平成12年第5回新居浜市議会定例会会議録 第2号
目次
議事日程本日の会議に付した事件出席議員欠席議員説明のため出席した者議会事務局職員出席者開議(午前10時00分)
日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 一般質問 仙波憲一君の質問 1 市長の政治姿勢について
(1) 市民参加と第四次長期総合計画
2 情報公開と情報開示について
3 保護される個人情報と公開されるべき情報について
4 市民と共有すべき情報について
5 新居浜市のITの取り組みについて
6 市町村合併について
7 工業都市新居浜再生について
8 ものづくりのまちについて
9 介護保険について
10 環境行政の取り組みについて
佐々木市長の答弁 1 市長の政治姿勢について
(1) 市民参加と第四次長期総合計画
2 情報公開と情報開示について
3 保護される個人情報と公開されるべき情報について
4 市民と共有すべき情報について
5 新居浜市のITの取り組みについて
6 市町村合併について
7 工業都市新居浜再生について
9 介護保険について
10 環境行政の取り組みについて
西原教育長の答弁 10 環境行政の取り組みについて
山中企画調整部長の答弁 5 新居浜市のITの取り組みについて
神野保健福祉部長の答弁 9 介護保険について
高橋産業振興部長の答弁
8 ものづくりのまちについて
休憩(午前10時58分)
再開(午前11時08分)
鈴木連太郎君の質問(1) 1 新居浜市、新市政誕生と市政の今後について
(1) 今回の市長選挙
(2) 新居浜市政の流れ
(3) 新市長、今日までの政治行動と今後の市政運営
(4) 国、県との関係
(5) 新市政の庁内体制と組織運営
(6) 佐々木市政の目指すもの
2 行財政の問題について
(1) 行政の適正規模及び適正な職員数、従業者数
(2) 政策評価と行政コスト計算
(3) 行政の財務諸表
3 公共事業に伴う問題について
(1) 公共事業の見直し
(2) 入札問題
4 市町村合併について
佐々木市長の答弁 1 新居浜市、新市政誕生と市政の今後について
(1) 今回の市長選挙
(2) 新居浜市政の流れ
(3) 新市長、今日までの政治行動と今後の市政運営
(4) 国、県との関係
(5) 新市政の庁内体制と組織運営
(6) 佐々木市政の目指すもの
2 行財政の問題について
(1) 行政の適正規模及び適正な職員数、従業者数
(2) 政策評価と行政コスト計算
(3) 行政の財務諸表
3 公共事業に伴う問題について
(1) 公共事業の見直し
4 市町村合併について
休憩(午前11時56分)
再開(午後 1時00分)
稲見財務部長の答弁 2 行財政の問題について
(2) 政策評価と行政コスト計算
3 公共事業に伴う問題について
(2) 入札問題
柴田都市開発部長の答弁 3 公共事業に伴う問題について
(1) 公共事業の見直し
鈴木連太郎君の質問(2) 2 行財政の問題について
佐々木市長の答弁 2 行財政の問題について
鈴木連太郎君の質問(3) 1 新居浜市、新市政誕生と市政の今後について
2 行財政の問題について
小野豊實君の質問(1) 1 市町村合併について
2 21世紀の教育について
(1) 文化、芸術の教育
(2) 生涯教育
(3) ゆとりの教育
3 駅前開発と整備について
4 政治倫理について
佐々木市長の答弁 1 市町村合併について
2 21世紀の教育について
(2) 生涯教育
3 駅前開発と整備について
西原教育長の答弁 2 21世紀の教育について
(1) 文化、芸術の教育
(3) ゆとりの教育
神野保健福祉部長の答弁 4 政治倫理について
小野豊實君の質問(2) 4 政治倫理について
神野保健福祉部長の答弁 4 政治倫理について
散会(午後 1時42分)
本文
平成12年12月12日 (火曜日)
議事日程 第2号
第1 会議録署名議員の指名
第2 一般質問
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本日の会議に付した事件
議事日程のとおり
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出席議員(34名)
1番 豊 田 康 志 君 2番 藤 田 統 惟 君
3番 竹 林 偉 君 4番 岡 崎 溥 君
5番 高須賀 順 子 君 6番 伊 藤 優 子 君
7番 伊 藤 初 美 君 8番 菅 秀二郎 君
9番 真 木 増次郎 君 10番 佐々木 文 義 君
11番 石 川 尚 志 君 12番 白 籏 愛 一 君
13番 渡 辺 豊 君 14番 岡 田 光 政 君
15番 近 藤 司 君 16番 山 本 健十郎 君
17番 伊 藤 萬木家 君 18番 杉 本 真 泉 君
19番 加 藤 喜三男 君 20番 仙 波 憲 一 君
21番 小 野 豊 實 君 22番 藤 田 幸 正 君
23番 田 坂 重 只 君 24番 井 上 清 美 君
25番 鈴 木 連太郎 君 26番 小 野 利 通 君
28番 藤 田 若 満 君 29番 堀 田 正 忠 君
30番 神 野 幸 雄 君 31番 原 月 美 君
32番 村 上 悦 夫 君 33番 世 良 賢 克 君
34番 中 田 晃 君
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欠席議員(1名)
27番 橋 本 朝 幸 君
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説明のため出席した者
市長 佐々木 龍 君
助役 神 野 秀 明 君
収入役 近 藤 宗 治 君
企画調整部長 山 中 嘉 一 君
財務部長 稲 見 重 幸 君
保健福祉部長 神 野 彰 君
市民環境部長 原 敏 彦 君
産業振興部長 高 橋 鎮 雄 君
都市開発部長 柴 田 晋八郎 君
下水道部長 小 泉 光 照 君
消防長 小 林 史 典 君
下水道部長 岡 松 建 二 君
教育長 西 原 洋 昂 君
教育次長 山 下 倖 君
監査委員 加 藤 治 繁 君
港務局事務局長 加 地 信 義 君
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議会事務局職員出席者
事務局長 近 藤 収 君
庶務課長 鈴 木 一 生 君
議事課長 日 野 清 君
議事課副課長 岡 正 士 君
庶務課庶務係長 高 橋 純 子 君
議事課主査 原 正 夫 君
議事課主査 井 上 毅 君
議事課主事 濱 岡 里 枝 君
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午前10時00分開議
○議長(世良賢克君) これより本日の会議を開きます。
本日の議事日程につきましては、お手元に配付の議事日程第2号のとおりであります。
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日程第1 会議録署名議員の指名
○議長(世良賢克君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において竹林偉君及び岡崎溥君を指名いたします。
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日程第2 一般質問
○議長(世良賢克君) 次に、日程第2、一般質問を行います。
この際、申し上げます。一般質問における各議員の発言は、それぞれ通告の時間以内となっておりますので、御了承願います。
順次質問を許します。まず、仙波憲一君。
○20番(仙波憲一君)(登壇) 市長におかれましては、初めての答弁でございますけれども、何分御丁寧にお答えをいただきますようにまずはお願いをしておきたいと思います。
それでは、早速質問に入らせていただきます。
もはやミレニアムと言われる2000年も残り少なくなってまいりました。冒頭申し上げますが、先日全国的に報道されました新居浜警察署暴力係3名による不祥事についてであります。県警監察官室は、今月3日、特別公務員暴行陵辱致傷等の容疑で逮捕、新居浜市民を初め多数の県民から3名に対し非難の声が上がっているところでございます。この事件につきまして、私は、ただ警察官による暴力という一面からのみとらえてはならないのではないかと考えている次第です。確かに、取り締まり中における暴力は決して許されるものではありません。しかし、事件に至った経過や背景、事件の内容、被疑者についてなど、さまざまな側面から今回の事件を注視する必要があるのではないでしょうか。
新居浜市議会では、平成4年3月議会において暴力団の根絶対策の推進に関する決議を行っております。新居浜市においてなぜこのような決議を行わざるを得なかったのか、我々は忘れてはなりません。先日の県議会では、安原本部長から、業務管理の徹底を図り信頼回復に全力を尽くしたいと言っておられます。私は、同時に新居浜市における暴力団根絶対策に影響を及ぼすことなく、市民のだれもが安心して暮らしていくことのできる市民生活を目指した新居浜警察署及び愛媛県警の今後の奮闘を願うものであります。
以下、通告の順に従いまして質問を行います。
21世紀の新居浜市は、よりよき町になってほしいとだれもが思っていることと存じます。そこで、今回のトップの交代は新居浜市の歴史を大きく変えたと思います。その意味において、市民からの注目は大きいものに違いないと思います。
そこで、まず市長にお伺いしたいのは、さきの選挙選を通して常に市民の先頭に立ってということを聞き及んでおりますが、新居浜市長として一体何を一番に行動されるのかをお聞かせいただきたいと存じます。
次に、従来愛媛県に対しての市町村の重要施策の陳情は、自民党県連を通しての陳情が主でありました。そのため、新居浜市の知事陳情のあり方は、自民党新居浜支部を通して県連に依頼し、自民党県連の調整にゆだねてまいりました。このことは、いいか悪いは別として、県内どの市町村も現在も同じように行われております。この際ですから、市長の今後の対応についてどうされるつもりなのかお伺いしたいと思います。
次に、第四次長期総合計画についてでありますが、平成13年3月に出す予定が6月に変わったようでありますが、具体的理由の一つとして、市長は市民参加のあり方に問題があるやに聞き及んでおります。私は、市民参加ということについては、前市長のときから市民のパートナーシップという言葉に代表されるように従来から行われていたように思っております。
そこで、前市長のときとどの点が市民参加のあり方や行政と市民の役割分担について違うのかを明確にしていただきたいと存じます。市民参加の位置づけをどのようにして行うのか、目的と手段、手法はどうお考えなのでしょうか。市長の政治姿勢として重要なことですので、お伺いをいたします。あわせて、第四次長期総合計画を策定中ですので、策定に当たって今までとここが違うという点についても、ぜひ市長としてのお考えをお伺いしたいと思います。
次に、情報公開と情報開示についてであります。市長のおっしゃっております徹底した情報公開について私なりに私見を申し上げ、市長のお考えをお伺いします。
情報公開と情報開示が基本的に一番違う点は、ある情報が知りたいと尋ねられた場合、その要望に従って知らせるのが情報公開であり、必要があるかないかは別としてすべてを知らせるのが情報開示であると、私なりに認識いたしております。この点において、市長さんが考える徹底した情報公開とはいわゆる情報開示ではないかと思ってるわけでありますが、いかがでしょうか。あわせて、私なりの観点から、今の市長の情報公開の観念では市長さんが新居浜丸をどこへ連れていこうとされているのか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
つまり、市長の行動が情報という点でも重要な役割を担ってくると思います。市長の行動が即理念と言えるのではないでしょうか。理念がしっかりしていれば、情報を提供する側と受け取る側のパートナーシップをいかに構築したかということが問題なくうまくいっていくと思います。
つまり、理念をきちっとすることが情報を公開するときの必要条件で、そのことが情報の伝わり方においても自然に行くのではないかと思います。透明性の高い情報という意味においても、情報というものの基本的な考え方はどこなのかと言わざるを得ません。具体性が基本と思います。市長の第一歩が市民の方向を向いているのか、県や国の方向を向いているのか、それとももっと違う方向なのか、トップとして重要な一歩は今後の市政運営に当たって基本的な考えと思いますが、いかがでしょう。
次に、保護される情報と公開されるべき情報についてであります。公開されるべき情報と保護されるべき情報の違いはどう考えられておられますか。本市は、情報公開条例を制定し、公開することができない情報を定めているものの、保護されるべき情報については明確に定められていないと思っております。今、新しい情報通信の手段としてEメールやホームページ等が手軽に使えるようになりました。市民に信頼される自治体になるためにも、ぜひ保護される情報についてはっきりさせるべきと思います。御所見をお伺いしたいと存じます。
次に、庁内LANの関係ですが、市長は職員1人1メールとうたわれております。ともすれば、市政はシステムを構築するとすべてが完成したかのように思われがちであります。しかし、そのシステムがどういう目的でつくられ、どういうふうに機能していくのか、うまく作動しているかということについて検証されなければなりません。まして、インターネット社会ではハッカーというやからがいて、ホームページの書きかえ等コンピューターウイルスのついたメールなどいろんな事件が起きています。
