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第1章 総則(第1条-第9条)
第2章 基本的施策(第10条-第15条)
第3章 推進体制等(第16条-第20条)
第4章 男女共同参画審議会(第21条)
第5章 雑則(第22条)
附則
私たちの目指す21世紀の社会は、日本国憲法にうたわれているように、すべての人が性別にかかわりなく平等で個人として尊重される社会です。
新居浜市は、別子銅山の開坑以来、四国屈指の工業都市として発展し、早くから男女が共に働くという気風が培われてきました。昭和58年には女性の地位向上と社会参画を市政の重点目標に掲げ、平成12年には県下で初の「男女共同参画都市宣言」を行うなど、男女共同参画社会の実現に向け、市民と行政が一体となってさまざまな取組を進めてきました。
しかしながら、性別による固定的な役割分担意識やそれに基づく慣行がいまだ根強く残っており、社会のさまざまな分野で男女間の格差が生じる要因となっています。また、少子高齢化等の急速な進展による社会環境の変化や、ドメスティック・バイオレンスを始めとする暴力的行為が社会問題になるなど、男女共同参画社会の実現には今なお多くの課題が残されています。
ここに私たちは、男女共同参画社会の実現を目指すことを決意し、市民一人ひとりがともにいきいきと暮らせるまち新居浜を築くため、この条例を制定します。
第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関する基本理念を定め、市、市民、事業者及び教育関係者の責務を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、市民一人ひとりがいきいきと暮らすことのできる男女共同参画社会の実現に寄与することを目的とします。
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによります。
(1)男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うこと。
(2)積極的改善措置 社会のあらゆる分野における活動に参画する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、その機会を積極的に提供すること。
(3)セクシュアル・ハラスメント 性的な言動により他の者を不快にさせ、その者の就業環境その他の生活環境を害すること又は性的な言動に対する相手方の対応によって不利益を与えること。
(4)ドメスティック・バイオレンス 配偶者等から受ける身体的、精神的、経済的又は言語的な暴力及び虐待
第3条 男女共同参画は、次の各号に掲げる事項を基本理念として推進されなければなりません。
(1)男女の個人としての尊厳が重んじられ、男女が共に性別による差別的取扱いを受けることなく、個人として能力を発揮する機会が均等に確保されること。
(2)性別による固定的な役割分担等に基づく社会における制度又は慣行が、男女の社会における活動の自由な選択に対して影響を及ぼすことのないよう配慮されること。
(3)男女が社会の対等な構成員として、市における施策又は事業者その他の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されること。
(4)男女が家族の一員としての役割を果たし、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動と家庭以外の地域、職域、学校その他の社会のあらゆる分野における活動との両立ができるよう配慮されること。
(5)経済活動の分野において、男女が均等な就業環境の下で、労働、生産、経営等に協働して取り組むことができるよう配慮されること。
(6)学校教育及び生涯にわたる社会教育の分野において、自立の精神と男女平等の意識が育まれる教育が確保されること。
(7)生涯にわたる妊娠、出産その他の性及び生殖に関する事項に関し、自らの決定が尊重されること及び健康な生活を営むことについて配慮されること。
(8)男女共同参画の推進に関する取組は、国際社会及び国内における取組と協調して行われること。
第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」といいます。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含みます。以下同じとします。)を総合的に策定し、これを計画的に実施します。
2 市は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するに当たり、市民、事業者、教育関係者、国及び他の地方公共団体と連携して取り組みます。
第5条 市民は、基本理念にのっとり、家庭、地域、職域、学校その他の社会のあらゆる分野において、積極的に男女共同参画の推進に努めるものとします。
2 市民は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に積極的に協力するよう努めるものとします。
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、男女が職域における活動に対等に参画することができる体制の整備に努めるとともに、職業生活における活動と家庭生活における活動その他の活動とを両立して行うことができる就業環境を整備するよう努めるものとします。
2 事業者は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に積極的に協力するよう努めるものとします。
第7条 学校教育、社会教育その他のあらゆる分野における教育の関係者は、それぞれの教育の目的を実現する過程において、基本理念にのっとった教育を行うよう努めるものとします。
2 教育関係者は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に積極的に協力するよう努めるものとします。
第8条 何人も、家庭、地域、職域、学校その他の社会のあらゆる分野において、性別による差別的取扱い、セクシュアル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンスその他の男女共同参画を阻害する暴力的行為を行ってはなりません。
2 市は、前項の規定に違反する行為によって被害を受けた者に対し、必要に応じた支援を行います。
第9条 何人も、市民に公表する情報において、性別による差別的取扱い、固定的役割分担又は異性に対する暴力的行為を助長し、又は連想させ、人権を侵害する表現を行わないよう努めなければなりません。
第10条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」といいます。)を策定します。
2 市長は、基本計画を策定又は変更するに当たっては、市民、事業者及び教育関係者(以下「市民等」といいます。)の意見を聴くとともに、新居浜市男女共同参画審議会に諮問します。
3 市長は、基本計画を策定又は変更したときは、速やかにこれを公表します。
第11条 市長は、毎年、男女共同参画の推進の状況及び男女共同参画の推進に関する施策の実施状況を明らかにした年次報告書を作成し、公表します。
第12条 市は、人事管理その他の組織運営及び政策決定の機会において、積極的改善措置を講じ、率先して男女共同参画を推進します。
2 市は、委員会、審議会その他これに準ずるものの構成員を委嘱し、又は任命するに当たり、積極的改善措置を講じ、男女の均衡を図ります。
第13条 市は、男女共同参画の推進に関する施策の策定及び実施のため、必要な情報を収集し、調査研究を行います。
第14条 市は、男女共同参画の推進について市民等の関心と理解を深めるため、広報及び啓発活動並びに学習の促進を積極的に行います。
(男女共同参画推進週間)
第15条 市は、市民等に広く男女共同参画の趣旨を周知し、男女共同参画の推進への積極的な取組が行われるよう重点的に啓発活動等を行うため、男女共同参画推進週間を設けます。
2 前項の男女共同参画推進週間は、8月1日から同月7日までとします。
第16条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、必要な体制を整備します。
2 市は、あらゆる施策の策定及び実施に当たっては、男女共同参画の視点をもって取り組みます。
3 市は、男女共同参画の推進のため、必要な拠点施設の整備及び機能の充実を図ります。
4 市は、基本計画に基づく施策を実施するため、必要な財政上の措置その他の措置を講じます。
第17条 市長は、男女共同参画の推進に関し必要があると認めるときは、事業者に対し、男女共同参画の状況その他必要な事項について報告を求めることができます。
第18条 市は、市民等が自主的に実施する男女共同参画を推進する活動を支援するため、必要な措置を講じます。
第19条 市長は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策に関し、市民等から苦情の申出があった場合は、適切な措置を講じます。
2 市長は、必要があると認めるときは、前項の申出への対応に当たり、新居浜市男女共同参画審議会の意見を聴くことができます。
第20条 市は、性別による差別的取扱いその他男女共同参画の推進を阻害する要因による人権の侵害に関して、市民等から相談の申出があった場合は、関係機関等と連携し適切な措置を講じます。
第21条 男女共同参画を推進するため、新居浜市男女共同参画審議会(以下「審議会」といいます。)を置きます。
2 審議会は、市長の諮問に応じ、男女共同参画の推進に関する基本的かつ総合的な施策及び重要事項について審議します。
3 審議会は、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について、必要に応じて調査し、市長に意見を述べることができます。
4 審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定めます。
第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定めます。
この条例は、平成15年10月1日から施行します。