともに、清潔で美しいまちづくりに資することを目的に、きれいなまち新居浜をみんなでつくる条例が平成14年4月に施行されて、間もなく2年を迎えようとしています。条例の施行等により、市民の関心の高まりや関係者の努力により、不法投棄やごみの散乱等が以前より少なくなり、町がきれいになっていると感じられます。
同じく施行されました放置自動車の発生の防止及び適正な処理に関する条例については、さきの9月議会で質問がありましたので省きますが、その後市内ところどころで放置自動車を見ます。担当職員の粘り強い調査、指導を期待いたすところでございます。
町の中がきれいになれば、目立ってくるのが空き地の雑草や、それに捨てられるごみであります。個人の占有地であればなおさらです。占有地であれば、他人の介入ができにくく、雑草が生い茂り伸び放題の状態や、伸び放題での花粉の飛散、そしてまた草刈り実施後の放置による枯れ草の散乱等、そしてまた犬のふんの不始末など、多くの人たちが迷惑を受け、苦情も聞きます。条例の施行後2年を迎えようとしていますが、その条例の効果はどのぐらいでしょうか。そしてまた、環境パトロールの実施状況は、パトロールの体制は、そして環境美化推進員の人数は、そしてまた活動状態はどのようなものなのでしょうか。罰則規定の効果を、お伺いをいたします。
また、苦情に対する対応、そしてまたその取り組みをどのようにされていますか。例えば、草刈り等についてはボランティアグループの方でできないものか、お尋ねをいたします。
続いて、大型ごみの収集についてお伺いをいたします。
大型ごみの収集については、平成13年4月から、以前のステーション方式から戸別収集方式に変更になり、現在も続けられております。以前のようなステーション方式の方がやりやすかった、いや戸別収集方式の方が便利でよいとか、いろいろ市民の声を聞きますが、どのようにとらえておられますか。
そしてまた、今の収集方式に変えられた効果は、どのようなものなのでしょうか。
収集量の推移は、そしてまた問題点はないのか、そしてまた収集の方法の費用は双方どのくらいなのか、現在の戸別収集方式の有料化も議論をされておりました。どのようになったのでしょうか。
見直しを含めて、検討されているのでしょうか。今後どのような方法で進まれるのか、お尋ねをいたします。
次に、産業遺産についてでございます。
新居浜市には、多くの別子銅山関連の産業遺産が残っています。これは、我が国の産業革命が果たした役割を雄弁に物語るモニュメントであります。イギリスを初めとする欧米諸国では、自分の国の成り立ちや発展を体験するモニュメントとして大切に保存、活用されています。1691年、元禄4年開坑した別子銅山は、1973年、昭和48年の閉山までおよそ300年間、住友家及びその関連企業が一貫として経営を続けてきた、世界的にまれな鉱山であります。そのため、一つの経営理念に基づいた産業遺産が、四国山地の海抜1,300メートルの別子の山から、瀬戸内海の新居浜からはるか20キロメートル沖合の四阪島まで、時間と空間を超えて広く点在しています。
平成15年4月の別子銅山関連の歴史と文化を共有する新居浜市と別子山村の合併は、21世紀に向けて別子銅山関連の地域と歴史的資源や地域文化を系統的に関連づけたまちづくりの大きな一歩となるものです。この別子山村と新居浜市の合併に四阪島が加わることになれば、別子銅山の山から浜へ、そして海への一本のラインがすべてそろうわけです。四阪島には、明治39年、野口孫一氏の設計による住友吉佐衛門の別荘として建設された日暮別邸を初めとして、精錬所、病院、学校、からみれんがを使った構築物など貴重な産業遺産が残されています。
このように、別子の植林、そしてそれに埋もれた坑道、れんが塀、鉄道跡、市街地の道路、社宅、港湾設備、そして四阪島の洋館や大煙突など、我が国が産業貿易国として発展してきた苦難と克服の歴史を見ることができるものなのです。四阪島と、4月に合併した別子山、新居浜の山、浜、海が一つになってこそ、新生新居浜市の誕生となり、世界に誇る近代産業遺産の積極的保存、活用のみならず、日本近代化の営みを評価する大変意義深いものであると考えます。
前置きが長くなりましたが、新居浜市の産業遺産を語るとき、四阪島抜きには語れません。編入や歴史的経緯からの存在の認識については、さきの議会で質問されておりましたが、その後の各方面への働きかけと申しますか、どのような動きをされているのか、お尋ねをいたします。
そして、四阪島も一緒にと強く願う市民も数多く、市民グループも熱心に活動をしております。市長さん、市民の先頭に立って力強い運動を願うところでございます。
多くの遺産も、時は流れ風雨にさらされ、保存が叫ばれています。生子山の煙突の雑木が大きくなり、頂上部の崩落などが心配されています。四阪島の日暮別邸も同様です。実際に見る機会があって見ましたが、雨漏りなど傷みぐあいの大きさに驚きました。幾ら歴史的建造物であっても、壊れてしまうと取り返しがつきません。保存の声が叫ばれています。保存が強く叫ばれています。企業の所有ゆえ、ぜひとも企業への働きかけをお願いします。
企業、行政、そして市民が力を合わせ、保存に取り組むべきと考えます。幾ら行政区分が違うとはいえ、銅山関連で四阪島も一つです。熱心に活動する市民グループもあります。ぜひとも取り組んでください。どのようにお考えか、お伺いをいたします。
産業遺産に関する庁内プロジェクトがあると聞いておりますが、どのような活動をされておるのか、そしてまた今後どのように取り組まれるのか、お示しをください。
別子銅山関連の産業遺産は、新居浜市発展の歴史であり、我が国の近代化の歴史であると言われております。ここで提案でありますが、産業遺産の活用を推進する専任の組織体制を考えたらと思いますが、いかがでしょうか、お伺いをいたします。
続いて、農業振興についてでございます。
現在、農業、農村を取り巻く状況は、農業者の高齢化、担い手不足、遊休農地の増加など多くの課題を抱えております。本市におきましても、兼業農家の都市近郊型の農業地域でありますことから、さらに厳しい状況になると思います。これら諸問題に対し、昨年5月、第17期農業委員会より佐々木市長に対し、新居浜農業振興に関する建議書が提出をされております。このように、新居浜農業を取り巻く状況は厳しく、かけがえのない農地と担い手を守るため、地域の実情や特性を生かした営農を推進すべきと考えます。
新居浜市も、本年4月から別子山地域から大島までの広い市域となりました。中山間から島までの多様な農地を持つ地域となりました。ここで、地域の特性を生かした特産品、地域特産物というか、新居浜の特産物、新居浜の名物を考えてみてはどうですか。現在つくられている大島の白芋など、各地区で何か栽培に適した品目はないのか、またこのような特産品づくりを取り組まれることについていかがお考えでしょうか、お伺いをいたします。
続いて、地産地消についてでございますが、地元で生産される新鮮で安全な季節感のある農作物を求める声が強く、以前から生産者の顔の見える常設の農産物直売所の新設が叫ばれておりました。地産地消の施策を進める行政を初めとする関係者の熱心な取り組みによりまして、農産物直売所――四季菜広場が今月27日に開設をされることになりました。開設に尽力された関係者に感謝を申し上げるところでございます。このような、生産者と消費者が直接触れ合うことのできる農業こそ、小規模兼業農家の多い新居浜農業の進むべき道ではないでしょうか。
九州大学と関係機関との調査に、直売所は新鮮な農作物を提供しているだけでなく、生産者の健康づくりにも貢献している。特に高齢者は、元気になったとか、楽しくなったとか、直売所活動が健康づくりに結びつき、あるいは農業は心の健康にもすばらしいことだとか、元気になり医療費の削減の効果を生んでいるなど、直売所効果が発表をされておりました。このように直売所の出荷のように、生産者と消費者とが直接触れ合うことのできる農業こそ、小規模兼業農家の多い新居浜農業の生きる道ではないでしょうか。