つまり、庁内LANの利活用の中にも、本来保護されるべき情報と公開されてもいい情報の論議は当然あるべきであります。個人のプライバシーについては保護されるべきではありますが、行政の保有する情報については公開されるべきであると思います。特に、行政で使われている情報の中で庁内LANは行政情報であると思います。きょうからでも市長の指針を示されたらいかがなものですか。あわせてお答えください。
次に、市民と共有すべき情報とは。
新居浜市において、市政だよりとかインターネットのホームページ等さまざまな情報が市民に出ています。特に、市長におかれましては、ITとは別に10円プールの話など市政だよりに造詣が深いようでありますが、本当の意味で共有されるべき情報についてどうお考えになっているかであります。従来、市政だよりについては行政の施策が中心となっており非常によくできていると思っています。しかし、欲を申し上げますと、市民と共有する情報であるかどうかという点においては議論があっていいと思います。つまり、一方通行の情報か双方向の情報かという点において市民と議論する場所の必要性はありはしないかということであります。市長におかれましては、徹底的な情報公開という点について特に強調されてきたと存じますが、その辺のところをどうされるべきとお考えか。つまり、何の情報をどういう形で共有したいのかという点についてお伺いしたいと存じます。
次に、市長が常に先頭に立ってという言葉を使われておりますが、そのことから情報の共有について具体的なプロセスはどうなっているのでしょうか。例えば、懇談会の陣容については、公募と女性の登用ということを言われています。それは現在の組織のあり方についてどう違うのでしょう。私は、懇談会のメンバーの選出より懇談会に提出する討議資料の内容がどうなっているのか、懇談会のメンバーについて情報が共有されているのか、必要な時間については精査検討されているのかということの方が大切のように感じています。そして、市政の現況から、財政や優先順位、施策の進行についてどのように具体的に生かされるのかという点が明確に示されていることの方が重要だと思います。また、課題における市長のビジョンや具体性や信頼性が確保されることが大切なことと思いますが、いかがでしょうか。
次に、新居浜市のIT戦略についてであります。
市長は、インターネットのホームページをお持ちでありますが、新居浜市のホームページを閲覧するとき、題字が新居浜物語であるため新居浜市となっていないことがわかりにくい等の苦情を聞いたことがあります。市長がこういう話は聞いたことはありませんか。ホームページは、確かに便利な情報手段でありますが、行政の施策やサービスの掲示と市民にとって必要な情報がどういう形で分けられて、整理され伝えられるかが問題であると思います。つまり、掲示の方法によって結果の評価が分かれるところだと思います。本当の意味で使いやすい便利な情報をどういう形で提供するかが問題であると思います。また、Eメールは、時間的な観念を除くと通信の手段としては非常に便利でありますが、一方では、顔が見えないという不安感も否めません。
しかしながら、新居浜市という意味で基本的なビジョンや目的さえしっかりしていれば問題のないことであると思います。そういう意味で、新居浜市の各課にホームページをとおっしゃっておられたようですが、基本的な考え方を示していただきたいと存じます。具体的に、庁内のどの課がどういう情報を掲示し、何を取り入れて掲示するのか、つまりコンテンツは何であるかという点について御所見をお伺いしたいと思います。
次に、市町村合併についてであります。
当市は、昭和の合併以来約40年余りが経過いたしております。それにもかかわらず、いまだ地名や固有名詞を呼び合うより上部、川西、川東のイメージが強く、もっと言いますと、我々が住んでいる地域では、新居浜市の行政で言う中心商店街は町へ行くという言葉が通用します。このことについて市長はどうお感じになられますか。私は、行政の施策遂行の中でこの表現は決していいとは感じておりません。新居浜市が一つになって新しい世紀を上昇気流に乗せていくには、そういう気持ちを一新することが肝要であると思います。この点について市長の御所見をお伺いしたいと思います。
次に、最近、新聞等マスメディアで県を中心として愛媛の合併問題が取りざたされています。特に、市町村合併推進要綱策定検討委員会が試案を示し、知事とのトップミーティングを開いて試案に対する意見を聞いておられます。このことについて、トップとして意見を求められたとしたらどう答えられますか。まず、この点についてお伺いをいたします。
私は、最初に合併ありきでなくて、新居浜市において議論もない、まして他の市町村からお声もかからないということがいいかどうかという点についても、新居浜市として問題があるように思います。合併問題は、一部では新居浜市の基本を知るためにあらゆる情報を精査する必要があります。そういう中で、他の市町村から声がかからないのは、新居浜市が単独で能力があるという判断と新居浜市に魅力がないという判断などが考えられます。どちらにせよ、新居浜市の将来に大きく影響する課題であると思います。特に、庁内プロジェクト「合併研究会」は機能しているのかという点において質問をいたします。
研究会は、何回開かれたのか、そしてその結果はどうなっているのでしょうか。デメリットやスケールメリットを含めて議論が聞こえてない点について、市長として今後どうされるのかお伺いしたいと思います。
次に、新居浜市のトップとして、合併論議についてどのようなお考えをお持ちになっているのでありますか。
私は、昨年12月議会で別子山村との合併問題について質問をさせていただきました。前任の市長は、決して後ろ向きでないとの答弁をいただきました。先般、市長は就任のあいさつに行かれたやに聞いております。印象はどうであったんでしょう。市長として、別子山村について新居浜市としてどうあるべきとお考えでしょうか。その点について以下お伺いします。
私は、今でも合併するかしないかは別として、市民に対して合併問題について公開していく姿勢が求められているように感じております。新居浜市としてどうあるべきか、議論があるようにしていくことが重要であると思います。
つまり、昨年と同じ質問をいたしますが、静から動へという行政運営をしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。御所見をお伺いします。
特に、近隣の市議にお伺いしますと、新居浜市には核がないという意見を聞きました。新居浜市は、町が分散している。言い方をかえれば中心がない。町が中途半端であると言われているようです。つまり、町に魅力がない、柱がないという意味であろうと思います。
そこで、町や市民に元気を取り戻すためにはリーダーシップを発揮し、新居浜市としての情報の発信をすることが必要であると思います。市長に素早い決断も必要であると考えますが、いかがでしょう。御所見をお伺いします。
次に、工都新居浜再生についてであります。
新居浜市の産業別人口構造を見ますと、製造業に就労する人口は就労人口の約3割であります。このことから考えても、新居浜市の原点は工業都市であると言っても過言ではないと思います。特に、工業都市の中枢を支える鉄工部門の零細企業は約300社とも言われています。この企業体に対して、行政として取り組める内容、いわゆる行政施策はあるのでしょうか。
まず、基盤整備の面から一例を申し上げますと、新居浜市の工業団地、今で言う多極型産業用地を見て、近隣市町村の用地と比べてメリットはあるのでしょうか。例えば、交通のアクセス、地価、工業用水、面積、環境、取引先等企業活動に有利な条件はどうでしょうか。新居浜市における産業振興としてとらまえたとき、何を基本として考えていくべきかという点において、よく企業誘致の言葉を耳にいたします。果たしてメリットのないところに企業は来るのでしょうか。もし、市長が経営者として多極型産業用地を見たときどう映るでしょうか。東予インダストリアルパークと比べたときはどうでしょう。また、西条の1、2号地と比べたらどうでしょう。地方行政としてできることは、例えばインターからの新居浜市の入り口に道路案内板を掲げて新居浜市の工業団地の場所を示し、利用者の利便性を高めることから出発するという考え方は、すごく当たり前なことを当たり前に行うことと同じであると思います。
つまり、基盤整備という点では、工業を中心とする郷檜の端線であり、商業を中心とすると金子中萩停車場線という考え方もできると思います。まさに、どちらも新居浜市にとって必要不可欠な南北をつなぐ中心路線であります。この問題を産業という視点で考えてみると、極端かもしれませんが、そういう発想が考えられます。
つまり、普通の考え方で新居浜市を見たときの考え方をどう生かされているのかという点が非常に大切であると思います。そういう意味で、今後の産業施策について、ハード面を中心に進めるのか、それともソフト面の充実を図るのか、優先順位の基本的な考え方はどのように進められるのか、市長のお考えをお聞かせください。
過去の歴史的経過で容認されている部分と、その中で、もう少し慎重な議論が重ねられたときの結果はおのずとどこか違うはずであります。ビジョンを示す、論議を重ねてまたビジョンを示すという作業はどういう形で行われていくのかが、今新居浜市にとって一番重要なときであると思っています。
新居浜市で一番多い企業体について私の思いを申し上げますと、例えばA社で新居浜市以外のほかから注文の話があったとき、高知県では、同業者を無償で紹介やその会社まで連絡だけでなく仲介の労をとってくれたという話を聞いたことがあります。果たして、現在の新居浜市でそういう企業が何社あるのでしょうか。共同戦線を張れる企業体の構築こそ新居浜市にとって何よりも優先されるべきものであると思います。売り上げが10億円程度ずつに企業連絡体系をつくっていくことが一つの工都再生の道であると存じます。
つまり、新しい産業の育成も重要でありますが、現在の企業活動を支援することの方が優先されるべきであると思います。新しい産業に取り組むために企業活動を停止したり、転換することはできないと思います。ベンチャー企業の支援ということや環境ビジネス、リサイクル型企業の支援や転換することと、今ある企業体の強化とどちらに優先順位をつけていくのかということに尽きると思います。
しかしながら、新居浜市の現状から考えていくと、21世紀を迎えるに当たってトップとしての意志が大変重要ではないかと思います。そういう中で、まず取り組んでいくことは、世界に誇れる町というイメージからして、優先順位は何からとお考えでしょうか。御所見をお聞かせください。
次に、ものづくりのまち。
先日、日経新聞でこういう記事を発見いたしました。世界のトヨタが、今ではその地位を脅かされようとしています。その理由は、世界中の企業が生産ラインの工程やシステムを習い、トヨタに追従してきたからであります。アメリカのシリコンバレーのある会社が、製品開発ではなく量産部門で毎年売り上げを40%以上伸ばしている会社があります。
ものづくりの原点を考えてみるとき、新居浜市におけるものづくりのヒントがあるような気がいたします。新居浜市の小企業、特に鉄工関連の企業にはこの記事にあるシリコンバレーの企業が行っていることは通用するのか、またこのことを一つのヒントとして新居浜市なりのものづくりをできないものかと思います。学生のときからものづくりに親しむ環境の実現はどうでしょうか。例えば、新居浜工業高校が新聞の見出しの空飛ぶ車いすという活動を行っています。この事業は、中古の車いすを集めて修理を行い、その車いすを韓国に送るという事業です。そういうふうにふだんから身近なものの製造や修理という作業にかかわって、より理解を深める。また、そのことが日常の生活に近い現実的で、より身近のものを取り上げていく事業を車いす以外にも広げていく事業を行ってはどうかと思います。
今、一番の問題点は製造物責任の問題等がありますが、こういう部分にこそ行政がかかわりを持てば解決できる問題であります。そして、だれもがあそこに行けば何とかなるという環境の整備をぜひお願いしたいものだと思っています。市長の御所見をお伺いいたします。
次に、介護保険についてであります。
当市の介護保険についてお伺いをいたします。現在の新居浜市の介護保険の現状について、今年4月導入、10月より65歳以上の保険料徴収と大きく進展してまいりました。当市においても、議会質問がかなりあったように思います。特に、低所得者の減免や補助については法の精神から難しい趣旨の答弁であったやに感じています。
そこで、先般、新聞紙上で、市町村独自に介護保険料の低所得者の全額免除をしている自治体が20余りあり、その自治体に対して罰則を科さないという結論に達した趣旨の記事が載っていました。同時に、一般会計からの繰り入れで全額穴埋めをしているのは補助対象としないという趣旨も記載されていました。このことに対し、新居浜市における低所得者に対しての減免の考え方に変化はあるのかどうかということをお伺いしたいと思います。また、財源的に可能であるのかという点についてもあわせてお答えください。
次に、介護保険の穴埋めに基金を使うのはいいが、新居浜市の実態として、現在の運用状態からして将来国保会計と同じように一般会計からの繰り入れという可能性はあるのかどうかという点についてお伺いしたいと思います。つまり、国保との関係もありますので、介護保険会計の実態をお知らせください。
次に、環境問題についてであります。
新居浜市の環境問題については、市長は常日ごろから取り組んでおられるのでしょうが、2001年4月には当市の中学校給食センターも本格稼働と聞き及んでいます。その関係から、先般、食品リサイクル法の施行が論議されています。スーパーや外食産業を初め、排出するごみとしての食品の残飯や製造や調理におけるごみの処理について、リサイクル率の悪さとごみの減量化が進んでいない点について、今回食品リサイクル法の骨子について農水省を中心として考えられています。例えば、コンビニエンスストアのローソン等においては弁当のリサイクルシステムが完備されており、徹底した分別収集によるリサイクルが可能になっているそうであります。
