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産業革命後のイギリスでは、機械での大量生産、大量消費に移行し、職人の手仕事が失われ、労働に対する使命感や誇りが失われつつありました。ウィリアム・モリス(1834-96)は、中世的なイギリスの手工業の復興を目指して仲間たちと商会を設立し、有用性と美を兼ね備えた作品を次々と生み出しました。その思想と実践に共鳴した芸術家、建築家、デザイナー、職人たちが展開した潮流を「アーツ・アンド・クラフツ運動」といいます。この潮流はやがてアメリカ、ヨーロッパ諸国を始め世界各地へとおよび、独自の歴史・文化、社会情勢を反映させながらさまざまな方向へと発展していきました。
本展ではこの運動の幅広い展開を、モリスをはじめとしたイギリスの作家たちを中心に、アメリカの建築家フランク・ロイド・ライト(1867-1959)まで約170点の作品を通じてご紹介します。
あわせて、モリスの没後スコットランドの工業都市グラスゴーで生まれたアーツ・アンド・クラフツの新しい潮流の影響を受けて設計された日暮別邸と建築家・野口孫市(1869-1915)の足跡に着目した連携展示を行います。
アーツ・アンド・クラフツとデザイン
ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで
チラシデータ [PDFファイル/8.8MB] | 出品リスト [PDFファイル/406KB]
[会期]
2024年4月27日(土)~6月30日(日)
[休館日]
月曜日(ただし4月29日、5月6日、6月3日は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)、6月4日(火)
[会場]
新居浜市美術館 展示室1・2(愛媛県新居浜市坂井町2-8-1 あかがねミュージアム2階)
[開館時間]
午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)
[観覧料]
一般1,000(800)円/65歳以上800(600)円/大学生以下無料
※( )内は、20名以上の団体料金
※各種障がい者手帳等をお持ちの方(介助者1名を含む)は無料
※一般料金以外でご利用の方は、学生証や年齢確認のできるものをご持参ください。
※チケットは1階総合案内にて販売[当日券のみ]
[主催]
新居浜市美術館
[後援]
ブリティッシュ・カウンシル、愛媛新聞社、NHK松山放送局、南海放送、テレビ愛媛、あいテレビ、愛媛朝日テレビ、
ハートネットワーク、新居浜文化協会、国際ソロプチミスト新居浜、国際ソロプチミスト 新居浜みなみ
[協力]
日暮別邸記念館、住友金属鉱山株式会社、住友化学株式会社、住友重機械工業株式会社、
住友共同電力株式会社、住友林業株式会社、三井住友建設株式会社
[企画協力]
株式会社ブレーントラスト
・講演会「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」
[日時] 2024年4月28日(日)午後2時~午後3時30分
[会場] あかがねミュージアム地下1階 多目的ホール
[講師] 大阪大学名誉教授 藤田 治彦 氏
[定員] 100名 ※参加自由・聴講無料
・関連ワークショップ「つながる模様を作ろう」※申込期間終了
[日時] 2024年5月25日(土)午後2時~
[会場] あかがねミュージアム1階 創作スペース
[講師] デザイナー 軸原 ヨウスケ 氏
[定員] 15名
[対象] 小学生以上
※参加費無料 ※要申込(お申込が多数の場合は抽選となります)
・学芸員による展示ガイド
[日時] 2024年5月4日(土・祝)、6月16日(日) 各回とも午後2時~午後2時30分
[会場] あかがねミュージアム2階 展示室内
[定員] 20名 ※参加自由・要観覧券
第1章 モリス・マーシャル・フォークナー商会とモリス商会
モリスのインディゴ捺染への情熱があらわれている《いちご泥棒》をはじめとしたテキスタイルから、家具、晩年に没頭したケルムスコット・プレスなど代表作をご紹介します。
ウィリアム・モリス《いちご泥棒》1883年
モリス商会 Photo ©Brain Trust Inc.
おそらくフィリップ・ウェッブ《サセックス・シリーズの肘掛け椅子》1860年頃
モリス・マーシャル・フォークナー商会 Photo ©Brain Trust Inc.
第2章 アーツ・アンド・クラフツ展覧会協会
モリスの思想と実践に共鳴する次世代の芸術家たちが現れ、ウォルター・クレインや、ウィリアム・ド・モーガン、C・F・A・ヴォイジーらが生み出した壁紙やタイル、ランプなど室内を彩る多様なデザインをご覧いただきます。
ウィリアム・ド・モーガン《バラと格子》1872年頃
ド・モーガン工房 Photo ©Brain Trust Inc.
ウィリアム・アーサー・スミス・ベンソン《卓上ランプ》
W・A・S・ベンソン社 Photo ©Brain Trust Inc.
第3章 英国におけるアーツ・アンド・クラフツの展開
アーツ・アンド・クラフツ運動は次第に産業デザインとして発展していき、リバティ商会をはじめとする各メーカーが製品のデザイン、制作、販売を通じてより多くの人々に美しいデザインを提供しました。
ジョージ・フォークナー・アーミテージ《シルケット加工布地》1900年頃
アーサー・H・リー商会 Photo ©Brain Trust Inc.
アーチボールド・ノックス《銀とエナメルのブローチ》1903年頃
リバティ商会 Photo ©Brain Trust Inc.
第4章 アメリカでのアーツ・アンド・クラフツ
アーツ・アンド・クラフツ運動は世界各地に広がり、アメリカでは手工業のみに限らずラスキンやモリスが消極的であった機械も取り入れ、独自の発展を遂げました。「機械のアートとクラフト」を提唱したライトの建築と調和した作品や、ティファニー・スタジオの装飾品などの作品をご紹介します。
《三輪のリリィの金色ランプ》1901-1925年
ティファニー・スタジオ Photo ©Brain Trust Inc.
エルバルト・ハバード
『リトルジャーニーズ・偉大な音楽家のもとへ:ジュゼッペ・ヴェルディ』1901年
ロイクロフト・プレス Photo ©Brain Trust Inc.
特集展示 日暮別邸にみるアーツ・アンド・クラフツ
建築家・野口孫市は、1900年に住友春翠(1864-1926)を家長とする住友本店臨時建築部の初代技師に迎えられ、「住友の建築家」として活躍しました。1906年に四阪島に竣工した住友別子鉱業所接待館、通称「日暮別邸」は、近代工業の島に立つが故に「簡素であること」を命題とし、野口はアーツ・アンド・クラフツの新しい潮流である「グラスゴー派」を手がかりに内部意匠を設計しました。ここでは野口が当時影響を受けていたデザインに着目し、日暮別邸記念館との連携展示を行います。
外観写真 写真提供:日暮別邸記念館
施設併設の駐車場には限りがありますので、できるだけ公共交通機関をご利用ください。
【電車をご利用の方】
JR予讃線「新居浜」駅から徒歩すぐ
【バスをご利用の方】
せとうちバス「新居浜駅」下車徒歩すぐ
【自動車をご利用の方】
松山自動車道新居浜ICからJR新居浜駅方面へ約15分
※ナビ設定でお越しの際は、住所検索かJR新居浜駅検索でお越しください。電話番号でカーナビ検索をすると正しい位置が表示されない場合があります。
駐車場案内図(クリックで詳細表示します) [PDFファイル/851KB]
施設をご利用の方は総合案内にて3時間無料駐車券をお配りしています。
併設の駐車場が満車の場合は、新居浜駅南駐車場・南口広場駐車場をご利用ください。
新居浜駅南駐車場・南口広場駐車場は3時間まで無料です(総合案内での無料駐車券の発行はありません)。
その他の詳細はあかがねミュージアムHP<外部リンク>をご覧ください。