直売所効果の副産物もあります。四季菜広場やあかがね市ばかりではありません。学校給食もあります。学校給食への供給は、児童生徒の地域農業に対する関心を高める効果があると言われております。今取り組まれている地産地消の施策を、もっともっと充実、拡充するような、拡大するような取り組みを考えていただきたい。JA、生産者、そして行政その他関係機関が協力して、直売所や学校給食等への需要供給体制を確立すべきものと考えます。今、学校給食で使用している地元産品は何種類ぐらいあるのか、どのぐらいの量なのか、そしてまた問題点はないのか、そしてまた今後どのように考えておられるのか、お伺いをします。
そしてまた、地域食材活用学校給食モデル事業の状況も、あわせてお伺いします。
また、直売所が開設されることにより、女性の豊かな感性を生かす農作物の開発や加工などについて、前向きな農業経営としての女性の起業活動の推進を施策に取り入れたらと思いますが、このことについてもお伺いいたします。
そしてまた、遊休農地対策でございますが、農業従事者の高齢化、担い手不足により遊休農地がふえてきています。現在、本市においての面積はどのくらいあるのか、そしてまた最近1年1年ごとでどのくらいの面積がふえているのか、お示しをください。
解消策の一つとして、農業委員会による景観形成作物の栽培の取り組みが、3年前から市内3カ所で行われ、市民から非常に喜ばれております。他の地域でも、JA支所や地元委員による事業の拡大もされております。このように、遊休農地解消に向けて施策として取り組むべきと考えます。ほかにもいろいろと解消策を考えなければならないと思います。どのようにお考えか、お伺いをいたします。
次に、イノシシ等有害獣対策についてお伺いをいたします。
新居浜市では、数年前より郷山、長野山一帯においてイノシシが出没しておりましたが、最近では河北山、郷山、長野山、旦の上等市内一円に出没して、多大の被害を与えております。9月議会においても山本議員が質問されておりましたが、その後の取り組みや被害状況、そしてまた駆除の状況をお示しください。
また、別子山地域は、イノシシばかりでなく、シカによる林業被害もあると思われます。あわせて、被害状況や駆除、そしてまた今後の対策、取り組み等をお伺いいたします。
また、猿の被害もあると思われます。状況をお知らせください。
続いて、消防行政についてでございます。
新居浜市は、市民の生命、財産を守るため、広域的、総合的な防災体制の強化を図るとともに、複雑多様化する災害に対応した消防力、救急救助体制の充実を図ることを目標に掲げて努力をされております。本年4月より、消防職員については業務の専門性や勤務体制の確立等々、定員増を実施し、充足率80%となるなど、消防救急体制の充実がなされておりますが、ここで別子山地区についてお伺いをいたします。
当地区の消防救急体制は、合併した現在も従来どおり宇摩広域消防に委託している状態であります。消防団については、新居浜市消防団別子山分団として活動されております。行政区分が宇摩郡であり、宇摩広域消防の組合員だったため、合併後も人道的見地からお世話になっていると聞いておりますが、いつまでお世話になるつもりですか。平成16年4月には、四国中央市がスタートします。遠隔地でもあるし、道路も凍結します。高齢化、過疎化も進んでおります。どのように考えておられるか、お伺いをいたします。
そこで、提案でございますが、消防の広域合併はいかがでしょうか。新年度は、県下東予地方は4市1町の5自治体となる予定です。そこで、東予東ブロックとして、新西条市、新居浜市、四国中央市の3つの常備消防の広域合併を願うものです。一つになれば、人員、装備等、組織のスリム化とともに専門性、効率性は高まると思います。各種災害についても、迅速な対応はもとより、大規模災害に対してもより効率的な対応がとれるのではないでしょうか。広域合併に対するお考えをお示しください。
続いて、消防団の活性化についてでございますが、消防団は地域住民の最も身近な防災機関として、安全な地域づくりに貢献してまいりました。常備消防は昭和24年に発足し、消防団とともに互いにその立場を補い合いながら、現在に至っております。昭和47年、消防団の合理化、近代化に対処するため、定数の削減、車庫の統廃合、機動力及び装備の充実という近代化が進められたのであります。以来30年がたち、その間地域においても消防の使命達成に努力をしてまいりましたが、消防団を取り巻く状況は大きく変化し、さまざまな問題を抱えてまいりました。
そういった中、平成13年6月に団本部に消防団活性化推進委員会が設立され、団員定数の見直し、詰所の統廃合と近代化、団員の処遇、加入促進、消防団の将来像や女性団員の採用等々が協議、検討されました。平成16年をめどに取り組んでいると聞いております。その協議、検討内容、それぞれについて、進捗状況などわかればお示しをください。お尋ねをいたします。
ここで一つの提案でありますが、事業活動等を見直す活性化の部分と、定数見直し、詰所の統廃合、装備等近代化の部分について、組織を再編すればと思います。合併により別子山分団が加わり、活性化推進委員会で検討された女性団員も採用されました。これから近代化推進を強く進めなければなりません。ハード面を強く検討、協議される第2次消防団近代化推進協議会なるものを組織され推し進めることを提案いたしますが、いかがでしょうか、お考えをお伺いいたします。
続いて、市民サービスについてでございます。
そのうち、体育施設の利用時間の延長についてお尋ねをいたします。
本年4月より、市民の希望と夜型社会に対応するということで、体育館、そしてまた体育施設の利用時間が1時間延長されました。そして、月曜日も開館されることになりました。そのことが、4月から8カ月がたちましたが、その効果はいかがですか、利用の実態はどのような様子なのか、そしてまたそのことによる問題点はないのか、また今後どのようにされるのか、お尋ねをいたします。
続いて、斎場についてでございます。
私たち市民が生活を送る中で、必ずお世話にならなければならない重要な施設です。施設は整備充実をされ、安心して生活を送ることができます。そこで、使用時間帯の変更についてお伺いをいたします。
私たちが使用した時間帯によって、不便や疑問を感じることがあり、同じように使用した市民の声もよく耳にします。そこで、提案でございますが、使用時間の現在の開始時間を後ろへスライドさせることはできないでしょうか。使用時間が後ろへスライドされることによって、その日の一連の行事の組み立てが便利になり、喜ばれる関係者も多いと思います。このことについてお考えをお示しください。
続いて、学校開放についてでございます。
そのうち、夜間照明使用料についてお伺いをいたします。
現在、市内の小中学校では夜間学校開放をして、多くの市民に喜ばれています。しかし、夜間照明使用料について、利用者の方から疑問や、あるいは不満の声をよく耳にします。グラウンドと体育館を使用する同じものが、なぜ照明使用料に違いがあるのかと。私も、利用者に行政の取り組み方をいろいろ説明をいたしますが、なかなかわかってもらえません。納得がされにくいのです。以前から問題になっていると聞いております。これは避けては通れるものではなく、もっとすっきりとした形で、だれもが納得できるような案を示していただきたいと存じます。これも、市民サービスの充実の一つと思います。どのように取り組まれるか、お考えをお聞かせください。