新居浜市においても、電動生ごみ処理機やコンポストに対する補助事業、多喜浜小学校でのごみリサイクルモデル事業での蓄積された環境への取り組みをしています。これを十分生かした形で、中学校給食について共同調理場が建設されております関係から、この際力を発揮し、市民に誇れる環境の先駆けをされたらと思いますが、いかがでしょう。
次に、植物の治癒力による環境の取り組みが新しい産業になりつつあります。このことは、まだ世間では余り知られていませんが、例えば放射能除去にヒマワリを植えるとかPCBの除去にベラドナを使うなど、従来の土地の汚染に対する処理に比べて費用的にも安価である取り組みがなされています。まさに植物が持つ特性を調べ、その植物によって、汚染されている物質によって植える植物を変える、そのことによって地域環境を元へ返そうとする試みであります。室内において空気中のごみや有害な揮発性化学物質の除去についても、植物の持つ秘められた力が今見直されています。ここまでの状況を実効性のあるものにしようとすると大変ですが、例えば道路の横に花を植える、室内に観葉植物を飾るなど、安価で環境に適し、かついろんな効果が得られるものへの取り組みについて、市長の御所見をお伺いしたいと思います。
一例を申し上げますと、道路の横に花を植えた場合、ポイ捨てのごみが著しく少なくなります。直接の効果だけではなく間接的な効果も得られるし、また直接的には見た目に美しいなどの効果もあります。花や木を植えることは大変でしょうが、大気汚染や水、土壌の本来持っている資質を改善することと、環境の基本的な保守に役立つことが証明されつつあります。このことは、身近な我々の体や精神に影響することであります。私は、大きなことも重要でありますが、新居浜市の現況の中で伸ばしていけばいい取り組みもたくさんございます。最近、愛媛新聞のコラムにある身土不二という欄があります。(ブザー鳴る)
○議長(世良賢克君) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍君)(登壇) 仙波議員さんの御質問にお答えいたします。
まず、市長として市民の先頭に立って何を一番に行動するのかということでございますが、市民の先頭にという意味はピラミッドの頂点といったイメージじゃなくて、仙波議員さんもスローガンでおっしゃられていた市民の皆様と同じ目線に立ってと、そして市民の皆様と一緒に歩きたいという意味でございます。例えば、市内ではともにボランティア活動をしたり、あるいは生涯学習を実践し、自分も市民の一人であることを常に自覚し、現場主義を基本とした生活実感に根差した市政運営を心がけたいと思っております。
また、対外的には、新居浜市の営業マンあるいは宣伝マンという意識で国や県、企業に対して積極的に新居浜市のことについて働きかけをし、役割を果たしてまいりたいと思っております。
また、当面はこれまでのあり方を見直し、また私の考え方を議会や、また市民の皆様に御説明をするというところから始め、第四次の長期総合計画への取り組みが当面急がれると思っております。
次に、陳情のあり方についてでございますが、従来の手法は尊重してまいりたいと考えております。そのような意味で、初登庁以来、加戸知事を初め、愛媛県の幹部職員、また国の出先機関などを訪問いたしました。また、先週は市長の用務もあり上京いたしまして、愛媛県選出の国会議員の皆様、また中央省庁へのごあいさつを申し上げ、新居浜市のために頑張るよう激励をいただいております。また、協力を惜しまないという言葉もいただいております。政治的なお立場というものはいろいろあろうかと存じますが、新居浜市のために必ず御協力いただけるものと信じております。
次に、第四次長期総合計画策定に当たっての市民参加の位置づけと前市政の違いということでございますが、今日まで新居浜市でまちづくり市民会議、あるいは長期総合計画策定審議会の委員の皆様方には大変御苦労をかけ、市民の皆様の意見を聞いた中間案を取りまとめていただいております。そのことには感謝をしておりますし、この中間案は最大限尊重してまいりたいと考えております。
しかし、私もさきの選挙において今後4年間の市政を担当させていただくことになったわけですから、今少しお時間をいただき私なりの検討もさせていただきたい。また、その判断材料の一つとして、今まで意見を発表する機会が少なかった人、あるいはもう少し踏み込んだ意見をお持ちの方、また、この機会に私たちも言いたいというような方がいらっしゃいましたらそういう皆様の御意見もお聞きしていきたいと考えております。私は、計画策定段階でできるだけより多くの人に関心を持っていただき、参加していただくことがその後の市政運営への参加意識を高め、前市長のおっしゃっていた市民との協働作業、パートナーシップが深まると考えております。えてして市民との議論が一方通行になりがちであったり、そういうものがこれからはいつもキャッチボールをしながら進めてまいりたいと思っております。
手法としては、各団体から委員を選出していただく場合も、いわゆる参加団体を公募したり、あるいは各団体の中であらかじめテーマを持って話し合っていただくようなことをお願いしたり、市民も行政も新たな枠組み、仕組みというものをこれまで以上に広げて深めていきたいというふうに思っております。そういうことが私の大きな役割ではないかというふうに考えております。
次に、情報公開と情報開示についてでございますが、私の申し上げている情報公開は、民主主義の健全な発展のために市民に対して市役所がその活動の状況を具体的に明らかにして説明する責任を有しているというものであり、仙波議員さんがおっしゃる情報開示ということも含めたものでございます。これなくしては、市民の意識と関心が高まり、より高い次元での市政への参画はあり得ないというふうに感じております。
また、本来役所の持っている情報は、基本的には市民の財産であり、市民に還元されるべきものだと考えております。したがって、市政への参加をもっと盛んにするような情報提供のあり方を心がけてまいります。従来からもいろんなアイデアをいただくボックスや、あるいは手紙やファクスや、あるいはメールなども役所に対して寄せられておりました。また、私に対しても直接そういうお手紙やメールなどというのも、たくさん寄せられております。そういうことに対しても役所として、また私からも誠実にお答えをしていく、そういうことを努めていきたいと思っております。そういう中で、待ちの姿勢ではなくて市民に対して情報公開、情報開示を積極的に進めていきたい、そう考えております。
しかし、これを進めていきますと、市民やあるいは行政の中にとまどいや混乱といったものも予想されると思っております。しかし、そういうものを乗り越えていくということが、これからの私が目指す市政運営が行われるかどうかの試金石だというふうに思っておりますので、さまざまな問題点、そういうものはその時々に素早く解決をし、説明をしながら進めていきたいと思っております。
次に、公開されるべき情報と保護されるべき情報ですが、情報は本来市民の財産であり、戸籍的事項、思想信条、経歴、収入、資産、心身の状況、そういう個人情報、また国家の機密あるいは安全に関するものなど、これは当然保護されるべき情報であり、それ以外は原則的に公開することが基本じゃないかと思っております。
また、その保護されるべき情報については、現在策定中の個人情報保護条例の中で明確にしていきたいと思っております。
また、行政と共有する情報については、市政の重要な意思形成過程における情報についてどこまで公開できるのか、あるいは議会、予算、条例との関係でどういう公開の時期、方法があるのか、さまざまな論議があることも承知をしております。現在、そういう意味で各課単位で情報公開について、市民参加についての意見集約を指示しておりますので、それらをまとめて全庁的な対応も決めてまいりたいと思っております。
次に、市民と共有すべき情報ですが、先ほどから申し上げておるように、可能な限り一方的な情報提供は避け、政策決定をめぐって広く議会や市民の皆様方と議論を尽くしてまいりたいと思います。そういう中から合意が得られたものは実行に移す。また、財源などの関係から、市民あるいはさまざまな御意見で、望む形からは実現が困難なものは、その理由を説明して、また時期もできるだけ明示をし、また当面の解決方法はないか、そういうことを考えていきたいと思います。
また、懇談会のあり方についても仙波議員さんが御指摘されたことと私も基本的に同じような考え方を持っておりました。今後も理解と協力が得られるように、事務局案の提示だけでなく議論をしていただけるもとになるような資料、あるいはさまざまな試算、シミュレーション、そういうものを提示することによって活発な議論をお願いをしたいというふうに思っております。
また、ITについては後ほど補足もございますが、ホームページの活用について現在しておりますが、さまざまな検討を加えますし、ホームページの利点としていわゆる試行錯誤というものが比較的簡単にできる、さまざまな意見を聞きながらつくり直していくということができるのが利点でございますので、中身の基本はしっかりとして表現の方法については工夫をしていきたいと、このように思っております。
次に、市町村合併についてでございますが、新居浜市にはまだ地域意識が残っており、先ほどおっしゃっていた上部、川西、川東、あるいは旧市、町へ行くというような言い方については私も同様の考えでございます。そういう意味で、私も選挙を通じて、また先ほどの政治姿勢でも新居浜市が一つになれるような、そういう町をつくっていきたい、こう申し上げてまいりました。そのためには、1つには公共のインフラ整備、またそれぞれの地域環境を進めていくということ、また感情や意識の上での一体化を進める。そういう両面から事業を進めて、新居浜市は一つだということが感じることのできるまちづくりをしていきたいと思っております。
次に、愛媛県において検討されております市町村の合併パターンについてでございますが、最近の地方分権の推進や、あるいは地方自治の自立が強く求められている中で、今後予想される住民サービスの向上、あるいは地方財源の基盤の強化として市町村合併が有効であるという考え方のもとに進められていると理解をしております。その意味におきまして、愛媛県が示しております試案を見た場合、県下70市町村のうち新居浜市だけが単独で残っているということについては、市民の間でもいささか疑問を感じるという声は私もよく耳にしております。
私も、市町村合併については地域住民の意思が優先されるべきで、新居浜市民や地域住民の議論を経ることが前提であると思っております。また、枠組みや、あるいは時期や、そういうものは別にいたしましても、市のこれからの重要な問題でございますので、議論やあるいは研修を行う、また市民の中でそういう自主的な研究が行われるということは当然予想されますし、そのことは必要ではないかと思っております。
そういう意味で、今年度から庁内において新居浜市広域行政・市町村合併研究プロジェクトを立ち上げ、広域行政について検討をしております。現在までに5回開催し、西条地方局管内の各市町村の基礎的な比較をしております。これについては、特に庁内における情報の共有化、論議の活性化を促し、市民の皆様に判断するための情報提供へと発展させたいと考えております。
別子山村につきましては、新居浜市発展の原点であり、歴史的、文化的、人間的、そういうつながりがあること、また別子銅山の近代化や閉山に伴い、新居浜市域に生活拠点を持つつながりがたくさんございます。また、新居浜市が進めております近代化産業遺産の地域資源が新居浜市、別子山村双方に残されていることなど、単に行政区域だけで線を引けない結びつきがあるというふうに認識をしております。
次に、就任時にお伺いしたときの印象でございますが、初めての訪問でございましたので表敬訪問的ではございました。しかし、村長さんからは先日のトップミーティングで発言されたようなことをお伺いをし、村民の中に新居浜市との合併をという声があるということをお聞きをいたしております。
しかし、この問題は整理いたしますと、県の考え方というのは特例法が切れる2005年までを一つのめどとしてどういう枠組みができるのかということを優先的に考えている議論と、やはり長期的な、非常に10年、20年、あるいはもっと先をにらんだ議論というものが交錯するために少しわかりにくくなっているというふうに思っております。そういう意味で、宇摩圏域については既に政治的レベルから行政レベルへ話が進んでおり、新居浜市のこれまでの取り組みがその段階にまで至ってないというふうに思っておりますので、もう少し地道なところから始めて議論をしていきたいというふうに思っております。
次に、町や市民に元気を取り戻すための決断についてでございますが、私の目標であります世界に誇れるまちづくりということを具体化する中で、新居浜市が活性化し、市としての求心力が増す、また魅力ある新居浜市をつくりたいと考えております。当然、その施策の実施については市民との意見交換、あるいは情報発信による相互理解、また私のリーダーシップも不可欠であると理解をしております。さらに、情報の基盤整備が進んできた今日、トップセールスも含めて積極的な情報発信を実施したいと思いますし、さまざまな施策にスピード感というものを感じられるような展開をしていきたいというふうに思っております。
