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『むかしばなし』データベースから【餅つきと天狗】を表示 登録件数30中1件
餅つきと天狗上部のおはなし(イラスト:藤田美保)

挿絵
船木の大久保にも昔話があったろ。餅をつきよって、天狗に子供をさらわれた話よ。 
 昔ね、せっき(年末)の餅をついていたんよ。その時子供があまりうるさく泣くので、外へ投げ出したんと。
 ところが、いよいよその子の泣き声が遠ざかってゆくけね。おかしいねと思って外をのぞいたら、赤い着物のその子が天狗にさらわれて、山の方へ飛んでいったそうな。
 さらわれたその子の着物は、どこやらの池にあったといいよったよ。
 わたしゃ寝物語りにおばあさん(母)からよう聞いたんよ。
 それで年末にはその家ではお餅をつかんようになったいうね。大久保いうたら昔はものすごく山奥だったんよ。
 (下東田 徳永 富貴子 談)
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