以上で1回目の質問を終わります。
○議長(近藤司) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 藤田幸正議員さんの御質問にお答えいたします。
まず、産業遺産についてでございます。
今日の新居浜市を培った別子銅山は、元禄4年の創業以来、三百有余年に及ぶ時間と、山間部へ20キロメートル、高さ1,300メートル、四阪島を含めると海上へも20キロメートルという巨大な空間の中での操業は、幾多の産業遺産を残し、その中には現在も稼働しているものも多数ございます。この規模は、世界的にも類を見ないものであり、これら産業遺産は新居浜から日本全国へ、また世界へと発信できる地域資源として非常に重要であるという認識については、藤田幸正議員さんと同様でございます。
四阪島の新居浜への合併あるいは編入につきましては、私自身、9月議会以降も、これまでの間関係者とお会いする機会をとらえ、産業遺産について積極的に意見交換を行ってまいりました。しかし、さきの議会でも申し上げましたように、四阪島につきましては、宮窪町の方がどのように考えているかが重要であり、その意思が尊重されなければならないと考えておりますので、今後におきましても、市民の皆様、議会、各方面の皆様の御意見をお伺いしながら対処をしてまいります。
次に、産業遺産の保存と庁内プロジェクトの活動についてでございます。昭和48年の閉山から約30年が経過し、産業遺産のあるものは風化が進んでいるものもございますが、一方では、所有者である住友各企業が多額の維持費をかけ管理に努めてこられたものもございます。このような状況の中で、今後も引き続き残していくべき産業遺産を絞りながら、所有者だけが負担して保存をするには限界があり、市民や行政がどのようにかかわっていけば、継続的な保存・活用活動につなげていけるかを、国、県の補助制度や保存制度を視野に入れながら、庁内プロジェクトにおいて調査研究を行っております。
今後におきましては、そういった研究結果を見きわめながら、企業や市民、行政の役割や盛り上がりにつなげてまいります。
また、産業遺産の活用を推進する専任の組織体制につきましては、近代化産業ロマンの息づくまちづくりをより一層推進するためには、前向きな御提言と受けとめております。
いずれにいたしましても、本市の産業遺産群を保存、活用していくためには、企業、市民、行政が一体となり、小さな活動の積み重ねを繰り返すことにより大きな成果が得られるものと考えておりますので、産業遺産の保存についての意識の醸成に努めてまいります。
次に、農業振興についてでございます。
まず、地域の特性を生かした農産物の特産品づくりについてでございますが、本市の特産品といたしましては、イチゴ、大島の白芋、里芋などがございます。本市の農業は、小規模、兼業化による、いわゆる都市近郊型の農業でありますことから、従来より適地適作を基本とした作物振興を図っているところでございます。
別子山地域につきましては、その夏季冷涼、夏涼しいという気候風土を生かした作物づくりが考えられますが、農家の高齢化も進み、担い手が不足している現状でございます。
今後におきましても、地域の特性に合う作物の検討、生産、また担い手の育成等を通じ、地域農産物の振興に向け特産品づくりを積極的に推進いたしてまいります。
次に、地産地消の施策を充実、拡大することについてでございます。
まず、地元生産者を支援する施策といたしましては、平成11年度からは野菜ハウスの設置事業を、平成14年度からはイチゴの高設栽培等の先進的な農業技術の導入補助を実施しており、今後も農産物直売所や学校給食を中心に、安全、安心で新鮮な農産物を市民に提供できるよう推進してまいります。
次に、地元産品を地元で消費することについては、12月27日にオープン予定であります新居浜市農協の農産物直売所に対する補助を行うとともに、学校給食での使用促進を図っております。平成15年4月から10月の実績で、45品目、量で約23トンでございます。また、給食の需要がある品目でも、季節、気候によって地元にない場合があるという問題点を踏まえた上で、地元産品をよりたくさん学校給食に使用するために、地域食材活用学校給食モデル事業に取り組んでまいりました。今年度は、供給体制のモデルを作成するため、学校や学校給食センター、農業関係機関と協議、検討をいたしております。
次に、女性起業活動についてでございます。
現在、市内におきまして、生活改善及び農業改良の学習、実践を行っている女性グループは、JA新居浜市女性部のほか7グループあり、農家女性の立場から農家のよさを生かした活動を進め、消費者との相互理解を深めていただいているところでございます。
先ほど申し上げました農産物直売所を通じた販売も視野に入れ、地元産品や各グループ独自の特技を生かした名品、加工品づくりに取り組んでいただきたいと考えております。市といたしましても、農業改良普及センターと連携を取り、協力をしていきたいと存じます。
次に、遊休農地についてでございます。
2000年世界農林業センサスによりますと、耕作放棄地面積は6,705アールとなっております。95年センサスでは5,796アールですから、1年ごとに181アールふえている計算になります。遊休農地解消に向けては、農業委員会の景観形成作物の取り組みのほか、市民農園として現在56農園を非農家の方へ貸し出し、有効利用していただいております。また、利用権設定事業や農作業の受委託による農地の流動化を、さらに積極的に推進してまいります。これ以外の新しい解消策も、農業委員会などの関係機関と今後協議をしてまいりたいと考えております。
次に、イノシシ等有害鳥獣対策についてでございますが、御指摘のとおり、イノシシ等の出没及び被害は、ここ数年で増加し、市内一円へと広がっているように思われます。御質問のありました9月定例議会以後の取り組みといたしましては、広がる被害に対応するため、駆除許可区域を拡大いたしました。また、駆除の状況といたしましては、9月6日から10月31日までの期間にイノシシ28頭の駆除を確認いたしております。
次に、別子山地域における被害の状況についてでございますが、イノシシの被害だけでなく、シカによる被害が増加傾向にございます。主な被害といたしましては、幼齢木の食害、高齢木の角研ぎ被害等があり、昨年度は地元猟友会による駆除が実施されております。
また、猿による農作物の被害については、現在確認されておりませんが、今後も別子山支所、地元猟友会等と連携した駆除体制により、被害を最小限に食いとめてまいりたいと考えております。
次に、消防行政についてでございます。
まず、別子山地区の消防救急業務の委託についてでございますが、今年度につきましては、消防には垣根がない、命には垣根がないということで、快く引き受けていただきました。宇摩広域消防には大変感謝をいたしております。宇摩地域では、来年4月から2市1町1村が合併し、四国中央市が誕生いたします。現段階では、平成16年度については、今年度と同様、本市と消防業務委託契約を結んでいただけるよう協議中でございます。
次に、消防の広域合併についてでございます。私も、藤田幸正議員さんのお考えと同様でございまして、消防、介護、ごみなどの分野におきまして、近隣市町村が連携を取ることによるスケールメリットは実に大きなものがございますし、また行政の費用対効果の面からも積極的に推進していく必要があるのではないかと考えております。
既に救急の分野では、本市を中心として、今治市から川之江市まで東予地域の医療機関や消防機関が連携し、東予地域メディカルコントロール協議会が設置され、救急高度化へ向けての取り組みが行われております。また、指令室業務、特殊災害対策、大規模災害対策、危機管理など、広域消防は消防業務の高度化と経費の節減を同時に実現するものでございます。このようなことから、条件整備が整えば広域消防の構想を大きく育てていきたいと考えております。