次に、工業都市新居浜再生についてでございますが、私も新居浜市は工業都市であり、本市経済の再生は工業を中心とする物づくりを中心とした産業の振興が柱になると考えております。そういう意味で、物づくりの原点に戻り、住友系企業、あるいは地場産業の知識と技術を生かした産業振興策を進めていきたいというふうに考えております。また、住友企業、あるいはその業者の関係、あるいは企業同士の関係というのは、これまでの共存共栄の関係に加え自立連携をした関係を築いていきたい、こう思っております。そういう中で、お互いに持てる技術、技能、人材等を生かせるようなコーディネート役というものが行政に求められているというふうに考えております。これまでの行政施策としても、中小企業振興条例に基づく助成制度や融資制度の充実、そういう支援策としては一定の評価をいただいているものというふうに思っております。確かに、工業団地については、当初市内企業の住工分離ということも目的にございました。また、企業誘致については非用水型の企業に限定されるなど不利な条件にあることは否めない状況であると思っております。
また、ソフト面については新居浜市地場産業創出・育成ビジョンを策定し、地場企業や新たな産業企業創成への支援について具体的に明示をして、順次実施をしてまいりました。特に、東予産業創造センターを中心に広域的なコーディネート事業に力を入れ、支援を行ってまいりましたが、今まで以上に人材というものが大切になってまいりますので、それぞれのところでの有能な人材、そういう方々をお迎えをしたり、あるいはお願いをしたり、そういうことが大切じゃないかというふうに思っております。
今後においても、このようなソフト面の充実をより一層図っていくとともに、ハード面においても御指摘のありました南北の幹線道路、あるいは環境、福祉、そういうものも総合的な新居浜市への企業誘致や企業立地を進めていく整備につながるというふうに私も認識をしております。
次に、今ある企業体の強化と、あるいはこれからのベンチャー企業や、あるいは新しい環境リサイクル型への展開についてでございますが、現在中小鉄工業界においてもグループ的な一定の仕事のやりとりがあるというふうに伺っております。こういった動きを重視しながら、それぞれの意欲として環境産業など新しい業種への展開を考えている業者の皆様方に前向きに情報交換、情報提供を行い、また企業体の中心となるような企業が、数多く輩出されることが重要であるというふうに思っております。
行政といたしましても、先ほどから申し上げている東予産業創造センター、あるいは新居浜工業高等専門学校、また住友企業が持っている技術的ノウハウ、そういうものを連携していただけるような場づくりや提案を行い、市内中小企業が求める情報や提携先を積極的に紹介をし、事業展開を支援してまいりたいというふうに考えております。
次に、介護保険についてでございますが、まず市町村が独自で行う低所得者への減免に対しては、国が示す考え方は、減免相当分に対し一般会計からの繰り入れを行えない場合は、県に設置されております財政安定化基金からの貸し付けを認めております。しかしながら、この場合、貸付金を保険料で償還しなければならないため、次期保険料の見直しのときに保険料の上昇につながることになります。また、一般会計から繰り入れを行った場合は、繰り入れ相当分は貸し付け対象とはならず、将来一般会計圧迫の要因になることが予想されます。
いずれにいたしましても、低所得者への対応を考える市町村にとってはその手法の選択に非常に苦慮する状況になっております。私といたしましては、介護保険というのが応益負担ということを基本にした制度になってまいりましたが、新居浜市民の皆様方の生活実感、あるいは実態というものに基づく応能負担の考え方も取り入れることは必要であると思っております。
一方、一般財源を投入する減免制度は好ましくないという国の指導への対処、あるいは低所得者の範囲をどうするのか、財源確保をどうしていくのか、このことについてはもう少し検討の時間をいただきたいと思います。
したがいまして、今後これまで寄せられました利用者、あるいはサービス提供者、そういう皆様方の御意見を聞きながら低所得者対策については来年3月をめどに一定の方向をお示ししたいと考えております。
次に、環境行政への取り組みについてでございますが、現在私たちが直面している環境問題は広範囲で、また次の世代に影響を及ぼすおそれがあり、長期的な視野で取り組んでいかなければならない問題になっております。21世紀は環境の世紀というふうに言われるように、地球規模で考え、また足元から取り組むということが必要であり、従来からの環境関連の法規制だけでは解決できない実質的な環境改善への取り組みが重要になってまいります。身近な自然を重視し、自然と共生することにより市民の環境に対する意識を高めることは環境問題解決の第一歩になると考えております。私たちの先人がふるさとを愛し、自然を大切にした生活に学んで、例えば御提案のあった花や木を植えての環境美化、環境保全対策も私たちが取り組むべき課題ではないかと思っております。
このようなことから、市民、行政、事業者が一体となって新居浜市全体として環境意識の高揚が図れるように取り組んでいきたい。つまり理念を明確にしながら具体的な地道な活動も進めていくというふうに思っております。
今後におきましても、環境面でのまちづくりの目標となります環境基本条例の制定や具体的な取り組みをまとめた環境基本計画の策定に向けて市民の参加を積極的にいただき、美しい新居浜市づくりを目指したい、このように考えておりますので、今後とも御指導をいただきたいというふうにお願いを申し上げます。
以上、申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足いたさせます。
○議長(世良賢克君) 西原教育長。
○教育長(西原洋昂君)(登壇) 仙波議員さんにお答えいたします。
環境行政の取り組みについてでございますが、学校給食事業から排出される残飯などへの対応につきましては、御案内のように、平成10年度に多喜浜小学校へ生ごみ処理機を設置いたしました。また、現在建設中であります中学校給食の共同調理場におきましても、食品廃棄物の再生利用並びに抑制、減量による生活環境保全のため、1日300キログラムの処理能力を有するリサイクル型の生ごみ処理機を設置すべく準備を進めております。
○議長(世良賢克君) 補足答弁を求めます。山中企画調整部長。
○企画調整部長(山中嘉一君)(登壇) IT戦略について補足を申し上げます。
各課にホームページを設置する基本的な考え方につきましては、市のホームページから課別や仕事の分野別に市民が知りたい情報へアクセスし、その情報が入手できるようにしたいと考えております。例えば、行政改革を検索すれば行政管理課につながり、また紙おむつの給付について知りたい場合は保健と福祉のサービスを検索すればその情報が見られるよう、各課ごとに市民が必要とする情報を市のホームページに提供できるよう、職員の人材育成とあわせまして庁内体制の整備を進めてまいりたいと思います。
○議長(世良賢克君) 神野保健福祉部長。
○保健福祉部長(神野彰君)(登壇) 介護保険についてのうち保険給付に対する一般会計の繰入事業費について補足を申し上げます。
介護保険制度では、仮に介護給付及び予防給付に要する費用に不足が生じた場合には、財政安定化基金からの交付及び貸し付けにより対応することとなっており、原則として一般会計からの繰り入れは生じないものとなっております。
次に、保険給付の執行状況につきましては、平成12年度介護給付費予算額49億7,952万円に対する歳出の割合は、毎月予算総額のほぼ8%程度で、今年度末には予算額の90%程度の執行になるものと推定いたしておりまして、ほぼ順調な介護保険会計の運営がなされているものと考えております。
○議長(世良賢克君) 高橋産業振興部長。
○産業振興部長(高橋鎮雄君)(登壇) ものづくりのまちについて補足を申し上げます。
新居浜工業高等学校が実施されている車いすの修理は、学生のときから物づくりに親しむことに加えて地域社会のみならず国際社会に貢献する活動であり、韓国からも地域の特色が生かされ、風土に合った地域づくりの例として評価されていると伺っております。このような活動は、本市の高齢技能者や企業と協力すれば、例えば乳母車や簡単な電化製品の修理にまで広げていくことも、さほど難しいことではないと思いますし、また地域社会にも大きく貢献する、まさに工都新居浜にふさわしいまちづくり活動でありまして、ひいては技能、技術の継承や福祉環境産業創成への実験事業ともなり得るものと思いますので、行政としてもぜひ実現させていきたいと考えております。
以上で補足を終わります。
○議長(世良賢克君) この際、暫時休憩いたします。
午前10時58分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午前11時08分再開
○議長(世良賢克君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
鈴木連太郎君。
○25番(鈴木連太郎君)(登壇) ただいまより一般質問を行います。
まず初めに、さきの市長選の結果、佐々木龍氏には第19代新居浜市長に就任されましたこと、改めてお喜びを申し上げます。
まじめで誠実な人柄、真摯な政治活動、マンネリを打破し、市政に新風を吹き込もうとするその心意気、果敢な行動を高く評価し、敬意を表したいと思います。今日ただいまのその清新、はつらつとした思いを生涯かけて持ち続け、市政の進展に力の限り邁進されますよう心から念願いたします。ただし、私は議員でありますので、市長の行動判断には是は是とし、否は否として発言をいたしますので、あらかじめ承知おきを願いたいと存じます。
質問に入ります。
まず、新市政誕生と市政の今後についてお尋ねいたします。
初めに、今回の市長選挙についてであります。大変厳しい選挙戦であったと思いますが、どんな思いで立候補を決意されたか。また、市民は佐々木候補に何を期待し、前伊藤市政をどのように評価し、今回の結果を迎えたか、お考えをお尋ねしたいと存じます。
前市長は、現職でもあり自民党ほか強力な支援体制を整え、16年間の実績を踏まえ、多分に有利な選挙戦を展開していたかに見えました。一方、長野知事選ほか多くの地方選挙、国政選挙の流れもありましたが、佐々木候補には無党派的選挙、また市長選とも思えぬスケールの小さい選挙戦に終始したように思います。大方の市民には、まさかと思える結果となったかと思いますが、市民はこの選挙をどのように判断し、佐々木候補に新居浜の将来を託する気になったか、率直なお考えをお尋ねいたします。
次に、市長選に関係して新居浜市政の流れについてお尋ねいたします。
新居浜市は、昭和12年市制施行、初代白石誉二郎市長以来、9代小野市長までほぼ一貫して保守系市長に終始しましたが、泉市政となって社会党革新市政が20年間続きました。前伊藤市政は保守自民党系であり、今また無党派とも言える佐々木市政が誕生しました。時代の流れかも知れませんし、長い年月、終始一貫するというわけにもまいらないとは思いますが、新居浜の現況に照らしてもよい結果を生むとは言いがたいと思います。市長がかわるごとに市政の方向が大きくぶれるようでは市民も職員も戸惑い、力を結集することはできません。これらを市長はどう考え、市政のかじ取りをどのようにされようとしているかお尋ねいたします。
次に、市長の今日までの政治行動と今後の市政運営についてお尋ねします。
佐々木市長は、従前には私たちと同様、自民党、旧自民クラブにも在籍し、行動をともにしたこともありましたが、近日の市長の発言、議会活動等を見ておりますと、福祉、障害者対策、庁内改革等が大半であり、言動もその方面に大きく傾斜していたように思います。一方、まちづくり、産業経済政策等についてはほとんど聞いた覚えはありません。このことは、さきにも申しました。また、今回選挙を振り返っても、ボランティアと申しながら、そのような方面の人々、また組織、団体などの支援も強力にあったものと思います。政党関係との政策協定は一切結ばないとのことでありましたが、特定の政党関係からも多くの支援を受けたと聞いております。
これらのことから、新市長の今後の政治活動、市政の展開には一定の方向が好むと好まざるにかかわらず存在することになるのではないかと思います。市政が、以上の方向へ傾くのはむしろ自然ではないでしょうか。だれしも経験していないことは不得手でありますし、経験したこと、得手の方向へ目が向くのもまたごく当たり前です。議会活動の中では、特定分野に勢力を集中することはあってしかるべきでしょうが、市長となると市政全般に意を注がねばなりません。その辺のところを市長はどのように考え、対応しようとされているかお尋ねいたします。
また、現在、前伊藤市政16年を経た今日でも、泉市政の影響を色濃く残しております。一例が、民生費の予算の占める割合です。11年度決算で31%でありますが、県下はもちろん、全国的にも大変高い数値であります。
私の論点は、皆さんもう御承知と思いますが、福祉をないがしろにせよと言ってるわけではありません。先日、委員会で金沢市の視察に参加しました。12年度当初予算を見せていただきましたが、補正はあるわけでしょうが、以下申します。
民生費17.3%、商工費10.1%、土木費23.8%、教育費11%。翻って新居浜市を見ますと、11年度決算で民生費31.4%、商工費3.5%、土木費11.4%、教育費8.2%であります。金沢市の予算組みそのままではありませんが、全国的傾向にあります。新居浜市の場合は、特異なケースに近いのではないでしょうか。新居浜市の現況、近隣伊予三島市、川之江市、西条市の現況との比較の中で、市長はどのように考えられますか。
以上のことについて市長はどのように考え、今後の政策展開をされていくかお尋ねいたします。
次に、新市政と国、県との関係についてお尋ねします。