以上申し上げましたが、他の点につきましては、それぞれ補足いたさせます。
○議長(近藤司) 阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 藤田幸正議員さんの御質問にお答えいたします。
まず、海外派遣についてでございますが、中高校生海外派遣事業につきましては、さまざまな課題が指摘されておりましたことから、平成14年4月に国際交流検討委員会を設置し、多様な角度から検討をいただきました。同委員会からは、中高校生海外派遣事業等は実施することが望ましい、経済的な理由により参加できない生徒について解消に向け努力する、派遣先については英語圏に固定せず広く国際理解を進める等の答申をいただきました。
これらの点を踏まえ、昨年度は交流先を韓国とし、自己負担率を引き下げるとともに、派遣人数を20名増員して45名で実施いたしました。参加した生徒たちからは、大変有意義で貴重な体験ができた4泊5日であったとの意見があったと聞いております。平成15年度は、SARSの発生により休止といたしましたが、今後もできる限り多くの中高校生が参加できるよう事業計画を検討し、21世紀に生きる中高校生の国際感覚を磨き、視野の拡大を図り、あわせて本市の活性化にも貢献を目指す国際交流を実施してまいる所存です。
次に、市民サービスについてのうち、体育施設についてでございますが、今年4月より生涯学習やスポーツへの関心の高まりと生活時間の多様化に対応しまして、開館日、使用時間の拡大を図っているところでございます。お尋ねの10月末の利用状況は、月曜日開館の利用者数は6,897人、延長時間に伴う21時以降の利用者数は1万6,876人でございます。また、これらに伴う使用料収入は、前年同月対比で約130万円、9.2%の増となっております。
その効果につきましては、利用者の利便を図っただけでなく、施設利用者の拡大につながっております。しかし一方、これに伴う人件費等の維持管理経費の増加がありますことから、施設利用の拡大に努め、使用料収入の増加を図るとともに、利用者ニーズに合ったより使いやすい施設となりますよう取り組んでまいります。
次に、学校開放についてでございますが、藤田幸正議員さんも御案内のとおり、学校の体育施設を開放することにより、市民スポーツの振興に寄与しているところでございます。学校開放に係る使用料でございますが、体育館につきましては、学校施設として建設され、その照明施設は体育館施設の一部であるということから、現在は使用料の納付をしていただいておりません。しかしながら、運動場につきましては、学校開放事業のため新たに夜間照明施設を設置いたしましたことから、夜間照明使用料として受益者負担をお願いしているものでございます。
平成10年度に公共施設の使用料について、受益者負担の適正化と不公平感の解消を図るため、夜間照明の使用料を改正する予定でございましたが、御指摘の学校体育館の昼間の照明使用料の設定などに問題があり、理解が得られず、取り下げた経緯がございました。今後におきましても、公平性、受益者負担のあり方等も含め、使用料を見直す機会等をとらえながら、学校開放に関する使用料を検討してまいります。
○議長(近藤司) この際、暫時休憩いたします。
午前11時57分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 1時00分再開
○議長(近藤司) 休憩前に引き続き会議を開きます。
補足答弁を求めます。鈴木助役。
○助役(鈴木暉三弘)(登壇) 廃棄物埋立護岸築造工事について補足を申し上げます。
今年8月8日の台風10号で被害を受けました廃棄物護岸につきましては、原因はいろいろな見方や議論があると思いますが、その原因の究明と復旧方法を確定するために必要な気象データの解析や測量、潜水調査、設計検討等を行ってまいりました。また、調査検討により推測した波や被災原因、復旧工事等につきましては、中立、専門的な立場からの見解を得るため、愛媛大学の先生方を初め、国土交通省の技術調査事務所等にも照会を行ってまいりました。
その結果、今回の台風は、昭和36年の第2室戸台風に次ぐ大きな波を燧灘に発生させた台風であり、この波による力が施工中の護岸の設計条件を大きく上回ったことが、ケーソン転倒の直接の原因であったと判断したものでございます。
次に、復旧額が増額したことについてでございますが、さきの議会で御報告いたしました被害額は、被災の翌日、陸上からの目視調査で判断できる範囲において、ケーソンの損傷はないものとして見積もりをいたしました。今回御報告いたしました復旧額は、その後の潜水調査等で転倒したケーソンが海底に埋没していることがわかりましたことから、その引き上げ、据えつけに要する費用が増額となりましたことと、コンクリートが一部剥離するなどしたケーソンの補修費を、全体が確認できないすべてのケーソンに見込み、想定される最大の概算復旧額として見積もったものでございます。
この見積もり作業をする中で、ケーソンにつきましては、転倒したケーソンを再使用する場合の技術的検討や新規製作との経済性の比較をいたしますとともに、供用開始を一日も早くするための工程の検討を行い、転倒したケーソンを据えつけ直すことが最良であると判断をいたしました。
今後は、復旧工事を早期に発注し、被災箇所の修復に取りかかる予定でありますが、工事に際しましては細心の注意を払い、より安定を確保するとともに、災害復旧で増加する全体事業費を少しでも削減できるよう、残された工事のさらなるコスト縮減に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(近藤司) 神野市民部長。
○市民部長(神野師算)(登壇) 女性の海外派遣について補足を申し上げます。
本市の女性の海外派遣につきましては、平成8年度から平成12年度まで実施をし、延べ13人の女性が海外派遣研修に参加いたしております。派遣された方々は、地域における教育、文化、コミュニティー活動など広い視野と実践力を身につける種々の分野で御活躍いただいておりまして、人材育成など所期の目的が図られたものと評価いたしております。しかしながら、平成13年9月、ニューヨークでのテロ事件が発端となり、海外派遣事業は中止となっております。
本市の国際交流の基本は、広く世界の国々と人的交流、文化交流、地域産業交流など視野の広い多様な交流を促進し、市民が国際感覚を身につけ、文化や慣習の違いを認識し、そのことから生ずる誤解や摩擦を克服できる国際性豊かな人材育成が必要であるというものでございます。そのためにも、藤田議員さん御指摘の多様な市民の海外派遣につきましては、今後促進すべきものと考えておりますが、国際交流は財政負担が大きいものでもあり、また派遣される人員が限られますことから、基本的には民間主導で進められるべきものと考えております。
なお、国連が開催する世界女性会議等の国際的な会議への派遣につきましては、今後行政支援について検討してまいります。
○議長(近藤司) 西原環境部長。
○環境部長(西原寛)(登壇) 環境美化について、ほか1点について補足を申し上げます。
まず、まち美化条例の効果についてでございますが、犬のふん放置につきましては、まだまだ目に見える成果があらわれていないのが現状でございますが、各種の啓発活動や環境美化推進員の各地域における積極的な活動などにより、徐々にではございますが、市民の間にまち美化意識が浸透し、町の美化が進展しているものと考えております。
次に、環境パトロールの実施状況及び体制についてでございますが、パトロールカー1台、職員3名体制及び民間委託業者によるパトロールカー1台、2人体制で、犬のふん放置、不法投棄の巡回パトロールなどを実施しております。
次に、環境美化推進員の人数及び活動状態についてでございますが、市内全域で88名を委嘱しておりまして、それぞれの地域で美化啓発活動を実践していただいております。具体的な活動内容といたしましては、ごみステーションの適正管理、校区内パトロール、啓発看板の設置、適正なごみの出し方の呼びかけ、毎朝の海岸清掃など、大変熱心に活動をしていただいております。また、毎年5月に大手スーパー2店舗におきまして、まち美化の啓発キャンペーンを実施しております。
次に、罰則規定の効果についてでございますが、条例の規定は、違反者を見つけ次第適用する直接罰ではなく、市による措置命令違反の場合に適用する間接罰の規定でございますので、指導などによって改善されれば告発はできないこととなっております。罰則規定の適用は、これまでのところございませんが、規定を盛り込んだことで一定の抑止力になっていると考えております。
次に、苦情に対する対応についてでございますが、空き地の管理、自動販売機の回収容器の未設置、犬のふん放置など、平成14年度実績で409件、平成15年度も11月末現在で171件の苦情が寄せられております。中でも、特に空き地の管理についての相談が多く、約7割を占めております。なお、相談がありました案件につきましては、現地調査を行い、指導や依頼を重ねまして、今年度141件を解決している状況でございます。
また、ボランティアグループによる草刈りの御提言についてでございますが、確かに町を美しくする一つの手段であると考えますが、まち美化条例にも規定いたしておりますとおり、本来その土地の占有者本人に適正管理義務がありますことや、適正に管理している市民との公平性の問題から、実施については難しいのではないかと考えているところでございます。
次に、大型ごみ収集をステーション方式から戸別収集方式へ変更したことをどうとらえているかについてでございますが、個数制限などの問題があるものの、家電リサイクル法に伴うテレビ等家電4品目のステーションへの不法投棄の防止、高齢者の方々の大型ごみ排出時における負担の減少などの効果があることから、戸別収集の方がベターではないかと考えております。
次に、収集量の推移といたしましては、平成13年度約552トン、平成14年度約477トンとなっております。委託料につきましては、ステーション方式は約2,520万円、戸別収集方式は約2,660万円となっております。
次に、大型ごみの有料化につきましては、情報収集や市民の声を聞く機会もございましたが、本格的な検討には至っていない状況でございます。
今後におきましては、大型ごみに限らず、可燃ごみ、不燃ごみを含めた有料化について、関係各課でプロジェクトチームを編成し、目的の明確化、料金設定、料金の徴収方法、実施方法、実施時期などを検討してまいります。今後とも、きれいなまち新居浜を目指してまいります。
次に、市民サービスについてのうち、斎場についてでございますが、現在開場時間は9時30分から18時まで、受け付け時間は9時30分から16時までとなっております。午後からの火葬をふやしてほしいとの要望がございますことから、早急に葬儀社等関係者との調整を行い、時間帯の変更に取り組んでまいります。
○議長(近藤司) 三浦消防長。
○消防長(三浦弘二)(登壇) 消防行政について補足を申し上げます。
消防団活性化推進委員会の協議検討内容と、その進捗状況についてでございますが、平成13年6月に委員会を設置し検討してまいりましたが、できるだけ多くの団員の声を集めたいとのことから、本年8月に再編成し、2つの専門部会を設けて、消防団をめぐる諸課題を検討しております。現在、消防観閲式のあり方と年間行事計画の見直しを行っており、その検討内容は、全団員で実施していた夏季総合訓練を、自主防災、予防、救急など3分野の研修訓練に変え、住民指導ができる団員を養成いたします。また、観閲式では、どのような形で市民参加を進め、消防団に対する住民の理解を深めるための見直しをしております。このような議論の中から、新しい消防団のあり方が見つかるのではないかと期待いたしております。
次に、近代化推進というハード面を強く検討するための第2次的な組織についてでございますが、現在検討中の結果は、消防団の中だけでなく広く市民に公開することが大切で、いずれは企業、有識者ほか各界各層から委員を公募し、消防団のあり方に対する提言をまとめる組織が必要ではないかと考えております。
いずれにいたしましても、これからの消防団は広域消防を担保する重要な役割を持っております。伝統を守りながら、地域密着性と大量動員性という、他の組織にはない利点を生かして、さらに市民に信頼される消防団となるよう、活性化並びに近代化を推進してまいります。
以上で補足を終わります。
○議長(近藤司) 再質問はありませんか。藤田幸正議員。
○12番(藤田幸正)(登壇) いろいろ答弁をありがとうごさいました。2点ほどお願いします。
廃棄物の埋立護岸築造工事の中で、潜水調査というふうなことでございますが、そのような調査で大体どのぐらいのお金がかかっているのかという点をちょっとお聞きしたい。
それと、環境美化の中で、農業振興の中の遊休農地とのかかわりもあるかと思うんですが、空き地というか、そういう中で広い農地についてはあれですけど、狭いそういうふうなところでの雑草というか、草の生い茂っておるというふうな処理であるとか、その苦情の点、その辺のすみ分けというか、その辺のところの取り扱いについてちょっとお聞きしたい。
それともう一点、市民サービスの中で体育施設の利用の夜の延長時間でございますが、それと月曜日の開館ということで数値を示されておりましたが、その実態についていろいろお聞きしますと、数字についてはそれなりの人の数が出ておるわけですが、実際のところ、大人よりも子供が多いと。そんなところで、本来大人の方がその後時間帯を後ろへずれてそういうように利用されるというんであればいいんですが、結構午後10時近くになってても子供たちというか、そういうふうな、何というのか、団体でのそういう利用が多いというようなことで、そのようなことであれば、本来の時間延長したのには余りよくないんでは、よくないというか、的が外れているんじゃないんかと。それと、青少年の健全育成についてもそういうことがあるんで、どのようにとらえておられるか、ちょっとお聞きしたいと思います。
以上でございます。
○議長(近藤司) 答弁を求めます。鈴木港務局事務局長。
○港務局事務局長(鈴木雄二)(登壇) 再質問にお答えいたします。
ケーソンの災害による潜水調査の費用でございますが、復旧費ともに合わせて約400万円でございます。
○議長(近藤司) 西原環境部長。
○環境部長(西原寛)(登壇) 藤田幸正議員さんの再質問にお答えいたします。
休耕田などの農地についてでございますが、まち美化条例では、宅地化された状態の土地その他の空閑地というふうになっておりまして、宅地だけでなく休耕田等の農地も対象になりますが、なおかつ周辺の生活環境を損なっていることというふうな要件がついております。したがいまして、民家とか家が比較的近い地域については、このまち美化条例の対象になると思います。山間部等の間で、山の近くなんかで余り家がないところについては、このまち美化条例そのものの対象にはならない場合が多いと思います。しかし、実態といたしましては、まち美化条例の適用になるものについては指導という形で行政が行っておりますし、適用の対象にならない分については依頼という形で、お願いという形で、できるだけきれいになっていくように努めているところでございます。