地方分権が言われ、また合併論議も盛んでありすが、今日でも地方交付税、国庫支出金、県支出金、高齢各種支援等により地方自治体市町村にとっては国、県の意向を無視して行政運営はできません。国、特に県との関係が市町村にとって重要であります。国への陳情は、県を通さねばなりませんし、その県と市町村との間に自民党が介在します。さきにも、県との良好な関係を失ったために、大変厳しい立場に立たされた町が県内にも数所実在しました。当市も、一時その一つであったことは御承知のとおりでありあます。また、県下でも、昨年金銭に絡んで消防団体、農業団体、また建設業界においても、県、加戸知事から相当の非難を受けたこともありました。最近では、南予のダム建設に関して、反対するなら将来洪水が起こっても国、県の責任を問うなとの趣旨の発言がなされたとされ、その後、ダム建設に慎重、もしくは反対の立場の流域市町村も賛成の方向性を示し始めたことは御存じのとおりであります。市町村にとって県は、今もって強大な権力機構であり、本市でも県の上意下達の体質は何ら変わっていないとの指摘もあります。11月市長選では、加戸知事も、自民党県支部ともに前伊藤市長を応援しました。その中で、対立する佐々木新居浜市長が誕生しました。新居浜で泉市政20年の例もあります。いつまでもこの国、県のあり方が続くとは思われませんが、現実に大変懸念されるところであります。
新市長には、どのように対応していかれるかお尋ねいたします。
次に、新市政の庁内体制と組織運営についてお尋ねします。
新居浜市は、正規、臨時などを含め1,500名、外部委託も含めると1,800名を超える人員を抱えるでしょうか。民間大企業、住友諸企業にも匹敵する大規模組織体であります。これだけの大規模組織を運営するためには、それなりのノウハウ、相当の経験が必要でありますが、通常、民間企業では内部で業務、組織運営の経験を積み重ねながら、能力もあり選ばれた人がトップに立つわけであります。
一方、自治体の場合、選挙によって外部から選ばれて就任するケースも数多くあります。前市長も、今回佐々木市長も同じであります。
しかし、外部から当組織体と無関係にトップに就任することは、今も申しましたように、特殊な例を除いて民間ではまず例はないと思います。庁内には、多くの人材もおり、組織機構も整えられておりますが、いずれにしても市長は単身この組織のトップに立たれたわけであり、これだけの人員、組織を動かし、市長の意に沿い、公約を実現し、市民の幸せを築いていくことは並大抵のことではないと考えます。
市長には、どのような方策を立て、この人材、組織を動かし、市政の進展を図っていかれるおつもりか、お尋ねいたします。
次に、佐々木市政の目指すものについてお尋ねいたします。
市長、先日の所信表明の中で、新居浜市は一つと実感できるまちづくり、そのための市民参加と情報公開を進めたいと言われました。そのほか、福祉、教育、経済、IT化の推進、まちづくりなどにもふれ、また公約でも施策、事業を掲げられました。往々にあることですが、中にも選挙向けとも思われる言葉も見受けられました。それはいたし方ないかもしれませんし、佐々木市政の方向なり全体像が見えるのはまだ先のことかもわかりませんが、最初が肝心であります。スタート時点でしっかり柱を立てておきませんと効果的でありませんし、業績も上げられません。新居浜の現況は、大変厳しいものがあります。市長の得意とする福祉関係はともあれ、まちづくり、町の姿、地場産業の経済にいたしましても五里霧中の中にあり、近隣市などに比べましても厳しく指摘を受けております。
一方、我が国の長引く不況の中、人々は前途に大きな不安を抱えながら戸惑い、うずくまり、毎日の生活を心配の中に送っております。これは、単に不況のみではなく、20世紀に築いた社会、政治経済、科学技術等に人間生活のあらゆる分野に人々は底知れぬ不安を感じているためとも言われます。科学にしても、ITだ、ロボットだ、遺伝子だ、バイオだと言われますが、コンピューター一つとってもその世界は今日ではブラックボックスだと言われております。これらの先端技術は、本当に人々に幸せをもたらすものか、あるいは人類を滅亡へ導くものかとの論議さえ今日では出始めております。これらの不安が、今日の不況の大きな要因でもあり、人々の行動、子供たちの理解しがたい事件とも結びついているとも言われます。私たちは、人間の自然に帰らなければならないとも言われておりますが、佐々木市長は新居浜市の現状、この社会の現況をどのように理解し、新居浜を端的にどのような町にしたいと考えているか、市民にわかりやすく説明をいただきたいと存じます。
また一方、新居浜は南に四国の山々、北に瀬戸の内海を控えた風光明媚、気候温暖な私たちの誇りとする郷土であります。何とかこの町をよくしていきたい思いは一つであろうと思います。佐々木龍氏も不退転の決意でこの新居浜市長に立たれたと思います。全身全霊をささげ、親身をなげうってこの新居浜のために尽くしたいとの決意で市長職を求められたものと思います。改めて、決意と覚悟のほどをお伺いしたいと存じます。
次に、行財政の問題のうち、まず行政の適正規模及び伴う適正な職員数、従業者数などについてお尋ねいたします。
今日、新居浜市に限らず、市町村の行政事務は拡大の一途をたどっております。税収不足が言われ、行財政改革も叫ばれますが、一向にその実効性が上がりません。住民要望、地方分権などに伴う事務量の増大もありますが、税収も無限大に上昇するというわけにはまいりません。大きな政府、小さな政府の論議もありますが、日本の国情、体制、また生活全般にわたって自己責任が求められる時代の中で、行政も歯どめなき拡大は許されませんし、一定の規模におさめる必要があります。本来、行政は市民生活の主体ではなく、市民生活をバックアップする組織機構のはずであり、市民生活の主体は市民みずからであります。このことの認識が、最近、市民、行政ともに忘れがちのように思います。
以上のことから、行政もその適正な規模を確保し、伴う適正な職員数、従業者数を求める必要があると考えます。そのための今日時点での市行政事務の精査を行い、その要、不要を十分に判断し、その積み重ねの中で市行政全体の適正規模の算出がなされてはいかがでしょうか。また、そのことから職員1人当たりの事務量も的確に判断し、全体の必要職員数、従業者数の算出がなされるべきと考えます。今日の新居浜市の定数不拡大方針も全く有名無実であり、市業務の範囲も全く不明確であります。市当局でもそのことを認識し、その準備作業はなされていると聞きますが、現状をどのように考え、また対応をされようとしているかお尋ねいたします。
次に、政策評価、行政コスト計算についてお尋ねいたします。
政策の適判断は、ただいま申しました行政の適正規模とも重要なかかわりがあり、そのための政策評価は不可欠であります。国も、明年1月から全面導入、都道府県では既に8割方導入され、当市でも98年末より運用が開始されております。事業の必要性、妥当性、達成度、費用対効果、市民の満足度などについて評価がなされると思います。手法等について困難な面もあると考えますが、試行錯誤を繰り返す中で内容のあるものにでき上がっていくものと思います。また、このことによって施策、事業の選択基準が明確になり、政策、事業の取捨選択が容易になるものと思います。このことから、市長の市政推進にも大きな影響を及ぼすものと考えます。影響及び今後についてお尋ねいたします。
次に、行政コスト計算についてであります。これも、民間ではごく当然のことでありますが、行政においても投資額、もしくは必要経費に伴う収入額、結果、差額に対する市費の投入額、すなわち赤字か黒字かなどの収支計算であります。
例を挙げますと、市営住宅です。土地、地代など及び建設費、維持管理費などのコスト、マイナス家賃総額イコール差額、すなわち赤字であれば税の補てんとなります。これらは比較的簡単でありますが、その他の施策事業についてもコスト計算は仕様により可能と考えます。今、行政各分野でむだ、不要が多く目につきます。
例えば、今進行中の中学校建設です。坪単価、ちょうど100万円で計算されます。民間マンションであれば40万円、高くても50万円ほどです。どっから坪100万円が出てくるのでしょうか。また各種補助金などのむだも多過ぎます。査定し、計上し、交付開始後も支給がなされておりません。当該団体が支給申請をせず、交付を受けていないわけです。理解に苦しみます。もっと目のつんだ行政運営、予算執行が強く望まれますが、そのためにも行政コスト計算は大きな手段です。どのように考えますか、対応等あればお尋ねいたします。
次に、行政の財務処理についてお尋ねいたします。
民間手法であります資産負債資本の貸借対照表、収入支出経費、差額赤字であれば借り入れ増ともなる損益計算書など、今日では行政でも必須のものと言われ始めました。市長の唱える行政の透明性、情報公開のためにもぜひ必要です。また、行政への単年度会計にも今日大きな矛盾が出てきました。使い切り予算のために収入増のときに行政は肥大化し、収入減のときに縮小はされず税収不足と言われます。収入増のときに歯どめをかけず、拡大の結果、行き詰まり、倒産に至った例は民間でもそごうに限りません。行政も倒産があり得る時代と言われることになりました。いかがされますか。
以上について市長のお考えをお尋ねいたします。
次に、公共事業に伴う問題であります。
まず、公共事業の見直しについてお尋ねをいたします。先ごろ、国においても公共事業の中止、見直しが強く論議されました。限度ある予算の中で、より有効に施策、事業を展開し、市民要望にこたえるためにも従来型のスクラップ・アンド・ビルド、あるいは新規建設についても見直しが迫られております。中には、使い古した施設などもありますが、耐用年数半ば、まだまだ耐用できると思える施設なども新改築される例は当市にもあります。現施設でも、改修その他により有効に、また十分に機能が果たせると思われるものが多くあると思います。国、県との関係、また当市独自の取り組みなどについてお尋ねいたします。
また、計画街路についても、さきのマスタープランもありますが、百年河清を待つ感じで、特に新居浜では一本の道路さえ容易に完成いたしません。抜本的な見直しが必要と感じますが、いかがでしょうか。見解をお尋ねいたします。
次に、入札問題についてであります。
入札制度については、近年順次改革がなされております。指名入札から一般競争入札、落札下限の廃止、予定価格の公表などもありますが、一方で入札に関しての事前協議も今日なおマスコミ紙面などにあらわれます。また、ある業界では基本設計段階から市の意向がそんたくされ、最終工事業者まで特定される流れがつくられるとの話も聞きました。その中で、先日来、市の中間処理施設についての問題が新聞ざたとなりました。113億円、201トン、基本設計8社中6社の工事入札参加。入札参加経過の中の要件が、5年間あり10年間もある。申請書提出が市長選を挟んでいるなど、不作為か作為か判然としがたい思われる節もあります。近年にない大型事業でもあり、より十分で慎重な対応が望まれるところですが、私は、語弊があるかもしれませんが、なぜもっと上手にやれなかったのかと思います。ただいま、この質問の中でも申しましたが、市の商工費の例を見るまでもなく、当市の商工政策は全くおざなりと言っても過言とは思われません。日ごろの産業経済の振興、地場中小企業などの育成の観点も皆無に等しいと言っても言い過ぎとも思いません。そのことは、また、今日の近隣市との落差にあらわれているのではないでしょうか。今日までの施策、各種対策、認識、ノウハウの積み重ねの不足、経験不足が今回の問題につながっていないでしょうか。
これらの問題について、市長、担当部、関係部課など、どう捉え、今後どうされていくのかお尋ねいたします。
次に、市町村合併についてお尋ねいたします。
前々より道州制、市町村合併、各種レベルで論議もされ、当議会でもしばしば話題となりましたが、この近く、合併問題が急速に現実味をおびてまいりました。特に、ことしに入り国、自民党、自治省が市を主導する形で合併特例法2005年時限が強調され、市町村は否応なく合併への取り組みを進めねばならない時代となりつつあります。
しかし、市町村合併は単なる人為ではなく、時代の必然でもあります。今日のように交通、通信が発達し、人々の生活圏が拡大する中では市町村の壁は人々の生活に大きな障害となりつつあります。
また、一方では行財政的にも市町村の合併は避けて通れません。すべてベターではありませんが、よりよい合併への取り組みが求められます。しかし、現在の急速な合併推進は、多くは国、県の主導であり、一方的、強制的とも思える促進策が打ち出されております。交付税の減額、補助金の打ち切り、また、さきの県による合併パターンの試案であります。問題発言が多いと思われる加戸知事は、この点に関しても試案はどうしても応じられないという強いアレルギー反応がなければこの案で要綱を示すとか、また合併すれば県は最大限の支援をするが、合併に応じなければ支援の順位は落ちるとの趣旨の発言もしております。試案では、新居浜に合併の相手はありません。
一方で松山市は、周辺市町村、市町との合併が試案にあります。100万都市の布石でしょうか。そうでなくとも、愛媛は人口に限らず、あらゆる面で松山一極集中であります。国土、県土の均衡ある発展のためにも、合併の後にも2ないし3万の町と100万都市を目指す市が県内に存在すべきではないと考えます。他市のことでありますが、松山こそ人口増ではなく、水問題のためにも、人口も公的施設の地方分散、南予等へ返すべきと考えます。合併は、たび重ねてできるものでもありません。これらのことから、21世紀100年の大計として現在の地方局管内を基礎とする東・中・南予、6分割6圏域が最も望ましい姿と考えます。
また、国の合併支援策も決して感心できません。例えば、合併特例債です。一合併で市町村に100億円から数100億円の特例債が認められるとのことですが、国は地方交付税で補てんすれば国は破綻し、補てんしなければ地方に借金の山ができます。また、一方、市町村合併が切迫するまで、当市においては何の対策も講じられず、その実績もありません。たまたま別子山村に対して取ってつけたようなことが報じられたのみです。他市等では、着々と実績を積み重ねておりますが、広域圏事務組合にしても、組合長市でありながら長年何の行動も起こしておりません。そのことが、今回の合併試案にも示されております。
以上、申し述べましたが、市長ほか理事者の皆さんは21世紀の新居浜の命運を左右するとも思われるこの合併問題についてどのように考え、行動されようとしているか、その展開についてお尋ねいたします。
以上で私の第1回の質問を終わります。
○議長(世良賢克君) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍君)(登壇) 鈴木連太郎議員さんの御質問にお答えいたします。
まず、今回の市長選挙についてでございますが、言うまでもなく、選挙についてはいろんな要素、あるいは分析をされる方がいらっしゃいます。また、俗に戦術、戦略といったことが強調されますが、私は今回の選挙ではどの政党、団体とも政策協定を結ばず、市民党の立場を明確にし、選挙のやり方が政治のやり方を変えるという基本を崩さず、かたくなとまで言われましたが、それを押し通したことにある種の共感を持っていただいた方が多かったと思っております。
さらに、これは日本全体の問題でもございますが、時代の閉塞感、あるいは停滞感、そういうものを何とか解消してほしいというお気持ちの方が、多かったと思っております。
また、現行の選挙制度の中では、安定継続を選択するよりも変革を求めるには大きなエネルギーが必要であったというふうに認識しておりますので、そういう皆様方のお気持ちを無にしない市政運営を行ってまいります。また、もとより選挙というのは代表を決める方法ではございますが、決まった以上、新居浜市民すべての代表でございますので、そういう気持ちは一番の原則として持ち続けてまいります。
次に、新居浜市政の流れについてでございますが、基本的にはそれぞれの時代において、市民の皆様が望み選んだ選択であったと考えております。泉市政、伊藤市政ともそれぞれその役割を果たされてきたものであり、私も公約に基づき任務を全うするという気持ちだけでございます。
また、国においては、この10年間、多数の政党がいわゆる与党の経験をするなど、イデオロギー的な論争の時代は終わりになってきているというふうに認識をしております。特に、地方自治体においては、市民の最大幸福を求めるということにおいては一貫性が必要であるというふうに考えております。
次に、私のこれまでの政治活動と今後の市政運営についてですが、御指摘のように、議員時代の活動につきましては、すべての分野について勉強する努力を重ねてまいりましたが、議会の質問では先ほど御指摘のあった福祉、教育、あるいは行政改革、そういうことの質問が多く、また日常活動などからそういうイメージがおありでないかというふうに思っております。
しかし、今度の選挙を通じて市民の各界各層の皆様と多く知り合うことができましたし、公約をつくる前にも、私は一度自分の気持ちの中でこれまでの考え方を白紙に戻して、もう一度市民参加で選挙公約をつくってまいりました。そういうことが大変私にとって貴重な経験であり、今後に生かされるものだというふうに思っております。
今後におきましては、多様な市民の皆様、これまでおつきあいのなかった皆様方とも多くお会いをする機会があると思います。そういう皆様方との出会い、接点を政策決定に生かしていく、自分を高めていくために生かしていくということをしながら、また行政のプロである市の職員をスタッフとして、よりその能力を活用していただけるようなそういう方向を考えております。
次に、国、県との関係でございますが、市政を推進するためには、また現在の地方自治の制度の中から当然市ですべてを決定し、実施をすることは不可能であります。そういう意味で、国や県に対して指導をいただいたり、あるいは御相談をするということは当然であるというふうに考えております。そういう意味もありまして、初登庁以来、加戸知事を初め県の幹部職員、国の出先機関を訪問いたしました。また、市長の用務も兼ねて上京いたしまして、県選出の国会議員の皆様やまた中央省庁へのごあいさつも申し上げ、新居浜市のために頑張るよう激励もいただき、協力を惜しまないというお言葉もいただいております。それぞれの皆様が政治家として、政党人としてお考えになる立場と、地域で選ばれた代表としてのお立場というものはまた違う面もあろうかと思っておりますし、私の方に何のこだわりもございませんので、新居浜市のためにすべての皆様と手を携えていけるし、またいただけるというふうに信じております。
今後におきましても、地方分権時代にふさわしい提案や提言、行動を見ていただくことで信頼される関係を築いてまいりたいと思っております。
次に、新市政の庁内体制と組織運営でございますが、新居浜市の活性化はやはり市役所の活性化から始まるという考え方から、職員の持っている能力、経験を十分に、存分に発揮していただきたいと思っております。
また、私自身幸いに14年間の議員生活がございましたので、単身で乗り込んだという意識は余り持っておりません。職員、あるいは議員の皆様方のこれまでのつきあいが大変私にとってありがたい財産になっており、そういうものもこれからの運営の中で生かしていきたいと思っております。
ということで、職員参加と庁内の情報公開ということを職員に示し、議論を重ね、やる気を引き出して職員とも気持ちが一体となった行政運営を行いたいと思っております。そのために、職員からの提言を受ける準備をしております。
また、これまで行革大綱や、あるいは事業評価システムなどの先進的なシステムが制度的には導入をされておりますが、それらをもっと活用し、あるいは魂を入れて庁内での政策決定過程の透明化を進め、庁議や企画財政会議のあり方についても改善すべき点は改善していきたいと考えております。
次に、佐々木市政の目指すものについてでございますが、私は新居浜市を市民一人一人が自信を持ってふるさとを誇りに思えるような町にしていきたい。優しさとたくましを兼ね備えた、市民が自立しながら、お互いが支え合う社会を目指しております。
また、21世紀において求められるのは、1つは自然に帰る、自然の中の一員としての人間をもう一度思い返す。
また、科学や技術の発展が20世紀において戦争や破壊のために使われてきた、そういう歴史の反省からもっと市民の幸せや産業の発展のためにつかっていく、科学や技術に使いこなされるのではない社会をつくっていく。
また、3つ目には人の優しさ、たくましさ、本来持っているそういうものをもっと引き出し、あるいは備えていく、そのためには生涯学習という中で子供から高齢者の皆さんまで生涯学習を重ねる中で人間の優しさやたくましさというものを身につけていただきたい、身につけたいというふうに思っております。
具体的に施策について申し上げますと、産業政策では物づくりの町という原点に戻って成長が期待できる環境や福祉などの新規事業の創出やベンチャー事業への支援を現状の支援とともに進めてまいります。
また、教育、福祉施策については地域全体で支え合うという理念で、教育改革に向けた地域の中の学校づくり、高齢者や障害者が住みなれた地域で安心して生活できる福祉のまちづくり、総合条例の制定、環境政策では、市役所が率先して範を示すため環境基本条例の制定や、一方花づくりなどの地道な活動に対する参加、支援をしていきたいと考えております。
都市基盤整備政策については、新居浜駅周辺の整備、あるいは南北幹線道路の整備が優先だと考えております。
IT活用政策については、医療、福祉、教育、産業など、すべての分野で市民が恩恵を受けられるように、道具として使いこなせるようにしていきたい。また、愛媛県の情報スーパーハイウエー構想の活用や市民サービスの向上を目指した市役所の電子化などを進めてまいります。これを実現するに当たりましては、議会での議員の皆様との議論、御提言、市民参加を基本として、またその議論をしていただくための情報公開が、情報提供が必要だと思っております。
リーダーシップにつきましては、町の主役は市民であり、市民や議員の皆様方が何を考えどうされているかということに対して、常に耳を傾けることが必要であると、基本であると思っております。
また、一方、自分自身の考え方を明確にお示しをして議論を重ねた後、最終的にはみずからの責任で判断をし、行動するということが重要であるというふうに思っておりますので、今後とも機会あるごとに市民や職員、議員の皆様方との議論やコミュニケーションを深めていきたいと思っております。
次に、行財政の問題のうち、まず適正な職員数、従業者数でございますが、職員数の把握については常にコスト意識に基づいた自治体経営を目指し、行政需要の変化に的確に対応し、高い技術の行政サービスを提供するための人材を活用するというのが定義であろうと思っております。平成10年度から新居浜市定員管理執務要綱に基づき、中長期的な展望に立った事務量調査によって定員管理を進めてきております。平成12年度末には、平成11年度から15年度までの定員適正化5カ年計画を作成し、また平成11年度末にはその計画を1年ローリングさせて計画を策定しております。今年度におきましては、平成13年度から17年度までの5カ年計画の年度内作成を目指しております。
今後におきましては、行政の守備範囲の問題を十分に検討し、事務量調査内容の改善によって、より適正な職員数の把握ができる定員管理の手法に努めてまいりたいと思っておりますし、定員管理は人事管理や、あるいは予算管理と本来連動していかなければなりませんので、そういった視点を持った定員管理をしてまいりたいというふうに思っております。
次に、政策評価と行政コスト計算についてでございますが、新居浜市の実施している事務事業評価システムについては、職員の政策形成力や市民への説明責任能力の向上を目的として平成11年度より導入されています。具体的には、目的の明確化、必要性の精査、成果の指標化、効果の測定などを行うとしておりまして、新規事業の採択を決定する企画財政会議や予算編成時に活用しております。
しかし、まだまだ事業の取捨選択に十分に生かされているとは言えず、試行錯誤を繰り返している段階ではありますが、これらのことが、所期の目的が早く発揮できるように改良を加え、よりよい制度として定着させたいと思っております。
次に、行政コスト計算及び行政の財政諸表につきましては、バランスシートの導入については景気低迷による地方財政の逼迫がより進み、コスト感覚を取り入れた企業会計の視点に立った効果、効率的な行財政運営を行う上で非常に重要であるというふうに思っております。その作成手法についても、本年3月、自治省から出された地方公共団体の総合的な財政分析に関する調査研究報告書の中で、対象となる会計の範囲、資産の評価や減価償却の方法等について統一した基準が設けられ、作成マニュアルも示されております。
本市におきましても、来年度、自治省から示された作成マニュアルに基づいたバランスシートを作成する方向で、現在その作成に必要な決算統計の基礎データの収集、他市の取り組み状況、その活用方法について調査検討を進めております。また、このバランスシートの導入にあわせて損益計算書や公営住宅、保育園等の施設ごとの行政コストの計算書につきましても、可能なものから鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
また、バランスシートの考え方と別にいたしましても、一般会計、特別会計、企業会計、公社、あるいは外郭団体、そういうものも含めた新居浜市政にかかわるすべてを連結決算的なものでまとめた仕様を示すべきではないかというふうに考えております。
公共事業の見直しについて、まず基本的な考え方を申し上げますが、公共工事、公共事業は本来民間資本ではできないもの、国民生活の基本的なところにかかわるものを公共によって行おうとするものであり、経済、合理性だけでははかれない要素があると思っております。そして、豊かで便利になった国民生活の向上に大きな役割を果たしてきたと認識をしております。ただ、昨今の見直し論議が起こっているのは、一つには財源論から、また環境保護の面から、あるいは余りにも長期にわたる計画のために社会情勢の変化により意味が、あるいは役割が変化しているものがある。さらに、現実にできたものが所期の目的を果たしていないと思われるものもたくさん目につく。そういうことが見直し論の根拠だと思っております。その判断というのは、国、県、市、それぞれの権限によって違うところもございますし、地域間の格差もあることから、その受け取り方もまた違ってくると認識しております。
いずれにいたしましても、今申し上げたような疑問点があれば十分に説明をし、また将来予測についても納得できる理解を得ながら進めていくことが求められると思っております。また、これからは従来のイメージが強かった道路や港湾、ダム、そういうものに加えてIT関連や福祉や教育、そういうものの公共事業もまたふえてきているというふうに認識をしております。
本市におきましては、長期総合計画を基本といたしまして事業の必要性や重要度、優先度、緊急度、あるいはランニングコストなどについて議論を踏まえ、3カ年実施計画の策定段階でも慎重に検討し、具体的な事業の実施を決定しております。また、事業評価システムを導入し、評価基準を定め、効果を指標化し、客観的な評価によって事業の見直しを進めてまいりました。