○議長(近藤司) 阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 藤田幸正議員さんの再質問にお答えいたします。
21時以降、子供の利用が多く、子供の健全育成の観点からどのように考えているかということについてですが、市民体育館、山根体育館において小中学生が利用している現状があります。しかし、これらの利用は、任意の教室やクラブ等で指導者、保護者のもとに利用されていると聞いております。しかしながら、児童生徒の夜間外出に伴う活動は、危険防止などの安全面に配慮しなければならないことから、実態を調査して、実施団体、個人に向け指導してまいります。
いずれにいたしましても、開館日の拡大、時間の延長による利用者の拡大を図ってまいりたいと考えております。
○議長(近藤司) 再質問はありませんか。(12番藤田幸正「なし」と呼ぶ)
西本勉議員。
○6番(西本勉)(登壇) 市民の会の西本勉でございます。
12月議会での一番最後の質問者になりましたが、理事者の皆さんには、最後の締めくくりにふさわしい明快な御答弁で、しかも市民の皆さんが喜ばれるすばらしいものにしていただきますよう、お願いいたします。
さて、総選挙が終わり、国政においては小泉自公政権が9日に閣議決定をしたイラクへの自衛隊の派兵、イラク全土が戦争状態という現実のもとで、重武装をし、しかも平和憲法をも踏みにじる行為がまかり通ろうとしています。全く許せないことだと考えます。
さらに、年金問題も、本日一斉に報道されましたが、厚生労働大臣は来年度年金再計算の年を利用して、保険料は現在の約1.4倍にアップ、給付はダウン、さらに低収入者からも徴収をする、まるで悪代官の年貢取り立てのような大改悪案を出そうとしております。
そして、公務員の賃金引き下げによる関連労働者への賃下げ、さらには地域最低賃金への悪影響、生活保護費への影響など、地域経済をさらに冷え込ませるものであり、私たち市民の生活はますます厳しいものとなっているところでございます。
この荒廃した国政の押しつけを、一つからでも歯どめをかけて、新居浜市民の暮らしを守っていただきたいものでございます。このような状況のもとで、しかも2004年をすぐそこに迎えるときに、明るく展望の持てる新居浜市政にしたいものであります。
以下、質問に入ります。
まず、第1の質問は機構改革についてでございます。
親しみの持てるものに見直しをということですが、私は機構改革というのは、そのときの情勢をも十分に反映をし、行政の事務の流れがスムーズに、そして市民にとってわかりやすい、民主的で効率的な機構であるべきと考えます。しかも、市民に親しまれる行政、同時にそこで働く職員の働きやすい、市民本位の行政機構になることが本来のあり方だと思います。ことしの4月に機構改革をして大部大課制にしたようですが、ひっつき過ぎて、部や課の仕事の中身が市民にわかりにくく、どこへ行ったらよいのか、とまどっているところもあるようでございます。
そこで、機構改革で離れたり合併をしたり小さくなったりしたところ、そして名前の変わった課などについて反省や総括をし、もっと市民にわかりやすく親しみの持てるものに見直す考えはないのでしょうか、お聞きします。
次に、生き生きと働ける職場環境ですが、機構改革で大事なことは、職員一人一人が自由に物が言えて、知恵と力が十分発揮できる職場環境が必要と思います。そういう職場環境こそ、市民の幸せにつながるもので、上意下達で命令されたことだけをきちんとする、これでは市民の幸せにつながらないと思います。今の職員は、御存じのとおり、5年連続で賃金が引き下げになり、リストラや不況の深刻さからいって、我慢に我慢を重ねているのが実態であろうと考えます。
このような状況に追い打ちをかけた形になったのが、機構改革ではないかと思います。部や課が少なくなったからといって、給与の格付において6級や7級、そして8級など、同じ等級に7年も8年もいる、こういう状況が続いているようですが、これは人事のよどみであって、しかも実質賃金の引き下げだと思います。これでは、機構の改悪にしかなっていないと思いますが、過去25年ぐらいの新居浜市政を見ても、今のような人事のよどみはなかったのではないかと思います。この数年間が最も停滞している悪い状況だと思いますが、40歳から50歳代は子供や家族のために最も負担が多いときであります。昇任昇格やあらゆる運用も考えて、職員が将来に展望が持てて、しかも生き生きと働ける職場環境づくりが必要と思いますが、お考えを聞かせてください。
第2に、使い切り予算についてです。
使い切り予算、つまり翌年の予算削減を恐れて、余った予算を無理に消化するということですが、職場から職員個々の新しい知恵や創意を出し合って、2月や3月に無理をしない工夫を考え、しかも残した予算については、全額とか半額とか、その基準を決めて、次年度の新しい事業や市民のためになる予算を自由に使える仕組みをつくってはどうでしょうか。
特に、事務事業を民間に委託をしている社会福祉協議会やマイントピア別子、文化体育振興事業団、その他たくさんありますが、もちろんこれらも含めて考えていただきたいものでございます。市長のお考えをお聞かせください。
第3には、福祉施設の老朽化をどのように考えているのか、お尋ねをします。
慈光園、東新学園、清光寮の建てかえについてです。慈光園は昭和44年に建設をされ、実に35年になろうとしています。外壁ははがれているわ、軒先のコンクリートもはげ落ちています。余りにも危険なので、落ちそうになっているところを、ことしの夏場に金づちでたたいて落としたようで、とりあえずの補修工事は終わったようでございます。残ったところがいつ落ちるかわからない状況で、軒下は歩くのが怖いぐらいでございます。一番弱者と言われているお年寄りが暮らしています。
また、児童養護施設の東新学園も昭和45年に建てられ、施設の古さは慈光園に負けないくらいの中身でございます。保育園児から高校生まで、成長段階で最も大事な年ごろの子供を育てている施設として、余りにもお粗末過ぎる老朽化した施設になっています。
また、母子家庭が入居して生活をしている清光寮も、聞くところによりますと、角野町との合併前から建っていた建物のようで、途中改築はしたものの、老朽化の最たるものとなっております。
これらの福祉関係の施設は、最も弱者と言われている者の施設として、もう待ったなしの施設になっています。さきの伊藤優子議員の質問では、平成19年4月にオープンを目途としているというような答弁がございましたが、とにかく待ったなしの施設になっておりますので、同じような答弁かもわかりませんが、清光寮もありますので、いつどうするのか、建てかえの計画があれば示していただきたいと思います。
2点目は、保育園や乳児園の建てかえ計画、危険箇所の点検、修理についてです。公立の保育園は、今やゼロ歳児からの受け入れを全園でやっておりますし、定員の125%の保育をしているようですが、老朽化のために乳児や保育園児に危険がいっぱいの状態になっております。市民の会では、特に危険保育園として、古い若宮保育園と若水乳児園に調査に伺いました。
特に若宮保育園は、古くて危険です。床や天井、そして壁、保育室が足りないから、遊戯室を間仕切りして2つにしておりますが、戸板と畳を立てて間仕切りをしています。地震でもあればどうなるんでしょう。とても危険でございます。せめて、間仕切りにはアコーディオンカーテンぐらいはどうでしょうか。トイレも1カ所のようで、3歳未満児こそ待ったのない乳児なのに、保育室にトイレがない。調理室も大変な状態でございました。宇和島市では、O-157問題で大変な状況になっているようでございます。また、エアコンも不足しているなどなど、ひどいものであります。