また、県におきましては、愛媛県公共事業再評価委員会が設置され、政府におきましても公共事業の抜本的な見直し議論がなされておりますことから、これから新たな視点に立った公共事業の見直しが求められてくるということは十分理解をしております。今後、国、県への動向を見ながら主体的に本市の取り組むべき方向性を見出していきたいと思っております。
次に、施設の建て替え等についての公共事業のあり方についても、今ある施設を十分に活用する、そういうことも基本といたしまして既存施設を有効利用していきたいと思います。また、その更新に当たっては、施設の耐用年数や機能、役割、運営方法、利用の状況、維持管理費、さらには周辺地域の状況も検討し、他の施設との役割分担、そういうことも明確にして重複を避け、かつ有効的な施設利用を図っていきたいというふうに思っております。
次に、市町村合併についてでございますが、いわゆる合併特例法の改正によって全国的に市町村合併の取り組みがなされております。また、御指摘がございましたように、市民生活の観点からも交通網や情報通信網が発達し、また商業圏域、あるいは通勤圏、通学圏などがいわゆる市の行政単位にとどまらない人の動きがありますことから、地方自治体においても行政改革の潮流もあり地方分権の推進、地方自治の自立も求める中、市町村合併についての真剣な議論を行う時期がまいっているというふうに考えております。その意味におきまして、愛媛県が示しております試案を見た場合、先ほども申し上げましたが、県下70市町村のうち新居浜市だけが単独で残った、このことについては、市民の間でもいささか疑問を感じるという声を聞いておりますし、プラスのイメージよりもマイナスのイメージとして受け取った皆様が多いというふうに私も認識をしております。市町村合併には、地域住民の意思が尊重されるべきで、新居浜市民、地域住民の議論を得ることが前提になりますが、将来的な新居浜市域の発展、あり方を考えると、方向や時期というものは別にいたしましても、合併について議論を行う必要があるというふうに思っております。そのために、今年度実施している新居浜市広域行政・市町村合併研究プロジェクトでの検討、庁内における情報の共有、全庁的な議論を活性化し、市民の皆様に考えていただくための情報提供へと発展させなければならないと思っております。
また、この市町村合併という問題は行政活動、市民生活に大きく影響を与えるものであり、基本的にそれぞれの住民の意思が、意識が最大限に尊重されるべきものであることから、今後市民の皆様への情報発信を積極的に行い、また市内でのさまざまな動きというものを十分に把握しながら方向性を検討してまいりたいと考えております。
以上、申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足をいたさせます。
○議長(世良賢克君) この際、暫時休憩いたします。
午前11時56分休憩
―――――――――― ◇ ――――――――――
午後 1時00分再開
○議長(世良賢克君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
補足答弁を求めます。稲見財務部長。
○財務部長(稲見重幸君)(登壇) 民生費など、予算の目的別構成比及び入札問題について補足を申し上げます。
まず、民生費など予算の目的別構成比についての御指摘でございますが、各政策の結果として積算されたもので、各都市の長い歴史的な経緯、経過も当然のことながら反映された結果も含まれております。なお、現在第四次長期総合計画を策定いたしておりますが、今後の推進において事業、施策の優先順位など、適切な選択を行ってまいりたいと存じております。
次に、入札問題についてでございますが、新居浜市一般廃棄物中間処理施設建設工事の入札につきましては、設計金額が1億5,000万円以上の工事につきましては原則といたしまして一般競争入札で執行することとなっておりますことから、11月10日に庁内に設置いたしております競争入札参加資格審査委員会を開催いたしまして、プラントメーカー、大手建設業者並びに地元業者2社の4社を構成員とする共同企業体による、12月6日を入札日とする条件つき一般競争入札として決定し、同日10時に報告をいたしました。
その理由は、12月議会への提案のためにはこの日が期限と考えたためでございます。具体的な周知の方法といたしましては、10時に公告、13時に業界紙であります建通新聞社に連絡、14時に新居浜市のホームページの掲載を完了いたしたところでございます。参加申請書の提出期限であります11月20日には、入札参加資格を有する共同企業体からの申請があり、24日午前中に競争入札参加資格審査委員会を開催いたしまして資格審査を完了し、市長決裁をいただき、13時に各共同企業体代表に確認結果の通知をいたしたところであります。同日13時30分ごろ、共同企業体に参加している地元業者3社の代表者から共同企業体から脱退したいとの届け出がございましたが、共同企業体内部の問題であり、既に参加資格確認行為も完了していることから、共同企業体の代表者と話し合うべき問題であるということから、辞退届けをお返しいたしました。その後、12月1日午前中に新聞社から共同企業体の構築について疑義があるとの詳細な情報が寄せられましたことから、12月4日、公正入札調査委員会を開催し、内容を検討の結果、入札を延期し、談合情報対応マニュアルに沿って事情聴取を行うこととなり、12月6日、7日の両日、すべての参加業者から事情聴取を行い、その結果や四国地方公共工事契約業務連絡協議会及び公正取引委員会四国支所などの御指導や御意見を参考に、公正入札調査委員会におきまして今後の対応を検討しているところでございます。
今後におきましては、この入札が公平公正に執行できるよう最善の努力をしてまいりたいと考えております。
また、地元産業育成という観念に立った工事発注につきましては、工事内容、経営規模、技術力、資格等を勘案し、これまでにも取り組んでまいりましたとおり、今後におきましても地元企業の育成にも重点を置いた入札の執行を行ってまいりたいと考えております。
○議長(世良賢克君) 柴田都市開発部長。
○都市開発部長(柴田晋八郎君)(登壇) 公共事業に伴う問題のうち、公共事業の見直しについて補足を申し上げます。
本市の都市計画道路は、昭和14年に18路線の当初決定を行って以来、昭和29年、昭和60年と2度にわたり新規決定、計画幅員、路線ルートの変更など、全面的な道路網の見直しを行い、その後、新規決定を経て、現在は幹線街路が26路線で、延長が約91キロメートル、特殊街路が2路線、あわせて28路線、総延長が約104キロメートルとなっております。これらの計画道路につきましては、将来交通量の推計、地域ごとの交通特性、各道路の機能分担などを総合的に判断して、将来の交通ニーズに十分対応し得る体系的な道路網の形成を目指して計画されるものであり、道路計画見直しの時期につきましては、道路交通量のデータ、現在事業中の国道11号新居浜バイパスや新居浜駅前土地区画整理事業に関連した街路の進捗状況などを考慮し、将来交通量を見据えて検討してまいりたいと考えております。
以上で補足を終わります。
○議長(世良賢克君) 再質問はありませんか。鈴木連太郎君。
○25番(鈴木連太郎君)(登壇) ただいま部長から答弁をいただきましたけど、予算組みについていろいろ申し上げました。しかし、部長の答弁では、市の長い歴史の中でそのようになっていったというようなお話がございましたけれども、私が言っているのは、それは現実にそうかもしれませんけれども、これが今の新居浜市としてどうなんかということ聞いているんでありまして、私から考えますと、あなたもさっき言いましたように、新居浜市の予算組みというのは全国的に比較的例が少ない形でないかと、そのことが新居浜市の現状をゆるがしているんじゃないかというようなことを申したわけでございます。で、市長が変わりましたので、そういうことについてもまた考え方もあろうかということです。今後どう考えるかということであるんだろうということでございまして、今までそうじゃからしようがない、いたし方ないということにはならないんで、そういうことからお尋ねしたんですが、改めて市長にお尋ねいたします。
○議長(世良賢克君) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍君)(登壇) 鈴木連太郎議員さんの再質問にお答えします。
予算組みの面から他市との比較で御指摘をいただき、この原因とこれをこれからどうしていくのかということではないかと思います。現状に至ったことについては、今財務部長から答弁いたさせましたが、市の福祉施設、保育園であるとか、あるいは障害者施設とか、そういうものがいわゆる直営でなされているか、委託でされているか、民間が多いか、そういうことによる差の積み重ねが、今の状況になっているという分析の答弁であったと思います。今後におきましては、その現状の分析を正しくいたしまして、その中で財政運営の中で見直すべきところがあれば見直していく、また福祉の施設の場合は財政的な論議もございますが、それぞれで入所していたり、あるいは利用している皆様にとってどういう形がいいか、そういうことも含めて見直していくということでございますから、今までの経過にすべてとらわれるというふうには考えておりませんので、そのような方向で取り組んでまいりたいと思います。
○議長(世良賢克君) 再質問ありませんか。鈴木連太郎君。
○25番(鈴木連太郎君)(登壇) ありがとうございました。いろいろ答弁をいただきました。市長の新市政誕生と今後の市政についてということについていろいろお尋ねをいたしました。新しく市長になられたわけで、しっかり頑張ってやろうというお気持ちもよくわかります。それから、若くありますし、まだまだ可能性も十分であろうと、そんな気がいたします。従前にとらわれず、新市長につかれたということで市政全般に目を通しながらやっていきたいということもよくわかります。
しかし、前もどっかで申しましたけれども、いろいろ言われることはだれしも比較的簡単でありましょう。しかし、現実はなかなかそうはいきません。現実は非常にきびしい面があろうかと思います。選挙、あるいはその公約等で言われることと現実がうまく整合しないことも多くあろうかと思います。こういう中で、例えば県との関係にいたしましても、こちらはこだわっていないということかもしれませんが、先方さんがこだわるのではないかと、そんな気もいたします。そういう中で、現実打開がどうなっていくかと思ったりするわけでございますし、市の庁内体制、組織運営につきましても自分には支援者、あるいは市民の皆さん方がおいでると言いますけれども、そういう立場というようなことと、それと庁内の先ほど申しましたけれども、1,500、700、800というような人員の方々を動かすとかということとは同じでない面もあろうと思います。非常に厳しい面が今から順次招来されるんじゃないかと、そんな気がしてなりません。ぜひともひとつ鋭意頑張っていただいて、新居浜市の将来をぜひ築いていただきたい、そんなに思います。
以上で終わります。
○議長(世良賢克君) 小野豊實君。
○21番(小野豊實君)(登壇) まずは、新市長さん就任おめでとうございます。先日来、またきょうの市長さんの答弁を聞かせていただいて、市長さんのまじめで誠実な性格に、また積極性とスピード感に満ちたお話を聞かせていただき、これからの新居浜市政は好転するものと期待しております。今後、よろしくお願いいたします。
ところで、今回の市町村合併の話でございますが、今回の市町村合併は、昭和40年の市町村合併の特例に関する法律が平成7年に10年延長され、有効期限を平成17年3月31日としたものであり、これをもとに合併の促進が促されております。そこで、平成11年7月16日に、加えて合併特例法という合併を支援するための特別措置を積極的に充実したものである法律ができました。合併の趣旨は、行政の基盤の強化、広域的な行政サービスの向上の実現、行政経費の節約、節減等の3点が強調されております。
しかし、ある地域の合併推進の地域では合併推進委員会をつくり、その中では、平成11年末に全国都道府県、市町村の地方財政全体の借入金額残が176兆円で、国、地方を合わせると、債務残高が約600兆円に上るとのことであります。国、地方を通じて財政状況は著しく悪化していることを理由に、国が台所事情から経費節減を目的として合併を押しつけようとしているのではないかというような言葉も出ているようでございます。
そこで、県においては平成11年8月に、市町村の代表者や学識経験者という10人から成る市町村合併推進要綱策定検討委員会を設置し、検討を重ねた結果、日常生活圏の拡大、介護保険等新しい広域行政課題への対応、環境問題への対応、ライフスタイルの変化への対応、技術の高度化、情報化の進展に対する対応、地域間競争、国際化時代への対応、少子高齢化社会への対応、水資源、観光、土地利用などへの対応、地方分権社会の推進への対応、それと国の調査による最も経済的なまちづくりの人口等々を想定すると、今までのような中央依存、補助金頼みの画一的な手法では対処ができにくくなるという考えになります。
すなわち、我々は地方行政としては広域的な対応が求められる課題も多くなっている今日、地方分権時代にふさわしい自治と地方行政の仕組みを形成することが大切であると考え、地域住民にもこの事情を周知し、自主自立の精神で議論して検討することが最も必要であると考えることになったとの結論になりました。
そこで、今後の地方自治の行方、方向性は分権改革の理念、自己決定、自己責任という自主自立の体制になっていくものと思われます。すなわち、中央、県から市町村への権限が移譲される方向にある。これを受け入れる行政組織と十分なる専門的能力とともに実践力、企画力のある職員の確保ができ、また現在の行政サービスの質を落とすことなく運営できる自治体制を整えることが大事である。
そこで、四国のへそに位置する我ら東予地域の各市町村は、どのような都市像を目指すべきか、考えるに、どんな合併パターンを選択すればよいか等を考えると、先日発表された愛媛県における合併パターンの試案は、四国全体の発展を考えるより、まず地域は10万人程度の都市で平均した都市づくりを目指し、県庁の所在地だけを突出した中核都市の形態を考えているように思われます。今後の都市づくりの形態は、国の配下にありながらも自主自立、すなわち自己決定、自己責任の充実した地方都市が要望されるのであります。そこで、我々は、今回の市町村合併の目的とする都市像は中核的機能充実型都市とし、東予の市町村が一つとなって、人口が20ないし30万人程度の瀬戸内工業都市形態の土台をつくるべきでないかと考えます。
そこで、我々は、四国の高速交通道路は川之江地域の近くにエックス交差して、その視点からは、四国の各県庁所在地までは1時間余りもあれば十分到達できる、まさに四国の中心地点にあります。その中心に位置する愛媛の東予地域のおのおのの市町村が団結して中核都市を目指してまちづくりを考えるべきではないかと考えます。
そこで、技術力の高度化と情報化の進展、地域間競争、国際化時代への対応等々を考えるに、まずは空港が必要であると思われます。この空港の建設をするには、最も大きな土地と資金が必要となります。そのときには、四国の中心に位置する東予地域の、すなわち瀬戸内工業都市は、県都松山にも劣らないほどの中核都市としての機能を充実した都市となっていることが必要であると思います。
そこで、当市としては、まず市民に今回の合併特例法、特に住民発議制度などの情報を告知し、周知すると同時に、現在県当局が提示した合併パターンで進行されていると思われる宇摩地区、あるいは西条、東予地区のおのおのの市町村に働きかけて、東予が一つの都市として中核都市を目指して発展する土台づくりを話し合うべきではないかと考えますが、いかがでございましょうか。
20世紀は、戦争の世紀であったように思われます。すなわち、西洋文化、キリスト文化を中心とした攻撃的思考を中心に科学技術、文化が発展しました。戦争のために開発された科学技術を平和な時代、すなわち共存共栄の社会生活向上のための技術開発に変換し、循環社会のシステムを構築するのが21世紀でないかと考えます。
そこで、文化、芸術に対しても、キリスト文化を中心に繁栄され、日本文化、仏教文化は軽視されてきましたが、平和な21世紀を迎えるとともに仏教文化を見直し、循環型共存共栄の社会構築が問われる今日、学校教育においても日本文化、仏教、すなわち仏教絵画、書道、浮世絵など、また笛、太鼓、三味線、琴などの日本古来の文化、芸術の理解を高めるため、その聞き方、鑑賞の仕方等の基本を教育すべきでないかと考えます。
また、以前の市長さんが大学の灯は消さないと頑張っておられましたが、人は生涯、学習行動を行い、自分の教養を高め、生活環境を向上させ、社会活動を推進して、よりよい社会づくりに貢献するものであります。そこで、社会人にも学習機会を持てるように夜間大学とか通信大学等を設置することで、市内の社会人、大人が学習する意欲を持つことになるのではないかと。すると、町全体に学校、あるいは学生の町という雰囲気ができることになります。そうすることによって、大学の設立、あるいは自立の気運も高まってくるかと思われますが、2002年より完全週5日制となることにより、ゆとりの教育ということがよく言われておりますが、そもそもそのゆとりの教育というものを考えるに、十分理解ができにくいのであります。具体的にどう考えればよいか教えていただければと思います。
駅前の開発においては、現在進行している駅前土地区画整理事業は続行されるものと考えますが、なお引き続き並行して、南側の整備及びJR鉄道の高架、すなわち駅裏、表の一体化構想を計画し、実現に向け進めてほしいのであります。そこで、JR鉄道の整備事業でありますが、四国、瀬戸内の将来を考えるときに、近い将来新幹線が走る話もあり、また瀬戸内工業地域の発展等を視野に入れると複線化の方向を考えるべきでなないかと考えます。市内のJR駅は、東には多喜浜駅、西には中萩駅があります。これらの範囲の鉄道の区間は複線化することにより、列車の時間待ちもなくなり、また東西の両駅を貨物駅としても利用することができるのではないかと考えます。
きのう、12月11日の6時のニュースで、四国のどっかの議員さんが今月5日、自動車の運転中交通取り締まりに遭い、道路交通違反で、酒気帯び運転ということで道路交通違反をされたことは政治倫理上悪いことであると感じたので、12月議会で謝罪しましたというニュースを聞きました。
ところで、前議会、9月議会でだれかが質問した手をつなぐ親の会の事件についての答弁では、懇親会費、参加費等々、精算したことの結果、文書で関係者におわびしたとの報告であった。
次に、平成10年度の事業報告及び決算書は適正に処理されているものと確認したとのことでありましたが、そのおわびと詳細報告書を見た後での関係書類の精査であったのかどうかをお聞かせいただけたらと思います。
これで質問を終わります。
○議長(世良賢克君) 答弁を求めます。佐々木市長。
○市長(佐々木龍君)(登壇) 小野豊實議員さんの御質問にお答えいたします。
まず、市町村合併についてでございますが、新居浜市を含むこの東予地方が御指摘のように、高速交通網である松山自動車道のインターチェンジや経済活動を支える港湾、貨物拠点、あるいは特急列車が止まるJR駅を複数有するなど、基本的な基幹的な交通の整備がなされ、また瀬戸内海に面して製造業を中心とした経済発達により形成された一連の連続した町ということは言えると思っております。
また、それぞれの自治体における施策や住民生活における慣習が個々には異なりますが、経済的には住民の生活圏や商圏が交わるなど、既に一体的なつながりを持っているようにも思っております。
御提案の東予全体を一市とする構想につきましては、地域の将来的な経済的発展を展望したとき、当然大きくなることでの優位性や、あるいは現状の市町村間において重複するような施設のところで合理化できるなどスケールメリットが期待できるんではないかというふうには感じております。そういう意味で、東予一円で一体化するという方向につきましては、現在出されている試案に基づく合併論議とはまた違った長期的な展望のもとで検討をすべき事項と考えております。
しかしながら、この合併という問題は、私も市長就任以来、先ほどは別子山村とのお話がございましたが、他の市町村長、あるいは幹部の職員の皆様ともお話しを申し上げ、そういう話題も出ましたが、確かに大変な問題であり、国、県の大きな基本はあるものの、それぞれの住民と直接接する市町村においては非常に慎重に、また真剣に取り組まなければならないというふうに感じました。そういう意味で、この問題は行政の活動や、あるいは市民生活に大きく影響を与えるものであり、それぞれの住民の意識が最大限に尊重されるべきであると思っております。今後、庁内での論議、あるいは市民への情報発信、情報提供ということは進めていかなければならないと思いますが、そういう意向や議論の中で方向性を検討していきたいと、このように思っております。
次に、生涯教育についてでありますが、本市におきましては行政や民間を含め、さまざまな形で市民が学習する機会があります。また、情報化の推進によりいながらにして意欲がある人は学習できる時代が到来をしております。小野議員さんも御指摘のとおり、最近の社会人の皆さんの学習意欲の高まりには私も大変敬服をしております。
また、まちづくりは人づくりというように、今後におきましても市民の学習意欲に対応した施策を実施していくことが必要であります。また、そのためには各社会人大学、あるいは通信大学という御提言もございましたが、そういう機会の情報提供や、あるいは現在行われている生涯学習の中でもっとそれを活用していただき、さまざまな教育施設やそういうものをそういう場として活用できるような方向を考えております。また、市民の中でのそういう意欲が大学誘致につながるのではないかという御指摘も大変うなずけるところであります。そういう意味で、新居浜市民の中全体で学習意欲、そういうものが高まっていくと、そういう方向をぜひ考えていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いを申し上げます。
次に、駅前開発と整備についてでございますが、新居浜駅前土地区画整理事業については、現在用地の先行買収を進めておりますが、地権者の皆様方の御協力により、計画に対しては順調に進捗いたしております。
私も、今後は新居浜駅前地区が道路交通体系の整備、業務、文化機能の充実により新居浜市の顔としてふさわしい交流の拠点となるような、中心となるような拠点整備を図る必要があると考えております。またそれと同時に、土地区画整理事業の目的でもありますが、区域内に生活していらっしゃる方々が住環境の面でも、また人間関係の面でも住みやすい、住み続けることができるようなまちづくりを進めてまいらなければならないと考えております。このためには、鉄道の高架、複線化、これに伴います貨物駅の問題、また駅の南を含む南北一体的な土地利用の実現が不可欠であると認識しております。
既に、鉄道の高架につきましては事業採択要件など、厳しい条件ではございますが、県に対しまして調査要望をしております。また、私も先般、建設省、JR四国高松本社、JR貨物高松事務所に出向いてお話しを申し上げてまいりました。また、商工会議所には新居浜駅高架促進期成同盟会が設立され、鉄道高架事業の事業着手に向け民間からの活動をしていただいております。市といたしましては、新居浜市議会に設置されております特別委員会の御意見などもお聞きをしながら駅前土地区画整理事業の早期完成を目指すとともに、駅南の面整備、鉄道高架化などの実現のために関係機関と積極的に協議を進めてまいりたいというふうに考えております。
なお、鉄道の複線化、あるいはフリーゲージトレインの導入については、四国愛媛の将来的な展望として大変重要な課題であり、検討をされるべきものと考えます。
以上、申し上げましたが、他の点につきましてはそれぞれ補足をいたさせます。
○議長(世良賢克君) 西原教育長。
○教育長(西原洋昂君)(登壇) 小野豊實議員さんにお答えします。
初めに、21世紀の教育についてのうち、文化、芸術の教育についてでございますが、文化、芸術はあらゆる年齢の人が創造的な営みの中で、個人それぞれの可能性や多様性を追及する、人としての根源的な欲求であり、生きがいでありますことは御高承のとおりでございます。特に、教育の一環といたしましても文化、芸術の果たす役割は極めて重要になってきており、心の教育や総合的な学習の時間、完全学校週5日制の実施に伴い、学校や地域社会において子供たちの文化活動や優れた芸術を鑑賞する機会をより一層充実させることが必要と認識いたしております。このため、学校教育におきましても、音楽、図工、技術、国語科の領域の中で和楽器の体験や日本古来の音楽の鑑賞と演奏、美術史や版画指導の中での仏教美術や浮世絵の取り扱い、小学校から中学校に至る書写の学習などを中心に、子供たちの発達段階や興味関心に応じた取り組みを行っているところでございます。
今後、総合的な学習の時間の中で、地域に伝わる伝統芸能や音楽の体験を通して学ぶ機会がふえ、日本文化の持つよさを身近な場から選べる学習が期待できるものと考えております。
次に、ゆとりの教育についてでございますが、2002年度からの完全学校週5日制に伴い、授業時数が縮減するとともに教育内容が厳選されることは御案内のとおりでございますが、授業時数の縮減以上に教育内容が厳選されることから、学校現場におけるゆとりは確保できるものと考えております。そこで、学校では厳選された基礎的、基本的な教育内容を確実に身につけ、生み出されたゆとりの中で総合的な学習はもとより、各教科において体験的、問題解決的な学習や自分の興味、関心などに応じた学習が展開されるよう指導し、その成果を期待いたしております。
○議長(世良賢克君) 補足答弁を求めます。神野保健福祉部長。
○保健福祉部長(神野彰君)(登壇) 政治倫理につきまして補足を申し上げます。
福祉関係団体の件に関しまして、おわびと詳細報告書を見た後での関係書類の精査であったかどうかとのお尋ねでございますが、手をつなぐ親の会会長を辞任するまでの経緯は、最終的に会長の個人負担で精算し、しかも文書で関係者におわびをし、会長職を辞して一応のけじめをつけたいとの報告があったと承っております。その後、平成10年度事業完了後の平成11年3月31日に補助金交付確定のための事業実績報告書及び決算書の提出を受け、補助金の確定、精算をいたしております。
以上で補足を終わります。
○議長(世良賢克君) 再質問はありませんか。小野豊實君。
○21番(小野豊實君)(登壇) 今のお話によると、この47回全日本手をつなぐ育成会全国大会精算についてのおわびと詳細報告という、こういう書類は見てないわけですか、どうぞお願いします。
○議長(世良賢克君) 神野保健福祉部長。
○保健福祉部長(神野彰君)(登壇) 小野議員さんの再質問にお答えをいたします。
全国大会における精算の報告、あるいは3名のキャンセル料等についての実績報告は市の方へはございません。したがいまして、そういう精算をしたという御報告はその会議の中では、団体の会の中では得られておりますが、市の方への報告はいただいておりません。
以上です。
○議長(世良賢克君) 再質問はありませんか。
(21番小野豊實君「なし」と呼ぶ)
以上で本日の一般質問は終わりました。
これをもって本日の日程は全部終了いたしました。
明13日は午前10時から会議を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後 1時42分散会