若水乳児園も、また建物の古さは半世紀を超えている建物です。若宮保育園に負けないほどの傷みようでございました。
市民は、新しいところも条件の悪い保育園も、保育料は同じではないですかと言っています。極力公平な条件でこそ、子供を預かり保育するのが、新居浜市の責任であります。将来の新居浜市を担う大切な子供を育てる保育環境が、これでは余りにもお粗末ではないでしょうか。地震でちょっと強い揺れがあれば大変な事態になりかねませんが、改築や建てかえの計画は持っているのでしょうか、あれば示していただきたいと思います。
また、保育園の危険箇所は点検しているのでしょうか。あわせてお尋ねをします。
そして、きちんと直しているのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
3点目は、慈光園と東新学園の複合施設構想の見直し。
建物は、町中で広々とした場所にしてはいかがでしょうか。東新学園は、3歳の幼児から18歳の高校生までが寝食をともにし生活をしています。最近は、慈光園も含め、福祉施設では全体として一人一人の人権が守られる生活環境が特に重要視されているところでございます。保育園から中学校、高校までの子供がいて、毎日の生活パターンが全く違いますし、食べ物から活動の時間帯と、多くの点で切り離した別の施設の方がよいのではないかと思います。この児童養護施設と、独居老人の多い高齢者の施設が、どういうことで同じ施設でよいと言われるのでしょうか。しかも、今福祉を取り巻く環境はかなり早いテンポで変化をしています。児童施設も、5人から6人ぐらいで1つの家で父母がいて生活をともにするという、いわゆるグループホームの方向が国の方からも出てきたようでございます。老人養護施設の高齢者にとっても、個室での生活やグループホームが主流になってきたように、複合施設構想自体を考え直して、現場で働いている職員の声を十分に反映させて、硬直したものではなく、緩やかでサービスの行き届いた、利用者が喜ぶものにする考えはどうでしょう。
私は、このような養護施設は、山の方で、しかも土地の狭いところではなく、町中で、しかも病院やスーパーなどが近くにあるような、そういうところこそ建築の場所にすべきと思いますが、市長のお考えを聞かせていただきたいと思います。
第4には、鳥獣害駆除の費用負担についてでございます。
市民の会からの要望にも出していますが、今新居浜市内の至るところで、イノシシや猿を中心にした被害が、かつてない規模で、しかも広範囲で出ています。先ほど藤田議員も言っておりましたが、場所は、東は阿島、多喜浜、楠崎、郷山に沿って被害が出ています。南は、光明寺から船木、長野、角野、立川から中筋、角野小学校の近くまで出ていますし、萩生の治良丸から大永山、大生院、本郷、横水、まさに市内の山の近辺は全域イノシシの被害で大変なことになっています。
私が調査したところによりますと、ことし11月までで被害届が100件、イノシシの駆除が47頭、猿も数匹、そういう被害の内容は野菜や稲、そして果樹に至るまで、今のところ人への害はないようでございますが、郷山のふもとを含めて、畑には何もつくれないし、今や畑が荒れ地となって、農家の人にとっては大変な状況になっているようでございます。また、危険なために、お年寄りがひとりでは畑に行けない、そういう状況になっているようでございます。
イノシシの駆除には、30名から40名の人が交代をしながら、市や農協、市民からの要請で、自分の仕事をストップして駆除に取りかかっているようでございます。これに対して、現在のところ、どこからも駆除に対する費用負担はありません。事故のときの保険や猟犬のけがの治療費、死亡の補償、維持費から交通費まで、もろもろの費用もすべて自分たちが会費を出し合って費用に充てているようでございます。ことしは、猟犬の治療については農協が見てくれたようですが、この被害状況を見ると、市民の財産や生活を守るのは自治体の責務であろうと考えます。多くの県や市町村では、イノシシや猿の駆除に対して委託料とか、1頭を基準にした費用負担をしているようでございます。新居浜市においても、それに見合った費用負担が当然と思われますが、市長のお考えをお聞かせください。
第5には、学校給食についての問題です。
1点は、小学校の給食室が全体的に老朽化が進み、給食室を囲んでいるドアなどは、ほとんどの学校であけ閉めができないとか、古い状況が見えています。給食現場の衛生管理面は特に気をつける必要があり、施設の老朽化で安全なものとは言えないような状況があります。油や湯の煮えたぎった大きな釜を扱ったり、絶えず危険が伴う現場でございます。ガスバーナーやボイラー、水道ポンプなどの施設や設備は、絶えず点検をしているのでしょうか、お聞かせください。
2点目は、センターができて2年半が過ぎた中学校給食を、みんなが喜んで楽しく食べるために、そして完全給食についてでございます。
学校給食センターの平成14年度の給食選択率は、8校で55.8%、アンケートでも余りおいしくないような声が30%程度あるようでございます。東中学校や大生院中学校は、共同調理のために90%を超える喫食率でございます。学校給食センターは、1日4,000食もの調理能力を持っているようですが、保護者からは、あれだけの施設を有効に使えるように、そして現在の食数をふやせるようにとか、好きな献立のときだけ注文するというわがままな給食ではだめだとか、選択方式をやめて、小学校のように全員実施の給食になるようになどの声が大であります。
行政が責任を持って安全でおいしい給食を、また設備投資をして始めた中学校給食でございます。本来、自校方式で調理員と生徒とのコミュニケーションのある、栄養士や調理員の願いや思いが伝わる給食が理想ですが、現状よりも少しでも改善できるところは改善をし、子供たちが喜ぶような中学校給食を追求していくことが今求められている課題ではないでしょうか。
1つは、栄養士さんが各学校に給食指導をきめ細かくしていただきたい。(ブザー鳴る)
以上です。
○議長(近藤司) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍)(登壇) 西本議員さんの御質問にお答えをします。
まず、機構改革について、親しみが持てるものへの見直しについてでございます。
本年4月の機構改革は、第四次長期総合計画を効率的に執行し、また職員個々の能力と組織の力をより発揮させ得る組織の確立を図ることを目的とし実施したものでございます。この機構改革におきましては、市民に混乱を与えることがないよう、窓口部門の課所につきましてはできるだけ変更を生じないこととし、とりわけ来庁者の多い庁舎1階は従前のとおりとしております。また、本年10月に実施しました、市役所へ来庁された市民の方を対象とするアンケートによりましても、用務を担当する課所がわかりにくかったという回答をいただいたのは少数となっておりました。
このような中で、組織機構を頻繁に改めることは、市民の方を惑わせることにもなりかねないと思います。このため、現状では定着化を進めることが重要であり、組織機構の見直しを必要とする状況には至っていないと判断しております。しかし、市民の方々にはより一層のサービス向上のため、職員からの声かけなどによる積極的な対応により、さらに親しみやすい市役所となるよう努めてまいります。
次に、鳥獣害駆除の費用負担についてでございますが、御指摘のとおり、イノシシによる農作物の被害は、ここ数年増加傾向にあるように思われます。市といたしましても、県当局の指導を初め、猟友会、警察署等と協議を行い、適宜有害鳥獣駆除を実施しております。平成14年度におきましては、狩猟期を除き38頭、今年度は51頭を駆除いたしております。
猿の被害状況につきましては、里山近辺への出没が確認されておりますことから、空砲を鳴らし、人家への接近の防止に努めております。
また、防備の面からも、農作物鳥獣害防止対策推進事業を活用いたしましたイノシシ防止用の電気さくを、銃猟禁止区域内の水田に設置し効果を上げております。しかし、市域から見ますと被害がまだ発生しておりますことから、今後も被害を減少させるため、さらに関係機関との連携を密にし、駆除実施体制の強化を図ってまいります。
現在の駆除体制につきましては、年度初めに各関係機関の代表者が出席しての有害鳥獣被害対策連絡会を開催いたしまして、当年度の駆除方針についての協議を行っておりますが、その中で猟友会が主体となってボランティア活動により実施をいただいております。また、新居浜市農業協同組合からは、依頼者の立場として弾代及び猟犬の治療費等が補助されております。市といたしましても、現物支給により支援をいたしておりますが、今後猟友会の御意見も伺い、被害の推移、また関係機関との協議、調整を図りながら、支援策について検討をしてまいりたいと考えております。
以上申し上げましたが、他の点につきましては、それぞれ補足いたさせます。
○議長(近藤司) 阿部教育長。
○教育長(阿部義澄)(登壇) 西本議員さんの御質問にお答えいたします。
中学校給食についてのうち、子供に喜ばれる中学校給食でございますが、西本議員さん御指摘のとおり、生徒たちに安全で喜ばれる給食を提供するとともに、選択率の向上を図ることが重要課題であると認識しております。
給食指導につきましては、給食主任、学級担任による衛生面、マナー等の給食指導と、栄養職員による給食だよりでの食に関する指導等を行っております。今後は、さらに学校との連携を密にし、選択率の向上を図り、充実した給食づくりに努めてまいります。
次に、生徒からのリクエスト給食についてでございますが、本市の学校給食は、学校栄養職員会の献立専門部会において栄養価等を考慮した統一献立により実施しております。その中で、栄養価、健康面をも考慮して、バランスのとれた献立づくりに努めております。しかし一方、児童生徒に喜ばれる献立も必要と認識しておりますことから、リクエスト給食について方法、内容等を検討してまいります。
以上申し上げましたが、他の点につきましては、教育委員会事務局長が補足いたします。
○議長(近藤司) 補足答弁を求めます。泉水企画部長。
○企画部長(泉水克規)(登壇) 使い切り予算について補足を申し上げます。
事務事業の執行に当たっては、効果やコストを常に念頭に置き、最少の経費で最大の効果を上げるよう努めているところでございます。職員に対しましては、計画的、効率的な予算執行及び経費の節減に対する意識の徹底を図っているところでございます。
現在、平成16年度予算の編成作業を進めているところであり、単独事業と精算を必要とする補助事業とでは予算執行上性質が異なりますが、予算編成方針にも明記いたしまして、節減努力に対しては他の施策事業費への配分を配慮するなど、インセンティブが働く予算編成といたしたいと考えております。そのためには、事業担当課が創意や工夫により節減いたしました実績を的確に把握することが必要になりますので、平成16年度予算編成におきましては、例年以上にヒアリングに時間をかけている状況でございます。
なお、公費により管理運営いたしております法人につきましても、本市に準じた取り扱いをすることといたしております。
平成15年度の執行状況や平成16年度予算編成作業を通して、節減部分の再配分についての基準や手法について研究を進め、より明確にし、再配分システムとして活用できるよう取り組んでまいります。
○議長(近藤司) 神野総務部長。
○総務部長(神野哲男)(登壇) 生き生きと働ける職場環境について補足を申し上げます。
公務員の給与は、職務給の原則によりまして、職務と責任に応ずるものでなければならないこととなっております。具体的には、給料表に基づき職員の給料が決定されております。給料表は、職務ごとに級の区分が設けられており、職員の職務はその複雑、困難及び責任の度合いに基づき、それぞれの級に分類されております。職員は、その職責に応じた職務を遂行しているところでございます。
今後につきましても、適正な給与制度の運用を図りながら、職員が意欲を持って働けるよう、職場環境づくりに努めてまいります。
○議長(近藤司) 井下福祉部長。
○福祉部長(井下文夫)(登壇) 福祉施設の老朽化について補足を申し上げます。
まず、慈光園、東新学園は、いずれも建築後30年を超える老朽化した施設となっております。特に慈光園につきましては、施設の老朽化のため、内部のバリアフリー化を図ることが難しい上、急傾斜地崩落危険箇所にもなっております。また、両施設とも十分にプライバシーが尊重された構造にはなっておりませんことから、個室主体の施設として、平成19年4月開園に向け建てかえを計画しております。
また、清光寮につきましては、施設の不良箇所等の状況等を勘案しながら、適時施設整備を行ってまいりたいと存じます。
次に、保育園の建てかえ計画、危険箇所の点検、修理についてでございますが、保育園での危険箇所や修繕箇所につきましては、年度当初に担当者が各保育園を回り状況調査を行い、緊急性の高いものから順次補修を行っております。また、年度途中におきましても、保育園から連絡があり次第、現場確認をし改善を図っております。
特に老朽化が進んでおります若水乳児園、若宮保育園の改築、建てかえ計画につきましては、福祉部内におきまして今後の子供の出生や地域の状況を踏まえ、建てかえの方向性を検討いたしております。
次に、慈光園と東新学園の複合施設構想の見直しについてでございますが、今回の複合施設は、同一敷地内に異世代が入居することで、世代間の交流や出会いによる経験や体験の機会が生まれ、特に今後ひとり立ちしていかなければならない児童に対するメリットは多大であろうと認識いたしております。
施設内容といたしましては、食堂や調理室あるいは事務所等は共通エリアとなりますが、居住棟は児童、老人それぞれ別棟とし、児童棟も児童生徒を男女別と乳幼児の3ブロックに分けるなど、入所者の処遇改善を図る計画でございます。
次に、複合施設の設置場所についてでございますが、広瀬公園西側の市有地を候補地といたしております。
○議長(近藤司) 鈴木教育委員会事務局長。
○教育委員会事務局長(鈴木嘉明)(登壇) 学校給食について補足を申し上げます。
小学校給食室の施設、設備の点検についてでございますが、学校長あるいは栄養士、調理員からの整備要望を毎年調査いたしておりますし、随時の修繕要望、要請などにつきましても、限られた予算の中ではございますが、学校施設全体計画の中で危険性あるいは緊急性などを考慮し、優先順位をつけて順次整備を行っているところでございます。
学校給食においてまず求められるのは、安全な給食づくりでございます。これが保障されて、子供たちに喜ばれる給食が提供できるものと考えておりますことから、今後も衛生、安全性に配慮した整備点検を実施してまいりたいと考えております。
以上で補足を終わります。
○議長(近藤司) これにて一般質問を終結いたします。
以上で本日の日程は全部終了いたしました。
お諮りいたします。議事の都合により、12月12日から12月17日までの6日間、休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(近藤司) 御異議なしと認めます。よって、12月12日から12月17日までの6日間、休会することに決しました。
12月18日は午前10時から会議を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後 1時56分散会